落語家 林家 こん平 いわれたり、正確な診断までに随分時 間がかかりました。暗中模索の中で無 我夢中だったと思います。それまで大 きな病気をした経験が全くなかったの で、ある意味深刻にならずに済んだ部 めげることなくリハビリにとりく 分もあるでしょう。 ─ めているのはどうしてでしょうか? 多発性硬化症は確かに重い病気で す。また、一時は引退かといわれたよ うに、言葉や身振りが不自由になるの 伝統芸を伝えていくという意義も 何だって耐えられます。 ─ あるのでは? そのうち、孫に稽古をつけられれば と考えています。伝統芸の伝承であり、 リハビリであり、そして可愛い孫との コミュニケーション。一石二鳥どころ 気持ちは『笑点』に出演されてい か一石三鳥です。 ─ た頃とお変わりありませんね。 チャラーン!(笑)当時と同じ元気 病気のおかげで仕事の幅が広がった は、落語家にとって厳しいことです。 部分だってあります。今度、本を出版 よさでリハビリに頑張っています。身 孫の存在もあります。倒れる直前、 することになりました。また、5月に 体は多少不自由ではありますが、そん 私にとって 5人目の孫が生まれまし 難病の方に向けての講演をすることに だからこそ、何としても復帰出来るよ た。この子とその兄が男なのですが、 なりそうです。同じように難病と闘わ うに頑張ろうということで、周囲が私 ふたりの孫に自分の高座を見せたいと な中でも出来ることを前向きにやって いう気持ちがあります。兄が小学校6 れ て い る 皆 さ ん に、 こ ん 平 の「 チ ャ を励まし、そしてサポートしてくれま 年生、弟が5歳ですから、私が『笑点』 ラーン!」で勇気を差し上げられたら いくつもりです。 多発性硬化症という病気は体調やス や高座に出演している姿を見たことは と思っています。実は場所が新潟なの した。 トレス、天候……コンディションに左 ありません。彼らにとっての「じぃじ ─ 回復の具合はいかがですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 右されます。調子のいい時は言葉だっ 入院患者の皆さんにメッセージを 皆そうやって芸を身につけてきたので 業は本当に厳しかったと思いますが、 あったことは大きいでしょう。昔の修 持って頑張りましょう。 葉 が 好 き な の で す が、 ま ず は 希 望 を 越えられます。私は「希望」という言 どんなことでも一生懸命やれば乗り お願いします。 す。それに比べれば、リハビリだって そ し て、 私 が 落 語 家 と い う 芸 人 で ─ ですが、偶然にも私の故郷。これも何 落語家にとって言葉や身振りが不 く続けるつもりです。 ─ 自由になる病気は、本当につらいこと 当初は症状から脳梗塞ではないかと ています。 (祖父)」はリハビリに頑張っている私 し、リハビリ等の近況を語っていただいた。 てスムーズに出てくるのですが、反対 復ぶりを見せている。今月はそんなこん平氏の自宅を訪問 の時もあります。思い通りにいかなく 意の卓球でラリーを続ける姿を披露するなど、驚異的な回 かのご縁かもしれません。 懸命なリハビリを続け、復帰を目指している。最近では得 です。だから、昔のDVDなどでお客 う難病を患い、現在は高座や TV から遠ざかっているが、 て歯がゆいことは多いですが、リハビ 2004 年から言語や運動に支障をきたす多発性硬化症とい 様を笑わせているところを見ると驚い 日本テレビ系『笑点』でお馴染の落語家・林家こん平氏。 リは日々の積み重ねですから、根気よ 「ふたりの孫に 自分の高座を見せたい」 だと思いますが…… 05 TV ホスピタル Konpei Hayashiya
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