教員向けしおり 2011年4月1日改訂版 ー CONTENTS ー 1.施設案内 1 2.総合展示室の見取り図と観覧時間のめやす 2 3.総合展示の概要 3 4.体験コーナー(一覧) 11 5.教育サービスについて 14 6.補足資料 ①音声ガイダンスシナリオ 23 ②映像資料のご案内 26 ③リバティホール座席表 30 ④案内地図(バス運転手さん用) 31 -1- リバティおおさか施設案内 -2- ゾーンⅠ てスゴイ くることっ !生まれて 感 体 「 」 ー 会 体験コーナ 見!私と社 「発 い “のち・輝き 」 !! 全体で30分 ” 体験コーナー「体感!生まれてくることってスゴイ!!」は、15分程度 体験コーナー「発見!私と社会」は、一度に3人まで、1回10分程度 体験コーナー「メモリアルキルト~」は、15分程度 4 人掛けブース ×1 3 人掛けブース ×3 2 人掛けブース ×2 1 人掛けブース ×3 「証言の部屋」は、 証言の部屋 「水俣」コーナー 体感コーナー 見つけよう! 自分の将来 体感コーナー 私たちのくらしを えている 支さ まな まざ 仕事 生きてるんだね、自然とともに 体感コーナー バリアフリーにつ いて学ぼう 低出生体重児・ 新生児の高度医療 地域社会と部落問題 体感コーナー「高齢者体験・ユニバーサルデザインにふれてみよう」は、一度に一人、一人 10 分程度必要 30 分 体感コーナー 探そう!私にできること 社会をよりよくするために くらしを支える仕事 切さ る不思議 の大 生命 ここにい いま 人工呼吸器をつけて 生きる 体感コーナー「いろんな衣装を着てみよう」は、一度に一人、一人 5 分程度必要 休憩コーナー 30 分 地域に生きる (障害者、 ホームレス) 10 分 地域での支えあい 未来に向かって 多様な性のありかた さまざまな生き方が できるよ 各 20 分 30 分 地域に生きる (高齢者・ ハンセン病回復者) 体感コーナー 高齢者体験・ユ ニバーサルデザ インにふれて みよう 地域社会と部落問題 体感コーナー みつけよう! 暮らしのなかの牛 いろいろな家族 環境 沖縄 10 分 10 分 大阪で活躍した人たち 夢 “・未来 児童虐待 HIV/AIDS 在日コリアン 日本・大阪の中の多様な文化・くらし アイヌ民族 体感コーナー うすればなれる どあ の仕事 DV 体感コーナー メモリアルキル トを通じて学ぶ 命の大切さ “チセ”の再現 アイヌ民族の 伝統的家屋 郷土おおさかの 生活・文化・歴史 体感コーナー ・いろんな衣装を 着てみよう ・いろんな楽器にふれ てみよう 世界の子どもたち 10 分 世界と大阪 働くということ 犯罪被害者 いじめ防止 共に学び、共に生きる ゾーンⅡ“共に生きる・社会をつくる” リバティおおさかの展示室 ゾーンⅢ 全体で30分 ” 総合展示の統一テーマ 私たちの命・社会・未来 ゾーンⅠ いのち・輝き この世に生まれてくるということ、生きているということについて考えたことはあ りますか。私たちの生命はかけがえのないものです。この世に生まれてきたすべて の生命が大切にされる社会とはどのようなものでしょうか。 ◆生命の神秘 ①生命の大切さ-いまここにいる不思議(映像とタペストリー) ②生きてるんだね、自然とともに ④低出生体重児・新生児の高度医療 NICU(新生児集中治療室)では、予定日より早く生まれたりして、体重が少なかっ たり、重い病気などをもつ新生児(生まれたての赤ちゃん)を対象に治療がおこなわれ ています。医学の進歩や医療に関わる人たちの努力などにより、多くの赤ちゃんの命 が助けられるようになり、成長していくことが可能になってきました。親子を分けず、 家族も関わってNICUでの治療やケアの取り組みも始められています。 ⑤人工呼吸器をつけて生きる ⅰ)人工呼吸器をつけて生きること 人工呼吸器は生活するために必要な補装具です。施設や病院を出て、必要な支援を 受けながら、地域の中で生活をする人工呼吸器をつけた人たちが増えています。す べての命が大切にされながら生きていける社会が求められています。 ⅱ)学校での生活 現在、全国各地の保育園や幼稚園、学校などで人工呼吸器をつけた子どもたちが共 に学んでいます。その場は教室の中の授業だけではなく、色々と工夫をすることに よって、体育や遠足、修学旅行などにも広がっています。 ⅲ)地域の中で 地域の中で、さまざまな活動をおこなうとき、差別的な対応を受けることも少なく ありません。自立生活を始めたり、仕事をする当事者たちの活動は、誰もが地域の 中で当たり前に生きていくことの大切さを伝えています。 ◆いのちを輝かす ①多様な性のありかた 性的な関心が異性に向く人、同性に向く人、両方に向く人「人を好きになる」ことに もさまざまな性のあり方があります。からだの性と心の性が一致しない人もいます。 さまざまな性のあり方が認められる社会をつくるため、いろいろな活動が広がってい ます。 ②いろいろな家族 「家族」という言葉を聞いたとき、どのような家族を想像しますか。1970 年と 2005 -3- 年の家族型別世帯数を比べると、夫婦と子ど もで構成されている家族の割合は減り、 夫婦のみの世帯や一人暮らしの世帯が増えています。社会にはさまざまな「家族」の あり方、生き方があります。 また、ひとり親家庭、大家族、児童養護施設、核家族 など、さまざまな立場で育つ子どもがいます。 ③児童虐待 2009 年度に全国の児童相談所で対応した児童虐待の相談件数は、44,210 件と報告さ れています。また、ニュースなどでも虐待や犯罪などにより、命を奪われる子どもの 姿が報道されています。子ども自身が人権意識を持ち、虐待や犯罪から身を守るため の技術を身につけるための活動や、地域全体で 子どもの人権と生命を守る活動が広 がっています。 ④ DV(ドメスティックバイオレンス) 夫婦の間や恋人の間など、親しい間柄で起こる暴力をドメスティック・バイオレンス (DV)と言いますう。最近では、10 代 20 代の恋人の間でのDV(これを「デートD V」と呼びます)の被害も多くなっています。被害者の多くは、家庭や社会で弱い立 場に置かれることが多い女性です。また、同性の間でのDV被害も問題となっていま す。被害者への精神的なケアや経済的な自立への支援が必要であり、DVが起こって いる環境で育った子どもへのケアも重要な課題です。 ⑥犯罪被害者 犯罪や交通事故にあった人や、それによって、突然、命を奪われた人の尊厳は守られ ているでしょうか。被害をうけた人々やその家族・遺族が中心となって、被害者やそ の家族・遺族の権利をまもる活動が各地で取り組まれています。 ⑦いじめ防止 「いじめ」は重大な人権侵害です。どんなことがあっても、だれも「いじめ」を受け る理由はないし、「いじめ」をする理由(言い訳)もありません。また、「いじめ」は 子どもだけの問題ではなく、学校、地域などが一体となって予防し「いじめ」が起き てしまったときには、すぐに解決に取り組まなければなりません。 ⑧さまざまな生き方ができるよ 法律やしくみ、人びとの考え方や社会の変化により、「男性は外で仕事、女性は家庭 で家事や子育て」という性別役割分業の考え方も少しずつ変化し、仕事を持つ女性が 増え、さまざまな分野で女性が活躍するようになりました。また、男性による育児、 子育てもよく見られる姿となり、性別にとらわれない生き方ができるようになりまし た。学校教育などで伝統芸能にふれる子どもたちもいます。性別、年齢にとらわれな い生き方ができる社会が目指されています。 ⑨環境 ⅰ)公害の深刻化と環境の再生 1960 ~ 70 年代、全国各地で公害が問題となりました。公害の被害者たちは、裁判 を通して、国や企業の責任を追及しました。現在では、被害を受けた地域で、環境 が再び生き返るような取り組みが続けられています。 ⅱ)生物多様性 -4- 生物多様性は、私たちが暮らす地球上に、いろいろな生きものが多く存在している ということです。生物多様性が守られていなければ、人間が暮らしていくことはで きません。環境の破壊が進む現在、生物多様性を守る活動が国際的な規模でおこな われています。 ⑩ HIV/AIDS 現在、日本には 19,000 人以上の HIV 感染者/AIDS 患者がいます。毎年、1,000 件の感 染者/患者が報告されているのは、先進国のなかでも日本だけだと言われています。 また、日本では 1980 年代、血友病患者が使用する血液製剤に HIV が混じり、血友病 者の多くが HIV に感染する「薬害エイズ」事件が起こり、日本中で HIV/AIDS が問 題となりました。同時に、HIV 感染者/AIDS 患者に対する差別・偏見が生み出されま した。HIV/AIDS についての正しい知識を得ることは差別・偏見をなくすと同時に、 HIV の予防にもつながります。現在は、学校教育などでの HIV 教育が広がっていま す。 ◆共に学び、共に生きる ①こんなあそび知ってる? ②気持ちに気づく ③こんなことをしています ④学ぶということ ◆「識字作品」コーナー ゾーンⅡ 共に生きる・社会をつくる 大阪から日本や世界を見渡すと、多くの文化や生活、歴史があることに気づきます。 さまざまな文化や人びとの生き方が大事にされ、共に生きる社会をつくるために私 たちに何ができるのか、考えてみましょう。 ◆世界の子どもたち 世界のさまざまな国や地域に生きる子どもたちは、どんな毎日を送り、どんなことを 考えているのでしょうか。戦争や貧しさによって、命と健康を脅かされている子ども たちをなくすため、私たちに何ができるのかについても考えましょう。 ①世界の子どもたちの写真 ②世界の子どもたちへのインタビュー ③厳しい現実を生きる子どもたち ⑤何ができるだろう ◆世界と大阪 大阪府、各市町村は世界各国・都市と友好・姉妹都市として交流しています。また近 年では国際化が進み、大阪には161カ国、約21万人の外国人が暮らしています。 経済や観光などで世界とつながる大阪を発見してみましょう。 -5- ①数字で見る交流 ②日本で暮らす海外の子どもたち ③世界と大阪の交流の歴史 ◆日本・大阪の多様な文化・くらし(在日コリアン、アイヌ民族、沖縄) 大阪にはさまざまな国や地域の文化をもつ人びとが暮らしています。さまざまな国や 地域の衣装を着たり、楽器に触れたりすることなどから、多様な文化、習慣、価値観 について学び、互いを理解し、尊重することについて考えてみましょう。 ①在日コリアン ⅰ)文禄・慶長の役と朝鮮通信使 16 世紀の終わりに豊臣秀吉の政権が試みた朝鮮侵略は、朝鮮の軍隊や民衆などの 抵抗によって失敗しました。その後に日本を統一した江戸幕府は、朝鮮との関係を 修復しようとして努力をはらいました。その結果、江戸時代の日本に朝鮮から十数 回にわたって朝鮮通信使が日本に派遣され、善隣友好の関係が続きました。 ⅱ)日本の植民地になった朝鮮 1910 年、日本は朝鮮を植民地とし、日本の領土にしました。多くの日本人が朝鮮 に渡り、一方で、生活が苦しくなった朝鮮人が日本で生活するようになりました。 日本では、朝鮮人に対する差別が生まれ、朝鮮の文化を劣ったものとする考え方が 強まりましたが、朝鮮人は言葉、生活習慣などの民族文化を守り続けました。 ⅲ)現代社会の在日コリアン 植民地支配が終わった後も、さまざまな事情から多くの朝鮮人が日本での生活を続 けました。現在の在日コリアンは、そうした人たちの子どもや孫などの世代が中心 となっています。大阪は、特にたくさんの在日コリアンがくらす街です。たくさん の朝鮮半島の文化が街に根づき、楽しむことができます。 ②沖縄 沖縄はかつて琉球王国としてアジア諸国との交易によって栄え、独自の歴史と文化を 築いてきました。近世から現代までの歴史のなかで、薩摩藩の侵略、琉球処分(琉 球国を廃止し、沖縄県として日本の領土にしたこと)、沖縄戦、アメリカ軍の統治、 日本社会への復帰など、日本の他の地域にはみられない経験をした沖縄では、人びと の意識や文化活動などに各時代の経験が影響しています。 ③アイヌ民族 ⅰ)アイヌ民族と日本の歴史 アイヌ民族は、現在の北海道と東北を中心とする地域に日本人に先駆けて住んでい た、日本の先住民族です。独自の文化を発展させ、自然のなかで豊かな暮らしを続 けてきました。一方で、江戸時代に強まったアイヌ民族に対する政治的な差別や制 限は、明治維新以降も続きました。それに対する、さまざまな闘いや抵抗がありま した。 ⅱ)アイヌ民族の現在 現在のアイヌ民族は、日本人と変わらない生活スタイルを送っています。しかし、 冠婚葬祭などのなかでアイヌ民族の文化は大切に守られています。さらに明治維新 -6- 以降は、禁止されてきた伝統的な文化を元の盛んな状態にし、次の世代に伝える取 り組みが続いています。そして社会的な差別をなくすための取り組みもおこなわれ ています。 ⅲ)アイヌ民族文化を知ろう アイヌ民族が独自に発達させてきた言葉、宗教、衣食住などの文化とは、どのよう なものか知っているますか?。ここでは、そのうち代表的なものを紹介し、解説し ています。文化の背景にひろがっている、アイヌ民族の精神世界を想像してみてみ ましょう。 ◆郷土おおさかの生活・文化・歴史 古代の大阪は中国や朝鮮半島などとの交流の窓口として栄えたところでした。江戸時 代には全国から米などが集められて盛んに取引されました。経済が発展し、早くから 町人が力をつけた大阪では、歌舞伎や文楽など現在も親しまれている庶民文化が生ま れました。大阪の生活・文化・歴史に触れてみましょう。 ◆大阪で活躍した人びと 昔から大阪は多くの人が集まり、交流し、生活を営んできた都市です。政治、文化、 芸能など、さまざまな分野で活躍した大阪にゆかりのある人びとに触れてみましょう。 ①前近代に活躍した人々 ②近代に活躍した人々 ③大阪の近代建築 ◆地域で共に生きる(高齢者、ハンセン病回復者) 私たちの地域には、障害者や高齢者、ハンセン病回復者やホームレスなど、さまざま な立場の人たちが暮らしています。共に生きるため、私たちにできることは何でしょ うか。 ①社会福祉のはじまり 近代になると、世の中で弱い立場におかれている子どもに関わる問題を中心に、福 祉の活動が始められていきました。石井十次がつくった岡山孤児院の規模は大きく、 その活動は大阪とも関わりの深いものであした。 ②大阪の社会福祉 大阪では、民間の人びとが中心となって、さまざまな社会福祉施設がつくられていき ます。また、大阪府が始めた方面委員制度(現在の民生委員制度・児童委員制度)は、 他の府県のモデルともなるなど、大阪の社会福祉は全国でも先進的だとして注目され ることも多くありました。 ③高齢者と地域社会 現在、高齢者は生きがいある生活や自身の尊厳を守るためにさまざまな活動をおこな っています。また、地域で共に生きるため、認知症の高齢者を支える取り組みや虐待 を防止する活動も進められています。 ④ハンセン病と強制隔離 -7- ハンセン病回復者を中心とした人びとの取り組みによって、「らい予防法」が廃止さ れるまで、国家による隔離政策が続けられました。2008 年には、ハンセン病回復者 の福祉をすすめ、名誉を回復し、ハンセン病問題の解決をすすめる新しい法律が制定 されました。 ⑤ハンセン病回復者と私たち 現在、ハンセン病回復者は全国に 15 ヶ所ある療養所や地域の中で生活しています。 自身が受けた経験や隔離政策の過ちなどを伝える活動が、学校などさまざまな場所で おこなわれています。 ◆地域で共に生きる(障害者、ホームレス) ①障害者の歴史と優生思想 いつの時代にも障害者は存在し、生活を営んできましたが、差別により地域社会から 隔離される歴史が続いてきました。障害者への差別と優生思想の関わりは深く、その 撤廃に向けた取り組みが続けられています。優生思想とは、人間の存在を優秀な者と 劣等な者に分け、優秀な者の存在を増やすことを目指す一方、劣等な者の存在を排除 していこうとする考え方です。優生思想の歴史は古く、その撤廃に向けた取り組みが 続けられています。 ②地域に生きる障害者 現在、障害者が地域で自立生活を営むため、さまざまな活動が続けられている。また、 学校や職場、地域などで、共に学び、共に働き、共に暮らしていくための取り組みも 進められています。 ③ホームレスと私たち ホームレスの多くは、高齢や病気を理由に働く機会を得ることができず生活が安定し ないなか、働く場を求めて活動しています。また、ホームレスに対する偏見をなくし ていこうとする取り組みや子どもたちによる夜回り活動などもおこなわれています。 ◆地域社会と部落問題 地域社会のなかで、被差別部落の人びとはどのような暮らしを営み、差別をなくすた めにどのような取り組みをしてきたのでしょうか。被差別部落の歴史とそこから発信 される主張を通して、差別のない社会をつくるためには、どうすればいいのか考えて みましょう。 ①身分制度と部落差別 江戸時代までの社会は、生まれによって地位や職業が決められる身分制社会でした。 そのなかで差別された人びとは、地域社会に必要な役割を果たすと共に様々な文化を 生み出しました。 ②近代地域社会と部落差別 近代になり、「解放令」が出されてからも、地域社会では部落に対する差別は続きま した。そうしたなか、さまざまな立場から差別のない世の中の実現をめざした運動が 進められました。 ③部落を支えた仕事 -8- 部落の生活はさまざまな産業・仕事によって支えられてきました。皮革や太鼓作りの ような江戸時代までの伝統をひくものもあれば、近代以降にあらたにはじめられた産 業もあります。地域や歴史的背景によってさまざまですが、いずれの産業も地域社会 のなかで重要な役割を果たしています。 ◆地域での支えあい 学校や町で、誰もが安心して気持ちよく暮らすことができるよう、ボランティア活動 に取り組んでいる人たちがいます。私たちの暮らしが、どのように地域の人たちとつ ながり、支えられているのかを発見しましょう。そして、あなたも何ができるのかを 考えましょう。 ①子どもが主役の支えあい ②町のくらしを支える人たち ゾーンⅢ 夢・未来 あなたが将来なりたい職業はなんですか。世の中にはさまざまな職業があり、多く の人たちが働いています。働く人がどんな体験をしているかを知ることや、自分に 合った仕事を調べることなどを通して、みなさんの夢や未来について考えてみまし ょう。 ◆働くということ 働くということは、お金をえるためだけのものではありません。私たちが、働くとい うことを通じて社会に参加し、人びとの役にたつという意味もあるのです。しかし、 仕事につけなかったり、仕事についても安心して働けない場合もあります。ここでは、 社会の一員として働くということについて考えてみましょう。 ①労働と社会参加 ②労働の現状 ◆くらしを支える仕事 大阪には、さまざま企業があり、その多くが、ものづくりをおこなっています。みな さんの身近なものにも、伝統的な技や最新の技術がつかわれています。どのような仕 事があるのか、みてみましょう。 ①伝統産業 今では、ふだんのくらしで見かける機会の少なくなった工芸品ですが、大阪では、古 くから職人の技をいかした産業が各地に根づいています。伝統的な手法によってつく られた工芸品には、いろんなところに匠の技がこらされています。 ②大阪の技術 大阪には、物づくりをおこなう大小さまざまな企業があり、高い技術力と工夫をこら した製品が私たちの身の回りにたくさんあります。誰もがふだん使っている物づくり からリサイクル事業にいたるまで、大阪の技術力が活かされています。 -9- ◆未来に向かって 社会には、さまざまな職業があります。多くの中学校では、職業体験学習を将来の夢 を実現することに役立てています。他の中学生がどんな体験をしているのかを知るこ とや、自分の興味や関心から、将来の仕事について考えてみましょう。 ①職業体験を通してみる自分の未来 ユージン・スミス「水俣」 証言の部屋 写真家ユージン・スミスが撮影した水俣病の実態 ビデオによる当事者の語り(1作品あたり40分程度) -10- 「体験コーナー」(一覧) コーナー名 趣旨 内容 体感!生まれてく ・児童・生徒が、自分自 ・ゾーン 1 の空間全体各所に、「受精」「着床」「胎児の ることってスゴ 身が生まれてきたとき 成長」「誕生」に関する 4 つの柱を設置。順番にめぐ イ!! の様子を追体験する っていく。 ・人間の誕生を、受精卵、・受精の瞬間を再現した CG 映像、着床直後の受精卵な 胎児、新生児(自分自 どを撮影した超音波エコー映像を鑑賞 ゾーンⅠ 「いのち・輝き」 身)の能動的な行為と ・6 ヵ月の胎児、新生児を再現した人形にふれる、抱く してとらえなおす ・実際に産科で赤ちゃんが誕生する際の音声を聞きなが ・自分自身が生まれてく らトンネルをくぐる「生まれなおし」体験 るために発揮した驚異 的な力に気づき、命の 尊さを発見する 発見!私と社会 ・自分が生まれてくるま ・「体感!生まれてくることってスゴイ!!」の造作物の でにつながれてきた 裏側を利用。机と椅子を配置する 「命のリレー」を実感 ・ワークシート「いのちのつながり」 、「私がお世話にな する った人、お世話になったこと」にとりくむ ・自分と周囲の社会との つながりを確認する メモリアルキルト ・薬害エイズ事件によっ ・薬害エイズ事件被害者の岩崎孝祥さんのメモリアルキ を通じて学ぶ命の て 19 歳で命を奪われ ルト(個人を偲んで遺族、友人・知人らが作成したパ 大切さ た岩崎さんの生き方、 ッチワークキルト。岩崎さんの遺品が縫いつけられ、 家族や友人などの思い 遺された人たちのメッセージが記されている、)を展 を通して命の大切さに 示 気づく。 ・周辺には岩崎さんの遺した絵画資料、パネル等を配置 ・将来の夢を育み、実現 ・隣接する「HIV/AIDS」に関する展示とあわせて、正 することの大切さを学 しい知識を学ぶ ぶ ゾ ーン Ⅱ 「 共 に生 きる ・社 会 をつ くる 」 いろんな衣装を着 さまざまな国、地域、民 ・朝鮮半島、アイヌ民族、沖縄、ベトナムの伝統衣装を てみよう 族の衣装を着ることで、 試着(ボランティアによる着付けサポート) 民族文化の違い、伝統文 ・サポーター(ボランティア)による解説を聞く 化を継承することの大切 ・壁面や周辺の展示観覧とセットで体験することで、よ さ、多文化共生と国際理 り学習が深まる 解・協調の大切さに気づ ・着付けには時間がかかるので、多人数が同時に体験す く ることはできない。例えば班のなかで、体験する人を 決めておくなどの工夫が必要 ・隣接する「在日コリアン」「沖縄」「アイヌ民族」に関 する展示を観覧することで、より学習が深まります。 いろんな楽器にふ ・さまざまな国、地域、 ・大きな音がでる和太鼓、朝鮮半島のチャング、沖縄の れてみよう 民族の楽器を展示 三線などについては、展示資料にさわる体験 ・日本の楽器との共通点 ・アイヌ民族のムックリをはじめとする、各種口琴、沖 を紹介、つながりを発 縄の三板、四つ竹などについては演奏体験も可能 見する -11- 高齢者体験・ユニ ・高齢者の身体的な不便 ・高齢者の身体の状態を再現するキットを装着 バーサルデザイン さを体験し、気持ちの ・キットの装着には時間がかかるので、多人数が同時に にふれてみよう 理解へつなげる 装着することはできない。班のなかでキットをつける ・ユニバーサルデザイン の製品にふれること 人を決めて、ほかの人はサポート役の体験をするなど、 役割を決めておく工夫が必要 で、誰もが生活しやす ・ユニバーサルデザインの製品(缶、ペットボトル、ス くなるための工夫につ プーン、文具など)にふれる。使用してみることで、 いて考える 誰でも使いやすい製品デザインのすばらしさに気づく バリアフリーを学 ・障害者に対するバリア ・ 「町のなか」 「電車の中」を描いたイラストのなかから、 ぼう! をなくすために必要な さまざまな障害を持つ人が、バリアによって困ってい 視点を考える る場面を探す ゾ ーン Ⅱ 「 共 に生 きる ・社 会 をつ くる 」 ・バリアフリーの考え方 ・それぞれのバリアについての具体的な解決方法を、パ がつくった誰でも暮ら ネルをめくることで考える しやすい社会のありか ・駅のエレベーター、券売機などが、四肢に障害を持つ たに気づく 人たちがバリアフリーを訴えることによって変わって きた様子をパネルをめくり考える ・隣接する、障害者に関する展示を観覧することで、よ り学習が深まります。 みつけよう!暮ら ・牛の身体が、食べるだ ・実物大の牛のパネルに設置された引き出しをひっぱ しのなかの牛 けでなく、さまざまな り、牛の身体を原材料としたさまざまな製品(印鑑、 製品の原材料として暮 櫛、野球ボール、美容液、サプリメント、ランドセル、 らしのなかで利用され 骨粉肥料、ソーセージ、テニスラケットのガット、ろ ていることを知る。 うそく、薬品・食品用カプセル)を見る ・牛を育て、処理して私 ・同じく、牛の肉、牛の内臓の各部位の名称を記したパ たちの元へ届けてくれ ネルを、引っ張り出す る職業に就いている人 ・2枚のパネル(「牛と私たちの暮らし」、「いただきま たちへの正しい理解へ とつなげる すってどういう意味?」)を観覧 ・隣接する、被差別部落の産業に関する展示を観覧する ことで、より学習が深まります。 探そう!私にでき ・さまざまな問題を解決 ・「掲示されたテーマ」について、添え付けの投書用紙 ること-社会をよ し、よりよい社会を築 に記入し、投函する りよくするために くために自分にできる ・ほかの人の意見が掲示されているので、観覧する ことは何か、考える ・掲示されたさまざまな 人の提案をみること で、多様な意見、考え 方があることに気づく ゾーンⅢ 「夢・未来」 ど う す れ ば な れ さまざまな職業が書かれ 壁面に設置された、各種職業が書かれたパネルをめくり、 る?あの仕事 た パ ネ ル を め く る こ と その職業に就くために必要なことを学ぶ。 で、その職業に就くため に必要な技能、知識など を知る。将来や、それを 実現するための志を育む 私たちのくらしを 家、町のなか、学校、病 壁面に描かれた家、町、学校、病院のイラストの周辺に -12- 支えているさまざ 院などの身近な社会が、 配置されたパネルをめくり、暮らしを支えるさまざまな ゾーンⅢ 「夢・未来」 まな仕事 たくさんの人々の支えに 職業について知る よってくらしが成り立て いることに気づく。 みつけよう!自分 さまざまな 「得意なこと」・壁面に描かれた「好きなこと」のなかから、自分に適 の将来ー自分らし 「好きなこと」が記され しているものを選ぶ く働けるのはどん たパネルをめくる。各パ ・その「好きなこと」の周辺に設置された「得意なこと」 な仕事? ネルに記された職業例を が書かれたパネルの中から、自分に適したものを選ん 見ることで、将来の職業 でめくると職業がわかる について考え、職業意識 を育む -13- 教 育 サ ー ビ ス リバティおおさか(大阪人権博物館)を活用した学校の教育活動(人権学習、総合的な学 習、修学旅行など)がより効果的なものとなるよう、教育サービスを提供しています。 1.提供しているサービスの内容 【基本サービス】 情報提供(無料) 展示・事業利用のために 観覧計画作成のために 基本情報 過去の実施例紹介 総合展示の内容 ワークシートの提供 など 各種事業の案内 【博物館なかで提供するサービス】 展示解説(有料) 会場提供・貸出 学芸員解説 <無料提供> 具体的な学習テーマに沿って、専門の学 ・スターティングガイド 芸員が、わかりやすく解説します。 ・昼食 <学芸員解説の料金で> 学校de博物館のメニューを実施すること ・学芸員解説 もできます ・映像資料の一斉視聴 会場は、展示室、ホール、研修室を利用 <施設貸出料金で> 可能。学芸員解説の料金には研修室、 ・学校独自のまとめの会 ホールの利用料金を含んでします。 →詳しくは、20ページもご覧ください →詳しくは、15ページもご覧ください 【博物館のそとで提供するサービス】 学校de博物館(有料) ・20のプログラムをもとに、専門の学芸員が資料と一緒に教室で授業をおこないます。 ・小学校から高校までの児童・生徒を対象とします。大阪府内を基本に、近隣の他府県 の学校園様もご利用になれます。 →詳しくは、22ページもご覧ください -14- 2.料金のご案内 【学芸員解説・学校de 博物館】 大阪府内の学校園 大阪府外の学校園 1500円 3000円 学芸員解説 ※学芸員解説は、1テーマ、1学芸員、1時間以内が基本となります 学校de博物館 基本料金3000円 基本料金3000円 +1時限毎に2500円の講師料 +1時限毎に5000円の講師料 ※基本料金には、資料の運搬費、学芸員の交通費を含んでいます。 ただし、大阪府外の学校園のご利用にあたっては、別途交通費を申 し受けることがあります。詳しくはお問い合わせください。 【施設貸出料⾦】 10:00~17:00(1時間単位) 17:00~21:00(1時間単位) 研修室1(定員42名) 1500円 5000円 研修室2(定員72名) 1500円 5000円 研修室3(定員12名) 1000円 3000円 研修室4(定員24名) 1000円 3000円 施設の利用時間には、入退室・片付けの時間も含みます リバティホール(定員275名) 午前(9:15~12:00) 30000円 午後(13:00~17:00) 40000円 夜間(18:00~21:00) 50000円 午前・午後(9:15~17:00) 50000円 午後・夜間(13:00~21:00) 70000円 全日(9:15~21:00) 100000円 注1)基本的な付帯設備は使用料に含まれます。但し、看板などの作成、吊り物、活け花の装飾、ピアノの調律など必要な場 合は、それに要する手配および経費は、利用者のご負担となります。 注2)リハーサル、練習、準備のみの利用は使用料の半額となります。 注3)大阪府内の小・中学校が学校行事の文化芸術活動で利用する際には、減免する場合があります。必ずご相談ください。 -15- 3.教育サービスご利用までの流れ (1)予約仮受付 ①電話でも仮受付いたします ②学芸員の解説・授業をご希望される場合は、担当学芸員の日程を押さ えるためにも、できるだけ早く(遅くとも1ヶ月前までには)ご連絡 ください ③来館日時、見学時間、来館人数、来館方法などをお伝えください ④ご利用を希望されるサービス内容(スターティングガイドのみ、学芸 員解説、ビデオ一斉視聴、学校de博物館など)をお申し出ください ⑤学芸員解説のテーマ、学校de博物館のメニューがお決まりになって いる場合は、お伝えください→「(2)当館より確認のお電話」へ進む ⑥学芸員解説のテーマ、学校de博物館のメニューがお決まりになってい ない場合、仮受付のみとなります。決定後、再度ご連絡ください ⑦スターティングガイドのみをご利用の場合、「(4)申込書提出」にお進 みください (2)当館より確 認のお電話 ①当館の学芸員より折り返し電話をさし上げます ※館内の連絡調整のため、お時間をいただく場合があります。ご了承 ください。 ②担当学芸員の予定が既につまっている場合など、ご希望のテーマ、メ ニューがご利用いただけない場合があります。その場合、日程やテー マの再調整をさせていただきます ③日程、テーマ・メニューが確定したら、「(3)打ち合わせ」までお進み ください、 (3)打ち合わせ 電話またはご来館いただいての打ち合わせとなります [打ち合わせ事項] ・見学・利用目的(学習させたい内容) ・学校での事前学習、事後学習の計画 ・スターティングガイドの内容 ・展示観覧の方法 ・学芸員による講演・授業内容の調整 ・利用する会場の確認、映像資料の確認 ・ワークシートについて (4)申込書提出 ・予約完了 など ①各サービスの申込書(リバティおおさかホームページよりダウンロード可)をご提出ください ②(1)~(3)までのステップで確認した、当日のタイムスケジュールなど を、できるだけ詳細にご記入ください ※スターティングガイドのみをご利用の場合を除き、「(3)打ち合わ せ」を済まされずに郵送された申込書を受理することはできません。 ご注意ください ③申込書には捺印が必要です。郵送または手渡しの提出をお願いします (5)ご来館 充実した時間をお過ごしください! ※当日の運営・進行は、原則として先生が中心におこなってください -16- 4.博物館のなかで提供するサービス (1)展示観覧 学習プランのご提案 ※ここで紹介するプラン以外の内容も、HPで公開しています。あわせて、是非ご覧ください ①「気づき・きっかけ学習」プラン 学校でとりくむ学習の第1歩として、きっかけづくり、動機づけを目的として展示観覧を 計画される学校に最適なプランです 【1時間の滞在時間の場合】 ■プランA 体験コーナーを活用 “リバティおおさかワークシート”その1「体験コーナーをまわってみよう!」をご利 用ください 所用時間 内容 備考 10分 スターティングガイド 15分 体験コーナー「体感!生まれてくること 各体験コーナーにより、また、 ってスゴイ!!」 当日の混雑具合により利用時間 体験コーナー「いろんな衣装を着てみよ の目安は異なります。 15分 う」 15分 体験コーナー「高齢者体験・ユニバーサ ルデザインにふれてみよう」 ■プランB 「ここチェック!マーク」を活用 展示室の見所、おすすめ資料に配置された21個の 「ここチェック!」マークをたどって観 覧。“リバ ティおおさかワークシート”その2「『ここチェッ ク!』マークをみつけよう」 をご利用ください。 「ここチェック」マーク ※“リバティおおさかワークシート”その2「『ここチェック!』マークをみつけよう」 は、次のように分かれています。各ワークシートを作業するのに、15~20分程度必要 です。1時間に収まるよう、組みあわせてご活用ください ①ゾーンⅠ「いのち・輝き」編 ②ゾーンⅡ「共に生きる・社会をつくる」~民族編~ ③ゾーンⅡ「共に生きる・社会をつくる」~ハンセン病回復者、障害者、ホームレス 編~ ④ゾーンⅡ「共に生きる・社会をつくる」~郷土おおさかの生活・文化・歴史、地域 社会と被差別部落編~ -17- 【2時間の滞在時間の場合】 ・上記したプランAとプランBを組みあわせて観覧 ②「たしかめ学習」プラン 学校でとりくんできた学習を、さらに深めていくことを目的として展示観覧を計画される など、学年単位、班単位で具体的な学習テーマをもって展示観覧される学校に最適なプラ ンです 【1時間の滞在時間の場合】 例えば、部落問題学習を深めるために来館される場合 所用時間 内容 備考 10分 スターティングガイド 1階ガイダンスルームでボラン ティアが実施 30分 “リバティおおさかワークシート”そ の3「部落問題について学ぼう!」を 活用して展示観覧+検索映像鑑賞 20分 体験コーナー「みつけよう!暮らしの なかの牛」を活用 【2時間の滞在時間の場合】 時間 内容 備考 10分 スターティングガイド 別会場で学芸員が実施 45分 学芸員解説「身のまわりのはきものを通じ 別会場で学芸員が実施 て学ぶ部落問題」 30分 “リバティおおさかワークシート”その3 「部落問題について学ぼう!」を活用し て展示観覧+検索映像鑑賞 20分 体験コーナー「みつけよう!暮らしのなか の牛」を活用 15分 まとめ(話し合い、発表など) -18- 別会場で実施 プログラム作成のポイント ① ねらいを明確に [あれもこれも]より、[これだけは]。 観覧学習は[結論や集大成]ではなく、学習過程上に位置づけて。 ② ワークシートが大切 [ねらい]と[児童・生徒の実態]をもとに、最適のワークシートを作成して下 さい。 ※リバティおおさかHPで公開しているワークシート(無料)もご活用ください ③ 事後学習(話し合い・発表会など)の意義 その場で行うことで、より生き生きとした実感が得られます。 子どもたちが発言することで、まとめがもりあがり、ひきしまります。 ※事後学習のための施設利用には、別途料金が必要です ④ 時程の効率化、メリハリ 観覧がスムーズにできるよう。 → ローテーションや目安の時間設定を。 学習活動にリズムができるよう。 → 映像視聴や学習会の設定を。 ⑤ 特別展、企画展等の活用 内容・開催時期等についてはお問い合わせください。 -19- (2)学芸員解説について ①内容 ・具体的な学習テーマに沿って、専門の学芸員が、わかりやすく解説します。 ・学校de博物館のメニューを実施することもできます ・会場は、展示室、ホール、研修室1~4を利用可能 ・対象となるのは、小学校、中学校、高等学校の児童・生徒、あるいはそれら児童生徒が 大半を占める団体様です ②料金・時間 大阪府内の学校園・団体 1500円 大阪府外の学校園・団体 3000円 ※学芸員解説は、1つの具体的テーマにつき、1人の学芸員が、1時間以内で解説する サービスです ※料金には、学芸員の講演(解説)謝礼、研修室、ホールの利用料金を含んでいます ※1時間以内であれば、何班かに分けて同じ話を複数回おこなうことができます ③ご利用可能なテーマ・担当学芸員 テーマ 人権の歴史・働く権利 学芸員の名前 村上紀夫(むらかみのりお) 松永真純(まつながまさずみ) HIV/AIDS 硲夕記(はざまゆき) 在日コリアン 文公輝(ムンゴンフィ) 沖縄 仲間恵子(なかまけいこ) アイヌ民族 文公輝(ムンゴンフィ) 女性 硲夕記(はざまゆき) ホームレス 吉村智博(よしむらともひろ) ハンセン病回復者 村上紀夫(むらかみのりお) 障害者 松永真純(まつながまさずみ 被差別部落 6名の学芸員全員がお話しすること ができます ※それぞれのテーマに関連した、学校de博物館のプログラムを、学芸員解説としておこ なうこともできます。詳しくは、22ページをご覧ください。 -20- (3)リバティおおさかの教材 解説シート 展示室内に配置(無料) 観覧と並行して読む/持ち帰って読み直す・・・・どちらもおすすめです。 ワークシート 総合展示の内容に即した設問を用意し、展示を見ながら書き込めるようになってい ます。主に、展示資料を見て、感じたこと、思ったことをまとめる形式です。 ※HPで無料公開。随時更新しています。最新のものをご使用ください (4)ボランティア 展示室のなかに、毎日6名程度のボランティアの方がおられます。 【ガイド部門】 スターティングガイド、展示室での質問対応、誘導などをおこないます 【サポーター部門】 3つの体験コーナー(“体感!生まれてくることってスゴイ!!”、“いろんな衣装を着 てみよう”、“高齢者体験・ユニバーサルデザインにふれてみよう”)で、サポートし ます。 ※12~13時は昼食のため、原則持ち場を離れています ※あくまでボランティアなので、日によっては体験コーナーにサポーターが不在と なる場合があります。 「どうしてもこの体験がしたい」という希望がある場合は、 あらかじめ教育サービスで学芸員解説を申し込んでおいてください。学芸員が対 応します -21- 5.博物館のそとで提供するサービス~学校de博物館 (1)趣旨 ・リバティおおさかの学芸員が学校を訪問し、授業をおこないます。 ・実物資料や複製資料、写真資料などを用いたり、ワークショップなどをおこなうことで体験型の学習 プログラムを提供します。 (2)内容 ・2012年4月時点で、20のプログラムを用意しています。授業の進行案、活用する資料の内容等の 詳細はH P をご確認ください。 ・学芸員による進行を基本としますが、担任の先生とのチーム・ティーチングをおこなうことも可能で す。あらかじめご相談ください。 ・学級単位、学年単位、班単位での提供もいたします。事前にご相談ください。 ・プログラムメニューは、随時変更、追加、削除をおこなっています。最新の情報は、リバティおおさ かのホームページよりご確認ください (3)対象 大阪府内の小学校、中学校、高等学校を基本に、近隣の他府県の学校園様もご利用にな れます。ご相談ください。 (4)時間 プログラムは、通常の 1 時限(45 分~ 50 分)を基本とします。 博物館資料の保全のため、プログラムの実施日は大阪人権博物館から車で出発します。 地域によっては 1 限目、2 限目からのプログラム提供が困難な場合があります。あらかじめご了承 ください。 (5)料金 基本料金:3000円 + 講 師 料(1時限あたり):大阪府内の学校園2500円 大阪府外の学校園5000円 ※基本料金には、資料の運搬費、学芸員の交通費を含んでいます。ただし、大阪府外の学 校園のご利用にあたっては、別途交通費を申し受けることがあります。詳しくはお問い合 わせください。 -22- 補足資料② 音声ガイダンスシナリオ 視覚障害者、日本語以外の言語を母語とする方々のための音声ガイダンス機器のためのシナリオです。 展示の趣旨をお伝えすることを目的とした文章となっています。先生方が、児童・生徒にリバティおお さかの展示内容について説明される際の参考にしてください ① 大阪人権博物館(リバテイおおさか)へお越しいただきありがとうございます。今から総合展示を ご案内いたします。総合展示の統一テーマは、「私たちのいのち・社会・未来」で、3つのゾーンか らなっています。 ゾーンⅠのテーマは「いのち・輝き」です。この世に生まれてくるということ、生きているという ことについて考えたことはありますか。私たちの生命はかけがえのないものです。この世に生まれ てきたすべての生命が大切にされる社会とはどのようなものでしょうか。 ② 人工呼吸器は生活するために必要な補装具です。施設や病院を出て、必要な支援を受けながら、地 域の中で生活をする人工呼吸器をつけた人たちが増えています。 ③ 社会には、生物学的な男女だけでなく、さまざまな性別が存在しています。性的な欲望が異性に向 く人もいれば、同性、両性に向く人、性別にとらわれない人もいます。 また、家族といっても、ひとり親家庭、大家族、児童養護施設、核家族、さまざまな立場で育つ子 どもがいます。さまざまな「家族」のあり方、生き方があります。 ④ HIV/AIDSについての正しい知識を得ることは差別・偏見をなくすと同時に、HIVの予防にもつなが ります。現在は、学校教育などでHIV教育が広がっています。 ⑤ ゾーンⅡのテーマは、「共に生きる・社会(よのなか)をつくる」です。 大阪から日本や世界を見渡すと、多くの文化や生活、歴史があることに気づきます。さまざまな文 化や人びとの生き方が大事にされ、共に生きる社会をつくるために私たちに何ができるのか考えま す。 ◇日本・大阪の中の多様な文化・くらし ⑥ 大阪にはさまざまな国や地域の文化をもつ人びとが暮らしています。さまざまな国や地域の衣装を 着たり、楽器に触れたりすることなどから、多様な文化、習慣、価値観について学び、互いを理解 し、尊重することについて考えてみましょう。 ⑦ ここは、在日コリアンのコーナーです。 かつての日本による朝鮮の植民地支配という歴史的な背景をもちながら日本で暮らしている、朝鮮 半島にルーツをもっていると自覚する人たちにたいする総称として、「在日コリアン」という言葉 を用いています。ここでは、文禄・慶長の役と朝鮮通信使のこと、日本の植民地になった朝鮮のこ と、現代社会の在日コリアンのことについて学びます。 -23- ⑧ ここは、沖縄のコーナーです。 沖縄は、かつて琉球王国としてアジア諸国との交易によって栄え、独自の歴史と文化を築いてきま した。近世から現代までの歴史のなかで、薩摩藩の侵略、琉球国を廃止し、沖縄県として日本の領 土にした琉球処分、そして沖縄戦、アメリカ軍の統治、日本社会への復帰など、日本の他の地域に はみられない経験をした沖縄では、人びとの意識や文化活動などに各時代の経験が影響しています。 ⑨ ここは、アイヌ民族のコーナーです。 アイヌ民族は、現在の北海道と東北を中心とする地域に日本人に先駆けて住んでいた、日本の先住 民族です。独自の文化を発展させ、自然のなかで豊かな暮らしを続けてきました。江戸時代に強ま ったアイヌ民族に対する政治的な差別や制限は、明治維新以降も続きました。それに対する、さま ざまな闘いや抵抗がありました。ここでは、アイヌ民族の歴史や文化について学びます。 ◇郷土おおさかの生活・文化・歴史 ⑩ 古代の大阪は中国や朝鮮半島などとの交流の窓口として栄えたところでした。江戸時代には全国か ら米などが集められて盛んに取引されました。経済が発展し、早くから町人が力をつけた大阪では、 歌舞伎や文楽など、現在も親しまれている庶民文化が生まれました。 ◇大阪で活躍した人びと ⑪ 昔から大阪は多くの人が集まり、交流し、生活を営んできた都市です。政治、文化、芸能など、さ まざまな分野で活躍した大阪にゆかりのある人びとについて紹介しています。 ◇地域で共に生きる ⑫ ここからは、「地域で共に生きる」がテーマで、はじめは、高齢者のコーナーです。高齢者は生き がいある生活や自身の尊厳を守るためにさまざまな活動をおこなっています。また、地域で共に生 きるため、認知症の高齢者を支える取り組みや虐待を防止する活動も進められています。 ⑬ ここは、ハンセン病回復者のコーナーです。 ハンセン病回復者を中心とした人びとの取り組みによって、「らい予防法」が廃止されるまで、国 家による隔離政策が続けられました。現在、ハンセン病回復者は全国に15ヶ所ある療養所や地域の 中で生活しています。自身が受けた経験や隔離政策の過ちなどを伝える活動が、学校などさまざま な場所でおこなわれています。 ⑭ ここは、障害者のコーナーです。 いつの時代にも障害者は存在し、生活を営んできましたが、差別により地域社会から隔離される歴 史が続いてきました。障害者への差別と優生思想の関わりは深く、その撤廃に向けた取り組みが続 けられています。現在、障害者が地域で自立生活を営むため、さまざまな活動が続けられています。 また、学校や職場、地域などで、共に学び、共に働き、共に暮らしていくための取り組みも進めら れています。 ⑮ ここは、ホームレスのコーナーです。 -24- ホームレスの多くは、高齢や病気を理由に働く機会を得ることができず生活が安定しないなか、働 く場を求めて活動しています。また、ホームレスに対する偏見をなくしていこうとする取り組みや 子どもたちによる夜回り活動などもおこなわれています。 ◇地域社会と部落問題 ⑯ 前近代の日本社会は、武士、農民、町民、被差別民である穢多、非人といった身分秩序がありまし た。1868年に明治政府ができ、1871年、穢多、非人などに対し「解放令」が出ましたが、 その後も、こうした被差別民に対して差別が続きました。現在、被差別部落民と呼ばれる人々は前 近代の被差別民の居住区に住む者、また前近代の被差別民にルーツを持つ人々のことをいい、生系 にもとづく差別が今も続いています。 ⑰ 被差別部落民は近代になっても厳しい差別を受けました。1922年になって、部落民自身による 自主的な解放組織である「全国水平社」を結成し部落差別に対する糾弾闘争を中心にして、生活環 境の改善と労働や教育などにおける差別の撤廃を求めて闘いました。 また、部落の生活はさまざまな産業・仕事によって支えられてきました。皮革や太鼓作りのような 江戸時代までの伝統をひくものもあれば、近代以降にあらたにはじめられた産業もあります。地域 や歴史的背景によってさまざまですが、いずれの産業も地域社会のなかで重要な役割を果たしてい ます。 ◇地域での支えあい ⑱ 学校や町で、誰もが安心して気持ちよく暮らすことができるよう、ボランティア活動に取り組んで いる人たちがいます。私たちの暮らしが、どのように地域の人たちとつながり、支えられているの かを考えます。 ⑲ ゾーンⅢのテーマは、「夢・未来」です。 ここでは、あなたが将来なりたい職業について考えます。世の中にはさまざまな職業があり、多く の人たちが働いています。働く人がどんな体験をしているかを知り、自分に合った仕事を調べるこ とや、働くことの意味についても考えます。大阪の技術や伝統産業について紹介しています。 また、ユージン・スミスとアイリーン・スミスが見た水俣の写真を展示し、写真家が見た水俣病の 実態を紹介しています。 ⑳ 最後は、多くの人たちの証言を、映像でみることができるコーナーです。 ここではさまざまな人の語る映像から、私たちは差別と人権の問題にどのように向きあっていくこ とができるのかを考えてみましょう。 -25- 補 足資料②映 像資料のご案内 4 猪飼野の生活史 (36分) 8 部落青年のアイデンティティ 呉光現(オグァンヒョン)さん (39分) コーナー4「私にとっての差別と人権」 1957年、大阪市内の猪飼野、現 視聴ブースがあります。自由に視聴で 在の生野区に生まれた在日コリアン二 1978年に愛媛県宇和島市の被差 きます(4 人掛けブース×1、1 人掛け 世です。現在、猪飼野、生野という地 別部落に生まれました。中学時代、同 ブース×3、3 人掛けブース×3、2 人 域にこだわりながら、さまざまな差別 和教育に取り組む教師との出会いを通 掛けブース×2)計 20 席。 ・人権問題に関わる活動に関わってお して部落解放運動に参加。現在、山口 られます。 県人権啓発センターの事務局長として 1 在阪ウチナーンチュの平和運動 (39分) 生まれ育った猪飼野と、そこで生き 川口泰司さん 活動しています。 る、ご自身を含めた在日コリアンの生 堀内明菜さん 平安名常徳さん 活と差別・人権について、2005年 1982年生まれ、母親が大阪府和 1943年、沖縄県読谷村に生まれ 7月に、呉さんが運営に関わる、在日 泉市内の被差別部落に生まれ、小学校 ました。1964年に大阪へ来て、現 コリアン高齢者のデイハウスで、学芸 6年生の時に母親から部落出身である 在は生野区で暮らしています。大阪で 員の文公輝が話をおうかがいしました。 ことを告げられ、地元の部落解放子ど 平和運動を続けるとともに、1995 年から関西の読谷村出身者でつくる読 も会に参加するようになりました。現 5 障害者として、女性として 谷郷友会の会長をつとめています。 (36分) 2005年8月、平安名さんにとっ 2 平澤真奈美さん 部落に生まれ、育った自分自身をど 1948年に生まれました。ポリオ のようにとらえているのかについて、 の障害をもち、リブ新宿センターの活 2004年12月に学芸員の小島伸豊 動に参加。 が和泉市立人権文化センター人権資料 アイヌ民族として生きて(38分) 平澤隆二さん 現在、 「SOSHIREN女(わたし) 室にてお聞きしました。 のからだ」からのメンバーです。 平澤隆二さんは1966年生まれで、 女性障害者として感じてきたこと、 北海道阿寒湖畔の阿寒アイヌ工芸協同 障害者差別と性差別との関わりなどに 組合で仕事をされています。真奈美さ ついて、2005年3月、学芸員の松 んは1974年生まれで、隆二さんと 永真純がご自宅にてお聞きしました。 同じく組合に所属され、阿寒湖畔を訪 れる人たちを前に踊り手などとして芸 す。 米津知子さん ての戦争と平和について、学芸員の仲 間恵子がお聞きしました。 在も地域の青年部活動に参加していま 9 ハンセン病資料館の活動から考え たこと (34分) 佐川修さん 1931年生まれ。1945年に栗 生楽泉園に入園。1964年から多磨 6 能の公演の舞台に立っておられます。 薬害エイズの教訓 (34分) 全生園へ転園されました。全国ハンセ 花井十伍さん ン病患者協議会本部に勤められました。 ご両親やおじいさん、おばあさんと 1972年生まれ。「薬害エイズ」被 現在は多磨全生園自治会副会長、高松 の関係、そして、子どもの親としての 害者として1997年、大阪HIV訴 宮記念ハンセン病資料館運営委員をさ 立場などから、アイヌ民族として生き 訟原告団代表となりました。NPOネ れています。 るということについてのお考えを、2 ットワーク《医療と人権》 (M.E.R.S.) 佐川さんに創立から関わったハンセ 005年4月、学芸員の文公輝がお二 に所属し、薬害エイズをはじめ、薬害 ン病資料館での活動について、200 人のご自宅でうかがいました。 被害者の医療と人権を守る活動をして 4年12月にハンセン病資料館で学芸 います。 員の村上紀夫がお聞きしました。 3 「釜ヶ崎」とともに生きて (34分) 平井正治さん 「薬害エイズ」事件の本質について、 学芸員の太田恭治がお聞きしました。 7 水俣病患者として生きて 1927年、大阪市南区、現在の浪速 (34分) 10 公害裁判を闘って (34分) 森脇君雄さん 1935年に生まれました。大阪市 区日本橋で生まれました。1961年 小笹恵さん 西淀川区に移り住んでから、煤煙や騒 から「釜ヶ崎」に往み、港湾日雇労働 1953年生まれ、チッソ水俣病関 音など公害被害に悩まされ続けてきま 者として長年働き統けてきました。港 西訴訟原告の岩木夏義さん、岩木愛子 した。西淀川公害被害者の先頭にたっ 湾労働者の組合活動をおこない、労働 さんの遺志を受けついで、裁判に加わ て裁判を闘い、反公害に関わるさまざ 条件の改善にも取り組みました。 りました。現在、本人も水俣病の症状 まな取り組みを続けています。 「釜ヶ崎]とともに歩んできた平井さ んの生き方について、2004年11 があり、2005年6月、熊本県に水 俣病の認定申請をおこないました。 森脇さんが地域の再生にかける思い を2004年11月、活動の拠点とな 月、「釜ヶ崎」の福祉型マンションおは 関西で裁判をおこしたご両親のこと っているあおぞらビルとその横を通る なで、学芸員の吉村智博がお話をうか や自らの水俣での生活や大阪での運動 大野川緑陰道路で、学芸員の吉村智博 がいました。 について、2004年11月、学芸員 がお話をうかがいました。 の小島伸豊がご自宅にてお聞きしまし た。 -26- 11 性と向き合う (48分) 2005年7月、井田さん自身が職業 塩安九十九さん 差別とどのように向き合ってきたのか 1980年に生まれました。性別違 を、仲間恵子が大阪市西南環境事業セ 和を感じ、現在は男として生きる努力 ンターにてお聞きしました。 も女として生きる努力もしない生き方 る反住基ネット連絡会の事務局をつと められています。 住民基本台帳ネットワークが、個人 の人権をいかに侵害するシステムであ るのか、生活体験をふまえながら、吉 を選択しています。G-FRONT関 14 西のトランスサロンの世話人をしてい 験して ます。 難民申請と入管施設への収容を体 (44分) マウンマウンさん 西千鶴さん 村さんご自身のお考えを、2005年 3月、学芸員の文公輝がおうかがいし ました。 1968年にビルマ、現在のミャン 1981年に生まれました。中学2 マーの首都・ヤンゴンで生まれました。 17 年生ぐらいのときにレズビアンである 難民申請が却下され、大阪府茨木市に して ことを自覚し、大学入学を機に性に関 ある西日本入国管理センターに、収容 わるさまざまな問題に取り組むように された経験をお持ちです。ビルマ/ミ 1964年に生まれました。自分自 なります。現在はQWRCのスタッフ ャンマーの民主化を目指した運動に、 身の結婚、出産、離婚をきっかけに、 として活動。 取り組んでおられます。 女性であることから見えてくる、社会 2人のセクシュアリティの認識の変 戸籍に記載がない子どもの母親と (27分) 土肥俊子さん 青木孝嗣さん の歪みを問うことが大事だと感じ始め 遷、カミングアウトや現在の活動につ 1981年生まれで、「在日難民との ました。2004年には、戸籍の記載 いて、2005年4月、学芸員の松永 共生ネットワークRAFIQ」の活動 のない子どもの国籍確認訴訟を起こし 真純がQWRCでお聞きしました。 のなかでマウンマウンさんと出会われ ました。 ました。 12 おんなとして生きる (46分) 土肥さんの活動の原点となった体験 日本における難民申請者、入国管理 とその主張について、2005年3月、 中野冬美さん センターの状況などについて、学芸員 京都のご自宅で、学芸員の吉村智博が 1950年生まれ。大阪でウーマン の文公輝が、2005年4月にお話し お話をうかがいました。 ・リブ運動を経て、現在、「優生思想を をうかがいました。なお、マウンマウ 問うネットワーク」、「しんぐるまざあ ンさんは、この収録後、2005年7 ず・ふぉーらむ・関西」などの活動に 月に、裁判での勝訴が確定したことか 携わっています。 ら、法務省に難民として認められまし 下之坊修子さん た。 女性を中心にしたビデオを制作、日本 優生思想に向き合う (47分) 安原美佐子さん 1976年に生まれました。軟骨無 形成症の障害をもち、現在、大阪市都 1950年生まれ。1992年「ビ デオエ房AKAME」を設立しました。 18 島区にある自立生活センターあるるの 15 教育と内心の自由 (41分) 代表です。 鄭琪満(チョンギマン)さん や韓国の女性たちが制作したビデオも 矢野恵子さん 1959年生まれの在日コリアン二 1950年に生まれました。脊椎破 販売しています。 世です。福岡県を中心に在日コリアン 裂の障害をもち、現在、優生思想を問 利光真理子さん と日本人との共生をめざす市民グルー うネットワークの代表をしています。 1979年生まれ。在学中から女性 プ「ウリ・サフェ」の代表を務めてお 問題を考えるグループを主催したり、 られます。 優生思想の問題点や自らの障害と優 生思想との関わりについて、2005 反戦運動に携わっていました。現在、 松尾一さん 年2月、学芸員の松永真純が自立生活 女性センターでアルバイトをしていま 1958年生まれ、高等専門学校で センターあるるでお聞きしました。 す。 歴史を教えておられます。 女性運動に携わるようになったきっ 福岡市の公立小学校の多くが採用し かけや、現在の活動について、200 た通信表に、「国を愛する心情」「日本 5年10月に学芸員の硲夕記がお聞き 人としての自覚」についての評価項目 1982年に生まれました。中学2 しました。 が加えられたことに反対し、約1年後 年生の時、不登校となり、フリースク になくしていった運動に、それぞれの ールの東京シューレに入会。現在は不 立場から取り組んだなかでのお話しに 登校新聞社の記者として働いています。 13 職業に貴賤なし (36分) 井田久男さん ついて、2004年11月、学芸員の 1947年、大阪市に生まれました。 文公輝がうかがいました。 石井志昴さん 不登校を経験しておこった出来事、 直面する問題などについて、2005 16 個人情報の国家管理と人権 大阪市清掃局)に入りました。労働組 (31分) 合の活動をきっかけに、清掃の仕事に 吉村英二さん 携わる人びとに対する差別問題に取り 1970年生まれで、住民基本台帳 組んでいます。 不登校から考えたこと (36分) 学歴社会の中で不登校の子どもたちが 中学校を卒業し、民間企業に勤め、1 969年、大阪市環境事業局(当時は 19 ネットワークの即時中止などをもとめ -27- 年3月、学芸員の松永真純が不登校新 聞社でお聞きしました。 20 過労死家族から見た現代の労働 23 シングルマザーの子どもたち (34分) 26 地域とハンセン病回復者 (39分) (42分) 土川慶子さん 野村大史さん 1998年にデザイナーだった娘の 1973年生まれ。現在、高校の美 1933年、高知県生まれ。194 由子さんを過労死で亡くされ、過労死 術の講師と身体障害者介助のアルバイ 4年に長島愛生園に入園。2002年 裁判の原告として闘われました。裁判 トをしています。 に長島愛生国を退所し、都島で生活を は2002年に勝利和解となりました。 川島保さん 大森暁さん はじめられました。 過労死裁判を通して考えられたこと 1985年生まれ。現在、「しんぐる ハンセン病回復者が地域で生活する や、過労死家族から見た現代社会の労 まざあず・ふぉ-らむ・関西」などの ことについて、都島区のご自宅で20 働をめぐる問題について、2005年 活動に携わっています。 05年7月に学芸員の村上紀夫がお聞 6月に学芸員の村上紀夫がお聞きしま した。 お二人とも3歳のときに両親が離婚 きしました。 しています。シングルマザー家庭に育 森蔭吾平さん 森本欽也さん ったこと、女性運動に携わっている母 お二人は、川島保さんがお住まいの 親との生活が、家庭観、結婚観などに 都島区中野連合振興町会副会長をされ 折田みどりさん どのように影響しているのかを、20 ていらっしゃいます。 1961年に生まれました。息子の 05年2月に子ども情報研究センター 都島町会のお二人に、地域として差 涼さんはウェルドニッヒ・ホフマン病 で、学芸員の硲夕記がお聞きしました。 別・人権問題とどう関わられたのかに 21 障害児と共に (48分) の障害をもち、人工呼吸器をつけてい ついて、2005年6月に学芸員の村 ます。現在、人工呼吸器をつけた子の 24 親の会(バクバクの会)の事務局長と と出会って して活動しています。 性的少数者と出会って、 「異性愛者」 (45分) 石黒周さん 北村恵子さん 上紀夫がお聞きしました。 27 1978年に生まれました。199 差別と向き合う宗教者 (36分) 訓覇浩さん 1952年に生まれました。娘の佳 9年におこなわれた「六甲レインボー 1962年に三重県の真宗大谷派の 那子さんは脳性マヒとてんかんの障害 パーク」にスタッフとして参加。現在 寺院に生まれました。現在、真宗大谷 をもっています。現在、いくの障害児 は求職者の職業をサポートする事業を 派解放運動推進本部の本部員として、 (者)・家族地域支援センター「ほっと」 展開している会社で営業をしています。 部落問題やアイヌ民族問題、ハンセン の代表を務めています。 石井香里さん 向井祐子さん 病問題に取り組んでいます。 1976年に生まれました。199 宗教者として部落問題やアイヌ民族 1960年にうまれました。娘の望 9年におこなわれた「六甲レインボー 問題、ハンセン病問題にどのように向 さんは四肢障害の障害をもっています。 パーク」にスタッフとして参加。現在 き合っているかを、2005年6月に、 現在、「NPO法人地域生活サポートネ は大学院でレズビアンの解放理論につ 東本願寺内で学芸員の朝治武が話をお ットほうぷ]の代表理事を務めていま いて研究しています。 聞きしました。 す。 2人が取り組んだ「六甲レインボー 障害をもった子どもを産んで感じた パーク」や「異性愛者」と性的少数者 28 ハンセン病資料館での仕事を通じ こと、障害をもつ子どもの母親が直面 がどのようにして共通の課題に取り組 て (32分) する問題、学校教育に対する思いなど むことができるのかといったことにつ について、2005年1月、箕面市に いて、2005年4月、神戸大学発達 1971年、新潟県生まれ。200 ある「えんだいや」で学芸員の松永真 科学部の教室にて学芸員の松永真純が 1年から高松宮記念ハンセン病資料館 純がお聞きしました。 お聞きしました。 の学芸員。 西浦直子さん ハンセン病資料館での仕事を通して 22 我が子から学んだこと (32分) 25 結婚差別の体験から (35分) 多くの方と関わったなかで、ハンセン 稲葉美代子さん 井上泰子さん 病と差別・人権問題について考えたこ 1948年生まれ、我が子が「薬害 1954年生まれ。結婚の際、両親 とを、2004年12月に学芸員の村 エイズ」被害者であったことから、大 から結婚の相手が被差別部落出身とい 阪HIV訴訟に参加しました。 うことで反対されましたが、長い時間 和解後に、同じ立場の遺族や支援者 をかけて両親を説得し、現在では、部 と共に、奈良市内にエイズ資料館を設 落に住み、萱野中央人権文化センター 立した思いや、地域の障害者作業所づ の職員として働いています。 上紀夫がお聞きしました。 29 同和教育に学んだこと (32分) 堅田和芳さん 1944年、広島県呉市に生まれま くりなど、広がってきた活動について、 自らの結婚差別の体験について、2 した。愛媛大学の学生のときに同和教 学芸員の太田恭治がエイズ資料館にて 004年11月に学芸員の小島伸豊が 育に出合い、卒業後は、横浜市で小学 お聞きしました。 萱野中央人権文化センターにてお聞き 校の教員となりますが辞職します。ほ しました。 かの職業を経て1974年、中学校の 教員となりました。1992年から9 -28- 6年、99年から2000年の計7年 間、横浜市教育委員会の同和教育指導 主事をつとめました。 ゾーンⅡ検索映像タイトル 横浜の中学校で起きた差別事件につ いて、2005年5月、学芸員の仲間 各所にモニターがあり、自由に視聴で きます。平均6分程度。 恵子が横浜市内の自宅にてお聞きしま した。 【日本・大阪の中の 30 皮革の町・西濱と空襲 (32分) 多様な文化・暮らし】 伊賀孝子さん ■在日コリアン 旧姓大島。1931年、大阪市内の 映像でたどる解放後の在日コリアン 皮革の町、西濱で靴づくりを営む一家 在日コリアン一世の闘い に生まれました。1945年、大阪大 空襲によって、母と弟を亡くし、心に ■ウチナーンチュ 傷を負い、再び西濱に戻ることはでき 大阪発の琉球民謡 ませんでした。現在は戦争被害者の救 ヤマトゥのウチナーンチュ 援活動などの平和運動をされています。 伊賀さんの実家があった場所で、当 ■アイヌ民族 時の生活を、2005年5月、学芸員 民族文化の継承と権利回復 の太田恭二がお聞きしました。 民族意識の継承と差別撤廃 31 本仕込み猿廻し (27分) 村崎耕平さん 【地域で共に生きる(高齢者、ハンセ 1977年、山口県光市で生まれる。 ン病回復者) 父親が猿廻しを復活させ、その二代目 大阪のハンセン病患者と外島事件 として活動しています。現在、猿舞座 「らい予防法」廃止後の差別意識 として全国を猿と一緒に廻っています。 猿廻しを継承するに至った経過と、 それにかける思いを学芸員の太田恭治 がお聞きしました。 【地域で共に生きる(障害者、ホーム レス) 障害者の自立生活運動 野宿生活から社会を問う 【地域社会と部落問題】 部落解放と人権のまちづくり 皮革と被差別部落 ※このビデオは、2台のブースで観る ことができます -29- 補足資料③ -30- 補足資料④ -31-
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