コーチのためのガイドブック 目 次 Tennis Xpressの目標 ……………………… 1 コーチのためのコースガイドライン ……… 1 プログラムの要旨 …………………………… 4 1週目 概要 ………………………………… 5 1週目 レッスン内容 ……………………… 5 2週目 概要 ………………………………… 11 2週目 レッスン内容 ……………………… 11 3週目 概要 ………………………………… 17 3週目 レッスン内容 ……………………… 17 4週目 概要 ………………………………… 24 4週目 レッスン内容 ……………………… 24 5週目 概要 ………………………………… 30 5週目 レッスン内容 ……………………… 30 6週目 概要 ………………………………… 36 6週目 レッスン内容 ……………………… 36 監修 − 01 − は じ め に 国際テニス連盟のPLAY+STAYキャンペーンの一環として10歳以下 の子供たちを対象に速度の緩やかなボール、小さいコート、身体に合 ったサイズのラケットを使用するTennis 10sのプログラム導入に続き、 Tennis Xpressが導入されました。 Tennis 10sのプログラムはすでに国際テニス連盟に加盟する210の国 から強く支持され、加入国も増えています。また国際テニス連盟は、 これから世界各国でTennis Xpressのプログラムを実施していく予定で す。 国際テニス連盟普及本部長のDave Mileyは次のように述べていま す。「大人たちが余暇の過ごし方を選ぶときに、健康増進への効果や新 しいスキルの学習を重視することが研究によって明らかとなっていま す。Tennis Xpressのプログラムは、活発に運動し、社会的で楽しい経 験の中で大人たちが短期間でテニスを学ぶことを保障します。このプロ グラムは世界的に大きなインパクトを与え、新しいテニス人口の獲得と 維持に貢献すると確信しています。」 また、国際テニス連盟会長のFrancesco Ricci Bittiは「Tennis 10sは 若いプレーヤーへのテニスの導入の仕方を改善し、ジュニアのテニス人 口が増えたという点においてすでに素晴らしい成果を上げています。同 様にTennis Xpressは、テニスというスポーツに大人たちを引き付ける 効果的なプログラムだと確信しています。」と述べています。 − 02 − Tennis Xpress の目標 プログラムを通じて: 速度の緩やかなボールを使うことで、大人のプレーヤーが簡単に、楽しく、活動的な方法でより早く テニスを学ぶ環境を提供します。 1回目のレッスンが終わるまでに: 参加者全員が、オレンジボールまたはグリーンボールを使ってサーブ、ラリー、得点し、フルコート でのタイブレークの試合ができるようになります。 コースの終了時には: 参加者全員が基本的な技術や戦術、ゲームのルールを理解できるようになります。 参加者全員がグリーンボールを使ってフルコートで試合ができるようになります。 “Tennis Xpress … テニスをより早く学んで楽しむ!” コーチのためのコースガイドライン Tennis Xpressについて Tennis Xpressは、大人の初心者プレーヤー向けのテニスを簡単に、楽しく、活動的に行うための導 入プログラムです。このプログラムの目的は、大人の初心者プレーヤーたちがサーブ、ラリー、得点 (試合をすること)を最初のレッスンから達成できるようにサポートすることで、プログラムの終わり までに以下のことが可能となります。 参加者全員が基本的な技術や戦術、ゲームのルールを理解できるようになります。 参加者全員がグリーンボールを使ってフルコートで試合ができるようになります。 このプログラムの対象の大人の初心者プレーヤーは以下のように定義されます。 過去に全くテニスをしたことがないプレーヤー。 基本的な指導は受けているが、レッスン以外で試合をしたことがないプレーヤー。 長い間テニスをしていなかった初心者。 Tennis XpressはITFのTennis Play and Stayキャンペーンのサポートプログラムです。 PLAY+STAYキャンペーン PLAY+STAYは、世界中でテニス人口を増やすためにITFが行っているキャンペーンです。このキ ャンペーンの基本は、練習や試合で速度の緩やかなレッド、オレンジ、グリーンのボールを使うこと で、テニスを初めて経験する人が簡単に、楽しく、健康的に行うことを保証しています。またこのキャ ンペーンは、ITF加盟国やプロ選手、テニスメーカー、主な指導組織などに支持されています。 速度の緩やかなボールを大人のプレーヤーにも 速度の緩やかなボールは、子供達だけのものではありません。大人も含めて全ての初心者は、適切な コートサイズでイエローボールよりも遅めのオレンジボールやグリーンボールを使ってプレーすること で、テニスを上達させることができます。これらのボールはこのプログラムの重要な基礎となり、大人 の初心者プレーヤーがテニスを簡単に、より早く習得することを可能にします。しかし、大人のプレー ヤーたちはそれぞれ学習の速度や、経験や技術の程度が異なります。そのため、速度の緩やかなボール の使用はこのプログラムでは必須ですが、コーチはプレーヤーの指導において以下の点について柔軟に 対応する必要があります。 −1− 参加者の能力や習得状況をもとにプログラムの中でどのようなボール(オレンジまたはグリーンボ ール)を使用するか。主にオレンジやグリーンボールの使用を勧めます。また、レッドボールを必 要に応じて補助的な指導ツールとして使用することで、レッスンをより活動的なものにすることも 可能です。 どのタイミングでスピードの違うボールに変えるか。プレーヤーたちの学習速度が異なるため、コ ーチは必要に応じて同じレッスンの中でそれぞれのプレーヤーに対してオレンジまたはグリーンボ ールを使い分けることが重要になります。 ボールのスピードを落とす必要があるか。いくつかの課題に取り組む時に、一時的にボールのスピ ードを落として練習することも必要です。例えば、オレンジボールを使って練習しているプレーヤ ーたちは、新しい技術を習得するためにレッスンの一部でレッドボールを使って練習することも効 果的です。 プレーヤーたちがこのプログラムの中でどの程度成長しているか。このプログラムの終わりまでに グリーンボールを使って試合を楽しくできるようになるという目標が設定されていますが、この目 標を他の人よりも早く達成する人もいます。また、オレンジボールを使用した方が自信を持って打 てるという人もいますが、大部分のプレーヤーはこのコースの終わりまでにグリーンボールを使っ て試合ができるようになるでしょう。 上記のどのケースであっても、このガイドブックの指標を利用しながら、どのボールを使うべきか、 またどの時点でより速いボールに変えるべきかを決めるのはコーチの判断です。 グリーンボールは試合用の公式ボールです! 2012年より、ITFのルールにより、10歳以下を対象とした試合は、ボール速度の緩やかなレッド、オ レンジ、もしくはグリーンボールを用いて、適切なサイズのコートで実施することが定められました。 更にITFの主要加盟国とテニス企業団体(TIA)との長期にわたる協議の後、2011年11月のITFルール に関する委員会とITF理事会において、2012年からグリーンボールを全てのレベルの試合で公式テニス ボールとして2年間試行するという規定が認可されました。試行規定は以下のように記されています。 “ITFのテニスルールの補足資料1のイエローボールに加え、補足資料6に定義されているステージ1 グリーンボールは、デビスカップ、フェドカップ、ジュニアトーナメント、ITFや公式の加盟国テニス 協会によってあらかじめ認められている団体戦、ITFシニアサーキットや団体戦、ITF車椅子サーキッ ト、団体戦を除く全てのレベルの試合で2年間公式ボールとして試行されます。 試行期間中、各国のテニス協会は国内のどの試合でステージ1のグリーンボールを使用するかを決定 する権利を有します。 遅めのボールに関する指針 このプログラムでは主にオレンジとグリーンボールを使用します。このプログラムの目標は、コース の終わりまでにグリーンボールを使って参加者たちが楽しく試合をすることです。このガイドブックで は計6回の各セッションにおいて使用すべきボールを記載しています。 オレンジボール 通常のボール:6−6.86cm イエローボールよりも50%速度が緩やか* ラケット 23〜25”(58〜63cm)** コート 17.98〜18.29m×6.4〜8.23m ネットの高さ (中央) 0.80〜0.914m グリーンボール 通常のボール:6.3−6.86cm イエローボールよりも25%速度が緩やか* ** ラケット 25〜26”(63〜66cm) フルサイズコート 23.77m×8.23m 通常のネットの高さ (中央) 0.914m −2− レッドボールは小さなコートで使用し、プレーヤーの技術や戦術を上達させたり、ルールや得点の仕方 を学んだり、あるいはレッスンをより活動的にしたりするために利用できます。 レッドボール スポンジボール:8−9cm 通常のボール: 7−8cm イエローボールよりも75%速度が緩やか* ** ラケット 17〜23”(43〜58cm) コート 10.97〜12.8m×4.88〜6.1m ネットの高さ(中央) 0.80〜0.838m * ボール速度の推定値 プレーヤーの体格により変更 ** 185 73” 175 69” 165 65“ 155 61” 145 57” 135 53” 125 49” 115 45” 105 41” 95 37” 85 33” 75 30” cm inches プログラムの構成 このプログラムは、6週間で計9時間(6日×1.5時間)のレッスンで構成されています。プログラ ムの目標は、テニスを簡単に、楽しく、より活動的に導入することと、同時にプレーヤーたちがこのプ ログラムを通して成功体験ができるように十分な学習と練習時間をレッスン中に提供することです。 Tennis Xpressではコーチと一緒に1回1.5時間のレッスンを6回のみ実施します。そのため、レッス ン間でプレーする機会を提供することで学習内容を復習し自信につなげたり、プログラム終了時に適切 な継続プログラムを個々に提供したりすることが重要となります。 しかし、プレーヤーの数やコートの空き状況によっては、セッションの時間を柔軟に調整することも必 要でしょう。他の選択肢として、以下のような時間構成も可能です。 代案1 代案2 代案3 2時間×6回のプログラム。1回1.5時間のコーチとのレッスン後に、30分の時間で自由 に練習したり、試合をしたりして楽しみます。(コーチの監視下または監視下外。) 2時間×4回のプログラム。コーチは6回のレッスンの内容を4回のレッスンの中で組み 立てなければいけません。さらに、自由に練習したり、試合をしたりするための時間配分 もしなければなりません。(コーチの監視下または監視下外。)コーチが速度の緩やかなボ ールを提供し、参加者たちが監督下外で練習を行う場合は、プログラムの時間外で参加者 たちの判断で時間を決めて行うようにしてください。 1時間×9回のプログラム。代案2と同様、コーチは6回のレッスンの内容を9回のレッ スンの中で組み立てなければいけません。 −3− プログラムの要旨 下の表は、6回のレッスンの目標を示すことでTennis Xpressプログラムの要旨が説明されていま す。 Tennis Xpressでは、主にオレンジまたはグリーンボールを使用しますが、コーチはレッドボールを 必要に応じて補助的なツールとして使用することで、レッスンをより活動的なものにすることも可能で す。 レッスン 時間 レ ッ ス ン の 内 容 ・プログラムの紹介、目的の説明 ・ボールの説明とゲーム形式についての説明 1 0-1.5 ・ラリーを学ぶ−ベースラインからの安定したプレーの基本 技術(レッド/オレンジボール) ・基本的なサーブとレシーブを学ぶ(レッドボール) ・タイブレークのゲームをプレーしながら得点の仕方を学ぶ(レッド/オレンジ ボール) ・ベースラインからのグラウンドストロークを安定させる (レッド/オレンジボール) 2 1.5-3 ・相手をベースラインから動かし、最適なコートポジション でプレーする(レッド/オレンジボール) ・サーブとレシーブ(レッド/オレンジボール) ・タイブレークのゲームをする(レッド/オレンジボール) ・基本的なサーブとレシーブを使って相手を動かす(レッド/ オレンジボール) 3 3-4.5 ・シングルスでのポジショニングを理解する ・シングルスとダブルスをベースライン上でプレーする ・相手をベースラインから動かし、最適なコートポジションでプレーする ・1セットの試合での得点の仕方を学ぶ ・シングルスにおいてネットプレーを学ぶ(オレンジ/グリー ンボール) 4 4.5-6 ・シングルスにおいて異なるゲーム状況を組み合わせる ・基本的なダブルスのプレーとポジショニング(オレンジ/グリーンボール) ・基本的なダブルスのフォーメーション:雁行陣(オレンジ/グリーンボール) ・ダブルスでのサーブとレシーブを練習する(オレンジ/グリーンボール) 5 6 6-7.5 7.5-9 ・ダブルスにおいてネットプレーを学ぶ(オレンジ/グリーン ボール) ・得点を数えながらシングルスとダブルスの試合をする(オ レンジ/グリーンボール) ・異なるゲーム状況下とゲームスタイルでシングルスとダブ ルスの試合をする(オレンジ/グリーンボール) ・コース終了後にテニスクラブでテニスをプレーしたり、試 合をしたり、指導を受けたりする機会について紹介する −4− 1週目 概要要旨 レッスンの目標 プログラムの紹介、目的の説明 ボールの説明とゲーム形式についての説明 ラリーを学ぶ−ベースラインからの安定したプレーの基本技術(レッド/オレンジボール) 基本的なサーブとレシーブを学ぶ(レッド/オレンジボール) タイブレークのゲームをプレーしながら得点の仕方を学ぶ(レッド/オレンジボール) レッスンの概要 0-5分 − 歓迎の挨拶とプログラムの紹介をする。 5-10分 − グループウォームアップ*:2×2mの四角でレッド/オレンジボールを使用して行う。 10-25分 − セルフラリー*:1×1mの四角でレッド/オレンジボールを使用して行う。 25-40分 − グラウンドストロークのラリーを安定させる**:レッド/オレンジボールを使用する。 40-55分 − グラウンドストロークのラリーを安定させる:レッド/オレンジボールを使用する。 55-70分 − サーブとレシーブを練習する:レッド/オレンジボールを使用する。 70-75分 − サーブ、リターン、ラリーを安定させる:レッド/オレンジボールを使用する。 75-85分 − タイブレークの仕方を説明、実演 85-90分 − まとめ バリエーション/追加事項 0-5分 − グラウンドストロークのラリー:イエローボールを使用して行う。 90-120分 − 自由練習−レッドボールを使用してサーブ、レシーブの練習やゲームを行う。 (この練習はコーチが監視しなくてもよい。−コーチは参加者たちに速度の緩やかなボ ールを提供する。) * ラインやコーンを使って四角を作る。 ラインを使ってコートを作る。 *** コーチは上記の練習をオプションとして導入することによって、イエローボールのボールコントロ ールの難しさを体感させる時間を取っても良い。 その場合は10-25分の練習(セルフラリー)のうち5分を代用して実施する。 ** WEEK 1 レッスン内容 0-5分 プログラムの紹介 活 動 ・コーチの自己紹介。 ・参 加 者 に 自 己 紹 介 し て も ら う。 5分間 グラ ウ ン ド ス ト ロ ー ク の ラ リ ー:イエローボールを使用*** 活動 ペアでイエローボールを使用し よくありがちな状況 ラリーしてもらう。サービスか ・ ボ ー ル が 高 く バ ウ ン ド らベースラインまで徐々に下が し、ラケットでボールを る。 とらえる時の安定性がな い ・プレーヤーがボールをコ ントロールできない −5− チェックポイント プレーヤーはサービスボッ クスの中にボールが入って いるか確かめながら行う。 ・ラリーが1、2球で途切 れてしまう ・プレーヤーたちがお互い に強く打ちすぎてしまう 活動 *** コーチは上記の練習をオプションとして導入することによって、イエローボールのボールコントロ ールの難しさを体感させる時間を取っても良い。 その場合は10-25分の練習(セルフラリー)のうち5分を代用して実施する。 * 5-10分 グループウォームアップ *:2 ×2mの四角でレッドボールを 使用 活 プレーヤーはペアを作り、相手 に向 か っ て 下 か ら ボ ー ル を 投 げ、2×2mの四角の中でバウ ンドしたボールをペアの人は動 いて取る。1分後にペアを変え て行う。 動 ラインまたはコーンを使って四角を作る。 10-25分 活 動 実 演 簡単な 方 法 難しい 方 法 * チェックポイント プレーヤーが自分のペアの 名前を知っているかを確認 する。お互いが相手を動か すようにボールを投げるこ と。 セルフラリー *:1×1mの四 角でレッドボールを使用 プレーヤーはボールをラケット よくありがちな状況 に優しく当てて頭の高さくらい ・プレーヤーが手首のみを 使って打っている… ⒜ まで打ち上げ、1×1mの四角 参照 の中でバウンドさせる。 プレーヤーは回数を数え、より ・ラケットの面が不安定… ⒝ ⒞ 参照 長くラリーできるようにする。 ・打点が低すぎるまたは高 1×1mの四角の中で、 すぎる、身体に近すぎる ・フォアハンド側とバックハン … ⒝ 参照 ド側で打ち上げる。 ・プレーヤーが強くボール ・膝を曲げてボールを打ち上げ を打ちすぎているまたは る。 コントロールを失ってい 四角を大きくする。 る… ⒞ ⒠ ⒡ 参照 四角を小さくする。 チェックポイントと解決策 a)ラケットを持って、ス ムーズに下から上にボー ルを打ち上げる。 b)ボールを身体の斜め前 で腰の高さでとらえる。 c)ラケット面はまっすぐ 空の方に向ける。 d)すぐに動ける姿勢を取 る。 e)四角の中にボールを入 れることを強調する。 f)打球時に両足が地面に 着いてバランスがとれた 状態であることを強調す る。 ラインまたはコーンを使ってコートを作る。 25-40分 グラウンドストロークのラリー を安定させる**:レッド/オレ ンジボールを使用 活 ・プレーヤーはペアでサービス よくありがちな状況 チェックポイントと解決策 ボックスの幅のコートでネッ ・打球方向に安定性がない a)身体を捻って横向きの ト越しにラリーする。ただ 状態を作り、打ちたい方 … ⒜ ⒟ ⒡ 参照 し、ベースラインはネットか ・プレーヤーが手首のみを 向にストローク出来てい ら4mに設定する。 使って打っている… ⒝ るか確認する。 ⒢ 参照 動 −6− 実 演 簡単な 方 法 難しい 方 法 ** ・プレーヤーは回数を数え、数 ・ボールを強く打ちすぎて b)手首よりも身体を使っ 多くラリーできるようにす ラリーが続かない… ⒝ てスムーズなストローク る。 ⒞ ⒠ ⒡ 参照 ができるように促す。 ・バランスが悪い、または c)強くまたは速くよりも ・ネットの上を越えるようにボ 窮屈なストロークになっ ゆっくりストロークする ールを高く打ち上げてラリー ている… ⒝ ⒞ ⒟ 参照 ように促す。 を行う。 d)ラケットの面がわずか ・シンプルな動作の基本的なフ に開いた状態で、身体の ォアハンドとバックハンドの 斜め前の腰の高さでボー 打ち方を見せる。 ルをとらえる。 e)ボールが高い弧を描く 1人の人が投げたボールをもう ように打ち上げることに 1人の人が打つ。 注目する。 打った後に毎回ベースラインの f)コートの中にボールを 真ん中に戻るように指示する。 入れることを強調する。 ラインを使ってコートを作る。 40-55分 活 動 実 演 簡単な 方 法 難しい 方 法 グラウンドストロークのラリー を安定させる:レッド/オレン ジボールを使用 ・プレーヤーはペアでフォアハ よくありがちな状況 ンドとバックハンドのストロ ・打球方向に安定性がない ークのラリーをする。 … ⒜ ⒝ ⒞ ⒟ 参照 ・プレーヤーは回数を数え、数 ・プレーヤーが手首のみを 多くラリーできるようにする。 使って打球し、ストロー クに威力がない ・ネットを越すボールを基本的 … ⒞ ⒟ 参照 なフォアハンドとバックハン ・ボールを強く打ちすぎて ドで、バランス良く体の前で ラリーが続かない シンプルに打球する。 … ⒞ ⒟ 参照 ・ショットとショットの間のレ ・ボールの軌道が低く、ネ ディポジションを強調する。 ットにかかってしまって ラリーが続かない レッドボールを使う。小さなコ … ⒟ 参照。 ートに戻す。1人の人が投げた ボールをもう1人が打つ。 コートを大きくする。オレンジ ボールを使う。 チェックポイントと解決策 a)身体を捻って横向きの 状態になっているか、打 ちたい方向に打球できて いるかを確認する。 b)バックハンドを片手に するか両手にするかを選 択させる。 c)強くまたは速くするよ りもゆっくりとストロー クするように促す。 d)ボールが高い弧を描く ようにゆっくり打つ。ボ ールがラケットに当たる 時にわずかに面が開いて いるか確認する。 ルールの確認 ボールがインかアウトかをプレーヤーが理解しているかを確認する。 もしボールがアウトの場合は、ラリーを止める。ボールがライン上でバウンドした時はインとなる。 55-70分 活 動 サーブとレシーブの練習:レッ ド/オレンジボールを使用 ペアで1人は上からのサーブを よくありがちな状況 チェックポイントと解決策 打ち、もう1人がレシーブをす サーブ サーブ る。3 〜 5 回 サ ー ブ を 打 っ た ・サーブ時のバランスが悪 a)トスを真っすぐ上げ、 い… ⒜ ⒝ 参照 らサー ブ と レ シ ー ブ を 交 代 す 上でかつ前でボールをと る。 らえる。 −7− 実 実 演 演 簡単な 方 法 難しい 方 法 基本的な上からのサーブでネッ トを越してサービスボックスに 入れるために以下のこと強調す る。 ・基本 的 な ト ス と サ ー ブ 動 作 (簡略化されたサーブ) ・足は動かさず、ベースライン の後ろから打つ。 ・各ポイントで2回サーブを打 つことができる。 ネットを越してサービスボック ・ボールを強く打ちすぎて レシーブ アウトする … ⒡ ⒢ 参 e) 身体を捻って横向きの スに入れる基本的なレシーブは 照 状態になっているか、ま 以下のことを強調する: たは打ちたい方向にスイ ・動作は今まで学んできたグラ ・ボールの軌道が低く、ネ ングできているかを確認 ットにかかってミスをし ウンドストロークに似ている。 する。 ・レディポジションから少し体 てしまう… ⒢ 参照 f) 強くまたは速くするよ を回してレシーブする。 りもゆっくりとストロー サーバーはセカンドサーブを下か クするように促す。 ら打つ。またはトスを低くし、ラケ g) ボールが高い弧を描く ットを頭の後ろの高い位置に上 ようにゆっくり打つ。ボ げた状態からサーブをする。 ールがラケットに当たる サービスボックスを2つに分割 時にわずかに面が開いて し、ターゲットを設定したサー いるかを確認する。 ブを練習する。 70-75分 サーブ、レシーブ、ラリーを安 定させる:レッド/オレンジボ ールを使用 活 動 これまでの練習を繰り返し行う が、サーブを打ったプレーヤー は返ってきたレシーブをグラン ドストロークで打つという3つ 目のショットが加わる。サーバ ーは1回ずつ交代する。 演 サーバーが3つ目のショットを 打つ前にレディポジションをと ることを強調する。 簡単な 方 法 サーバーはセカンドサーブを下 から 打 つ 。 ま た は ト ス を 低 く し、ラケットを頭の後ろの高い 位置に上げた状態からサーブす る。または前項のサービスリタ ーンのみの練習を繰り返す。 難しい 方 法 サービスボックスを2つに分割 し、ターゲットを設定したサー ブを練習する。 実 ・プレーヤーが強く打ちす b)プレーヤーが傾くこと なくバランスよく、サー ぎている… ⒟参照 ビス動作で足を動かさず に打球できているかを確 レシーブ 認する。 ・打球方向に安定性がない c)肘と手首を伸ばす。ゆ … ⒠ ⒡ ⒢ 参照 っくりと丁寧なボールト ・プレーヤーが手首のみを スができているかを確認 使って打球し、ストロー する。 クに威力がない… ⒡ 参 d)速く打つよりもゆっく 照 り押し出すように打つ。 よくありがちな状況 前項の “ よくありがちな状 況 ” を参照. . . ・レシーブの後のラリーが 続かない… ⒜ 参照 ・サーブの後のラリーが続 かない… ⒝ 参照 −8− チェックポイントと解決策 前項の練習の“チェックポ イントと解決策”を参照。 さらに: a)サーバーとレシーバー の両方のプレーヤーが早 く元の位置に戻り、次 のショットに対する準備 が出来ているかを確認す る。 b)セカンドサーブは下か ら打つかまたは上から手 で投げる。 75-85分 タイブレークの仕方を説明、実 演:レッド/オレンジボールを 使用 活 動 すべてのプレーヤーがレッドボ ールでシングルスのタイブレー クを練習する。もし十分にコー トを使う余裕があれば、プレー ヤーを2人組で分け、それぞれ がタイブレークのゲームを行う。 別の方法としては、プレーヤー を3人組に分けて1人は得点を 数え、サーブが正しいサイドか ら打たれているかを確認する。 実 演 コーチはレッドボールを使った 基本的なタイブレークの説明と デモンストレーションをする。 簡単な 方 法 もし ラ リ ー が 非 常 に 短 か っ た り、続かなかったりする場合は ボールを投げてキャッチする方 法でタイブレークを学ぶ。 85-90分 まとめ 活 ・コーチはレッスンの概要や重 要なポイントをまとめる。質 疑応答の時間を確保すること も重要である。 ・1回目のレッスンが終わった ことを讃え、次のレッスンま でに友達や家族とテニスをす ることを促す。(練習をする ためにレッドボールが必要な 時は貸し出す。) 動 チェックポイントと解決策 よくありがちな状況 ・プレーヤーがカウントを a)タイブレークの得点の 数え方やサーブのサイド 忘れる が正しいかを確認し、 ・プレーヤーがどちらのサ 全てのプレーヤーが理解 イドからサーブを打つか できるようにサポートす 理解していない る。 バリエーション/追加事項 90-95分 グラウンドストロークのラリー: イエローボールを使用*** 活 ペアでイエローボールを使用し よくありがちな状況 ラリーしてもらう。サービスか ・ボールが高くバウンドし、 らベースラインまで徐々に下が ラケットでボールをとら える時の安定性がない る。 ・プレーヤーがボールをコ ントロールできない ・ラリーが1、2球で途切 れてしまう ・プレーヤーたちがお互い に強く打ちすぎてしまう 動 *** チェックポイントと解決策 プレーヤーはサービスボッ クスの中にボールが入って いるか確かめながら行う。 コーチは上記の練習をオプションとして導入することによって、イエローボールのボールコントロ ールの難しさを体感させる時間を取っても良い。 その場合は10-25分の練習(セルフラリー)のうち5分を代用して実施する。 −9− 95-120分 活 実 動 演 簡単な 方 法 難しい 方 法 自由な練習−レッドボールを使 用したサーブ、レシーブやゲー ムの練習(コーチは監視しなく ても良い) プレーヤーはペアでサーブを交 代で打ち、ゲームを行う。もし ゲームの仕方を理解していたら 得点を数えながらゲームする。 5分毎にペアを変える。 チェックポイントと解決策 よくありがちな状況 前項の “ よくありがちな状 前項の練習の“チェックポ イントと解決策”を参照。 況 ” を参照. . . ・レシーブの後のラリーが 続かない… ⒜ 参照 サーブ、レシーブ、得点などゲ ・サーブの後のラリーが続 さらに: ームの中の一連の流れを短いデ かない… ⒝ 参照 a)サーバーとレシーバー モンストレーションで見せる。 の両方のプレーヤーが早 く元の位置に戻り、次の レッドボールを使う。セカンド ショットに対する準備が サーブは下から打つ。 出来ているか確認する。 レベルを合わせたペアを作るこ b)セカンドサーブは下か とで、より挑戦的な練習に取り ら打つかまたは上から手 組ませる。オレンジボールでプ で投げる。 レーする。 この練習はコーチが監視しなくてもよい。−コーチは参加者たちに速度の緩やかなボールを提供する。 − 10 − 2週目 概要要旨 レッスンの目標 ベースラインからのグラウンドストロークを安定させる(レッド/オレンジボール) 相手をベースラインから動かし、最適なコートポジションでプレーする(レッド/オレンジボール) サーブとレシーブ(レッド/オレンジボール) タイブレークのゲームをする(レッド/オレンジボール) レッスンの概要 0-5分 − レッスンの内容を説明する。 5-10分 − グループウォームアップ*:2×2mの四角でレッド/オレンジボールを使用して行う。 10-20分 − 先週の練習の復習:ベースラインでのラリーを安定させる。 :レッド/オレンジのコートサイズとボールを使用する。 20-35分 − ベースラインでのラリーで相手を動かす :レッド/オレンジのコートサイズとボールを使用する。 35-50分 − ベースラインでのラリーを安定させる:オレンジのコートサイズとボールを使用する。 50-60分 − ベースラインでのラリーで相手を動かす: オレンジのコートサイズとボールを使用する。 60-70分 − オレンジのコートサイズとボールを使って得点の仕方を練習する。 70-85分 − ラリーと得点の練習:オレンジのコートサイズとボールを使用する。 85-90分 − まとめ バリエーション/追加事項 90-120分 − 自由な練習: オレンジのコートサイズとボールを使用する。 (この練習はコーチが監視しなくてもよい。−コーチは参加者たちに速度の緩やかなボ ールを提供する。) * ラインまたはコーンで四角を作る。 WEEK 2 0-5分 レッスン内容の説明 活 動 ・プレーヤーたちに先週のレッ スンで何をしたか、自主練習 はどうだったかを尋ねる。 ・今回のレッスンの目標を説明 する。 5-10分 グループウォームアップ *:2 ×2mの四角でレッド/オレン ジボールを使用 活 ペアになってプレーヤーAはダ ブルスのサイドライン、プレー ヤーBはシングルスのサイドラ インに向かい合って立つ。プレ ーヤーAは1、2、3と声を出 しBの肩の高さくらいにボール を下から投げ、プレーヤーBは、 動 レッスン内容 ・ウォームアップの過程と して初めはゆっくりとし た動きから始めてだんだ ん動きを速くしていく。 ・プレーヤーはパートナー の名前をお互いに知って いるか? − 11 − 活 * 動 ボールを追いかけて言われた回 数のバウンドでボールをキャッ チする。30秒たったらAとBは 交代する。また3分後ペアを変 える。 ラインまたはコーンを使って四角を作る。 10-20分 活 動 実 演 簡単な 方 法 先週のレッスンの復習:ベース ライン で の ラ リ ー を 安 定 さ せ る:レッド/オレンジボールを 使用 プレーヤーはペアでフォアハン よくありがちな状況 ドとバックハンドを使ってサー ・打球方向に安定性がない … ⒜ ⒝ ⒞ ⒟ 参照 ビスボックス内でラリーする。 2分毎にペアを変える。ラリー ・プレーヤーが手首のみを 使って打球し、ストロー が続いた回数を数える。 クに威力がない… ⒞ ⒟ コンパクトなスイングでのフォ 参照 アハンドとバックハンドを練習 ・ボールを強く打ちすぎて する。打つ前にレディポジショ ラリーが続かない ンでいることを強調する。 … ⒞ ⒟ 参照 ・ボールの軌道が低く、ネ レッドボールを使い、コートの ットにかかってしまって 大きさを小さくする、または1 ラリーが続かない 人のプレーヤーが投げたボール …⒟ 参照 を打つ。 難しい 方 法 オレンジボールを使い、コート の大きさを大きくする。 20-35分 ベースラインでのラリーで相手 を動かす: レッド/オレンジ ボールを使用 活 動 実 演 よくありがちな状況 ペアで1人のプレーヤーは全て ・打球方向に安定性がない のショットをクロスに返し、もう1 … ⒜ ⒞ 参照 人のプレーヤーはストレートに返 ・ボールがネットにかかっ す。1分毎に役割を変える。また4 たり、バウンドが短くな 分毎にペアを変える。 ったりする … ⒝ ⒟ 参照 ・特にスイングの方向とラケット ・ストレートに打つ時に打 の面がボールを打ちたい方向 点が遅れる に向いていることを強調して … ⒞ 参照 デモンストレーションする。 ・なぜ相手を動かすことがテニ スにおいて大事かを説明す る。 − 12 − チェックポイントと解決策 a)身体を捻って横向きの 状態になっているか、ま たは打ちたい方向にスイ ングできているかを確認 する。 b)バックハンドを片手に するか両手にするかを選 んでもらう。 c) 強くまたは速くする よりもゆっくりとストロ ークするように促す。 d)ボールが高い弧を描く ようにゆっくり打つ。ボ ールがラケットに当たる 時にわずかに面が開いて いるか確認する。 チェックポイントと解決策 a)身体を回して打球方向 に向かってスイングす る。 b)手首ではなく身体を使 ってストロークできてい るかを確認する。 c)テイクバックを早くし て身体の少し前でボール をとらえる。 d)ボールの軌道が弧を描 くように、低いところか ら高いところにスイング する。 簡単な 方 法 レッドボールを使う。コートの 大きさを小さくする。1人のプ レーヤーが投げたボールをもう 1人のプレーヤーがクロスとス トレートに打つ。1人のプレー ヤーが左右に動き、もう1人の プレーヤーは同じポジションで ラリーをする。 難しい 方 法 コートの大きさを大きくする。 オレンジボールを使う。 ルールの確認 ボールがインの時とアウトの時をプレーヤーが理解しているかを確かめる。 もしボールがアウトした時は、相手にはっきりとすぐにアウトのコールをし、ラリーを止める。ボー ルがライン上でバウンドした時はインとなる。 35-50分 活 動 実 演 ベースラインでのラリーを安定 させる:オレンジのコートとボ ールを使用 よくありがちな状況 ・プレーヤーたちはペアでオレ ・ストロークが浅くなる ンジコートでラリーする。3 … ⒜ ⒝ 参照 分毎にペアを変える。 ・手首のみを使って打って ・プレーヤーは回数を数え、数 いるためショットに威力 多くラリーできるようにす がない… ⒜ ⒝ 参照 る。 ・ボールの軌道が低く、ネ ットにかかってしまって 相手との距離がより長いコート ラリーが続かない で必要な動作を示す: … ⒞ 参照 ・わずかに大きくスイングする こと ・早くテイクバックすること ・ネットの高いところを通すこ と 簡単な 方 法 オレンジボールを使ってサービ スボックスでラリーする。 難しい 方 法 フォアハンドのクロスラリー、 バックハンドのクロスラリーを それぞれ練習する。 50-60分 ベースラインでのラリーで相手 を動かす: オレンジのコートと ボールを使用 − 13 − チェックポイントと解決策 a)素早く大きくテイクバ ックすることでボールを 深く打つことができる。 b)身体を使ってスムーズ にスイングする。 c)低い位置から高くスイ ングする。 動 ・プレーヤーはペアでコート半 面を使ってサーブから始め、 1人のプレーヤーはクロスの みに打ち、もう1人はストレ ートのみに打つ。2分毎に役 割を変える。1番続いたラリ ーの回数を数えておく。 ・参加者の人数によってはコー トを2分割するか、あるいは フルコートを使い分けて、ラ リーする順番と休憩する順番 でローテーションできるよう にする。 演 この練習で注目すること ・相手のことを動かす時に安定 性を保つこと ・ネットの高いところを通すこと ・打ちたい方向にラケットの面 を向けること 簡単な 方 法 サーバーはセカンドサーブを下 から打 つ 。 ま た は ト ス を 低 く し、ラケットを頭の後ろの高い 位置に上げた状態からサーブす る。または前項のサービスリタ ーンのみの練習を繰り返す。 難しい 方 法 サービスボックスを2つに分割 し、ターゲットを設定したサー ブを練習する。 60-70分 オレンジボールを使用して得点 の仕方を学ぶ 活 動 2人のプレーヤーは1ゲーム、 ノーアドバンテージのゲームを 行う。( ノーアドバンテージは、 ITFテニスルールブックの付録 4に基づいてプレーされます。) コーチ が ネ ッ ト 際 で 得 点 を 数 え、他のプレーヤーたちはゲー ムを見る。 演 ・どのように得点を数えるか。: 15-0、15-15、15-30など ・サーバーの得点を最初にコー ルする。例30-0(ラヴ):「ラ ヴ」はプレーヤーの得点が 「0」の時に使われる。 活 実 実 よくありがちな状況 ・打球方向に安定性がない … ⒜ ⒞ 参照 ・ストロークに高さや深さ がない… ⒝ ⒞ ⒟ 参照 ・ボールの軌道が低く、ネ ットにかかってしまって ラリーが続かない … ⒞ ⒟ 参照 ・プレーヤーがボールを打 つまでに余裕がない… ⒞ ⒠ 参照 − 14 − チェックポイントと解決策 a)身体を回して打球方向 に向かってスイングす る。 b)手首ではなく身体を使 ってストロークできてい るか確認する。 c)テイクバックを早くし て身体の少し前でボール をとらえる。 d)ボールの軌道が弧を描 くように、低いところか ら高いところにスイング する。 e)レディポジションで構 えて集中し、リラックス してリズミカルにボール へ移動して打球する。 ・40-40の時はノーアドバンテ ージを行う。 (次のポイントを取 った方が勝ち。) ・各ポイントで2回サーブを打 つことができる。 ・各ポイントでサーブのサイド を変える。 ・どのようにポイントが終わる か(2バウンドした時、ボー ルがネットにかかった時、ア ウトした時、プレーヤーにボ ールが当たった時) ・ゲームの数え方1-0、1-1、 2-1、2-2など 70-85分 オレンジコートとボールを使用 してラリーと得点の仕方を学ぶ 活 動 ラリーをして得点を競い合う。 演 ・オレ ン ジ コ ー ト を 2 つ に 分 け、2人のプレーヤーがどの ようにラリーし、得点を付け るかをデモンストレーション する。プレーヤーはサーブを 上からまたは下から打って試 合をする。プレーヤーは半面 でプレーするので、サーブを クロスではなくストレートに 打ち、サイドをチェンジしな くても良い。 ・もし可能なら、全てのプレー ヤーがサービスゲームを経験 できるようにする。 実 85-90分 まとめ 活 コーチはレッスンの概要や重要 なポイントをまとめる。質疑応 答の時間を確保することも重要 である。 安定性と相手を動かすという2 つの戦術を強調する。また次の レッスンまでに友達や家族とテ ニスをすることを促す。 動 − 15 − バリエーション/追加事項 90-120分 活 動 自由な練習:オレンジコートと ボールを使用 ・プレ ー ヤ ー は 3 人 1 組 を 作 り、1人はサーブ、1人はレ シーブ、もう1人は得点を数 える。 ・1ゲームまたはタイブレーク のゲームを行い、デュースは ノーアドバンテージにする。 それぞれゲームが終わったら 役割を変えて全てのプレーヤ ーが1通り練習できるように する。 この練習はコーチが監視しなくてもよい。−コーチは参加者たちに速度の緩やかなボールを提供する。 − 16 − 3週目 概要要旨 レッスンの目標 基本的なサーブとレシーブを利用して相手を動かす(レッド/オレンジボール) シングルスでのポジショニングを理解する シングルスとダブルスをベースライン上でプレーする。 相手をベースラインから動かし、最適なコートポジションでプレーする 1セットの試合での得点の仕方を学ぶ レッスンの概要 0-5分 − レッスンの内容を説明する。 5-10分 − グループウォームアップ:サービスボックスでオレンジボールを使用する。 10-25分 − ベースラインでのラリーで相手を動かす :オレンジコートのサービスボックスでオレンジボールを使用する。 25-40分 − ベースラインでのラリーで相手を動かす :オレンジコートのサービスボックスでオレンジボールを使用する。 40-60分 − サーブとレシーブで相手を動かす :オレンジコートのサービスボックスでオレンジボールを使用する。 60-70分 − サーブとレシーブで相手を動かす :オレンジコートのサービスボックスでオレンジボールを使用する。 70-85分 − サーブとレシーブで相手を動かす:オレンジコートとボールを使用する。 85-90分 − まとめ バリエーション/追加事項 90-180分 − 自由な練習−サーブ、レシーブ、相手を動かすことに焦点をあてた試合 :オレンジコートとボールを使用する。 (この練習はコーチが監視しなくてもよい。−コーチは参加者たちに速度の緩やかなボ ールを提供する。) WEEK 3 0-5分 レッスン内容の説明 活 動 プレーヤーたちに先週のレッス ンで何をしたか、自主練習はど うだったかを尋ねる。特にラリ ーしたり、得点を数えながらゲ ームをしたかどうかを尋ねる。 今回のレッスンの目標を説明す る。 5-10分 グループウォームアップ:オレ ンジボールを使用 活 動 レッスン内容 チェックポイントと解決策 ・ウォームアップの過程と してゆっくりとした動き から始めて、徐々に動き を速くしていく。 プレーヤーはペアでサービスボ ックスの中で協力し合いながら クロスラリーをする。下からま たは上からのサーブで始める。 − 17 − 活 ・クロスコートの方向に打 球出来ているかを確認す る。 ・プレーヤーはパートナー の名前をお互いに知って いるかを確認する。 動 10-25分 ベースラインでのラリーで相手 を動かす:オレンジボールを使 用 プレーヤーは交代しながらペア で4つのサービスボックスを使 って相手を動かす練習をする。 1人のプレーヤーは右のコート のサービスラインに定位置で立 ち、もう1人のプレーヤーは動 きながらクロスとストレートを 打ちわけ、右のコートにいる定 位置のプレーヤーに向かってボ ールを返す。 活 実 動 演 人数によって、もしコートの中 に2人以上のプレーヤーがいる 場合は、固定のプレーヤーと動 くプレーヤーの役割を交代した り、コートに入っている人と入 っていない人を交代したりする ようにする。2分毎に役割を交 代する。1番長く続いたラリー の回数を数えておく。人数によ ってプレーヤーたちのラリーの 回数を考慮して2つのオレンジ コートを使うか、または1つの コートでローテーションする。 よくありがちな状況 ・打球方向に安定性がない … ⒜ ⒞ を見る ・ストロークに高さや深さ がない… ⒝ ⒞ ⒟ を見 る ・ボールの軌道が低く、ネ ットにかかってしまって ラリーが続かない… ⒞ ⒟ を見る またバランスが悪いため にラリーが続かない ⒡ を見る ・プレーヤーがボールを打 つまでに余裕がない… ⒞ ⒠ を見る この練習で注目すること: ・相手を動かしている時に安定 性を保つこと ・ラケットのスイングの方向が 打ちたいボールの方向に向い ていること(クロスでもスト レートでも) ・ネットの高いところをボール が通過すること ・バランス良く打球できる準備 動作と次のショットへの素早 いリカバリー動作 − 18 − チェックポイントと解決策 a)身体を回して打ちたい 方向にスイングしてボー ルを打つ。 b)手首ではなく身体を使 ってストロークできてい るか確認する。 c)テイクバックを早くし て身体の前でボールをと らえる。 d)ボールの軌道が弧を描 くように、低いところか ら高いところにスイング する。 e)レディポジションで構 えて集中し、リラックス してリズミカルにボール へ移動して打球する。 f)プレーヤーはコートの 中を移動しボールを打つ 時にバランスが取れてい る。 簡単な 方 法 移動距離を短くするためにコー トの幅を狭くする。より遅いレ ッドボールを使用したり、クロ スコートのみに打つ。 難しい 方 法 ラリーでフォアハンドよりもバ ックハンドを多く使うようにす る。同じ練習をオレンジコート の全面を使って行う。 25-40分 ベースラインでのラリーで相手 を動かす:オレンジボールを使用 活 動 プレーヤーたちは交代しながら ペアで4つのサービスボックス を使って相手を動かす練習をす る。プレーヤーは相手のサービ スボックスのどこに打ってもよ いが、相手がいないところに打 ち、動かすようにする。プレー ヤーは右のコートから対角線上 にサーブを打ってから始める。 コーチはプレーヤーがグラウン ドストロークで相手を動かす技 術を持っているかを確認しなけ ればならない。 実 演 よくありがちな状況 ・打球方向に安定性がない … ⒜ ⒞ 参照 ・ストロークに高さや深さ がない… ⒝ ⒞ ⒟ 参照 ・ボールの軌道が低く、ネ ットにかかってしまって ラリーが続かない… ⒞ ⒟ 参照 またバランスが悪いため にラリーが続かない ⒡ 参照 ・プレーヤーがボールを打 つまでに余裕がない… この練習で注目すること ⒞ ⒠ 参照 ・相手を動かしている時に安定 性を保つこと ・ラケットのスイングの方向が 打ちたいボールの方向に向い ていること(クロスでもスト レートでも) ・ネットの高いところをボール が通過すること ・ボールを打つ時にバランスが 取れ、打った後の戻りも早 く、次のショットへの準備が しっかり出来ていること。 簡単な 方 法 動く距離を短くするためにコー トの大きさを狭くする。または ボールをオレンジボールよりも 遅いレッドボールにしたり、ク ロスコートのみに打つようにし たりする。 難しい 方 法 ラリーでフォアハンドよりもバ ックハンドを多く使うようにす る。または同じ練習をオレンジ コートの全面を使って行う。 − 19 − チェックポイントと解決策 a)身体を回して打球方向 に向かってスイングす る。 b)手首ではなく身体を使 ってストロークできてい るかを確認する。 c)テイクバックを早くし て身体の少し前でボール をとらえる。 d)ボールの軌道が弧を描 くように、低いところか ら高いところにスイング する。 e)しっかりレディポジシ ョンを取ることに注意 し、余裕を持って動いて ボールを打つ。 f)プレーヤーはコートの 中を動きながらボールを 打つ時にバランスが取れ ている。 40-60分 活 実 動 演 サーブとレシーブで相手を動か す:オレンジボールを使用 よくありがちな状況 プレーヤーはペアで対角線上の サーブ コートに入り、1人のプレーヤ ・サーブ時のバランスが悪 ーは上からサーブ(2球)を打 い… ⒜ 参照 ち、もう1人のプレーヤーがレ ・トスがまっすぐ上げられ シーブする。サービスリターン ていない、またはトスの が成功した回数を数えておく。 位置がコントロールでき 3ポイント終わったら役割を交 ていない… ⒝ ⒞ 参照 代する。 ・プレーヤーが強く打ちす ぎている… ⒟ 参照 この練習で注目すること: ・基本的な上からのサーブ動作 ・両腕と身体がタイミング良く 連動して動いていること ・レシーブの時にしっかりとレ ディポジションが取れている こと ・サービスリターンの最終目標 はクロスコートで相手を動か すこと ・サービスリターンに関するル ールを学ぶこと(下記のルー ルを確認) 簡単な 方 法 サーブを下から打つ。 難しい 方 法 サービスボックスを2つに分割 し、ターゲットを設定したサー ブを練習する。どちらのサイド へサ ー ブ す る か を 事 前 に 伝 え る。 チェックポイントと解決策 サーブ a) 上半身が前のめりに ならず両足が肩幅くらい でバランスが保たれてい るか。 b)ゆっくりトスを上げ る。 c)まっすぐわずかに前に トスを上げる。 d)スピードよりも安定性 に注目する。 レシーブ ・打球方向に安定性がない レシーブ e)身体を捻って横向きの … ⒠ 参照 状態になっているか、ま ・プレーヤーが手首のみを たは打ちたい方向にスイ 使って打球し、ストロー ングできているかを確認 クに威力がない… ⒠ ⒡ する。 参照 ・ボールの軌道が低く、ネ f)強くまたは速くよりも スムーズにゆっくりとス ットにかかってミスをし トロークするように促 てしまう… ⒢ 参照 す。 g)ボールが高い弧を描く ようにゆっくり打つ。ボ ールがラケットに当たる 時にわずかに面が開いて いるか確認する。 ルールの確認 サーブはサービスボックス内でバウンドしなければならないことを確認する。ボールがネットにかか った場合はフォルトとなり、サーバーはセカンドサーブを打つ。 ボールがネットに当たってから相手のサービスボックスに落ちた場合はレットとなり、ファーストサ ーブから打つことができる。ボールがライン上にバウンドした時はインとなる。もしサーブがフォル トした時は、レシーバーははっきりとすぐにアウトのコールをし、サーバーはセカンドサーブを打 つ。2回フォルトした場合、ダブルフォルトとなりレシーバーのポイントとなる。 − 20 − 60-70分 サーブとレシーブで相手を動か す:オレンジボールを使用 活 プレーヤーはペアでサービスボ ックスの中に入り、1人のプレ ーヤーは上からサーブ(2球) を打ち、もう1人のプレーヤー がストレートにリターンし、サ ービスボックス内でラリーをす る。クロスにサーブを打ってス トレートへのリターンが成功し た回数を数えておく。3ポイン ト終わったら役割を交代する。 コーチはもしコートの外で待っ ているプレーヤーがいる場合は ローテーションするように指示 する。 実 動 演 よくありがちな状況 サーブ ・サーブ時のバランスが悪 い… ⒜ 参照 ・トスがまっすぐ上げられ ていない、またはトスの 位置がコントロールでき ていない… ⒝ ⒞ 参照 ・プレーヤーが強く打ちす ぎている… ⒟ 参照 チェックポイントと解決策 サーブ a)上半身が前のめりにな らず両足が肩幅くらいで バランスが保たれている かを確認する。 b)ゆっくりトスを上げ る。 c)まっすぐわずかに前に トスを上げる。 d)スピードよりも安定性 に注目する。 レシーブ ・打球方向に安定性がない レシーブ … ⒠ 参照 ・プレーヤーが手首のみを e)身体を捻って横向きの 状態になっているか、ま 使って打球し、ストロー この練習で注目すること: たは打ちたい方向にスイ クに威力がない… ⒠ ⒡ ・基本的な上からのサーブ動作 ングできているかを確認 参照 ・両腕と身体がタイミング良く する。 ・ボールの軌道が低く、ネ 連動して動いていること ットにかかってミスをし f)強くまたは速くよりも ・レシーブの時にしっかりとレ スムーズにゆっくりとス てしまう… ⒢ 参照 ディポジションが取れている トロークするように促 こと す。 ・サービスリターンの最終目標 g)ボールが高い弧を描く はクロスコートで相手を動か ようにゆっくり打つ。ボ すこと ールがラケットに当たる ・サービスリターンに関するル 時にわずかに面が開いて ールを学ぶこと(下記のルー いるかを確認する。 ルを確認) 簡単な 方 法 サーブを下から打つ。 難しい 方 法 オレンジコートのベースライン でプレーする。サービスボック スを2つに分割し、ターゲット を設定したサーブを練習する。 どちらのサイドへサーブするか を事前に伝える。 70-85分 サーブとレシーブで相手を動か す:オレンジコートとボールを 使用 − 21 − 活 実 動 演 プレーヤーはペアでオレンジの フルコートに入り、1人のプレ ーヤーは上からサーブ(2球) を打ち、もう1人のプレーヤー がストレートにリターンし、ラ リーをする。クロスにサーブを 打ってストレートへのリターン が成功した回数を数えておく。 3ポイント終わったら役割を交 代する。コーチはもしコートの 外で待っているプレーヤーがい る場合はローテーションするよ うに指示する。 ゲーム形式を利用することも可 能。 下からサーブを打つ。 難しい 方 法 オレンジコートのベースライン でプレーする。サービスボック スを2つに分割し、ターゲット を設定したサーブを練習する。 どちらのサイドへサーブするか を事前に伝える。 85-90分 まとめ 動 チェックポイントと解決策 サーブ a) 上半身が前のめりに ならず両足が肩幅くらい でバランスが保たれてい るかを確認する。 b)ゆっくりトスを上げ る。 c)まっすぐわずかに前に トスを上げる。 d)スピードよりも安定性 に注目する。 レシーブ ・打球方向に安定性がない レシーブ e)身体を捻って横向きの … ⒠ 参照 状態になっているか、ま ・プレーヤーが手首のみを この練習で注目すること: たは打ちたい方向にスイ 使って打球し、ストロー ・基本的な上からのサーブ動作 ングできているかを確認 クに威力がない… ⒠ ⒡ ・両腕と身体がタイミング良く する。 参照 連動して動いていること ・レシーブの時にしっかりとレ ・ボールの軌道が低く、ネ f)強くまたは速くするよ りもスムーズにゆっくり ットにかかってミスをし ディポジションが取れている とストロークするように てしまう… ⒢ 参照 こと 促す。 ・サービスリターンの最終目標 g)ボールが高い弧を描く はクロスコートで相手を動か ようにゆっくり打つ。ボ すこと ールがラケットに当たる ・サービスリターンに関するル 時にわずかに面が開いて ールを学ぶこと(下記のルー いるか確認する。 ルを確認) 簡単な 方 法 活 よくありがちな状況 サーブ ・サーブ時のバランスが悪 い… ⒜ 参照 ・トスがまっすぐ上げられ ていない、またはトスの 位置がコントロールでき ていない… ⒝ ⒞ 参照 ・プレーヤーが強く打ちす ぎている… ⒟ 参照 コーチはレッスンの概要や重要 なポイントをまとめる。質疑応 答の時間を確保することも重要 である また次のレッスンまでに友達や 家族と テ ニ ス を す る こ と を 促 す。 − 22 − バリエーション/追加事項 90-120分 活 動 自由な 練 習 − サ ー ブ 、 レ シ ー ブ、相手を動かすことを使った ゲーム:オレンジコートとボー ルを使用 プレーヤーはサーブを交代しな よくありがちな状況 レッスンの中の“よくあり がら、ペアで試合をする。 がちな状況”を参照。 − 23 − チェックポイント レッスンの中の“チェック ポイントと解決策”を参 照。 4週目 概要要旨 レッスンの目標 シングルスにおいてネットプレーを学ぶ(オレンジ/グリーンボール) シングルスにおいて異なるゲーム状況を組み合わせる 基本的なダブルスのプレーとポジショニング(オレンジ/グリーンボール) 基本的なダブルスのフォーメーション:雁行陣(オレンジ/グリーンボール) ダブルスでのサーブとレシーブを練習する(オレンジ/グリーンボール) レッスンの概要 0-5分 − レッスン内容の説明をする。 5-10分 − シングルスのウォームアップ:オレンジボールを使用する。 10-15分 − 先週のレッスンの復習−グラウンドストロークの安定性とラリーで相手を動かす :オレンジボールを使用する。 15-40分 − シングルスにおいて異なったゲームの状況を組み合わせる:オレンジボールを使用する。 40-55分 − 基本的なダブルスの形式を学ぶ:オレンジボールを使用する。* 55-65分 − ダブルスでのサーブとレシーブを練習する:オレンジボールを使用する。 65-75分 − ダブルスでのラリーを安定させる:オレンジボールを使用する。 75-85分 − ダブルスのゲームをする:オレンジボールを使用する。 85-90分 − まとめ バリエーション/追加事項 90-120分 − 自由なダブルスの練習:オレンジボールを使用する。 (この練習はコーチが監視しなくてもよい。−コーチは参加者たちに速度の緩やかなボ ールを提供する。) * それぞれのプレーヤーが1つのサービスボックスに入る。 WEEK 4 0-5分 レッスン内容の説明 活 動 プレーヤーに先週のレッスンで 何をしたかを確認し、2週目以 降にどのように自主練習してき たかについて尋ねる。 今回のレッスンの目標を説明す る。 5-10分 シングルスのウォームアップ: オレンジボールを使用 活 プレーヤーはペアを作ってサー ビスボックス内でボールを投げ たり 、 取 っ た り し な が ら シ ン グル ス の ゲ ー ム 形 式 を 行 う 。 サービスボックスを2つに分割 動 レッスン内容 チェックポイント ・ウォームアップの過程と してゆっくりとした動き から始めて、徐々に動き を速くしていく。 − 24 − し、サーバーが狙うためのター ゲットを設定する。一般的なル ールで行うが、1ポイント毎に サーブを交代する。サーブは上 からか、または下から投げる。 さらにサーブはクロスのサービ スボックス内に入れ、相手を動 かせるようにする。 10-15分 先週のレッスンの復習:グラウ ンドストロークの安定性とラリ ーで相手を動かす(オレンジボ ールを使用) 活 プレーヤーはペアでグラウンド ストロークのウォームアップを し、1番長く続いたラリーの回 数を数えておく。ラリーの初め はサーブから始める。また3分 後にペアを変える。もしプレー ヤーが得点の数え方を覚えてい れば、得点を数えながらラリー する。 実 動 演 15-40分 活 動 実 演 ・プレーヤーはパートナー の名前をお互いに知って いるかを確認する。 チェックポイント ・前回のレッスン中の“チ ェックポイントと解決 策”を参照。 ・コーチはプレーヤーのス トロークについてあまり 多く指示しないように し、プレーヤーが自分の ストロークをウォームア ップできるようにする。 またプレーヤーたちにス トロークの安定性と相手 を動かすという戦術的目 標にも焦点をあてさせ る。 この 練 習 は 相 手 を 動 か す こ と と、基本的なコンパクトなスイ ングを強調する。 シングルスにおいて異なるゲー ムの状況を組み合わせる:オレ ンジボールを使用 この練習の目的はレッスンで学 よくありがちな状況 習した異なるゲーム状況を使っ ・ プ レ ー ヤ ー は 動 き が 悪 く、元の位置に戻れてい てプレーすることである。 ない。 以下のデモンストレーションで ・プレーヤーがネットまで どのようにラリーを展開するか 詰めず、コートの真ん中 を見せる。 でプレーしている。 ・ベ ー ス ラ イ ン で サ ー ブ を 打 ・プレーの選択肢を誤った ち、それから途切れるまでラ ため、ラリーがすぐ途切 リーをする。 れてしまう。 ・サーブを打ち、それからネッ トまで詰めてボレーをする。 ・レシーブをしてそれからネッ トに詰めてボレーをする。 − 25 − チェックポイント a)プレーヤーたちが異な るゲーム状況を使ってい るか? b)プレーヤーはベースラ インで安定してプレーで きているか? c)ネットに詰めるタイミ ングをプレーヤーは理解 しているか? d)相手がネットに詰めて きた時にどのように対処 すべきかを理解している か? 演 参加者たちはそれぞれのポイン トで何をすべきか選択し、また 自分たちが安定してプレーでき るコートの大きさやボールで練 習しなければならない。 簡単な 方 法 プレーヤーたちに1つだけゲー ムの状況を選択させ、速度の緩 やかなボールと小さなコートを 使って練習する。 難しい 方 法 プレーヤーは連続したポイント の中での異なったゲームの状況 を選択し、速いボールと大きい コートを使って練習する。 40-55分 基本的 な ダ ブ ル ス の 形 式 を 学 ぶ:オレンジボールを使用 活 動 プレーヤーは4人のグループを 作り、 ダ ブ ル ス の ラ リ ー を す る。すべてのプレーヤーはグラ ウンドストロークでラリーを始 めるが、ラリー中にネットに詰 めてもよい。安定してラリーす ることと相手のコートの空いて いるスペースを見つけて打つこ とに焦点をあてる。 実 演 実 簡単な 方 法 難しい 方 法 * チェックポイント よくありがちな状況 ・プレーヤーが強く打ちす a)コンパクトなスイング でインパクトを意識し、 ぎている… ⒜ 参照 相手のコートの空いてい ・プレーヤーが個人プレー る角度やスペースを見つ をしている、またはペア けて打つ。 のスペースに入ってプレ b)自分がボールを取ると ーしている… ⒝ 参照 ペアに伝えたり、コート ・プレーヤーがずっとベー のセンターに来たボール スラインでプレーしてい をしっかりケアしたり、 る… ⒞ 参照 以下のことに焦点をあててデモ あるいはポイント毎にハ ンストレーションする: イタッチしてペアとのコ ・ペアとコミュニケーションを ミュニケーションを図 取り、自分のスペースをカバ る。 ーすることの重要性。 c)プレーヤーたちのプレ ・ネットまたはベースラインで ーが安定していて落ち着 どのようにプレーするか。 いている時はネットにつ ・相手のコートの空いているス めてボレーするように促 ペースに打つこと。 す。 ネットに詰めずにグラウンドス トロークのみでプレーするよう “雁行陣”:1人がネット に促す。 前、もう1人がベースライ ラリーの中で最初のボレーを打 ンでプレーするダブルスの った後は、ベースラインに下が フォーメーション。 らず、ボレーする。 プレーヤーが、それぞれのサービスボックスをカバーする。 ルールの確認 サーバーがフットフォルトについて知っているかを確認する。初期のレベルではここまでのルールを 必ずしも適用しないが、サーバーとして知っておく必要がある。 − 26 − 55-65分 ダブルスでのサーブとレシーブ を練習する:オレンジボールを 使用 活 動 前の練習を繰り返すが、この練 習ではオレンジコートを全面使 う。 演 ・わずかに大きくスイングし、 レシーブではネットの高いと ころを通す必要がある。 ・コートが大きくなったので打 てる角度も変わることを強調 する。 65-75分 ダブル ス の ラ リ ー を 安 定 さ せ る:オレンジボールを使用 実 活 動 実 演 よくありがちな状況 ・クロスコートでラリーす るのが難しい…⒜、⒝参 照 ・ラリー中にボレーヤーが 後ろに下がってしまう… ⒞参照 ・注意‐プレーヤーたちは 4週目でボレーの練習を この練習で注目すること: 始めたので、ここではボ ・ネットプレーヤーにボレーさ レーの技術については心 れないように、レシーブやク 配しなくてよい。 ロスラリーをする。 ・元の場所に戻り、よいポジシ ョンを保つ。 ・どのようにネットプレーヤー がラリーを阻止するか。 前の練習を繰り返すが、ボレー ヤーにボレー(ポーチ)されない ようにしながら、相手と協力し てレシーブの後のラリーが続く ようにする。それぞれのプレー ヤーがすべての役割を練習でき るように3回ラリーをしたらポ ジションをローテーションする。 簡単な 方 法 少し長くサービスボックスの中 でのラリーをする。 難しい 方 法 サーバーとレシーバーは、サー ブまたはレシーブした後にネッ トに詰める。 75-85分 ダブルスのゲームをする:オレ ンジボールを使用 活 コーチがノーアドバンテージの ゲームを4人のプレーヤーにデ モンストレーションさせ、その 間他の参加者はゲームを見る。 動 − 27 − チェックポイント a)レシーブやグラウンド ストロークの時にタイミ ングよく身体を捻り、 基本的なスウィングをす る。 b)打ちたい方向にラケッ トの面を向け、スウィン グする。 c)ロブの場合以外、ボレ ーヤーはネットに詰めて おく。 実 演 ・サーブはデュースサイドから 始め、その後は1ポイント毎 にサイドを変える。 ・ダブルスでのレシーブではサ イドは変わらないが、サーバ ーとそのペアは1ポイントご とにサイドを替える。 ・“雁行陣”のフォーメーション ・1ゲーム目にペア1がサーブ を打ったら2回目のサービス ゲームではペア2の1人がサ ーブを打ち、3回目のサービ スゲームでは1ゲーム目に打 っていないペア1のプレーヤ ーがサーブを打つ。最後にま だサーブを打っていないペア 2のプレーヤーがサーブを打 つ。5回目のサービスゲーム では、ペア1の最初にサーブ を打ったプレーヤーがまたサ ーブを打つ、といったサーブ の順序を説明する。 85-90分 まとめ 活 コーチはレッスンの概要や重要 なポイントをまとめる。質疑応 答の時間を確保することも重要 である。 ダブルスにおいてコミュニケー ション、クロスコートでのプレ ー、空いているスペースを見つ けることを強調する。プレーヤ ーたちに次のレッスン前にダブ ルスのゲームを練習するように 促す。 動 バリエーション/追加事項 90-120分 活 動 自由なダブルスの練習:オレン ジボールを使用 4人のグループを作ってダブル スのゲームをする。使用するボ ールは各自で選び、4ゲーム終 わったらペアを代える。またプ レーヤーは1ポイント毎にポイ ントをコールする。 この練習はコーチが監視しなくてもよい。−コーチは参加者たちに速度の緩やかなボールを提供する。 − 28 − ルールの確認 プレーヤーたちが今まで学んだルールを覚えているかを確認する。特に得点を獲得する局面と失う局 面の理解を確認する。この段階では単純に1点、2点、3点とポイントを数えていく方法を使って良 いが、コースの後半においてはテニスでの得点方法(15、30、40など)を学ぶことを説明する。プレ ーヤーたちがレッスン中に学習したゲームのカウント、タイブレークでの得点方法、“ノーアドバン テージ”での得点方法(デュースの時にレシーバーがサイドを選んで1ポイントだけ行う。)などを理 解しているか確認する。 ダブルスではどのような順番でサーブを打つかを説明しデモンストレーションする。 − 29 − 5週目 概要要旨 レッスンの目標 ダブルスにおいてネットプレーを学ぶ。(オレンジ/グリーンボール) 得点を数えながらシングルスとダブルスの試合をする。(オレンジ/グリーンボール) レッスンの概要 0-5分 − レッスン内容の説明をする。 5-10分 − ウォームアップ:オレンジコートのサービスボックスでオレンジボールを使用する。 10-15分 − ベースラインでのラリーでウォームアップ:オレンジボールを使用する。 15-25分 − 先週のレッスンの復習:ダブルスでのラリー:オレンジボールを使用する。 25-40分 − 基本的なボレーの導入:レッド/オレンジボールを使用する。 40-50分 − 基本的なボレーの導入:レッド/オレンジボールを使用する。 50-60分 − ボレーを安定させる:オレンジボールを使用する。 60-70分 − ボレーを安定させる:オレンジボール/グリーンボールを使用する。 70-85分 − ボレーでラリーを阻止する:オレンジ/グリーンボールを使用する。 85-90分 − まとめ バリエーション/追加事項 90-120分 − 自由なダブルスの練習:オレンジ/グリーンボールを使用する。 (この練習はコーチが監視しなくてもよい。−コーチは参加者たちに速度の緩やかなボ ールを提供する。) WEEK 5 0-5分 レッスン内容の説明 活 動 プレーヤーたちに先週のレッス ンで何をしたかを確認し、初め てダブルスの練習をした感想を 尋ねる。 5-10分 ウォームアップ:オレンジボー ルを使用 活 動 プレーヤーたちはペアを作り、 それぞれペアでサービスボック スに入る。プレーヤーは相手を 動かすことを狙いとして相手が 取りづらいところにボールを投 げる。ただし、ボールは頭の高 さに投げなければならない。 10-15分 ベースラインでのラリーでウォ ームアップ:オレンジボールを 使用 レッスン内容 チェックポイント ・ウォームアップの過程と してゆっくりとした動き から始めて、徐々に動き を速くしていく。 − 30 − 動 プレーヤーはクロスコートで安 定性に注意を払いラリーする。 その際に、ダブルスのゲームに おいて相手のペアがネットにい ると想定してラリーする。1番 長く続いたラリーの回数を数え ておき、頻繁にペアを交代して 練習する。 演 この練習では、ネットの高いと ころを通すために基本的でコン パクトなスイングをし、打ちた い方向にラケットの面を向けさ せる。 15-25分 先週のレッスンの復習:ダブル スでのラリー:オレンジボール を使用 活 動 プレーヤーは先週のレッスンの 内容で練習をする。1人がサー ブ、もう1人がレシーブ、残り の2人がネット前に立つ。ラリ ーが途切れたらプレーヤーたち はコートを時計回りに回ってそ れぞれの役割が変わるようにす る。全員がそれぞれの役割をプ レーするまでローテーションす る。ネット前にいるプレーヤー にボレーでラリーを阻止するよ うに促す。 演 ロー テ ー シ ョ ン の 仕 方 を 指 示 し、ネット前のプレーヤーがボ レーでラリーを阻止することに 焦点をあてる。 25-40分 基本的なボレーの導入:オレン ジボールを使用 活 チェックポイント プレーヤーはペアで1人はネッ よくありがちな状況 ト前でボレーし、もう1人はラ ・ボレーヤーがラケットを a ) ボ レ ー の “ ブ ロ ッ ク ” “パンチ”動作を使う。 振ってボレーしている… ケットを持たずにベースライン b)フォアハンドとバック ⒜ 参照 に立ち、ボール出しをする。ボ ハンドは異なる面で打 ールを出す人はボレーヤーにボ ・プレーヤーがグラウンド つ。 ストロークのフォアハン ールを投げ、2人で協力して長 ドと同じグリップでワイ くラリーを続ける。1分後に役 パーのようにラケットを 割を交代し、5分後にペアを変 振って同じ面でボレーし える。 ている… ⒝ 参照 活 実 実 動 チェックポイント ・前回のレッスンの“チェ ックポイントと解決策” を参照。 ・コーチはプレーヤーにあ まり多く指示しないよう にし、自主的にウォーム アップさせる。 チェックポイント ・前回のレッスンの“チェ ックポイントと解決策” を参照。 ・コーチはプレーヤーにあ まり多く指示しないよう にし、自主的にウォーム アップさせる。 − 31 − 実 演 この練 習 で は 以 下 の 動 作 を 含 ・プレーヤーはレディポジ c)レディポジションで構 ションが取れていない、 え、ボールに向って前に む。 または動きが悪い… ⒞ 踏み出してボレーする。 ・フォアハンドとバックハンド 参照 の“肩の高さ”でのボレー ・ボレーの基本的な“ブロック” または“パンチ”する動き ・ラケットを身体の中心で前に 出したレディポジションを取 る 簡単な 方 法 ペアの人が手でボール出しをす る。 レッドボールを使用する。 難しい 方 法 ボレーヤーのために的を置く。 的は深さ(サービスサインより も1m内側を狙う)または正確 性(サービスボックスを2つに 分け、ペアのフォアハンドとバ ックハ ン ド を そ れ ぞ れ 狙 う ) のある ボ レ ー の 練 習 に 利 用 す る。 ルールの確認 ネット前のプレーヤーは、ネットの非常に近いところに立つことが多い。 プレーヤーはネットを越してプレーしてはいけないことを確認する。もしポイントが終わる前にラケ ットや身体がネットに触れた場合はポイントを失う。 40-50分 活 実 動 演 基本的なボレーの導入:オレン ジボールを使用 前の練習を繰り返し行うが、ボ ールを 出 す 人 は ラ ケ ッ ト を 持 ち、安定して“グラウンドスト ローク対ボレー”のラリーがで きるよ う に す る 。 こ の 段 階 で は、オレンジボールでプレーす べきである。 よくありがちな状況 前項で示した状況と、さら に: ・ボール出しの人がボレー ヤーとラリー続かない… ⒜ 参照 この練習には以下のことが必要 とされる。 ・基 本 的 な ボ レ ー ( 前 項 と 同 様) ・ストローク側は1球ごとにサ ービスラインの後ろに戻り、 レディポジションを取る。 − 32 − チェックポイント 前項と同様の事項をチェッ クし、さらに: a)ストローク側は1球ご とにベースラインの後ろ に戻り、基本的なスイン グでボレーヤーの肩の高 さにボールを打つ。 簡単な 方 法 ペアの人が手でボール出しをす る。 難しい 方 法 フルコートでグリーンボールを 使う。 50-60分 ボレーを安定させる:オレンジ ボールを使用 活 動 実 演 前の練習を繰り返し行う。初め よくありがちな状況 はオレンジコートから始め、段 ・大きなコートでストロー ク側がボールをコントロ 階的にグリーンボールを使って ールできていない… ⒜ フルコートで練習する。 ⒝ 参照 この 練 習 で は 以 下 の 動 作 を 含 ・大きなスイングでボレー む: している… ⒞ ⒟ 参照 ・基本的なボレー ・ローボレーをする時には膝を 曲げ、ラケットの面を上に向 ける必要があることをプレー ヤーに説明する。 簡単な 方 法 オレンジコートで長めに練習す る。 難しい 方 法 グリーンボールを使ってグリー ンコートで練習する。 60-70分 ボレーを安定させる:オレンジ ボール/グリーンボールを使用 チェックポイント a)ストロークをする時は 打点を前にし、少し大き くスイングする。 b)ストロークは高い軌道 のボールでネットを越す ように打つ。 c)ボレーヤーはネットに 近寄りすぎず、前に踏み 出してボレーする。 d)ボレーヤーはボールを ブロックするイメージで 打つ。 簡単な 方 法 チェックポイント 前の練習を繰り返しクロスコー よくありがちな状況 前項の“よくありがちな状 ・前項の“チェックポイン トで行う。 トと解決策”を参照。さ 況”を参照。 この練習では、少し身体を回す らに: ・クロスコートにボレーで ことでターゲットに向けてボレ a)少し身体を回して狙っ きていない… ⒜ 参照 ーする。 た場所にボールをパンチ オレンジコートで長めに練習す するようにボレーする。 る。 難しい 方 法 グリーンボールを使ってグリー ンコートで練習する。 70-85分 ボレーでラリーを阻止する:オ レンジ/グリーンボールを使用 活 チェックポイント ・プレーヤーたちは4人組で雁 よくありがちな状況 行陣のダブルスのゲームをす ・ボレーヤーがコートを横 a)ボレーヤーは自分のサ イドのネット際に来たボ 切って全てのボールを阻 る。 ールをケアする。 止しようとしている… ⒜ 参照。 活 動 実 演 動 − 33 − 活 動 実 演 ・ベースラインのプレーヤーは ・ボレーヤーが前での動き b)ボレーヤーは相手のこ とやボールをよく見て自 協力してクロスラリーをし、 やラリーを阻止すること 信を持って動く。 ボレーヤーはラリーを阻止で に臆病になっている… c)ラケットを身体の中心 きるようにコート内で良いポ ⒝ 参照 で前に出してレディポジ ジションを保ちながらボレー ・ボレーのタイミングが合 ションを取る。 に出る。3回ラリーをしたら っていない… ⒞ 参照 4人のプレーヤーはコートを ・ボレーヤーがラリー中に d)ボレーヤーにはネット の前に詰めることを促 後ろにさがってしまう… 時計回りにローテーションし す。ネット前に詰めるた ⒟ 参照 て役割を交代し、全員が4つ めのマーカーを置くとプ の役割を全て練習する。 レーしやすい。 この練習では以下のことを強調 する: ・ベースラインでラリーするプ レーヤーはボレーヤーがボレ ーされないようにする。 ・しっかりレディポジションを 取る。 ・ボレーヤーはコートでの自分 のスペースをケアしなければ ならない。(反対サイドまで 駆け抜けたり、ストレートを ずっと空けておかない。) 簡単な 方 法 オレンジコートで長めに練習す る。 難しい 方 法 グリーンボールを使ってグリー ンコートで練習する。 85-90分 まとめ 活 動 コーチはレッスンの概要や重要 なポイントをまとめる。質疑応 答の時間を確保する。 ダブルスでボレーの重要性、自 信を持つこと、そしてミスをし ても良いことを強調する。 次が最後のレッスンであること を説明してコース終了後の継続 レッスンを奨める。 バリエーション/追加事項 90-120分 自由なダブルスの練習:オレン ジ/グリーンボールを使用 − 34 − 活 動 プレーヤーたちは4人組を作っ てサーブからのダブルスの試合 をする。4ゲーム終わったらペ アを変える。プレーヤーは雁行 陣の形でプレーしなければなら ない。 またプレーヤーは1ポイント毎 にポイントをコールする。 この練習はコーチが監視しなくてもよい。−コーチは参加者たちに速度の緩やかなボールを提供する。 − 35 − 6週目 概要要旨 レッスンの目標 異なるゲーム状況下とゲームスタイルでシングルスとダブルスの試合をする(オレンジ/グリーン ボール) コース終了後に、継続してテニスクラブでのプレーや試合、指導を受ける選択肢について説明す る。 レッスンの概要 0-5分 − 5-10分 − 10-15分 − 15-55分 − 55-115分 − 115-120分 − レッスン内容の説明をする。 試合前のウォームアップ:オレンジコートとボールを使用する。 試合前のウォームアップ:グリーンコートとボールを使用する。 シングルスのゲームを楽しむ:オレンジ/グリーンコートとボールを使用する。 ダブルスのゲームを楽しむ:オレンジ/グリーンコートとボールを使用する。 プログラムのまとめ WEEK 6 0-5分 レッスン内容の説明 活 動 プレーヤーたちに先週のレッス ンで何をしたかを確認し、4週 目以降に行った自己練習につい て尋ねる。 今回のレッスンの目標を説明す る。 5-10分 試合前のウォームアップ:オレ ンジコートとボールを使用 活 動 10-15分 活 動 レッスン内容 チェックポイント 全てのショットの安定性を 強調する。通常の試合前に も同様に各動作をウォーム アップすることを説明す る。 プレーヤーたちはオレンジコー トでグラウンドストローク、ボ レー、サービスリターンを試合 前のウォームアップとして練習 する。 試合前のウォームアップ:グリ ーンコートとボールを使用 前の練習を繰り返し行うが、グ リーンコートでグリーンボール を用いて行う。 チェックポイント 全てのショットの安定性を 強調する。通常の試合前に も同様に各動作をウォーム アップすることを説明す る。 − 36 − 15-55分 活 動 シングルスのゲームを楽しむ:オレンジ/グリーンコートとボールを使用 タイブレークのゲーム形式を使って、時間を制限したシングルスのチーム総当たり戦(チ ームラウンドロビン)をする。グループ内の人数やコートの面数を考慮して時間配分を調 整する。例:もしその場に8人のプレーヤーと使用可能なコートが2面ある場合は、プレ ーヤーを4人ずつに分け、2チームに分かれてそれぞれが40分間で総当たりの試合ができ るようにする。それぞれのコートで合計6試合し、ローテーションする時間を考慮して試 合時間は5分とする。全てのプレーヤーが同時に試合を始められるようにする。 チームラウンドロビンの紹介についてのリンク http://www.tennisplayandstay.com/competition/group/team-round-robin.aspx チェックポイント ・この段階ではプレーヤーのレベルに合った適切なボールを使用する。プレーヤーにボー ルを選んでもらい、それぞれの試合を始める時に相手と使用するボールを確認する。ま たコートの大きさが選んだボールに合っているか、プレーヤーたちが試合のルールを理 解しているかを確認する。 ・それぞれの試合でプレーしていないチームのメンバーが、各試合で、あるいはルールに 自信がないプレーヤーが試合をしている際には審判をする。 ・プレーヤーが得点の数え方を理解していることを確認する。また勝者と敗者がどのよう に得点を記録しているかを確認する。 他にも以下のサイトで試合方法が確認できる: www.tennisplayandstay.com/competition 55-115分 活 動 ダブルスのゲームを楽しむ:オレンジ/グリーンコートとボールを使用 タイブレークのゲーム形式を使って”Up and Down”のダブルスの試合時間を制限して行 う。グループ内の人数やコートの面数を考慮して時間配分を調整する。例:もしその場に 12人のプレーヤー(6ペア)と使用可能なコートが3面ある場合は、全てのプレーヤーが 同時にコートに入り、40分間で試合を行う。それぞれのコートで合計5試合し、試合時間 は5分とする。 ”Up and Down”の紹介についてのリンク http://www.tennisplayandstay.com/competition/hidden-rotation/up-and-down.aspx チェックポイント ・この段階ではプレーヤーのレベルに合った適切なボールを使用する。プレーヤーにボー ルを選んでもらい、それぞれの試合を始める時に相手と使用するボールを確認する。ま たコートの大きさが選んだボールに合っているか、プレーヤーたちが試合のルールを理 解しているかを確認する。 ・それぞれの試合でプレーしていないチームのメンバーが、各試合で、あるいはルールに 自信がないプレーヤーが試合をしている際には審判をする。 ・プレーヤーが得点の数え方を理解していることを確認する。また勝者と敗者がどのよう に得点を記録しているかを確認する。 他にも以下のサイトで試合の形式方法が確認できる: www.tennisplayandstay.com/competition − 37 − 115-120分 プログラムのまとめ 活 動 1.プレーヤーが練習に取組んだことへの感謝とテニスの上達に対してのお祝いの言葉を 述べる。 2.コース終了後に自宅で練習できるようにオレンジまたはグリーンボールを提供する。 3.オレンジ、グリーン、イエローボールを使用したレッスンプログラムを紹介し勧誘す る。 4.クラブ内で一緒に練習できるプレーヤーを紹介する。 5.クラブ会員への勧誘や、他に社交的にテニスができる機会を紹介する。 6.関連する試合やイベントを紹介する。 バリエーション/追加事項 1〜5週目と同様に90分のレッスンを計画する場合は、 15-45分 シングルス 45-85分 ダブルス 85-90分 まとめ 以上の時間構成で実施しても良い。 コーチのための支援情報 異なる得点方法 下記の得点方法がTennis Xpressプログラムで紹介されています: タイブレークの得点方法(1週目で導入されています。) デュースの時の“ノーアドバンテージ”の得点方法(2週目で導入されています。) 時間制限ありの試合−ローテーションと人数分けを効率的に行うために使われます(6週目で導入さ れています。) 「ゲーム」「セット」「試合」の中での得点方法については全てITFテニスルールのルール5項、6 項、7項をそれぞれ参照してください。さらに、代案のプログラムの進め方や詳しい「ノーアドバンテ ージ」についての得点の仕方についてはITFのホームページを参照してください。 Tennis Xpressプログラムの中で他の得点方法をコーチの判断で用いる場合は以下のようなものが挙げ られます: 10ポイントタイブレーク(一般的な7ポイントタイブレークの代用) 7ポイントタイブレークの3セットマッチ 1ショートセットマッチ(4ゲーム先取) 3ショートセットマッチ(4ゲーム先取) 3セット目をプレーする代わりに7〜10ポイントのタイブレークを行う ノーアドバンテージ(デュースの時にレシーバーがサイドを選び、次のポイントでゲームを決める) 上記の方法を組み合わせる − 38 − 試合の構成 Tennis Xpressプログラムを通してコーチは、試合を導入した活動の中では最大限にローテーションを すべきです。参加者たちをローテーションし、全員がそれぞれと試合をしたり、様々なプレースタイル を経験させることが重要です。よいコーチは参加者たちが試合をしている時などにどのように状況判断 しているかを把握しており、試合の状況に応じて臨機応変にプレーヤーに必要な指導をすることができ ます。 下記の試合の構成はTennis Xpressプログラムに含まれています。 チーム総当たり戦(6週目で導入しています。) “Up and Down”(6週目で導入しています。) Tennis Xpressプログラムの中で他の得点方法を用いる場合は、 http://www.tennisplayandstay.com/competition/formats/formats.aspx を参照してください。 Tennis Xpressプログラム終了後 Tennis Xpressプログラム終了後は、コーチが全ての参加者を評価し、彼らがさらにテニスを上達さ せ、楽しむことのできる適切な機会を提供することが重要です。 例えば以下のような機会があります。 オレンジ/グリーンボールで複数の試合ができるイベントを企画する。 ショートセットで行われるクラブ対抗のリーグ戦を企画する。 グリーン/イエローボールを使用したチーム戦を企画する。 グリーンボールを使用したナイターの練習を企画する。 グリーンやイエローボールを使用した時間制限を用いた試合を企画する。 速度の緩やかなレッド/オレンジ/グリーン、またはイエローボールを使用した親子の試合を企画 する。 オレンジ/グリーン、またはイエローボールを使用したカーディオテニスのレッスンを企画する。 カーディオテニスのさらに詳しい情報については、 http://www.cardiotennis-japan.com/にアクセスしてください。 保護者と子供のテニス参加 親たちは子どもと一緒にテニスを楽しみたいと願っています! Tennis Xpressプログラムは、テニスを新たに始める親たちや、子どもが既にTennis10s(ITFの10歳以 下のプログラム)に参加している親たちに理想的なプログラムです。Tennis Xpressプログラムを終了 した後には、保護者は速度の緩やかなボールを使用して子どもたちと一緒にテニスをすることができま す。コーチはTennis10sプログラムに参加している子供の保護者にこのプログラムを勧めてください。 Tennis Xpressプログラムのさらに詳しい情報については、 http://www.itftennis.com/home.aspxにアクセスしてください。 「このガイドブックは平成 25 年6月5日現在最新のものです。 Tennis Xpress について ITF が情報を更新した場合には JTA P+S専用 HPにて公開いたします。 」 − 39 − 監 修 公益財団法人 日本テニス協会 普及本部 普及委員会・コーチング委員会 発行責任者 普 及 本 部 長 委 員 普及副本部長 普 及 委 員 長 コーチング委員長 普 及副委員長 普 及副委員長 普 及常任委員 普 及 委 員 普 及 委 員 ◆ 武 松 中 井 髙 溝 藤 阿 藤 正 原 原 上 橋 口 本 部 本 八重子 慶 子 かおり 直 子 章 美 貴 幸 久 幸 恵 季朱子 監訳責任者 普及副本部長/立命館大学スポーツ健康科学部教授 藤 田 聡 ◆ 訳者一覧 立命館大学スポーツ健康科学部 吉 原 彩 実 ジュニア委員 橋 爪 功 − 40 − コーチのためのガイドブック 2013年7月1日 著 者 第1刷発行 国際テニス連盟 監訳者 藤 田 発行者 公益財団法人 聡 日本テニス協会 〒150-8050 東京都渋谷区神南1-1-1 岸祈念体育会館 TEL:03-3481-2321 E-mail:[email protected] URL http://www.jta-tennis.or.jp/ 印 刷 株式会社松原印刷社 Japan Tennis Association このガイドブックは、 国際テニス連盟の出版物です。 The International Tennis Federation Bank Lane, Roehampton London sw15 5xz United Kingdom
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