プログラム

日独温暖化防止シンポジウム
COP21 パリ会議の成功に向けて
京都議定書誕生の地からの提言
日時:2015 年 11 月 3 日(火・祝)10:00 - 17:45
会場:国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)
主催:ドイツ連邦共和国総領事館
共催:京都市、国立京都国際会館
特別協力:イクレイ日本、環境市民、気候ネットワーク、立命館大学経営学会
後援:環境省、京都府、在日フランス大使館(予定を含む)
www.japan.diplo.de/ondanka
プログラム
第1部 全体会議「温暖化防止に向けた世界の潮流」
10:00 - 10:15
13:15 - 15:15
開会挨拶
コーディネーター:
木下博夫 (国立京都国際会館館長)
インゴ・カールステン(大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事)
10:15 - 11:00
ヨーク・ラウパッハ=スミヤ(立命館大学経営学部教授)
スピーカー:
ベネ・ミュラー(ソーラーコンプレックス社代表取締役)
鈴木悌介(エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議代表)
長畑和典(㈱ジーエス・ユアサコーポレーション環境統括部担当課長)
基調講演
「温暖化防止政策 - ドイツ、ヨーロッパ、世界の現状」
フランツヨゼフ・シャーフハウゼン(ドイツ連邦環境省温暖化防止政策国際局長)
11:00 - 11:30
基調講演
「グローバル・ローカルな温暖化対策」
ハンスヨゼフ・フェル(エナジーウォッチグループ代表)
11:30 - 11:45
13:15 - 15:15
特別講演
「京都市の環境政策 - 京都議定書誕生の地から COP21 へのメッセージ」
門川大作(京都市長)
スピーカー:
ハンスヨゼフ・フェル(エナジーウォッチグループ代表)
下田吉之(大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻教授)
木原浩貴(京都府地球温暖化防止活動推進センター事務局長)
A)「地方自治体の役割」
コーディネーター:
杦本育生(認定 NPO 法人環境市民 代表理事)
スピーカー:
久保田后子(宇部市長)
牧野光朗(飯田市長)
アンドレアス・クレス(気候同盟 気候変動対応責任者)
ローター・シュトック(ベルリン州温暖化防止・エネルギー対策特別課課長)
みやこ
高月紘(京都市環境保全活動センター(京エコロジーセンター)館長)
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C)「持続可能なエネルギー使用を考える
- 地域の省エネ・再エネ普及で快適生活」
コーディネーター:
田浦健朗(気候ネットワーク事務局長)
第 2 部 分科会「地域における温暖化対策とエネルギー効率向上」
13:15 - 15:15
B)「エネルギー事業で地域を元気にする
-ドイツと日本の先進事例から学ぶ」
第 3 部 全体会議 「京都から学ぶ - パリ会議を成功に導くために」
15:45 - 17:45
パネル討議
ファシリテーター:
浜中裕徳(イクレイ日本理事長)
パネリスト:
フランツヨゼフ・シャーフハウゼン(ドイツ連邦環境省温暖化防止政策国際局長)
ハンスヨゼフ・フェル(エナジーウォッチグループ代表)
梶原成元(環境省地球環境局長)
浅岡美恵(気候ネットワーク理事長・弁護士)
ポール=ベルトラン・バレッツ(在日フランス大使館公使)
3 第1部 全体会議「温暖化防止に向けた世界の潮流」
ご挨拶
インゴ・カールステン 大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事
2015 年 12 月、パリで COP21 が開催され、気候変動に対する戦いにおいて決
定的な一歩が踏み出されるかと大きな期待が持たれています。今求められてい
るのは、拘束力と有効性のある国際協定です。交渉でそのような成果を得るこ
とに成功したのは、これまで唯一、1997 年に京都議定書が締結された時だけ
でした。当時、環境大臣として京都を訪れたメルケル首相は、今年ドイツで開
催された G7 で温暖化防止を重点テーマとしました。
本シンポジウムは、国際的な気候変動対策において、いかにすれば当時の京
都議定書の成功に続くことができるかを明らかにすることを目指しています。また、現場レベルで
の実際的な行動にも重点を置いています。なぜなら、CO2 排出削減は「偉大な政治家」やエネ
ルギーを大量に消費する一握りの大企業だけが取り組むべきテーマでは決してないからです。最
終的には私たち皆が環境保護や気候変動対策に貢献できますし、またしなければなりません。そ
のため本シンポジウムでは、個人や地方自治体レベルでできることを意識的に取り上げます。日
独両国は様々な共通の課題に直面し、互いに学びあっています。
この分野でも様々な知見を交換し、
新しいつながりを生み出してゆきたいと思います。
このテーマに関心を持っていただいたことに感謝申し上げると共に、皆様とともに実り多き議論を
行い、COP21 パリ会議に向けた価値ある提言ができることを望みます。
「温暖化防止政策 - ドイツ、ヨーロッパ、世界の現状」 フランツヨゼフ・シャーフハウゼン ドイツ連邦環境省温暖化防止政策国際局長
私は 70 年代後半から、野心的な温暖化防止政策を実現させるための経済的課題に取り組んでき
ました。エネルギーシステムの変換は温暖化対策を世界的に成功させるために不可欠なものです。
パリ会議に向けて、参加する約 150 カ国がすでに国別目標案(INDC)を提出しましたが、これは
最初の一歩に過ぎません。全ての国が INDC を完全に履行したとしても、今世紀末の地球の平均
気温は工業化以前の時代に比べ、依然 2.7 度上昇してしまいます。この上昇を 2 度に抑えるという
世界的な温暖化防止目標を達成するために、より積極的な努力をしなければなりません。
ドイツは 90 年代初めから温暖化防止政策に非常に積極的に取り組み、その世界的先駆者であると
自負しています。再生可能エネルギー固定価格買取制度、排出権取引などの新しい手法を活用し
てきたことにも、それは表れています。さらに長年、温室効果ガスの排出削減、第一次エネルギー
消費・発電・輸送部門における再生可能エネルギーの拡充、エネルギー効率の改善を三本柱と
して総合的に目標を設定してきました。ドイツは 2014 年には温室効果ガスの排出を 1990 年比で
27% 削減することに成功しました。さらに 2020 年までに同比 40% 削減の実現を目標にしています。
温暖化防止政策は、経済刺激策、雇用・新市場の創出、省エネ政策などと組み合わせて行うことで、
経済的にも社会的にも好ましい影響がもたらされます。
「グローバル・ローカルな温暖化対策」 門川大作 京都市長
京都議定書誕生の地・京都市において、地球環境問題の解決に向け日独両国の
英知と経験が結集するシンポジウムを開催できますことを心から嬉しく思います。
地球温暖化は人類共通の大きな課題。その解決に当たっては、
自治体はもとより、
国、大学・研究機関、産業界、NGO など環境保全に関わる全ての人々とのパー
トナーシップの下、多方面にわたる取組を進めていくことが重要です。
今回のシンポジウムでの議論が、COP21 パリ会議成功への確固たる礎となりま
すことを願っています。
木下博夫 国立京都国際会館館長
地球温暖化防止京都会議(COP3)の舞台となった当館は、積極的に環境対
策に取り組んでおり、LED 照明をはじめ、太陽光発電、コージェネレーション
システム、中水システムによる節水設備の導入等、施設の環境性能向上を実現
して参りました。また、新たに増築予定のホール建設にあたっては、周辺の自
然環境や風致地区の特性を踏まえ、周囲の景観との調和を図ると共に、常に
一歩進んだ環境技術の導入を目指しています。
本シンポジウムが、COP21 開催に向けた市民レベルでの「温暖化防止」に関する有意義な議論
の場になることを祈念いたします。
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ハンスヨゼフ・フェル エナジーウォッチグループ代表
気候変動枠組条約締約国会議が始まってからも、世界的な温暖化ガスの排出は増大し続けていま
す。地球気温は上昇し、異常気象や海面上昇などの被害が生じています。また気候変動により生
活の基盤を失う人たちも増加しています。
気候変動を止める試みが失敗する主な理由となっているのは、化石燃料の利用に幾重にも固執し、
有効な温暖化対策を政治に取らせまいとする世界経済です。温暖化対策はしかし、世界経済の負
荷となるものではなく、損害を回避するなど、社会の共通の利益のためには不可欠なものです。
今、新たな温暖化防止戦略が必要とされています。地球の気温を下げるという目的を、一貫して
追求しなければなりません。期待の持てる流れはすでに生まれています。再生可能エネルギーを
利用して、何百万人もの人たちや中小企業が自分達の使うエネルギーを独自に生み出すようになっ
ており、その数は増える一方です。
さらにこの流れは、技術の進歩によって加速しています。そのため、太陽光発電、風力発電によ
る発電コストは今日すでに、新たな石炭・天然ガス・原子力発電に比べ、より低くなっています。
COP21 パリ会議がこの世界的な動きを積極的に支援し、各国のパイオニア達、自治体、企業や組
合などの活動を後押しすることができれば、パリ会議は成功を収めるでしょう。
COP21 とは
今年 11 月 30 日から 12 月 11 日までパリで開催される第 21 回国連気候変動枠組条約締約国会議。第 1 回会議(COP1)は
1995 年にベルリンで開催され、以降、温暖化防止に向けた国際的な枠組みについて協議。1997 年に京都国際会館で開催
された第 3 回会議(COP3)では、締約国の温室効果ガス排出削減について具体的目標を定めた京都議定書が締結された。
5 第 2 部 分科会「地域における温暖化対策とエネルギー効率向上」
第 2 部 分科会「地域における温暖化対策とエネルギー効率向上」
分科会 A 「地方自治体の役割」
分科会 B 「エネルギー事業で地域を元気にする - ドイツと日本の先進事例から学ぶ」
気候変動問題は地球規模です。また COP21 で成立をめざすパリ合意は国単位のものです。この
気候変動・エネルギー危機 ― 人類が直面している難題は山積しています。しかし、一見すれば、
側面だけをみていると、気候変動問題に対して自治体の関与や果たせる役割はあまりないように思
これらの難題は社会や政治が解決すべきものであり、ビジネスには直接関係がないように思う人々
えます。
が多いでしょう。仮に、この様な難題が経済に影響を及ぼすとすれば、せいぜいリスクやコスト上
昇というような、いわゆる「経済的な負荷」として受け止められるくらいです。少子高齢化や人手
不足で悩んでいる地域経済や地元の中小企業は、特にそのように受け止めていると思われます。
しかし、世界中で顕著化、深刻化している異常高温、干ばつ、豪雨と大洪水、猛烈な台風、山火
事などの異常気象現象の人的、財産的被害も、その異常気象を原因とする食糧、水資源、健康へ
の悪影響も、世界中の自治体が当事者として対応しなければならない課題です。
一方、気候変動の根本的な解決に向けては、国際レベル、国レベルの政策転換が求められます
が、それとともに都市計画、交通政策、住宅政策、まちづくり政策、産業・雇用政策、廃棄物政策、
教育政策など、世界各地の地域社会での総合的な取り組みが重要かつ必須のものになっています。
自治体の様々な政策、これからのまちづくりが気候変動問題の根本的な解決のキーを握っていると
言えるのではないでしょうか。
日本においては、個々人、個々の企業での自主的な取り組み推進や、多くの自治体において環境
部門だけの温暖化対策が中心に行われてきました。しかしこのような対応では、気候変動の脅威
から住民の生活と未来を守ることも、地域社会の持続可能な発展を図ることも、到底不可能です。
上記のような政策を総合的に進めていかなければなりません。
ドイツ各地では、率先的な、また世界の自治体の模範となるような総合的な政策が推進されてい
る自治体が数多くあります。また日本においても「環境首都コンテスト」でも明らかになったよう
に、
この 10 数年間において気候変動防止に関わる政策を格段に進歩させた自治体が現れています。
このような自治体の取り組みには NGO、住民、地域団体、地域の事業者の参画と自治体とのパー
トナーシップが重要な要素になっています。
「エネルギー事業で地域を元気にする」という題のこの分科会では、地域に根付いている企業が「エ
ネルギー起業家」として温暖化防止やエネルギーの安全・安定供給に大きく貢献するだけではなく、
地域経済を活性化させていることを、ドイツと日本の先進事例を取り上げながらクローズアップし
ていきます。つまり、「エネルギー起業家」は地域にとっての大きなビジネスチャンスであることを
明らかにするのです。
今、世界中でそのようなうねりが起こっています。エネルギーというのはどこか遠いところで集中的
に作り、だれかに運んでもらうものではなく、自分の手で作り、自分で管理するものだという発想
は世界中に広がりつつあります。情報技術や再生可能エネルギーの飛躍的な普及とエネルギー市
場の自由化によって、世界のエネルギーシステムは数社の巨大企業中心の中央集中型のシステム
から、色々な一般企業、農家、自治体、市民団体などを中心とした中小規模分散型のシステムに
構造的に変換しつつあります。日本でもそのような動きが活発になっています。エネルギーの分散
型システムと言うのは、エネルギーの資源をよそから購入するのではなく、地域にある自然エネル
ギーの資源を活用し、地域の富を外に流出させず、地域内で循環するという仕組みです。地域企
業が省エネ、造エネ、エネルギー・サービスなどに取り組むことによって地域の雇用を創出し、地
元に知識やノウハウを蓄積し、地域の購買能力を高め、地域財政の健全化に貢献します。一言で
いえば「エネルギー起業家」で「地域循環型経済」を構築する ― 理想論にしか聞こえなかったよ
うなことが、今確実に起こり、その動きが世界中に拡大しています。この分科会ではその具体例を
紹介し、最前線で活躍されているドイツと日本の「エネルギー起業家」と直接意見交換します。
分科会 A では、まず、スピーカーからドイツと日本の自治体レベルで取り組まれてきた、多様で創
意あふれる気候変動防止政策、活動を具体的に報告して交流をします。そのうえで、今後どのよう
な活動が可能なのか、求められているのかを議論します。またドイツと日本の自治体と住民が交流
することによってどのような相乗効果が生まれるのか、そして、地域の自立的な取り組みを推進加
速化するために、国レベル及び国際レベルでどのような政策や合意が必要なのかを併せて議論し
ていきます。
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7 第 2 部 分科会「地域における温暖化対策とエネルギー効率向上」
分科会 C 「持続可能なエネルギー使用を考える - 地域の省エネ・再エネ普及で快適生活」
地球温暖化防止のためには、化石燃料に依存しない社会・生活への転換が求められています。先
進的な国・地域では、現状のエネルギーシステムから、効率の改善、省エネや再エネ普及による
新しい制度への転換が進みつつあります。その転換により、CO2 排出削減、環境負荷の低減がす
すむと同時に、生活の質が高まっていくことにつながっています。
分科会では、ハンスヨゼフ・フェルさんからドイツの対策について、下田吉之さんから日本の民生
部門のエネルギー使用動向・温暖化対策の最新動向について、木原浩貴さんから地域における具
体的な省エネ・温暖化防止活動について報告していただきます。その後のディスカッションでは、
ドイツの経験に学び、地域や家庭におけるエネルギー使用の効率改善、省エネ・再エネ普及の
ための政策や対策のあり方について議論します。
報告や議論を通じて、具体的な方策やアイデアを見出すこと、さらには、地域の温暖化対策を進
めることが、環境をまもり、生活の質を向上させ、持続可能な社会づくりにつながっていくという
理解が広まることもめざします。
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第 3 部 全体会議 「京都から学ぶ ― パリ会議を成功に導くために」
フランス・パリで開催予定の COP21 において、国際社会は 2020 年以降の新しい地球温暖化対策
の枠組みに合意しようとしています。この「パリ合意」にむけて、2020 年以降の新たな枠組みに
ついて、議長国フランスは次の4点を重要なポイントとして挙げています。①衡平で意欲的なパリ
合意をつくること ②アメリカや中国を含むすべての条約加盟国が目標(INDC)を持つこと ③途
上国に対して資金面等を含んだサポートを行うこと ④政府だけではなく自治体をはじめとする関
係者が解決策を持ち寄って参加すること(ソリューションアジェンダ)。
ここで、「ソリューションアジェンダ」として示されているように、「パリ合意」を成功に導くために、
各国の中央政府はもちろん、都市自治体、ビジネス・投資機関、市民団体などの果たす役割の重
要性について、益々注目が集まっています。気候変動対策という大きな課題に取り組むためには、
中央政府のみならず、これらのステークホルダーの関与と相互の連携を促進していくことが必要で
あると考えられています。
この全体会議では、
ドイツと日本それぞれの政府、および環境 NGO/NPO からパネリストをお迎えし、
フランスからの代表者を交えてディスカッションを行います。そのうえで、ドイツおよび日本の中央
政府として、また市民の代表として、これまで取り組んでこられた地球温暖化防止対策に係る活動
についてご発言をいただき、理解を深めるとともに、お互いに連携を一層深め、相乗効果を高め
ていくためにはどのようなことが求められるかについて、意見交換を行います。さらに、パリ会議
を成功に導くために、すべてのステークホルダーが果たしていく役割について議論します。
9 講師紹介 第1部 全体会議「温暖化防止に向けた世界の潮流」
フランツヨゼフ・シャーフハウゼン ドイツ連邦環境省温暖化防止政策国際局長
1948 年生まれ。ケルン大学で経済学を修めた後、ドイツ連邦環境庁、ドイツ連邦内務省での勤務を経て、
講師紹介 第2部 分科会 A「地方自治体の役割」
すぎもと い く お
杦本育生 認定 NPO 法人環境市民 代表理事
1953 年大阪市生まれ。京都大学農学部卒業、専攻土壌学。京都市勤務。92 年に環境市民を立上げ理事・
1986 年にドイツ連邦環境省入省。二酸化炭素排出権取引など主に温暖化防止・エネルギー分野を担当。
事務局責任者、02 年より代表理事。環境首都創造 NGO 全国ネットワーク代表幹事、
グリーン連合代表幹事、
2005 年から 2009 年には国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の共同実施監督委員会( JISC)委員。2006
グリーン購入ネットワーク顧問、京のアジェンダ 21 フォーラム副幹事長、NPO 法人 KES 環境機構理事、
(公
年に温暖化防止・環境・エネルギー部長、2013 年にはエネルギーシフト部長に就任。2014 年より現職。
財)京都市環境保全活動推進協会理事、NPO 法人持続可能な開発のための教育推進会議理事。COP3 時
は気候フォーラム事務局次長として主に全国キャンペーン活動を担当。
く
ぼ
た きみこ
ハンスヨゼフ・フェル エナジーウォッチグループ代表
久保田后子 宇部市長
1952年生まれ。1998年から2013年までドイツ連邦議会議員。再生可能エネルギー法(EEG)案を執筆。世界
1955 年生まれ。東京都出身。1978 年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、ドイツ・ミュンヘン市で
の注目を集めたドイツ再生可能エネルギーの技術的発展の基礎を築いた。今ではEEGの基本原理が多くの
1 年間学ぶ。帰国後、民間企業に勤務。1990 年夫の故郷である宇部市にIターン。1995 年山口大学大
国々で取り入れられている。2014年より世界のエネルギー問題を考える学者と議員のネットワーク
「エナジー
学院経済学研究科修了。1995 ~ 1999 年宇部市議会議員、1999 ~ 2009 年山口県議会議員。2002 年に
ウォッチグループ」の代表。
自宅は完全に再生可能エネルギーだけを使うエコハウス。
は環境省環境カウンセラーに任命。2009 年 7 月より第 27 代宇部市長に就任。
かどかわだいさく
まきのみつお
門川大作 京都市長
牧野光朗 飯田市長
1950 年年京都市生まれ。立命館大学二部法学部卒業。京都市教育長を経て、2008 年 2 月に京都市長就任。
1961年長野県飯田市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、
日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。
現在、2 期目。徹底した「現地現場主義」をモットーに市民活動の場や市政の第一線を訪問。市民と共に
同フランクフルト首席駐在員、同大分事務所長を経て、2004年飯田市長に就任、現在3期目。2013年より全国
汗する「共汗」と市民の視点に立ち、縦割り行政・二重行政を打破し、創造的な政策の「融合」をキーワー
市長会経済委員会委員長。農地制度のあり方に関するプロジェクトチーム座長代理として、農地制度の権限
ドに、全国のモデルとなる市政改革を進める。世界歴史都市連盟会長、イクレイ東アジア地域理事会議長、
委譲をはじめ地方分権改革に取り組んでいる。2015年より経済財政諮問会議の専門調査会である経済・財政
指定都市市長会副会長、指定都市自然エネルギー協議会会長、「世界文化遺産」地域連携会議会長等の
一体改革推進委員会委員。
役職多数。
アンドレアス・クレス 気候同盟 気候変動対応責任者
20 年以上にわたり地方自治体の持続可能な発展のため専門性の高い活動を展開。国連食糧農業機関、ドイツ
国際協力公社、フンボルト大学に勤務の後、現在では 1700 以上の自治体が加盟する気候同盟の欧州事務局に
2001 年 2 月に入り、2008 年より気候変動対応のための事業を統括。2014 年より気候同盟全体予算の責任者。
気候変動対応のための多くの EU の大規模プロジェクトに参画し、現在進行中の「Mayors adapt」においても
地方行政に対する助言を行っている。目下ドイツ・ヴォルムス市の気候変動適応戦略策定にも携わっている。
ローター ・ シュトック ベルリン州温暖化防止・エネルギー対策特別課課長
1985 年以来、州政府で環境と温暖化対策に関する役職を歴任。ベルリンの行政に長くかかわり、大都市
の抱える課題に精通している。直近では、ベルリン独自のエネルギー転換法の成立に従事。この法律では
特に、拘束力ある温暖化防止目標を掲げ、2050 年までにベルリンをカーボンニュートラルな都市にするこ
とを目指している。
たかつきひろし
みやこ
高月 紘 京都市環境保全活動センター(京エコロジーセンター)館長
1941 年生まれ、京都府出身。1970 年京都大学工学部大学院博士課程修了後、京都大学勤務。1985 年 京都大学環境保全センター教授。2002 年より、京エコロジーセンター館長。2014 年公益財団法人京都市
環境保全活動推進協会理事長。専門は都市・産業廃棄物処理、環境安全化学。役職として京都市廃棄物
減量等推進審議会会長、京都市ごみ減量推進会議会長。日本漫画家協会会員。
10
11 講師紹介 第2部 分科会 B 「エネルギー事業で地域を元気にする」
ヨーク・ラウパッハ=スミヤ 立命館大学経営学部教授
講師紹介 第 2 部分科会 C「持続可能なエネルギー使用を考える」
た う ら けんろう
田浦健朗 気候ネットワーク事務局長
1961 年生まれ。立命館大学経営学部国際経営学科教授。専門は再生可能エネルギー。大学で教鞭をとる
同志社大学大学院総合政策科学研究科博士課程修了、博士(ソーシャル・イノベーション)
。1997 年の COP3
前は、企業コンサルタントとして活躍したほか、数社の外資系企業の日本法人の役員を務めた。2014 年か
をきっかけに地球温暖化問題に携わる。
1998 年から気候ネットワーク事務局長として、
温暖化問題に関する調査・
らは一般社団法人エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 のアカデミックアドバイザー。
研究、政策提言、セミナー・シンポジウムの企画・運営、ニュースレター・出版物の作成、講演等、NGO の立
場で活動を行っている。他に、NPO 法人きょうとグリーンファンド理事、NPO 法人おかやまエネルギーの未来
を考える会理事、公益財団法人京都地域創造基金評議員、名古屋学院大学大学院非常勤講師、など。
し も だ よしゆき
ベネ・ミュラー ソーラーコンプレックス社代表取締役
下田吉之 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻教授
1965 年生まれ。2000 年の創業時よりソーラーコンプレックス社 CEO。同社はドイツ南部にあるボーデン
大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了後、大阪大学先端科学技術共同研究センター、大阪大学大
湖地域の市民による企業で、太陽エネルギー、バイオマス、風力を使った発電および熱供給設備を運営。
学院工学研究科等にて勤務、現在に至る。中央環境審議会臨時委員(地球環境部会)
。現在の研究テーマ
2030 年までに地域のエネルギー供給を完全に再生可能エネルギーに切り替えることを目指している。本社
は、都市・国土の民生部門エネルギー需要のモデル化、大学キャンパスのエネルギー管理、地域冷暖房・
は 60 年代のオフィスビルだが、エネルギー効率良く改修され、太陽光発電設備を備えている。改修後は
建物の熱源システムの最適化、低炭素都市の計画手法など。著書に「都市エネルギーシステム入門」。
消費するより多くのエネルギーを生みだすパッシブハウスとなっている。
す ず き ていすけ
き は ら ひろたか
鈴木悌介 エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議代表
木原浩貴 京都府地球温暖化防止活動推進センター事務局長
1955 年、神奈川県小田原市の鈴廣かまぼこの次男として生まれる。上智大学経済学部卒業後、アメリカにかまぼこ、
1977 年岐阜県生まれ。2000 年立命館大学産業社会学部卒業。2015 年龍谷大学政策学研究科修了。大
すり身を普及させるため、現地法人の立ち上げと経営にあたる。91 年に帰国し家業の経営に参画。00 ~ 01 年小田
学在学時から温暖化防止を目的に活動する NPO 気候ネットワークでボランティア活動を開始し、ニュース
原箱根商工会議所青年部会長、03 年日本商工会議所青年部会長、2009 年第 3 回ローカルサミット実行委員長など
レターの編集や小学生向け環境教育プログラムなどを担当。大学卒業後は同団体のスタッフとして勤務。
を歴任。現在、小田原箱根商工会議所副会頭、場所文化フォー ラム会員など。2012 年 3 月 20 日、全国の中小企
2003 年、京都府地球温暖化防止活動推進センターの設立に携わり、設立と同時にスタッフに就任。2011
業経営者で脱原発を目指す『エネ ルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議』
(エネ経会議)を立ち上げる。
年から事務局長。
ながはたかずのり
長畑和典 ㈱ジーエス・ユアサコーポレーション環境統括部担当課長
1952 年生まれ。大阪府出身。1977 年大阪大学工学部卒業後、日本電池㈱(当時)に入社。生産技術、
製品設計、商品企画、販売促進、営業、生産管理、資材調達等を経て 2008 年より環境統括部、2011 年
から環境統括部長。2014 年 10 月に部長退任後現職。
12
13 講師紹介 第 3 部全体会議「京都から学ぶ ― パリ会議を成功に導くために」
はまなかひろのり
浜中裕徳 イクレイ日本理事長
特別協力団体について
イクレイ日本
1944 年生まれ。東京都出身。1967 年東京大学工学部都市工学科卒業後、厚生省入省。1979 年より環境
「イクレイ-持続可能性をめざす自治体協議会」(ICLEI-Local Governments for Sustainability)
は、1990 年、国連環境計画等の支持の下、43カ国200 以上の自治体がニューヨークの国際連合
に集まって開催された「持続可能な未来のための自治体世界会議」で、国際環境自治体協議会
庁に勤務し、大気・水質保全等の環境政策分野で活躍。2001 年には環境省地球環境審議官に着任し、京
( International Council for Local Environmental Initiatives)
という名称で誕生しました。その後、協
都議定書をはじめとした政府間交渉に携わる。2004 年に環境省を退職し、同年より、慶應義塾大学環境
議会の活動は環境のみならず幅広い持続可能性の問題を包括していることから2003 年に団体の使
情報学部教授として教鞭をとる。2005 年 7 月より現職。その他の主な兼職に、(公財)地球環境戦略研究
命を拡大し、それに伴い、団体名称を現在のものに変更しました。現在、
ドイツのボンに世界事務局を
機関理事長、(公財)国際湖沼環境委員会理事長、かながわ地球環境保全推進会議会長。
置くイクレイは、予算、職員数、事業規模で最大の、地球環境分野の国際自治体連合組織になっていま
す。
かじはらしげもと
梶原成元 環境省地球環境局長
日本には 1993 年に事務所を設置しました。2004 年には法人格を取得して有限責任中間法人となり、
1955 年生まれ。富山県出身。1979 年東京大学工学部都市工学科卒業後、環境庁入庁。2010 年環境省
都市づくりなど、世界共通の課題に取り組んでいます。
2009 年からは「一般社団法人イクレイ日本」として、国内外の自治体と連携を図りながら、低炭素
大臣官房審議官、2012 年環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長などを歴任。2014 年 7 月より現職。
環境市民
環境市民は、持続可能で豊かな社会・生活を築くことをビジョンに、リオで国連環境と開発に関す
る会議が開催された 1992 年に創設しました。日本で最初にグリーンコンシューマー活動を具体化
し、各地にその活動を広げたことは環境白書でも国の政策形成に影響を与えたと紹介されています。
あさおか み
2001 年から 10 年間にわたり「日本の環境首都コンテスト」を全国の NGO とともに開催し、多くの
え
浅岡美恵 気候ネットワーク理事長・弁護士
市区町村に参加を得ました。このコンテストによって自治体の環境行政が切磋琢磨され、また自治
体間や自治体と NGO の信頼が醸成され地域から日本を変える「環境首都創造ネットワーク」が結成
1970 年京都大学法学部卒業。1972 年京都弁護士会登録。スモンや水俣病裁判、豊田商事事件など消費
されました。1997 年の COP3 時には「気候フォーラム(現:気候ネットワーク)」の創設に関わり、
者訴訟を担当。2006 年京都弁護士会会長。2014 年度日本弁護士連合会副会長。気候変動枠組条約第3
全国各地と京都での気候変動防止キャンペーンを担いました。また環境教育にでもリーダー養成講
回締約国会議に向けて 1996 年に設立された気候フォーラム事務局長、1998 年気候ネットワーク代表とな
座や教材の開発など多様な活動を継続しています。
り現在に至る。1999 年から 2012 年まで中央環境審議会委員。
ポール=ベルトラン・バレッツ
気候ネットワーク
在日フランス大使館公使
気候ネットワークは、1998 年 4 月に設立された環境 NGO/NPO で、地球温暖化防止を目的として、
市民の立場から「提案×発信×行動」に取り組んでいます。
ひとりひとりの行動だけでなく、産業・経済、エネルギー、暮らし、地域等をふくめて社会全体を持
1972 年生まれ。フランス国立高等師範学校卒業、パリ・ソルボンヌ大学哲学・史学・経済学上級教員資
続可能に「変える」ために、国際交渉への参加、地球温暖化防止に関わる専門的な政策提言、情
格取得。経済・財政の専門家として、経済財政省、欧州連合(EU)フランス政府常駐代表部、外務・ヨーロッ
報発信、地域単位での地球温暖化対策モデルづくり、人材の養成・教育等を行っています。
パ問題省で勤務。2012 年からはエコロジー・持続可能開発・エネルギー大臣 外交顧問を務める。2014
年 8 月から現職。
14
15 ドイツ外務省
大阪・神戸
ドイツ連邦共和国
総領事館
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