血便を呈 した腸炎小児および腸重積症からの Vero毒 素産生 - J

673
血 便 を呈 した腸 炎 小 児 お よび腸 重 積症 か らの
Vero毒
素産 生 性大 腸 菌 の分 離
1)
福 岡 大学 筑 紫 病 院小 児 科,2)福 岡徳 州 会 病 院小 児 科
3)
福 岡 大学 小 児 科,4)福 岡大 学 病 院 臨床 検 査部
5)
塩 野 義 製薬 株 式 会社 診 断 医 学部,シ オ ノ ギバ イ オ メ デ ィカ ル ラ=ボラ トリー ズ
諸 岡
達 也1)柴
田
昌 彦1)村
松
和 彦2)叉
野
浩 美3)
山口
覚3)村
上
紀 之4)南
出 和 喜 夫5)村
田
豊5)
(平成7年1月13日 受付)
(平成7年3月10日 受理)
Key
words:
verotoxin-producing
Escherichia
sorbitol-MacConkey
medium,
coli,
要
1990年10月
か ら1994年9月
ま で の4年
間 に,福
bloody
diarrhea,
intussusception,
PCR
旨
岡 地 区 の3病
院 小 児 科 で,血
便 を伴 った 散 発 性 腸 炎 と
腸 重 積 症 か ら,従 来 の腸 管 病 原 性 細 菌 分 離 用 培 地 にsorbitol-MacConkey(SMAC)培
polymerase
chain reaction(PCR)法
便57例 中6例(10.5%)か
Salmonella
を用 い てvero毒
らVTECO157:H7が,そ
spp.が14例(24.6%),Yersinia
中11例 か らPCR法
に よ るVT遺
素 産 生 性 大 腸 菌(VTEC)の
の 他,Campylobacter
enterocoliticaが2例
下 で あ っ た.季
VTECの
伝 子 の 検 出 を 試 み た が 陰1生で あ った.VTEC腸
Vero毒
に1例,7月
(SMAC)培
下 痢 症 は じ め 出血 性
colitis,HC),溶
uremic
purpura,
ら に,腸
血性尿 毒
syndrome,
TTP)の
HUS),
throm-
原 因 と して 注 目
重 積 症2)3),虫 垂 炎4),急
性 脳 症5)な ど と の 関 連 も指 摘 さ れ,本
私 達 は,福 岡 地 区 に お け るVTEC感
的 研 究 の 一 環 と し て,1990年10月
染症 の疫学
か ら通 常 の 腸 管
紫 野 市 大字 俗 明 院377番 地1
福 岡大 学 筑紫 病 院 小 児科
平成7年6月20日
と夏 季 に 集 中 し た.同
地6)(BBL)を
はpolymerase
VT遺
全例
地 区で は
諸岡
達也
加 え,1993年4月
chain reaction
(PCR)法
以降
に よる
伝 子 の 検 出 を併 用 し,糞 便 検 体 か らVTEC
の分 離 を継 続 して い る.
今 回 は1994年9月
まで の4年 間 に,血 便 を合 併
し細 菌 性 腸 炎 が 疑 わ れ た 症 例 と腸 重 積 症 か ら の
VTECの
分 離 成 績 を報 告 す る.
対 象 と方 法
菌感 染症 の
臨 床 ス ペ ク ト ラ ム に 強 い 関 心 が 寄 せ ら れ て い る.
別 刷 請 求 先:(〒818)筑
回の
病 原 性 細 菌 分 離 用 培 地 にsorbitol-MacConkey
血 栓 性 血 小 板 減 少 性 紫 斑 病(thrombotic
さ れ て い る1).さ
例 で は,頻
の み に 認 め ら れ,CRPは
血 便 か ら の 本 菌 の ス ク リー ニ ン グ に 有 用 で あ っ た.
文
coli,VTEC)は
症 症 候 群(hemolytic
に3例
炎6症
炎 菌 不 明 の20例
症 の 原 因 と し て は稀 と考 え ら れ た.
素 産 生 性 大 腸 菌(verotoxin-producing
大 腸 炎(hemorrhagic
bocytopenic
に2例,9月
考 え ら れ,SMACは
の腸 重 積 症 か ら は検 出 さ れ ず,本
序
Esckerickia
節 的 に は,6月
大 部 分 が0157:H7と
VTECは30例
検 出 を試 み た.血
spp.が15例(26.3%),
か ら分 離 さ れ た.起
水 様 性 下 痢 に 引 き続 く新 鮮 血 便 が 特 徴 で あ っ た.発 熱,白 血 球 増 多 は2例
1+以
地 を 加 え,一 部 は
対 象 は,1990年10月
か ら1994年9月
間 に,福 岡大 学 筑 紫 病 院 小 児 科,さ
まで の4年
ら に1993年4
月 か ら は福 岡 大 学 病 院 小 児 科 と福 岡徳 州 会 病 院 小
児 科 を血 便 を主 訴 に受 診 した 散 発 性 腸 炎57例(男
児3楊例,女
児27例)と
腸 重 積 症45例(男
児26例,
諸岡 達也 他
674
女 児19例)で
あ る.年 齢 は 各 々1カ
3.1歳),4カ
月 ∼6歳(12.4±12.0カ
月)で
調 査 中 の 全 便 培 養 検 体 数 は1,210で
VTECO157の
分 離:糞
に 塗 布 し,37℃
た.1993年4月
DHL寒
O157ラ
研 化 学)上
浮 遊 さ せ-70℃
DNAを
October
1990 and September
地
よ びH血
(BHI)
broth
以 降 は 直 接 糞 便 か らPCR法
らに
に よ り
抽 出:BHIプ
に保 存 し た 菌 液 は,精
抽 出(熱
trypticase
ロ ス に浮
製 水 で1楊倍 希
間煮 沸す る ことに よ り
抽 出)し,そ
ン プ レ ー トDNAと
の 遠 心 上 清5μlを
し た.糞
soy broth(BBL)
便
10mlに
テ
Table
1
Comparison
diarrheagenic
of clinical
bacteria
details
among
due
to
enterocolitis
patients
は0.1gを
接 種 し,37℃
間 振 盗 培 養 し た 菌 液 を 精 製 水 で1楊倍 希 釈 し
た もの を 熱 抽 出 し た.vero毒
素 遺 伝 子 の 検 出,型
別 は 村 田 ら の 方 法7)に よ り検 討 し た.腸
細 菌 の 分 離 に はDHL寒
(Oxoid),SS寒
水 製 薬)を
天 培 地(栄 研 化 学),TCBS培
地
地(日
使 用 し常 法 に 従 っ て 同 定 し た.
血 便 症 例57例
績
中37例(65%)か
菌 が 分 離 さ れ た(Fig.1).
Campylobacter
1,C.laridis
spp.,2例
管病 原性
天 培 地,Preston培
成
(24.6%)
か らYersinia
はC.laridisが
6月 に1例,7月
ら腸 管 病 原 性 細
15例(26.3%)
spp.(C.jejuni/coli
1),14例
13,
か ら
C.fetus
か らSalmonella
ら分 離 さ れ た(た
同 時 に 分 離).0157の
に2例
が 認 め ら れ,3例
か っ た が,残
菌 不 明 の20例
だ
らPCR法
は 保 存 菌 液,楊
を 併 用 し てVT遺
は下 痢 を認 め な
り 劉例 は 頻 回 の 水 様 性 下 痢 が 先 行 し
た.Campylobacter
spp.やSalmonella
spp.に
よ
る腸 炎 症 例 の ほ と ん ど が 粘 血 便 で あ る の と対 称 的
で あ っ た.2例
は臨 床 的 に腸 重 積 症 が 疑 わ れ た た
め 高 圧 涜 腸 を施 行 し た が,重
炎
例 は糞
伝子 の検 出 を
試 み た が 陰 性 で あ っ た.
起 炎 菌 別 の 臨 床 像,検
例 はす べ て
は1994
方 の 遺 伝 子 が 証 明 さ れ た.起
中11例(5例
分 離 さ れ た6症
楊例 は
に 集 中 し た が す べ て 散 発 例 で あ っ た.6株
と もVT1,VT2両
(Table1).VTECが
明 ら か な 新 鮮 血 便 を 認 め た.1例
enterocoliticaが,E.coli
O157:H7は6例(10.5%)か
便)か
area between
の コ ロニ ー を減 菌 綿
infusion
釈 し た も の を100℃,5分
年9月
kuoka
with
in the Fu-
1994
に 保 存 し た 菌 液,さ
テ ン プ レ ー トDNAの
し1例
hospitals
伝 子 の 検 出 を 試 み た.
遊 さ せ-70℃
で3時
at three
伝 子 の 検 出 と型 別 を検 討 し
天 培 地(栄
1994年4月
VT遺
of enterocolitis
seen
以 後 の 一 部 の 患 児 に つ い て は,
棒 で か き と っ てbrain-heart
(BBL)に
distribution
stools
テ ックステス ト
凝 集 し た 菌 株 に つ い て0お
清 型 を 検 査 し,VT遺
Monthly
bloody
間 培 養 後 に 白色 の コ ロ
ニ ー を 分 離 し た.E.coli
(Oxoid)で
あ る.
あ る.
便 検 体 をSMAC培
で18∼20時
Fig. 1
月 ∼14歳(3.6±
か っ た.38.0℃
μl以 上 の 白 血 球 増 多 は6例
CRPは
全 例1+以
積 部 位 は証 明 で きな
以 上 の 発 熱 は6例
中2例
下 で あ っ た.こ
中1例,10,000/
し か 認 め ず,
の よ う にVTEC
で は 炎 症 所 見 が 比 較 的 軽 度 で あ っ た こ と が,Sal査 所 見 の 違 い を検 討 し た
monellaやCampylobacterに
よ る血 便 症 例 との
感 染 症学 雑 誌
第69巻
第6号
血 便小 児 お よび腸 重 積 症 か らのVTECの
違 い で あ っ た.6例
と も散 発 例 で 地 域 集 積 性 は認
め ず,感 染 経 路 は不 明 で あ っ た.HUS合
併 は認 め
675
腸 炎 と比 較 して,発 熱 の合 併 が 少 な く炎 症 所 見 は
軽 度 で あ り,季 節 で は夏 季 に好 発 す る1)14)と
言われ
て い る.今 回 の症 例 の検 討 で も,こ の よ うな 臨 床
な か っ た.
腸 重 積 症45例 の う ち30例 でSMACを
用 いて
01劉7の 検 出 を試 み,そ の うち12例(8例
は保 存 菌
液,4例
分離
は糞 便 か ら)はPCR法
に よ るVT遺
伝子
の検 出 を 同 時 に施 行 した が 証 明 され なか っ た.合
併 し た感 染 性 因 子 と し てSalmonella
Rotavirus2例,臨
sp.1例,
床 的 に突 発 性 発 疹3例
が認 め
られ た.
的 特 徴 は,SalmonellaやCampylobacterに
炎 の 臨 床 像 と異 な りVTEC腸
察
疑 う重 要
な 手 掛 か りに な る もの と考 え る.
今 回SMACで
0157:H7で
ら,PCR法
考
炎 の 特 徴 と考 え ら
れ た.腸 炎 患 児 を診 察 す る時 にVTECを
分 離 さ れ た6株
あ っ た.起
はすべ て
炎 菌 不 明 の20例 中11例 か
を用 い てO157以
外 のVETCを
ス ク リー ニ ング した が,VT遺
小 児 科 臨床 で は母 親 が 児 の血 便 に気 付 い て 受 診
よ る腸
含め て
伝 子 は証 明 で き な
か っ た.以 上 か ら,VTECの
中 でOl57:H7が
当
す る こ とが し ば しば あ る.血 便 の 原 因 は様 々 で あ
地 区 で は最 も頻 度 が 高 い と考 え られ る た め,現 時
るが,腸 管 の 形 態 的 異 常,出 血 傾 向 な どを 除 き感
染 性 腸 炎 で は一 般 に は細 菌 性 の こ とが 多 い.カ ナ
点 で は,SMACはVTECの
糞 便 か らの ス ク リー
ニ ン グ に非 常 に 有 用 と私 達 は考 え て い る.し か し,
ダ や 米 国 で は,血 便 症 例 の40%8)あ る い は36%9)と
SMACだ
高 率 にVTECが
る こ と,さ らに は排 菌 数 が 少 量 の 時 に は検 出 感 度
分 離 さ れ た と の報 告 が 認 め られ
るが,今 回 の結 果 は10.5%と
VTECは,前
比 較 的 低 率 で あ っ た.
回10)およ び今 回 の 分 離 成 績 か ら,
現 在 の と こ ろ福 岡地 区 で は下 痢 症 の 原 因 と して は
け で は0157以
外 のVTECが
見 逃 され
が 下 が る可 能 性 が あ る こ とか ら,前 述 の よ う な特
徴 を有 す る下 痢 症 お よ び 臨 床 的 に本 菌 感 染 症 が 強
く疑 わ れ る症 例 で は,PCR法
を併 用 す る こ とが 理
稀 な 細 菌 と 考 え ら れ る.血 便 症 例 に 限 っ て も
論 的 に も実 際 的 に も重 要 で あ ろ う.本 邦 で は ま だ
CampylobacterやSalmonellaと
分 離 され て い な いが,sorbitol
比 較 し て 分 離i頻
度 は低 率 で あ っ た.最 近 開 発 さ れ たVT1に
ELISAIgG抗
対す る
体 測 定 に よ る福 岡地 区 の 小 児 の 血
positiveのVTEC
O157も 報 告 さ れ て い る こ と か ら15),SMACを
VTECの
ス ク リー ニ ン グ に利 用 す る と き に は,今
清 疫 学 的 検 討 に よれ ば,本 菌 感 染 の好 発 地 域 で あ
後 この よ うな 菌 の 出現 に十 分 注 意 す る必 要 が あ ろ
る カ ナ ダ,オ
う.
ラ ン ダ よ りは るか に抗 体 陽 性率 は低
率 で あ った11)こ と も この 考 え を支 持 す る もの と考
腸 重 積 症 は小 児 科 臨 床 で 血 便 を呈 す る代 表 的疾
患 で あ る.メ
え られ る.
リー プ な どの器 質 的
症 例 は199楊年 の 埼 玉
な もの を除 き,大 部 分 は原 因 不 明 で あ る.感 染 性
国 各 地 か ら散 発 お よ び 流
因 子 と して 種 々 の ウイ ル スが 誘 因 に な り うる との
しか し,本 邦 で もHUSの
で の 集 団 発 生3)以来,全
ッケ ル憩 室,ポ
行 例 の 報 告 が し だ い に 増 加 し て い る.Takeda
考 え が あ る16)17)が,細菌 性 腸 炎 に 合 併 した 報 告 は
ら12)は成 人 の 血 清 中 に は 高 率 にVT抗
少 な い.し か し,VTEC感
体 陽性 者
が存 在 す る こ とを証 明 し,本 邦 に お い て もVTEC
染 症 で 臨 床 的 に腸 重 積
症 を疑 わ れ た 症 例18),あ る い は合 併 例2)3),さ ら に
は か な り侵 淫 して い る 可 能 性 が あ る と述 べ て い
は腸 重 積 症 の あ と にHUSを
る.し た が っ て,今 後 と も本 菌 感 染 症 の動 向 に は
散 見 さ れ る た め,本 症 か らVTECの
十 分 な警 戒 が 必 要 で あ ろ う.
た.45例
VTECは,健
康 保 菌 者7),血 便 を伴 わ な い軽 症 下
痢13)か ら分 離 さ れ る こ と もあ るが,や
は り激 し い
を,そ
中3楊例 でSMACを
の うち12例 か らPCR法
伝 子 の 検 出 を試 み た がVTEC感
発 症 した 報 告19)20)が
分 離 を試 み
用 い て0157の
分離
を併 用 し てVT遺
染 は証 明 さ れ ず,
腹 痛 と頻 回 の水 様 性 下 痢 に 引 き続 く,allbloodno
腸 重 積 症 の原 因 と し て は稀 と考 え られ た.し か し,
stoolと 形 容 さ れ る多 量 の 新 鮮 血 便 が 本 菌 に よ る
VTEC感
下 痢 症 の 特 徴 とさ れ て い る1).さ ら に,他 の細 菌 性
る と考 え られ て い る こ とか ら,本 菌 感 染 が 本 症 発
平 成7年6月20日
染 症 の病 変 が 回 腸 末 端 や 盲 腸 に 好 発 す
諸岡 達也 他
676
症 の 誘 因 と な る 可 能 性 は 十 分 あ る.今
0157:
後 症 例 を増
や し て さ ら に検 討 を 進 め た い.
本 論 文 の 要 旨 は第69回 日本感 染 症 学 会総 会(1995年,福
岡)に おい て発 表 した.一 部 のVTEC分
離 株 のVT型
文
献
Infection
by verocytotoxin-
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村田
豊,
内 田 清 久,
Vero毒
者.
楠
伸 治,
南 出 和 喜 夫,
竹 田 多 恵:
67:
8) Pai, C. H., Ahmed,
Sims,
H9)
の健 康 保 菌
diarrhea
producing
Escherichia
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due
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福 大 医 紀,
H7)
百田
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(O128:
1211-1218,
sporadic
spective
五 十 君 裕 玄,
定 期 検 便 で検 出 され た
素産 生 性 大腸 菌
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-458
Med.,
禎 一, 村上 紀 之, 広瀬 美 和 子, 甲斐 明 美, 工 藤 泰
別を
謝 い た し ます.
M. A.:
Intern.
10) 諸 岡達 也, 柴 田昌彦, 安 元 佐和, 竹 尾 浩 美, 小 田
検 査 して頂 き ました 東 京都 立 衛 生研 究 所 甲斐 明 美 先生 に深
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of Verotoxin-producing
Patients
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Stool
Tatsuya
MOROOKA1),
Satoru
YAMAGUCHI3),
Masahiko
Noriyuki
1)
Department
Department
Department
4)
Department
5)
Shionogi
SHIBATA1),
Biomedical
with
Pediatric
Bloody
Laboratories,
We tried to isolate verotoxin-producing
MINAMIDE5)
University
Fukuoka
School
Laboratories,
MURAMATSU2),
Wakio
Fukuoka
of Pediatrics,
of Clinical
coli from
Enteritis
Kazuhiko
MURAKAMI4),
of Pediatrics,
677
and Intussusception
of Pediatrics,
2)
3)
Escherichia
from
分離
Chikushi
Tokushukai
of Medicine,
Fukuoka
Shionogi
Escherichia
Hiromi
MATANO3),
& Yutaka
MURATA5)
Hospital
Hospital
Fukuoka
University
Pharmaceutical
University
Hospital
Co.,
Ltd.
coli (VTEC) on sorbitol-MacConkey
(SMAC) agar and in part by the polymerase chain reaction (PCR) method from sporadic enteritis
patients with bloody stools and intusussception patients who came to three pediatric clinics in the
Fukuoka area from October 1990 to September 1994. VTEC O157:H7 strains were isolated from
6 (10.5%) of 57 patients with bloody stools, Campylobacter spp. 15 (26.3%), Salmonella spp. 14
(24.6%), and Yersinia enterocolitica 2. We were not able to detect VT genes by PCR from 11 of
20 patients from whose stools no causative bacteria were isolated. Massive fresh bloody stools
following frequent watery diarrhea were typical of the VTEC enteritis patients. Only 1 patient
had fever and 2 had leukocytosis, but the C-reactive protein level in all of them was below 1+.
The VTEC strains were isolated during the summer season, 1 in June, 2 in July, and 3 in
September. Since in the area O157:H7 appeared to be the most prevalent VTEC serotype, SMAC
is very useful for screening VTEC in bloody stools. VTEC seems to be a rare pathogen of
intusussception because the organisms were detected from none of the 30 patients.
平 成7年6月20日