バッケンはアメリカの新しい放射性廃棄物の廃棄場となるのか？ウォールストリート・ジャーナル誌 2014 年 4 月号に掲載された記事「放射性廃棄物はノースダコタ州の新たなシェール問題」は、アメリカのエネルギー生産の急増が見込める震源地であるバッケン・シェールオイル層において、放射性廃棄物が大きな問題となってきていることを紹介している。人里離れたノースダコタの町にある寂れたガソリンスタンドで、地元の役人はシェールオイル・ブームの意図しない副産物を最近発見しました。放射能を微量持つ何百もの放射性廃棄物が詰まったゴミ袋です。こうしたゴミ袋はノースドコタ州ヌーナンで 2 月下旬に見つかり、その中にはオイル・ソックス（Oil socks）と呼ばれる長さ 3 フィートの蛇のような吸収繊維性のフィルターが入っていました。シェールオイル企業はソックスを使い、水圧破砕の結果として出る排水からシルト（沈泥）を確保します。その数日前にも同様の発掘物がワットフォード市の埋め立て地近くのフラットベッド・トレイラーで見つかっています。同市もヌーナン市同様、バッケン・シェールオイル層があるノースダコタの最西端で人がまだらに住む場所に位置しています。最近の 2 つの出来事は、油田から広範囲に渡り出る天然ガス噴出から、歴史的な土地で稼働する削岩機に至る原油生産急増の余波に対するノースダコタ州当局の対応の遅さを物語っている。バッケン・シェールオイル層オイルソックス内の放射性物質の多くは、排水を注入井戸に投入する過程でフィルターにかけられた沈泥内に存在する。沈泥、岩、水に見つかるラジウムがフィルター後の沈泥に蓄積される。ノースダコタ州の廃棄物管理ディレクターのスコット・ラディグは、「バッケンのオイルブーム以前は、放射性物質は見つかっていませんでした。だから問題として挙がらなかったのです。」と述べている。秘密筋からの情報によると、バッケンの放射性廃棄物のレベルは実際、メディアで報道されている以上に高いそうだ。これが正確だとすると、アメリカ政府とバッケンのシェール層から利益を得ているエネルギー産業の利害関係者たちはこの問題に対処する必要がある。著者（エドワード・エスコー）とクウォンタム・ラビット研究グループのメンバーであるアレックス・ジャックとウッディー・ジョンソンらが行った類の低エネルギー原子転換（核反応）に関する研究は、この拡大する環境問題への解決策を提供するかもしれない。 1 バッケンのシェール層で最も問題となっている汚染源の放射性物質はラジウム 226 であるようだ。ラジウム 226 はウラニウム 238 の核変換サイクルの一部として現われ、半減期は 1600 年だ。低エネルギー核反応によりラジウム 226 を核分裂させることで、この核変換サイクルを大幅に圧縮することができる可能性がある。カーボンアークに関するクウォンタム・ラビットの研究は、この可能性を達成させる方法を提供するかもしれない。野外、真空の両方の環境下で無数の低エネルギー核反応が報告されている。低エネルギー核反応を活用し、ラジウム 226 の低エネルギー核分裂を誘発させラジウムの半減期を圧縮し、自然崩壊サイクルを 1600 年からおよそ 22 年に加速することができる可能性がある。提案する低エネルギー核分裂反応は次の通りである： 226 Ra → 12C + 214Pb ラジウム 226 →炭素 12 + 鉛 214 この低エネルギー核分裂反応は、クウォンタム・ラビットによるカーボンアーク研究で記した炭素・酸素間のような低エネルギー核融合反応がきっかけとなる可能性がある。 12 C + 16O → 28Si 炭素 12 + 酸素 16 → 珪素 28 2(12C + 16O) → 56Fe (+2 protons) 2(炭素 12 + 酸素 16) → 鉄 56 + 陽子 2 つ下向きの矢印はα崩壊、上向きの矢印はβ崩壊を表す出典：Corking the Nuclear Genie, by Edward Esko and Alex Jack, Amberwaves, 2014 クウォンタム・ラビットの研究グループは、プラネタリー・ヘルス、その他の仲間と共に、バッケン、その他世界中の場所にある放射性廃棄物の処理に関する研究をスタートしたいと願っている。エドワード・エスコー [email protected] 2