10. 自宅を今買う! (1)今は、家を借りるより買った方が安い! 何故でしょうか? 例えば、京成サンコーポ 66㎡・3LDK・¥2,500万を、銀行の変動金利1%・30年 元利均等返済で全額¥2,500万円の借入をして購入する場合、月々の返済は¥80,40 9円+管理積立金約¥20,000円=合計支払月額¥10,409円です。 これを住宅金融 支援機構の「フラット35」の固定金利1.63%・35年元利均等返済で借りると、月々 の返済は¥78,148円+管理積立金約¥20,000円=合計月額の支払¥98,148円です。 この物件を借りると月額賃料は12万~13万です。 今は史上最低の金利ですから、 何となんと月々の支払いは「借りるより買った方が安いのです!」 では、今は 買いたい不動産を買う時でしょうか? そうです! しかし、不動産は個性が強い し、総額が高いので、物件の選び方、買い方やお金の借り方をよく勉強することが 非常に大事です。 その家には自分の夢や家族の幸せがかかっています。 住宅ロ ーンが借りられるからと言うだけで買ってはいけません。 人生には「住宅取得資金」「教育資金」「老後資金」と言う三代出費があり、永い 人生の中でこの三代資金をバランスよく考慮して、家を買わないと良い人生になら ないからです。 その為には、「家族の人生計画」とそれに合わせた「ファイナン シャルプラン(資金計画)」が必要であり、それに合わせた自宅選びが非常に重要 だからです。 以下に自宅を上手に売り買いする為のノウハウを述べます。 (2)不動産を上手に買うコツについて ① 銀行の融資制度と減税制度を知って活用する。 不動産は景気の善し悪しにも左右されますが、どちらかと言えば「銀行から借り 入れができるか」「その金利が安いか」等々の「今は金融緩和か、金融引締めの時 期か?」と「減税制度があるか?」「エコポイント制があるか?」等の住宅取得促 進政策がどれ位あるか等々に大きく左右され、特に自宅の売買については、「銀行 の融資の仕方が緩いか厳しいか?」「金利が安いか高いか?」が大きく売り買いに 影響し、売買金額にも影響します。 何故ならば、人が生きて行くのに必要な衣・ 食・住の内で一番高額な買物である自宅の取得には何千万という住宅ローンを借り ることが一般的であり、それが借りられるか、金利はいくらか、税制上の優遇(減 税)はあるかが非常に大きな要素になるからです。 そこで、この住宅の取得を促進する為にどんな制度があるかを知り、それを活用 することが不動産を上手に買うコツの一つになります。 そして又、買う人に有利な住宅取得促進制度がある時は、それだけ買う人が多く なり、売る人には売りやすい時でもありますので、その時である今売出すことが確 実に高く売るコツでもあります。 ② 不動産(特に自宅)は、家族の変化に対応できる物を購入する。 自宅は家族の幸せを実現する為に持つ物ですから、交通環境・買い物環境・学校 環境・文化環境・運動環境等々の生活環境が自分の家族に合っている家を買い、家 族の成長に合わせてリホームしたり、場合には買い換えたり、と家族の変化にも対 応できる家を購入しなければなりません。 又、自宅不動産は、資産価値の点でも大きな意味を持ちますので、「転売価値が -1- あるか」も購入時の重要な要素になります。 例えば、35歳の家族の場合、子供が増えたり、子供が成長して部屋が足りなくな ったり、ご主人の職業が変わったり、転勤があったり等々と、今では想像もつかな いような変化が将来には起きます。 初めてマンションを買う家族は、大体にそこ に一生住むことを考えて買いますが、現実には10年以内に1/10が買換、20年以内に 50%が買い換えます。 ですから家を買う時には、家族の変化に対応できる買い方 や準備が必要です。 例えば、転勤が多い職業の人は、「賃貸」がし易い駅に近い マンションを買っておけば転勤の間、賃料で住宅ローンが支払えます。 長期の転勤や転職、部屋が足りなくなった時等々には買換になりますので、それ に備えて売り易い物件を買っておくことが必要です。 買換の時売りやすい物件と は、角地・角部屋・南向き・公園に面している・海が見える・駅に近い・管理が良 い等々の誰もが欲しがるような家です。 そんな家は住みやすいし、売る時にもみ んなが欲しがる家なので、早く・高く売れるからです。 ファイナンシャルプラン (家族の資金計画)の許す範囲でそんな売りやすい家を買うのも上手な買い方のコ ツの一つです。 ③ 「100:10:3:1の法則」で割安・お得な物を買う。 不動産は一つ一つ個性がありますので、地域により、物件により大きく利用価値 や売買価値が違い、自分の求めている物にどれが近いか、どれがいいか、その価値 は適正か、をできるだけ多くを見比べて判断する必要があります。 不動産は、購 入したいと思う地域の情報を集め、多くの類似物件を見比べて比較すれば、どこの 地域のどんな物が良いかを、専門家でなくても誰でも判断することができます(株 式等では幾ら同業種の企業と比較しても専門家でないとその本当の価値は判らない のと比べてみて下さい)。 又、不動産は、株の購入のように東京証券取引所の取引で決まる価格(国債や預 金の金利等も同じく決まった金利でしか買えない)ではなく、買値は売主と相対で 交渉できますので、貴方と一緒になって交渉してくれる良い営業担当者を選んで 自分に合った物件を探す為には、10 0戸見て、まあまあ条件に叶う10戸に絞り込み、その中から3戸選んで価格交渉し て、購入申し込みをして、銀行融資を申し込んで、融資が下りたらその一つを買う、 、価格交渉することができます。 ですから、 と言う「100:10:3:1の法則」で探すことが良い物件を安く買うコツです。 ただ現実には100戸も見るのは大変ですから、貴方の為に一緒になってこの法則 を実践してくれる良い営業担当者を選び、そのプロの助けを借りて、貴方の住まい の夢を実現すればいいのです。 これも良い家を安く買うコツの一つになります。 (3) 銀行の融資や税制を知って活用する。 (1) ① 金融機関の融資を知って活用する。 史上最低の低金利で住宅資金が借りられる。 今、住宅ローンの金利は史上最低です。 例えば、銀行の住宅ローンの変動金利 は、店頭金利で2.475%ですが、実際に融資する場合はほとんどの人に1.5%前後の優 遇をするので、金利は年利1%前後です。 更に、後述するように「住宅ローン控 除」で12月末日の残債の1%税額控除が10年間あるので、10年間は金利は0%です。 10年間も金利0で何千万ものお金を借りることができたことは過去にはありません -2- ② ③ し、これからもないでしょう。 但し、「この優遇された低金利」は、銀行の特別 判断次第なので、景気が良くなったり、貸出先が増えたりしたら、「何時無くなる か判らない優遇措置」なので、「今しかない」「今しか利用できない特別待遇」で あること、「銀行の判断が変われば、アッという間に1.5%金利が上がる!」と言う ことを考えて、今しか利用できない低金利ですので、ご注意下さい。 10年固定金利は、3.8%~4%です。 過去の歴史では7%~8%位が適正金利とされてい ましたので、これでもとても安い金利であり利用価値は充分にある、と思いますが、 住宅ローンを組む人の80%の人が今は変動金利か、フラット35を利用しています。 「フラット35」は、長期・低利・固定金利で借りられる。 住宅金融支援機構の「フラット35」は、金利2.63%の固定金利で35年返済で、更 に、10年間は優遇金利で1%安くなりますので1.63%で借りられます。 その上、住 宅ローン控除10年間は1%税金が税額控除で還付されるのですから、結果として「1 0年間は0.63%、その後25年間は2.63%の低利・固定で借りられる」ことになります。 更にその上、フラット35は、銀行融資では借りにくい自営業の人や転職して3ヶ 月くらいの人にも貸してくれるし、借り換えもできる等の適用条件も緩やかなので、 とても借りやすい制度になっています。 更に更に、フラット35は、借りやすい上に、最長で35年間も低利・固定で借りら れるのですから、月々の返済額も少なくなります。 そこで、固定金利を選ぶ人の ほとんどがフラット35で借りることになっています。 どうしてこんなに安く、長期間、固定金利で貸してくれるかと言えば、公的機関 である住宅金融支援機構の融資を通して、国民の住宅取得を支援することで家が売 れれば、建築業や建材業、家材業、家庭電気業、金融機関、不動産業等が潤い、国 内消費が高まる為、減税額の5倍以上の経済効果が出ると言うことで政府が国民の 幸福実現と景気対策の為に打ち出した政策だからです。 ④ 融資では、銀行との交渉力も必要、或いは交渉力のある業者を選ぶことが必要 不動産を買う時にその不動産を担保にして融資をしてくれる金融機関としては、 民間では都市銀行、地方銀行、信託銀行、信用金庫、信用組合、住宅専門機関、公 的には住宅金融支援機構等がある。 そこで融資を申し込む時、どの金融機関にす るか、どうすれば貸してくれるか、良く検討して申し込むことが重要です。 また、 どれくらいの額を貸してくれるか、金利は何%まで安くして貸してくれるか等々は 交渉次第です。 だから、一つの金融機関に断られても、貸してくれる所を探せば 借りられることもあります。 借入額や金利も金融機関ごとに、又、交渉次第で変 わります。 その交渉が自分でできない時には不動産仲介業者で融資に強い担当者 を選べば、金融機関を選び、一緒に交渉してくれます。 これも良い物件を安く買 うコツの一つです。 (4) 住宅取得促進政策の減税制度を活用する。 ① 直系血族から子供への住宅取得資金贈与1,000万迄非課税制度の活用 ② 暦年贈与110万迄非課税制度の活用、改正された生前贈与制度の活用 ③ 相続時 精算課税2,500万まで非課税制度の活用 ④ 住宅ローン控除(減税)制度の活用 ⑤ 耐震適合証明書の活用 ⑥ 住宅エコポイント制度の活用 ⑦ 住宅の省エネ 改修促進税制、住宅バリアフリー促進税制等の活用 (1) 直系血族から子供への住宅取得資金贈与1,000万迄非課税制度の活用 祖父母や両親から、20歳以上の子供が、住宅取得資金としてもらった1,000万迄 -3- の贈与は非課税という特例があります。 この特例を受ける要件は、① 贈与する 祖父母や両親の年齢制限はない、② 贈与を受ける子供は、その贈与を受けた年の 1月1日において20歳以上であること、③ その年の年間所得が2,000万以下であ ること、④ 自己の居住の用に供すること、⑤ この特例の適用を受けることがで きるのは'11年12月31日迄(時限法)、と言うのが主な要件です(延期される予定)。 この制度は、暦年贈与の特例ですので、110万迄非課税と併せて、1,110万迄非課 税で贈与を受けることができます。 尚、この贈与でもらったお金は、相続の時に相続財産に加算されないので、もら った人のもらい得です。 浦安のように不動産に人気があって高い所ではこの制度 と相続時精算課税を利用して親から住宅取得資金の援助をもらわないと買えません ので、活用できる人は大いに活用すべきです。 (2) 暦年贈与110万迄非課税制度の活用 毎年贈与を受けても110万の控除がありますので110万迄は非課税です。 そこで、 310万以下の贈与なら、110万控除した残りの200万について10%の贈与税ですので、 20万贈与税を払って、290万手元に残すやり方ができます。 お金持ちの親が居る 場合は、この方法を5年続ければ、100万の贈与税を払えば、1,450万のお金を子供 に移せます。 尚、'12年の相続税の改正案では、推定相続人等へのへの贈与が減 税されたら、例えば、510万迄は15%の贈与税になるので、毎年510万贈与して、60 万払い、450万を5年続ければ、2,250万のお金を子供に移転できることになります。 お金持ちには利用価値は大きいです。 (3) * (4) ① ・ ・ 相続時精算課税2,500万まで非課税制度の活用 65歳以上の父母から、20歳以上の子供に対して、生前贈与をする場合、お金でも 不動産でも、2,500万迄は非課税とし、それを超える部分については一律に20%の贈 与税をかけ、相続発生時にその贈与時の価額を相続財産に加えて清算する制度です。 この要件としては、贈与財産に制限はなく、暦年贈与とは併用できるが、一度相 続時精算課税を選択すると以後は暦年贈与は使えなくなります。 尚、子供に対する住宅資金贈与についてのみ、親の年齢制限が'撤廃されています ('14年12月末日迄の現時特例)。 例えば、相続時精算課税で1,000万贈与したら、次からの贈与は全てこの制度と して計算され、2,500万を超えるまでは非課税で、それを超える部分については一 律に20%の贈与税がかかり、相続時に精算することになります。 この制度は、相続時に相続税がかからないない普通の親から、一挙に子供に財産 を贈与する時に便利です。 ただ、不動産やお金を多く持つ資産家の親の場合は、 暦年贈与で少しづつ贈与税を払いながら、長期間の暦年贈与をするのが利用価値が 高い、と一般的には言えるでしょうか。 両制度を比較しながら、どちらの制度で 贈与するか、よく検討することが必要です。 住宅ローン控除(減税)制度の活用 住宅ローン控除(税額控除)の制度は、自己居住用の土地・建物を購入し、住宅 ローンを借りている場合、その年の12月末日の借入残債額の1%を、10年間にわた り、その年の所得税額から税額控除する制度です。 適用の要件 取得の時から6月以内に居住の用に供し、12月末日まで住み続けていること 合計所得額が3,000万以下であること -4- ・ ・ ・ ・ 床面積が50㎡(登記簿上)であること 10年以上の金融機関や勤務先からの住宅ローンであること 親や知人からの借入金は該当しません。 居住に供した年と、その前後2年間、合計5年間に居住用家屋の特例等の有利な軽 減税制を利用していないこと(居住用財産の買換による損失の損失通算及び損失繰 り越し控除の制度のみは併用可) ② 控除期間及び控除額の計算 居住の用に供した年 控除期間 隔年の控除額の計算(控除限度額 '13年1月1日~12月31日 10年 年末残額×1%(最高20万) '14年1月1日~12月31日 10年 年末残額×1%(最高40万) '15年1月1日~12月31日 10年 年末残額×1%(最高40万) ③ 住宅ローン減税は、「住宅ローンの借り換え」にも適用できる。 基本的には「住宅取得に直接的な借入金であること」です。 例外として、① 新しい住宅ローンが、当初の住宅ローンの返済の為の物である こと。 ② 新しい住宅ローンが、10年以上の償還期間のあること * 例えば、親や知人からの借入金を銀行の住宅ローンに借り換えた時、10年未満の 住宅ローンを10年以上の住宅ローンに借り換えた時などに、適用条件に適合して いれば、住宅ローン減税申請すればこの制度を受けられます。 ④ 今、住宅ローンが史上最低金利で借りられる(例えば変動金利1%で借りた)場合 に、この住宅ローン控除の制度で年末残債の1%が税額控除されるので、結果とし て、 10年間は金利0%で住宅ローンが借りられることになります。 こんな制度 があって良いのか?、と言うほど買う人に有利な制度です。 これを活用しない手 はないですね。 (5) 耐震適合証明書の活用 中古住宅は、RC造等の堅固な建物は25年以上、木造等の日堅固な建物は20年以 経過した場合、住宅ローン控除等々の住宅取得促進政策適用の対象になりません が、「耐震診断」して、「耐震適合証明書」を取得すれば、適用できます。 又、 耐震診断については費用の補助金が出るし、耐震適合証明できた場合は固定資産 税が減額されます。 (6) 住宅エコポイント制度の活用 省エネ工事をすると、最高で30万迄のポイントがつきます。 (7) 住宅の省エネ改修促進税制、住宅バリアフリー促進税制等の活用 住宅の省エネ改修工事やバリアフリー工事をすると減税されます。 * 以上のように、不動産は金融機関の融資や税制等々の住宅取得促進政策に大きく左 右されて、住宅ローンの支払い金額や税金が大きく変わります。 そこで、家を買 う時は、貴方に合う金融機関や住宅ローンを選び、ローンの手続きを手伝って、且 つ減税制度等の利用ができるように手配してくれる営業担当者を選ぶことが非常に 重要になります。 お客様の人生計画をお聞きして、人生の三大出費に合わせた住 貴方の家族に合わせたファイナンシャルプランをたてて、 宅取得ができますように、 無理のない家探しができますことを願っています。 (5) 住宅には大震災での倒壊等の危険に対しての保証がある。 '11年3月11日の東日本大震災で多くの家が被害を受けました。 -5- 安定資産で ある不動産にも危険があることが改めて強く認識されました。 しかし、住宅に関しては、地震保険の制度があり、火災保険金額の半額までの地震 保険の制度に加入することができ、天災に対しても厚い保証制度で多くの被害者が 救われました。 例えば、株式投資には保険制度はないのと比較して、住宅は火災 保険や地震保険や団体生命保険の制度等で厚い保証なされていることがとても有り 難い特徴である、と言えます。 2012年2月7日 -6- 記
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