2 - 公益社団法人日本実験動物学会

実験動物使用の現状と将来(動物数・性差について)
生産業者の現状と今後
日本実験動物学会 財務特別委員会
森村栄一
(公)日本実験動物協会
2016年11月25日
2016/11/25
JALAS維持会員懇談会
1
(公)日本実験動協会総販売数調査
(2001-2013年)
2013年総販売数調査結果
動物種
総販売数調査
実績匹数
2001年匹数を100%とした変動比
160
マウス
3,962,028
ラット
1,220,645
140
120
100
モルモット
101,042
%
80
60
ウサギ
犬
59,803
6,440
40
20
-
マウス
サル類
2,966
出典:(公)日本実験動物協会(総販売数調査)
2016/11/25
ラット
2001
モルモット
2004
2007
ウサギ
2010
犬
サル類
2013
出典:(公)日本実験動物協会(総販売数調査)
JALAS維持会員懇談会
2
実験動物市場(製薬業界)
動物実験を取り巻く市場環境の変化
年代
市場環境の変化
2001-2007
・製薬メーカーが相次ぎ合併
・外資系製薬会社の研究所が相次ぎ閉鎖
・日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨の差し控え
・2006年体制(実験動物福祉体制が確立)
「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」改正
「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」環境省
「農林水産省の所管する研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」農林水産省
「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」文部科学省
「厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」厚生労働省
「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」日本学術会議
2008-2010
・外資系製薬会社の研究所が閉鎖
・リーマンショックによる実体経済への波及→デフレスパイラル
・東日本大震災と計画停電 2011/3/11
2011-2013
・「動物の愛護と管理に関する法律」改正 2012/9
・山中教授がノーベル生理学・医学賞受賞 2012/12
・実験動物福祉の自主管理の更なる推進を図るべく、日動協、HS財団、国動協・公私動協が「第三
者による評価・認証制度」を開始
2016/11/25
JALAS維持会員懇談会
3
動物実験の性差について過去の実態
過去の実態(~2012)
従来の理由
実験動物の使用にあってはこれまで薬の研
究・開発では論ずるまでもなく雄性動物が使
用されてきた。
雌性の性周期が大きく関わってきた。マウス
やラットは発情期時に自発運動量が顕著に
増加し、摂餌量が著しく低下する。その結果、
生化学値が変動する。
アカデミアの見解
生産者
第52回日本実験動物学会総会「動物実験における
性差の問題を考える」
動物実験が雌雄の別なく等しく使用されることを願っ
てきた。
しかし、現実は生産者だけでは到底解決できるもので
はない。生産者を取り巻く市場環境は年々縮小してい
る。このような状況下で実験動物の生産者は、無駄な
経費を発生させないように雌雄の販売比率と収益性
を勘案しながら、研究者の求める良質で特性を管理
された動物の供給に努めてきた。
結論:雄性の偏重利用に科学的根拠はなく、曖昧な
根拠による雄性に偏った動物実験の現状を穏やか
に修正していく事が、科学的立場からも動物福祉の
立場からも望ましいとし、科学根拠に乏しい雄性利
用の現状を正していく努力も実験動物関係者には求
められていると結論付けた。
2016/11/25
JALAS維持会員懇談会
4
動物実験の性差について最近の動き
現在の状況(2014~2016)
現在~将来に向けての取り組みと理由
動物愛護管理法の順守
2014年9月23日寄稿(抜粋)
動物実験における使用匹数の削減=安楽死動物の
削減
「NIHは、前臨床研究の性別を考慮した新しい政策
を展開する準備をしています。科学は男女ともにあ
NIHの動向
ることで良くなりますから、女性と男性の生物学的
1993年に、NIH Revitalization Act でNIH資金提供 な完全な理解を促進することが私たちの目標となり
の臨床研究には女性のエントリーが必要。
ます。この政策を通じてNIHは、男性と女性のための
細胞や動物研究における実験デザインや分析に対 医学の進歩につながる科学を強化していきます。」
応する改革はなされていない。
非臨床研究の公表論文の問題=雄の動物と細胞に
対する過度の信頼
生産者
学会
実験動物施設管理における管理者の養成
第三者認証の取得=第三者評価
研究者レベルでの雄性の偏重利用の見直し、現実は
ごく一部でのみ
雌雄の使用バランスの改善が生産計画の改善と飼養
スペースの削減によるコスト削減を達成
2016/11/25
JALAS維持会員懇談会
5
マウス♂♀出荷実績対比(%)
実験動物 生産大手3社
2010年 / 2015年
A社マウス
B社マウス
C社マウス
2010 VS 2015
2010 VS 2015
2010 VS 2015
♂
total
55
diabetes
inbred
outbred
♂
45
73
Immuno
deficiency
hybrid
♀
45
27
41
8
32
92
54
64
2016/11/25
5
46
36
total
55
88
59
♂
♀
12
68
hybrid
95
57
diabetes
Immuno
deficiency
48
52
inbred
43
57
outbred
♀
43
85
43
25
57
60
19
40
total
48
91
38
50
♂
♀
52
15
75
50
♂
diabetes
9
62
53
Immuno
deficiency
47
88
32
hybrid 5
81
♀
♂
49
12
68
95
♀
51
94
33
6
67
47
53
51
49
inbred
48
52
57
43
56
44
outbred
43
57
54
46
JALAS維持会員懇談会
6
ラット♂♀出荷実績対比(%)
実験動物 生産大手3社
2010年 / 2015
♂
total
79
A社ラット
B社ラット
C社ラット
2010 VS 2015
2010 VS 2015
2010 VS 2015
♀
♂
21
disease
model
97
3
diabetes
100
0
inbred
outbred
92
78
2016/11/25
8
22
♀
♂
♀
79
21
total
88
12
80
20
disease
model
94
6
2 diabetes
96
4
98
♂
♂
♀
82
♀
18
total
76
24
91
9
disease
model
80
20
94
6 diabetes
98
♀
78
2
80
20
inbred
80
20
82
18
inbred
80
20
79
21
outbred
82
18
81
19
outbred
79
21
JALAS維持会員懇談会
♂
22
93
7
88
12
66
34
77
23
7
まとめ
 実験動物の偏重利用に関しては、産学で協力して解消する必要があると考
える
 雌雄両性を上手く活用することで、余剰動物の削減につながり生産スペー
スのコントロールが可能になる
 偏重利用解消に向けた研究に関しては、基礎データの収集の為の支援協
力を目指す
2016/11/25
JALAS維持会員懇談会
8