2014年5月度 2014年5月度 商業動向報告書 1.経済動向指標 【国内景気指標】 全体概況 出典:内閣府「月例経済報告」(2014年5月) 景気は、緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみら れる先行きについては、当面、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により弱さが残るものの、次第にその影響が薄 れ、各種政策の効果が発現するなかで、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れが、引き続き 我が国の景気を下押しするリスクとなっている。 4月小売販売額 出典:経済産業省「商業販売統計」(4月) 平成26年4月の商業販売額は36兆8210億円、前年同月比3.9%の減少となった。これを卸売業、小売業別にみると、卸売業 は25兆8100億円、同3.7%の減少となった。小売業は11兆110億円、同4.4%の減少となった。なお、商業販売額の季節調整 済前月比は、10.8%の減少となった。卸売業は同10.2%の減少、小売業は同13.7%の減少となった。 4月専門量販店販売額 出典:経済産業省「専門量販店販売統計調査」(4月) 平成26年4月の専門量販店販売は、家電大型専門店が2869億円、ドラッグストアが3496億円、ホームセンターが2698億円と なった。 4月全国消費者物価指数 出典:総務省「消費者物価指数」(4月) 総務省が発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、総合指数が前年同月比3.4%上昇の103.1ポイントと 11ヶ月連続のプラス、前月比は2.1%の上昇となった。生鮮食品を除く総合が103.0ポイントと前年同月比3.2%上昇。前月比 は2.2%の上昇となり、プラスに転じた。食料及びエネルギーを除く総合では前年同月比2.3%上昇の100.6ポイントとなり、前 月比も2.0%の上昇とプラスに転じた。 【商業関連指数】 4月SC売上高/前年比-4.8%で前月から一転マイナス 出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」4月 2014年4月の既存SC売上高は前年同月比-4.8%と、前月から一転して前年を上回ることができなかった。今月は、消費税率 引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、3月に好調だった貴金属、時計、家具、家電、化粧品や、日用雑貨などの売り 上げが落ち込み、前年を下回る結果となった。一方で、食品・飲食店は大きな影響を受けず、衣料品は4月の後半から順調 に推移したとの報告が見られた。シネコンがあるSCは、ヒット作に恵まれ集客が好調であった。テナントは-3.2%、キーテナン トは-9.3%であった。地域別でみても、全ての地域で前年を下回った。 4月百貨店売上高/消費増税駆け込み需要反動で二桁減 出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」4月 消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動から、二桁減となったが、前回の引上げがあった97年との比較では、3月の伸 び率が2.4ポイント上回った一方で、4月の減少幅は2.0ポイント縮まっており、相対的に底堅い動きを示した。今年4月は、税 率引上げ直後に駆け込み需要の反動が大きく出ていたものの、週を追う毎に影響は和らいできた他、各店の対策で集客・ 販促企画が積極展開されたことや好天に恵まれたこともあり、月末には前年実績に近い水準まで戻す店も見られた。地区 別では、増床・改装効果のある大阪を除く全ての地区で二桁減となり、若干ではあるが、大都市が地方を上回る形で推移し た。 4月チェーンストア売上高/前年比3ヶ月ぶりのマイナス 出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」4月 平成26年4月度は、食料品では、畜産品や惣菜が堅調に推移したが、月前半の低気温の影響から春物衣料の動きが鈍 かったほか、駆け込み需要のあった加工食品や住関品が不調だったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)は、3 カ月ぶりのマイナスとなった。 4月外食産業売上高/堅調を維持、前年を上回る 出典:日本フードサービス協会「外食産業概況」4月 4月から消費税が増税となったが、外食需要は堅調を維持、外食売上高は102.3%と前年を上回った(税抜比較)。一部の商 業施設立地の店舗では、消費税増税前の駆け込み買いの反動で月初に客足が減少したところも見られたが、全体の売上、 客単価はともに4月を上回る昨対比率(対前年度比率)となった。新商品の投入やメニュー改定、クーポン配布、各種キャン ペーンなど、増税をにらんだ各社の取り組みにより、消費税増税の影響は軽微であったことがうかがえる。 4月コンビニ売上高/売上高3ヶ月ぶりのマイナス 出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニ統計月報」4月 今月は、上旬から中旬にかけ平年を下回る気温だったが、下旬が高温となり、平年並みの気温となった。また、全国的に晴 れの日が多く降水量が少なかった為、コーヒー等のカウンター商材をはじめとした日配品は好調に推移したが、消費税増税 前のたばこ等の買い置き需要による反動を受け、既存店売上高は前年を下回った。既存店ベースでは、来店客数11億 8,451万人(前年同月比-0.4%)が2ヶ月連続のマイナス、平均客単価578円(前年同月比-1.8%)が3ヶ月ぶりのマイナスに なり、売上高6,844億円(前年同月比-2.2%)は3ヶ月ぶりのマイナスとなった。 1 2014年5月度 商業動向報告書 2.マーケティング情報 【経済・消費・市場動向】 セブン-イレブン/電子マネーau WALLET カードを導入 出典:流通ニュース(5月8日) セブン-イレブン・ジャパンは5月21日、全国のセブン-イレブンで、KDDIが発行する「au WALLET カード」での決済サービスを 開始する。au WALLETとはKDDIが、約3400万人のauユーザーに向けて展開するネットとリアルを融合した新サービス。コン ビニ、ドラッグストア、飲食店、衣料品店、アミューズメント施設、ネットショッピングなどの世界約3810万のMasterCard加盟店 での買い物に利用できるチャージ式で繰り返し利用可能なプリペイド型の新しい電子マネー。通常店舗では、支払い200円 ごとに1ポイントを付与するところ、セブンーイレブン店舗は、ポイントアップ店として、支払い200円ごとに2ポイントを付与す る。 東西商業施設4~5月商況、盛り返す 出典:繊研プラス(5月9日) 商業施設の4~5月商況は4月前半まで消費増税前の駆け込み需要の反動が出たものの、想定内。後半から衣料品を中心 に盛り返し、大型連休も概ね順調だった。レディスを中心としたファッションを主力とする商業施設は増税の影響は少なく、4 月も前年実績を上回った施設が多い。新宿地区は、伊勢丹新宿本店の4月売上高が「リモデルと副都心線延線があった前 年と同じ水準」。銀座地区は訪日外国人客の免税売上高に支えられ、反動減は少ない。今春、全館開業したあべのハルカ ス近鉄本店は、4月26~30日の全館売上高が前年同期比約30%増、入店客数は約2.3倍、5月1~6日の売上高は約70% 増、入店客数2.7倍となり、とくに連休後半に伸びた。梅田地区では、昨年春のグランフロント大阪開業の反動で前年割れと なった施設もあるが、ファッション消費は堅調。 夏の賞与、5.7%増 出典:日経MJ(5月14日) 民間調査機関の一般財団法人労務行政研究所は、東証1部上場企業125社の今年の夏季賞与・一時金の平均金額が70万 5792円と前年同期と比べて5.7%増えたと発表した。70万円台の回復はリーマン・ショック前の2008年夏以来。今夏にも消費 増税による消費落ち込みから回復するとの期待が高い中、夏季賞与の増加は個人消費回復の弾みになりそうだ。 駅ビル・ファッションビル4月商況、反動で多くが前年割れ 出典:繊研新聞(5月24日) 駅ビル・ファッションビルの4月商戦は、消費増税前の駆け込み需要と気温上昇によって大半の施設が前年実績を上回った3 月から一転し、多くが前年割れに終わった。駆け込みが顕著だった化粧品や時計、家具などで反動が表れ、その比率が高 い施設の多くが減収となった。一方、衣料品や服飾雑貨は気温が上昇した4月中旬以降、初夏物を中心に順調。レディスを 主体にファッション分野の比率が高く、需要喚起のための販促を積極化した施設は健闘した。5月序盤はファッションを中心 に全体として順調に推移している。 13年度大店立地法、新設届出数700件を維持 出典:商業施設新聞(5月27日) 2013年度の大店立地法に基づく新設の届け出件数(廃止案件を除く)は、700件を維持した。700件台が「巡航速度」として落 ち着くか。また、1万㎡以上の大型店舗数も前年並みとなった。3万㎡以上ではイオンモール、三井不動産といったデベロッ パーが大型SC開発に積極的な姿勢が見て取れる。なお都道府県別(政令指定都市含む)届け出数では福岡が2年ぶりに首 位に返り咲いた。これを支えているのが、コスモス薬品の怒涛の出店ラッシュであり、小売企業では九州勢が上位を占め た。 3.商業施設関連情報 【開発関連】 ラフォーレ原宿・松山跡、複合施設としてリニューアル 出典:FASHION HEADLINE(5月10日) 森ビルは2008年に閉館したラフォーレ原宿・松山をリニューアルし、複合施設としてオープンする。新施設は地上13階建て、 延床面積約1万1,000平方メートルのホテル・商業施設・ブライダル施設で構成。5階以上を占め、最上階には展望露天風呂 が設置されるホテルはカンデオホテルズ、ブライダル施設は四国エリア初となる日本セレモニーが運営し、2015年夏に竣工 予定。当該地には1983年に商業施設「ラフォーレ原宿・松山」がオープン。2008年に閉館し建替え計画の検討及び地権者と の協議が開始され、09年に国交省による優良建築物等整備事業の補助事業交付が決定した。松山市の中心商業地区であ る大街道の北の玄関口で、官公庁や大規模商業施設、ホテルが密集する地区に位置し、松山城に至るロープウェイからも アクセス良好なため、「松山市の顔」となることを目指す。 札幌歴史的地区に「赤れんがテラス」が8月開業 出典:FASHION HEADLINE(5月11日) 三井不動産と日本郵便は8月28日、複合施設「札幌三井JPビルディング」を開業する。地上20階、地下3階、延床面積約6万 8,000平方メートルのビルディングは、事務所や商業施設、展望室などが入居。地下1階から地上4階までの5フロアを占める 商業施設の名称は「赤れんがテラス(Akarenga TERRACE)」に決定。物販・飲食店など約30店舗の構成で、周辺環境を活か した空間を目指す。2013年3月開通の「札幌駅前通地下歩行空間」とも直結し、周辺施設とも一体感あるにぎわいを創造。出 店テナントや商業デザイン等は5月26日に発表予定。 2 2014年5月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【開発関連】 兜町再開発、最大200億円投じ複数大型ビル/平和不動産 出典:日本経済新聞(5月14日) 平和不動産は14日、日本を代表する証券街である「兜町」の再開発計画を発表した。2020年までに最大200億円を投じて複 数の大型オフィスビルを開発し、ベンチャー企業やベンチャーキャピタル、証券会社などを誘致する。25年までに複数のビル を建設、延べ床面積は合計で10万平方メートル程度とする予定だ。平和不は東京証券取引所が入居するビルなど、兜町で 複数の物件を持つ。東証ビルの周辺で土地やビルを追加取得して再開発する。株式関連ビジネスの集積地として、街の活 性化につなげる。新たに建てるビルにはベンチャー企業や投資会社、監査法人などを誘致する。底地をすべては取得せ ず、地権者に出資を仰いで共同事業とすることも検討する。東証ビルは残す。 三菱商事都市開発/南青山、銀座2丁目、MM21地区に商業施設 出典:流通ニュース(5月16日) 三菱商事都市開発は、収益不動産開発用地取得に関する報告を発表した。商業施設関連では、港区南青山、中央区銀 座、横浜市に施設を建設する。2014年9月に「港区南青山5丁目開発事業」を竣工、2015年9月に「MM21新港地区4街区開発 事業計画」を竣工、2016年10月に「銀座二丁目ビル開発事業」を竣工する計画だ。MM21新港地区4街区開発事業計画で は、3月28日付で横浜市中区で約2,100坪の商業施設開発用地を契約し、7月に取得する予定だ。 二子玉川ライズ、15年春完成。シネコン、ホテルなど登場 出典:FASHION HEADLINE(5月21日) 二子玉川東第2地区市街地再開発委員会と東急電鉄並びに東急不動産は、「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」第2期 事業として、「二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット」を2015年春に開業する。「みんなテラス(MINNA TERRACE)」を開発コンセプトに掲げ、訪問者がそれぞれの価値観で過ごせる、解放感と緑溢れる「テラス」のようなオープン モール型の施設を創出。本事業の再開発事業施行地区面積は約11万2,000平方メートルで、民間が施行する再開発事業で は都内最大級となる。デザイン監修は全街区を通して英国のコンラン&パートナーズが施行。 JR中央ラインモール/2015年春、「nonowa武蔵小金井」第1期開業 出典:流通ニュース(5月28日) JR中央ラインモールは2015年春に、東京都小金井市のJR武蔵小金井駅に「nonowa武蔵小金井」第1期(東側)をオープンす る。武蔵小金井駅東西に商業施設「nonowa武蔵小金井」を建設するもので、東側施設の工事を先行する。第1期開発(東 側)では、日常生活をサポートする食を中心としたゾーンとして、ちょっといいものから、毎日の食卓まで日常を楽しく彩る商 品・サービスを提供する。 三井不動産/大阪府初のららぽーと、10月開業 出典:流通ニュース(5月29日) 三井不動産は5月29日、大阪府和泉市に大阪府初の「ららぽーと」となるリージョナル型ショッピングセンター「(仮称)らら ぽーと和泉」を10月に開業すると発表した。施設は、延床面積約165,000㎡、店舗面積約55,000㎡の5階建ての建物(店舗部 分は2~4階)で、店舗数は約220店舗、駐車場は約3,400台を予定する。近年のニュータウン開発により、30~40代のファミ リーが多く住まうエリアで、泉北1号線(大阪府道34・38号線)や国道26号、阪和自動車道岸和田和泉ICに近接した、広域か らの道路アクセスにも優れた立地に位置する。隣接地には、会員制倉庫型店「コストコホールセール和泉倉庫店」が6月1日 に開業予定しており、連携を図っていく予定だ。 三井不動産/飯田橋駅西口再開発で、商業ゾーン10月10日オープン 出典:流通ニュース(5月29日) 三井不動産は10月10日、飯田橋駅西口地区第一種市街地再開発事業の一環として、商業ゾーン「飯田橋サクラテラス」を オープンする。事業は、オフィス・商業棟「飯田橋グラン・ブルーム」(地上30階・地下2階)、住宅棟「パークコート千代田富士 見ザタワー」(地上40階・地下2階)、教会棟(地上3階)の3棟の建物で構成し、街区全体名称は「飯田橋サクラパーク」。飯田 橋グラン・ブルーム内の1~3階に商業ゾーン「飯田橋サクラテラス」を展開。飲食を中心に、物販・サービス店舗など、新業 態7店舗を含む計25店が出店する。一部店舗は6月下旬~7月上旬に、先行オープンする予定だ。 【運営関連】 東武池袋/25億円を投じレストラン街を全面改装 出典:流通ニュース(5月7日) 東武百貨店は2015年6月~2016年にかけて、池袋本店のレストラン街を全面改装する。11階~15階の営業面積約1万1000 ㎡を約25億円をかけ改装する。2016年春にグランドオープンする予定で、改装後の2016年度のレストラン街の売上目標は、 2014年度対比25%増を見込んでいる。レストラン街は、11階から15階の5フロアで構成し、現在44店が出店する。全5フロア を、設備更新を機に、1990年以来25年ぶりに全面改装する。新たな業種・業態を導入して、今までの利用客の満足度を高 め、さらに新しい顧客も来店するようなバリエーション豊富なラインアップを予定する。環境面でも、フロアの見通しを改善す るとともに化粧室や休憩スペースなどサービス施設の充実を図る。 3 2014年5月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【運営関連】 カスミ、店長権限を拡大 出典:日経MJ(5月12日) 茨城県が地盤の食品スーパー、カスミは店長の権限を大幅に広げる。店内調理品のメニューや店頭販促の作成、店内サー ビスなど従来は本部主導だった業務を店長が計画、実行できるようにする。地域特性を生かした店作りで固定客を増やすと 同時に、従業員の満足度を高めて離職率を抑える。2014年度は全約150店のうち58店で実施し、さらに対象店舗を広げてい く。店によって異なる販促などは従来よりコストがかかるといった問題もあるが、「固定客をつくるための必要経費」と判断し た。人事評価でも、売り上げの増減に影響する店長の裁量範囲が広がるため、より能力に応じた評価につながるという。 ダイエー/中期経営計画、3年で新規100店出店 出典:商業施設新聞(5月13日) ㈱ダイエーは、2014~16年度を対象とする中期経営計画において、3ヵ年で約100店の新規出店と約100店の店舗活性化を 実施する。新規出店はディスカウントストア業態の「ビッグ・エー」が中心。そのほかダイエー、グルメシティ業態も積極的に既 存店の活性化、新規出店を進める。中期経営計画の基本方針は「シェア拡大によるダイエーブランドの再構築」とし、ダイ エー、グルメシティ、ビッグ・エー、の各業態で立地の優位性を活かした新たな店舗モデルの構築を目指す。 イオンが関東スーパー3社を統合へ マックスバリュ関東、マルエツ、カスミ 出典:産経ニュース(5月19日) イオンが、出資する食品スーパー3社の経営統合に乗り出すことが19日わかった。イオンの100%子会社マックスバリュ関東 と、首都圏を地盤とするマルエツ、茨城県を中心に展開するカスミの3社を来春をめどに統合する。商品調達や物流などの 連携を強化し、コンビニエンスストアや他のスーパーに対する首都圏での競争力を高める。3社のうちマルエツとカスミは東 証1部上場。各社は19日に取締役会を開き、同日午後にも発表する予定だ。統合形態は、まずマックスバリュ関東、マルエ ツ、カスミの3社が持ち株会社を設立。マルエツに約3割出資する丸紅と、イオンが共同出資会社を設立し、持ち株会社の過 半数を出資すると同時に、持ち株会社を上場させる方針だ。共同出資会社についてはイオンが7割程度、丸紅が3割程度出 資することで調整している。 バーバリー失う三陽商、失地挽回への遠い道のり 出典:日本経済新聞(5月27日) 三陽商会は2015年春夏物を最後に、英バーバリーと結んでいた高級ブランド「バーバリー」のライセンス契約を終える。1965 年にバーバリーコートの輸入を始めてから約半世紀。契約解消で三陽商の連結売上高は2割程度の減少を見込んでおり、 他のブランドで穴埋めする方針。三陽商のバーバリー関連の売上高は非公表だが、派生ブランドである「バーバリー・ブルー レーベル」「バーバリー・ブラックレーベル」を足すと連結売上高の約半分を占めるもよう。日本で独自に作り上げた派生ブラ ンドはバーバリーの名を外して続けるとはいえ、ファンの離散は避けられない。取り扱いが全くなくなる16年12月期には売上 高が850億円と13年12月期(1063億円)から2割減り、営業損益は20億円の赤字(13年12月期は70億円の黒字)に転じる。 【店舗関連】 UAアストラット、東京旗艦店が青山にオープン 出典:FASHION HEADLINE(5月1日) ユナイテッドアローズは5月1日、今シーズンより立ち上げた新事業「アストラット(ASTRAET)」の都内初となる青山ショップを オープンした。店舗面積約105平方メートルの店内には、エントランス右手にトレンドを取り入れた「シーズンコレクション」、左 手にモノトーンを基調としたベーシックアイテム中心の「パーマネントコレクション」がそろう。オリジナル商品7割を展開し、3割 が買い付けブランド。青山店は阪急うめだ、名古屋ラシックに続く3店舗目。先行してユナイテッドアローズ 原宿本店 ウィメン ズ館にポップアップストアをオープンしたが、会期が延長されるなど好評だったという。 日本商業施設/ドン・キホーテ北池袋店に屋内ゴルフ練習場 出典:流通ニュース(5月14日) ドン・キホーテグループの日本商業施設は6月1日、ドン・キホーテ北池袋店2階に、屋内ゴルフ練習場「inGOLF 北池袋」を オープンする。inGOLF 北池袋は全9打席に、業界トップシェアを誇るGOLFZON社製の最新式トレーニング専用シミュレー ター「GDR(GOLFZON Driving Range)」を導入した、ドン・キホーテグループが提供する会員制の屋内ゴルフ練習場。ドン・キ ホーテグループはショッピングに非日常の楽しさを付加したエンターテイメント・ショッピング空間の創造に努めており、その 一環としてオープンする。24時間営業・年中無休で、ドン・キホーテグループとして培った日本商業施設の施設プロデュース のノウハウを元に、AAA(AnyTime=いつでも)(All-Weather=全天候型)(All-Season=年中)をコンセプトとして、ゴルファー の利便性を追求した快適な空間を提供すると共に、ゴルフ市場の活性化を目指す。 西宮阪急/開業以来5年連続で増収 出典:繊研新聞(5月15日) 西宮阪急が08年11月の開業以来、増収を続けている。13年度売上高は前期比3.9%増の251億1600万円、入店客数が 0.4%増の1339万人となり、売上高、入店客数ともに5年連続で前年実績を上回った。09年度実績に対して約60億円を上乗 せしたことになる。同店の強みは、コト提案を徹底していること。コトコトステージと呼ぶ「ベビーマッサージ」や「絵本の読み聞 かせ」「シューアドバイザーによる足と靴の相談会」、地域の演奏会といったミニイベントを13年度で約2600回(12年度は約 2500回)実施した。1日平均七つ以上のミニイベントを館内各所で開催していることになる。中でも人気があるのは「子どもや 親子で楽しめる・学べるコト」という。 4 2014年5月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【店舗関連】 ユナイテッドアローズのバー登場。飲食はフグレン&自由が丘ベイクショップ 出典:FASHION HEADLINE(5月16日) 「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」は、原宿本店 メンズ館の「UA カフェ(CAFE)」を改装し、「UA バー(BAR)」として 5月22日に新規オープンする。営業時間は11時から23時半(日曜日は20時まで)。内装やフード&ドリンクメニュー、ロゴデザ インを大幅リニューアル。ドリンクはノルウェー・オスロの老舗コーヒーバー「フグレン(FUGLEN)」が担当し、オリジナルカクテ ルやスペシャリティーコーヒーを提供。フードは浅本充による東京・自由が丘のベーカリー「自由が丘ベイクショップ (JIYUGAOKA BAKESHOP)」が手掛け、酒に合うガストロパブメニューやテイクアウト可能なボリューム感あるランチを用意。 ファッション&本&カフェの新空間、ニコアンド 出典:繊研新聞(5月20日) 北陸にファッション×コーヒー×本の楽しい空間が誕生。トリニティアーツは「ニコアンド」で17日、末来屋書店(千葉市)との 協業によるブック&カフェスペースを併設した店舗を、金沢フォーラスにオープンした。ニコアンドのコーヒーを飲みながら、書 店の本を読むことができる。トリニティアーツは飲食を取り入れた店舗開発を強化しており、新しい過ごし方を提案する。協業 スペースは、両店の売り場の境い目に設けた。ソファやハイチェアに座り、ちょっとした待ち時間もくつろげる。訪れた人に新 しい発見があるよう、月別テーマでセレクトした本と雑貨を置き、5月はアウトドアがテーマ。書店は様々なライフスタイルの情 報が揃うため、ニコアンドとの相乗効果を見込む。このスペースを基点に互いの売り場を行き来してもらうことで客層も広げ る。 浦和パルコ、37ヶ月連続増収 出典:繊研新聞(5月20日) 浦和(さいたま市)パルコは、4月までで37ヶ月連続で増収を達成した。今月も増収となる見通し。10~11年にかけて実施した 大型改装で高感度なファッションや家電、趣味関連などを拡充、地元住民の幅広いニーズに対応していることに加え、ハウ スカードを活用した販促や地域に根ざしたイベントを積極的に実施していることが連続増収の大きな要因だ。MD面では 「ファッション、家電を主軸にしながら、食品などの生活必需分野から映画などの娯楽まで幅広い分野をバランス良く揃えて いる点が地元に住む30~40代のファミリー層を中心に支持され、安定した売上に結びついている」とする。加えてハウルカー ドの会員獲得に積極的に取り組んだ成果で顧客が増え、全体の売上に寄与している。 【販促関連】 丸の内・キッテ屋上庭園で朝活 出典:流通ニュース(5月14日) 日本郵便が運営する商業施設キッテは14日、屋上庭園「キッテガーデン」で、朝活イベント「丸の内あおぞらヨガ」を開いた。 東京ステーションホテル(日本ホテル運営)、同ホテル内に入るフィットネスクラブ「ジェクサー東京」(JR東日本スポーツ)との 3社共同企画。キッテが屋上庭園でイベントを行うのは初。20~50代の女性34名が参加した。仕事前の朝7時からインストラ クターによるヨガレッスンを受講。イベントにはキッテとホテル内の4店から選べる朝食や、フィットネスクラブの温浴施設利用 も含まれている。3社が連携することで、各施設の認知度向上や相互送客する狙いもある。申し込み受付開始から30分で定 員に達するなど客の反応も良く定期的に開催することも検討するとしている。 松屋銀座/ビアガーデンにVIPルームとハンドマッサージを導入 出典:流通ニュース(5月16日) 松屋銀座は5月29日~9月30日、屋上「ソラトニワGINZA」に大人の女性のための美しくなるビアガーデン「Beer&BBQ&Bar terrace@888(ビービービー・テラス)」をオープンする。ビービービー・テラスは昨年に続く2回目の企画で、〕20代~30代の会 社帰りのOLやファッションに敏感な女性たちをターゲットとした。売上目標は前年比20%増の1億4000万円。今年は、専任バ トラーがお客をもてなすビアガーデンVIPルームを設置。特別に用意したソファ席で、世界で一つしかないビアガーデン空間 を提供する。ウェルカムシャンパンとデザート付で、最大16人・4テーブル。利用料金は1人・10000円を予定する。予約制で無 料のハンドマッサージサービスを展開。松屋銀座1階化粧品売場で展開する、アユーラ、エスト、資生堂などのコスメを贅沢 に使用したハンドマッサージを提供する。 ルミネ/有楽町、荻窪、池袋で雨の日サービス 出典:流通ニュース(5月29日) ルミネは6月から、「ルミネ有楽町」、「ルミネ荻窪」、「ルミネ池袋」で、梅雨の時期にちなみ、雨の日限定のキャンペーンやノ ベルティ配布を実施する。ルミネ有楽町は6月1日~30日、髪がうねる、まとまらないといった髪に関する悩みが出やすいこ の時期にあわせ、パウダールームにさまざまなヘアケアアイテムを用意する。館内ビューティショップのオススメアイテムを、 自由に試せる取り組み。コスメショップのトライアルセットや食品ショップのドリンク引換券がもらえる、雨の日にお得なスタン プラリーも同時開催する。ルミネ荻窪は6月1日~7月16日、館内73ショップで雨の日限定のお特なサービスを実施。雨の日 当日の3000円以上(税込/合算可)買い上げのレシートを1階インフォメーションに持ち込むと、先着250人に飴を進呈する。 ルミネ池袋では、雨の日サービスを通年で実施。6月14日~7月16日は、実施ショップ数・サービス内容をさらに充実させて、 梅雨限定のサービスを展開するという。 5 2014年5月度 商業動向報告書 4.東京建物グループトピックス 東京建物、14年12月期純利益を上方修正 出典:日本経済新聞(5月9日) 東京建物は9日、2014年12月期の連結純利益が前期比7.4倍の750億円になりそうだと発表した。14年1~3月期に連結子会 社で負ののれん代を特別利益として計上したことなどを受け、従来予想の600億円から上方修正した。営業利益は8%減の 270億円を見込む。同時に発表した14年1~3月期の連結決算は、純利益が前年同期比13.6倍の732億円だった。営業利益 は75%増の97億円だった。 日本プライムリアルティ投資法人 出典:日本経済新聞(5月20日) 東京建物や大成建設など5社がスポンサー。オフィスビルや商業施設に投資。14年6月期は前期に取得した東京都心のビル などが収益に貢献し、分配金増加。14年12月期も稼働率の向上で、分配金の増加が続く見通し。 今年の中野セントラルビアパークは2倍に拡大、異なる4種のビアパークが登場 出典:FASHION HEADLINE(5月20日) 7月1日から9月30日の3ヶ月間、中野セントラルパークにて、同エリア最大の屋外ビアガーデン「中野セントラルビアパーク (NAKANO CENTRAL BEER PARK)」がオープンする。今年で2回目を迎える同イベントのコンセプトは、「ファミリーからオフィ スワーカーまで全員が楽しめる洗練された都心のリゾート空間」。第1回の昨年の来場者数は2ヶ月で約2万7,000人に上った ため、今回は規模を2倍(広さ約1,487.6平方メートル、席数約400席)に、期間を1.5倍に拡大して実施される。会場を四つの ゾーンに分け、それぞれのゾーンを異なる4社が運営。共通のコンセプトに沿いながらも各社の特徴を出すことで、一つの場 所で4種類の全く違うビアパークを楽しめる作りになっている。 東京建物、金利負担膨らみ最終減益 出典:日本経済新聞(5月22日) 【金利負担膨らみ最終減益】マンション供給は前期を下回るが、不動産開発の特別目的会社(SPC)を今期から連結し増 収。建設費上昇でマンションの採算は悪化。SPC連結で支払利息増加。最終減益。【アジア戦略】シンガポールに現地法人 設立。不動産開発の情報収集など進め新たな成長につなげる。 東京建物不動産販売、仲介需要拡大で最終増益 出典:日本経済新聞(5月22日) 【仲介需要拡大で最終増益】主力の仲介事業は不動産取引活発化で業務量増える。不動産転売事業も投資家向け中心に 売却案件が増加。販売受託の不振補い増収。物件管理も堅調で最終増益。年1円増配。【高齢者向け物件】サービス付き 高齢者向け住宅の運営受託を拡大。将来的な居住者の増加を見込む。 6
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