融合型スーパーコア: 物理的イノベーションと仮想的 イノベーション、プログラム可能な ワールドクラスのシリコンと SDN — ジュニパーの展望 コアに適した新たなレベルの拡張性とコスト管理 インターネットが普及したことで、個人でも、世界中の人々と新しいアイデアを共有できるようになりました。 しか も、大規模なブロードキャスト インフラストラクチャを利用する必要もなく、ポケット サイズのスマートフォンからク ラウドにアクセスするだけです。たとえば、宇宙ファンは、持っているカメラやタブレット、専用のインターネット接 続を使って、スペース シャトル打ち上げの興奮を共有できます。趣味として始めたものであっても、あっという間に世 界中で 30 万人ほどのフォロワーが付き、新たなキャリアのきっかけとなることもあります。 1994 年当時、インターネット人口は、わずか 2,500 万人程度で、その多くが 9600 ボー モデムを使ったダイヤ ルアップ回線でアクセスしていました。2015 年には、その数が 30 億人に膨らみ、平均速度 1.3Mbps の環境を使 うモバイルブロードバンド ユーザーが、そのうちの23億人を占める見込みです。新しい人やものが接続されるたび に、アイデアのアクセシビリティが向上しています。接続速度がアップし、アイデアを共有する方法やオプションも増え ています。テキストが画像になり、さらに映像へと変わり、 リアルタイムでやり取りできるビデオ会議などへと発展し ています。ビデオ ゲーム ファンによるゲーム攻略方法のライブストリーミングが、世界中のネットワークの帯域幅に 影響を与える要因の上位 15 位に入り得る現在、テクノロジが非常に重要視されるようになっています。 サービス プロバイダは、仕事、学習、遊びのどの分野においても、世界中のユーザーによるアイデアの交換方法に強 い影響を与えています。新しいテクノロジが登場し、ネットワークの速度がアップし、 これまでインターネットに接続し ていなかった人やものが接続されるようになってきているため、 この影響力や効果はますます高まっていきます。 世界を変えるにはアプローチの変更が必要 このようにキャパシティーと接続性が急激に発展している中、収益性の高いビジネスを運営することは難しくなって います。人と人、マシンとマシン、そして人とマシンの間のやり取りが増加すると、大量のコミュニケーションフローが 生成され、予測できないトラフィックパターンが増加します。これら 2 つの力が、従来のネットワーク製品とアーキテ クチャに難題をもたらしています。現時点では、 プロバイダの多くが、新しい機器を追加して、必要に迫られる前にキ ャパシティーを直線的に増やすことでこの問題を解決しています。しかし、急激に拡大する問題をこのような線形ソ リューションで解決するのは、基本的な制約があります。静的動作により、通信業者がキャパシティーのオーバープ ロビジョニングを強いられると、新たな要求があるたびに必要以上に展開する必要があり、 この制約は悪化します。 このような状況は、サービスプロバイダにとって、巨額の資金投資と運営上の負担につながります。つまり、成長を予 測して、その成長に対応できる十分なキャパシティーを導入するという、終わりのない循環に陥り、結果的に利益の 極端に低いモデルでビジネスを行うことになるのです。プロバイダは、ハードウェア性能の向上を待ちわびています が、制約が再び悪化するだけです。 この悪循環を打破するため、サービスプロバイダには、 このようなインターネット トラフィックの動向に対処する、 こ れまでとは違う新しいアプローチが必要です。一元的な考え方で、複雑な多次元の成長を持続することはできませ ん。物理的長所と仮想的知性を組み合わせることが、 プロバイダが古い方法と決別し、新たなキャパシティー問題を 解決する唯一の方法です。頭脳と腕力を組み合わせれば、 コスト削減とネットワークの効率的な拡張を実現できるだ けでなく、収益の機会を多くもたらす創造性に富んだビジネスモデルにも至ります。世界最高の性能と効率性を備え たシリコンをはじめとする包括的な IP およびMPLS アーキテクチャの提供と、 プログラム可能な世界最先端の SDN を使った拡張を手掛けているジュニパーネットワークスは、未来に取り組むサービス プロバイダをサポートする最良 のパートナーになります。 1 自動化、拡張、創出:過剰なコアコストの排除 信頼できる機器ベンダーは、コスト負担を軽減して利益を増加させるための長期ビジョンを持っている必要がありま す。ジュニパーネットワークスのビジョンは、次のシンプルな 3 つの基本原則に基づいています。 • 拡張 • 自動化して運用を簡略化 • 創出 これらの基本原則は、言葉にするのは簡単ですが、実行するのは困難です。実行するには、さまざまなレベルでエン ジニアリングを革新して、力を尽くす必要があります。ジュニパーネットワークスは、信頼されるパートナーとなるた め、常に難題を歓迎します。 拡張:サービス プロバイダは、要求に応じて、ネットワーク全体をスケールアップ、スケールアウト、場合によってはス ケールダウンする必要があります。それには、基本的に、高性能シリコンから始まり、高性能システムへと拡張し、最 終的にネットワーク全体に広がる高性能アーキテクチャに至る、先駆的なイノベーションが必要です。 • シリコン:非常に高いネットワーク パフォーマンスを実現するには、まず、高度なシリコンです。シリコンは、ネ ットワークを構成する原子です。カスタムシリコンは、汎用品や市販のシリコンとも異なり、IP や MPLS トラフィ ックに対処できるように細かく調整され、最適化されています。 「設計者はこれ以上付け加える物が無くなった 時でなく、 これ以上取り去る物が無くなった時が完成だと知る」 と、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは言っ ています。丹念な設計が、可能な限り狭いスペースで最高品質、最速のスループット、最小の消費電力量を実現 し、遅延を最小限に抑えるために必要な、 トランジスタ、メモリ、機能を最適化します。 新型のジュニパーの ExpressPlus™ ASIC は、ジュニパーの画期的なシリコンイノベーションの最新例です。 ExpressPlus チップは、28 nm の構造に 60 億個のトランジスタ、20 倍までスペースを削減する 3D メモリ 技術、1 秒あたり 16 億回の高度なフィルタリング処理が特長で、500 Gbps という桁外れの低遅延性、低電力 消費、IP/MPLS パケット処理能力を実現します。 • システム:パフォーマンスと効率性の限界を広げるシリコンイノベーションだけではサービスプロバイダ の問題を解決することはできません。十分なパフォーマンス、経済性、容易な導入を実現するには、Juniper ExpressPlus シリコンを利用したネットワークプラットフォーム (ジュニパーネットワークス® PTX5000 およ び PTX3000 パケットトランスポートルーター) も、複雑なシステム設計を必要とします。 24 Tbps のキャパシティーを備えた PTX5000 は、業界の競合製品と比べ、少なくとも 3 倍のキャパシティ ーを提供します。その上、サービスプロバイダは、1 ビット当たり業界最低のコストで拡張でき、1 Gbps 当たり 0.57 ワットの電力効率を実現できます。つまり、 この新しいレベルの拡張性を、既存のスペースと電力規模で、 設備を再設計する必要なく達成できるのです。さらに、Junos Continuity テクノロジを活用すれば、簡単なド ライバの更新で、新しい 3 Tbps ライン カードを既存のシャーシに追加できます。追加すると、長時間に及ぶ 再適格性確認や高額なテストコストが不要になり、数か月ではなく、わずか数週間で新たなキャパシティーを 使用できるようになります。 競合他社とは異なり、ジュニパーは、コアルーティングの分野で「万能」な汎用アプローチを提供していません。 サービスプロバイダのオペレーションセンターは、世界の各地域によって大きく異なります。すべての本社環境 が、PTX5000 のようなフルサイズのルーティングプラットフォームを無理なくサポートできるわけではありま せん。フルサイズのルーティング プラットフォームをサポートできない環境には、PTX3000 パケットトランス ポートルーター (キャパシティー 8 Tbps) が、ETSI の 300 mm の規格に従った唯一のプラットフォームです。 つまり、PTX3000 は、競合他社が現在提供しているキャパシティーすべてを、10 分の 1 のスペース、8 分の 1 の重量で提供します。また、短時間でキャパシティーを追加できる上、機器が使用できるようになる前にかか る、電源、冷却、構造の整合性をサポートするための設備のアップグレードコストも不要です。 2 しかし、ジュニパーネットワークスは、現状に満足していません。さらに上を目指しています。このような物理的 イノベーションは群を抜いていますが、依然として、コストを制御するソリューションの一部にしかすぎません。 SDN における仮想的イノベーションと自動化が、コストの制御対象を個々のプラットフォーム以外にも広げ、ネ ットワーク全体を最適化できるようにします。 自動化:ネットワークは、効率よく簡単に運用できる必要があります。運用が複雑なネットワークは、通信事業者の悩 みの種となり、ネットワーク全体で資材コストの削減が進みません。仮想的イノベーションは、SDN のインテリジェン スをもたらして物理面の長所を強化し、ネットワーク規模の最適化を可能にします。そして、サービスプロバイダのネ ットワークへの関わり方が変化し、長期計画周期での制御からリアルタイムの制御へと移行していきます。手動でプ ロビジョニングしていたものが自動化されるようになると、通信事業者は、予期しないエラーや緊急事態の発生を防 いで、ネットワークの利用率を向上させ、あらゆるレイヤーでネットワークを最適化して、コスト削減を実現できます。 たとえば、SDN の制御機能を使用するサービスプロバイダは、 トラフィック使用率を 35% も上げて、現在の投資を 最大限に活用しています。また、無駄なオーバープロビジョニングによる不要な資本支出も、40% も削減できます。 ジュニパーネットワークスの NorthStar Controller では、初心者でもボタンを押すだけでネットワークを変更でき ます。NorthStar には、BGP-LS、NETCONF/YANG、Path Computation Element Protocol (PCEP) 、サード パーティ製ソフトウェアを統合するための REST API など、オープンスタンダードベースのプロトコルを採用してい ます。ネットワーク事業者は、変更内容を正確にシミュレーションして、モデル化し、実装することができます。サービ スプロバイダは、人的エラー、SLAの影響、エンドユーザー環境への悪影響が発生する心配をすることなく、シームレ スなネットワークアップグレードを自動化できます。SDN を使用すると、無意味なアップグレードを実装するために ルーターのハードウェアやソフトウェアをオーバースペックにするのではなく、ネットワークリソース プールからあら ゆるルーターを取り除いて、残ったルーター間でトラフィックを自動的に再配分し、 ノードの保守用に時間帯を確保 する必要がなくなります。さらに、マルチベンダー環境であっても、 トランスポートトポロジーのシフティングを確実 に管理でき、ネットワークのアップグレードやトラフィックの最適化が容易になります。将来を予測できるということ は、コストを最適化できるということですが、すばらしい新アイデアを実現できるということでもあります。ネットワー クの柔軟性が高まっているので、新サービスをさらに迅速かつ低コストで提供できるのです。 創出:ジュニパーネットワークスの融合型スーパーコア® アーキテクチャを導入すると、サービスプロバイダは、 トラフ ィック ニーズを満たす物理的イノベーションとネットワーク全体のトラフィックを正確に制御する仮想的イノベーシ ョンを活用して、サービスの使いやすさを犠牲にすることなく、ネットワークのどの場所にも仮想サービスを創出で きます。 3 まとめ:サービス プロバイダに拡張性を提供すると同時に コスト削減を促進 物理的イノベーションと仮想的イノベーションには、ネットワークの拡張性を全体的に向上させると同時にコスト削 減を促進するために、専用のエンジニアリングが必要になります。 「拡張とコスト削減促進の方法を理解しているネ ットワーク」 と言えるジュニパーの融合型スーパーコアは、わずかなスペースと電力でキャパシティーを拡張できるよ うにし、大規模なテストや認定プロセスをなくして、すべてのレイヤーでネットワーク規模のトラフィック最適化を自 動化し、新たに備わった適応性を活用してサービス構築の新たな機会を創出することで、サービスプロバイダを従来 の面倒な計画やアップグレードから解放します。 ネットワークをビジネスと同じ速さで拡張しましょう。最も効率的で使いやすいコアルーターを導入しましょう。繰り 返される手動でのネットワークプロビジョニングの負担から解放されましょう。ジュニパーネットワークスの融合型ス ーパーコアを導入するときが来たのです。 ジュニパーネットワークスについて ジュニパーネットワークスは、ネットワーク イノベーションに取り組んでいます。デバイスからデータ センター、消費 者からクラウド事業者にいたるまで、ジュニパーネットワークスは、ネットワークのエクスペリエンスや経済性を変革 するソフトウェア、シリコン、システムを提供しています。ジュニパーネットワークスは、世界中のお客様とパートナー 企業のために尽力しています。詳細な情報については、www.juniper.net/jp/ をご覧ください。 米国本社 3200048-001-JP 2015 年 2 月 Juniper Networks, Inc. アジアパシフィック、ヨーロッパ、 中東、アフリカ 1133 Innovation Way Juniper Networks International B.V. Sunnyvale, CA 94089 USA Boeing Avenue 240 電話: 888.JUNIPER(888.586.4737) 1119 PZ Schiphol-Rijk または +1.408.745.2000 Amsterdam, The Netherlands FAX: +1.408.745.2100 電話: +31.0.207.125.700 www.juniper.net FAX: +31.0.207.125.701 Copyright 2015 Juniper Networks, Inc. All rights reserved. Juniper Networks、Juniper Networks ロゴ、Junos、および QFabric は、米国およびその他の国における Juniper Networks, Inc. の登録商標です。 その他すべての商標、サービス マーク、登 録商標、または登録サービス マークは、各所有者に所有権があります。 本資料の記載内容に誤りがある場合、ジュニパーネットワーク スは責任を負いません。 ジュニパーネットワークスは、本発行物を予告なく変更、修正、転載、または改訂する権利を有します。
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