第 1 回発達支援計画策定検討委員会 第1回 立川市発達支援計画策定検討委員会 会議録 日時 平成 28 年 6 月 15 日(水)18:30~20:30 場所 子ども未来センター 201 会議室 出席委員 田中 哲 小児総合医療センター副院長(子どもの発達に関する知見を有する者) 藤原 里美 小児総合医療センター主任技術者(発達支援について見識のある者) 宮田 章子 さいわいこどもクリニック院長(小児医療に関わる者) 野村 哲 冨士見保育園園長(保育又は幼児教育に関わる者) 林 みたから幼稚園副園長(保育又は幼児教育に関わる者) 睦子 原口愛子 Leaf ジュニア立川教室室長(発達支援に関わる者) 石田 昌久 至誠学園副施設長(児童養護に関わる者) 中村 ひとみ(市民公募) 水野 夏美 (市民公募) 欠席委員 田中 光晴 第2小学校校長(義務教育に関わる者) オブザーバー 大久保節士郎 立川相互病院子ども診療所所長(立川医師会小児保健部) <敬称略> 出席幹事 保健医療担当部長、子育て推進課長、保育課長、保育振興担当主幹 障害福祉課長、健康推進課長、教育支援課長 事務局 子ども家庭部長、子ども家庭支援センター長 傍聴者 9名 1.開会 子ども家庭部長 2.委員辞令交付 子ども家庭部長 3.委員等自己紹介 田中哲委員 小児総合医療センターにいる。いろいろなご縁があり、立川を応援したいという人 とのつながりの中でこの計画のことを知り、委員に加えていただいた。私にとって 幸せなことである。というのは、地域でしっかり計画を立てて取り組んでいただく ことは、発達障害の子ども達と一緒にやっていくわれわれ病院にとっても大切だか らである。地域を応援したい。 宮田委員 市内で小児科を開業している。立川市のいろいろな課と関わる中で、10 年くらい 前から、発達に偏りやつまずきのあるあるお子さんを支援していきたいと考え進ん できた。今は専門の外来も追いつかない状況である。地域で子ども達を支援してい くにはどうしたらいいか、ということを仕組みとして捉えたことは画期的なことだ 1 第 1 回発達支援計画策定検討委員会 と思う。実行につなげる委員会であってほしいと願う。 大久保氏 立川医師会小児保健部より参加。立川相互病院子ども診療所にいる。9 年前くらい から、園で気になる子について、学習会を開催してきた。最初はいろいろな事例を じっくり勉強していたが、その中で園の先生が気になる子というのは、100 パーセ ント診断が一致している。これまで 35 例の検討をしてきた。こうした子ども達を どうしていくか。という課題があるところに、そこにマッチする藤原委員が現れ、 園での子ども達への関わりについて専門的指導を始めた。先日行われた学習会でも、 90 名の定員ほぼ満席で、内容も専門用語がとびかい、保育士の水準が高くなって きていることが伺えた。一方で、医師の方はどうかというと、市内では、宮田先生 が一枚看板で引き受けてきた。何とかこの分野を強化しようと、共済病院に 2 人、 相互病院に 1 人、神津小児科でも協力しようというとで、市内で(発達の見立てが できる)医師の受け皿を作れるようになる予定である。私たちに何ができるかとい うことで、参加させていただきたい。 野村委員 冨士見保育園の園長をしている。市内保育園園長会議の中で協議し、参加させてい ただくことになった。微力ではあるが、協力していきたい。 林 委 員 幼稚園で集団生活の中での子ども達と接していて、職員の中でも気になるお子さん が増えているとの話がでる。勉強していく気持ちで、子どもたちや保護者の皆様へ の支援に役立てて参りたい。 原口委員 リーフジュニアの児童発達支援の管理責任者をしている。児童養護施設、児童相談 所の職務経験があり、子どもの支援に携わってきた。株式会社という民間の立場で、 地域の子どもと家族の幸せのために関わっている。今日も対象のお子様の保育園を 訪問し様子を共有してきた。できることを協力していきたい。 藤原委員 都立小児総合医療センターのデイケア部門で児童発達支援を行っている。職種は保 育士と臨床発達心理士。地域で発達支援のできる保育士を育てたいという夢があり、 立川市の中でも保育コーディネーターの育成をしてきた。今日も別の地域で保育コ ーディネーターの育成指導をしてきた。特別なところに行かなくても、地域で子ど も達が育っていくのが私の願いである。今回の計画策定の中でもその立場でディス カッションしていきたい。 石田委員 錦町にある至誠学園副施設長をしている。 児童養護施設は、主に虐待を理由として、親元で生活できない子どもが多く生活し ている。もともと、発達障害、知的障害のお子さんもあり、また、虐待の影響で、 中学生の時期など自己表現の難しいお子さんがある。日頃より、こちらの立川市や 関係医療機関のご協力もあって子ども達が生活でき、支援ができている。いろいろ な経験を通して話をしていきたい。 中村委員 市民公募で参加。出産前は小学校や特別支援学校で勤務していた。出産を機に退職 し授かった子に、LD・ADHDなどがあり、通級学級にも在籍し、日々試行錯誤 しながら育児に取り組んでいる。今回、親の声を取り上げてもらえる機会となり、 うれしく思っている。今、他市の保育園で困り感のあるお子さんの支援にパートと 2 第 1 回発達支援計画策定検討委員会 して勤務している。当事者として、また支援する側としても参加したい。 水野委員 二人の子どもがいて、上の子は今年、大学を卒業し社会人として障害児支援の仕事に ついた。21 歳の下の子に自閉症と重度の知的障害があり、立川市ドリーム学園では 4 年間お世話になった。その後、当時の立川養護学校から、現在の武蔵台学園で特別支 援教育を受け、今は生活介護で作業所に通っている。また、私は立川市手をつなぐ親 の会でも活動している。ここは、専門家の方たちばかりで、恐縮するが、お話を伺い ながら、親の立場で参加したい。 4.委員長及び副委員長専任 委員長に田中哲委員、副委員長に中村ひとみ委員が専任された。 以後、司会は委員長により進行 5.本計画策定の背景について (1)本計画の位置づけについて 委 員 長 本計画策定の背景について事務局より説明をお願いしたい。 事 務 局 計画の位置づけについて資料1に基づいて説明。 (2)策定までの経過について 事 務 局 資料2に沿って説明。立川市の総合計画【第 4 次長期総合計画前期基本計画】 (平成 27 年)のもと、個別計画の中で位置づけの近い計画を図に示した。その中でも、 【第 2 次特別支援教育実施計画】と、今回の発達支援計画は、扱う内容や分野が近いものが あるので、今後も車の両輪のように考えていく。 発達支援計画の策定に至った経過は、最初の子どもに関する計画である【夢育て・た ちかわ子ども 21 プラン】 (平成 17 年)の 49 頁に「子どもの発達支援センターを検討 していく」と表現されている。次に【立川市における途切れのない発達支援報告書】 (平成 21 年)では、 「発達支援拠点の設置」というように言い変えている。そして、 わたくし達が今、会議を行っているこの子ども未来センターはその「発達支援拠点の 設置」を具現化したものである。この報告書では、18 歳までとぎれのない発達支援と 連携のイメージ図(p13)と 7 項目の取りくむべき方向性が示されている。 その後、 【第 4 次長期総合計画】61 頁に「就学前後の発達に関する相談や支援につい て、途切れないしくみを構築するため、 「仮称発達支援計画」を策定します。 」、また【第 3 次夢育て・たちかわ子ども 21 プラン】では、94 頁に発達支援計画の策定という取り 組み内容が示され、ここで計画策定に向けた検討委員会の立ち上げに至ったところで ある。 委 員 長 ここまでで質問はありますか。 委 員 長 市の理念とは? 事 務 局「にぎわいと安らぎの交流都市 立川」というのが、理念であり、具体的には家庭や地 域の育てる力の促進、配慮を必要とする子どもや子育て家庭への支援、乳幼児期から 青年期までの子どもへの途切れのない成長支援というテーマがあげられる。また、障 3 第 1 回発達支援計画策定検討委員会 害者差別解消法を受けて、障害のある人もない人も共に暮らしやすい立川をつくる条 例を策定しようとしている。 副委員長 立川市は、お母さんを支えようという意識がある。フリーペーパーを保護者とともに 作ったり、子どもを預けて参加できる講座やイベントがあることも含めて、お母さん を支えてくれているという印象を私も私の友人も持っている。 (3)立川市の発達支援における現状と課題について 委 員 長 現状と課題について 事 務 局 資料 5 に沿って説明。 乳幼児人口は 1 学年 1500 人弱くらいで、0 歳から 5 歳まで約 9000 人で推移している。 うち、認可保育園入園児は 3400 人、幼稚園入園児は 2500 人である。子ども家庭支援 センター発達支援係で実施している発達相談件数、発達支援親子グループ利用者数、 健康推進課で実施している 3 歳児経過観察(心理相談)の利用者数、2 歳児健やか相 談利用者数、教育相談、就学相談の利用者件数はいずれも大幅に増えている。 続いて、発達支援の現状と課題について資料に沿って説明。 委 員 長 課題をどうとらえるかそれぞれ違うのでは、各委員コメントをお願いしたい。 ………発達支援の現状について各委員より……… 林 委 員 幼稚園では年少 3 歳児は 2 名、4 歳児は 30 名に対して 1 名の担任を配置し、フリーの 職員でフォローする形。集団生活の中に無理に押し込まないで、嫌がった時に無理せ ず、徐々に集団生活にならしていく。子どもの発達に関して気がつくまでには、疑問 を持ちながらも、その子に合わせて少しずつ集団にいれていく。年少年中と年を追う ごとに集団生活に慣れていく。完全に特別にするお子さんは受け入れたことがない。 気になり続けているというお子さんはあり続ける。園の経済状況の厳しさはあると思 う。医療機関に通っているということを園に伝えているお子さんもいるが、伝えない で黙って入園したお子さんの方が厳しい。保護者に徐々に様子を知らせながらという 形になる。 野村委員 保育園は最低 11 時間の開所なので、教育的な視点とは異なる。 経営状況というところでは、親が申請しない限り保育士の加配につながらない。 「診断 までいかなくても見てもらっては?」と言っても「うちの子は違う」で終わってしま う。気になる・・狭間・・どのような言い方が好ましいかわからないが、そういう子が たくさんいるので、園児と保育士が 20 対1・30 対1の配置では現実に対応に無理が ある。どこの園でも独自で加配を付けている。 狭間の子がいる中で、日々の生活を 保っていくという形なので大変。 「きをつけ、前へならえ」ができない。集団という括 りでもっていくとできない子がいる。お母さんたちは長く預けたい要望も強い。小学 校に上がる時、親は悩む。前から話していたはずなのに・・・、もっと事前の段階で なんとかできないのかと思う。支援が必要なのはわかっている。医療では診断未満に なる。診断がつかなくても大変だよねという子はいる。われわれ、保育園は頑張って いると思う。先の小学校へ、教育というステップは大変。 副委員長 親の経験から話すと、幼稚園のベテランの先生が、 「もしかしたらそうかもしれない。 4 第 1 回発達支援計画策定検討委員会 1 回安心するために行ってみたら」ということで、さいわい子どもクリニックにつな がることができた。園の先生との信頼関係ができていたから、そうなのかと素直に受 け取ることができたと感じている。周りを見ると、中々受け入れられない保護者も多 いし、仕事をされている方も増えたので、わかっていても療育に行く時間はない、通 級にいったら送迎しなければならないので難しい、という現実がある。 委 員 長 わかっていてもその先に進めないということ 原口委員 リーフにはお母様がたから直接お電話でつながる。直接保護者に療育が必要だとか、 診断をおすすめしたりすることはしない方針。地域の相談先をお伝えしたり、療育手 帳がとりたいというお子さまには、児童相談所でとるんですよという説明をしている。 現在、待機児は 200 名以上いる。 (どよめき)やはり、ニーズの多さを感じている。 通っているお子様は、発語が課題というはっきり障害とわかる方もおられれば、先ほ ど話していたグレーゾーン、今日も年長グル―プで鬼ごっこをしたが、いざ鬼になっ た瞬間にそれが許せなくて、泣いてしまったり、タッチでなく殴りつけたくなったり する子は、おしゃべりもできるし、話はわかってもいるので、お母様たちが信じられ ないという気持ちも理解できる。どの幼稚園や保育園を訪問しても 30 人クラスに 6 人は気になる子がいるという印象を受ける。福祉サービスでの療育は待機でいっぱい だが、リーフには、幼児教室として習い事としての受け皿もあり、そこは、土日祝日 が満員状態で、保護者様にとって、通いやすいというのはあると思う。 委 員 長 何かを必要だと思うが、診断を付けられたくないから民間に通うという気持ちなのだ ろうか。 原口委員 受給者証のお話をする時に、それは障害者手帳ですかという質問が多い。それは嫌だ けれども、困り感はあるので、何かしたい、できれば安く通いたいという、複雑な状 況だと思う。 水野委員 昔の話になるが、ドリームに通園している時、私は障害受容ができない親だった。重 度なのに、愛の手帳を取ったら障害児なのだと、取ることに抵抗があった。幸運にも 2 歳からドリームに入れていただいたが、4 歳まで手帳を取れなかった。重くてもでき なかった障害の受容は、先輩のお母さんや先生と密に話すことで、段々子どものこと が理解でき、ある時、先輩お母さんから「早くとりなさいよ、いろんなサービスも受 けられるし、いいのよ。すっきりして」と言われた時に、そうかとぱっと気持ちが切 り変わって軽くなった。話せる環境があることがひとつ乗り越えられることだった。 幼稚園や保育園に通園しているお母様方は同じ境遇の方が少ないので、話せるチャン スがないからより難しいと思う。 宮田委員 アセスメントといって、診断に近いことをしけなければいけないので、辛い思いをし ている。重いお子さんであれば 4 歳になっても言葉がでない場合、明らかに障害とわ かる。それでも障害の受容が大変だったとおっしゃられた。実際問題として、就学す るとグレーと言われるお子さんは非常に大変な思いをする。そこを幼児期の初期であ れば、何か変わっていきそうな伸び幅というものを持つものだと感じている。だから、 幼児期の小さいうちに、介入といって、ご相談相手になったりアドバイスをする中で 5 第 1 回発達支援計画策定検討委員会 お母さんが向かい合っていくのが一番良い。世の中の発達障害というのか、自閉症ス ペクトラムといったり、ADHDといったり、LDといったり、うちの子が何なんで すか、といっても分類するものでなく、その子その子の特徴や困り感を見定めてから やらなければいけない。本当は、診断を付けることは好きではない。何とか診断名を 付けなければならない場合と、言わないほうが良い場合もある。グレーのお子さんた ちといっていいのか、社会的なコミュニケーション障害というのか、そこをなんとか しなければいけないというのが私の一番の課題。また、ドリーム学園のようなところ が入れないというのも課題。ニーズがどんどん増えている。それをなんかの箱の中に 医者がいれようとするというのがあって、自分も医者側だが、そこにも違和感がある。 また、年齢と共に自閉症スペクトラムがADHDの形に変わったり、LDが表面化し たり、どんどん変わっていく。あまり固定的に考えると、保育園の先生方は大変よく みているが、この子はこの診断だからこうしなければいけないとか、この子こうだか ら仕方ないと、別対応にして、全体の保育の中に入れてみんなで仲良くやってしまお うという意識が薄れているというのも心配。あまりいろんなことを差別しないで、い ろんな形いろんな子がいていい、こういう特徴だから、こうした方がいいよ、という 子どもの特徴に合わせて対応ができる集団であってほしい。アセスメントでは、短時 間で理解してもらえるほど、話す時間がなく、何のアドバイスももらえなかったと言 われることもあり、苦しさがある。また、保育園の園医、ドリーム学園の園医や、学 校医もしている。 委 員 長 箱に入れて満足はできないということ 宮田委員 子ども達は成長していくので、成長に合わせたその子の問題点について「この特徴を もっていたら、3 年後にはこういうことに困るよ」と的確にアドバイスし、お母様が 向き合っていくのが一番大切で望ましい。 藤原委員 長く療育に携わり、保育園の経験もしてきたが、子どもの発達支援は特別なところで 特別な人がすることではない。子どもの発達は脳の働きで、それをみんな知らないだ けである。それを知ったうえでどういう風に関わればいいかを学べば、お母さんでも 支援者でも保育士さんでも幼稚園の先生でも、誰でも子どもの発達は支援できる。知 らないからどこかに預けてやってもらおうとする。子どもの発達は毎日のほんの少し のことで変わっていくということを、そういうお子さんを持つお母さんにも保育士さ んにもわかって頂くよう伝えている。今、保育士さんは、個の支援はうまくなってき たが、それをクラス全体に広げていかないと行き詰る。大きい集団の中でその子も含 めてどう支援するか、伝えているが難しい。ひとつお願いしたいのが、診断書がなく ても、お母さんが申請しなくても加配が必要なお子さんには、巡回の時に、専門家が 「この子は加配が必要だよ」と判断した場合で、つけていただくことはできないのか。 宮田委員 他の市に比べて立川市は良い。診断名を必要としていない。こういうことに困ってい るから加配が必要ですと、という内容でも受けている。 藤原委員 お母さんの申請が無くてもという意味で、これだと現場は助かるだろう。 野村委員 市も根拠が必要だと思う。巡回の中でアドバイスをくれるが、ある区では、明らかな 6 第 1 回発達支援計画策定検討委員会 場合は加配が必要だと専門の巡回の方が判断してくれると聞く。そういう形がいいい。 明らかな方には、現場が大変だから加配をつけたい、と保護者に話さなければいけな いが、うちの子は普通だといわれれば、終わってしまう。 宮田委員 しかし、お母さんが子どもの状況に向き合うというきっかけを作るという意味では、 園からの申し出は、保護者に伝えるチャンスでもある。 水野委員 親は、家庭での困り感もあるはずなのだが認められない。 野村委員 例をいえば、成長していくと自然に消滅するだろうとう認識。成長はしているからこ のまま平気になると思う。認めたくない、具体的にいうと、 「うちの夫も小さい時、こ うだったみたいだから・・・。 」で終わる。 宮田委員 お子さんには加配がついていますよと伝える必要はある。 委 員 長 どういう発達支援システムが必要というだけでなく親が向き合うためにどういう周 囲の関わりが必要かという視点が必要。使ってもいいと思えるプロセス。 藤原委員 先ほど話していた園での信頼関係も大切である。 石田委員 障害を持つお子さんだけでなく、ボーダーと言われるお子さん、特に虐待をうけてき たお子さんは、発達障害と似たような特性が出ると言われている。そういう意味では 診断はどの子も愛着障害になる。児童相談所と協力して、病院に連れて行ったり、教 育相談に行ったりすることを親にどのように伝えていくかはやはり課題で、私たちも 児童相談所も専門家だが、専門家がいうから親が納得する訳ではない。これまで話題 に出た親の気持ちに向き合う点で共感できた。親は、不安なんだと思う。これから先 どうしたらいいのか、経済的にも、また自分の育児の力も少なくて施設に預けている のに、その上障害といわれたらどうしたらいいのか、引き取れないと。 その時にいろんな相談できる機関や支援があって、みんなで支えますから、というの を伝えたことがある。その時は納得していただいた。 委 員 長 保護者の理解には何が必要なのか 石田委員 必要なのは、熱意と情報である。また、愛の手帳の話もでたが、手帳を持つと、この 先制度に守られていきますよ。手当もありますよ、とお母さんがもしもの時は大人に なっても制度に守られてやっていけるという情報で説明していく。 そういった受皿や仕組みは頼もしいこと。 野村委員 グレーの子は何の支援も何の仕組みもない。そのまま大きくなり自己肯定感をもてず、 疎外感がずっとあって、 「自分は五体満足で、考えることもできるが、何かみんなと違 う」と、もやもやしている。普通なのだから頑張れよと言われ続けて、お前が頑張ら ないから悪いと言われる。青年期に逸脱したり、非社会的なことになる場面がある子 はそうなのではないか。何とか救いの手がないものかと思う。グレーの子もちゃんと 認定されて、自覚したほうがよい。 大久保氏 少し勉強してみれば、街の中でお子さんがいたら、何人かはすぐわかる。それくらい 増えている。厚労省は6%、ある先生は9%。10%を超えているというのが委員先生 方みなさんの実感である。立川市には 1,500 人乳幼児がいて 10%だと 150 人、小学校 6 年間であり、中学校 3 年間でと考えると信じられない数。これをすべてどこかの療 7 第 1 回発達支援計画策定検討委員会 育に持っていくのというのは不可能。医者の診断は 6 か月待ちという状況。この状況 を考えたら、誰が療育するかは明らか。地域でやっていくしかないという腹を決める ことが必要だ。診断はつけるべきかどうかは、判断しかねる。もはや、これを療育の 専門家の方でやってください、ドリームやリーフでお願いします、という状況にはな いということを確認したい。さて、どうしましょう。 委 員 長 それぞれの課題や感じていることを出していただいた。 事 務 局 みなさんの課題や背景も共有できた。行政でも、どうあるべきか考え続けている、未 来センターでも相談が増えて飽和状態である。地域の距離的に近いことというのも大 切。集団の中で育ちあっていくことが大切。市の財政的な部分もあり、大きな施設や 専門の療育施設をどんどん増やすというようにはならない。それぞれの現場が発達に 課題のあるお子さんを受け止めていく力、保護者に伝える力を強化していく以外にな い。それを市全体で発達支援センターというイメージができたらいい。いきなり専門 機関につながるのではなく、地域の近いところから支えて必要な人がつながっていく というように。 委 員 長 専門家はそこまで増えないだろう。医者はもっと有効に必要な人が使うというのが大 切。コーディネーターが必要ということにある。保護者はどこを使っていいのかわか らない。診断をしたらいいのか、どう違うのか、それをコーディネーターがこうだよ と伝えてほしい。 石田委員 児童福祉法の改正について、児童虐待防止の観点でも地域で子育て支援包括支援セン ターを設置するよう努めるというのがある。そこに市はどのように答えていくのか。 現状で方向性など決まっているのか。 事 務 局 子育て支援の包括センターはネウボラ(フィンランドの出産前から就学前までの子ど もを支えるセンターの機能)のイメージが入っている。それには、健康推進課の役割 と子家センの役割が含まれた組織が必要。機能としてあればいいのか、ひとつの建物 としての箱が必要なのか、組織として必要なのかはっきり示されていない。今は、健 康推進課の母子保健、ドリーム学園、子ども家庭支援センターには、物理的にも組織 的にも距離があるのが市の現状である。 宮田委員 介護保険にならって地域でという話なのだが、厚労省は原資として介護保険があるが、 子どもの部分は原資としての根拠がないので、机上の空論になっている。またセンタ ーは市全体でなく、中学校区の地域をイメージしているのかもしれない。中学校は 9 校だ。 事 務 局 市の地域包括は、生活圏なので 6 圏域である。 委 員 長 理念としてはそういう方向で、子育てを周産期から展開していくというのはよい。ま だまだ先の取り組みのようにも感じている 石田委員 ここに相談すれば全部わかるという場所が特定されているのがいい。あるいはこの人、 という人とのつながりも必要で保護者にとっての安心感につながると感じたのでお話 した。 宮田委員 子ども総合相談窓口はある。 8 第 1 回発達支援計画策定検討委員会 事 務 局 発達支援に関しては、子どもの困り感が出た時に、保護者からその都度、相談された 側が受けていくしかない。それが、ひろばなのか、園の先生なのか、健診の場面なの か、どこにくるのかわからないというのが、発達の最初の総合相談になっていく。 野村委員 1・6健診や3歳児健診は受診率が高いので、フィルターにかけてくれるといい。園 から健診につなげていく親のフォローをしてほしい。もっと母子保健を核にしてフォ ローがあると親も心理的に安心なのではないか。保護者は、あっちいってこっちいっ てばかりで、医者も予約が先というのでは嫌になる。高齢者は地域包括に行けば何で も大丈夫なのだけれど。子どもは、障害福祉課、教育委員会、保育課と、別々。組織 図のなかで、横の担当課の連携図を作って、市長から直属にして、ある程度の判断が できるようになるといいが。 委 員 長 大胆な発想だが望ましい。 副委員長 親の立場でも感じていたことである。親を一括して支えるのも分割して支えるのもネ ット上で作ったらいいと思う。親の支援をしてほしい。また、そういう子を社会全体 で受け入れてくれる体制づくりも必要。親は他のみなさんからどう見られるかという のが一番心配。学校の担任は、障害ですという先生と、普通ですよという先生といて、 発達障害に関する知識が統一されていない。通級学級に通っているが、先生は選ばれ た子だよと伝えるので、通級に対する偏見が少ない。だめだから来ているという気持 ちを持ちにくい配慮がある。困っている親が情報を聞いて、そんなにたくさん通って いるなら、うちの子も必要なら行こうと思える。困っている子を支えようという意識 や基盤を作って欲しい。 委 員 長 親の気持ちを支えていく 藤原委員 その通級にはキーパーソンがいる。コーディネーター研修でも目指しているが、キー パーソンとして核になる人材を作ること。全体の底上げをするには、それぞれの地域 で、感度の高い人材を見つけて育て、地域に位置付けて全体を育てて広げるのが必要 だと思う。 6.本委員会での検討内容について 委 員 長 検討内容について 事 務 局 本委員会の検討項目の位置づけの確認 資料 3 で概念図 両輪でやっていく。それぞれの情報のやりとりをしながら、進めていきたい。次回は、 発達支援に求められる 7 つの機能について、ぞれぞれの現場ごとでなく、機能ごとに 展開したい。資料をお目通しいただいてイメージを共有していきたい。機能の種類を 増やすなどの御意見も頂戴したい。貴重なご意見をいただいた。スケジュールも含め た確認 委 員 長 閉会 9
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