乳がんの病期分類

局在(部位)と亜部位 《乳房》
右乳房
乳がんの病期分類
axillary tailに発生
したもの
左乳房
axillary tailに発生
したもの
乳房の境界病巣
乳房の境界病巣
C’
( C50.0-C50.9 )
C’
乳房上外側 4分の1
乳房上内側 4分の1
C
C
E
乳房の境界病巣
乳房中央部
D
B
乳房下外側 4分の1
乳房上外側 4分の1
A
A
E
乳房の境界病巣
乳房上内側 4分の1
乳房の境界病巣
乳房中央部
D
B
乳房下内側 4分の1
乳房下内側 4分の1
乳房下外側 4分の1
乳房の境界病巣
乳房の境界病巣
.
1
形態コード(病理組織) #1 《乳房》
原発部位とICD-O-3局在コード 《乳房》
I CD - O
局在コード
取扱い規約の
部位表現
E’ (乳頭部)
E (乳輪部)
A (乳房内上部)
B (乳房内下部)
C (乳房外上部)
D (乳房外下部)
乳頭および乳輪
乳房中央部
乳房上内側4分の1
乳房下内側4分の1
乳房上外側4分の1
乳房下外側4分の1
C50.6
C' (乳房の腋窩尾部)
乳房腋窩尾部
乳腺の尾部,NOS
AB, AC・・等
C50.8
「2つ以上の領域にまたがり、
主占拠部位を決定できる
情報がない場合」
※取扱い規約の記載方法に
従っているかを確認する。
C50.9
非浸潤性乳管癌は
8500/29
注意すべき形態コード
診療情報所見
C50.0
C50.1
C50.2
C50.3
C50.4
C50.5
2
 浸潤性導管癌(浸潤性乳管癌)
乳頭腺管癌 8503/39 → 8500/31
papillo-tubular carcinoma
充実腺管癌 8230/39 → 8500/32
solid-tubular carcinoma
硬癌
8141/39
scirrhous carcinoma
乳房の境界部病巣
外側乳房
上部乳房
内側乳房
下部乳房
乳房正中線部
乳房,NOS
乳腺
→ 8500/33
※ わが国のがん登録における独自ルール:
わが国で用いられてきた詳細な亜分類であるため、分類は残しつつ、
国際的に比較するため「浸潤性導管癌」にまとめて集計できるようコード。
3
形態コード(病理組織) #2 《乳房》
形態コード(組織型)
病理組織名(日本語)
注意すべき形態コード その2
非浸潤癌
 Apocrine Carcinoma in situ
 乳がん(C50._)の場合、8500/29とする
Noninvasive ductal carcinoma
8500/2
Lobular carcinoma in situ
8520/2
Paget's disease, mammary, in situ
8540/2
Apocrine carcinoma, in situ
8500/2
浸潤癌
浸潤性乳管癌
 紡錘細胞癌(Spindle cell carcinoma)
Invasive ductal carcinoma
8500/3
Papillotubular carcinoma
8500/31
充実腺管癌 ※
Solid-tubular carcinoma
8500/32
硬 癌 ※
Scirrhous carcinoma
8500/33
Special types
紡錘細胞癌※
Spindle cell carcinoma
8572/3
アポクリン癌
Apocrine carcinoma
8401/3
Paget病
5
Invasive carcinoma
乳頭腺管癌 ※
特殊型
8572/3(紡錘細胞化生を伴う腺癌)と する
形態コード
Noninvasive carcinoma
非浸潤性小葉癌
上皮内アポクリン癌 ※
8540/29
8542/29
《乳房》
英語表記
非浸潤性乳管癌
乳房Paget〔パジェット〕病、
上皮内※
 乳房、乳房外Pagetの表皮内癌
以下2つのコードを新設する
 乳房Paget(表皮内癌)
 乳房外Paget(表皮内癌)
4
Paget's disease
8540/3
組織コード6桁目(分化度のコード)
T分類(UICC第7版) 《乳房》
《乳房》
TX原発腫瘍の評価が不可能
※pT分類では、
腫瘍径は
T0 原発腫瘍を認めない
浸潤部の大きさ
Tis 非浸潤癌
Tis(DCIS)
非浸潤性乳管癌
Tis(LCIS)
非浸潤性小葉癌
Tis(パジェット) ※乳腺実質に病変がある場合は、
大きさや性状で分類
T1 最大径が2cm以下の腫瘍
T1mi 最大径≦0.1cmの微小浸潤
T1a
0.1cm<最大径≦0.5cm
T1b
0.5cm<最大径≦1.0cm
T1c
1.0cm<最大径≦2.0cm
表1.N・SAS‐BCにおける乳管癌の
核異型度(nuclear grade)の評価
A.核異型(nucle ar atypia)
Score 1
核の大きさ、形態が一様で、クロマチンは目立たない。
Score 2
1と3の中間
Score 3
核の大小不同、形態不整が目立つ。クロマチンの増量、不均等分布が目立ち、
大型の核小体を有することがある。
B.核分裂像の数( n u mbe r of mitotic figu re s)
低倍で最も分裂像の多そうな部分を選んだ後、
Score 1
高倍(400×)l0視野で5個未満
Score 2
同10視野で5-10個
Score 3
同10視野で11個以上
A+B.核異型度( n u c le ar grade )
「核異型」、「核分裂像の数」のスコアを合計
合計Score 2~3
Nuclear grade 1 (NG1)
→G1(高分化型)
合計Score 4
Nuclear grade 2 (NG2)
→G2(中分化型)
合計Score 5~6
Nuclear grade 3 (NG3) → G3(低分化型)
8
7
T分類(UICC第7版) 《乳房》
T2
T3
T4
《乳房》T分類の考え方 (UICC第7版)
2.0cm<最大径≦5.0cm
5.0cm<最大径
腫瘍の大きさに関係なく、
胸壁※1および/または皮膚※2への直接的な広がりを
示す腫瘍(潰瘍形成または皮膚結節)
T4a 胸壁への広がり(胸筋浸潤は含まない)
T4b 潰瘍形成、同側乳房の衛星皮膚結節、
または皮膚の浮腫(橙皮状皮膚を含む)
T4c T4aとT4bの両方
T4d 炎症性乳癌
①~③の情報を確認!
①皮膚への拡がりを理学的検査(視診/触診/聴診など)で評価する。
視診:皮膚潰瘍形成、
浮腫(peu d’orange:橙皮状皮膚を含む)
触診:皮膚衛星結節
②胸壁への拡がりを理学的検査(視診/触診/聴診など)で評価する。
触診:胸壁(小胸筋、大胸筋は含まない)に固定して
可動性がなくなる
③最大径をMMG(マンモグラフィー)、超音波検査、MRI等
の画像診断で評価する。
※ pT:病理学的所見は手術標本の浸潤部分の最大径で測定
※1胸壁は、肋骨・肋間筋・前鋸筋を含むが、胸筋は含めない。
※2真皮への浸潤だけではT4としない。
9
T分類 (UICC第7版) 《乳房》
最大径
Tis
T1mi
T1
T4
最大径 ≦ 0.1cm
胸壁固定
皮膚所見
なし
なし
なし
なし
T1a
0.1cm < 最大径 ≦ 0.5cm
なし
なし
T1b
0.5cm < 最大径 ≦ 1.0cm
なし
なし
T1c
1.0cm < 最大径 ≦ 2.0cm
なし
なし
T2
2.0cm < 最大径 ≦ 5.0cm
なし
なし
T3
5.0cm < 最大径
なし
なし
T4a
腫瘍最大径と無関係
あり
なし
T4b
腫瘍最大径と無関係
なし
あり
T4c
腫瘍最大径と無関係
あり
あり
T4d
腫瘍最大径と無関係
10
所属リンパ節(取扱い規約第17版) 《乳房》
 腋窩リンパ節 レベルⅠ
小胸筋の外側
 腋窩リンパ節 レベルⅡ
小胸筋の裏(胸筋間も含む)
鎖骨
胸骨
腋窩
動静脈
 腋窩リンパ節 レベルⅢ
小胸筋の内側
※ 鎖骨下リンパ節に相当
 胸骨傍リンパ節
※ 内胸リンパ節に相当
 鎖骨上リンパ節
炎症性乳癌の記載
11
胸背
動静脈
内胸
動静脈
外側胸
動静脈
※ 腋窩LNレベルⅢ ≠ 鎖骨下LNだが、
わが国では同じものと扱う
※ 乳房内のリンパ節は
腋窩リンパ節に含まれる
12
N分類・臨床分類 (UICC第7版)《乳房》
NX
N0
N1
N2
所属リンパ節転移の評価が不可能
所属リンパ節転移なし
可動性の同側腋窩リンパ節(Level I/II)転移
固定または癒着した同側腋窩リンパ節(Level I/II)転移
同側胸骨傍リンパ節転移
同側鎖骨下リンパ節(腋窩Level III)転移、
同側腋窩リンパ節(Level I/II)転移および同側胸骨傍リンパ節転移、
同側鎖骨上リンパ節転移
N3a
N3b
N3c
N2
N3
なし
なし
なし
なし
なし
あり
なし
なし
なし
なし
cN2a
?
あり
なし
なし
なし
cN2b
なし
なし
あり
なし
なし
cN3a
?
?
?
あり
なし
あり
あり
なし
なし
?
?
?
あり
cN3b
14
N分類・術後病理学的 (UICC第7版)《乳房》
UICC TNM分類
【第7版】
(レベルⅠ、レベルⅡ)
胸骨傍
リンパ節
腋窩リンパ節
pN0
pN1mi
pN1a
pN1
pN1b
pN1c
pN2a
pN2
pN2b
(同側腋窩リンパ節の)微小転移
1~3個の腋窩リンパ節転移
同側胸骨傍リンパ節微小転移
1~3個の腋窩リンパ節転移+同側胸骨傍リンパ節微小転移
4~9個の同側腋窩リンパ節転移
同側胸骨傍リンパ節転移
以下に示す転移
pN3a
10個以上の同側腋窩リンパ節転移、または鎖骨下リンパ節転移
同側腋窩リンパ節転移+同側胸骨傍リンパ節転移、
pN3
pN3b
または
N3c
?
「?」は、転移陽性/陰性いずれでもかまわない
4~9個の同側腋窩リンパ節転移、または同側胸骨傍リンパ節転移
N3a
N3b
可動/固定いずれか
13
微小転移、あるいは1~3個の同側腋窩リンパ節転移、および/または同側胸骨傍リンパ節微小転移
N2a
N2b
鎖骨上
リンパ節
(レベルⅢ)
cN1
cN3c
所属リンパ節転移の評価が不可能
所属リンパ節転移なし
N1mi
N1a
N1b
N1c
鎖骨下
リンパ節
cN0
cN3
N分類・術後病理学的(UICC第7版)《乳房》
NX
N0
N1
胸骨傍
リンパ節
固定
cN2
同側鎖骨下リンパ節(腋窩Level
同側腋窩リンパ節(Level I/II)転移
および同側胸骨傍リンパ節転移
同側鎖骨上リンパ節転移
(レベルⅠ、レベルⅡ)
可動
III)※転移
※乳癌取扱い規約 第17版に、
「腋窩リンパ節レベルⅢは、UICCTNM分類の鎖骨下リンパ節に相当」と記載
腋窩リンパ節
UICC TNM分類
【第7版】
固定または癒着した同側腋窩リンパ節(Level I/II)転移、
または同側胸骨傍リンパ節転移
N2a
N2b
N3
N分類・臨床分類 (UICC第7版)《乳房》
4個以上の同側腋窩リンパ節転移+同側胸骨傍リンパ節微小転移
同側鎖骨上リンパ節転移
pN3c
鎖骨下
リンパ節
鎖骨上
リンパ節
(レベルⅢ)
なし
なし
なし
なし
微小転移
なし
なし
なし
1~3個
なし
なし
なし
なし
微小転移
なし
なし
1~3個
微小転移
なし
なし
4~9個
なし
なし
なし
なし
あり
なし
なし
10個以上
なし
なし
なし
?
?
1個以上
なし
1個以上
1個以上
なし
なし
4個以上
微小転移
なし
なし
?
?
?
1個以上
※微小転移とは:0.2mm < 微小転移の大きさ ≦ 2.0mm または 2.0mm以下の転移で細胞数200以上
15
M分類 (UICC第7版) 《乳房》
16
ステージ(UICC第7版) 《乳房》
MX 遠隔転移の評価が不可能
UICC TNM
分類
【第7版】
N0
Tis
0
M0 遠隔転移なし
T1
M1 遠隔転移あり
T1mi
T1a
T1b
T1c
T2
T3
N1
N1mi N1a
N2
N1b
N1c
N3
N2a N2b N3a N3b N3c
IA IB
ⅡA
ⅢA
ⅢC
ⅡA ⅡB
ⅡB ⅢA
ⅡB
ⅢA
ⅢA
ⅢA
ⅢC
ⅢC
ⅢB ⅢB
ⅢB
ⅢB
ⅢC
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
T4a
T4
T4b
T4c
T4d
M1
17
Ⅳ
Ⅳ
18
進展度(臨床進行度) (UICC第7版)《乳房》
UICC TNM分類
【第7】
N0
Tis
0:
上皮内
T1mi
T1a
T1b
N1
N1mi
N1a
N2
N1b
N1c
N2a
N2b
N3
N3a
N3b
N3c
1:
限局
2:所属
リンパ節
転移
2:所属
リンパ節
転移
2:所属
リンパ節
転移
2:所属
リンパ節
転移
4:
遠隔転移
T2
1:
限局
2:所属
リンパ節
転移
2:所属
リンパ節
転移
2:所属
リンパ節
転移
2:所属
リンパ節
転移
4:
遠隔転移
T3
1:
限局
2:所属
リンパ節
転移
2:所属
リンパ節
転移
2:所属
リンパ節
転移
2:所属
リンパ節
転移
4:
遠隔転移
3:隣接
臓器浸潤
3:隣接
臓器浸潤
3:隣接
臓器浸潤
3:隣接
臓器浸潤
3:隣接
臓器浸潤
4:
遠隔転移
4:
遠隔転
移
4:
遠隔転移
4:
遠隔転移
4:
遠隔転移
4:
遠隔転移
4:
遠隔転移
T1
T1c
T4a
T4b
T4c
T4d
T4
M1
19