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分析事例C0242 2012/06/04 2016/08/10
ポリイミド成分の深さ方向分析
TOF-SIMSによる高分子・樹脂・フィルムの表面改質層の深さ方向の評価が可能
測定法 :TOF-SIMS
製品分野 :照明・ディスプレイ・光デバイス・LSI・メモリ・電子部品・日用品
分析目的 :化学結合状態評価・組成分布評価・劣化調査
概要
ポリイミドは非常に耐熱性が高く電気絶縁性も優れていることから、電子部品をはじめとして様々な分野
で用いられている材料です。表面改質を行うことで他の材料との密着性を高めることができることから、
改質層の状態を把握することが重要です。今回、有機成分が壊れにくいスパッタ条件にてTOF-SIMS測
定を行い、深さ方向にポリイミド成分を評価しました。GCIB(Arクラスター)をスパッタに用いると着目する
有機成分を深さ方向に測定することが可能です。 ※GCIB:Gas Cluster Ion Beam
データ
■データ例
スパッタイオン源に、C60を用いると、有機分子が壊れて質量情報が得られません。一方、GCIB(Arクラス
ター)を用いると、最表面と同じように有機物の分子情報を得ることが可能となっています。これにより、ポ
リイミド表面層の有機分子の深さ方向分析が可能となりました。
m/z 424 C23H10N3O6
m/z 307 C16H7N2O5
O
O
O
O
N
HN
O
O
N
N
O
O
N C O
O
O
図1 質量に対応する構造式
4.0E3
<12Z78UF102H>
C60でスパッタを
行った後の定性結果
3.0E3
Intensity
O
O
N
HN
1000
4.0E3
<11Z78ND108H16>
GCIBでスパッタを
行った後の定性結果
307
2.0E3
424
1000
4.0E3
<08Z22W0110>
最表面の分析
307
3.0E3
Intensity
5
10
2.0E3
2.0E3
二次イオン強度 (counts/sec)
Intensity
3.0E3
O
4
10
O
O
3
10
質量A
2
ポリイミド起因
C16H7N2O5
10
1
10
質量B
424
1000
0
10
250
300
350
400
m/z
図2 定性スペクトル
450
500
0
1
2
3
4
深さ (a.u.)
図3 有機物の深さ方向分析結果
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