意外に高い?新興国都市の家賃 - ピクテ投信投資顧問株式会社

2012 年
2 月 28 日号
Vol.14
意外に高い?新興国都市の家賃
 変わりゆく「新興国」のイメージ
かつて日本中で地価が鰻上りに上昇してい
たバブル全盛期の時代、東京の一等地であ
る銀座の地価は一坪当たり 1 億円を優に超
え、世界一を誇りました。
時代は変わり、現在では中国など新興国で
住宅価格の上昇が話題となっています。しか
し、「新興国」と聞くと、日本と比べて、現在で
も物価も土地もまだまだ安いはずだと思わ
れる方が多いかもしれませんが、
そんな図式はもはや一昔前の話
になりつつあります。
 家賃の上位は意外?な結果に
国際人材コンサルティング会社である ECA
インターナショナルの世界 130 都市を対象に
行った調査注 1 によると、2011 年の世界の家
賃上位には多くの新興国都市が名を連ねて
います。
:新興国
■世界の集合住宅の家賃上位20都市 (2011年)
1位 香港(中国)
11位 チューリッヒ(スイス)
2位 東京(日本)
12位 リオデジャネイロ(ブラジル)
3位 モスクワ(ロシア)
13位 ムンバイ(インド)
4位 ニューヨーク(米国)
14位 ソウル(韓国)
5位 ロンドン(英国)
15位 シドニー(オーストラリア)
6位 カラカス(ベネズエラ) 16位 パリ(フランス)
7位 ジュネーブ(スイス)
17位 サンパウロ(ブラジル)
8位 ボゴタ(コロンビア)
18位 上海(中国)
9位 シンガポール
19位 アブダビ(UAE)
10位 ラゴス(ナイジェリア) 20位 ニューデリー(インド)
出所:ECAインターナショナル
ベネズエラのカラカスやナイジェリアのラゴス
など、治安が悪く厳重な防犯設備が求めら
れるため、標準的な住宅でも高い価格で取
引される都市も一部含まれています。しかし、
新興国の主要都市の住宅価格が先進国に
肩を並べつつあることは事実といえます。
 拡大余地ある新興国の金融市場
住宅価格に象徴されるように、新興国の経
済規模は先進国に迫る勢いで拡大していま
す。実際に、名目 GDP(国内総生産)の比率
で比較すると、世界の 36%を新興国が占め
るに至っています(2011 年時点)。しかし一
方で、金融市場を見てみると、新興国の株式
市場も債券市場も、時価総額では世界の
10%に満たない水準に留まっています。長
期的には、新興国の金融市場には経済規模
に見合った資金流入が期待されます。
■新興国と先進国の指標別構成比 (2011年)
100%
80%
60%
40%
20%
0%
36%
64%
注2
経済規模
9%
8%
91%
92%
注3
株式市場
新興国
先進国
注4
債券市場
注1:世界130都市で、3ベッドルームの集合住宅の賃貸料を比較。調
査は2011年9月に実施し、賃貸料を当時の為替レートで米ドルに換
算して算出。 注2:名目GDP(国内総生産)の比率(2011年予想)
注3:MSCI ACWI指数の構成比(2011年11月末現在) 注4:JPモル
ガンの国債インデックスよりピクテ投信投資顧問推定(2011年11月末
現在)
※先進国と新興国の分類はIMFによる。
出所:IMF、ファクトセット、JPモルガンのデータを使用しピクテ投信投
資顧問作成
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市
場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績
は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全
性を保証するものではありません。●当資料中に示された意見等は、作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投
資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象で
はありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。