共同薬物治療管理における 薬剤師の役割 NPO法人 国際健康栄養医学機構 理事長 武藤 正浩 目的 z z z z z z z 薬剤師の変わりつつある役割を展開 ファーマシューティカルケアの定義 共同薬物治療管理の定義 (CDTM) CDTMの歴史的背景 「処方」と CDTMの比較対照 ヘルスケアシステムにおけるCDTMの影響を評価 CDTMの導入に関連した変化を説明 薬学の歴史 z 薬学の実践は革新し改善し続ける z 伝統的 z 移行的 z 患者の看護 z 臨床薬学の実践 z 患者中心の実践 z 新しいファーマシューティカルサービス z 臨床薬物動態 z 疾病状況管理 薬剤師の変わりつつある役割 “薬種屋” “薬種商” “薬剤師” ファーマシューティカルケア (PC) 「ファーマシューティカルケアとは患者のQO Lに影響を与える明確な結果を 達成するために、薬物治療を責任を持って 提供することである。」 Am J Hosp Pharm. Pharm. 1990;47:5331990;47:533-543 ファーマシューティカルケアの結果 1. 疾病の治癒 2. 患者の総合的症状を無くす又は減らす 3. 病気の進行を止める又は遅らせる 4. 病気又は総合的症状を予防する 共同薬物治療管理 (CDTM) z 一人以上の医師及び薬剤師の間で交された、共同 実践作業の契約であり、プロトコルで定義された内 容を資格を有した薬剤師が患者の評価を実施する ために、専門家が責任を負うことが許されている。 即ち治療に関連したラボ検査を注文したり、薬の処 方や選択をしたり、薬物療法を開始したり、モニター リングをしたり、継続したり、調整したりするものであ る。 Pharmacotherapy 2003;23(9): 1210-1225 CDTMの歴史 z 1970年代 - カリフォルニア州及びワシントン州で制 度が樹立 z z z 患者のケアを向上させるために資格のある薬剤師が薬 の処方をする。 1980年代に法案が通過し、薬剤師がプロトコルの基で 処方することが可能になった。 他の州もそれを追う – ワシントン州、フロリダ州、ノー スカロライナ州 z 必要条件:各州の薬学及び医学評議会に従った教育標 準に合致していなくてはならない。 なぜCDTMなのか? 肺炎 糖尿病 薬の有害作用 肺の疾患 事故 脳卒中 心臓疾患 癌 JAMA 1998;279:1200-5. CDTM 対 “処方” z “処方” は薬剤師が関与する前に行われる – プロトコルを通して z 例:薬剤師は高血圧のプロトコルにおいて患 者に対して抗生物質を処方することは出来な い。 薬物治療管理プロトコル z ある一定の状況の下で薬剤師に処方権を移 譲する書面によるプラン z 薬剤師の行為、行動の順序を指導し、役割、手 続き及び従うべき決定基準を描写しているもの。 z 相互に合意されたもの。 Pharmacotherapy 2003;23(9): 1210-1225 CDTMの必要条件 z 共同の実践環境 z 患者のカルテにアクセス出来ること z 教育、訓練、知識、技能、能力 z 活動と品質保証の書面化 z サービスに対する対価 Pharmacotherapy 2003;23(9):1210-1225 なぜ薬剤師なのか? z 薬の相互作用の知識がある z 薬と疾病の相互作用の知識がある z 薬と食品の相互作用の知識がある z 薬物動態の知識がある z 多剤併用療法 薬剤師の貢献度 z 薬剤師は以下の事を実行する権限を与えら れている: z 薬物治療を評価し、管理し、修正する z 適切なラボの試験を実施、評価 z 血圧、脈拍測定を含むルーチン的な患者の評価 z 患者教育 CDTMでの薬剤師の関与 z 慢性心臓疾患 z 高脂血症 z 喘息 z 抗血液凝固 z 糖尿病 z 高血圧 z 予防接種 影響 z 薬に関連する問題を管理 z 適切な薬物治療の選択 z 薬の有害反応の減少、予防 z ヘルスケアの全体の費用を減らす z 医療ミスを減少させる z 治療結果の向上と全体の死亡率を減少 挑戦 z 支払 z 資源 z 責任の増大が認められる z 薬剤師の姿勢 z 専門家の間の障壁 z 学問/教育の障壁 米国での薬剤師が CDTM を実行出来る州 はい (11) いいえ (38) 2004年認可予定 薬物治療管理 z z z メディケア Part Dで紹介 CDTMに類似しているが、医師との共同作業は含ま ない サービスは以下のものを含むがこれに限定しない z z z z z 患者の評価 治療プランを作成 患者の反応をモニター及び評価 薬物治療の評価 教育及び訓練 まとめ z z z z z z 薬剤師はCDTMによるだんだんと難しくなる薬物治療を管理 するのには充分に適任。 CDTMは薬剤師にとって進歩とチャンスである。 CDTMに参加している薬剤師はヘルスケアシステムでは広い 役割を担っている。 米国公衆衛生サービス、陸軍、退役軍人省は薬剤師が CDTMに参加することをサポート。 薬剤師の参加により効果と効率の向上が証明された。 将来は薬剤師が患者のケアにさらに関与した方向に向かっ ている。
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