コンピューターによる天然染料色見本 カラーマッチングへの合成染料の適用

〔東京家政大学研究紀要 第24集(2),p.171∼179,1984〕
コソピューターによる天然染料色見本
ヵラーマッチソグへの合成染料の適用
ト部澄子・柳澤美文
(昭和58年9月30日受理)
Adapting a Syntheticdye to a Naturaldye−colour sample by
Computer Colour Matching
Sumiko URABE and Mifumi YANAGIsAwA
(Received September 30,1983)
b.合成染料(色合せ用,日本化薬KK提供品,38銘柄)
緒
言
(1)直接染料:。C.1. Direct Yellow 87,86, Kayarus
天然染料による染色布の可視光線域の分光反射率曲線
Yellow PG。C.1。 Direct Orange 39。C.1. Direct Red
は,合成染料によるもののように特定の波長部位に顕著
224,225,227。C,1. Direct Violet 66。C.1. Direct Blue
なピークが見られず,そのカーブはなだらかなものが多
201,203, 2QO,236。C.1. Direct Brown 195。C.1. Direct
いことが特徴といわれている1).このことも原因である
Green 80。C. L Direct Black 154(2種)
ためか天然染料の染色布はあらゆる色と配色の調和がよ
(2)酸性染料:。C.1. Acid Yellow 127, Kayanol Mill−
く演色性も比較的少いとされている.この色彩学的に優
ing YelloW− Rw new・C.1..今cid Red ll,114,138。CJ.
れた要素をもつ天然染料染色布の色を,合成染料でカラ
Acid Violet 48。C.1. Acid Blue 140,135,127, Kayanol
ーマッチソグできないものかと考え,日本化薬株式会社
Milling Turquoise Blue 3G・C.1, Acid Green 28
の Computer Colour Matching Service System「コム
(3)含金属酸性染料:・CLAcid Yellow 161,207
セック1タイプ」(COMSEK Colour Matching Service
。C.1. Acid Red 256,315,。C.1. Acid Blue 200。C. L
by Kayaku)を借用し, Metameric Match2)で実験を試
Acid Orange 122。C.1. Acid Brown 294,297,282
みた.
。C.1. Acid Black 112,115.
実験方法
1 試布:絹羽二重(JIS−L−・0803−74ノ染色堅ろう度試
3 使用機器
日立自記分光光度計EPR一皿型,カラーアナライザ
ー307型,A−D変換機,パンチャー,ファコム230−28VS
験用添付白布(2−2号)14匁目付相当),試布はノイゲ
を1式COMSEK−1システムとよんでいる.
ソPO.1%溶液で,60℃30分洗浄処理後,十分水洗し乾
4 染色方法
燥して用いた.
a)天然染料(色見本)
2 供試染料
。刈安および蘇芳は100gに蒸留水llを加え30分
a.天然染料(色見本染色用,市販品使用)
煮沸抽出(2回)抽出液をろ過し,200 mlに濃縮染料
(1)刈安:フラボノイド類,主成分ルテオリソ(Cl5
原液とする.コチニールは1gに氷酢酸0,25・ml(0.5
Hi・06)
ml/1)蒸留水500 mZを加え30分煮沸抽出(2回),抽出
(2)蘇芳:ジヒド㌔ピラソ誘導体,主成分ブラジリン
(C16H140s)
(3)コチニール:主成分カルミン酸(C22H22013)
繊維化学研究室
液をろ過し,200 mlに濃縮染料原液とする.媒染剤硫
{
酸アルミニウムカリウム(カリ明ばん)は5g/1,木酢酸
鉄40mZ/1溶液を調整,染色→媒染を1回の染色として,
表1の通りに行った.
(171)
卜部澄子・柳澤美文
ユーターの内部で実行される計算である.
表1 色見本染色方法
刈安,蘇芳 原液20倍希釈
3) 色合せのためアウトプットされた染料は色見本6
2回染色:40℃ 15分,
種に対し10染料で,1つの色見本は3種の染料の混合で
浴比50:1
〃10倍〃
色合せされる,
1回媒染:24.5℃ 20分
4) 色見本の分光反射率データーから色見本の三刺激
コチニール 原液20倍希釈 2回染色: 90℃ 15分,
浴比50:1
5)未染布および指定された3染料の基礎データーの
〃10倍〃 1回媒染: 24.5℃ 20分
〃 5倍〃 1回〃
値Xs, Ys, Z・,を計算する.
染色物の分光反射率が一致するように3個の連立方程式
〃 〃
を立てて染色濃度Cl, C2, C3を求める.
色見本は6種で記号を次のように記述する.
6) 染色濃度C1, C2, C3における配合染色物の分光反
A−1:刈安 木酢酸鉄媒染
射率を合成し,三刺激値x,y, z,を計算する(クベル
A−2:〃 硫酸アルミニウムカリウム媒染
カムソクの式K/S=(1−R)2/2Rを用いる)
B−3:蘇芳 木酢酸鉄媒染
合成は次の通り計算される.
B−4:〃 硫酸アルミニウムカリウム媒染
(K/S)C,・2十(K/S)C2・λ十(K/S)C3・1−2(K/S)W・λ
C−5:コチニール 木酢酸鉄媒染
=(K/s)M・λ
C−6: 〃 硫酸アルミニウムカリウム媒染
(但し,K/SC・λ:染色前のK/S値 K/SW・7・:未
b)合成染料(基礎データー,色合せ染色)
染布のK/S値)
コソピューターにイソプットする基礎データーの染色
合成された(K/S)M・λ値を次式により分光反射率(ρλ)
と,アウトプットされた配合染料処方による染色は表2
に変換する.
のように行った.
ρ2={1+(K/S)M・λ}一〆{1+(K/S)M・Z}2−1
7) 色見本のXs, Ys, Zs,と配合染色物のX, Y, Z,か
表2 基礎データーおよび配合染料による染色方法
ら色差AEを計算する.
基礎データ 1)染料…。一般色(黒色以外):0.25,0.5,
ーの作成
8)aE≦0.5NBS単位であれば,配合処方はOK,0.5
1.0,2.O,4.0%(o. w, f.)
より大きい場合は基礎データーから濃度修正のための偏
。黒色:0.5,1.0,2.0,4.0,8.0%(o.w.f.)
2)助剤…。酸性,含金属酸性染料:氷酢酸
微分係数を計算し,修正濃度AC1, AC2, AC,,を算出する。
2%,酢酸アンモン5%(o.w. f.)
9)C1+AC,, C2十AC2, C3十AC3,を求める.
。直接染料:無水硫酸ナトリウム10%(o・
10)6)∼9)を反復計算する.
w.f.)
11) 以上で得られた最終処方で染めた試料の分光反射
3)染色方法…常温から染色を開始し,30分
率と,色見本の分光反射率から,C光源およびA光源に
で90℃としそのまま30分染色
おける色差dE(C), A.E(A),を計算する. AE(C), AE(A)
色合せ配合 1)助剤…氷酢酸2%,酢酸アンモン5%
染料の染色 (o. w. f.)
が共に0.0に近いものが良好で,一般に∠E(C)が0.5
NBS単位以下でaE(A)が1。 O NBS単位以下ならぽ
2)染色方法…基礎データーの場合に同じ
その計算は良好と判断し,AE(C)が0.5NBS単位以
5 CCM計算方法
下,AE(A)が2. O NBS以上はメタメリズムがあると判
手順の要約は次の通りである3).
断し,AE(A)が1.ONBS以下でAE(C)が1.ONBS
1) 色見本(天然染料染布)の色相を肉眼で判定し,
以上,AE(C), AE(A)が共に1.ONBS以上のものは,
その色を染色できると考えられる合成染料(配合染料)
その染料の組合せでは色合せが困難であると考えた方が
を前記38種えらび,これらによりCCM計算の基礎デー
よい.
ターの染色を表2のように行う.
12)CCM計算結果で染色し,再びベストにもってゆ
2)分光光度計の380∼740nmの範囲を10 nm間隔
くための濃度修正は熟練者が肉眼により試行する.最終
’N
で基礎データーの反射率を求め,紙テープにパンチし,
的にはデーター判定プラス肉眼判定で色合せ染布は完成
これをコンピューターにイソプットする.以後はコンビ
する.
(172)
コソピューターによる天然染料色見本カラーマッチングへの合成染料の適用
6 試験項目
MacA.は識別できにくい位置にある.
色見本,色合せ試料について,C*,A*,FL−D* (蛍光
。蘇芳,硫酸アルミニウム媒染(B−4)
灯昼光色),FL−W(蛍光灯白色), FL−WW(蛍光灯
ST, SMの分光反射率曲線(図4)のズレが目立ち,
温白色)各光源における分光反射率曲線*, 三刺激値*
三刺激値の一致も少い(表4).メタメリズムは大ぎく現
(X,y, Z), x. y*,4E*(C.1. E, HUNTER, ADAMS−
われ,特にST.がSMより大きい.ただし色座標は
NICKERSON*の色差式による)を求め(何れもコソピ
MacA.の識別しにくい範囲内にある. SMは青色味が
ューターによる計測で本報は上記*の数値を記述した)
不足している.
さらにC.1.E.色度図上に色座標をプロットして主波長
。コチニール,木酢酸鉄媒染(C−5)
を求めた.
三刺激値は殆ど一致し(表4),反射率曲線(図5)も
試料の染色堅ろう度試験は,耐光(JIS−L−0842−71’カ
平坦で一致し,メタメリズムは小さい.STはSMよ
ーボソアーク灯光),水(JIS−L−084674’),汗(JIS−L−
りわずかに小さいがA光源では殆ど同じである.色座標
0848−74’アルカリ汗液)について行った.
はMacA.の識別しにくい範囲内にある.
。コチニール,硫酸アルミニウム媒染(C−6)
結果および考察
三刺激値の一致が見られず(表4),反射率曲線(図6)
1 表3に色合せ染布完成までの修正配合濃度過程と
はやや一致しメタメリズムは大きく,とくに且光源で大
完成した染料の配合率を示した.それぞれ太枠内の処方
きいが色座標はMacA.の識別しにくい範囲内にある.
が完成配合率である.蘇芳とコチニールの鉄媒染は6回
SMは青色味が不足している.
の試行を繰返した.
3 ST, SMの染色堅ろう度試験結果(表5)から耐
2 色見本(以下STと記す)と色合せ染布(以下SM
光堅ろう度は天然染料染布は全般的に不良で,アルカリ
と記す)の分光反射率曲線,主波長,三刺激値(X,y,Z.)
汗液に対する変退色も目立つ,水に対する堅ろう度は天
Mac Adamの偏差長円4)と色座標(x, b,)の関係C, A,
然染料染布がややまさっていた.
約
昼光色光源におけるST, SM間のAEなどについて下記
要
の結果を得た.表4には試料ST, SM,のC, A,昼光色
光源におけるX,y, Z, x, y, AE,主波長を示し,図1∼
天然染料による染布6種の色を合成染料でCCMを行
6にそれぞれの分光反射率曲線を示した.
い次の知見を得た.
1 日本化薬のコムセック1システムでは,色見本と
。刈安,木酢酸鉄媒染(A−1)
ST, SM,の三刺激値は殆ど一致し(表4)図1の分
色合せ試料の色差は,C光源では0.5NBS単位, A光
光反射率曲線は700nm以降の広がりがあるが視感には
源では1. 0 NBS単位で合格とされているが3),本実験の
あまり関係しない.黄味を押えた方が更に良好である.
色見本の合成染料での色合せでは,肉眼判定で色相はや
色座標はMac Adamの偏差長円図上(以下MacA.と記
や一致したと見られたが,分光反射率曲線の一致は見ら
す)で同一楕円中にあり色の差は,識別できにくい位置
れず,さらに刈安のカリ明ぽん媒染試料とその色合せ染
にある.メタメリズムはSTはSMより,わずかに小さ
布のC光源下のaEは2.51, A光源下では4.35,蘇芳の
く,A光源ではST, SMともに小さい.
場合はC光源では2.62,A光源は3.88で完全なカラーマ
。刈安,硫酸アルミニウム媒染(A−2)
ッチは出来なかった.
三刺激値は総体的にわずかのずれがある(表4).メタ
2 天然染料は成分が複雑で,その色の渋味を,純粋
メリズムはST, SMともに大きいがSTが小さく,光
な色素の合成染料の色合せで表現することは非常に難か
源がかわるとくすむ.色座標はMacA,で, ST, SMは
しいが合成染料で染めた後に渋味を加味する処理を行う
識別しにくい同楕円内にあるが図2の分光反射率曲線か
方法も考えられる.
らSMは緑味をおさえ,赤味を加えるとよい.
3 天然染料は材料の状態,染色方法の微妙な差で染
・蘇芳,木酢酸鉄媒染(B−3)
着色相がことなり,染め色の再現性が悪いため,今回色
分光反射率曲線(図3)はST, SMは一致し,700nm
合せした合成染料の処方は,本実験の色見本の場合に限
以降の広がりは問題ではなく,メタメリズムは小さい.
るものである.
(173)
卜部澄子・柳澤美文
表3修正配合濃度過程
色見本染布
色合せ合成染料
1回
iCCM計算)
2回
3回
4回
5回
6回
7回
8回
K Yellow GL143
,882
.86
.88
.9
.92
K Bordeaux BL
,251
.22
.21
.2
.2
K Grey BL167
,716
.72
.72
.72
.7
K Yellow 5GW
,448
,448
,448
.45
.45
,116
,116
,116
.08
.09
K Grey BL167
,016
,016
,014
,Ol6
,015
K Yellow GL143
,242
.2
.1
.07
,077
.07
.07
.07
K Bordea.ux BL
,450
.5
.8
.1
.31
.1
.1
.1
K BIack 2RL
,809
.8
.8
.8
.98
.8
.0
.2
NMRed RS125
,919
.8
.7
.7
.7
.6
KK YellowR
NMRed BW
,034
,034
0.2
0.1
0.1
−1
配の
㍽詞
行定
試 行 回 数 および 濃 度(%o.w.f.)
v new使用
NMBIue GW
,102
.1
.15
.1
.15
.2
K Yellow GL143
,173
.18
.2
.33
.21
.24
.24
.24
K Brown GL
,577
.5
.4
.49
.49
.49
.52
.54
K Grey BL167
,852
.84
.84
.9
.93
.9
.89
.89
K Bordeaux BL
,211
.15
.23
.24
.24
,253
K Grey BL167
,058
.1
.07
,105
.08
,077
NM Red BW
,141
,043
,045
,047
,045
.05
ま
狽ナ
回
RWKNMYellow −2
回
@ new
−3
−4
−5
−6
K;Kayakalan、 KNM:KayanQl Milling
174)
回
回
回
回
コソピューターによる天然染料色見本カラーマッチソグへの合成染料の適用
表4 試料の三刺数値(X,y, Z.), x, y, AEおよび主波長
摎ソ光 項源 目
試
SM
ST
C
ST
SM
SM
ST
SM
ST
SM
ST
X
12,528 12,387 53,577 55,943
3,913
3,819 17,223 16,772 10,097
9,831 32,919 35,496
Y
12,953 12,948 57,808 60,865
3,555
3,461 10,477 10,267 10,051
9,841 26,096 28,600
9,725 37,926 40,293
9,021
8,876 15,383 16,272
4,704
4,678
6,823
6,492 10,085
κ
0,363
0,362
0,423
O,420
0,321
0,319
0,499
0,500
0,334
0,334
0,339
0,340
0,375
0,378
0,456
0,457
0,292
0,289
0,303
0,306
0,332
0,335
0,269
O,274
穿
Z
4E
主波長
A
SM
ST
C−6
C−5
B−4
B−3
A−2
A−1
2.26
0.90
nm
577
T76
575
574.5
520
527
635
635
2.50
0.63
1.05
0.53
580
583
513
508
X
15,481 15,444 70・525 72,864
4,550
4,564 25,654 24,380 11,901 11,732 40,205 42,861
Y
13,474 13,440 61,474 64,549
3,699
3,612 14,026 13,710 10,329 10,126 28,623 31,230
2,886
2,816
5,755
5,934
1,378
1,388
1,974
1,860
3,076
2,933 11,027 11,667
π
0,486
0,487
0,512
0,508
0,473
0,477
O,616
0,610
0,470
0,473
0,503
0,500
0,423
0,424
0,446
0,450
0,384
0,378
0,337
0,343
0,408
0,408
0,358
0,364
㌢
Z
五E
主波長 nm
T85.5
585
585
583
3.07
1.54
3.12
0.55
509
513.5
620
625
昼光色
X
11,452 11,166 49,208 51,999
3,465
3,262 12,483 13,166
Y
12,941 12,827 58,220
6L756
3,478
3,318
2.98
0.84
590.2
590.2
508
511
9,234
8,794 27,670 30,694
8,850
9,135 10,012
9,711 24,658 27,415
7,846
7,786 13,112 13,975
4,171
4,139
6,059
5,784
8,866
8,601 33,673 35,883
κ
0,355
0,351
0,408
O,407
0,312
0,304
0,456
O,469
0,328
0,324
0,322
0,327
0,401
0,404
0,483
0,483
0,313
0,310
0,323
O,325
0,356
0,358
0,287
0,292
〃
Z
」E
1.22
2.32
1.19
aE:Adams−Nickersonの色差式による色差
(175)
2.82
1.34
2.84
卜部澄子・柳澤美文
表5 色見本, 色合せ試料の染色堅ろう度試験結果
汗(アルカリ)堅ろう度
水堅ろう度
耐
試
染
染
(級)
刈安、木酢酸鉄媒染
4
KayaKalan Ydlow 143 0.9%
〃 Bordeaux BL O.2%
5
3
5
4−5
5
3−4
4−5
4
4−5
2−3
4
4−5
3−4
4−5
4
綿︵級︶
絹︵級︶
綿︵級︶
絹︵級︶
(級)
汚
料
変退 色
汚
変退 色
染 色 処 方 (%o.w.f.)
4−5
光
(級)
4
A−1
4
5
〃 Grey BL l67 0.72%
刈安、硫酸アルミニウムカリウム媒染
A−2
4−5
4−5
3
4−5
5
2−3
2
4
5
KayaKalan Y6110w 5GW 1.45%
〃 Grey BL 167 0.12%
Kayanol Milling Y6110w RW New O.014%
蘇芳、木酢酸鉄媒染
4−5
1
3−4
1
4
5
3
3−4
2
●
B−3
4
悩
KayaKalan Ydlow GL 1430.07%
〃 Bordeaux BL 2.1%
4−5
4」5’
2 .,
〃 Black 2RL 1.8%
蘇芳、硫酸アルミニウムカリウム媒染
3
1
2−3
1−2
2−3
3
1−2
2−3
1
3
3−4
3
4
4−5
4
2−3
B−4
Kayanol Ml11ing Red RS l251.7%
4
〃 〃 RedBW O.2%
〃 〃 BlueGW O.1%
コチニール、木酢酸鉄媒染
4−5
5
5
4−5
3
5
3
3−4
5
4
4
5
5
3
4−5
5
1
5
5
4−5
5
3
﹁
C−5
2−3
、畔㎞叢1盤’餓24%
〃 Grey BL l67 0.9%
コチニール、硫酸アルミニウムカリウム媒染
C−6
KayaKalan Bordeaux BL O.23%
〃 Grey BL l67 0.07%
Kayanol Milling Red BW O.045%
4−5
(176)
4−5
コソピューターによる天然染料色見本カラーマッチングへの合成染料の適用
%50 反射率
!
’、軸9軸一
0
400
波長(nm)
600
!
ロロロ
1 、
1
1ク
●暉幽●’o圏■●
1
_■隔■_色見本(天然染料染布)
%50 反射率
一■一■.色合せ(合成 〃 )
図1 刈安Fe媒染分光反射率曲線
図2 Al Vt
図3 蘇芳Fe 〃
0
400
500
600
400
700 波長(nm)
500
(177)
600
700 波長(nm)
’
1 1一
!
1﹂
卜部澄子・柳澤美文
図4 B−4
ノノ
/ノノ
%50
色見本(天然染料染布)
ノ
刃ノノ,
反射率
1・ノ
%
50・
!
400
〆ノ
∠1
500
眠 ,
N、噸_脳ノノ
!ク
反射率
ノ
%
50
蘇芳Al媒染
分光反射率曲線
コチニールFe媒染
分光反射率曲線
A1媒染
分光反射率曲線
400
500
(178)
コソピューターによる天然染料色見本カラーマッチソグへの合成染料の適用
そこで,再現性のよい合成染料の色合せで天然染料の
おわりに本実験の実施にあたり,多大のご協力と御助
色相を表現すると,合成染料の染色堅ろう度が高い場合
言をいただいた日本化薬東京研究所の外越照仁氏,宇都
は天然染料染布の染色堅ろう度の弱点をカバーすること
宮氏,実験の援助をいただいた大木嘉也氏に感謝いたし
ができる.
ます.
4 通常CCMでは,合成染料染布が色見本で,合成
参考文献
染料で色合せを行い,肉眼判定の必要性は少ないが,今
回行った実験のように,色見本が複雑な色味をもつ場合
1)柳悦孝:繊学誌,33,No.12,53(1977)
には,最後は肉眼の判別が重要な決め手になることが判
2) 日本化薬KK:技術サービスマニュアル〔9〕,日本
った.
化薬KK,18,54−62(1973)
5 日本化薬のCCMサービスシステムは現在コムセ
3) 〃 :COMSEK MANUAL,日本化薬KK
ック皿型となり,計算時間など大幅に短縮されている.
3−8 (1972)
4) 例えば,杉浦富平:合成繊維の染色と測色,コロ
ナ社,171(1975)
(179)