( えんぽとたんぽの始発駅 会 報 第 176 号 里山ビオトープ二俣瀬 2016年3月23日 里山ビオトープ二俣瀬をつくる会 編集責任者:原谷 一誠 1.活動報告( 事務局 記) ―3月3日(木)ため池土手修復用粘土質真砂2トン車5台分駐車場に入荷しました。 またU字溝の内径23cm(今までに使用した2番目に大きなもの)を午後に軽トラ4台 で運搬しました。 (渡邉・小林・吉富・原田各会員) ―3月6日(日)参加者は13名でした。後半は降雨により中止いたしましたが、現場活動 として以下の作業を実施しいたしました。 ①駐車場の整地:駐車場で目立つようになった駐車場の凸凹を、秋吉建設より譲り受けた 土砂を用いて 整地しました。 ②観察路の整地:猪により掘り返された溜め池沿い観察路(川側)を、上記の土砂を用い て整地しました。土砂は軽トラック二台を用いて、駐車場から溜め池横まで運びました。 また、作業前の話し合いで、厚東川で増殖中のヌートリアの件が話題になりました。作業 終了後、先日購入いたしました草刈り機(共立製)の組立、試運転を実施いたしました。 ―3月19日(土)参加者は13名で以下の作業を実施いたしました。 ①駐車場の整地:前回に引き続き、駐車場で目立つ凸凹を土砂を用いて整地しました。 ②観察路の整地:同様に、猪により掘り返された溜め池沿い観察路(川側)を土砂を用 いて整地しました。 土砂は軽トラック二台を用いて、駐車場から溜め池横まで運びました。 ③エコアップ: 溜池内で、キシュウスズメノヒエの群落を除去しました。 また作業前に、以下の項目について話し合いをいたしました。 ・“宇部環境ネットワーク”の理事に、田村副会長が就任します ・“うべまるごと元気ネットワーク”への登録申込み内容を説明しました ・会員の動向(留任および退会)について説明がありました(詳細は総会で) 2.今後の予定( 事務局 記) ◎見学者 ◎行 事 ―3月30日(水)会計監査 10時ふれあいセンタ― ―4月 3日(日)平成28年度総会 ―4月16日(土)親子自然観察隊(決隊式及び食べられる野草) 3.来訪者の声 今月はありません。 1 4.会員の声-「カワウソかカッパか?」 ( 原 田 滿 洲 夫 ) 2月23日朝6時50分いつものように子供見守隊の一員として通学バスでの学童を待 ち合わせの間、 愛犬"ハル “と桜つつみ公園をジョギングで河原に行く、毎日の日課である。 カルガモが数羽群れを成しいつもの状況であった。ところが今日は違っていた。獺(カワ ウソ)か又は河童か?茶黒い背中としっぽのある、生き物が泳いでいる。その生き物は、我々 の姿に気づいたのか数秒後、雨上がりの濁った水中に消え去った。浮いてくるのを長時間愛 犬ハルと待っていたが再び姿を見ることが出来なかった。ハルはいつもと違った匂いがある のか川岸をクンクン言いながら這いずり回っている。 過って、厚東川の中流厚狭郡吉部村(現宇部市)の荒滝山のふもとでは獺(カワウソ)が 生息していたとの記録があり、現在でもはく製があるとか? ひょっとしてその生き残りか 又二俣瀬に存在した中島の川尻の合流域を「ションガ瀬」と言って※猿猴や河童伝説は伝 説でなく本当に居たのではとロマンが広がる。 数日跡いろいろ聞き合わせ行ったところずっと川下の厚東との境あたりの厚東川に居て はならない外来生物「ヌートリア」が時々見受けられるとの事、全くロマンも夢もなくなっ た。 ヌートリアが増えて生存競争に負け追い出されたか、食べられるものが少なくなって上流 の桜つつみ公園付近まで登ってきたものだろうか? 在来の魚の種類や量も少なくなってきているがさらに増繁している川鵜、更には魚を食べ る外来獣まで生息するとは、生態系の大きな乱れであり、今後どうなっていくのか危惧され る。 ※猿猴や河童伝説とは昔一部では獺(カワウソ)を猿猴(えんこう)や河童(カッパ)と勘 違いしていたのでは、ともいわれている。又ションガ瀬で捕えられ殺された猿猴の供養塚が 車地側の道傍に所存する。 何でもいい 河童猿猴 ロマンあり 2 5.ビオトープ関連:「山口県の昆虫たち」 ( 管 哲郎 記) (3)フチグロトゲエダシャク Nyssiodes lefuarius 鱗翅目 シャクガ科 エダシャク亜科 冬に発生するシャクガとして知られていますが、生態はよく知られていませんでした。 ほぼ全国的に分布しますが、一部の県では絶滅危惧種に指定されています。 幸いにも「山口むしの会」では宇部市、山陽小野田市などに以前より生息していることを突 き止めており、山口むしの会(筆者を含む)の協力のもと広島大学の研究者が生態研究を取 りまとめ、2014年には学会に研究論文を発表されたようです。 宇部市では2月~4月の昼間に成虫が見られます、主にススキの多い荒地に多く、メスの 羽は退化して飛べず地上や草木の上を歩き回ることしかできません、写真のようにずんぐり した体形をしたかわいい成虫です。メスはススキやヨモギなどの枯れ枝に登り、フェロモン を放出しオスを呼び寄せるようです。また、オスは食べ物をとる口がありません、メスとの 交尾を済ませると短い一生を終えるといわれています、昆虫の世界も大変なようですね。 孵化した幼虫は早春に芽を出す雑草を食べて成長します。クズ、ウマノスズクサ、ノイバ ラ、ギシギシ、ヘビイチゴ、クローバ、ミヤコグサ、カラスノエンドウ、ヨモギ、ヒメジョ オンなどで、食べ物に不自由することはないようです。 オスは翅をもち飛べますが産卵できません、飛べないメスがどのようにして分布を拡大す るのかが研究のテーマでしたが、この調査で正解を見つけたかもしれません。皆さんも考え てみてください。 オス 産み付けられた卵 メス 初齢幼虫 3 交尾 終齢幼虫 6.会よりの連絡事項 1.主に猪に堀起こされ溜池ゾーンや止水池の散策道が荒れてきました。春からは草刈りに 活動が集中することになりますが、創設以来15年が過ぎ大々的な修復が我々会員の力で は追いつかない状況になってきました。行政の力や外部業者のお力添えも考えて計画して 永久保存していく使命があります。 2.会員の高齢化も進み、退会者も出て、会員数も減ってきています。総会ではどのように して会員を募集し、会員数を増やしていくのかも話し合わなければなりません。大人向け に、自然観察会、維持管理体験会、イベント(田植え・稲刈りなど、但し餅つきは除く) などを企画し情報発信して、まずビオトープを知ってもらって、特に定年後のこれからを 考えている方に興味を持ってもらう事が必要かなと思います。今後のためにも、皆さんで 知恵を出し合っていきましょう。 7.編集後記 2001年の5月に第1号を発行して以来、今年の3月で176号まで続いている会報。 あらためて「つくる会」の歴史を感じさせられます。月に 1 回の会報を15年間欠かさず発 行し続けている原谷さんのおかげですね。 「つくる会」に出会えたおかげで「二俣瀬」に毎月通い、ビオトープの風や動植物で季節 を感じ、地元の方の暖かさに触れています。宇部は第2のふるさとになりますが、私のなか では「二俣瀬」がふるさとの原風景です。ビオトープに行けば、いつものメンバーが普段通 りにビオトープの整備をし、汗を流し、お茶を飲む。その日常がとても安らぎます。 みなさん歳を召されて身体がついていかないという声も聞きますが、無理せずぼちぼち活 動していけたらいいですね。 ( 中本 亜矢子 記 ) 4
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