第 1部

第1部
ノーツの基礎
第
1
章
インストールとセットアップ
本章では LAN に接続しているパーソナルコンピュータに、ノーツクライアントをインストー
ルする手順を解説します。
1.1 インストールの準備
ノーツクライアントを LAN 上で使用するためには、まずノーツクライアントのプログラムをイ
ンストールするためのハードディスク容量があり、かつ LAN に接続可能なパーソナルコンピュー
タが必要です。
下の表はロータス株式会社( 以下ロータスと記す )が公表している、ノーツクライアントを
Windows 95/98 および Windows NT Workstation 4.0 上で使用するためのシステム要件です。
プラットフォーム
サポート OS
Windows 95/98
Windows 95
(サービスパックの情報はロータスが
公表しているリリースノートを参照
してください)
Windows 98
Windows NT
Windows NT Workstation 4.0
( サービスパックの情報はロータスが
公表しているリリースノートを参照し
てください)
プロセッサ
Intel Pentium
Intel Pentium
メモリ
最少 16MB
推奨 32MB 以上
最少 32MB
推奨 48MB 以上
ディスク容量
90MB 標準
150MB 以上を推奨
90MB 標準
150MB 以上を推奨
モニター
カラーモニター
カラーモニター
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第1部 ノーツの基礎
ネットワークプロトコルのサポート
Windows 95/98
Windows NT
AppleTalk
なし
なし
Banyan VINES
あり
あり
ISDN
あり
あり
NetBIOS/NetBEUI
あり
あり
SNA
なし
なし
SPX
あり
あり
SPX II
なし
あり
TCP/IP
あり
あり
X.25
なし
なし
X.PC
あり
あり
*1
すでに以前のバージョンのノーツクライアントがパーソナルコンピュータにインストールされ
ている場合、新しいバージョンをインストールする前に、以下のファイルのバックアップを取る
ことをおすすめします。
●
ユーザー ID ファイル
●
NOTES.INI
●
NAMES.NSF
●
DESKTOP.DSK
●
以前のバージョンでユーザーが作成したファイル( データベース、テンプレート、スクリプ
ト、マクロ、ビットマップ、スマートアイコン、モデムスクリプトなど)
ノーツのクライアントプログラムをパーソナルコンピュータにインストールするには、2 通り
の方法があります。
1 つはノーツの CD-ROM からインストールする方法です。これはパーソナルコンピュータに
CD-ROM ドライブが接続されていることが前提となりますが、もっとも簡単な方法です。しか
し、CD-ROM の枚数が限られている場合、オフィスにあるすべてのパーソナルコンピュータに
プログラムをインストールするためには、多くの時間が必要になります。
もう 1 つは、必要なファイルすべてをネットワーク上のファイルサーバーに置き、そこからイ
ンストールを行う方法です。こちらは LAN に接続してさえいれば、どのパーソナルコンピュー
タからでもインストールを行うことができるので便利です。また、ノーツクライアントを使用す
るユーザーが、自分の好きなときにインストールを行うことができるので時間の節約にもなりま
す。ただしユーザーは、ノーツクライアントプログラムが置いてあるサーバー名、およびディレ
*1 ノーツ WAN ドライバ
( X.25 接続用、SNA 接続用、および CAPI ISDN 接続用)
は http://www.lotus.com/
からダウンロードすることができます。ただし、ノーツ WAN ドライバには日本でサポートされていないも
のもあるので注意してください。
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第1章 インストールとセットアップ
クトリ名を知っていなければなりません。また、ファイルサーバーへの接続方法を知っている必
要もあります。
1.2 インストール作業の流れ
■ ノーツクライアントのインストール
CD-ROM を用いたノーツクライアントのインストールは次の通りです。
STEP1 必要なハードウェアとソフトウェアを確認します。
●
LAN に接続されたパーソナルコンピュータ
●
CD-ROM ドライブ
●
ノーツクライアントプログラムの CD-ROM
STEP2 ノーツクライアントプログラムの CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。
STEP3 ムービーが流れた後、自動的にインストーラーが起動します。
[インストール]ボタンを
クリックします。
STEP4 [ノーツ R5 ]ボタンをクリックします。
STEP5 [ ノーツクライアント]ボタンをクリックします。
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第1部 ノーツの基礎
STEP6 [ 標準インストール]ボタンをクリックすると次の画面が表示されます。
STEP7 [次へ]ボタンをクリックすると、ロータスソフトウェア契約書が表示されます。すべて
の条項に同意する場合は[ はい]ボタンをクリックします。同意しない場合は[ いいえ]
ボタンをクリックします。
[いいえ]ボタンをクリックすると、インストールは中止され
ます。
STEP8 ユーザー名と所属会社名を確認するダイアログボックスが表示されます。確認の上、正
しく入力されていれば[次へ]ボタンをクリックします。間違っている場合には入力し直
してください。
STEP9 ノーツ R5 のプログラムとデータファイルをインストールするフォルダを確認するダイ
アログボックスが表示されます。変更しない場合は[次へ]ボタンをクリックします。変
更する場合は[参照]ボタンをクリックして、インストール先を指定してください。
STEP10 インストールする製品を選択するダイアログボックスが表示されます。インストールす
る製品を選択して[次へ]ボタンをクリックします。インストールされるファイルを細か
く設定したい場合は、インストールする製品を選択してから、
[カスタマイズ]ボタンを
クリックしてください。インストールオプションについては、本節「
■
インストールオ
プション」項を参照してください。
STEP11 ノーツクライアントのショートカットを登録するプログラムフォルダを指定します。新
規にフォルダを作成する場合は、フォルダの名前を“ プログラム フォルダ”フィールド
に入力します。指定が終わったら[ 次へ]ボタンをクリックします。
[ 次へ]ボタンをク
リックするとインストールが開始されます。
STEP12「ノーツ R5 をインストールしていただき、ありがとうございます。」というメッセージ
ボックスが表示されます。
[完了]ボタンをクリックするとインストールを終了します。
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第1章 インストールとセットアップ
■ インストールオプション
ノーツクライアントのインストールプログラムには「 ノーツクライアント」、
「 ドミノデザイ
ナー」、
「 ドミノ管理クライアント」、
「すべてのクライアント」の 4 つのオプションがあります。
インストールしたい製品に対応したオプションを選択してください。
また、選択しているオプションでインストールされるファイルを細かく設定したい場合は、
[カ
スタマイズ]ボタンをクリックしてください。インストールプログラムによってインストールさ
れるプログラムやデータには以下のものがあります。
テンプレート( ノーツ/ドミノ共通)
クライアントとサーバーで使用するテンプレートをインストールします。管理者向けテンプ
レートやディスカッションテンプレートなどが不要な場合は[変更... ]ボタンをクリックして、
チェックボックスをはずしてください。
データファイル
ノーツ/ドミノで使用するデータファイルをインストールします。このオプションの中にあ
るコアテンプレートとデータファイルをインストールしないと、ノーツクライアントは正常
に動作しません。モデムファイルやエージェントテンプレートなどが不要な場合は[ 変更... ]
ボタンをクリックしてチェックボックスをはずしてください。
DECS
Domino Enterprise Connection Services( DECS )用のファイルをインストールします。
ドミノ管理クライアント
ドミノ管理クライアントをインストールします。
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第1部 ノーツの基礎
ドミノデザイナー
ドミノデザイナーをインストールします。
ドミノ Web サービス
ドミノデザイナーおよびドミノサーバーを使用する場合に必要なドミノ Web サービス用の
ファイルをインストールします。
ヘルプファイル
ノーツ R5 ヘルプ、R5 システム管理ヘルプ、および R5 デザイナーヘルプをインストールし
ます。
Migration Tools
cc:Mail や Microsoft Exchange Client など、他のメールシステム/グループウェアからの移
行ツールをインストールします。
ノーツマインダー
メールの着信を監視するノーツマインダープログラムをインストールします。
ノーツプログラムファイル
ノーツの動作に必要なプログラムファイルをインストールします。添付ファイルビューワー
やノーツ JIT デバッガなどが不要な場合は[変更... ]ボタンをクリックして、チェックボック
スをはずしてください。
ドミノデザイナークイックスタート
ドミノデザイナーの簡単な使用方法を解説したドミノデザイナークイックスタートをインス
トールします。
ノーツシングルパスワードログオン
ノーツシングルパスワードログオンを有効にします。このオプションを選択すると、NT に
ログオンするだけでノーツにもログインできるようになります。
スペルチェック
英語と中国語のスペルチェッカー用辞書ファイルをインストールします。
ノーツクライアントを選択すると、これらのうち、テンプレート( 一部)、データファイル、ヘ
ルプファイル(一部)、ノーツマインダー、ノーツプログラムファイル、スペルチェック(一部)が
インストールされます。ノーツクライアントの標準インストールに必要なハードディスク容量は
およそ 108MB です。
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第1章 インストールとセットアップ
1.3 ノーツクライアントのセットアップ
■ セットアップ前に用意しておく情報
インストール完了後に初めてノーツを起動すると、ノーツクライアントセットアッププログラ
ムが自動的に起動します。セットアッププログラムはユーザーのホームサーバーを設定し、電子
メールシステムを使用可能にします。
ノーツクライアントを使用するためには、このセットアッププログラムを少なくとも一度、完
了しなければなりません。セットアッププログラムを途中で中断するとノーツクライアントも終
了します。
ユーザーはセットアッププログラムを使用する前に、ノーツネットワークのシステム管理者か
ら次の情報を確認してください。
ホームサーバー名
ホームサーバーとは、ユーザーのメールデータベースが保存されるドミノサーバーです。ま
た、ノーツクライアントは、ユーザーがアクセス可能なサーバーのリストをこのホームサー
バーから取得します。
ユーザー名とパスワード
ユーザー名とは、ホームサーバーの公開アドレス帳に登録されているユーザー名のことです。
また、システム管理者によって、そのユーザー名に対するパスワードがあらかじめ設定され
ているはずなので、それも確認してください。
メールデータベースの名前と場所
メールデータベースや、それが保存されているディレクトリなどは、システム管理者がユー
ザーのアカウントと一緒に作成しています。あらかじめ、それらの名前をシステム管理者に
確認してください。
ホームサーバーとの接続に使用するネットワークプロトコル
ノーツはさまざまなネットワークプロトコルをサポートしています。ユーザーのクライアン
トとホームサーバーの間を繋ぐネットワークプロトコルを、あらかじめシステム管理者に確
認してください。もしユーザーがパススルーサーバーを通じてホームサーバーにアクセスす
る場合、ノーツクライアントとそのパススルーサーバーとの間のプロトコルを確認してくだ
さい。
ユーザー ID の在処
ユーザー ID はシステム管理者がユーザーのアカウントを作成した時点で、ホームサーバーの
ドミノディレクトリにあるユーザー文書に自動的に添付されます。ユーザー ID がホームサー
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第1部 ノーツの基礎
バーのドミノディレクトリに添付されたままである場合は、クライアントのセットアップ中
にクライアントのローカルディスクにコピーされます。また、システム管理者がユーザー ID
をユーザー文書から取り出している場合は、システム管理者から直接ユーザー ID ファイル
をフロッピーディスクなどを用いて受け取ってください。
■ セットアップ手順
STEP1 ノーツクライアントを起動します。
STEP2 ドミノサーバーへ接続するかどうかを選択するダイアログボックスが表示されるので、
[ドミノサーバーへ接続する]ラジオボタンを選択し、
[次へ]ボタンをクリックします。
STEP3 ドミノサーバーとの接続方法を指定するダイアログボックスが表示されるので、
[ ロー
[ 次へ]ボタ
カルエリアネットワーク( LAN )への接続を設定]ラジオボタンを選択し、
*2
ンをクリックします。
STEP4 ドミノサーバー名を登録するダイアログボックスが表示されるので、あらかじめシステ
ム管理者から確認しておいたホームサーバー名を入力し、
[ 次へ]ボタンをクリックし
ます。
*2 電話回線接続の設定は本部「第 6 章 モバイルでの利用」を参照してください。
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第1章 インストールとセットアップ
STEP5 ユーザー名を確認するダイアログボックスが表示されるので、ユーザー ID の在処に応
じて適切なものを選択し、
[次へ]ボタンをクリックします。システム管理者からフロッ
ピーディスクなどを用いてユーザー ID ファイルを受け取っている場合は、
[ファイルで
供給されたノーツユーザー ID を使用]ラジオボタンを選択し、正しい保存場所を指定し
ます。ユーザー ID がホームサーバーのドミノディレクトリに添付されたままである場
合は、
[ユーザー名を使用]ラジオボタンを選択し、ドミノディレクトリに登録されてい
るユーザー名を入力してください。
STEP6 [ ファイルで供給されたノーツユーザー ID を使用]ラジオボタンを選択した場合、
「 ID
ファイルをデータディレクトリへコピーしますか?」というメッセージボックスが表示
されることがあります。ここで、
[ はい]ボタンをクリックすると自動的にユーザー ID
がデータディレクトリにコピーされます。
STEP7 パスワードの入力を求められるので、正しく入力した後、
[ OK ]ボタンをクリックしま
す。なお、ノーツではパスワードは大文字と小文字を区別するので注意してください。
STEP8 インターネットメールアカウントの設定ダイアログボックスが表示されます。
[インター
ネットメールアカウントを作成しない]ラジオボタンを選択し、
[次へ]ボタンをクリッ
クします。
STEP9 「ニュースサーバーへ接続」ダイアログボックスが表示されます。
[ ニュースサーバーに
接続しない]ラジオボタンを選択し、
[次へ]ボタンをクリックします。
STEP10「インターネットディレクトリサーバーへ接続」ダイアログボックスが表示されます。
[他
のディレクトリサーバーに接続しない]ラジオボタンを選択し、
[次へ]ボタンをクリッ
クします。
STEP11「プロキシサーバー経由で接続」ダイアログボックスが表示されます。プロキシサーバー
経由でインターネットに接続する場合は[プロキシサーバー経由でインターネットに接
続する]ラジオボタンを、そうでない場合は[ プロキシサーバー経由でインターネット
に接続しない]ラジオボタンを選択し、
[次へ]ボタンをクリックします。
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第1部 ノーツの基礎
STEP12 STEP11 で[ プロキシサーバー経由でインターネットに接続する]ラジオボタンを選択
した場合は、
「インターネットプロキシの設定」ダイアログボックスが表示されるので、
サーバー名とポート番号を入力して[次へ]ボタンをクリックします。
STEP13「インターネットの接続タイプ」ダイアログボックスが表示されます。LAN 経由で接続
する場合は[既存のローカルエリアネットワークに接続]ラジオボタンを、ISP にダイヤ
ルアップ接続する場合は[ インターネットサービスプロバイダにダイヤル]ラジオボタ
ンを選択し、
[次へ]ボタンをクリックします。
STEP14「ロータスノーツのセットアップは正常に終了しました。」というダイアログボックスが
表示されるので[完了]ボタンをクリックしてください。設定をやりなおす場合は「戻る」
ボタンをクリックしてください。
STEP15「ノーツのセットアップが完了しました。」というメッセージボックスが表示されるので
[ OK ]ボタンをクリックします。
STEP16 この状態でもノーツクライアントを使用することはできますが、その前に重要なファイ
ルのバックアップを作成しておくことをおすすめします。詳しくは本節「
■
重要なファ
イルのバックアップ」を参照してください。
STEP17 以前のバージョンのノーツからアップグレードした場合は、NAMES.NSF などのデータ
ファイルのバックアップをノーツのデータディレクトリにコピーします。なお、DESK
TOP.DSK は DESKTOP5.DSK にリネームしてください。
セットアップが完了すると、下の図に示すようなウィンドウが表示されます。この画面を Welcome
ページと呼びます。
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第1章 インストールとセットアップ
■ 重要なファイルのバックアップ
ノーツのセットアップが完了したら、ユーザーはそのままノーツを使用することができますが、
その前に次のファイルのバックアップを作成しておくことをおすすめします。
ユーザー ID ファイル
ユーザー ID ファイルは、ノーツにおけるすべての操作で必要です。このファイルを紛失・破
壊・削除してしまった際にバックアップコピーがないと、メールデータベースやローカルディ
スクのデータベースを含むすべてのデータベースにアクセスできなくなります。そこでフロッ
ピーディスクなどにバックアップを作成し、書き込み不可にした上で、安全な場所に保管し
てください。
NOTES.INI ファイル
ノーツをセットアップした際に設定したユーザーのホームサーバー名などの情報は、ノーツ
ディレクトリ下の NOTES.INI ファイルに保存されます。このファイルが紛失・破壊・削除さ
れると、再度ノーツのセットアップをやり直さなければなりません。なお、ユーザーがホー
ムサーバーの変更などを行った際には、このファイルにも変更が加えられるので、その場合
は再度バックアップを作成してください。
BOOKMARK.NSF
このファイルには、使用中の Welcome ページやブックマークなどに関する情報が保存され
ています。もしこのファイルを紛失・破壊・削除してしまうと、すべてのブックマークを再度
登録し直さなければなりません。このファイルもブックマークなどを登録するたびに内容が
書き換えられるので、その場合は再度バックアップを作成してください。
HEADLINE.NSF
このファイルには、現在購読中のデータベースに関する情報が保存されています。もしこの
ファイルを紛失・破壊・削除してしまうと、購読していたデータベースを再度登録し直さなけ
ればなりません。このファイルも購読するデータベースを登録するたびに内容が書き換えら
れるので、その場合は再度バックアップを作成してください。
NAMES.NSF
このファイルはユーザーの個人アドレス帳です。このファイルが紛失・破壊・削除されると、
サーバー間の認証や、他のユーザーのメールアドレスなどが失われ、サーバーに接続できな
くなったり、メールの送付ができなくなります。このファイルも新規のサーバーの電話番号
や、ユーザーの情報を登録するたびに内容が書き換えられるので、その場合は再度バックアッ
プを作成してください。
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第1部 ノーツの基礎
DESKTOP5.DSK ファイル
このファイルには、使用中のワークスペースに関する情報が保存されています。もしこのファ
イルを紛失・破壊・削除してしまうとすべてのデータベースアイコンを再度登録し直さなけれ
ばなりません。このファイルのバックアップを作成しておくと、ワークスペースの復活を簡
単に行うことができます。
また複数のパーソナルコンピュータでノーツクライアントを使用する場合にも、このファイ
ルをコピーすることで、使用するデータベースのワークスペースへの登録を一度に完了でき
ます。このファイルもデータベースアイコンの登録や削除、ワークスペースページの追加、
削除、名前の変更などを行うたびに内容が書き換えられるので、その場合は再度バックアッ
プを作成してください。
1.4 セットアップの後で
■ パスワードの設定
ノーツネットワークのシステム管理者からノーツクライアントのユーザー ID を初めて受け取っ
たときには、システム管理者の設定した仮のパスワードが設定されているはずです。個人情報の
セキュリティ確保のためにも、ノーツクライアントのセットアップが完了したらすぐに新しいパ
スワードを設定しましょう。
新しいパスワードの設定はメニューから<ファイル−ツール−ユーザー ID...>を選択すること
によって表示される「ユーザー ID 」ダイアログボックスを用いて行います。
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第1章 インストールとセットアップ
このダイアログボックスには基本、認証、暗号化、オプションの 4 つの画面がありますが、パ
スワードの設定は基本画面で行います。他の画面の利用法は本章「 1.6 ユーザー ID の管理」を参
照してください。
この画面にある[ パスワードの設定... ]ボタンをクリックすると、現在使用中のパスワードを尋
ねるダイアログボックスが表示されます。ここに古いパスワードを入力すると新しいパスワード
を設定するダイアログボックスが表示されます。
パスワードは半角英数字 8 文字以上で、大文字と小文字を区別します。新しいパスワードを入
力すると確認のためにもう一度新しいパスワードを入力するダイアログボックスが表示されるの
で、ここに新しいパスワードを再度入力します。変更後のパスワードと再度入力したパスワード
が合致するとパスワードの設定が終了します。
■ サーバーへの接続状況のテスト
ノーツクライアントのセットアップが完了しても、なんらかの原因によりサーバーへの接続が
できなくなることがあります。その場合トレースを取ることによって、ネットワークのどこに問
題があるために接続に失敗したかを調べることができます。トレースを取る手順は次の通りです。
STEP1 メニューから<ファイル−プリファレンス−ユーザー...>を選択し、ポート画面を表示
します。
STEP2 サーバーへの接続に使用するポートをハイライトし、
[トレース... ]ボタンをクリックし
ます。
STEP3 「接続のトレース」ダイアログボックスが表示されるので、一番下にある“ ノーツログオ
プション ”ドロップダウンリストを用いてトレースの詳しさを選択します。トレースの
詳しさには、
「なし」、
「エラーのみ」、
「経過情報のまとめ」、
「詳しい処理情報」、
「全ト
レース情報」、
「ドライバメッセージを含む」があります。
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第1部 ノーツの基礎
STEP4 接続したいサーバーを“ 接続先”ドロップダウンリストから選択し、
[トレース]ボタン
をクリックします。
これでネットワーク上のどこでサーバーへの接続に失敗したかが“ トレース情報 ”フィールド
に表示されます。
■ ノーツクライアントの再セットアップ
ノーツクライアントのセットアップ情報は NOTES.INI ファイルにすべて保存されています。
したがって、例えばノーツディレクトリを別ドライブに移すなど、ノーツのセットアップ条件
を変更する場合はこのファイルをテキストエディタなどで編集しなければなりません。しかし、
NOTES.INI ファイルを直接編集するより、もう一度セットアッププログラムを起動した方がセッ
トアップを確実に行うことができます。
セットアッププログラムを起動するもっとも簡単な方法は、NOTES.INI の先頭 3 行を残し、そ
れより下の行をすべて削除してしまうことです。NOTES.INI の先頭 3 行は、
[Notes]
Directory=[ ノ ー ツ デ ィ レ ク ト リ の ド ラ イ ブ 名 : ノ ー ツ デ ー タ デ ィ レ ク ト リ 名 ]
KitType=1
となっているはずです。NOTES.INI をこの 3 行だけにし、必要に応じてノーツデータディレク
トリ名を変更した上でノーツを起動すると、セットアッププログラムが起動されます。あとはイ
ンストール直後のセットアップと同様に操作することによって、新しい環境に合ったセットアッ
プをすることができます。
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