ご参考資料ピクテ・グローバル・マーケット・ウオッチ 2013年12月20日新興国 Pictet Global Market Watch 2014年の新興国注目の選挙主な新興国では2014年に多くの選挙が予定されています。新興国の選挙は2014年の前半に集中していること、米国量的金融緩和（QE3)縮小開始の影響を受けた国であるブラジル、南アフリカ、インド、インドネシア、トルコなどで選挙が予定されていることが特色で、市場の変動要因となるか注視が必要です。 2014年に新興国で行われる選挙に注目する理由図表1：2014年、主な新興国の選挙予定 2014年 2014年に多くの新興国で選挙が予定されています。米国で量的金融緩和（QE3)の縮小が示唆されて以来、新興国市場はQE3縮小開始時期を巡る思惑で債券、通貨の動向が左右される展開となりました。特にQE3縮小懸念で通貨安に見舞われた多くの新興国は、経常収支の悪化などに直面する中、通貨安とインフレ率の上昇に対応を迫られたため、景気が下向く状況で、通貨高政策または政策金利の引き上げを実施するという政治的に難しい選択を迫られました。したがって、選挙により国民に負担を強いる政策に変化が起きる可能性があり、選挙動向に注目すべきと見ています。以下、新興国で2014年に選挙が予定されていることから、特に重要な国について注目ポイントを取り上げました。国名 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月アジアインド総選挙（総選挙の投票は地域ごとに5月まで）インドネシア総選挙 ◎インドは総選挙が4～5月に行われる公算が高いと見ています。 ◎インドの現在の与党インド国民会議派（INC）と野党インド人民党（BJP）で過半数を競う展開が想定されるものの、両党とも単独過半数を獲得する見通しは低く、他政党との連立が模索される見通しです。第2回投票東欧/中東エジプト議会選挙イラク議会選挙トルコ大統領選挙（初夏）大統領選挙(年央) アフリカ南アフリカ下院選挙・大統領選出南米大統領選挙（議会、地方選挙）ブラジルコロンビアインド：総選挙：2014年4月から5月の公算大統領選挙（第1回投票）議会選挙大統領選挙大統領選議会選挙地方選挙 ※図表1の日程は予定であり、今後変更される可能性があります ※ブラジルは想定される複数の選挙を赤で表示出所：各種報道等を基にピクテ投信投資顧問作成図表2：インド株式市場の推移（日次、期間：2012年12月16日～2013年12月16日） 21,500 ◎インド株式市場は、インド中銀総裁に国際通貨基金（IMF）出身のラジャン氏が就任して以来、金融政策が 20,500 信認を回復したため上昇傾向です（図表2参照）。 19,500 ◎この回復が維持できるかは選挙後に税制、土地制度改革、金融取引の規制緩和などの構造改革を推し 18,500 進める政権が樹立されるかに左右されます。格付け会社スタンダード&プアーズは新たな政権が繰り出す政 17,500 策を見極めるためインドの格付けを選挙後まで見直さ 12年12月ない方針であると発表するなど関心が高まっています。＜次ページに続きます。＞ピクテ投信投資顧問株式会社金輸入低下貿易収支改善インド通貨ルピー対ドルで過去最安値 13年3月 13年6月インド中銀総裁にラジャン氏就任、信認回復 13年9月 ※インド株式市場：S&PムンバイSENSEX指数出所：ブルームバーグのデータを使用し、ピクテ投信投資顧問作成巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 1 3 ご参考資料 Pictet Global Market Watch 新興国インドネシア：総選挙2014年4月、大統領選7月の公算図表3：インドネシア国民議会の党別議員数分布（時点：2009年4月） ◎インドネシアは5年ごとに選挙が行われ、前回は 2009年4月に総選挙が、2009年7月に大統領選挙が行われました。 ◎総選挙では国民議会（定数560）の議員が選出されます。インドネシア総選挙委員会は国政選挙に候補者を立てられる政党として12政党を認可しました。総議席560 野党 ◎世論調査によると、選挙の争点は汚職の防止と景気回復となっていますが、市場では経常赤字と財政赤字に対する政策にも注目しています。民主党, 148 闘争民主グリンド党（ PDI-P）ラ , 30 93 ◎政党では、過去において連立政党（図表3参照）が作られてきましたが、今回も過半数を取る政党は現れない見込みです。 ◎一方、7月に予定されている大統領選挙では現職のユドヨノ大統領の3戦出馬が認められないことから過去に比べ激しい戦いが予想されています。主な候補は野党からはジャカルタ州知事ジョコウィ氏（闘争民主党）と退役陸軍中将のスビアトン氏（グリンドラ）が出馬を予想されていますが最終的な候補者の選定には流動的な要素もあります。与党ハヌラ , 15 民族覚醒党（PKB）開発統一 26 （PPP)39 国民信託福祉正義（PAN）, （PKS） 42 59 ゴルカル, 108 出所：インドネシア総選挙委員会のデータを使用し、ピクテ投信投資顧問作成図表4：トルコ議会の党別議員数分布（時点：2011年）総議席550 トルコ：大統領選2014年年央の公算与党野党 ◎トルコは2014年半ばに大統領選が予定されていますが、同じ2014年には地方選挙、2015年には議会選挙と立て続けに選挙が行われる見込みです。 ◎トルコでは従来議会が大統領を選出していましたが、今回初めて大統領が公選で直接選ばれます。 ◎大統領候補は現職のギュル大統領と2002年から公正発展党（AKP）政権を率いるエルドアン首相の争いとなるとの見方が有力です。 ◎選挙の争点は新しい大統領選定制度の下、ギュル現大統領、エルドアン首相のどちらの候補が大統領になりたいかが鍵となります。現状トルコの大統領は形式的で政治的な実権は首相にあります。エルドアン首相は大統領の権限を強化して新たな大統領制度で選ばれることを目論んでいる模様です。平和民民族主主党義者行（ BDP) , 動党 35 （ MHP）, 53 共和人民党（ CHP）, 135 公正発展党（ AKP), 327 出所：トルコYSKのデータを使用し、ピクテ投信投資顧問作成 ◎ただし大統領の権限強化には議会の賛成が必要ですが野党の賛成が得られるかは微妙な情勢です。 ◎トルコ大統領選については、このように政治的な話題に注目が集まりそうです。＜次ページに続きます。＞ピクテ投信投資顧問株式会社巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 2 3 ご参考資料 Pictet Global Market Watch 新興国南アフリカ： 2014年4-6月期に総選挙の公算図表5：南アフリカ国民議会の党別議員数分布（時点：2009年4月）総議席400 ◎2014年4-6月頃に総選挙が行われる可能性が高いと見ています。 ◎前回2009年4月の議会選挙ではアフリカ民族会議（ANC）が約66%の得票で勝利し、ズマANC総裁が大統領に就任しました。野党 ◎南アフリカは2院政で上院に相当する全国州評議会（定数90）と下院に相当する国民議会（定員400）で構成されます。 ◎2014年に予定される選挙もANCを中心に選挙戦が繰り広げられる見込みです。ANC優位は変わらない中、前回の得票率（約66%）にどの程度近づけるかに関心が集まっていますが、ANCの経済運営には批判も多く、支持率低下が懸念されています。 ◎選挙の争点となる課題は、景気対策と失業率の改善（2013年7-9月期 24.7%）、貧困対策としての社会資本整備、汚職の防止などがあげられます。ブラジル：大統領選2014年10月の公算 ◎ブラジルは2014年10月-12月期に、続けざまに大統領選、州知事選、上下院選が行われる予定です。各党の候補は2014年6月公表予定ですが、選挙戦は事実上スタートしています。 ◎大統領選の候補となりそうなのは3党から4人です。まず、再選を目指す現職のルセフ大統領（労働者党）、ブラジル社会民主党のネベス氏、ブラジル社会党からはカンポス氏とシルバ氏が各党の有力候補と下馬評では見られています（正式表明は2014年6月予定）。 ◎ブラジルは2院政で上院（81名）と下院（513名）で構成されます。 ◎2014年大統領選前、政府は再選を目指し、失業率とインフレ率の抑制を意図した政策が採られる展開が想定され、為替介入も継続が見込まれています。与党その他, 21 人民会議 IFP, 18 （ COPE), 30 民主同盟（ DA） , 67 アフリカ民族会議（ ANC), 264 出所：南アフリカ共和国議会のデータを使用し、ピクテ投信投資顧問作成図表6：ブラジル予想される大統領候補者（時点：年4月）名前タイトル政党コメント 6月の抗議デモで支持率急落するも回復傾向ジルマ・ルセフ現大統領労働者党（PT) アエシオ・ネベス上院議員ブラジル社会 PSDB党首。カルドーゾ民主党政権下で下院議長（PSDB） PSB党首。元科学技術エドアルド・ペルナンブコブラジルカンポス州知事社会党（PSB) 大臣マリナ・シルバ元環境相 PSBに入党、カンポスブラジル社会党（PSB) 氏と連携する戦略か出所：各種報道等を基にピクテ投信投資顧問作成 ◎一方、野党のネベス氏、カンポス氏、シルバ氏は政府の財政運営と為替介入への批判を繰り返しています。（※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。）当資料をご利用にあたっての注意事項等 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。 ●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。 3 3