色の彩えんす - 大阪市立科学館

大阪市立科学館研究報告 24, 111 - 128 (2014)
さい
企画展「色の彩 えんす」および関連事業実施報告
長 谷 川
能 三
*
概 要
2013年 9月 3日 ~12月 1日 、企 画 展 「色 の彩 えんす」を実 施 した。この企 画 展 では、気 象 光 学 現 象 、
分 光 、単 色 光 、光 の三 原 色 、色 の三 原 色 、構 造 色 、偏 光 、蛍 光 、錯 視 など、色 についてさまざまな角 度
から、操作 型 の展 示 と資 料 展 示 で展 開 した。また関 連 事業として、この期間 中 に、関連 テーマのサイエン
スショー、特別 講 演 会 、構 造 色 シンポジウム、科学教 室 も実施したので、あわせてここで報告する。
1.はじめに
関 連 事 業 としては、もともと予 定 していた 第 14回 構
今回の企画は、もともと構 造 色 研 究 会 が毎 年実施し
造 色シンポジウムの他 、同 日 夜にプラネタリウムホール
ている構 造 色 シンポジウムを、2013年 は 大 阪 市 立 科
にてスペシャルナ イト ・ 特 別 講 演 会 「 色 の 彩 えんす」 、
学 館 で開催し、その関 連 事 業として構 造 色 の資料をア
科 学 教 室 「色 々あわせて光 の箱 をつくろう」および「き
トリウムの展 示 ケースで展 示 するというものであった。し
れいな色 に染 めてみよう」を実 施 した。またこの期 間 の
かし、この事 業を大 阪 市 立 科 学 館 の平 成 25年 度 のい
サイエンス ショーも 当 初 の 計 画 を 変 更 し 、色 に 関 する
わゆる目 玉 事 業 として位 置 づけるという方 針 があり、ミ
実 験 を 行 なう「色 のいろいろ」とした。サイエンスショー
ニ 展 示 を 構 造 色 に 限 らず 色 に 関 す る 全 般 的 なも のと
については別項にて詳しく報告する。
することで企 画 展 とし、期 間 も約 3ヶ月 間 行 なうこととし
尚、本誌は白黒印刷のためにわかりにくい写真が多
た。またこの期間にさまざまな関 連 事 業 も行なった。
いので、web上のpdfファイルも参照されたい。

 *

大阪市立科学館 学芸員
図1.「色の彩えんす」展示場4階配置図
中之島科学研究所 研究員
E-mail:hasegawa@sci-museum.jp
-1-
長谷川 能三
2.企画展「色の彩 えんす」
2-1.概要
期
間:平成25年 9月3日(火)~12月1日(日)
場
所 : 展 示 場4階 サイエンスギャラリー前
地 下1階アトリウム 展 示ケース
展 示 点 数 : 31点(次 節 の区 分けによる)
2-2.内 容
写真3.展示「虹とその仲間 写真展」
今 回 の企 画 展 で、操 作 型 の展 示 については、企 画
展 用に製 作 したものだけではなく、常 設 展 示 を企 画 展
2-2-1b.虹とその仲間写真展
のエリアへ移 設 したものや、イベント等 で過 去 に製 作し
これまで 撮 影 してきた 気 象 光 学 現 象 の 写 真 か ら主
たものも使 用 した。また、資 料 展 示 に関 しても、いろい
なものを、2012年 4月から断続 的に「そらみたことか写
ろな機 関 や個 人 の 方 からさまざまな資 料 をお借 りして
真 展 」として 展 示 場 4階 で 展 示 してきた 。今 回 の 企 画
展示したが、常設 で展 示している資 料も活 用 した。
展では、その中から太 陽 光 が屈 折または干 渉によって
個々の展示 の内 容については以 下のとおりである。
分 光 され、虹 色 に観 察 される現 象 7種 (写 真 13点 )に
絞って展示 した。
2-2-1.虹とその仲 間
展 示した気 象 光 学 現 象は、虹 (主 虹+副 虹)、環 水
2-2-1a.大虹スクリーン
平 アーク、環 天 頂 アーク、幻 日 、彩 雲 、光 環 (雲 による
球 形 で透 明 の小 さなプラスチックビーズを水 滴 の代
光 環 と花 粉 による光 環 )、光 輪 (ブロッケンの妖 怪 の周
わりとして虹が見 られることはよく知 られており、理 科 教
りに見える輪)である。
材 会 社 からビーズが「虹 ビーズ」と販 売 されている。 当
館 でも、これを用 いて「虹 スクリーン」という展 示 を常 設
写真撮影:長谷川能三
している。この常 設 展 示 では、スクリーン部 分 のサイズ
が縦138cm×横78cmと縦 長 である。
2-2-1c.スペクトル
今回の企画展では、以
展 示「スペクトル」は、4種 類 の光源のスペクトルを回
前イベント用に製 作 した虹
折格子で観察する展示で、展示場4階に常設している
スクリーンを使用した。この
ものである。
スクリーンは、180cm×90
4種 類 の 光 源 は 、ヘリウムと ネオンのスペクト ル管 、
cmの板に虹ビーズを貼り
白 熱 電 球 、蛍 光 灯 ( 3波 長 型 ではない 従 来 タイプ)で
付けたものを3枚連 結する
ある。観 察するための回 折 格 子は、スペクトルが幅 広く
ことができ、縦180cm×横
見 え 、かつ一 般 の 方 に もス ペクト ルが 見 つけやすい、
270cmと常設展のものと
縦方向のみの格子が1mmあたり500本入ったレプリカ
比べ面 積 が約4.5倍と大
フィルムを用いている。
きく、横長のため半 円 形の
企 画展 では、この「スペクトル」をそのまま企画 展エリ
虹を観察することができる。 写 真1.常 設の虹 スクリーン
写真2.展 示「大 虹スクリーン」
アに移設して展示した。
写真4.展示「スペクトル」
-2-
企画展「色の彩えんす」および関連事業実施報告
写真5.展 示「ラブラドライト」
写真6.展示「生物の構造色」全体の様子
2-2-2.自然の構 造 色
る。オオセンチコガネは、採 集地によってその色が異な
2-2-2a.不思議 に光る石「ラブラドライト」
るという特 徴 がある。セイボウはハチの一 種 で、今 回 、
これは、3階 「鉱 物 、宝 石 、結 晶 」エリアに常 設 展 示
標 本 だけでなく写 真 を非 常 に大きくプリントしたパネル
されているもので、企 画 展 エリアに移 設して展 示した。
も貸していただいた。カワセミは構造 色のきれいな色 が
ラブラドライトは層 状 の構 造 を持 つ鉱 物 で、構 造 色
知られているのに対し、カラスは一般に真っ黒な色だと
を示す。展示 では、大 型 のラブラドライトが回 転 台に載
思 われがちであるが、構 造 色 によりやや 緑 や紫 がかっ
せられており、回 転 に応 じて構 造 色 独 特 の色 ・輝 きが
て見えることがある。アワビなどの貝殻の内 側は虹色に
変化して見られる。
なっており、構造色が身 近に観察できる例である。また、
その貝 の中 でできる真 珠 もまた構 造 色 による色 が見 ら
2-2-2b.生物の構 造 色
れる。アンモナイトの化 石 については、化 石 化 すること
ここでは、外部 から借 用 した構 造 色 を示 す生 物 の資
によって現われた構造 色であり、生 物(アンモナイト)が
料を展示した。展 示 した資 料 は、モルフォチョウ25点、
作 り 出 した 構 造 色 では ないが、あわせてここ で展 示 し
タマムシ48点 、オオセンチコガネ299点 、セイボウ11
た。
点、カラス1点、カワセミ1点 、アワビの貝 殻 2点 、アコヤ
このように、構造色とひとことで言ってもいろいろな特
ガイの貝 殻 9点 、真 珠 4点 、クロチョウガイの貝 殻 1点 、
徴 があり、その色 の見 え具 合 も異 なる。今 回 、さまざま
ウグイスガイの貝 殻 2点 、アンモナイトの化 石 2点 、およ
な資 料 を借 用 することにより、構 造 色 の多 様 性 を見 て
びセイボウの大型 写 真パネルである。
いただいた。
モルフォチョウは、構 造 色 特 有 の鮮 やかな色 で知 ら
れている。また、タマムシは、「玉 虫 色 」という言 葉 が使
資料提供:大阪市立自然史博物館
われているとおり構 造 色 の特 徴 である光 源 の位 置や見
大阪南港野鳥 園
る 向 き に よっ て 色 が 変 化 し て 見 え る こ と が 知 ら れ てい
尾嵜豪氏
写 真7.展 示「生 物の構造色」(左:鳥・貝・アンモナイト,右:昆虫)
-3-
長谷川 能三
し、DV Dの 種 類 に より 若 干 異 なる ) であ り 、光 の 波 長
(およそ0.38~0.77μm)と同 程 度 ま たはやや広 い
ためである。ただ、記 録 面 を直 接 見 た場 合 、分 光 によ
り全 体 が虹 色 に見 えるのではなく、半 径 方 向 の色 のラ
インが 見 られる。多 数 の 照 明 のある場 所 では、それぞ
れの照 明 に対 して1本 ずつの色 のラインが現 われるた
め、多くの色のラインが見られる。
ところが、同じように情報が記録されている Blu-ray
Disc の場 合 には、このような色のラインはほとんど見 ら
れない。これはBlu-ray Disc のトラックの間隔が0.32
μmと光 の波 長 より短 いためで、記 録 面 に対 してほぼ
垂 直 に入 射 した光 は 干 渉 で強 め合 うことがない。し か
写 真8.展 示「自 然をまねた構 造 色」
し、記 録面に対して浅い角 度で観 察した場 合には、観
察 者 側 から入 射 した光 が干 渉 により強 め合 い、色 のラ
2-2-3.自然をまねた構 造 色
インが見られる。
生物の構造色 を見 てわかるように、構 造 色は非常に
尚 、CDと DV Dを 比 較 した 場 合 、こ の 色 の ラインの
鮮 やかな色 をしており、見 る角 度 や照 明 の位 置 によっ
数はDVDの方 が少 ない。これは、DVDの方 がトラック
て色が変 化するという特 徴 がある。このため、色 素 等に
の間隔が狭いために干渉の条件が厳しく、観察者と光
よる色 とは全 く違 う非 常 に 美 しい色 が見 られる。このこ
源 、DVDの位 置 関 係 により光 が強 めあうことのない場
とから、人 工 的 に構 造 色 を作 り出 し、使 用 されているも
合が多いためである。
のも多い。
ここでは、その ような人 工 的 な構 造 色 が 用 いられ て
2-2-3b.チタン酸化膜の構造色
いるものを、主 に借 用 した資 料 により展 示 する他 、CD、
チタンは、軽くて強 度が高 く腐食されにくいなどの特
DVDといった構 造 色 を 意 図 したものではないが 構 造
徴から利 用 されることが多 いが、チタンを熱 処 理 するこ
色が現われているものも紹 介 した。
とにより、表 面に酸 化膜ができ、その厚みにより構造 色
特有の鮮やかな色が現われる場合がある。酸化膜は1
2-2-3a.これは何ディスク?
層 だけであるが、適 度 な反 射 率 のため酸 化 膜 層 内 で
構 造 色 を意 図 して作 られたものではないが、身 近 に
何 度 も反 射 を繰 り返 すことから、鮮 やかな構 造 色 が現
構 造 色 が見 られる人 工 のものとして、CDやDVDの記
われるのだと思われる。
録 面 がある。これは、情 報 を記 録 するピットの列 (トラッ
3階 の 常 設 展 「 金 属 とそ の 利 用 」 でも 、この ような構
ク ) の 間 隔 が CDは 1 . 6 μ m、DV Dは 0 .7 4 μm( 但
造 色が現 われたチタン製 品 を展 示しているが、今 回の
企画 展では、チタンの構 造 色を利用して制 作された蝶
などのアクセサリー作品を展示した。
資料提供:藤川哲也氏(アノニム工房)
写 真9.展示「これは何ディスク?」(下:記 録面)
写 真10.展示「チタン酸化 膜の構造色」
-4-
企画展「色の彩えんす」および関連事業実施報告
写真12.展示「3色合成プリズム」
具 体 的には、写真12で左 手 前から右 奥 方 向の貼 り
合 わせ面 では、面に対 して45度の入 射 角 の光 につい
写 真11.展 示「人 工オパール」
て、赤 色 領 域 の光 は反 射 し、緑 色 ~青 色 領 域 の光 は
透 過するようにしてある。また、右 手 前から左 奥 方 向の
2-2-3c.人工オパール
貼 り 合 わせ面 では 、青 色 領 域 の 光 は 反 射 し、赤 色 ~
この人 工 オパールは、小 さなシリカ球 が液 体 中 で規
緑 色 領 域 の光 は透 過 するようにしてある。これにより、
則 正 しく並 んだものを固 めたものであり、いろいろな色
このプリズムに右 側 から入 射 した光 は、赤 色 領 域 の光
にきらきらと輝 いて見 える 素 材 である。企 画 展 では、こ
だ けが 手 前 方 向 に 反 射 し、 残 り の 光 は 直 進 して 左 側
の人 工 オパールのブロック、および人 工 オパールで製
へ出 て行 く。同 様 に、左 側 から入 射 した光 は、青 色 領
作 さ れた 万 年 筆 お よ び 絵 ( 切 り 絵 風 の 絵 の 背 景 に 人
域の光だけが手前方向に反射し、残りの光は直進して
工オパールを使用 したもの)を展 示した。
右 側 へ出 て行 く。また、奥 側 から入 射 した光 は、緑 色
人 工 オパールの元 になるシリカ球 は、直 径 数 百 nm
領 域 の 光 だけが 直 進 して手 前 方 向 に 出 てきて、赤 色
で、液 体 中 では六 方 最 密 構 造 をとるということである。
領 域 の光 は反 射 して左 側 へ出 て行 き、緑 領 域 の光 は
このため、格 子 間 隔 が 通 常 の 結 晶 の 10 00 倍 程 度 の
反 射 して右 側 へ出 て行 く。このため、左 側 から赤 色 の
超 格 子 結 晶 となっている。ただ、これを固 めたブロック
光、奥側から緑色の光、左側から青色の光を入射する
全体がひとつの単 結 晶 になっているのではなく、多くの
と、手前方向に効率よく合成された光が出てくる。
ドメインに分かれた多 結 晶となっている。
この人工オパールが構 造 色 によっていろいろな色に
2-2-3e.車の塗装の構造色 ・モルフォチョウ色の時計
光る様 子 であるが、見 る位 置 によって徐 々に色 が変 化
構 造 色 独 特 の 色 を 用 いたも のとしては自 動 車 の 塗
するのではなく、赤 くきらっと光 ったり、青 くきらっと光っ
装がある。残念ながらコストがかかるため、最近は少な
たりしていた。格子 間 隔 がこの様 子は、可 視 光 でラウエ
斑点を見ているのではないかと考えられる。
資料提供:富士化学株式会社
2-2-3d.3色合 成プリズム
これは液 晶 プロジェクターに用 いられるプリズムで、
常設 展の「現代の光 学 機 器 」で展 示 されている資料 で
ある。見た目は、直 方 体 (上 面 が正 方 形 )のガラスであ
るが、よく見ると上 面 に対 角 線 の筋 が入 っており、底 面
が直角二等辺三角 形 の三 角 柱のプリズムを4個貼り合
わせたものである。この貼 り合 わせ面 に誘 電 体 多 層 膜
層 を 設 けることにより、貼 り合 わせ 面 でどのような波 長
写真13.展示「車の塗装見本」(上段左,下段),
域の光が透過・反 射するかをコントロールしている。
「モルフォチョウ色の腕時計 」(上段中央)
-5-
長谷川 能三
くなってきているということであるが、身 近な例として取り
2-2-4.ブラックライトの部屋
上げた。ただ、実 物 の自 動 車 を展 示 するわけにはいか
ここでは、蛍 光 により発 色 するものを取 り上 げるため、
ないため、ドアミラーや塗 装 見 本 の展 示 となった。この
青 の展 示 ボードで通 路 を作 り、その上 の照 明 を消 した
ような自 動 車 の塗 装 には、人 工 的 に作 った雲 母 のよう
り一 部 隠 すことで、ある程 度 暗 いエリアを作 った。この
な物 質 を 塗 料 に 混 ぜるもの や、微 粒 子 を塗 料 に 混 ぜ
エリアをブラックライトで照らし、さらにタイマーで数秒ご
るなど、いろいろな方 法 があるとのことである。
とに白色光の照明の点灯・消灯を繰り返した。
また、シチズン時 計 では、モルフォチョウの構 造を模
ブラックライトで蛍 光 を示 すものとして、赤 ・緑 ・青 に
して構 造 色 で青 色 に見 える文 字 盤 の腕 時 計 を試 作 し
発 色 するインクで印 刷 された写 真 や絵 を飾 った。既 製
ており、この時計も展 示した。
の絵では、M.C.エッシャーの「物見の塔」を元にした絵
でブラックライトにより 色 鮮 やかに 変 化 するもの 、青 空
資料提供:関西ペイント株式会社
に雲 の 絵 がブ ラックライトにより星 座 絵 が 見 えるものを
シチズン時計株式会社
展 示 した。また、写 真 から作 成 する場 合 には、白 色 光
下 では真 っ白 で、ブラックライトにより写 真 が見 えるよう
2-2-3f.ラスター彩 陶 器・ラスター彩ガラス
になる 。こ のタイプ では 、大 阪 の 名 所 の 写 真 を 使 用 し
ラスター彩 は、そもそも高 価 な貴 金 属 の代 わりとなる
た。
ように、陶 器 に金 色 などの塗 装 を施 す方 法 であったよ
しかしこれ以 外 にも、蛍 光 ペンやワイシャツ、蛍 光 で
うであるが、 金 属 光 沢 以 外 に構 造 色 独 特 の 虹 色 も 現
光る鉱 物 等も展 示 したかったが、薄 暗くしており、通 路
われる。さらに、陶 器 以 外 にガラスにもラスター彩 が施
の幅 を広 く取 ることができなかったため、展 示 ケースに
されるようになった。そこで、ラスター彩 により構 造 色 が
いれなければならないものはあきらめ、平面の絵だけに
現われた陶器およびガラス製 品を展 示 した。
した(「オレンジ色の部屋 」も同様)。
資料提供:三武英行氏
製作:株式会社SO-KEN
写真14.展 示「ラスター彩 陶 器」(上)
写真15.展示「ブラックライトの部屋」
「ラスター彩ガラス」(下)
(左:白色光下,右:ブラックライト下)
-6-
企画展「色の彩えんす」および関連事業実施報告
写 真16.展 示「オレンジ色 の部屋」(左:低圧ナトリウム灯下,右:白色光下)
2-2-5.オレンジ色の部 屋
2-2-6.消える標識
ブラックライトの部 屋 の続 きのエリアは低 圧 ナトリウム
オレンジ色 でなく 他 の 色 であっても 、単 色 光 で照 ら
灯 で照 らし、数 秒 ごとに白 色 光 の照 明 の点 灯 ・消 灯 を
すとものの見 える色 は大きく変 わる。特 に ものの色と照
繰り返 した。低 圧 ナトリウム灯 はほぼ単 色 光 であるため
らす照 明の色が一 致していると、そのものは明るく見え、
に、ものの色がわからなくなる。ここには、「野 菜 の顔」と
白 いものと区 別 がつきにくくなる。そこで、赤 ・緑 ・青 の
「どちらのキューブがそろっている?」を展 示した。
LED照 明 を用 いれば、赤 色 の照 明 では赤 色 のものが
「野 菜 の顔 」は、いくつかの野 菜 を顔 のように並 べた
背景の白と区 別がつかなくなって見えなくなり、緑 色の
写 真 であるが、2つの顔 の内 、一 方 は野 菜 の色 そのま
照 明 では緑 色 のものが見 えなくなり、青 色 の照 明 では
まの写 真 、もう一 方 は 本 来 の野 菜 とは 全 く違 った色 に
青 色 のものが 見 えなく なるということが可 能 である 。実
した写 真である。低 圧 ナトリウム灯 下 ではものの色がわ
際 には、背 景 が完 全 な白 色 ではなかなか消 えたように
からないた め、本 来 の 野 菜 の色 と 全 く 違 っ ていても 違
は見 えないため、少 しグレーにし、使 用 するLED照 明
和 感 がないが、白 色 光 下 ではおかしな色 に見 えるとい
に合 わせて、印 刷 に使 用 する赤 色・緑 色・青 色を調 整
うものである。
し、なるべくきれいに消えるようにした。
「どちらのキューブがそろっている?」は、ルービック
試作段階ではリンゴ・葉っぱ・地球の絵を用いたが、
キューブのような絵 であるが、白 色 光 下 では右のキュー
サイエンスショーでこの絵を用いるため、企画 展では標
ブの方 が 揃 っているように見 えるが、低 圧 ナトリウム灯
識の絵を使った。通常は赤 色・緑色・青色のLEDが全
下 では左 の方 が揃 っているように見 えるというものであ
て点灯して白色の照 明になっており、ボタン操作により、
る。詳 しくは「低 圧 ナトリウム灯 下 での色 の錯 視 」(大 阪
赤 色 の LE Dの み、緑 色 の LEDの み、青 色 の LEDの
市 立 科 学 館 研 究 報 告 第 22号)
[1]
を参 照されたい。
みになり、標識の一 部が見えなくなるようにした。
写真17.展 示「消える標 識」(左:外 観 ,右:白色・赤色・緑色・青色の照明で中を見た様子)
-7-
長谷川 能三
写 真18.「色が見える?」のコーナー全体
2-2-7.色が見える?
は赤 紫 色 側 に寄 った青 色 に見 える。さらに、透 明 と 水
常 設展のサイエンスギャラリーの部 分 を用 いて、この
色 ( 文 字 と 同 じ色 ) の 縞 模 様 の パーツを 用 意 し、黄 色
エリアでは、いわゆる錯 視 の一 種 で、人 間の視 覚により
や赤紫色の縞模様を隠すことにより、「緑」という文字も
物 理 的 な色 とは異 なる見 え方 をするものを取 り上 げ
「青」という文字も同 じ水 色で書かれていることがわかる
た。
ようにした。
この色の組 合せによる色の同 化の錯 視はよく 見 られ
2-2-7a.青と緑は同 じ色?
るが、単 に縞 模 様 のものが多 い。ここでは、「緑 」や
錯 視 にはいろいろな種 類 のものがあるが、その中 で
「青」という文 字 にすることで、観 覧 者 の興 味 を引 くよう
色 の同 化 と呼 ばれるものがある。これは、背 景 となる色
にした。
の上 に別 の色 の縞 模 様 等 をかぶせることにより、 背 景
色 が 縞 模 様 の色 寄 りの 色 に見 えるという現 象 である。
2-2-7b.What color is a cherry blossom?
みかんが赤 色 のネットに入 れて売 られているのも、この
これは、大阪市立東高等学校の大西康平さんと
色 の同 化 を利 用 していて、黄 色 いみかんがネットの赤
亀 山 郷 平 さ ん の 研究で、 桜の 花 び ら は 白 に 近 い 色
色 寄 りのオレンジ色 に見 え、おいしそうに感 じられるか
で あ る が 、 人 間 の錯覚に よって 本 来 の 色 よ り も ピ
らである。
ンク色に見えているのではないかという研究であ
今 回 の展 示 では、水 色 (シアン)で書 いた「緑 」の文
る。
字には黄 色の縞模 様 を、「青 」の文 字 には赤 紫 色の縞
いくつかの仮説をたてて検証しているが、限ら
模 様 を被 せ、周 囲 は黄 色 と 赤 紫 色 の 縞 模 様 のものを
れた時間内での研究であるのが残念である。可能
作 成 した。 色 の 同 化 により、「緑 」という文 字 は 本 来 の
であれば、測定方法や検証方法を検討し、再度時
水色から黄 色 側に寄 った緑 色 に見 え、「青 」という文字
間 を か け て 検証されれば と思う。
研究・作成:大西康平氏
亀山郷平氏
(大阪市立 東高等学校)
写真19.展 示「緑と青は同 じ色?」
写 真20.展示「What color is a cherry blossom?」
-8-
企画展「色の彩えんす」および関連事業実施報告
かりにくかった。そこで、動 力 の無 い回 転 台 に変 更 し、
観 覧 者 が自 由 に回 したり止 めたりできるようにした。た
だ、それでも回 転 速 度 はあまり高 くないため、ベンハム
の円 盤 のパターンを動 径 方 向 に4分 の1に圧 縮 するこ
とにより、効果を大きくした。
2-2-8.水は水色?
晴れた日に海を見ると海 は青や水 色に見え、テレビ
番 組 などで水 中 撮 影 のシーンを見 ると、やはり水 は青
や水色に映っている。しかし、この2つの状況で水が青
や水 色 に見える主な原 因は全く異 なっている。前 者は
青 い空 が 海 面 に映 っていることが主 な原 因 であり、曇
写真21.展 示「一 瞬のカラー写 真」
や雨の日には海には雲が映 り、灰色(鉛色)に見える。
後 者 は 水 が 他 の 色 の 光 に 比 べ赤 色 寄 りの 光 を よく吸
2-2-7c.一瞬のカラー写 真
収 するためであり、太 陽 光 や照 明 の光 、また撮 影 して
これは色 の残 効 と呼 ばれるもので、同 じ画 像 を見 続
いる対象 物 から返ってきた光は赤 寄りの光が弱くなり、
けた後、別の画像 を見 ると、最 初 に見 た画 像 の補色の
青寄りの光が比較的強いために青っぽく見える。
色 が感 じられるというものである。この色 の残 効 を利 用
水 がこのように赤 色 の光 を吸 収 していることは、数 m
して、ある画 像 のネガ画 像 を見 続 けた後 、白 黒 のポジ
の距 離でも透 過 光が青く見 えることで確 認できる。この
画 像 を見 ると、白 黒 の画 像 が一 瞬 カラーに見 えるとい
赤 色 の吸 収 は水 分 子 の分 子 振 動 が原 因 であり、水 素
うものである。
原 子 の質 量 の異 なる重 水 (D 2 O)では、この吸 収 が赤
今 回 は、大 阪 の名 所 を撮 影 した写 真 を用 い、10秒
外 領 域 になるため青 くは見 えないという [ 2 ] 。そこでこの
間 ネガ画 像 を 表 示 した 後 、白 黒 の ポジ画 像 が 表 示 さ
展 示では、普 通の水と重水 で満たした長さ約1.7mの
れる動 画をDVDビデオにし、サイエンスギャラリーのビ
水 道 管 を並 べることで、透 過 光 の色 を比 較 して見 るこ
デオ再 生装 置を利 用 して展 示 した。ネガ画 像 には、視
とができるようにした。
線をなるべく一 定 に保 つため、画 像 の中 央 で残り時 間
をカウントダウンした。この色 の残 効 の効 果 の大 小は画
像に異 なり、写 真 21の道 頓 堀 のグリコのネオン看 板が
効果が大きかった。
2-2-7d.ベンハムの円 盤
色 に 関 する錯 視 で有 名 なベンハムの円 盤 も展 示 し
た。当初、電 動の回 転 台 にベンハムの円 盤 のパターン
を印刷したものを貼り付 け、一 定 時 間 で回 ったり止まっ
たりするようにしたが、回 転 速 度 が遅 いため、効 果がわ
写真23.展示「水は水色?」
写真22.展 示「ベンハムの円 盤」
写真24.展示「水は水色?」
-9-
長谷川 能三
写真25.展示「セロハンテープべたべた」(左:セロハンテープを貼っている様子,右:偏光板で見た様子)
2-2-10.セロハンテープべたべた・偏 光ステンドグラス
2-2-9.ぼかして名画
何 も色 が見 えていないものが、グレーの偏 光 板 を通
テレビ画面を拡大してみると赤・緑・青のドットの集ま
して見ると鮮やかな色 に見 えるため、常 設 展 でも「偏光
りであり、印 刷 物 を拡 大 して 見 るとイエロー・マゼンタ・
ステンドグラス」は人 気 である。
シアンの網点の集まりである。ところがこれを離して見る
今 回 の企 画 展 では、偏 光 板 の上 に自 分 でセロハン
テープを貼り、それを手 持 ちの偏 光 板 を通 して見ること
と、細かな構造が区別できなくなるために、中間色も感
じるようになり、フルカラー映 像(写真)として見える。
ができるようにした。貼 られたセロハンテープは時折メン
そこで、 大 阪 市 立 科 学 館 友 の会 の 光 のふしぎサー
テナンススタッフが剥 がしていき、平 均 1~2日 で1本 の
クルのメンバーが、近 くで見 ると何 の絵 かわからなかっ
セロハンテープを消 費 した。筐 体 は 常 設 展 示 「 星 をさ
たりきれいな絵には見えないが、離れてみるときれいな
がそう」をライトボックスとして利 用 した。上 面 のガラスの
絵 に見 えるという、ドットの粗 くした絵 を作 成 した。元 に
下 に 偏 光 板 を 入 れたが、このガラスが強 化 ガラスであ
なる絵としては、レオナルド・ダ・ビンチの「モナリザの微
ったため、手持ちの偏 光 板 を通 して見 ると、強 化ガラス
笑 み」、ヨハネス・フェルメール「真 珠 の首 飾 りの少 女 」、
のゆがみが見えてしまった。
菱 川 師 宣 の「見 返 り美 人 図 」を用 い、これを粗 い画 像
さらにこの展 示 の上 に、小 型 の偏 光 ステンドグラスを
にしたものに合わせて、1cm角の赤・緑・青・黄・赤紫・
取 り付 けた。これは、現 在 常 設 展 示 になっている大 型
水 色 ・ 白 ・ 黒 の 8色 の シールを 貼 ることに より 、ド ット が
の「偏 光ステンドグラス」(科 学 館 入 り口 の上 に設 置)を
粗 く色数も限られた絵とした。この絵は遠くから見ること
製 作 する前 に、3階 渡 り廊 下 部 分 で展 示 していたもの
のできる場 所 に展 示 しなければならないが、企 画 展 で
であり、イベント 用 に ライトボックスを製 作 していた 。今
は展示スペースが2作 品 分しか確保できず、この3つの
回、周りに展 示ケースがあったため、展 示 ケースのガラ
作品から、期間を区切って2作品ずつ展示した。
ス面 で反 射 して映 った偏 光 ステンドグラスを見 ると、偏
光板がなくても絵を見ることができた(写 真40参照)。
制作:大阪市立科学館友の会光のふしぎサークル
写真26.展 示「偏 光ステンドグラス」
写真27.展示「ぼかして名画」
- 10 -
企画展「色の彩えんす」および関連事業実施報告
写真29.展示「重ねてカラー」
2-2-11b.重ねてカラー
写真を色の三原色に分解し、それぞれ透明なフィル
写真28.展 示「拡 大してみよう」
ムに印 刷 したものを重 ね合 わせても、カラー画 像 にす
ることができる。サイエンスショーでこの実 験 を行 なうた
2-2-11.三原色
め、ここでは通 常の白 い紙 に印 刷したものを使 用 し、3
2-2-11a.拡大してみよう
枚 重 ねたものを裏 返 してバックライトをあてることにより、
通 常 の 印 刷 物 では 、イエロ ー( 黄 色 )・マゼンタ(赤
カラー画像として見えるようにした。
紫 色 )・シアン( 水 色 )の 色 の三 原 色 の 網 点 (ちいさな
点 )の集 まりでカラー印 刷 さ れている。そこでこの展 示
画 像 としては、大 阪 の名 所 を撮 影 した写 真 を用 い、
筐 体は常設展示「星をさがそう」を利用した。
では 、印 刷 物 を 手 持 ちカメ ラで拡 大 して、液 晶 モニタ
に映し出すことで、網 点を見 てもらうものである。
2-2-11c.赤・緑・青の光でカラー
しかし、肌 や頭 皮 を見 ようとする観 覧 者 が多 く、ケー
印 刷 物 が 色 の 三 原 色 でカラー印 刷 を行 なっている
ブルが強く引っ張 られ、映 らなくなることが度 々あった。
のに対 し、テレビや液 晶プロジェクターなどは、赤・緑・
ケーブルに負担がかからないようワイヤーを張 っていた
青の光の三原色を使ってカラー映像をつくっている。
が、期間中、5回程ケーブルを交 換することとなった。
ここでは、3台 の液 晶 プロジェクターを用 い、それぞ
写真30.展 示「赤・緑・青の光でカラー」(右の3台のプロジェクターで左のカラー画像を映写)
- 11 -
長谷川 能三
れ、赤 の画像・緑 の画 像 ・青 の画 像 を同 じ場 所 に投 影
することにより、カラー画 像 を合 成 した。液 晶 プロジェク
ターは、USBメモリに入れた画 像をスライドショーできる
機 能 がある 機 種 で安 価 なも のを 使 用 した 。それ でも 、
上 下 方 向 には台 形 補 正 機 能 があり、レンズは単 焦 点
であるがデジタルズーム機 能 があったため、プロジェク
ターの調整で3つの画 像を重ね合 わせることができた。
使用する画像は、フリー素 材 の写 真を元に、赤色成
分、緑色成分、青 色 成 分 だけの画 像を作 成 し、それぞ
れUSBメモリに保 存 した。このとき、ひとつの画 像 につ
いて4枚ずつファイル名 を変 えて保 存 し、さらに黒のみ
の画 像 も用 意 した。ファイル名 を表 1のような順 序 にな
るような名 前 にすることにより、各 色 の画 像 が表 1の順
序で5秒毎に現われるようにした。実 際 の運 用 では、朝、
1台のリモコンの操 作 で3台 のプロジェクターが起動し、
スライドショーも同 時 にスタートすることができた。プロジ
ェクターの個 体 差 のためか夕 方 には1~2秒 のタイミン
写真31.展示「ブラウン管であそぼう」
グの誤差があったが、大きな問 題 ではなかった。
2-2-11d.ブラウン管であそぼう
表1.展示「赤・緑・青の光でカラー」の投 影 画像
これは常設で展示しているもので、今ではあまり使わ
順 赤色用の
緑 色 用の
青 色 用の
れなくなったブラウン管 式カラーテレビの画 面が、虫 眼
序
プロジェクター
プロジェクター
プロジェクター
鏡 を使 うと赤・緑 ・青 のドットが見 えたり、磁 石 を近 づけ
1
Aの赤色画 像
黒画像
黒画像
2
Aの赤色画 像
Aの緑 色 画 像
黒画像
3
Aの赤色画 像
Aの緑 色 画 像
Aの青 色画像
4
Aの赤色画 像
Aの緑 色 画 像
Aの青 色画像
3階 渡り廊 下のデバイスギャラリーで展 示 している資
5
黒画像
Aの緑 色 画 像
Aの青 色画像
料 で、カラーテレ ビの 黎 明 期 に 、赤 色 用 ・ 緑 色 用 ・ 青
6
黒画像
黒画像
Aの青 色画像
7
黒画像
黒画像
黒画像
8
黒画像
Bの緑 色 画 像
黒画像
9
黒画像
Bの緑 色 画 像
Bの青 色画像
10
Bの赤色画 像
Bの緑 色 画 像
Bの青 色画像
11
Bの赤色画 像
Bの緑 色 画 像
Bの青 色画像
12
Bの赤色画 像
黒画像
Bの青 色画像
13
Bの赤色画 像
黒画像
黒画像
14
黒画像
黒画像
黒画像
15
黒画像
黒画像
Cの青 色画像
16
Cの赤色画 像
黒画像
Cの青 色画像
17
Cの赤色画 像
Cの緑 色 画 像
Cの青 色画像
18
Cの赤色画 像
Cの緑 色 画 像
Cの青 色画像
19
Cの赤色画 像
Cの緑 色 画 像
黒画像
20
黒画像
Cの緑 色 画 像
黒画像
21
黒画像
黒画像
黒画像
22
Dの赤色画 像
黒画像
黒画像
23
Dの赤色画 像
Dの緑 色 画 像
黒画像
24
Dの赤色画 像
Dの緑 色 画 像
Dの青 色画像
…
…
…
…
ると色がずれて変色して見えるのを観察できる。
2-2-11e.3ブラウン管式カラーテレビ
色 用の3つのモノクロのブラウン管を、ダイクロイックミラ
ーで合 成 してカラーに見 えるというテレビである。初 期
のカラーテレビの中 では安 価 な製 品 であったが、画 面
が奥の方に見えるため、あまり普及しなかった。
写真32.展示「3ブラウン管式カラーテレビ」
- 12 -
企画展「色の彩えんす」および関連事業実施報告
写真35.展示「ホログラム」
2-2-13.ホログラム
このホログラムは石 井 勢 津 子 氏 が制 作 したもので、
大阪府立江 之子島文 化芸 術創造センターで管理して
いるものである。
ホログラムの展 示では、ホログラムそのものの位 置や
向 き、照 明 の位 置 により、どの位 置 でどのように見 える
写真33.展示「液 晶プロジェクター光 学ユニット」
かが大きく左 右 される。今 回 、大 型 のホログラムも借 用
したが、展 示スペースや照 明の位 置、重 量などの制 限
2-2-11f.液晶プロジェクター光 学ユニット
から、小型の縦長ホログラム6点のみ展示した。
これは現 代 の光 学 機 器 で常 設 展 示 している資 料 で、
3板 式 液 晶プロジェクターの仕 組 みがわかるようになっ
制作:石井勢津子氏
ている。プロジェクターそのものは10年 以 上 前 の製 品
であるため、現在 の同 程 度 の製 品 に比 べて大 型であり、
2-2-14.顔料 と染料
光 源 のランプも2つあるが、基 本 的 な構 造は現 在とあま
り変わらない。
「顔 料と染 料」および「ガラスの色・焼き物の色」につ
いては、地下1階アトリウムの展示ケースで展示した。
顔 料 については、日 本 画 用 の岩 絵 の具 とその材 料
2-2-12.液晶テレビのしくみ
を並 べて展 示 し、また顔 料 の粒 径 によって色 の濃 さが
これは、以 前 サイエンスショー用 の道 具 として、不 要
異 な る こ と も 示 し た 。 染 料 に つ い ては 、 展 示 場 3 階 で
になった液 晶テレビの偏 光 板 を取 り外 したものである。
「色 の化 学 」として展 示 しているものから、藍 や茜 で染
但し、偏光板を取り外す時 に一 部 の信 号 線の切ってし
めた布 の見 本 と、藍 や茜 の 実 物 (乾 燥 したもの)、また
まい、画 面 の 右 側 3 分 の 1 程 度 は 映 像 が 映 らなく なっ
化 学 的 に合 成 された藍 色 や茜 色 の染 料 を展 示 した。
ていた。そこで今 回 、画 面 の左 側 3分 の1程 度 に偏 光
さらに、さまざまな色の顔 料 ・染 料 や、筆記 具等を展示
板を貼ることで、左 側 3分 の1は普 通 に映 像 が映り、中
した。
央 3分 の1程 度 は偏 光 板 を通 して見 たときだけ映 像 が
見 え 、 右 側 3 分 の 1 程 度 は 背 面 の 偏 光 板 の みの た め
背 面 には、岩 絵 の具 で描 かれた絵 と 日 本 の伝 統 色
の色名と色見本を展示した。
映像は映らず、偏 光 板 の向 きによって明 るくなったり暗
く なっ た り する と いう 状 態 で 展 示 し た 。 映 像 と して は 、
資料提供:ナカガワ胡粉絵具株式会社
「ブラウン管であそぼう」のカメラ映 像を利 用 した。
株式会社サクラクレパス
写真34.展 示「液 晶テレビのしくみ」
写真36.展示「顔料と染料」
- 13 -
長谷川 能三
2-3.実現しなかった展示
今回の企画 展では、当 初展 示することを考えていた
りアイデアとしてはあった が 、実 現 できなかった、耐 久
性が保てない、手 間がかかる、内 容が難しいなど、さま
ざまな理由で実現しなかったものもある。例えば以下の
ようなものである。
・ 過剰虹スクリーン
・ 生きているネオンテトラ等 、構造色を示す小 魚
・ 偏光顕微鏡による岩石の薄片の観察
写真37.展 示「ガラスの色」
・ 単板式DLPプロジェクターのしくみ
・ クロマトグラフィーによるインクの色素分離
2-2-15.ガラスの色・焼き物の色
・ 植物は緑色が好き?
身 のまわりのものは顔 料 や染 料 で色 づけされている
・ 金は金色?
ものが多 いが、ガラスや焼 き物 は高 温 で製 作 するため、
・ ネオンサインの色
染 料 は用 いることができない。多 くの場 合 、ガラスや焼
・ 花火のスペクトル
き物の釉薬は、主に金 属 の元 素により発 色 している。
・ 数百色の筆記用具(色鉛 筆 など)
ここでは、ガラスの色 として、20世 紀 前 半 のものとい
うステンドグラスと色 ガラスの見 本 、焼 き物 の色 として、
2-4.サイエンスガイドによる展示ガイド
釉薬の材料とその釉 薬を使 った焼き物の色 見 本 、いろ
いろな金属の釉薬を使 用 した焼き物 等を展 示 した。
企 画 展 を行 なった4階 サイエンスギャラリー前は、天
井 が周 囲 より高 くなっており、スポットライト用 の配 線 ダ
クトレールが取 り付 けられている場 所 も 限 られている。
資料提供・制作:中西政和氏、石黒紀子氏
なるべく明 るくなるように照 明 の配 置 を工 夫 したが、特
に構 造 色 を示 すものは、もっと明 るい方 が鮮 やかなに
見 える。そこで、サイエンス ガイドのみなさんが展 示 解
説の時 に使えるように、スポット的に照 らすことができる
小 型 の ライトを 用 意 した。こ のライトにより、明 るく 色 鮮
やかに見 てもらえるだけでなく、展 示 ケース内 のどこを
見 て欲 しいかといったことにも使 えたということである。
また、一 部 の ライトはレ ンズを取 り 外 して点 光 源 と して
使 えるようにし、虹 スクリーンでライトの周 りに立 体 的 な
虹が浮かんで見えることに使用していただいた。
また、モルフォチョウの羽 をラミネート加 工 したものを
用意し、間近で観察 できるよう利用していただいた。
サイエンスガイドのみなさんは、おおむね2週 間 に1
写真38.展 示「焼き物の色」
度 の活 動 のため、あまり多 くのサイエンスガイドの方 に
写真39.企 画 展メイン会 場 (展 示 場4階)
写真40.サイエンスガイドによる解説の様子
- 14 -
企画展「色の彩えんす」および関連事業実施報告
解 説 ができず申 し訳 なかった。この企 画 展 の期 間 中 、
サイエンスガイドの研 修 会 もあったが、当 初 からの予 定
になかったということで、サイエンスガイド向 けの企画 展
の解説ができなかったのが残 念 である。
2-5.サイエンスガイドへのアンケート
この企 画 展 を一 番 見 ていたサイエンス ガイドのみな
さんに、各 展 示 につ いてアンケートをお願 いし 、49名
の方から回答を得た。
まず、自 身 にとって総 合 的 に良 かった展 示 に+1点 、
特 に良 かった展 示 (5つまで)に+2点 、 悪 かった展 示
に-1点で集計したのが表2である。
図2.楽しめた展示・勉強になった展示
表2.サイエンスガイドの総 合 評 価
展 示 名
点
また、自 身が楽 しめた展 示 に+1点、楽 しくなかった
セロハンテープべたべた・偏 光ステンドグラス
46
展 示 に-1点 で集 計 した結 果と、勉 強になった展 示に
生物の構造色
45
+1点 、わからなかった・理 解 できなかった展 示 に-1
緑と青は同じ色?
33
点 で集 計 した結 果 の分 布 を調 べたのが図 2である。こ
大虹スクリーン
31
の図では、右上が楽しめて勉強にもなった展示 で概ね
消える標識
これは何ディスク?
ベンハムの円盤
拡大してみよう
総 合展も高い展 示である。左 上寄りの展示は楽しめた
27
めたが理 解が難しかった展 示ということになる。左 上 寄
25
不思議に光る石「ラブラドライト」
24
赤・緑・青の光でカラー
23
液晶テレビのしくみ
21
重ねてカラー
3色合成プリズム
ブラックライトの部 屋
虹とその仲間写 真 展
オレンジ色の部屋
車の塗装の構造 色・モルフォチョウ色の時 計
20
りおよび右下寄りのものについては、展示名を入れた。
さらに、自 身 にとって楽 しめたかどうかと来 館 者 が楽
しんでいたかどうか、自 身 にとって勉 強 になったかどう
かと来館者が理解しているかどうかを比較したのが図3
である。これを見ると、楽しめたかどうかについては、右
上 から左 下 に分 布 しており、サイエンス ガイド自 身 と観
覧 者 の様 子 にはあまり差 がないと感 じている。ところが、
19
勉 強 になるか・理 解 できているかについては、全 体 的
に分 布 が下 に偏 っており、自 身 の理 解 度 に比 べ来 館
18
者 の理 解 度 が低 いのではないかと感 じている。これは、
企 画 展 の 各 展 示 のキャプ ションやパネル 、サイエンス
ぼかして名画
スペクトル
というよりも勉 強 になった展 示 、右 下 寄 りの展 示 は楽 し
ガイドのみなさんへの 解 説 が不 十 分 であった ため、な
17
かなか伝えきれていないと感じたからかもしれない。
ブラウン管であそぼう
一瞬のカラー写真
ホログラム
10
ラスター彩陶器・ラスター彩 ガラス
8
液晶プロジェクター光 学 ユニット
6
人工オパール
3ブラウン管式カラーテレビ
5
ガラスの色・焼き物の色
チタン酸化膜の構 造 色
顔料と染料
3
2
What color is a cherry blossom?
-1
水は水色?
-5
図3.サイエンスガイド自身と来館者の差
- 15 -
長谷川 能三
3.第14回 構 造色 シンポジウム
構 造 色 研 究 会 、科 学 研 究 費 ・新 学 術 領 域 研 究 「生
物規範 工学」との共 催 で、第 14回 構 造 色 シンポジウム
を開催した。概要は以 下のとおりである。
第14回構造色シンポジウム概 要
日
時 : 2013年10月 26日(土)13時~17時
場
所:大阪市立科学館 研修室
主
催:大阪市立科学館
構造色研究会
科 学 研 究 費・
新 学 術 領 域 研 究「生 物 規 範 工学」
発 表 件 数 : 口頭5件、ポスター6件 、特 別 講 演1件
写 真41.構造色シンポジウムの様子
参 加 人 数 : 55名
口頭発表:
4.スペシャルナイト・特別講 演会 「色の彩えんす」
(○印は発表者)
①「簡 易 プロセスによる構 造 色 パウダーの作 製 ~モル
フォ蝶型発色材の応 用 拡 大 に向 けて~」
石橋幸成
A○
A
A
ルにおいて一般向けの講演 会を行なった。
B
、渋 谷 拓 人 、森 本 健 太 、平 井 義彦 、
A
赤井 恵 、桑 原 裕 司
A, C
、齋 藤 彰
A ,C
(A:阪 大 院 工、
B:阪府大院工 、C:理 研/SPring-8)
彩に魅せられて」 三 武 英 行
タマムシ~」と 題 し 構 造 色 に ついての 講 演 と 、武 田 康
等についての講演をしていただいた。
○
後 半は、構 造 色 研 究 会 の世 話 人 でもある吉 岡 伸 也
③「2次元ハイパースペクトルディスプレイの開 発」
雜賀誠
前 半 は、針 山 孝 彦 氏 に「緑 の宝 石 ~構 造 色 をもつ
男 氏 に「空 に見 られるさまざまな色」と題 して気 象 現 象
②「金 色 ・虹 色 に輝 く、金 を使 わない錬 金 術 ・ラスター
A○
構 造 色 シンポジウムと同 日 の夜 、プラネタリウムホー
A
A
氏 も交 え、長 谷 川 の司 会 により座 談 会 を行 なった。座
A
、佐 藤 卓 司 、吉 田 圭 祐 、山 田 光 晴 、
三 橋 俊 文 B 、内 川 恵 二 B (A:トプコン、B:東 工 大)
談 会 では、お互 いの講 演 内 容 についての感 想 や、参
加者からの質問に答える形で話を進めた。
④ 「 新 興 の 科 学 技 術 の た め の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン ツー
ル・PEN」 中 村 衣 利 ○ (PEN編 集 委 員 、大 阪大学 )
日
時 : 2013年10月26日(土)18時~20時
⑤「アコヤガイ真珠 における干 渉 色 の強 度 に及 ぼす真
場
所 : プラネタリウムホール
講
師 : 針山孝彦(浜松 医科大学教授)
珠層の構造の影 響について」
青木秀夫
A○
B
A
A
、鈴 木 道 生 、田 中 真 二 、渥 美 貴史 、
C
D
中 内 茂 樹 、古 丸 明 (A:三 重 県 水 産 研 究 所 、B:
武 田 康 男(空の写真家)
座 談 会 : 針 山 孝 彦,武 田 康 男 ,
東 京 大 学 、C:豊 橋 技 術 科 学 大 学 、D:三 重 大 学)
吉岡伸也(大阪 大学助教),
特別講演:
長谷川能三
「高 分 子 微 細 構 造 の超 撥 水 性 を利 用 したバイオミメ
参 加 費:無料
ティック液体操 作」 石 井 大 佑(名 古 屋 工 業 大 学)
参 加 人 数 : 115名
ポスター発表:
①「短距離秩序構 造の定 量 評 価」
掛川法重、宮内 裕 一 朗(キヤノン株 式 会 社)
② 「 アモルフ ァス 発 色 体 の 色 材 応 用 の た めの 数 値 計
算 」 宮 内 裕 一 朗 ○ 、掛 川 法 重 、中 田 真 人 、吉 川 信
一 郎(キヤノン株 式 会 社)
③「ホ ット エンボ ス 加 工 に よ るオパー ル薄 膜 の 凹 凸 構
造の形成」 不 動 寺 浩(物 材 機 構)他
④「単分散シリカ粒 子 を用 いた構 造 色 材 料 と人工オパ
ール」 今井宏 起 、川 中 智 司 (富 士 化 学 株 式 会 社)
⑤「クサカゲロウの翅の構 造 色」 髙 橋 玲 央 奈 、藤井康
裕、西尾泉(青 山 学 院 大 理 工)
⑥「モスアイ効果再 考」 吉 岡 伸 也(大 阪 大 学)
写 真42.後半の座談会 の様子
- 16 -
企画展「色の彩えんす」および関連事業実施報告
5.科学教 室
日
時 : 2013年10月6日(日)14時~15時30分
企画展の期 間 中 、科 学 デモンストレーターの協力に
場
所:工作室
より、色に関する2つの科 学 教 室を計3日 間 行 なった。
対
象 : 小学4年生以上
参 加 費 : 500円
5-1.科学教室「色々あわせて光 の箱を作ろう」
参 加 人 数 : 15名
この教 室 では、 光 の 三 原 色 である赤 ・緑 ・ 青 の光 を
講
合わせるといろいろな色 の光 になること、また色 の三 原
色 であるイエロー・マゼンタ・シアンはそれぞれ青 ・緑 ・
師 : 吉 岡 亜 紀子(科学デモンストレーター)
長谷川能三
補
助 : 奥出恵子(科学 デモンストレーター)
赤の光を通さないということを実 験 し、色 の三 原 色のセ
ロハンを用いて光の箱を作 成 した。
5-2.科学教室「きれいな色に染めてみよう」
光 の 箱 は 松 村 泰 三 氏 が 考 案 したも の で、 今 回 、松
この教 室 は、2013年 2月 11日 に科 学 デモンストレ
村氏の許 可を得て作 成 した。ミラーフィルムを筒型にし
ーターが行 なった「身 近 な植 物 で染 め物 に挑 戦 しよ
たものを枠の中に並 べ、枠 の一 面 は帯 状 に切 ったカラ
う!」を 元 に 、藍 染 めと 玉 ねぎの 皮 を 用 いた 染 め物 を
ーセロハンを 多 数 貼 り 、反 対 側 の 面 に はトレ ーシング
行 なった。但 し、2013年 の教 室 では藍 染 めに乾 燥 藍
ペーパーを 貼 ること で、美 しい 色 の 模 様 が 見 える 。松
を用 いたが、臭 いがきついため、今 回は合 成 藍 を用い
村 氏 のオリジナルの光 の箱 は光 の三 原 色 に近 い色 の
た。また、1日 だけの教 室 では用 意 した 材 料 に無 駄 が
セロハンを使 用 しているが、今 回 は色 の三 原 色に近 い
多 くなるため、こちらは連 休 を利 用 して2日 間 行 ない、
色 のセロハンを使 用 した。このため、セロハンを縦 横 に
1日目は子ども対象、2日 目は大人対象と分けた。
貼っても黒っぽくならず、いろいろな色 が現われた。
内 容 に ついての 詳 細 は 、「科 学 デモンストレ ーター
また、参 加 者 を写 真 撮 影 した画 像 を色 の三 原 色 に
ズ実 験 教 室 「身 近 な植 物 で染 め物 に挑 戦 しよう!」実
分 解 して印 刷 し、これを重 ねて光 にかざすことにより、
施 報 告 」 大 阪 市 立 科 学 館 研 究 報 告 第 23号 [ 3 ] を参
カラー写真に見えることも行 なった。
照されたい。
日
時 : ①2013年10月 13日(日)14時~16時
②2013年10月 14日(祝)14時~16時
場
所:工作室
対
象 : ①小学4年生~18歳未満
②18歳以上
参 加 費 : 500円
参 加 人 数 : ①17名
②7名
講
師 : 木村友美(科学 デモンストレーター)
補
助 : 西原浩、益都子、米田真弓、林ゆりえ、
奥出恵子(科学 デモンストレーター)
写 真43.完 成 した「光の箱」
渚 純 子(以上、科学デモンストレーター)
写真44.色の三 原 色の印 刷を重ねてカラー写真に
写 真45.科学教室の様子
- 17 -
長谷川 能三
6.常設展 示の製 作
謝辞
今 回 の 企 画 展 の 展 示 の 内 、「赤 ・緑 ・ 青 の 光 でカラ
この企 画 展 および関 連 事 業 を開 催するにあたり、資
ー」は「光 の三 原 色 」という名 前 で、「重 ねてカラー」は
料 を 提 供 していた だく 等 さ まざ まな形 で協 力 していた
「色 の三 原 色 」という名 前 で、それぞれ新 たに製 作 し、
だいた 各 機 関 ・ 各 企 業 およびその 担 当 の 方 、 各 団 体
2014年3月より常 設 展として展 示 している。また、常設
の方 々および個 人 の方 に、たいへんお世 話 になりまし
の「虹 スクリーン」についても、大 型 で横 長 のスクリーン
た。この場を借りて感謝申し上げます。
に改造した。
協力:大阪市立自然史博物館
大阪南港野鳥園
尾嵜豪氏
藤川哲也氏(アノニム工房)
富士化学株式会社
関西ペイント株式会社
シチズン時計株式会社
三武英行氏
大西康平氏(大阪市 立東高等学校)
亀山郷平氏(大阪市 立東高等学校)
西 山 惠 美 氏(大阪市 立東高等学校)
友の会 光のふしぎサークルのみなさん
写真46.常 設 展 示「光の三 原 色」
石井勢津子氏
江 之 子 島 文 化 芸 術 創 造 センター
大阪府府民文化部都市魅力創造局文化課
ナカガワ胡粉絵具株式会社
株式会社サクラクレパス
中西政和氏
石黒紀子氏
サ イエンスガイドのみなさん
サ イエンスガイドリーダーのみなさん
構造色研究会
針 山 孝 彦 氏(浜松医 科大学)
武田康男氏
吉 岡 伸 也 氏(大阪大 学)
写真47.常 設 展 示「色の三 原 色」
科学デモンストレーターのみなさん
松村泰三氏
[参 考 文 献 ]
[1]長谷川能三 「低 圧ナトリウム灯 下 での色の錯視」 大 阪 市 立 科 学 館 研 究 報 告 第22号 ,p25(2012)
[2]Charles L.Braun and Sergei N.Smirnov 「WHY IS WATER BLUE?」
http://www.dartmouth.edu/~etrnsfer/water.htm
[3]木 村 友 美 、奥 出 恵 子 、益 都 子 、橋 本 澄 人 、坪 井 健 治 、横 山 高 史、林ゆりえ 「科 学デモンストレーターズ実 験
教室「身近な植 物 で染め物 に挑 戦 しよう!」実施報告」 大 阪 市 立 科 学 館 研 究 報告 第23号,p149(2013)
- 18 -