布石の原理原則

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特典レポート2
スタートダッシュで差をつける!
布石の原理原則
相手を中押しで破る極意!
囲碁サブノート
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3
目
第1章
次
布石の大原則
・・・4
(1)物理的な広さ
・・・5
(2)模様も考慮した広さ
・・・6
(3)先手・後手を考慮した広さ
・・・10
練習問題
第2章
・・・11
布石の型についての考察
・・・13
(1)白番の中国流はあるか
・・・13
(2)黒が三連星を打てるわけ
・・・15
(3)中国流への妨害
・・・16
第3章
・・・18
模様の接点
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4
第1章
布石の大原則
布石の原則は一言、
広い所に打て。に尽きます。
序盤の打ち方で、それを具体的な場所で示したのがこの格言です。
一に空隅、二にシマリ(カカリ)、三に辺の大場
同じ石数で囲える地の広さは
隅
>
辺
>
中央
の順です。
だから、まず、第一手目は中央や辺より隅に打ったほうがいいということにな
ります。
この原理が理解できないと、碁は強くなれません。
でも、山下敬吾九段が初手で天元に打った対局を見たことがある人は、納得で
きないかもしれません。
山下敬吾九段に限らず、初手で天元に打つプロ棋士はまれにいます。
しかし、これはそのプロ棋士の趣向であったり、研究中の打ち方であったり、
ということで、初手天元が効率的な布石の原則として確立しているわけではあ
りません。
初手天元打ちの必勝法なんて本、出版されていないでしょう?
尐数意見にもなっていない打ち方です。
しかも、プロ棋士は日夜、研究を重ねています。
研究していないアマが初手天元だけを真似てもあとの打ち方がわからず、つぶ
れるだけです。
どんなものだろうと、楽しんでまねてみるのはいいとしても、未完成、未確立
の方法を学ぶのは上達のための方法としてはお薦めできないのです。
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(1)物理的な広さ
4隅を打ち合ったあと、黒1から5までの進行。問題ありません。
さて、白番でAとB、どちらに打つのがいいでしょうか?
Aは相手へのカカリ、Bはシマリです。カカリとシマリは同価値です。
ポイントはカカリかシマリかではなく、単純な広さの判断です。
この例題はあまりにも簡単。Bは左辺に偏りすぎ。だから感覚的にAと解答が
すぐ出てしまいますが、Bは白2との間隔が7路、Aは左下隅の白から9路。
石が多くなって分かりにくくなったときは、格好つけずに原始的に数えれば良
いだけのこと。
間隔は感覚じゃなく、数えよう。
1図
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(2)模様も考慮した広さ
黒番です。A、Bどちらに打つべきか、という問題です。
超~基本問題ですが、メルマガで出題したとき、正解率は 70%しかありません
でした。
どっちでもいいんじゃないかと思う人もいるようです。
物理的な広さはどちらも同じです。
こういう場合、特にコミを持つ黒番は自分の他の石との連絡を考え、模様形成
が可能なうち方をするべきです。
2図
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7
A(黒1)が正解。
白2とウケれば、黒3などと打って、右辺の勢力である二連星とつながって、
模様を形成します。
次は白番ですが、それを考慮してもこの時点で黒、圧倒的に優勢です。
3図
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8
白が黒の模様を嫌って白2とハサめば、
黒は1から一間に跳んだりしてはいけません。
(部分的には定石ですが、白の思う壺だからです。)
黒3と三々に入って黒 11 までの定石を選択します。
左上隅の地を黒が取ってしまいました。
白の上辺の勢力は右上隅の星に黒があるので大きくなりません。
この図も黒優勢です。
4図
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9
B(黒1)からカカると白2のウケ。
そのあと、黒5までとなると、
黒の勢力が分割されて消えてしまいます。
右辺の黒の二連星は白2,4によって、勢力を消されているわけです。
これでは黒はコミが重くなってきます。
このように、模様を考慮すると、同じに見える広さも異なってきます。
石はつながるほど効率がよくなって大きくなるのです。
その模様の中に入られても、攻めによって利を得ることができます。
5図
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(3)先手・後手を考慮した広さ
さて、黒が三連星を打った場面ですが、白はAですか、Bですか、という問題
です。
もちろん、正解は A です。
初級者の碁を見ていると、こういう場面で白が B と打つケースがよくあります。
対抗心が強いというか・・・
同じ三連星で不利はない、と考えたのでしょうか。
白Bと打った場面ではたしかに互角ですが、次は黒番です。後手でまねをして
も決して有利にはなりません。笑わないで下さい。こう打つ人、多いんです。
6図
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11
練習問題
黒1~白8まで、黒白問わず悪手はどれでしょう。
悪手をすべて指摘してください。また、理由も述べてください。
問題図
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練習問題1
解答
どの手も間違いじゃないように見えますが、
あまりに機械的に布石の原則を考えると、大局が見えなくなります。
悪手は問題図白6です。問題図、黒7が絶好点になっています。
解答図白6と割り打ちしたいところ。
自分の模様はできるように打つ。その反面、
相手の模様ができそうなときは消しにいく。
こともお忘れなく。
解答図
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第2章
布石の型についての考察
(1)白番の中国流はあるか
布石には型があります。将棋でいう戦型というのに似た概念かもしれません。
よくある質問に、白番の三連星、白番の中国流はありますか、
というのがあります。
囲碁は交互に打つゲームのため後手の白は先番の黒に妨害されて、思うように
布石は打てません。
7図
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7図は黒がたまたま三連星を打ったので、結果として白が中国流の形にするこ
とができたというだけです。
意図して白は中国流を打つことはできないのです。
黒は8図のように黒5と白にカカリを打つこともでき、こうすることが黒の不
利になることはありません。7図も8図も合理的なうち方であり、白が中国流
を打てるかどうかは黒の意志にかかっているのです。
白が戦略として最初から中国流を選択できないので、通常、これを白の中国流
とはいいません。
8図
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(2)黒が三連星を打てるわけ
白が4と打ち、黒が5とウケれば、先番の黒といえども、三連星は打てません。
しかし、白は後手にまわって、大事な空隅を黒9と打たれてしまいます。
三連星が鬼より怖い、という場合なら白はこう打つかもしれませんが、通常は
不利になるため打ちません。
だから、黒が三連星を打てる確率が高いのです。
しかし、白が先手で引き上げて、空隅に戻ることができるのなら、黒は布石の
型を選ぶ主導権を失うことになります。
9図
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(3)中国流への妨害
中国流の場合は、1ヶ所小目があるため、白は妨害しやすいかもしれません。
白4で小目にカカリます。
そのあと黒9までの定石になれば、白は右下隅に収まって、白 10 に回れます。
10 図
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11 図は、白4と原則どおり空隅に打ち、黒に中国流を打たせてから6以下の消
しを打つパターンです。
10 図とどちらがいいのか?
まさに打ち方いろいろです。
11 図
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第3章
模様の接点
布石には模様に関する重要な判断基準があります。
模様の接点または模様の必争点といわれる問題です。
12 図はよく使われる形です。
黒番です。次の一手はどこでしょう。
選択肢はありません。実戦さながらに打ちたいところを探してください。
12 図
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黒1が正解。
石を置いてみると黒模様が雄大になるのがわかります。
ほかのところなんか目がいきませんよね。・・・ね?
13 図
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20
白からも1が大きいところです。
白模様が立体的になってきます。
このように、黒白どちらからも模様を大きくするためにお互いに譲れない場所
を模様の接点または模様の必争点といいます。
大場中の大場です。
先に打ったほうが断然有利です。
14 図
(完)
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