22号 - TVホスピタル

落語家
林家 こん平
いわれたり、正確な診断までに随分時
間がかかりました。暗中模索の中で無
我夢中だったと思います。それまで大
きな病気をした経験が全くなかったの
で、ある意味深刻にならずに済んだ部
めげることなくリハビリにとりく
分もあるでしょう。
─
めているのはどうしてでしょうか?
多発性硬化症は確かに重い病気で
す。また、一時は引退かといわれたよ
うに、言葉や身振りが不自由になるの
伝統芸を伝えていくという意義も
何だって耐えられます。
─
あるのでは?
そのうち、孫に稽古をつけられれば
と考えています。伝統芸の伝承であり、
リハビリであり、そして可愛い孫との
コミュニケーション。一石二鳥どころ
気持ちは『笑点』に出演されてい
か一石三鳥です。
─
た頃とお変わりありませんね。
チャラーン!(笑)当時と同じ元気
病気のおかげで仕事の幅が広がった
は、落語家にとって厳しいことです。
部分だってあります。今度、本を出版
よさでリハビリに頑張っています。身
孫の存在もあります。倒れる直前、
することになりました。また、5月に
体は多少不自由ではありますが、そん
私にとって 5人目の孫が生まれまし
難病の方に向けての講演をすることに
だからこそ、何としても復帰出来るよ
た。この子とその兄が男なのですが、
なりそうです。同じように難病と闘わ
うに頑張ろうということで、周囲が私
ふたりの孫に自分の高座を見せたいと
な中でも出来ることを前向きにやって
いう気持ちがあります。兄が小学校6
れ て い る 皆 さ ん に、 こ ん 平 の「 チ ャ
を励まし、そしてサポートしてくれま
年生、弟が5歳ですから、私が『笑点』
ラーン!」で勇気を差し上げられたら
いくつもりです。
多発性硬化症という病気は体調やス
や高座に出演している姿を見たことは
と思っています。実は場所が新潟なの
した。
トレス、天候……コンディションに左
ありません。彼らにとっての「じぃじ
─
回復の具合はいかがですか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
右されます。調子のいい時は言葉だっ
入院患者の皆さんにメッセージを
皆そうやって芸を身につけてきたので
業は本当に厳しかったと思いますが、
あったことは大きいでしょう。昔の修
持って頑張りましょう。
葉 が 好 き な の で す が、 ま ず は 希 望 を
越えられます。私は「希望」という言
どんなことでも一生懸命やれば乗り
お願いします。
す。それに比べれば、リハビリだって
そ し て、 私 が 落 語 家 と い う 芸 人 で
─
ですが、偶然にも私の故郷。これも何
落語家にとって言葉や身振りが不
く続けるつもりです。
─
自由になる病気は、本当につらいこと
当初は症状から脳梗塞ではないかと
ています。
(祖父)」はリハビリに頑張っている私
し、リハビリ等の近況を語っていただいた。
てスムーズに出てくるのですが、反対
復ぶりを見せている。今月はそんなこん平氏の自宅を訪問
の時もあります。思い通りにいかなく
意の卓球でラリーを続ける姿を披露するなど、驚異的な回
かのご縁かもしれません。
懸命なリハビリを続け、復帰を目指している。最近では得
です。だから、昔のDVDなどでお客
う難病を患い、現在は高座や TV から遠ざかっているが、
て歯がゆいことは多いですが、リハビ
2004 年から言語や運動に支障をきたす多発性硬化症とい
様を笑わせているところを見ると驚い
日本テレビ系『笑点』でお馴染の落語家・林家こん平氏。
リは日々の積み重ねですから、根気よ
「ふたりの孫に
自分の高座を見せたい」
だと思いますが……
05 TV ホスピタル
Konpei Hayashiya