北上市議会産業建設常任委員会 「北上市内商店街の現状と課題」に係る意見交換会概要報告書 1 テーマ 「北上市内商店街の現状と課題」 2 開催日時 平 成 24 年 11 月 19 日 (月 ) 3 午 後 6 時 か ら 7 時 30 分 開催場所 幸楼 4 次第 (1) 開 会 北上市議会産業建設常任委員会 (2) 挨 副委員長 武 田 委 員 長 八重樫 副委員長 武 勝 拶 北上市議会産業建設常任委員会 七 郎 (3) 自 己 紹 介 (4) 意 見 交 換 (5) 閉 会 北上市議会産業建設常任委員会 5 概 田 勝 要 【市内商店街振興組合等の現状と課題】 ・本通り商店街振興組合 現 在 、 商 店 街 で 店 を 構 え て い る の は 18 店 舗 で あ る 。 少 な い 店 舗 数 で は あ る が、なんとかソフト事業で集客を図ろうと奮闘している。本年から地域商店 街活性化法に基づく3年間の商店街活性化事業に取り組んでおり、夏祭り、 収穫祭、十字路商店街が取り組んでいた横手のかまくら作りを取り入れる活 動など、春夏秋冬年4回ほどのイベントを計画している。また、商業者の若 手育成の一環として、起業にチャレンジしたい方を募集し、研修等を通じ支 1 援を行っている。いろいろと国の指導もあり、毎日が勉強という状況である が、まず、冬のイベントに向けて最後の準備に取り組んでいるところである。 ・本通り一丁目商店街振興組合 組 合 員 数 は 36~ 37 名 で あ る 。 事 務 所 で あ っ た り 、 そ の 他 い ろ い ろ な 業 態 の 方が組合に加入しているが、シャッター通りと言われるイメージからは遠く、 空いているところはない。この数十年で人口が半分以下になり、マーケット に魅力がないうえに商業集積が成り立たないというのは現場にいるものの実 感ではあるが、通常言われているような商店街組織の結束力の弱さ、他団体 との連携不足、売り手市場時代の成功体験・旧来の保護政策への依存体質 等々などというものはない。 ・新穀町商店街振興組合 理事の改選に伴い、理事会では若手が増え、活気が出てきているのは確かだ が、やはり店主の高齢化が一番の問題となっている。組合活動としては、毎 年ニーズがあるので、7月に大きなイベントを開催している。さくら野百貨 店の出店に伴い、組合員が半分に減ったことで組合活動は大変になってきて おり、組合員は店のほかに外販を少しやっているということで、ようやく組 合活動ができている状態である。 ・諏訪町商店街振興組合 債務と全蓋アーケードの老朽化が最大の問題である。債務問題は、県の経営 支援課と話を進めているが、まだ調印までには至っていない。全蓋アーケー ド の 中 で 組 合 員 と し て 営 業 し て い る の は 4 名 の み で 、 10 人 ほ ど の 大 家 は い るが、実質はその4名が支えている状態である。また、アーケードから外れ ている方々や名店街の方々が組合費を払ってなんとか維持管理しているとこ ろである。今年から町内会方式で全員で維持管理をし、大家を含めて組織を 変え、財務の体制を立て直そうと試みているところだが、それもいつまで続 くかは疑問である。テナントの中には、なんで自分がお金を出さなければな らないのか、という話をする方もいるし、一切お金を出さない方もいる。そ ういうもめごとが多々ある。このように先行きがどうなるか不透明感がある 中で組合を運営しているというのが今の現状である。しかし、手弁当と若干 の補助金で一生懸命人集めをし、C1というカレーのグランプリを2年連続 で開催するなど、奮闘努力している。 2 ・川岸商店会 現 在 の 会 員 数 は 34 名 で 、 そ の 中 で 物 販 等 、 対 面 販 売 の 店 が 22 店 舗 で あ る 。 ま た 、 川 岸 地 区 で 商 売 を し て い る 方 の 商 店 会 へ の 加 入 率 は 69.4 % で あ る 。 商店会の活動は、特に補助金もないので、会費のみで賄っている。なかなか 思うようには進んではいないが、買い物難民を手伝うことにより商店会を活 性化することができないかということで、2年前に川岸プロジェクトを立ち 上げた経緯がある。世界経済の流れには中小商店会がいくら頑張っても流れ は変えられないと思うが、生き残りをかけ、みんな一生懸命勉強しましょう ということで頑張っている状況である。 ・横川目駅前商店会 現 在 の 会 員 数 は 22、 そ の う ち 専 業 で の 対 面 販 売 が 6 、 事 業 所 が 4 、 そ し て 、 残 り の 12 は 兼 業 で 商 店 を 営 ん で い る 。 一 家 の 主 収 入 が 商 店 で は な く 、 サ ラ リーマン収入等となっているところがほとんどで、昔から商店をやってきた から続けているという商店や高齢者世帯の人たちから配達を頼まれているた め、なかなか店を閉めたくても閉められないという商店が多いというのが現 状である。また、以前設置した街路灯が腐食してしまったが、建て直す資金 もないので全部撤去した。このように、今商店の形成は全体的に成り立って いない。そして、ご多分にもれず過疎化が進んでいる。 ・藤根商店会 行 政 区 で い う と 、 藤 根 4 区 と 江 釣 子 7 区 の 2 つ の 行 政 区 が 交 わ っ た 旧 107 号 線 の と こ ろ が 商 店 会 で あ る 。 昭 和 60 年 に は 70 会 員 い た が 、 現 在 は 39 会 員 に な っ て い る 。 こ こ 5 年 間 は 40 数 会 員 で ず っ と 頑 張 っ て き た が 、 や は り 店 主の高齢化や後継者不足により店を閉める方が増えてきた。建築、板金、自 動車整備工場といった工業系の会員が多く、生鮮食品を扱う会員は本当に少 な い 。 役 員 は ほ と ん ど が 40 代 で 、 役 員 会 で は 、 こ れ か ら ど う す れ ば い い の か 、 こ の ま ま 商 売 を 続 け て い け る の か な ど の 話 が 出 て い る 。 107 号 バ イ パ ス ができたことにより、商店街の真ん中を車が通らなくなったし、量販店もで きて打撃を受けている。商店会として年1回はなんとかイベントを開催しよ うと努力しているが、なかなか思うように進んでいないのが現状である。 ・北鬼柳商店街振興会 ショッピングセンターパルが出来てから道路沿いに自然発生的に出来た店が 多いということで、何とか組織化しようと作った商店街である。イベントの 3 開催等は行わず、意見交換活動に徹している。これからの時期、一番の問題 は、地吹雪による高速道路の通行止めによる交通渋滞である。また、曽山線 の交差点のところに右折レーンがなく全部直進であることも渋滞を引き起こ している原因となっている。そういう状態では当然救急車も通れない。是非 それを緩和するために曽山の十文字の右折レーンを考えてほしい。 ・ツインモールプラザテナントオーナー会 現 在 の テ ナ ン ト の 数 は 30 店 舗 ほ ど で あ る 。 会 費 徴 収 を し な が ら イ ベ ン ト 等 に取り組んでいる。イベントを開催する際に、できれば屋上等の広いスペー スを利用できればいいのだが、駐車場条例の関係からなかなか思うように動 きが取れないという状況が続いている。また、現在、接客等について、より 良い方向に向けてどうすればいいのかという検討を始めようと、マナー向上 委員会を立ち上げたところである。商売はそれぞれの時代においての動きが あるのは確かだが、商売で暮らしていける、そういった街、それが成り立た なくなってきているのではないかと思っている。いずれ、テナントオーナー 会としては、商店街振興組合連合会と一緒のイベントにできるだけ多く取り 組むような活動をしていきたい。 ・協同組合北上・ラポーム 平 成 3 年 の 12 月 に 4 十 字 路 商 店 街 の 各 専 門 店 が 結 集 し て 事 業 組 合 を 立 ち 上 げ 、 以 来 21 年 目 に 入 っ て い る 。 い ろ い ろ 取 り 組 ん で き た が 、 や は り 時 代 の 波には逆らえず、商店街の店そのものが少なくなってきていることと連動し て 、 当 組 合 の 組 合 員 も 少 な く な っ て き て い る 。 ス タ ー ト 時 は 120、 ピ ー ク 時 が 140 だ っ た 組 合 員 数 も 、 現 在 で は 50 数 店 舗 に 減 っ て お り 、 3 分 の 1 ぐ ら いになっているのが実情である。それに伴って売り上げもやはり3分の1以 下になっている。今後はサービス業を中心とした会員獲得が目標となってく るわけだが、サービス業の店は独自にポイントサービス制を導入しており、 なかなか一緒に取り組める状況にない。また、今では大きなスーパー、百貨 店もポイントサービス制は当たり前なので、どうしても中小の店ではこれら 大型店のスケールメリットにはかなわない等の問題がある。 ・協同組合和賀スタンプ会 10 年 前 の 平 成 14 年 は 加 盟 店 が 59 店 舗 あ っ た が 、 現 在 は 35 店 舗 で あ る 。 大 型店の進出や後継者不足によりどんどん規模が縮小してきている。スタンプ 会のイベントとして、当初は歌謡ショーや夕食会への招待など、いろいろと 4 取り組んできたが、現在ではそれらのイベント開催は厳しい状況となってい る。また、当初は3倍、5倍というポイントサービスを年末年始に行ってい たが、とてもやっていけないということで、現在は2倍のポイントサービス でやっている。いずれ、個人的な意見ではあるが、どんどん大型店が進出し、 その競争の中で小さな店は自然消滅の方向に進んで行くのではないかと危惧 している。 【産業建設常任委員会委員からの感想・意見】 後継者不足、資金難、過疎化、そして、大型店の進出や世界的な経済の流れ など、商店街の現状と課題を聞いて想像していた以上に深刻だと感じた。し かしそれでも、地域に商店街が必要だという市民の願いは根強くあると思う し、商店街が文化を創り、人と人とのふれあいを築いてきた という歴史があ る。これは大型店にはできないことではないかと認識している。そのため、 やはり商店街を地域からなくしてはいけないと考える。商店街の方々は、 様々な議論を重ね、イベントを開催したりするなど、商店街を活性化させよ うと努力されている。参加者からは、交通の便のいいところでも過疎化が進 んでおり、人口減に対処するためにも住宅地の開発、配置に十分な対策を講 ずるべきで、商店街生き残りのためにはそれが一番であるなどの意見も出さ れたことから、今後も魅力ある商店街存続のために、様々な角度から対策を 講じていく必要があると思う。 6 出席者 【産業建設常任委員会】 委 員 長 八重樫 七 郎 副委員長 武 田 委 員 川 邊 津 好 委 員 高 橋 光 博 委 員 星 俊 和 委 員 八重樫 善 勝 委 員 高 橋 孝 二 委 員 鈴 木 健二郎 勝 【議会事務局】 事務局長 下瀬川 書 児 記 玉 俊 一 直 5 【市内商店街振興組合等】 本通り商店街振興組合専務理事 伊 藤 本通り一丁目商店街振興組合理事長 郡 司 新穀町商店街振興組合理事長 佐 藤 実 諏訪町商店街振興組合理事長 小野寺 勉 川岸商店会会長 菅 原 豊 横川目駅前商店会会長 伊 藤 正 利 藤根商店会会長 小 原 光 宏 北鬼柳商店街振興会会長 佐 藤 民 生 ツインモールプラザテナントオーナー会会長 七 尾 寛 協同組合北上ラ・ポーム理事長 鬼 柳 攻 協同組合和賀スタンプ会理事長 高 橋 清 6 浩 善 孝
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