1 アングロアメリカの概観 (1)面積・・・・962万㌔平方㍍(世界第[ 3 ]位) 日本の25倍 (2)構成国・・・ アメリカ合衆国 と カナダ の2国 2 自然環境 (1)大地形・・・3つの大地形が西から配列 ①新期造山帯・・・ ロッキー 山脈(環太平洋造山帯のコルディレラ 海岸 山脈 山系)や →アメリカ合衆国ではロッキーの東の山麓に グレートプレーンズ 。 海岸山脈 ロッキー山脈 西経100度 グレートプレーンズ 北緯度49度 北緯30度 ②安定陸塊 ■北部・・・ 五大 湖(氷河時代に氷床が地域を覆っていたところ にできた 氷河 湖) プレーリー ■中央部・・・ は、小麦・とうもろこし地帯 ■南部・・・河口に 鳥趾状 三角州をもつ ミシシッピ 川が流れる ミシシッピ 中央平原 西経100度 ③古期造山帯・・・アパラチア 山脈 → 石炭 の産出 アパラチア山脈 (2)気候 ① A ~ E までが分布し多様性に富む EF ET Cfb Df Cs BS BW Cfa Aw Am ②西経[ 100 ]度(年降水量約[ 500 ]㎜と言われる)で 東西に二分される ■西経100度以東・・・年降水量 500 mm以上で湿潤 □五大湖周辺→冷帯湿潤気候( Df )→タイガ・冬のブリザード □大西洋沿岸からメキシコ湾岸 →温暖湿潤気候( Cfa ) ~ハリケーンの常襲地帯 □フロリダ半島 →熱帯サバナ気候( Aw )・熱帯モンスーン気候( Am )地域 EF ET Cfb Df Cs BS BW Cfa Aw Am ■西経100度以西・・・年降水量 500 mm未満で乾燥 □中央平原からロッキー山脈にかけて →徐々に乾燥気候( BS ・ BW □太平洋沿岸 →西岸海洋性気候( Cfb ) 地中海性気候( Cs ) EF ET Cfb Df Cs BS BW Cfa Aw Am )に変化 ■西経100度付近 → プレーリーとよばれる植生or土壌(穀物栽培に適した黒色土) ET Df Cfa Cfa Am Cs 3 都市と人口 (1)人口 ・・約 3 億人(2010~) (2)首都 ・・ ワシントンD.C.(ワシントンコロンビア特別区 人口約60万人) (3)最大人口都市 ・・ ニューヨーク (国際連合の本部 人口約840万人) セントポール ミネアポリス ニューヨーク シカゴ デトロイト セントルイス ロサンゼルス ニューオリンズ (5) メガロポリス (巨帯都市) :複数の大都市圏が帯状に並び、交通・運輸・通信網を介して人 ・物・金・情報が頻繁に行き来し、その国の経済の中心となって いる地域。 J=ゴッドマンの命名 ボストン ニユーヨーク フィラデルフィア ボルティモア ワシントンD.C. (6)ワシントンD.C.の街路網・・放射直交路型。 4 民族構成 (1)アメリカ合衆国の移民の歴史 フ ロ ン テ ィ ア 拡 大 で ヨ ー ロ ッ パ 移 民 増 大 さ ら に ヨ ー ロ ッ パ 移 民 増 大 ロ シ ア 革 命 前 後 の 混 乱 ロ シ ア 系 移 民 の 増 大 移 民 激 減 移 民 法 改 正 ア ジ ア 系 ・ ラ テ ン 系 移 民 増 加 (3)民族・人種構成・・・人種のサラダボウル 「混ざり合わないけれど共存している」並立共存の状態 ■白人(ヨーロッパ系 ・・67.4%ワスプ(WASP )といい政治・経済・文化面で優位にたつ ■[ ヒスパニック ] 13.7% ■[ 黒人(アフリカ系)] 12.2% ■アジア系 4.0% ■ネイティブアメリカン(インディアン・エスキモー) 0.8% (4)民族・人種の分布 ■北部・・・北西ヨーロッパ系の 白人 (初期の入植による) ■南部…アフリカ系の 黒人 (プランテーション労働 力)→北部工業地帯へ ■南西部…[ スペイン ]系ヒスパニック (カリフォルニア州・テキサス州) ■太平洋岸…フィリピン・インド・韓国・中国系(大都市に集中) ※住み分けがなされている。(チャイナタウン・コリアンタウン・ リトル東京など) アジア系 ネイティブアメリカン(アメリカ先住民) 居留地 (5)多民族社会の課題 1960年代の 公民権 を保障 運動…法律的には黒人も平等な権利 →所得・教育格差、政治参加など改善が必要 →多民族の共生を模索(多文化主義と民族自立のバランス) 5 農業 (1)合理的な農業経営 ① 適地適作 . :気候・地形などの自然条件、市場までの距離などの社 会条件に合った形の農業地域を形成。 近年は、単一栽培(モノカルチャー)の弊害からぬけるため 多角化の傾向 ② 労働 生産性の(極めて)高い農業 :機械化を取り入れた大規模経営のため。 ③世界の 食料 倉庫とよばれ、世界最大の農業国、穀物輸出 国の側面を持つ。 とうもろこし、大豆、綿花、小麦の輸出は世界第1位 (2)農業地域の基本パターン(教科書にのっているもの) A線の緯度は【 西経100 B線の降水量は【 年500 放牧・灌漑農業地帯 】度 】㎜ 畑作地帯 ①ア(【 地中海式 】農業地帯) ・カリフォルニア州( Cs 気候)の【 セントラルバレー 】~ インペリアルバレーが中心 ・オレンジ・ぶどう・レモンなどの果実と野菜の生産、近年は米・ 綿花の栽培も増加 ・収穫などを【 ヒスパニック 】の低賃金労働力に依存 セントラルバレー サンフランシスコ ②イ 放牧・灌漑農業地域 ・グレートプレーンズ~ロッキー山脈にかけての地域 ・牛や羊の企業的放牧業地域が主であった。 ・近年では、【 センターピボット】による灌漑農業でトウモロコ シ・小麦の生産→ カンザス 州 ・【フィードロット 】とよばれる肥育場で育てられ、食肉工場 から冷凍肉として出荷。 現在の肉牛の飼育地帯(縮小化・・・) フィードロット テキサス州、カンザス州、コロラド州で多い センターピボット センターピボット ③ウ(【 春小麦 】地帯) ・【 春小麦 】:春に播種し、秋に収穫する小麦 ・プレーリー北西部(【 ノースダコタ 】州~カナダにかけて) ・アメリカ側の集散地はミネアポリス ・企業的穀物農業地域 ④エ(【 酪農 】地帯) ・ニューイングランド地方~五大湖沿岸 ・冷涼湿潤な気候、氷食を受けたやせ地で牧草栽培に 適す、巨大市場に隣接。 メガファーム立地 ⑤オ(【 とうもろこし 】地帯(コーンベルト)) ・オハイオ州~【アイオワ】州にかけて(プレーリー土の分布) ・とうもろこし(大豆との輪作)栽培と【 豚 】や肉牛の肥育の組み 合わせ(【 混合 】農業) バイオエタノール原料(3割)として生産拡大 バイオエタノール工場 ⑥カ(【 冬小麦 】地帯) ・【 カンザス 】州中心(集散地 カンザスシティー) ・【 冬小麦 】:秋に播種し、初夏に収穫する小麦 ⑦ケ(【 綿花 】地帯(コットンベルト)) ・【ミシシッピ】州~ジョージア州にかけての地域→現在は産 地が西へ移動 ・生育期が高温多雨(無霜期間200日以上)、収穫期は乾燥 する気候 ・かつては黒人奴隷を使用したプランテーションが発達 ミシシッピ ジョージア アラバマ (3)近代的な農業とその問題点 ① 多国籍 企業(多国籍、農業関連事業)の存在 └ 穀物メジャー:穀物価格を左右、穀物の流通・ 加工・食肉産業に進出 ②土壌侵食の問題 等高線耕作など 地表の草木をめくって、農地にした。それが始まりです。 地下水枯渇 オガララ帯水層の 1980-1995までの 地下水位の変化 40フィート以上上昇 20フィート以上~40フィート未満上昇 10フィート以上~20フィート未満上昇 5フィート以上~10フィート未満上昇 5フィート以上~10フィート未満低下 10フィート以上~20フィート未満低下 20フィート以上~40フィート未満低下 40フィート以上低下 オガララ帯水層 現状のまま灌漑のための地下水の 大量使用が続くと地域によっては 灌漑用水はおろか, 飲み水さえ困 る危機的な状況と言われる。 (United States Geological Survey資料により作成) 米、生産上位国 1 中国 2 インド 米、輸出上位国 小麦、生産上位国 小麦、輸出上位国 タイ 27.3 中国 17.7 アメリカ 17.9 ベトナム 21.0 インド 12.4 フランス 13.7 29.3 17.4 3 インドネシア 9.9 パキスタン 12.8 アメリカ 9.2 カナダ 11.6 4 バングラデシュ 7.3 アメリカ 11.5 ロシア 6.4 オーストラリア 10.0 5 ベトナム 6.3 計 67202 万㌧ (単位%) 5.9 計 3277 万㌧ 計 65088 万㌧ 計 16105 万㌧ (4)主な作物の生産(2010)・輸出(2010)統計 [備考] (米)アジアの生産が世界の約9割を占める (米)その生産地域をひとくくりにすると、モンスーンアジアでの生産ということ (米)生産4位までは、モンスーンアジアの人口上位4カ国となる(下記参考資料) (小麦)生産3位までは、世界の人口上位3カ国となる (米・小麦)米は自給用に栽培している国が目立ち、小麦は、輸出目的で生産している国が目立つ トウモロコシ、生産上位国 トウモロコシ、輸出上位国 大豆、生産上位国 1 アメリカ 37.4 アメリカ 47.2 2 中国 21.0 アルゼンチン 16.3 ブラジル 26.2 ブラジル 27.7 3 ブラジル 6.6 ブラジル 10.0 4 メキシコ 2.8 5 アルゼンチン 2.7 計 69419 万㌧ アメリカ アルゼンチン 34.6 大豆、輸出上位国 20.1 中国 計 10027 万㌧ 計 22149 万㌧ アメリカ アルゼンチン 45.4 14.6 5.8 計 6458 万㌧ (単位%) 綿花、生産上位国 1 中国 綿花、輸出上位国 25.6 アメリカ 38.2 20.2 2 インド 18.1 インド 3 アメリカ 14.4 ブラジル 6.6 4 パキスタン 8.8 オーストラリア 6.1 5 ブラジル 4.9 ウズベキスタン 6.0 計 2481 万㌧ (単位%) (5)州別農業の特色 ③小麦生産2位(春小麦) ④トウモロコシ生産1位 ⑧コロンビア盆地に春小麦地帯形成 ⑩⑪⑫トウモロコシ生産 ⑤小麦生産1位 (冬小麦) ①地中海式農業 ②綿花生産1位、牛肉生産1位 ⑥⑦⑬⑭⑮綿花の生産地 ⑨酪農地帯 6 アメリカの資源とその分布 油田(■)や銅山(●)は【 新期造山帯 】に多く分布 炭田(△)は【 古期造山帯 】に多く分布 鉄山(×)は【 安定陸塊 】の楯状地に多く分布 ※メサビ鉄山・アパラア炭田・メキシコ湾岸油田に注意 7 工業 (1)第二次世界大戦で甚大な被害を受けた イギリス にかわ って「世界の工場」として躍進 (2)北東部の古くからの工業地域 ・・・・北緯37度以北の寒冷な フロストベルト (スノーベルト) . フロストベルト 北緯37度 ①工業地域の中心 ボストン :マサチューセッツ州 ボストン ニユーヨーク フィラデルフィア ボルティモア ワシントンD.C. ・・・当初は、[ 綿工業 ](南部農村地帯の[ 綿花 ]使用) 北西部ローウェルの産業博物館 現在は、エレクトロニクス産業が盛ん ※高速道路沿いに先端産業が発展・・・ エレクトロニック (マサチューセッツ工科大の優秀な頭脳を活用) ハイウェー ②広がり・・・・メガロポリスから五大湖沿岸 ■ニューヨークからボルティモア…造船・鉄鋼・自動車産業 ■五大湖沿岸…鉄鋼業(水運で メサビ 鉄山と アパラチア 炭田を結合) 中心都市…[ ピッツバーグ ] (鉄鋼不況→先端技術産業) 鉄鋼業都市のピッツバーグが衰退した要因 ※[ メサビ]鉄山の鉄鉱石の品質低下と製鉄所の老朽化に より国際競争力が低下により、[ カナダ ]やベネズエラよ り輸入鉄鉱が増加さらにそれを利用した臨海立地の製鉄 所がフィラデルフィアや[ ボルチモア ])に立地。 ボストン ピッツバーグ ニユーヨーク フィラデルフィア ボルティモア ワシントンD.C. (3)近年発展している工業地域 ・・・北緯37度以南の温暖な サンベルト 北緯37度 サンベルト . ①歴史・・・1970年代以降、スノーベルトの衰退にともない発展 ■スノーベルトの衰退 ・設備の老朽化 ・労働組合の加入率の高さからくる高賃金 ・鉄鉱石など資源の枯渇 ・新興国の台頭 ■サンベルトの発展 ・低賃金の未組織労働力 ・安価で広い工業用地 ・石油などの資源の豊富さ ・軍事・宇宙開発基地の立地からくる先端産業の集積 ②工業地域の中心 ■ シリコンバレー . ・・・サンフランシスコ近郊サンノゼの先端技術産業地域) 名門大学(スタンフォード大学)の人材・広い工業用地・ 政府の研究開発予算による ■ダラス・アトランタ周辺(エレクトロニクス・航空宇宙産業) (4)フロストベルトの主な工業都市 シカゴ デトロイト クリーブランド メサビ鉄山 ダルース (鉄の積出港) 北緯37度 ボストン ニユーヨーク フィラデルフィア ボルティモア ワシントンD.C. アパラチア炭田 ピッツバーグ ミルウォーキー (4)フロストベルトの主な工業都市 北緯37度 オークリッジ アパラチア炭田 ロサンゼルス バーミングハム ヒューストン 北緯37度 オークリッジ アパラチア炭田 ロサンゼルス バーミングハム ヒューストン (5)国内の先端技術産業集積地 シアトル シリコンフォレスト シリコンバレー サンノゼ エレクトロニック ハイウェー ボストン シリコンマウンテン NY シリコンアレー 北緯37度 ダラム リサーチトライアングルパーク フェニックス シリコンデザート ダラス タンパ シリコンプレーン エレクトロニクスベルト 8 国際社会に影響を与えるアメリカ合衆国 (1 )アメリカで生まれ、世界中に普及したものは? ■生活面:世界中で「【 アメリカニゼーション 】」が進行(食文化、 娯楽など生活全般) (アメリカナイズ) →アメリカ合衆国による文化侵略の懸念 ■経済面:【 ドル 】…世界の基軸通貨 アメリカ合衆国の情報技術規格が 事実上の世界標準(【 アメリカンスタンダード】) (例 インターネットなど) ■政治・軍事面:国際機関の運営、地域紛争の解決などで発言力大 1 カナダの基礎データ (1)面積・・・997.1万平方㎞(世界第 2 位) (2)人口・・・約3000万、人口密度は3人/キロ平方㍍(2005年) (3)広がり・・・・アメリカとの数理的国境線 西経[ 141 ]度、北緯[ 49 ]度 人口の6割が集中 2 地形 (1)東部:世界最古の[ カナダ ](ローレンシア)楯状地 (2)中部:プレーリーの大平原、氷河湖が多い (3)西部:新期造山帯のカナディアンロッキー、氷食地形やフィヨルド 西部 中部 東部 バンクーバー (Cfb) エドモントン (Df) モントリオール (Df) 3 民族構成・・・イギリス系(約60%) フランス系(約23%) 州都 70% (1)イギリス系住民 ・・・[オンタリオ]州に多い。中心都市[ トロント] (2)フランス系住民 ・・・[ ケベック ]州に多い(分離独立運動根強い)。 中心都市[ モントリオール ] 北米のパリ ■首都は州境(フランス系とイギリス系の境)の[ オタワ ] ■公用語は[ 英 ]語と[ フランス ]語(1969年より) (3)ネイティブアメリカン・・・約1% *イヌイット→[ ヌナブト ](我々の土地の意)準州(1999年より) イヌイットが総人口の83.6% (4)アジア系住民・・・太平洋岸 4 産業 (1)農業・・・平原3州で春小麦生産(耐寒品種のガーネット種) ※マニトバ・サスカチュワン・アルバータ 集散地 [ ウイニペグ ] 積出港 [ バンクーバー ] (2)水産業 ■東岸・・・ニューファンドランド島近海潮目やバンクに恵まれる。 フランス漁民が開拓した北西大西洋漁場 ■西岸・・・さけ・ます・かになどの大漁場、河川漁業 (3)林業・・・・パルプ・製紙工業の発達 ブリティッシュコロンビア州 (4)鉱工業・・・地下資源が豊富 世界第3位の埋蔵量 ■[ラブラドル ]半島の鉄鉱石 ■[アルバータ ]州の石油・天然ガス・タールサンド ■ニッケル→[ サドバリー ]鉱山 ■製紙工業や水力発電を利用した[アルミニウム ]精錬が盛ん (5)交通・・・・大陸横断鉄道が2本→結節点[ ウイニペグ ] ウイニペグ セントローレンス川と五大湖を結合させる〔 セントローレンス ]海路 (1959年完成) スペリオル湖 ヒューロン湖 ミシガン湖 オンタリオ湖 エリー湖 すみひえお
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