遺体修復及び搬送並びにハウスクリーニング実施要領(PDF:477KB)

○遺体修復及び搬送並びにハウスクリーニング実施要領
平 成 28年 3 月 3 0日
務
警
第
察
8 6 6 号
本
部
長
遺体修復及び搬送並びにハウスクリーニング実施要領の制定について(通達)
この度、犯罪被害者の遺族に対する更なる精神的及び経済的負担の軽減を図るため、司法解
剖後における遺体修復及び搬送の実施について(平成19年務第901号)の全部を別添のとおり
改正し、平成28年4月1日から実施することとしたから、事務処理上誤りのないようにされた
い。
別添
遺体修復及び搬送並びにハウスクリーニング実施要領
第1 趣旨
この要領は、犯罪被害者(以下「被害者」という。)の遺族の心情に配慮した木目細やか
な支援の一環として、司法解剖後における遺体の修復及び搬送のほか、自宅が犯罪被害現場
となった場合の、犯罪に起因して汚損された室内の清掃(以下「ハウスクリーニング」とい
う。)の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
第2 対象
1
遺体修復及び搬送
司法解剖を行った被害者及び被害者である疑いのある者の遺体(以下「対象遺体」とい
う。)とする。ただし、遺体修復については腐乱、炭化、白骨化等が著しく修復が困難な
遺体及び身元不明遺体を、遺体搬送については身元不明遺体を対象外とする。
2
ハウスクリーニング
被害者の住居(被害者の生活の本拠地と認められる場所をいう。)で、殺人及び故意に
より致死の結果を生じた事件が発生し、被害者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟
姉妹(以下「遺族」という。)が引き続き同所に居住する場合とする。ただし、被害者又
は遺族(以下「被害者等」という。)が次に掲げるいずれかに該当する場合は、社会通念
上特段の事情がある場合を除き、対象外とする。
(1) 遺族が拒否しているとき。
(2) 被害者に犯罪を誘発する行為があったなど犯罪被害を受けたことについて、被害者の
責めに帰すべき事由があったとき。
(3) 被害者が犯罪を教唆し、又は幇(ほう)助し、若しくは容認したとき。
(4) 被害者等が集団的に又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属してい
るとき。
(5) 相被疑事件のとき。
(6) 被害者と加害者との間に民法上の親族関係(事実上婚姻関係と同様の事情にあるとき
及び事実上養子縁組関係と同様の事情にあるときを含む。)があるとき。
(7) その他ハウスクリーニングの対象とすることが社会通念上適切でないと認めるとき。
第3 実施要領
1
遺体修復及び搬送
(1) 遺族の意思確認
交通部高速道路交通警察隊長又は警察署長(以下「警察署長等」という。)は、司法
解剖に係る遺体が対象遺体である場合は、遺族又は遺体の引渡しを受け火葬埋葬等を行
うことを申し出た者(以下「遺族等」という。)に対し、公費負担による遺体修復又は
遺体搬送を行うかについて意思確認を行うこと。
なお、遺体修復を行う場合は、遺族等から遺体修復承諾書(別記様式第1号。以下
「承諾書」という。)を徴すること。
(2) 業者への依頼
警察署長等は、前記(1)の意思確認の結果、遺体修復を行うときは遺体修復の技術を
有する業者に、遺体搬送を行うときは搬送業者に依頼すること。
(3) 修復場所
遺体修復は、原則として、遺体修復の実施を決定した交通部高速道路交通警察隊(以
下「高速隊」という。)又は警察署(以下「警察署等」という。)の死体安置室又はこ
れに準ずる施設において行うこと。この場合において、警察署長等は指定した職員を立
ち会わせること。
(4) 搬送範囲
遺体搬送は、対象遺体の検視を行った警察署等から当該被害者の自宅又は遺族等が希
望する場所までとする。
2
ハウスクリーニング
(1) 遺族の意思確認
警察署長は、ハウスクリーニングの対象事案を認めた場合は、遺族に対し、公費負担
によるハウスクリーニングを行うかについて意思確認を行い、ハウスクリーニング実施
申請書(別記様式第2号。以下「申請書」という。)を作成し、警務部警務課長(以下
「警務課長」という。)に申請すること。
(2) 実施の決定及び業者への依頼
警務課長は、前記(1)の申請を受け、警察本部の事件主管課長とハウスクリーニング
の必要性等について協議し、ハウスクリーニングを実施する場合は、業者に依頼するこ
と。
(3) 立会いの実施
ハウスクリーニング実施(実施に伴う事前の現地調査を含む。)の際は、職員が立ち
会うこと。
(4) 実施範囲
犯罪行為に起因する汚損に係る居室内のハウスクリーニング作業とし、破損した建具、
家具等の交換及び修復を含まないものとする。
第4 公費負担手続
1
会計手続き
(1) 遺体修復及び搬送業者への支払いは、警察署長等が請求書(別記様式第3号)を当該
業者に交付し、必要事項を記入させた上、高速隊は庶務係に、警察署は会計課(係)に
提出を依頼すること。
なお、高速隊は、請求書受領後、速やかに当該請求書を総務部財務局会計課長に送付
すること。
(2) ハウスクリーニング業者への支払いは、警務課長が請求書を当該業者に交付し、必要
事項を記入させた上、警務課長に提出を依頼し、警務課長は、受領後、速やかに総務部
財務局会計課長に送付すること。
2
請求書の様式
請求書の様式は、本要領に規定する請求書の内容を充足したものであれば、当該業者が
作成するものに代えることができるものとする。
第5 運用上の留意事項
1
業者に対しては、あらかじめ本要領に基づく依頼である旨を説明すること。
2
本要領の運用に関して疑義が生じた場合は、警務課長と協議すること。
3
ハウスクリーニングについては、申請を行った場合であっても、捜査状況等を総合的に
判断し実施を決定するため、遺族への説明は、誤解を与えないよう留意すること。
第6 書類の保管
1
承諾書及び請求書
承諾書及び請求書は、5年保管すること。
2
申請書
申請書は、1年保管すること。
実施日
この通達は、平成28年4月1日から実施する。
【別記様式省略】