初心者のためのブルースギター講座 ①

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初心者のためのブルースギター講座 ①
≪12 小節とブルーノート≫
ブルースの定義とコード進行
「 ブルース 」は基本的なスリーコードだけで成り立っています。
ギターを始めたばかりの人でもきっと弾けるはず!
でも、ちょっとだけコツがいるんだよなあ。
堅苦しいですが、まず「 ブルース 」の定義から。
読んで分からないところは、音で感じて下さい。
さて 「 ブルース 」 ってなに?
日本の歌謡曲(ナツメロ)にも「○○ブルース」というのがたくさんありますが、本来のブルースとは全然別の物です。
音楽的なブルースの定義は、下図 のような 12 小節の独特のコード進行にブルーノートを多用したメロディーと
いったところでしょうか。(正確ではないかも知れませんが…)
下図はキー E のブルース進行の場合
※ E7 は E、A7 は A でも一向にかまいません。
12 小節のコード進行
このコード進行のどこが独特かというと、9小節目から 10 小節目にかけて B7(ドミナント)から A7(サブドミナント)と
いう進行になってますが、 このような進行は本来西洋音楽の和声学では響きが不安定なため使いません。(ふつ
うドミナントの次はトニックに行きます。この場合は E のはず。)
でも、実はこの「 不安定 」さが色んな意味でブルースがブルースである所以なんですねえ。同様にブルーノートと
いうのも実に「 不安定 」です。
ブルーノートとは?
ブルースで使う音階は、耳なれた「ドレミファ」とちょっと違います。
ブルーノートと呼ばれる音が加えられるからです。
ブルーノートとは「メジャースケール(長音階)の3度(ミの音)と7度(シの音)の音が半音下がった音」をいいます。
正確には「メジャースケール(長音階)の3度と7度の音が下にずれた音」なんです。
きっちり半音ではなくて、3度(7度)と、短3度(短7度)の間にブルーノートはあります。
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≪パワーコードでバッキングリフ≫
ロックの基本「パワーコード」を使ってブルースを体感しよう。
ブルースのバッキングリフ
ブルースの楽譜では通常八分音符を 3 連シャッフル(はねた感じ)で弾きます。
今回は root+5th のコード・フォームを使います。
このフォームは別名「パワーコード」といってロックのリフでもよく使います。
通常、人さし指と薬指(もしくは小指)で押さえますが、後でやりやすいように
ここでは人さし指と中指で押さえて下さい。
図2-2を見て下さい。
どのコードも押さえる形は同じ!ポジションが少し変わるだけ。簡単でしょ!
右手は親指一本でも、ピックを使っても OK!ピックを使う時はすべてダウンストロークで弾きましょう。
弾く弦は押さえている2本だけ、他の弦はミュートすると良いです。 キーは A です。さあ弾いてみよう!
うまくできましたか? ポシションさえ覚えれば、そう難しくないはずです。
ブルースな感じがするでしょ!
物足りないですか?
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≪ウォーキングベース&ターンアラウンド≫
小指をプラスでもっとブルースらしく!
その 2 はうまくできましたか?
それでは、ちょっと物足りないなあという方に Blues の定番奏法を紹介します。
これであなたもロバートジョンソン!
ウォーキング・ベース
基本的には前回とあまり変わりません。図 3-1 のように小指をのばして音に変化をつけるだけです。
パワーコードに中指を使ったのはこのためです。
図 3-1 では A のパワーコードを例にしていますが、D、E も同じフォームでポジションが変わるだけです。
小指が届かない人はたぶんギターの持ち方のせいだろうと思います。
ヘッドを少し上げて、左手の親指はネックの真ん中辺りに持っていきましょう。
手の甲を前に出す感じで握ればうまくいくと思います。
ターンアラウンド
これだけではつまらないので、もう少し変化をつけましょう。
11 小節目は定番のベースランニングです。4 フレ-人さし指、5 フレ-中指、6 フレ-薬指、7 フレ-小指というポジショ
ンで、矢印のように押さえていきます。(下図参照)
12 小節目(一番最後の部分)をハイコードを使った半音進行にします。
図のように同じフォームでリズムに会わせて1フレットずらします。
ブルースでは、11~12 小節目をターンアラウンドと言って非常に重要視します。 ギターの見せ場でもあるわけで、
この部分のパターンだけで一冊本が書けちゃいます。
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≪イントロ、オブリガード、エンディング≫
簡単なメロディーを加えてブルース・バッキングの完成!
いよいよまとめです。
簡単なイントロ、エンディングをつけました。
これであなたも「スイート・ホーム・シカゴ」のセッションに参加できます
イントロ
コード進行は、最後の4小節を使います。(E7-D7-A-E7)
1、2小節目はコードを押さえたまま5弦、4弦、3弦と順にバラして弾きます。
3、4小節目は前回練習したターンアラウンドと同じです。
コードフォームを覚えてサンプル音源でリズムを確認して下さい。
オブリガード
簡単なベースランニングを使ってみました。左手の指使いはあまりこだわらなくて良いと思います。
弾きやすいように工夫して下さい。
唄に対して、ギターがオブリで答える。これをコール&レスポンス(呼掛けと応答)と言います。
ブルースを形作る大切な要素ですので、指が動くようになったら是非歌いながら弾いてタイミングと言うか、雰囲気
を覚えて下さい。
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エンディング
もう一つ、エンディング用のフレーズを覚えましょう。これも良く使われます。
最後のコードが E7 からトニックコードの A に変わります。
これもターンアラウンドの時の要領で半音下がるパターンです。
まとめ
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