No.144 1月号

No.144
JAN.2006
KPUNEWS 編集委員会
あけましておめでとうございます
声に出して読んでいただきたい詩
理事長 滝野
哲
第3回文化講演会(本学教養教員による)が昨年11月3日の文化の日に愛学ホールで開催されました。当日の
演者佐藤弘樹先生(FM京都α-stationの人気DJ)の美声と見事な話術に魅了されました。最後に朗読された詩
「人生の祝福」J・ロジャー・ルーシーに私の感激の涙はいつしか嗚咽となり、その後はさわやかな気持ちにな
りました。皆様も一度ゆっくりと、繰返し朗読してください。
人生の祝福
大きな事を成し遂げる為に力を与えてほしいと神に求めたのに
謙遜を学ぶようにと弱さを授かった
I asked God for strength that I might achieve;
I was made weak that I might learn humbly to obey.
より偉大な事が出来るように健康を求めたのに
より良き事が出来るようにと病弱を与えられた
I asked for health that I might do greater things;
I was given infirmity that I might do better things.
幸せになろうとして富を求めたのに
賢明であるようにと貧困を授かった
I asked for riches that I might be happy;
I was given poverty that I might be wise.
世の人々の賞賛を得ようとして成功を求めたのに
得意にならないようにと失敗を授かった
I asked for power that I might have praise of men;
I was given weakness that I might feel the need of God.
CONTENTS
京薬祭を終えて・・・ ……………………………………11
ドイツ滞在記………………………………………12∼14
クラブだより……………………………………………15
受賞………………………………………………………16
Library News……………………………………………17
2005年度後期試験日程…………………………………18
教育後援会からのお知らせ……………………………18
21世紀COEプログラム国際シンポジウム開催 ………19
お知らせ……………………………………………19∼20
京薬会だより……………………………………………20
あけましておめでとうございます
声に出して読んでいただきたい詩
理事長 滝野 哲………1∼2
薬学6年制スタートの新年を迎えて
学長 西野 武志………2∼3
新任のご挨拶 ……………………………………………3
特集 京都薬科大学の6年制教育 …………………4∼7
建築関連ニュース(21) ………………………………8
卒業生からのメッセージ ………………………………8
ケニア・サファリウォッチング………………… 9∼11
-1-
人生を享楽しようとあらゆる物を求めたのに
あらゆる事を喜べるようにと生命を授かった
I asked for all things that I might enjoy life;
I was given life that I might enjoy all things.
求めた物は一つとして与えられなかったが
願いは全て聞き届けられた
I got nothing that I asked for, but everything I had
hoped for.
神の意にそわぬものであるにもかかわらず
心の中の言い表せない物は全て叶えられた
Almost despite myself, my unspoken prayers were
answered.
私はあらゆる人の中で最も豊かに祝福されたのだ
I am, among all men, most richly blessed.
「愛することは許されること」渡辺和子・PHP研究所。
ニューヨーク大学リハビリテーション研究所の壁に残された患者の詩。患者はJ・ロジャー・ルーシー神父。
いよいよ本年から薬学6年制がスタートします。これを機会に本学でも中期計画の構築・実施に着手しま
す。
即ち大学の進むべき目標を明確にし、将来計画を具体的な行動プランで示します。
また、「建学の精神」を基本として現状を分析評価し、法人と大学のあるべき姿、将来像を明確にして「グ
ランドデザイン」の策定を行います。
重要なことは全教職員が計画の趣旨、内容を十分に理解し、一致して教育改革や経営基盤の安定を図るため
行動を起こすことです。学内に意識の差が生まれては目的の達成は不可能です。
皆様方のご支援、ご協力をお願い申し上げると共に、素晴らしい新年を迎えられます様祈っております。
薬学6年制スタートの新年を迎えて
学長
西野
武志
今年は戌年になりますが、過去からの戌年の出来
事 を 見 ま す と、1934 年(昭 和 9 年)に は プ ロ 野 球
チームが誕生し、1946年(昭和21年)には日本国憲
法 が 公 布 さ れ、1958 年(昭 和 33 年)お よ び 1970 年
(昭和45年)には、それぞれ米国および中国初の人
工衛星が打ち上げられ、1982年(昭和57年)には東
北新幹線が開業、1994年(平成6年)には関西空港
が開港、このように戌年には多くの新たな出来事が
スタートし、その後それぞれの発展が見られており
ます。そして2006年は薬学6年制がスタート、新た
な展開、展望が得られるべく最大限の努力をする覚
悟でおりますが、「1人の100歩より100人の1歩」が
重要で、教職員のみならず、学生の皆様のご協力、
ご理解をお願い致します。
と こ ろ で 今 年 の「え と」は 戌(犬、イ ヌ)で す
明けましておめでとうございます。薬学6年制が
スタートする2006年を迎え、禅の言葉の「百尺竿頭
(ひゃくしゃくかんとう)に一歩を進む」を思い出
しております。この言葉の意味することは、もう先
に行くことができない「百尺の竿の先」に到着して
も、そこで満足せずにさらに一歩先に行きなさいと
いうことで、この「進一歩」があってこそ新たな次
の展開が生まれるということになります。6年制の
設置が昨年の10月に文部科学省から認可されました
が、学則、カリキュラム、CBTとOSCEからなる共用
試験、6ヶ月の実務実習など解決して行かなければ
問題が山積しており、歩みを止めることはできませ
ん。教職員全員が一致団結して、これらの問題に取
り組んで行かなければならない必要性を痛感致して
おりますので、何卒宜しくお願い致します。
-2-
新任のご挨拶
言葉が意味することは、実際は、平凡な日常の仕事
や生活を完全にこなす事が最も重要で、困難でもあ
り、また尊くもあるとの事です。どうか学生の皆様
も日常の学業を大切に、最終目標に到達されること
を切に希望しております。
が、えと(干支)には60種類あることをご存知で
しょうか?すなわち干支と書かれるように十干の
「甲、乙、丙、丁、戊(ぼ)、己(き)、庚(こ
う)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)」と十二
支 の「子(ね)、丑(う し)、寅(と ら)、卯
(う)、辰(た つ)、巳(み)、午(う ま)、未
(ひ つ じ)、申(さ る)、酉(と り)、戌(い
ぬ)、亥(い)」が組合わされ、60種類できること
になり、これが年齢で一周すると「還暦」となりま
す。今年は丙戌(ひのえいぬ)ですが、猟犬の支配
を受けると言われています。韓非子の言葉に「犬馬
は難し(けんばはかたし)」がありますが、これは
画家に対して絵を描くときに、何が容易で、何が難
しいかと聞いたところ「鬼や化物は誰も見たことが
ないので簡単で、誰もが見て、知っている犬や馬が
一番難しい」と答えたとのことです。すなわちこの
新任のご挨拶
その後、科学技術振興事業団計算科学技術研究員
として、同大学の別の学科で、地理画像変化域抽出
の研究に携わっていました。そこで所属していた研
究室は、脳型情報処理機構の開発や適応的情報処理
方式についての基礎研究、およびニューラルネット
援用知的画像処理(防災、農業、医療応用)につい
て研究を進めてきたところです。私は、撮影時点の
異なる2枚の航空写真などから建造物の新規出現、
消失、河川・道路・土地利用形態等の変化域を自動
的に抽出するシステムの研究に携わってきました。
それから今年度9月までは、岡山県にある国立津
山工業高等専門学校に勤務していました。そこで
は、赴 任 当 初 か ら 主 に、日 本 技 術 者 認 定 制 度
(JABEE)の受審の仕事に携わってきました。JABEE
とは大学など高等教育機関で実施されている技術者
教育プログラムが、社会の要求水準を満たし、国際
的に通用する技術者の育成を行っているかどうかを
外部機関が技術系学協会と密接に連携しながら評価
認定する制度です。津山高専は大学・高専の中でも
比較的早く認定を受けることに成功しました。
このように、所属機関や研究分野などでめまぐる
しく変化してきましたが、教育・研究などに関し
て、学生や教職員のみなさんのお役に立てれば、と
思います。最後に、関西の地は初めてなので、いろ
いろな情報(おいしいお店や安いお店など)を教え
てもらえるとありがたいと思っています。
数学教室
助教授
葛城
大介
この度、数学教室に助教授として着任しました。
出身は福岡県北九州市の工業地帯で、環境汚染が
進む真っただ中で生まれ育ちました。その影響か、
小学校の低学年の頃から花粉症にかかっており(当
時はそういう名前が無かったのでアレルギー性鼻
炎・アレルギー性結膜炎でしたが)、是非、誰かに
良い薬を作ってもらいたいと思っています。
大学以降は東京や神奈川で暮らしており、東京工
業大学で、カオスの引き込み現象に関する研究で博
士(理学)を取得しました。カオスというのは、一
見するとノイズに見えますが、それとの違いは、あ
る切り口で見ると秩序構造が現れるものです。引き
込み現象とは、異なる基本振動数が変化して、二つ
以上の要素が一定の位相関係を保つ現象です。生物
では、サーカディアンリズムやホタルの集団同期発
光などがよく取り上げられます。それらの特性をも
つシステムのゆらぎ効果について研究を進めてきま
した。
-3-
特集
−
京都薬科大学の6年制教育 −
本年4月から6年制の新入生が入学し、6年制の薬学教育がスタートします。本学は、ハード面では長期実
務実習に備え「病院・薬局に行く前に」の事前実習を行う新調剤センター(仮称)の建築が決定されまし
た。また、ソフト面では、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に基づき、カリキュラムが作成され、
共用試験のCBTトライアルの準備およびOSCEトライアルの準備等を進めております。今回の特集では、6年
制カリキュラム、共用試験CBT・OSCEおよび実務実習についてそれぞれ詳しく説明いたします。
格案を明らかにしています。京都薬科大学の教育と
して、このような所にも特徴を出して行かなければ
ならない必要性を痛感しております。また6年制を
迎えるにあたって、教育理念として「本学は高度の
教育及び学術研究機関として、薬学の教育及び研究
を推進することにより、国民の健康を支える医療人
として、生命の尊厳を基盤とし、人類の健康と福祉
に貢献する」を、教育目的として「医療に関する幅
広い専門知識、豊かな教養と人間性、高い倫理観を
兼備した医療を支える薬剤師を養成する。さらに、
高度な薬学専門知識を生かした先導的研究により、
臨床面のみならず創薬科学、環境科学、社会科学な
どの分野で貢献できる有為な人材を養成する」を掲
げており、教職員や学生の皆様のご協力、ご理解を
お願い致します。
薬学教育6年制の
スタートにあたって
学
長
西野
武志
1992年に施行された医療法の改正において薬剤師
が、初めて「医療の担い手」として明記され、現在
では病院などで医療チームの一員として、病棟活
動、服薬指導や在宅医療など様々な活動を他の医療
従事者とともに行うようになっています。この薬剤
師も「医療の担い手」の一員であることを、しっか
りと認識しておく必要があると思っています。とい
うのも病院の薬局長や調剤薬局の経営者から、しば
しば指摘を受けているからであります。どのような
指摘かと言いますと、新卒の学生を採用する時に面
接を行うと、学生さんの方から「夜勤はあります
か?」とか「夜は何時までですか」との質問が多く
あるそうです。そして「夜勤も最低月1回はある」
と答えると、それでは「他の病院や薬局を考えま
す」との返答が多いそうです。このような状況を皆
さんはどのように考えられますか?患者さんの病気
は待ったなしであり、医師や看護師は1日3交代制
などで時間に関係なく働いておられるのであり、医
療チームの一員である薬剤師も同様に仕事をする必
要があります。薬剤師だけが「夜勤はちょっと」と
いうような事を言っていたのでは、他の医療従事者
から無視されるようになりますので、薬剤師は医療
の担い手であることを常々、意識しておかなければ
なりません。
6年制教育がこの4月から実施されますが、医学
部に専門別に外科、内科、小児科、産婦人科、耳鼻
科などがあるように、薬学部も薬剤師がすべての薬
を知っているというよりは「ガン専門薬剤師」、
「感染制御専門薬剤師」あるいは「漢方専門薬剤
師」などと専門薬剤師へと移行して行きます。実
際、平成17年7月に、日本病院薬剤師会は「ガン専
門薬剤師」と「感染制御専門薬剤師」の認定申請資
6年制カリキュラム
カリキュラム検討委員長
副学長
佐藤
隆司
2004年5月の第159回通常国会で可決成立した薬
学教育6年制がいよいよ2006年4月からスタートいた
します。新制度では、日本の薬学が基礎研究を出発
点として発展してきた歴史的背景から、6年制と現
行の4年制学部を併置することが認められました
が、本学では6年制のみを採用し、大学院は修業年
限が4年の博士課程のみとなります。
薬学部が6年制になる背景は、医療が急速に高度
化することに伴い、薬物療法も高度化していくこと
から高度な知識を持った質の高い薬の専門家の必要
性が高まり、そのための教育の充実性が望まれるよ
うになってきたことです。このために日本薬学会か
ら基本的なカリキュラムとして、「薬学教育モデ
ル・コアカリキュラム」、および「実務実習・卒業
実習カリキュラム」が示され、本学もこのカリキュ
-4-
特集
京都薬科大学の6年制教育
どに所属し、研究室でのセミナーやそれ以外のカリ
キュラムを受講することになります。
6年次にはアドバンスト教育として専門薬剤師教
育を実施します。専門薬剤師とは、医師の診療科ご
との専門性のように、疾病などの特定領域ごとに高
度な専門的知識を有する薬剤師のことで、すでにそ
のような薬剤師の養成が実施されつつあることか
ら、本学も専門薬剤師としての知識の修得のための
カリキュラムを作成しました。これによりチーム医
療の一員として今後嘱望されると思われる薬剤師の
ありかたを教育したいと考えています。このほかに
は先端の薬学の概況を教授するカリキュラムも組ん
でいます。
6年間
ラムを基礎とし、これに本学独自のカリキュラムを
加えて6年制カリキュラムを作成しました。コアカ
リキュラムでは教育方法の抜本的な改革がなされ、
従来の教員が主体となった「何を教えるか」ではな
く、学習者がその教育を受けて「どこまで到達すべ
きか」を、おのおのの科目について一般目標および
到達目標として明示されていますが、本学もこの方
法に沿った教育を実施します。
コアカリキュラムの特徴は、教養科目、医療系薬
学科目、および実務実習のそれぞれの充実を3本柱
としており、知識のみではなく、実務に必要な技能
や医療現場で必要とされる態度も学ぶという内容で
す。本学は1年次でコアカリキュラムに沿った教養
科目に、早期体験学習や従来行なってきた基礎演習
(愛学セミナー)をさらに充実させてPBL(problembased learning)テュートリアルとして加え、患者
を理解するための倫理観やコミュニケーション能力
を育成します。2∼4年次では薬学専門教育としての
基礎薬学系科目、および医療薬学系科目のカリキュ
ラムを中心として、高度な薬物療法にかかわる知識
の修得を目的とした教育を行ないます。これには現
在の4年制カリキュラムの大部分の科目が含まれま
すが、全体的には各科目の履修期間が現行より長
く、充実した教育が実施できると期待しています。
専門科目系の実習は、実施学年など概して現行と変
わりませんが、有機化学系実習は、現行の科目別の
実習ではなく、生薬学を含めて統合型の実習を行な
います。
5年次では、薬学部を6年制にする最大の目的であ
る、病院・薬局での長期実務実習を行い、医療の実
践の場での薬剤師の関わりや役割を学びます。この
実習は6ヵ月の長期にわたるもので、4年次後期に学
外実習のための知識や技能を修得するための、学内
での1ヵ月の導入実習、5年次から2.5ヵ月の病院で
の実習、さらに2.5ヵ月の調剤薬局での実習から構
成されています。この実習に臨むには、そのための
基本的な知識、技能、態度を修得している必要があ
り、それらを問う4年次後期の共用試験に合格しな
ければなりません(共用試験については本特集の他
稿に述べられております)。
現行の特別実習は6年制においても行いますが、
現行とは異なり実施期間が3年次後期から4年次前期
までと、5年次前期から6年次前期までの計2年半と
なります。したがって、3年次生から6年次生までの
4学年の学生が実習を行うことになり、現行のよう
に学生のほぼ全員が特別実習を選択すると当然その
人数の指導は不可能に近くなります。そこで学生の
半数は特別実習(6年制カリキュラムでは「総合薬
学研究」)を、半数はセミナー(6年制カリキュラ
ムでは「総合薬学演習」)を選択する制度に変わり
ます。セミナー生は現行と同様に各研究室や部門な
図)薬学教育6年制システム
これら6年間のカリキュラムを通して、医療人とし
ての人間性や倫理観を有し、課題発見と問題解決能
力、さらには臨床の場での実践力を有する人材を育
成するとともに、本学の新6年制制度による新しい
薬学部の向上を期待しております。
-5-
を開始して良いレベルに到達していることを保
障するために、この試験を行う。
2)出題数は、受験者あたり計300題とし、1題の
平均解答時間は1分を想定しているので、300
分で試験を行う。
3)出題の範囲、レベル、方式などが、現行およ
び改定が予定されている厚生労働省薬剤師国家
試験のそれらとは異なるものとする。
a)問題の出題は、日本薬学会編「薬学教育モ
デル・コアカリキュラム」のうち、「A 全
学年を通じて:ヒューマニズムについて学
ぶ」「B イントロダクション」「C 薬学
専門教育」、および薬学教育の改善・充実
に関する調査研究協力者会議編「実務実習
モデル・コアカリキュラム」のうち、「(I)
実務実習事前学習」の各到達目標(SBO)に
準拠して出題する。ただし、SBO番号の前に
△印が付された項目は出題対象外とする。
b)問題のレベルは、原則として、受験時に、
通常の授業を理解している学生が特別な準
備を要することなく解ける問題とする。す
なわち、全受験生の正答率が80%前後とな
るような難易度とする。
c)試 験 の 形 式 は、五 肢 択 一 の 客 観 試 験 と す
る。一問に多くの事項を盛り込まず、単純
な内容で問題数を多くする積み重ね形式で
知識を問う。解答に当たって、学生は筆記
用具、メモ用具などを用いることはできな
い。
4)受験生全員が同一問題を解くのではなく、各
自がランダムに出題されている問題を解く。
5)基本的には、単一のSBOに対応した内容で1題
を作成する。
CBT共用試験問題について
CBT共用試験担当委員
教
授
山本
昌
皆様、御存知のように、長年にわたり議論されて
きた日本の薬学教育6年制が、いよいよ2006年4月か
ら開始されます。これは、我が国の薬学の歴史から
見てきわめて大きな改革であり、大学の教育やカリ
キュラムが大きく変革されることになります。
従来、日本の薬学は、創薬化学に立脚した「物
質」を対象とした基礎研究から発展し、その成果は
世界的に高い評価を得てきました。そのため、大学
における教育システムは、薬の創製あるいは創薬研
究者の養成システムとしては有効に機能してきまし
たが、医療現場で活躍する高度な知識や技能を有す
る薬剤師を養成するという点においては、十分な体
制になっていなかったのが実情でした。一方、近
年、医薬分業の急速な進展と共に高度な薬剤師業務
を担当できる「医療人として質の高い薬剤師の養
成」が社会的なニーズになっており、こうした社会
の要請を受けて薬学部6年制がスタートする運びと
なった次第です。
この6年制のカリキュラムでは、5年次以降におい
て長期病院・薬局実務実習が導入教育を含めて6ヶ
月間実施されることになっており、この点が6年制
教育の大きな改革点になっています。しかしなが
ら、この長期病院・薬局実務実習を受けるために
は、これら実務実習に出る前に、共用試験が課せら
れており、これに合格しないと実務実習を受けられ
ないシステムになっています。この共用試験は、実
務実習を開始する前に、薬剤師としての資質や実習
を受けるために基礎知識や技術を評価するために試
験であり、コンピューターを用いた知識評価の多肢
選 択 形 式 の 試 験 で あ る CBT(Computer-Based
Testing) と 患 者 さ ん と の 応 対 に 関 す る 技 能・態
度・マナーの評価のための客観的臨床能力試験であ
る OSCE(Objective Structured Clinical Examination) の2つに分類されます。
このうち、CBT試験は、2006年6月頃に東京理科大
学のホストコンピューターを用いて第1回目のトラ
イアルが実施される予定であり、現在、そのトライ
アルに向けての準備が進められています。先日、本
学で開催された「薬学教育フォーラム2005」では、
各大学に問題の出題依頼が行われ、その際に問題作
成に関する注意がなされたので、その内容のうち、
重要な点を抜粋して以下に紹介したいと思います。
問題作成の重要事項としては、
1)学生が基本的な基礎知識を習得し、実務実習
などが決められています。
現在、各大学に150題ずつ問題作成の依頼がなさ
れており、2006年1月末が提出期限となっていま
す。その後、これら集まった問題を精選して、上述
の第1回目のトライアルが行われる予定です。
このように、CBT試験はまだ試行錯誤の状況です
が、このシステムの成否は、6年制教育の根幹であ
る実務実習教育の際の学生のレベル統一にもつなが
るため、きわめて重要です。今後のCBT試験の整備
に向けて、皆様の一層の御協力をお願いすると共に
その動向を注意深く見守る必要があると思われま
す。
-6-
特集
実施に関する協議が進められています。
実務実習の目的は、病院での実習を通し、病院薬
剤師の業務と責任を理解し、チーム医療に参画でき
るようになるために、調剤及び製剤、服薬指導など
の薬剤師業務に関する基本的知識、技能、態度を修
得することです。また、薬局実習では、薬局の社会
的役割と責任を理解し、地域医療に参画できるよう
になるために、保険調剤、医薬品などの供給・管
理、情報提供、健康相談、医療機関や地域との関わ
りについて基本的な知識、技能、態度を修得しま
す。さらに、病院・薬局の実務実習を通して、医療
人としての責任や使命感及び倫理観を養うことを目
的としています。
OSCEならびに実務実習
臨床薬学教育研究センター長
教
授
横山
照由
共用試験とは学生が長期の実務実習に行く前に、
実習を行うことができる知識・技能・態度が備わっ
ているか評価する試験です。自動車の免許に例える
と、路上教習に出る前の仮免に相当します。この試
験に合格しなければ実務実習を受けることができま
せ ん。共 用 試 験 で 知 識 を 問 う の が CBT (Computer
Based Testing)で、技 能・態 度 を 試験 す る の が、
OSCE (Objective Structured Clinical Examination :
客観的臨床能力試験)です。OSCEに関しては、現在
医学部で平成17年度から実施されたスタイルを参考
に計画が進められています。医学部の例では、6種
類の診療領域(医療面接、頭頸部診察、胸部診察、
腹部診察、神経診察、外科/救急)の課題を実施す
るステーションが別々に配置され、学生は各ステー
ションを移動して、そのステーションでの課題項目
を5∼10分の時間内に実施し、2人の評価者により技
能と態度の評価を受けます。
薬科大学・薬学部では、次の6つのステーション
と各項目が検討されています。医学部と同様に各ス
テーションで、5∼6分間で各項目を実施し、2人の
評価者から、技能・態度に対する評価を受けます。
ステーション
1.接遇
2006年度以降の
収容定員および修業年限について
平成17年9月30日付で、文部科学大臣から収容定
員の増加に係る学則変更について認可されるととも
に、修業年限延長に係る届出が受理されました。内
容は次の通りです。
変更前
項 目
学科
挨拶、適切な対応、自己紹介、
必要な情報の収集、患者インタビュー、
患者確認、終了の挨拶など
2.薬剤の調製(1)
薬袋・薬札の作成、計数調剤、散剤の計量、
3.薬剤の調製(2)
内用液剤の調製、調剤後の確認など
4.調剤鑑査
処方せん記載事項の確認、処方内容の確認、
薬歴簿の確認、調剤薬の鑑査など
5.無菌操作の実践
手洗い、消毒、手袋・マスクの装着、
クリーンベンチの取り扱いなど
6.情報の提供
他の医療従事者への情報の提供、患者への
情報の提供(病棟)、患者・顧客への情報
提供(薬局)など
京都薬科大学の6年制教育
収容定員
入学定員
修業年限
薬学科
480名
120名
4年
製薬化学科
480名
120名
4年
生物薬学科
480名
120名
4年
1,440名
360名
収容定員
2,160名
0名
0名
2,160名
入学定員
360名
0名
0名
360名
合計
変更後
学科
薬学科
製薬化学科
生物薬学科
合計
現在、これらのトライアルが関東地区で実施され、
関西地区でも計画されています。
実務実習に関しては、実務実習モデル・コアカリ
キュラムに従い、まず学内の臨床薬学研修センター
で1ヶ月(4年次後期)の実習を行います。その後、
共用試験合格者は、5年次に学外での実務実習(病
院、保険薬局共に2.5ヶ月ずつ(各10週間))を受
けます。具体的には、2010年5月より学外実習がス
タートします。そのため、現在全国各地区毎に、病
院・薬局実務実習調整機構(例、近畿地区病院・薬
局調整機構)が設置され、多数の薬学生の実務実習
修業年限
6年
−
−
上記の変更に伴い、平成18年度以降の入学生の修
業年限は6年となります。また、入学定員に変更は
ありませんが、収容定員は720名増の2,160名となり
ます。
-7-
建築関連ニュース ̶̶ その21 ̶̶
学長 西野 武志
図書館・6号館の耐震補強・改修工事について
現在、図書館・6号館の耐震補強・改修工事を行っていますが、図書館は1959年に建設(その後1974
年東側増築)・6号館は昭和1966年に建設されています。
日本における建築物の耐震設計法は、未曾有の被害をもたらした1923年関東大震災以来、大きな進
歩がみられましたが、特に福井地震(1948年)・新潟地震(1964年)・宮城沖地震(1978年)の被災
経験を踏まえ、1981年に新耐震設計法といわれる抜本的な法改正がされ、飛躍的な発展をして参りま
した。しかしながら、1995年の兵庫県南部地震によって1981年以前に建設された建物に甚大な被害が
発生しました。
その結果1995年12月に「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が施行され、大学として耐震改修
の必要性を痛感し、安全確保のため図書館・6号館の改修工事を行っているところです。この改修では
①鉄骨の筋違い②コンクリートの耐震壁③その他不安のある箇所の支柱補強を新たに設置することに
よって大地震時に多少の「ひび割れ・表面材の剥落」を生じるが、過日パキスタンでありましたよう
な建物が大崩落を起こすことがない様に、皆さんが安全に建物外に脱出できる構造物になる様に工事
を行っています。(南校地の南校舎は既に耐震補強工事が終了しております)
地球物理学者の寺田寅彦先生が「天災は忘れた頃にやってくる」と言われておりますが、まさに正
鵠を得た言葉だと考えており、日頃から積み上げて改善していく事が必要であり、今回の工事もその
一環で、2006年3月まで工事が続き、騒音・振動・埃等が発生いたしますがご協力のほどよろしくお願
い致します。
「卒業生からのメッセージ」
病院薬剤師3年目の実感
炭 昌樹
平成13年 学部卒業
平成15年 臨床薬学専攻修了
滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部
臨床薬学専攻の実務実習先として滋賀医大病院で
お世話になり、その後就職。病院薬剤師として3年
が過ぎようとしています。これまで短期間ではあり
ましたが、調剤、服薬指導業務を経験し、現在は試
験研究室にて主にTDM業務に携わっています。最近
の日課としては、午前はTDM(TDMでは測定した血液
中の薬物濃度を基に、薬物が有効でかつ副作用が現
れないように、用法用量など治療方針について医師
へアドバイスしています)、午後は脳神経外科病棟
での薬剤管理指導、夕方からは学会発表をひかえて
研究内容の整理などを行っています。まだまだ経験
が浅いなりにも、医療の質を高め、患者様の安全を
守る薬剤師の仕事に大きな責任とやりがいを感じて
います。
日常業務では、患者様や医師、看護師などの医療
スタッフと接するなかで、薬剤に関する多くの質問
を受けます。知らないこともたくさんありますが、
-8-
どんな情報提供をすれば治療に貢献できるのか、喜
んでもらえるのかと思案しながら調査して伝えま
す。結果、満足して喜んでもらえたとき、治療効果
が上がったときは苦労した私としても本当に嬉しい
ものです。
勉強の機会は日々の仕事の中にはもちろんのこ
と、薬剤部での勉強会や病院で開かれる研修会、地
域または全国規模の研修会や学会などたくさんあり
ます。研修会や学会ではしばしば京薬の先輩方とも
お会いします(大勢の先輩方がご活躍されていま
す)。また知り合えた他施設の先生方からメールや
手紙をいただいて情報交換を続けられたりするのも
楽しいですし、仕事への励みにもなります。
医療全体の中で薬剤師が果たすべき役割は予想し
ていた以上に大きく、将来に向けてさらに広がりつ
つあると感じています。病院薬剤師というひとつの
職種の中でも、各薬剤師が能力を発揮する場は様々
だと思います。今後病院薬剤師を希望される皆さん
には、思い思いに理想の薬剤師像を描き、その実現
に向けて頑張ってもらいたいと思います。私も自分
自身が少しでも理想像に近づけるように努力してい
きたいと思っています。また病院以外への就職を希
望されている皆さんも、病院実習の際には、一生に
一度かも知れない病院や薬剤部を内側から見る機会
ですので、是非意欲的に実習を楽しんでもらいたい
と思います。皆さんがご活躍されることを期待して
います。
ケニア
ケニア・サファリウォッチング
健康科学教室
「ケニア」、人口3,100万人、日本の約1.5倍の国
土、アフリカ大陸の中央、赤道直下の国・・という
より、私たちは陸上の中・長距離での圧倒的な強さ
の選手やマサイ族を思い浮かべる人が多いでしょ
う。そんな国へ一週間の旅をしてきました。いつも
は、愛用のカメラで人や景色をたくさん撮ってくる
のですが、今回は被写体の90%が動物のケニア・サ
ファリツアーでした。
教授
・サファリウォッチング
浜崎
博
の想像をはるかに超えています。私の最初の目的
地、マサイマラNPは大阪府の面積とほぼ等しく、縦
60km、横30kmの長方形をしています。
首都ナイロビの市内は人口200万人の大都会で、
近代的な町並みと雑然とした下町が混在しているよ
うでしたが、車で通り過ぎてしまったのでよくわか
りませんでした。
今回訪れたのはマサイマラNP、ナクル湖NPおよび
ア ン ボ セ リ NP の 3 箇 所 で し た。ナ ク ル 湖(地 図 参
照)以外はタンザニアの国境に接した場所です。
3、サファリカー
案内の車(観光ではサファリカーという)は日本
製、N社のワンボックス・バンタイプで10人乗りに
してあり、屋根はサファリツアーの時に開けられる
ようになっています。ナイロビ市内を抜けると道路
状況が極めて悪く、舗装面が途切れて凸凹だらけ。
整備もされず使われているのでどの車も反対車線、
路肩などお構いなくすすんでいきます。日本では考
えられない運転ですし、おまけにスピードは絶対落
とさない、追い越しは当たり前、最初「これは、ま
ずい!」と思って、Mr.Playにスピードを落とすよ
うに警告するのですが「大丈夫!」の一点張り、そ
のままでした。とはいえ、未舗装の荒れた路面を時
速90kmから100kmで突っ走るものですから、ひとつ
間違えば終わりです。やはり、事故は多いようで、
道路の至る所でガラスの破片が落ちていました。こ
の点はガイドブックにも紹介されていないのでケニ
ア旅行を考えている人は注意しましょう。
4、宿泊施設
車に揺られること6時間、ようやくマサイマラNP
ゲートに到着「やれやれ」とホッとしたのが大間違
い、宿泊キャンプまで40kmあるそうな・・・。それ
もそのはず、公園は縦60km、横30kmの広さだから。
就寝前に万歩計を見ると、殆ど車での移動だったに
かかわらず、19,000歩でした。車の中でいかに激し
い運動をしていたかおわかりでしょう。
宿舎は「FIG TREE CAMP」というコテージ風の建
物が50棟程、川の中州みたいなところにあり、サ
ファリとは橋1本で結ばれているため、コテージ外
の行動も自由でした。部屋はベッド、あまりきれい
でないシャワー、電気の供給が不安定なための蝋燭
などがありました。次の宿泊地はナクル湖NPでし
た。ここのホテルは豪華の一語につきます。部屋も
食事もすばらしいものでした。最後の宿泊はアンボ
セリNPでした。アフリカ大陸の最高峰キリマンジャ
ロの麓に位置し、主にヨーロッパからの観光客が多
く大変混雑していました。シャワーの湯量が少なく
寒い思いをしました。
1、経路
関西空港から午後11時に出発し、約11時間でUAE
のドバイ着、5時間待機後出発、そこから6時間でケ
ニアの首都ナイロビに到着しました。出発から22時
間の旅です。搭乗機はエミネーツ航空で機内サービ
ス、機内食とも十分満足できるものでした。ナイロ
ビ到着は午前11時頃(今回、メモをまったく取らな
かったので正確な時間は覚えていません)でした。
入国検査も比較的簡単に済み、現地ガイドの説明を
受け、小休止するまもなくマサイマラ国立公園に向
け出発しました。これまでいろんな国でツアーに参
加したが、その殆どは運転手とガイドの2名がつい
ていました。しかし、今回は運転手兼ガイドの一人
だけでした。彼の名前は「Play」、30歳ぐらいのマ
サイ族出身だそうです。身長190cm、体重120kgぐら
いの堂々とした体格の持ち主でした。マサイ族も街
で優雅な生活をすると肥満は免れないみたいです。
ケニア地図
2、National Park
ケニアには10箇所の大きな国立公園(NP)があ
り、なかでもツァボは最大のNPで日本の四国より少
し大きいそうです。隣国タンザニアには更に大きな
NPがあり、もっとも有名なセレンゲティNPは東京、
千葉、埼玉、神奈川を併せたよりも広く、われわれ
-9-
の周りを数台のサファリカーが取り囲み、時には
4、5mの 距 離 ま で 近 づ き ま す ( 写 真 2)。若 い 2 匹 に
とってはとても迷惑なのでしょうが、さすがに百獣
の王、周囲を気にする様子はありませんでした。近
くで見るとすばらしい毛並み、目の鋭さ、体から伝
わる迫力・・圧倒されてしばらく見とれていました
(写真3)。
5、サファリウオッチング
十数台のサファリカーが草原をあちこち動物を求
めて走り回ります。どんな動物に出会えるかはガイ
ドの腕次第だそうです。やはり肉食系動物が見つけ
にくく、中でもジャガーとチーターは極めて難しく
出会えば運が良いということです。公園内は原則と
して車からは出ることができません。例外は、マサ
イ族の村とレンジャー隊員同行の場合のみOKだそう
です。私が帰国した一週間程後、ジンバブエでサ
ファリツアーの日本人がライオンに襲われて死亡し
ました。新聞によると公園内で記念撮影をした直後
らしいが、公園内で車から出るのは考えられないこ
とです。サファリカーはルーフ(屋根)を50cmぐら
い押し上げて開くようにしてあり、そこから顔を出
して動物を探します。公園内は轍(車の通り道)が
でき、サファリカーはそこを走りながら目指す動物
がいるとその道を外れて草原の中を自由自在に移動
します。ただ公園によっては指定された道以外は出
ることができないように道路の両側に溝が掘ってあ
ります。このような公園は動物を遠くから双眼鏡で
見ることしかできず、まして望遠レンズをつけても
写真を撮ることは困難です。
6、象の群れ
草原にいる動物は草食動物が圧倒的に多く、中で
もヌー、インパラ、ガゼールそしてシマウマは数百
頭、数千頭単位の群れを成しています。どこにいて
も良く目立つのは象とキリンです。かなり遠くの距
離でも象は黒い点として見え、数十頭の群で移動し
ています。他の動物はサファリカーに近づいて来ま
せんが、象はまったく気にすることなく、すぐ前を
すさまじい殺気と迫力で通り過ぎていきます(写真
1)。小象を連れた母親は大変やさしく、しばしば
授乳のために止まり、群に後れがちになりながらも
じっと飲み終わるのを待っています。
(写真2)
(写真3)
8、マサイ族
最初に訪れたマサイマラNPで、公園内にあるマサ
イ村を訪問しました。初めて接するマサイ族、大変
緊張してなかなか車から降りることができませんで
した。やはり怖かった。車から降りた瞬間から、イ
ベントに関する料金の交渉です。とても商売上手で
かなりの金額を要求されました。「歓迎ダンス」(写
真4)、「村の中を見学」、「カバとワニが棲んでいる
川までの散策」というコースが一人4,000ケニアシリ
ング(約6,000円)でした。内容はテレビでよく見
ているので驚きはありませんでした。しかし、直接
自分の目で見、肌で感じ、草原を歩くとサバンナの
野生とそこに立っているという緊張感を感じること
ができました。
(写真1)
7、ライオンのハネムーン
マサイマラNPでたまたまハネムーン中のライオン
に出会いました。2頭毎日殆ど同じ場所で新婚生活
を楽しんでいる・・というより、子孫づくりのため
必死に頑張っているようです。約2週間、狩は全く
しないそうです。水くらいは飲むのでしょう。2匹
(写真4)
-10-
京薬祭を終えて・・・
感じることはできません。しかし、多くの動物が減
少していること、および刻一刻と絶滅に向かってい
る動物がいることも事実です。先進諸国ではもはや
このような公園はありませんし、アフリカや南米に
おいても人の生活が優先されます。野生の自然や動
物保護を訴えながら、一方で破壊しているのは「人」
です。
かつて、日本にも狼やかわうそが生息していまし
た。現在のまま世界人口が増え続け、経済成長が続
けば、多くの国で貴重な動物たちが図鑑の中でのみ
残っていくでしょう。
多くの動物を自然の中で見、その迫力に感銘を受
けるとともに、人の生活と自然の調和に一抹の不安
を感じた旅でした。
9、おわりに
アフリカに関するマスコミ報道は実に多く、毎週
のように自然・野生動物の番組があります。テレビ
では目の前で珍しい場面、滅多に見ることのできな
い動物やその行動を見せてくれます。しかし、実際
のサファリツアーではそんなに多くの場面に出会う
ことはありません。日本では考えられないほど広大
なNP(保護区)で生活している動物たち。公園を少
し離れると、ケニアといえど野生動物は殆ど見るこ
とができません。たまに草食系(ガゼール、インパ
ラ、シマウマ)動物を見かけることがありますが、
肉食系動物は全く見当たりませんでした。
貴重な野生動物減少の最大の原因は密猟だと言わ
れています。広大な自然の中でのんびりと草を食べ
ているヌーやシマウマを見ると、野生動物の危機を
京薬祭を終えて・・・
2005年度京薬祭実行委員長
3年目の京薬祭を終えた今、自信に満ち溢れてい
る。京薬祭実行委員会(以下、実行と略す)に入っ
てからの2年半を振り返り思ったこと、感じたこと
がある。
入学後すぐにバスケットボール部に入部した僕
は、部活の先輩に半ば強制で実行に入れられた。正
直なところ京薬祭にはあまり興味がなかった。夕方
は部活をし、部活後から深夜まで京薬祭に向けて活
動という生活が続き精神的・体力的に辛い時も多々
あった。しかし、先輩に引っ張られながらなんとか
1年間活動した。活動していくうちに京薬祭の魅力
にのみ込まれていく自分に気がついた。初めての京
薬祭が終わるとこれまで味わったことのない達成感
を感じたことを覚えている。
2003年度の京薬祭が終わるとすぐに2004年度の幹
部に選ばれた。これは2005年度の実行委員長に任命
されたことでもあった。それまでの人生において学
級委員長とか部長など、集団の先頭に立ち、人々を
引っ張っていくような役を任されたことがなかった
ので実行委員長という大役が務まるのか不安を感じ
た。2年目は、京薬祭を成功させるためのいろはを
習ったり、同年次生がつくる企画を手伝ったり、目
先の京薬祭の成功を願いながら必死に活動した。ま
た、2005年度の京薬祭のビジョンを描いた。2004年
度の京薬祭が終わると実行委員は達成感を感じ、喜
んでいたであろうが僕だけは違った。2005年度実行
委員長という肩書が重く伸し掛かって心の底から喜
べなかった。
そして3年目の今年(2005年11月現在)。実行改
革元年と位置付けた。まず京薬祭成功のための最低
限の人手確保。部活動をしていないと京薬祭実行委
員会に入れなかったが、京薬生なら誰でも入れるよ
3年次
森下
真行
うにした。また活動時間を変更し、深夜の活動を避
けた。同年次生や後輩が少しでも活動しやすい環境
を整えた。とにかく実行はしんどいというイメージ
を無くしたかった。しかし、イメージというものは
すぐには変えることができないものだ。今年は初め
の一歩でいい、数年後変わっていればいい。2005年
度の京薬祭の成功だけでなく、これからの京薬祭の
成功のためにも役に立ちたい。僕のビジョンはとて
つもなく大きいものであった。
今日できることは今日する をモットーに2005
年度の京薬祭は、愛学館の完成に伴い野外ステージ
を設け、模擬店との一体感を生み、数々の企画で多
数の参加者が楽しめるような京薬祭にした。天候に
も恵まれ大成功であったと思う。京薬祭の成功のた
めに一生懸命頑張ってくれた実行委員の仲間には感
謝している。自分なりに実行委員長として頑張った
が、気の利かないこともあっただろうし、迷惑をか
けたりもしたが、最後までついてきてくれた実行委
員の仲間ありがとう。的確なアドバイスをして下
さった学生課や施設課をはじめ学校関係者の方々、
先輩方、ありがとうございました。
実行で得たものはかけがえのないものだ。実行を
通じていろんな人や色々な考えと出会い、以前より
大きな人間になれたと思う。最後までやり遂げたと
いうことが自分にとって大きな自信にもなった。こ
んな貴重な経験は一般の学生では絶対にできないと
思うし、部活に入っていてもなかなか味わえないだ
ろう。
最後になりましたが、2005年度京薬祭の開催にあ
たり、ご理解とご協力を頂きました全ての関係者な
らびに近隣住民の皆様に、深く感謝すると共に厚く
御礼申し上げます。
-11-
ドイツ滞在記
好評のフライブルク大学国際局主催の「日本人学生のためのサマープログラム−ドイツ語とドイツ
文化」も2005年8月で9回目を迎えた。本学からも24名の1,2年次生が参加、8月1日から29日までの約
1ヶ月であったが、学生時代の一時期をドイツの有名な大学町で過ごす貴重な体験をした。第二外国語
として学習しているドイツ語だが、実際に使われている現場での生活は驚きや戸惑いの毎日で参加者
にとって忘れられない体験となった。夏休みの異文化体験としてサマーコースの参加者にそのときの
体験や思い出を書いてもらった。
ここで当サマーコースの紹介を。この講座の最大のメリットは受講料・寮費が格安であることだ。
参加者は全員日本人および日本在住者であるために安心して授業を受けられるのもうれしい。毎日4時
間のドイツ語授業のほかに、午後にはレクレーションプログラム、週末にはフランスやスイスへのバ
ス旅行が企画されており授業以外でも欧州滞在を満喫できる。住まいである学生寮から大学までは路
面電車やバス利用だが一ヶ月有効の定期券が参加者に渡される。その定期券は「スルッと関西」のよ
うな機能を持つため近郊へのお出かけも大変便利だ。日本人・ドイツ人スタッフの手厚いサポート体
制が組まれておりドイツ語初心者も海外滞在未経験者も心配無用。参加希望者はドイツ語担当桑形(内
線:350)まで連絡ください。
ドイツの感想
2年次生
播磨
有希子
たった1ヶ月という短い期間ではあったが、とて
も内容の濃い異文化体験をすることができ、帰国の
飛行機の中で「参加してよかった。」と心から思っ
た。5歳からピアノを習い始め、中1のときから6年
近く習った先生はドイツ留学も経験されており、
レッスンの時に折りに触れてドイツのことを聞かせ
て下さっていたので私は芸術、文化、歴史など様々
な観点からドイツに興味を持っていた。だから1回
生の頃ドイツ留学のプログラムのことを聞いた時以
来、是非参加したいと思っていた。ただ、ほんの1
年しかドイツ語を勉強していないので多少の不安は
あった。
平日の午前中は大学で授業を受けた。日常生活の
いろいろな場面で必要となる表現や会話での受け答
えの表現などを習い、午後からの自由時間に買い物
をしたり、食事の注文をしたりその他様々な場面で
実際に自分でドイツ語を使うことによって習ったこ
とが定着していくのを実感できた。必要に迫られて
いたこともあってか、習ったことがすぐに役立つの
で日々の授業にも身が入り、満足度の高い効果的な
授業だった。午後や週末には美術館へ行ったり、フ
ライブルグの町の中の散策、ハイキング、ワイン祭
への参加、周辺の町への小旅行など盛りだくさんの
行事が企画されていた。どれも新鮮で毎日時間が
ゆっくり過ぎますようにと心の中で祈ったものだ。
ライン川の眺め
中でも、ドイツ人のスタッフが自分の家に私達を招
待してくださり、一般家庭でのドイツ料理をご馳走
してくださったことも忘れがたい体験で強く心に
残っている。個人旅行では味わうことのできない体
験もたくさんできた点で有意義だった。
日曜日は友人たちと計画を立てて鉄道の旅にも出
かけた。2週目の日曜日、友人6人とライン川クルー
ズに出かけたことも印象深い思い出の1つになって
いる。始発の列車に乗るために早朝に寮を出発し、
線路伝いに中央駅まで歩きICEを乗り継いでコブレ
ンツの町 にたどり着 いた。そこから約 8時間のク
ルーズだが運悪く、外は小雨だった。しかし終着点
のマインツでは雨は止み、澄んだ空気の中で水面に
反射する夕日は本当に美しく、しっかりと目に焼き
つけられ一生忘れないだろうと思った。
この留学の特徴である寮生活でも、様々なことを
学んだ。私が1ヶ月間生活した寮では日本人は私1人
だけだった。同じ階には10人の学生が住んでおり、
共同のキッチンやバスルームを使用するため、会話
する機会は多かったのだが、彼らのほとんどはドイ
-12-
ドイツ滞在紀
ツ語しか使えなかったので心細かった。しかし皆大
変優しく、私が掃除当番の時にも様々な手助けをし
てくれたり、独英辞書片手に話しかけてくれたりし
て、私の不安な気持ちを取り除いてくれた。今思い
出しても感謝の気持ちでいっぱいだ。同時に本当に
伝えたい気持ちが言葉にできないもどかしさもあっ
た。
短い期間ではあったけれど、自然の美しさ、歴史
の奥深さ、そしてコミュニケーションの大切さを実
感した。言語の違いによって意思疎通できないとい
う辛さを克服するため言語を勉強しようという意欲
も湧いた。いろいろな人との出会いの中で文化や価
値観の違いによって大いに考えさせられる場面にも
出くわし、自分にとって成長できた経験であったよ
うに思う。
最後にこのようなプログラムを企画してくださっ
た桑形先生やその他の方々に感謝の意を捧げたい。
ドイツ紀行
2年次生
上地
晶子
今年の八月ドイツへ行ってきました。今になって
思うと、初めての海外にも関わらず一ヶ月の留学に
行くなんてものすごく大胆だったなぁと感じていま
す。行く直前は不安でたまらなかったけど、実際に
ドイツに行ってみると、とても充実した毎日で、日
本では経験できないようなことばかりの貴重な一ヶ
月になりました。フライブルクは田舎だと聞いてい
たけれど、そんなことはなく、石畳の街並みはおも
ちゃみたいにかわいくてきれいで、親切な人々に広
い芝生のキャンパスに感動しっぱなしでした。晴れ
た日の空は青く澄んでいて、夜には満天の星が輝い
ていました。また日帰り旅行でスイスやフランスに
も遊びに行きました。一番感動したのは写真にある
ラインの滝で、川幅150mのライン川の水が一気に流
れ落ちる中で虹ができている光景は息を呑むもので
した。またライン川沿いの街リューデスハイムで
は、昔ながらの素敵な路地にあったレストランでの
アイスワインがおいしかったことはもちろん、そこ
で音楽隊(?)みたいな人が私たちのために すき
やきソング を演奏してくれ、人の温かさに触れる
ことができました。そしてドイツ語の授業は思って
いたよりもずっと楽しいものでした。私のクラスの
担任だったダニエル先生は日本のテレビでも活躍し
ていたり、アフリカで飛行機を操縦したり、とても
グローバルな楽しい人で、クラスみんなでご飯を食
べに行ったりもしました。ドイツのケーキやアイス
はもちろんおいしかったけど、アイスココアの上に
生クリームが乗っていて更に中にはバニラアイスが
入っているアイスショコラーデという飲み物にびっ
くりしました。他にも駅には改札がなかったり、犬
がつながれずにお店に入ってきたり、街のどこにで
もアコーディオンの音色が流れていたり、すべての
ことが驚きの連続でした。これだけではとても書き
きれませんが、一生忘れられないような夏を過ごす
ことができました。
学生寮にて
ドイツ人学生と
ラインフェルデンにて
薬大の参加者
-13-
と肌になじみ、そのすばらしい環境にただただ幸せ
を感じました。この目的は、ドイツ語学習ですが、
私は下から二番目のクラスになりました。ドイツ語
のレベルがかなり低くても、それに見合った担当教
師がつきますので、何とかなります。学生寮や大学
の施設を使うので安全ですし、日本人スタッフによ
るきめ細かなケアがあるので安心です。また、授業
以外にレクリエーションプログラムが盛りだくさん
用意されていますので、どれを選ぼうかと迷うほど
です。週末には日帰り旅行も参加自由で、至れり尽
くせりです。クラスではすぐに友達もでき、一緒に
おいしいものをたら腹食べて、ビールやワインを飲
んで、寮ではドイツ人や世界中からやってきた留学
生との会話を楽しみます。できるだけ積極的になれ
ば、楽しさも倍増します。いざとなれば英語でもフ
ランス語でも使える言語をフル活用してコミュニ
ケーションを図りましょう。寮はまさに小さな地
球。どんどん話せば友達の輪は広がります。私が友
達になった人だけでも、ドイツ人、ロシア人、カナ
ダ人、アメリカ人、トルコ人、レバノン人、エジプ
ト人、ウクライナ人、チェコ人、ルーマニア人、中
国人、セネガル人、など多岐に渡ります。彼らとド
ライブに行ったり、お互いの母国料理を作りあって
食べたり、パーティーで踊ったりしていると、私も
まさに地球の一員だと実感しました。京薬にこのプ
ログラムがあることをとても感謝しています。私は
本当に心に残る楽しい時間を過ごしました。もちろ
ん、ドイツ語への意欲も高まりました。皆さんに
も、このプログラムに参加されることをお薦めしま
す。私は、これまでヨーロッパに行ったこともな
く、正直ドイツに強い関心があったわけでもなった
のですが、行ってみて始めて感じるドイツの魅力が
確かにありました。もう一度行きたいと思っている
ほどです。この紙面では限りがあるため、フライブ
ルクの魅力を語りつくすことができず残念です。ぜ
ひご自分で体感してください!
ドイツでの生活
2年次生
熊野
愛子
今回のドイツでの生活は、私にとって今までで最
高の思い出となった。
外国で生活をするのはもちろんのこと、日本人以
外の人と共同生活をするのも初めてだったので、最
初は不安が大きかった。しかし、実際に生活をして
みると、言葉の壁は大きかったが、それを乗り越え
て、考えていることが通じ、ドイツ人やドイツ以外
の国の人とも仲良くなることが出来た。
せっかくドイツにきたので、積極的に日本人以外
の人々と話すよう心がけた。授業だけでなく、ドイ
ツ語でしかコミュニケーションをとれない友人がで
きたため、ドイツに行く前よりもずっとドイツ語が
理解できるようになった。
また、ドイツはとても静かで、空気建物も景色も
とても綺麗なところだった。特に、星空の綺麗さに
は感動した。環境が良いため、食べ物もとても美味
しかったので、日本にいるときよりもたくさん食べ
た。
私がドイツで出会った人達は、とても優しく接し
てくれたので、とても感謝している。
ドイツ以外にもスイスやフランスといった周辺諸
国にも行くことができた。特に湖川の風景がすばら
しく、大自然を感じることができた。
今回のドイツでの生活はとても良い経験となっ
た。また機会があれば行きたいと思う。
チェコ人のフロアメイトと一緒に
小さな地球を実感!
1年次生
土井
真沙子
夏季講習参加者と講師の先生とともに
皆さんはドイツのフライブルクという都市をご存
知でしょうか?私はこの夏、京薬のドイツ語サマー
プログラムでそこに行きました。まず驚いたこと
は、日本とは異なる自然環境や多国籍な学生の集ま
り、すべてが非日常なことでしたが、一週間もする
-14-
クラブだより
ク
ラ
ブ
だ
よ
り
硬式テニス部
サイクリング部
2005年8月10∼16日
石川県能登町で開かれた 第59回関西薬学生連盟硬
式庭球大会で
男子団体戦 準優勝
女子団体戦 3位
でした。
秋の定期戦(左側が京薬の勝数)
VS大阪薬科大学(男子3-4,女子3-4)
VS大阪大学
(男子3-4,女子6-1)
VS神戸薬科大学(男子2-5,女子5-2)
VS岐阜薬科大学(男子2-5,女子3-4)
を行いました。
今後の予定
3月下旬 春合宿(滋賀)があります。
《活動実績及び今後の予定》
2005年度
5月7日(土)
新歓ラン:長坂峠∼宇治
5月21日(土)∼22日(日)
一泊ラン:各パーティーで近畿圏内をラン・
宿泊
6月4日(土)
山岳ラン:京都市北部の山へ
6月17日(金)∼18日(土)
長距離ラン:琵琶湖を一周
8月1日(月)∼9日(火)
夏合宿:北海道各地
11月中旬
もみじラン:京都市近辺
3月
春合宿:愛知県各地(予定)
ソフトテニス部
10月22日、23日に行われました関西薬学生ソフト
テニス六校リーグ戦では、団体戦で男子は準優勝、
女子は優勝、個人戦では男子は西山・山本ペアがベ
スト8、森本・片岡ペア、倉田・松岡ペアがベスト
16、女子は松永・吉田ペアが準優勝、下川・海賀ペア
がベスト8、阿部・堀川ペア、大出・小林ペア、山本・
柳ペア、池堂・上田ペアがベスト16という結果を残
すことができました。この結果に満足することな
く、これからも薬連に向けてしっかりと練習に励み
たいと思います。
ヨット部
私たちヨット部は、毎週土曜日に琵琶湖で活動し
ています。
10月22日には、秋期医歯薬レースがあり、次のよ
うな成績を残すことができました。
第一レース
東・内藤組
1着
第二レース
東・永野組
2着
総合成績
東・内藤・永野組
4位
今回、部員それぞれのこれからの課題が発見で
き、有意義なレースとなりました。
先の予定は、11月13日 びわこマリーナ杯
12月
納会
1・2月
OFF(整備期間)
3月
同志社ウィーク(レース)
です。今後も精力的に活動していきますので、ご支
援、ご協力のほど、お願いします。
管弦楽部
私たち管弦楽部は先月3日に第33回定期演奏会を
終えました。たくさんの方にご来場いただき、たい
へんうれしく思っております。本当にありがとうご
ざいました。
第33回定期演奏会は、指揮者の先生が我が楽団の
常任指揮者に就任されて30周年、弦トレーナーの先
生にご指導頂くようになって20周年の節目の演奏会
でもありました。このことを記念し、今年2月に記
念パーティーを開くことを予定しています。
また、この演奏会をもって、今まで部をまとめて
くださっていた3年次生の先輩方は、少し活動から
離れられます。新たなメンバーで、昨年12月にクリ
スマス会を行い、部内の親睦を深めました。この3
月には春合宿も計画しています。先輩方に培われて
きた伝統を守りつつ、より良いクラブ活動ができる
よう頑張っていきたいと思います。
その他管弦楽部についての詳細はこちらのホーム
ページをご覧ください
http://orchestra.musicinfo.co.jp/ kpuorche/
ヨット部の練習風景
-15-
教育賞受賞 ご挨拶
全員が納得・満足いく講義を行うことは、教材や講
義手法に頼るだけでは現実的には難しいと感じてお
ります。学生の学習意欲を向上させることがその科
目や講義内容への理解や考察力を深める一助となる
ことから、教育効果を上げる目的でやる気を起こさ
せるための工夫や努力が教員に求められる場合があ
りますが、このような観点に加えて、学生自らが
「やる気を起こさせてもらってから行動していた自
分」に気づき、「自発的に興味を見出して行動する
自分」になろうとするように、押し付けることなく
サポートすることが少しでもできればと考えており
ます。ただその前に、学生全員が出席したくなるよ
うな講義を行っているのかと自問しなければならな
いのが正直なところでございますので、この度の受
賞を、教育への取組み方を考え直して向上させる機
会にしたいと存じます。
病態生化学教室
助教授
秋葉
聡
平成17年10月、教育後援会より教育賞を賜り、教
育後援会会長をはじめ保護者の皆様、ならびにご推
薦賜りました諸先生方に深甚なる感謝の意を表しま
す。受賞を励みに本学教員としての職務の遂行に尚
一層の努力を払う所存でございますので、今後とも
ご指導賜りますようお願い申し上げます。講義は基
本的な教育方法の1つでありますが、一度に百数十
名のクラスでは一方的な講義になりがちで、出席者
受
第10回病態と治療におけるプロテアーゼと
インヒビター研究会 奨励賞受賞
賞
「基質遷移状態概念に基づいたHTLV-I
プロテアーゼ阻害剤の構造活性相関研究」
2005年度第4回財団法人
パブリックヘルスリサーチセンター
神経伝達物質研究助成優秀賞受賞
第10回病態と治療におけるプロテアーゼとインヒビ
ター研究会(2005年8月19日∼20日、九州大学医学部
百年講堂)で行われたポスター発表において、創薬科
学フロンティア研究センター薬品化学教室による表題
の研究(発表者:○板見綾子、前川彦一郎、西山啓
史、日高興士、有井康博、木村 徹、林 良雄、木曽良
明)が極めて優秀な発表と認められ、奨励賞を受賞し
ました。ヒトT細胞白血病ウィルスI型(HTLV-I)プロ
テアーゼに対する阻害剤研究により今後の白血病治療
薬開発に新たな知見を与えたことが評価されました。
高田和幸、北村佳久、平敬宏、
有賀寛芳、谷口隆之
演題名:DJ-1によるドパミン神経保護作用の研究
2005年9月10日に第9回神経伝達物質研究会が東京プ
リンスホテルで開催されました。そのポスターセッ
ションにおいて、本学病態生理学教室の高田研究員が
発表代表者を務めた研究内容が上記研究助成優秀賞に
選ばれました。パーキンソン病モデルラットや培養細
胞を用いて、DJ-1蛋白質の神経保護作用を示した研究
内容が評価されました。
賞状を授与される板見綾子さん(修士課程2年)
優秀賞を受賞した高田研究員
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Library News
図書館
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2005年度後期試験日程
教
務
課
シラバスにも一部掲載しておりますが、2005年度後期の試験日程は下表のとおりです。
また、再試験受験手続について、例年手続きが遅れる学生が見受けられます。日程等(後日掲示にて連絡い
たします)よく確認しておいてください。
「再試験受験許可書・領収書」については、再試験を受験する際に必要です。手続後、再試験受験まで紛失
しないよう大切に保管してください(再試験手続の詳細は後日掲示で連絡します)。万が一紛失した場合は、
教務課で再発行をしますので、申し出てください。
≪後期試験等日程表≫
年次
試 験
薬学特別演習
正規試験
4
薬学特別演習
再試験
1∼3
後期試験
試験期間
1月10日(火)∼
1月11日(水)
2月08日(水)∼
2月09日(木)
1月10日(火)∼
1月18日(水)
2月06日(月)∼
3
後期科目再試験
1∼2
2月09日(木)
2月13日(月)∼
2月20日(月)
合格発表
手続等
1 月 24 日 ( 火 ) に 掲 示 で 発 表
(予定)。
卒 業 査 定 会 ま で発 表し ませ
2月1日(水)・2日(木)
ん。
2月1日(水)に掲示で発表。
後期試験の合 格発 表当 日と
進 級 査 定 会 ま で 発 表 し ま せ 翌日を「再試 験受 験願 」受
付日とします。
ん。
[2/1(水)・2(木)]
教育後援会からのお知らせ
教育後援会の2005年度事業計画ならびに予算(会計年度:2005年10月1日∼)が、10月6日(木)に開催の教
育後援会総会に於いて、下記のとおり決定されました。
また、総会開催に先立ち、2004年度教育賞(本学学生の教育に多大な貢献をし、その資質向上に功績のあっ
た教員に贈られる)の表彰式が行われ、受賞者である本学 秋葉聡助教授(病態生化学教室)に対して、教育
後援会長から表彰状ならびに副賞が贈られました。
(単位:円)
項
目
予 算 額
使
途
1,800,000 学 生 教 育 研 究 災 害 傷 害 保 険 料 補 助 ( 6年 間 分 )
200,000 保 険 適 用 外 初 診 料 補 助 ( 上 記 保 険 適 用 外 の 初 回 治 療 費 を 補 助 )
300,000 学 生 補 助 金 ( 学 生 自 治 会 の 意 見 を 聴 取 、 要 望 に 対 し て 柔 軟 に 補 助 )
学生生活支援事業
700,000 卒 業 記 念 品 ( 教 育 後 援 会 名 で 、 卒 業 生 個 々 に 記 念 品 を 贈 呈 )
600,000 卒 業 祝 賀 会 協 賛 ( 卒 業 生 ご 父 母 に ご 参 加 頂 く た め 、 京 薬 会 に 協 賛 )
150,000 弔 慰 金 ( 学 生 及 び そ の ご 父 母 に 対 し て 支 給 )
1,500,000
学部生英語受講料補助(学部生を対象に、学内で開講する英語課外講座
の 受 講 料 の 一 部 を 、 1人 当 た り 15千 円 を 限 度 に 補 助 )
200,000 一 般 図 書 の 寄 贈 ( 専 門 図 書 を 除 く )
小 計
教育研究支援事業
小 計
合 計
5,450,000
3,300,000 国 家 試 験 対 策 支 援 2005年 度 4年 次 生 用 参 考 書 代
200,000 教 育 賞
3,500,000
8,950,000
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お知らせ
International Symposium;
“New Developments in Synthetic Organic
Chemistry of Natural Products and Medicines”
京都薬科大学公開講座開催
京都薬科大学21世紀COEプログラム
国際シンポジウム開催
10月22日(土)愛学ホールにおいて第11回公開講
座を開催いたしました。はじめに西野学長の挨拶が
あり、その後、本学の中田教授による「健やかに老
いるために」のテーマで講演をされ、マルチメディ
アを活用した身近でわかりやすい話に、約150名の
参加者は熱心に耳を傾けていました。
その後、場所を体育館に移し、健康科学教室と武
田病院のスタッフによる「健康度チェック」やOBに
よる「くすりの相談」生薬学教室の「めずらしい生
薬」、薬用植物園からは薬用植物の展示・解説が行
われ、また、昨年から取り組みました本学の古い教
材、研究機材の展示も行いました。
環境と健康コーナーでは公衆衛生学教室による
「シックハウス症候群とその原因物質」、薬理学教
室による「アレルギーを引き起こす2大原因(スギ
花粉とダニ)」等に関する資料のパネル展示・解説
も行われました。
今年の参加者は特に年配の方が多く(50歳以上の
方が96%を占めた)健康への関心の高さが伺えまし
た。それぞれのコーナーでは順番待ちのところも出
ていましたが、参加者は各コーナーを巡回しスタッ
フの熱心な説明に聞き入るなど大変好評でした。
本学での開催も8回目となり、「毎年秋には、薬
大で公開講座があるので楽しみや!」という声も耳
にし、アンケートの中には「来年も楽しみにしてい
ます」や「お礼の言葉」などが多く、開かれた大学
として地域に定着してきたことが感じられました。
2005年9月17日∼18日、京都薬科大学21世紀COEプ
ログラム「統合創薬の開拓」国際シンポジウム;創
薬・天然物−有機合成化学の展望−が愛学館にて開
催されました。当シンポジウムは、文部科学省「21
世紀COEプログラム」拠点形成事業・京都薬科大学
21世紀プログラムの主催、文部科学省学術フロン
ティア推進事業・京都薬科大学創薬科学フロンティ
ア研究センターの共催によるものです。
会場では12題の招待講演を中心に35題のポスター
発表も行われ、2日間にわたって活発な討論が交わ
されました。招待講演中には木曽、野出、上西の3
教授による成果発表講演が含まれ、ポスター発表中
には博士研究員や大学院生による13件の研究成果の
展示が行われました。両日の参加者は350名を超
え、メイン会場であった愛学ホールは満席状態で、
あふれた参加者が階下のサテライト会場にも大勢詰
め か け た ほ ど で し た。詳 細 は、フ ロ ン テ ィ ア・
ニュース11号(2005年10月発行)や21世紀COEプロ
グラムホームページに掲載されています。
http://www.kyoto-phu.ac.jp/coe/
2005年度前期卒業式・
学位記(博士)授与式及び2005年度
大学院博士後期課程秋季入学式
お
知 ら せ
9月30日(金)午後3時30分から愛学館7階の第1会議
室において、前期卒業式及び学位記(博士)授与式を
執り行いました。
課程博士2名及び論文博士4名に学位記(博士)が、
学部薬学科7名、同製薬化学科6名、同生物薬学科4名
に卒業証書・学位記(学士)が西野学長から授与され
ました。式終了後、午後4時30分から、愛学館1階の学
生食堂で「卒業記念祝賀会」が開催され、卒業生、教
職員を交え楽しいひと時を過ごされました。
また、本年度は後期より中国から2名、ポーランド
から1名の博士後期課程の学生を迎えることとなり、
同日3時から秋季入学式を執り行いました。
2005年動物慰霊祭
10月25日(火)午後2時から動物慰霊祭が、学内の
慰霊碑前において執り行われました。当日は、当麻寺
から増田宗雄住職をお迎えし、慰霊碑前で読経をいた
だきました。天候に恵まれ、暖かい日差しの中、滝野
理事長、西野学長、後藤動物研究センター長をはじめ
教職員、学生が次々と焼香をし、日頃、研究に貢献し
てくれている動物たちに、感謝の心を捧げるととも
に、その霊を慰めました。
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2006年度一般公募制推薦・
社会人特別選抜入学試験結果
第91回薬剤師国家試験
第91回薬剤師国家試験は次のとおり実施されます。
2006年度一般公募制推薦と社会人特別選抜が2005
年11月19日(土)に実施され、11月26日(土)に合
格発表が行なわれました。
その結果は次のとおりです。
試験期日
2006(平成18)年3月11日(土)
3月12日(日)
試験地
北海道,宮城県,東京都,石川県,愛知県
大阪府,広島県,徳島県,福岡県
試験科目 (1)基礎薬学 (2)医療薬学
(3)衛生薬学 (4)薬事関係法規
及び薬事関係制度
合格発表
2006(平成18)年4月6日(木)
午後2時
募集人員 志願者数 合格者数
一般公募制推薦
40名
264名
53名
社会人特別選抜
3名
19名
3名
人
秋のオープンキャンパス開催
事
退職
2005.10.31付
薬剤学教室
配置換
2005.11.1付
病態生化学教室
11月5日(土)に秋のオープンキャンパスを開催
しました。
秋に開催するオープンキャンパスは初めての試み
でしたが、183名の参加者があり、無事盛会裏に終
えることができました。
当日は秋晴れのもと京薬祭も盛大に行われ、説明
会等のあと、大勢の参加者に模擬店や催し物で楽し
んでいただきました。
内容として、愛学館のA31講義室で「学長挨拶」
「大学紹介」「在学生の話」を実施しました。
「在学生の話」では3年次生の小長谷 泉さんが大
学生活、クラブ等の話をしてくれましたが、参加者
からは、「普段ではなかなか聞くことのできない大
学生活などについて詳しく知れてよかった」「実際
の大学の雰囲気がわかってよかった」などと評判の
良い声がありました。
「研究室見学」は愛学館の5階、6階の各研究室を自
由に見学し、愛学館食堂では、「相談会」を実施し
ました。この相談会にも多数の人が相談に訪れ、入
試を間近に控えて真剣な様子がうかがえました。
関係者の皆様、京薬祭実行委員の皆様、ご協力あ
りがとうございました。(入試課)
助 手 岡田 直貴
助 手 平山 恵津子
京 薬 会 だ よ り
*記念誌発刊
新年早々に「京薬会誌でみる120年の軌跡」を発
刊いたしました。学校創立当時の模様、廃校の危
機、日露・太平洋両戦争当時の学校、ドイツからの
一通の手紙に端を発したR・レーマンにまつわるエ
ピソード、学術の進歩の道のり、薬用植物特集など
全400ページの記念誌です。
*卒後教育講座
大学・京薬会主催の第30回卒後教育講座は、9月
25日、323名の参加者を得て全日程(4日間、12講
座)を終了しました。しかし受講希望者(申込者)
は約400名となり、お断りした方も多数にのぼった
為、次回以降に(検討)課題を残しました。
*公開講座
今年は大学においてのみの開催でした。
中田教授の「健やかに老いるために」の講演は解り
易く、臨床の現場からの発信として、聴講者には大
変好評を博しました。
*京薬会支部総会
13都市で開催された支部総会には、今年も延べ11
名の先生方に出席していただき、薬食同源、花粉
症、認知症、感染症、彼岸花などについてミニ講義
が行われました。
オープンキャンパス「在学生の話」の様子
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