食と環境への取り組み

食と環境への取り組み
2013
目次
Contents
編集方針
1
経営基本方針・地球環境の保全に向けて
2
会社概要
3
事業概要
5
ヤマザキと社会や環境との関わり
7
■ お客様とともに
食の安全・安心への取り組み
9
AIBフードセーフティシステムに基づく
工場での安全・安心の取り組み
11
お客様の安心のために
13
お客様とのコミュニケーション
14
■ 地域・社会とともに
(公財)
飯島藤十郎記念食品科学振興財団を
通じた食生活の向上のための食品科学振興助成
15
ファイダー
を
(公財)
国際開発救援財団
(FIDR)
通じた国内外への支援
16
スポーツ振興支援
17
地域に愛される工場を目指して
18
■ 食を大切に
ヤマザキの
「食」への考え方
21
国産食材の利用拡大を目指して
23
「栄養バランス」
と
「朝食の大切さ」
を発信
25
■ 従業員とともに
「新しいヤマザキ」
を牽引する人材の育成
働きやすい職場づくりに向けて
ヤマザキでは、
「 お客様」
「
、地域・社会」
「
、従業員」
「
、環
境」
とヤマザキの関わりについて、皆様にご理解いただくこ
とを目的として
「食と環境への取り組み」
を毎年発行し、
テーマごとに取り組み内容をご報告してきました。2013年
27
28
度版でも引き続き、食品を製造しお届けする立場からお客
様の関心の高い
「食の安全・安心への取り組み」
「
、食料資
源の有効利用」
「
、国産食材の利用拡大」
「
、食育活動」
など
についても具体的な事例をご紹介しています。
■ 環境活動報告
1
編集方針
●
対象期間
パンづくりにおける環境への影響
31
環境目標と実績
32
環境マネジメント
33
環境会計
34
省エネ活動の推進
35
店舗における省エネルギーの取り組み
37
物流における取り組み
38
●
副産物・排出物の発生抑制と再資源化
39
2013年12月
製品における環境配慮
(容器包装)
41
製品における環境配慮
(食品リサイクルループ)
43
環境コミュニケーション
44
食と環境への取り組み 2013
2012年度
(2012年1月1日~2012年12月31日)
のものを
報告しており、過去の実績・推移が必要と思われる項目に
ついてはこれを併記し、一部の取り組み事例については、
最新のものを掲載しています。
●
対象組織
山崎製パン株式会社単体を対象としています。
発行
おことわり
●
●
本報告書に記載したデータはお断りなく変更する可能性もあり
ますのでご了承ください。
本誌からの無断転載・複製はご遠慮ください。
経営基本方針
綱領
わが社 は、 企 業 経 営 を 通じ
(1)
て社会の進展と文化の向上に
寄 与 す ること を 使 命 と し、
個 人の尊 厳 と 自 由 平 等の
原 理に基づき、 困 難に屈 す
ることのない勇 気と忍 耐とに
よって高い倫 理 的 水 準に導か
れる事業を永続させること。
われわれは、 常に良き ものへ
向って絶え ず 進 歩 しつづける
ため、 各 人が 自 由 な 決 心に
基 づき、 正 し き 道 につき、
断 固として実 行 し、 自 主 独
立の協 力 体 制 を 作 り、 もっ
て使命達成に 進すること。
環境コミュニケーション
(2)
ヤマザキでは、お客様と環境意識を共有するため、売上の一部を森林整備に充てるカーボン・オフセット製品
の発売や環境イベントへ出展するなど、環境に配慮した製品を通じたコミュニケーションをすすめています。
カーボン・オフセットの取り組み
(岡山工場)
事例1 『大山の森クレジット』
2012年10月、鳥取県を販売エリアとする岡山工
場では、
(公財)
鳥取県造林公社とオフセット・クレジ
ット契約を締結し、公社造林地の整備を通じて環境
られ、製品の製造に係るCO2排出量の一部をオフセ
ットするのに役立てられています。2013年10月現在
までに14種類の製品がオフセット・クレジットの対象
となり、合計で238トンのCO2をオフセットしました。
ランチパック
(コーヒー&ホイップ)
裏面にカーボン・オフセットの
取り組みをプリントしています。
カーボン・オフセット
とは…
具体方針
牛乳」
を使用した地産地消製品の売上の一部が充て
境の向上などのために佐渡の森林整備に活用される
「トキの森クレジット」
(J-VER)
を
(公社)
新潟県農林公
① 最高の品質と最善のサービス
(今日到達しうる
ベストクオリティー・ベストサービスの実 践、実
行、実証)を目標とし、品質は今到達しうる最
高のものであり、新鮮であること。
それ は、製 品、組 織、仕 事、工 場、財 産 並 びに
設備のなかに表わさるべきこと。
購入しました。購入資金には、地元鳥取県の
「白バラ
新潟県を販売エリアとする新潟工場は、森林の
CO2吸収量の確保やトキの野生復帰に向けた生息環
② 充実した効率のよい積極的な組織体 を 作りあ
げ、そして維 持 拡 充していく ため、あらゆる可
能の努力を注ぐこと。
その組織体の人々は、会社を信頼し、仕事が喜
びであり、普 通 では できない仕 事 を 完 遂 する
ことが個人的な願望にまでなっていること。
③ 入 手 できる限 りの、事 業に独 特な要 求に適 合
した最善の設備と施設を備えること。
この設 備や施 設の調 達 は、維 持 運 営が経 済 的
であることと会社の組織に最 も 仕事 をしや す
い道 具 を 与えるという二つの観 点から考えられ
ること。
④ 産 業 界と一般 社 会との間に協 力 関 係 を 創 り 出
し、維持していくため、実行可能な一切のことを
行なっていくこと。
⑤ 業 務の遂 行に関 するすべての決 定 を 行なうに
あたって、常にその一件 を 処 理 する上 での便 宜
よりも、事業全体にとって何が正しいか、何が最
善であるかを中心に考えること。
⑥ 顧客に接 するときは、常に公明正大で、かつ相
手が何を欲しているかを充分に考慮すること。
配 達 や 品 質 やサービスについては、その成 果が
最優秀なものになるように努力すること。
省の認証を受けたオフセット・クレジット
(J-VER)
を
(新潟工場)
事例2 『トキの森クレジット』
社より購入しました。2012年12月発売の地元佐渡
産おけさ柿を使った
「ランチパックおけさ柿ジャム&
ホイップ」
の売上の一部は、
地球温暖化防止や森林生
態系保全に役立てられています。
2013年10月までに
合計で28トンのCO2をオフセットしました。
※新潟県では、環境省のオフセット・クレジット
(J-VER)制度と整合した、県内の森林整備プ
ロジェクトのCO2吸収量を認証し、オフセット・
クレジット
(新潟県J-VER)
を発行する
「新潟県
オフセット・クレジット制度」
を運用しています。
ランチパック
(おけさ柿ジャム&ホイップ)
自らのCO2排出量のうち、
どうしても削減できない量の全部
又は一部を他の場所での削減・吸収量でオフセット
(埋め合わせ)
することをいいます。
地 球 環 境 の 保 全 に 向 けて
エコプロダクツ2012に出展
基 本 的な考え方
エコプロダクツ大賞受賞「ちょいパクラスク」
具 体 的 な 行 動 に 向 けて
2012年12月に東京ビッグサイトにて開催された国内
グループ企業の
(株)
末広製菓が開発し
「ヤマザキ」
のブ
私達は、企業経営を通じて社
事業活動が環境に与える影響を的確に捉え、
それらに対応する環境管
1
最大級の環境イベント
「エコプロダクツ2012」
( 主催:一
ランドで販売している
「ちょいパクラスク」
は、
「ランチパッ
理活動の徹底により継続的改善および環境負荷の低減を図ります。
会の進展と文化の向上に寄
般 社団法人産業環境管理協会 日本経済新聞社)
に出展
ク」
の製造過程で副産物として発生する食パンの耳を利用
与することを使命とし、地球環
事業活動において具体的な目標を設定し、排出物の発生抑制、省エネ
2 を大切に」
しました。7回目の出展となった今回は、
「『食』
を
した菓子製品です。食品リサイクル法において最優先事項
境保全に関しても、事業活動
ルギー、省資源、
リサイクル推進、汚染防止等の環境負荷低減に取り組
テーマとして、食料資源の有効利用と国産食材の利用拡
として位置づけられている発生抑制に貢献している点、
みます。
のすべての面において
「地球
大を表す
「食べものを大切にする心」
、朝食の欠食改善と
「食パンの耳を使っている」
という情報を製品に表示し、お
環境を大切にすること」
を基
環境負荷低減のために活用できる最新技術を積極的に導入するととも
3
食事バランス改善の提案を表す
「食事を大切にする心」
に
客様との環境意識の共有化にも取り組んでいる点が評価
本理念として、一人ひとりが
に、技術革新に取り組みます。
ついてそれぞれに関連する製品を交えた展示を行いまし
され、
「 第9回エコプロダクツ大賞
(主催:エコプロダクツ
地球環境問題の重要性を理
事業活動に関わる環境関連法規、条例、協定等を遵守します。
4
た。
さらに、
2012年は容器
大賞推進協議会)
」
において環境大臣賞を受賞しました。
解し、
行動します。
包 装を軽 量 化した
「減装
(へらそう)商 品 」
、カーボ
5
ン・オフセット商品なども
含めたエコプロダクツを
来場者の方々にご紹介し
ました。
6
環境負荷の状況と環境負荷低減への取り組み状況を開示し、
社会との
ヤマザキでは、
「 ちょい
信頼関係を築くとともに、
地域社会の一員として環境保全活動に積極
パクラスク」
をシリーズ
的に参画し、
地域の人々とのコミュニケーションを推進します。
化し、食パンの耳のさら
全従業員に環境教育、
啓発活動を行い、
環境保全への意欲と意識の向
なる有効活用に取り組
上を図ります。
んでいます。
エコプロダクツ2012
ヤマザキブース
第9回エコプロダクツ大賞 表彰式
食と環境への取り組み2013
食と環境への取り組み
2013
244
会社概要
会
社
本
Corporate profile
名 山崎製パン株式会社
(YAMAZAKI BAKING CO., LTD.)
■
工場所在地
社 〒101-8585
東京都千代田区岩本町3-10-1
TEL 03-3864-3111
代表取締役社長 飯島 延浩
設
立 1948年6月21日
資
本
金 110億1,
414万3千円
売
上
高 9,515億円
(連結)
、6,308億円
(単体)
1 札幌工場
2 十和田工場
7 松戸第一工場
8 松戸第二工場
13 杉並工場
14 横浜第一工場
18 大阪第一工場
19 大阪第二工場
22 神戸冷生地事業所
23 岡山工場
25 福岡工場
26 熊本工場
従 業 員 数 16,638人
販 売 店 舗 約103,
000店舗
主 な 事 業 内 容 食パン、菓子パン、和菓子、洋菓子、調理
パン・米飯類等の製造および販売なら
びにその他仕入れ商品の販売
売 上 構 成 比
(単体)
(単体)
その他 6.8%
その他 6.8%
調理パン・米飯類
6.4%
調理パン・米飯類
6.4%
洋菓子 13.3%
パン 63.0%
パン 63.0%
洋菓子
13.3%
和菓子 10.5%
和菓子 10.5%
(連結)
(連結)
その他事業 0.9%
その他事業 0.9%
流通事業 7.1%
流通事業 7.1%
その他 16.6%
その他 16.6%
調理パン・米飯類
12.5%
調理パン・米飯類
12.5%
洋菓子 12.2%
洋菓子 12.2%
食品事業
92.0%
食品事業
92.0%
パン 43.7%
パン 43.7%
和菓子 7.0%
和菓子 7.0%
(2012年12月31日現在)
3
食と環境への取り組み 2013
3 仙台工場
4 古河工場
5 伊勢崎工場
6 新潟工場
9 千葉工場
10 埼玉第一工場
11 埼玉第二東村山工場
12 武蔵野工場
15 横浜第二工場
16 名古屋工場
17 安城工場・安城冷生地事業所
1 札幌工場
2 十和田工場
20 阪南工場
21 京都工場
名古屋工場
新潟工場 6
京都工場
伊勢崎工場 5
神戸冷生地事業所
岡山工場
24 広島工場
広島工場 24
福岡工場 25
23
香川製餡事業所
熊本工場 26
大阪第一工場
大阪第二工場
泉佐野事業所
22 18 21
19 20
16
4
仙台工場
3
埼玉第一工場
古河工場
埼玉第二東村山工場
10 11
武蔵野工場 12 13
7
15 9 8
14
17
安城工場・
安城冷生地
事業所
杉並工場
松戸第一工場
松戸第二工場
千葉工場
横浜第一工場
横浜第二工場
阪南工場
食と環境への取り組み 2013
4
事業概要
Summary of business
パン部門
パン本来のおいしさを知っていただくため、
品質にこだわり、
技術を
磨き、常に新しい技術で新しいおいしさをつくり続けています。パン
部門が開発する新製品は、年間1,000アイテム以上。常に新しいお
いしさをお届けするためには、
お客様のニーズを的確に把握した新
製品の開発が大きな要となります。ヤマザキでは一人ひとりが開発
担当者であり、毎日がマーケティングだと考え、積極的に技術革新
にチャレンジし、新しいおいしさを追求していきます。
和菓子部門
四季折々の素材と伝統の技でつくりだす繊細な味、
それが和菓子の
おいしさです。
ヤマザキは一つひとつの素材にこだわり、
最高の品質
を厳しく吟味し、
技術とノウハウを活かして伝統の味をお届けしてい
ます。
洋菓子部門
市場ニーズを的確に捉えるた
めに、ヤマザキの発想はいつ
もフレキシブルです。ニーズを
読みとる先取性と発想力、そ
れを支える技術力。ヤマザキ
はいつも果敢に挑戦し、食の
楽しさをお届けしています。
5
食と環境への取り組み 2013
調理パン・米飯部門
ヤマザキの調理パン・米飯部門
は、
サンデリカを中核とした効率
的な生産・販売・管理体制のも
と、
デイリーヤマザキやヤマザキ
ショップをはじめ全国の幅広い
業態へお届けしています。
菓子部門
ヤマザ キは、不 二 家、ヤマザ
キ・ナビスコ、東ハトなど、グ
ループ企業の製菓会社が製造
するビスケットやクッキー、
チョ
コレート、米菓類など、バリエー
■
ヤマザキグループのご紹介
食品事業
● 株式会社不二家
● 株式会社サンデリカ
● ヤマザキ・ナビスコ株式会社
● 株式会社ヴィ・ド・フランス
● 株式会社東ハト
● 株式会社イケダパン
● 株式会社ヴイ・ディー・エフ・サンロイヤル
● 株式会社岡山イワミ食品
● 株式会社高知ヤマザキ
● 株式会社スリーエスフーズ
● 株式会社サンキムラヤ
● 株式会社末広製菓
● 株式会社ヤマザキデリカ
● 株式会社ヤマザキ
(ヤマザキプラザ市川事業部)
● 秋田いなふく米菓株式会社
● 株式会社札幌パリ
● 株式会社金沢ジャーマンベーカリー
● 株式会社盛岡デリカ
● 大徳食品株式会社
● 持分法適用関連会社
日糧製パン株式会社
流通事業
ション豊かな菓子をご提供し
● 株式会社スーパーヤマザキ
ています。
物流事業
● 株式会社ヤマザキ物流
● 株式会社サンロジスティックス
● 株式会社食品共配システム
その他の製品
自社工場で製造する、各種ジャ
ムやゼリー、水ようかんなどの
進物品、
レトルトカレー、パン用
スプレッドなど、食をテーマに
さまざまな製品群をお客様の
食卓へお届けしています。
販売ネットワーク・店舗開発
海外事業
● ヴィ・ド・フランス・ヤマザキ
(アメリカ)
● ヤマザキカリフォルニア
● ヤマザキフランス
● 香港ヤマザキ
● 上海ヤマザキ
● 成都ヤマザキ
● 台湾ヤマザキ
● タイヤマザキ
● サンムーランヤマザキ
(マレーシア)
● サンムーランヤマザキシンガポール
● フォーリーブズ
(シンガポール)
● ヤマザキインドネシア
その他の事業
● 株式会社ヤマザキエンジニアリング
● 株式会社ヤマザキ
(保険事業部)
● 株式会社ヤマザキクリーンサービス
● 株式会社サンミックス
● 日農生研株式会社
多様化する生活者ニーズと市場環境の変化に応えるさまざまな機能の店舗展開をすすめています。
ニューヤマザキデイリーストア デイリーヤマザキ
ヤマザキショップ
スーパーヤマザキ
ヴィ・ド・フランス
(コンビニエンスストア)(コンビニエンスストア)(地域密着型小売店) (スーパーマーケット) (ベーカリーカフェ)
サンエトワール
(フレッシュベーカリー)
食と環境への取り組み 2013
6
お客様
ヤマザキは、お客様のよりよい食生活に貢献
するため、安全・安心で高品質な製品を提供
しています。
●
AIB国際検査統合基準に基づく工場での
安全・安心への取り組みについては P9 -12
●
細菌検査、品質検査については P13
●
お客様との関わり、表示については
P14をご覧ください。
原材料仕入先
ヤマザキは、厳しい検査を経た安全で高品
質な原材料を調達しています。
●
原料の安全性の確認については
P13をご覧ください。
海外産地の視察
(クルミ)
環境
ヤマザキは、地球環境の保全に向けて、生
産、物流、製品開発など、さまざまな活動を
通じて環境負荷の低減に努めています。
7
●
環境目標と実績については P32
●
環境会計については P34
●
省エネルギーの取り組みについては P35-37
●
製品における環境配慮については P41-43を
ご覧ください。
食と環境への取り組み 2013
LNG
(液化天然ガス)
サテライトタンク
(岡山工場)
ヤマザキの
「食と環境への取り組み」
を
皆さんにわかりやすく紹介する
環境キャラクター
「エコッペくん」
です。
コッペパンをモチーフにしています。
販売店様
ヤマザキは、
お取引先とパートナーとして協力
関係を築き、最高の品質と最善のサービスを
目標とし、食の提案をともに行っています。
●
ヤマザキマーケットクルーによるミールソリュー
ションについては P26をご覧ください。
スーパー店内での親子サンドイッチ教室
地域・社会・行政
ヤマザキは、社会の進展と文化の向上に寄与するた
め、地域・社会・行政とのコミュニケーションを積極
的に図り、学術文化活動、
スポーツ振興支援などを
通じ、社会の発展に貢献できるよう努めています。
●
学術文化活動、国際協力活動、
スポーツ振興支援に
ついては P15-17
●
各工場の地域貢献活動についてはP18-20を
ご覧ください。
「いちかわ環境フェア2012」
でのステージイベント
従業員
ヤマザキは、従業員の仕事に対する喜び、
働きがいを実現するために、より働きやす
い職場づくりに取り組んでいます。
●
人材育成については P27
●
より働きやすい職場づくりに向けた取り組み
については P28-30ご覧ください。
従業員家族工場見学会
(千葉工場)
食と環境への取り組み 2013
8
お客様とともに
食の安全・安心への取り組み
ヤマザキの工場では、原料調達から販売までのすべての工程で、
徹底した衛生品質管理を行っています。
食品衛生管理体制
ヤマザキは食品企業として、食品の衛生や安全性を守
います。
「 食品安全衛生管理本部」
は、各工場との密接な
る品質管理を、
なによりも優先すべき重要な使命であると
連携のもと、原材料から最終製品、販売までのすべての工
考えています。そのため当社では、衛生・品質管理を強化
程で、
「AIB国際検査統合基準」
に則った徹底した衛生・品
する専門部署として
「食品安全衛生管理本部」
を設置して
質管理を行っています。
製品の流れ
原料調達
生産
物流
販売
製品
STORE
お客様
情報の流れ
食品安全衛生管理本部
(本社各部門)
お問い合わせ
お客様相談室
ご返答
ご意見
ご要望
情報の流れ
製品の流れ
食の安全を守る400名の専門スタッフ
「食品安全衛生管理本部」
は、食品衛生管理の役割別に
製品の衛生管理、製造設備の清掃、お客様からのお問い
「食品衛生管理センター」
「
、食品品質管理部」
「
、お客様相
合わせ対応など食の安全・安心の徹底のため日々活動し
談室」
の3つの部門に分かれています。すべての工場に本
ています。
社直轄の組織を設け、衛生・品質管理を行っています。各
部門では総勢約400名の専門スタッフが、原料の検査や
■
食品安全衛生管理体制
食品安全衛生管理本部
本社
食品衛生
管理センター
食品品質
管理部
お客様
相談室
工場
●食品衛生管理センター分室
(食品検査室)
●フードハイジーンセンター
すべての工場に本社直轄の組織を設けています。
9
食と環境への取り組み 2013
各工場の食品検査室では、
原材
料や製品の細菌検査、
理化学検
査などを行っています。
フードハイジーンセンターでは、科
学的な根拠に基づき、通常の従業
員では手の届かない製造設備の清
掃などを行っています。
AIB国際検査統合基準とは
ヤマザキの食品安全管理システムの基となる
「AIBフー
ドセーフティシステム」
は、米国およびヨーロッパの食品安
されており、食品安全衛生上の危害が生じる可能性をなく
すために不可欠な内容になっています。
全衛生に関する各種法律・規則を基にAIB
(米国製パン研
究所)
が独自に作成した
「AIB国際検査統合基準」
に則った
システムです。原材料の入荷から生産・加工・製品の出荷
まで、すべての工程において安全性を確保するための5つ
のカテゴリーで構成されています。
「AIB国際検査統合基準」
は、国際的に認められた衛生
AIB監 査では、生 産
設備の隅々まで厳し
くチェックします。
管理手法であるHACCP
(危害分析と重要管理点)
の前提
条件ともなるGMP
( 適正製造規範)
の考え方を基に作成
「AIB国際検査統合基準」
を構成する5つのカテゴリー
1
作業方法と従業員規範
原材料の受入、移動、保管、輸送、加工や最終製品を配送する工程において、従業員、生産工
程や環境が食品安全上の問題を引き起こさないことに、施設は自信を持つ必要があります。
製品が従業員や生産工程によって汚染されることを防ぐための方法を示しています。
2
食品安全のための
メンテナンス
食品安全のための環境を提供し維持管理するうえで、設備や建築物の設計、構造およびメン
テナンスは、
とても重要です。施設や設備が、衛生上および食品安全上の危害を招かず、
それ
らを容易に管理できるようにするための最適な設計や保全方法を示しています。
3
清掃活動
製品を食品安全上の危害から守るために、清掃や洗浄殺菌方法、使用する化学薬剤の種類、
清掃活動の頻度、および微生物管理を専門的な知識を用いて実施する必要があります。製
品の汚染を回避するための清掃に関するガイドラインを示しています。
4
総合的
有害生物管理
(IPM)
施設から害虫などの有害生物を排除することは重要ですが、食品製造環境内で有害生物が
繁殖する機会をなくすことの方がさらに重要です。ここでは、有害生物による食品の汚染を
避けるための多様なアプローチを管理する方策を示しています。
5
前提条件と
食品安全プログラムの
妥当性
「前提条件と食品安全プログラム」
を確立することは重要です。
しかし、
もし設計、計画、管
理、文書、および見直しに関して正式なプログラムが確立されていなければ、前提条件プロ
グラムは、
その日の担当者の一存に委ねる結果となってしまいます。前提条件プログラムを
施設全体に一貫して実施していることを確実にするための基準を示しています。
AIBフードセーフティシステムの導入について
2000年の食の安全・安心に対する社会的な関心の高
ィシステム」
はパン業界にとどまらず、製粉、乳製品、菓子
まりをきっかけに、パン業界においても異物混入対策を含
をはじめ多くの食品関連施設で導入されています。ヤマザ
めた食品安全への新たな取り組みが急務となりました。
キでは、
すべての工場でAIBの基準をクリアしています。
ヤマザキは海外での事例を調査・検討した結果、米国の
パン工場などにおいて標準となっていた
「AIBフードセーフ
ティシステム」
が大変有効であると考え、AIBより指導員を
当社に招聘し、2000年にこのシステムを導入しました。現
在はAIBのライセンスのもとに一般社団法人日本パン技
術研究所フードセーフティ部が、食品工場や倉庫などにお
ける教育、指導、監査を実施するなど、
「AIBフードセーフテ
米国AIBより
感謝状が贈られました
2012年6月に開催されたAIB監
査11周年記念式典で、日本へ
のAIB監査の導入と普及への貢
献により飯島社長が感謝状を贈
呈されました。
食と環境への取り組み 2013
10
お客様とともに
AIBフードセーフティシステムに基づく
工場での安全・安心の取り組み ヤマザキでは、食の安全・安心を確保するために原料調達から販売にいたるまでの工程において、
厳しい安全衛生管理を徹底しています。食パンがお店に届くまでをご紹介するとともに、
それぞれの工程における安全衛生管理の具体的事例をご紹介します。
原料管理
●
原料管理
小麦粉中の異物除去 ●
● アレルゲン原料の管理 ●
小麦粉をサイロから製造ラインへ送る送粉ラインに
「イ
ンラインシフター(ふるい)
」
を設置し、小麦粉中の異物
を取り除いています。
アレルゲン原料は特定の保管場所を設け、区分け保管
や器具類を専用化するなど、
アレルギー物質の混入を
防止しています。
インラインシフターの設置
アレルゲン原料の区分け保管
原料受入
仕込
発酵
成型
パン作りに必要なさまざ
まな原料を入庫します。
小麦粉や水、酵母などを
混ぜてこね合わせます。
発酵室でパン生地を発酵
させます。
分割して形を整えてから
もう一度発酵させます。
異物混入防止への取り組み
●
生産ライン入室時の異物混入防止 ●
生産ラインに入室する際は、私物の持ち込み禁止はも
ちろんのこと毛髪の落下を防止するヘアネット、帽子、
白衣を着用し、手洗い、
アルコール消毒、粘着ローラー
掛け、
エアシャワーを行います。
異物混入防止への取り組み
●
設備・機械の改善 ●
機械内部に溜まった粉や生地の点検・清掃を容易にす
るために、機械カバーをシースルータイプのものに交
換し、内部の状態の
「見える化」
をすすめています。
生産ライン入室前
のエアシャワー室
機械カバーをシースルータイプに交換
11
食と環境への取り組み 2013
※食パンの生産工程は簡略化して表現しています。
原料管理
●
配送時の温度管理
原料受入時の確認 ●
原料の受入時には包装材が破損していないか、要冷
蔵・冷凍原料の温度が適切に管理されているかなど
さまざまな検査を行っています。
●
庫内温度を一定に保つ配送車両 ●
工場内はもちろんのこと、配送車両も製品の保管条件
に合わせた温度管理が可能な車両を導入し、配送中
の庫内温度を運行管理システムにより計測・記録して
います。
定温庫
(20℃以下)
チルド庫
(10℃以下)
トラック庫内の
温度管理
液卵受入時の温度測定
焼成
包装
配分・出荷
オーブンに入れて焼き上
げます。
冷ましたパンをパッケー
ジに入れていきます。
番重(ケース)に入れてお店
ごとに配分(仕分け)
します。
異物混入防止への取り組み
● より確かな清掃と作業ルールの徹底 ●
すべての施設、設備、機械の清掃方法、頻度を科学的
な根拠に基づいて定めた清掃計画表
「マスタークリー
ニングスケジュール」
と
「清掃手順書」
を作成し、
より確
かな清掃と作業ルールの徹底を図っています。
「マスタークリーニングス
ケジュール」
に基づく清掃
販売
工場からお店へ直接配送
します。
異物混入防止への取り組み
●
金属検出機で製品を検査 ●
すべての生産ラインで、金属検出機を設置し、出荷す
る製品に金属の混入がないことを確認しています。
金属検出機によるチェック
食と環境への取り組み 2013
12
お客様とともに
お客様の安心のために
ヤマザキでは、積極的な技術革新による製品開発を通じ、新しい価値を創造するとともに、
国内はもとより海外から集められた原料や全国の工場で生産された製品の
安全性および品質についても厳しくチェックしています。
原料の安全性を確保するために
最新機器を用いた安全性の確認
購買部門では、お客様に安全・安心で高品質な製品を
中央研究所では、当社で使用する原料について、最新機
提供し続けていくために、原料の安全管理と品質管理を
器を用い、定期的に厳正な品質検査を実施しております。
最重要課題として取り組んでいます。購買、食品安全衛
輸入農産物の定期的な残留農薬検査や、米などの原料中
生、生産部門の各担当者が定期的に原料の産地や原料
に含まれる微量元素の組成分析による原産地判別を実施
メーカーを訪問し、農薬等の管理状況の確認や、高品質な
し、安全性や品質を確認しています。さらに原料メーカーと
原料を確保すべく製造現場のチェックを行っています。ま
共同でトランス脂肪酸低減化油脂の開発にも積極的に取
たヤマザキが求めている安全性や高い品質基準について
り組んでいます。
より深く理解してもらえるように、現地・現場の方々との
意見交換も絶えず行っています。
蛍光X線装置による元素分析
海外産地の視察
(レーズン)
市場での製品買い付けによる品質検査
放射性物質への対応
ヤマザキでは、安全・安心な製品をお客様にお届けする
中央研究所では福島第一原子力発電所の事故後、定期
ために、工場で毎日生産される製品をサンプリングし、衛
的に自社使用の原料、仕込水、および製品について放射
生検査を実施しています。また、食品衛生管理センターや
性物質を検査し、安全性を確認してまいりました。さらに
中央研究所のスタッフが各地で実際に市場で販売されて
2012年4月から施行された新基準値に対応するため、厚
いる全工場の製品の定期的な買い付けを抜き打ちで行っ
生労働省が示したスクリーニング法で必要とされる性能
ています。買い付けた製品は、細菌検査をはじめ、重量や
を有したシンチレーションスペクトロメータを購入し、農林
形状および外観を評価し、安全性や品質をチェックしてい
水産省通知の
「自主検査における信頼できる分析の要件」
ます。結果は、各工場にフィードバックされ、問題点の把握
を満たす放射性物質の検査体制を整備することにより、安
と改善に役立てています。
全性を確保しています。これからも全社一体となった検査
体制の強化を図り、
お客様に安全で安心してお召し上がり
いただける製品を提供してまいります。
市場買い付け製品の細菌検査
シンチレーションスペクトロメータによる
放射性物質検査
13
食と環境への取り組み 2013
お客様とのコミュニケーション
ヤマザキでは、お客様と会社を結ぶ架け橋として、
「お客様相談室」
を設置しています。
お客様からのお問い合わせやご要望など、お聞きした
“お客様の声”
を製品やサービスに反映できるよう、
お客様への対応の充実に努めています。
お客様の声を活かすコミュニケーション
お客様情報管理システムの概要
お客様相談室では、
「 迅速」
・
「的確」
・
「丁寧」
に、お客様
ヤマザキでは2008年4月に、全国の工場と本社をネット
の質問・ご相談・ご指摘にお応えすべく、お客様の目線に
ワークでつなぐ、
お客様情報管理システムを導入しました。
立ち、安全・安心はもとより、
お客様にご満足いただけるよ
このシステムにより、お客様の声を工場と一元管理でき
う製品・サービスに関する情報を提供しています。お客様
るようになり、お客様のご要望・ご質問に対する回答や食
から当社に寄せられたご意見・ご要望は真摯に受け止め、
品事故の未然防止策の水平展開がより迅速となりました。
工場や本社の関連部署にフィードバックし、製品の開発、
なお、お客 様からお預かりした個 人 情 報は、セキュリ
改良・改善やサービスの向上に役立てさせていただいて
ティーを施したデータシステムに保管し、厳重に管理してい
います。
ます。
■
お客様情報管理システム
報告
枠内は、厳重なセキュリティーが施されています。
お客様の声を製品やサービスに反映しています。
■
お客様の声
製品の改善・サービスの提供
関連部署(生産・営業・購買など)
お 客 様
お客様相談室
情報管理システム
データベース
(電話・手紙)
(情報の蓄積・共有・一元化)
ご返答
連絡
工場
ご意見・ご要望
お問い合わせ
お客様からのお問い合わせ内容内訳
(2012年度)
その他
10,157件
期限に関する
質問
3,801件
製品に対する要望
2,918件
カロリーについて
10,178件
お問い合わせ
合計
38,143件
ホームページでの情報発信
ヤマザキでは、多くのお客様が製品に関する情報を手軽
製品の特徴について
6,708件
に入手できるように、ホームページを通じた情報発信を
製品の品質に
関する質問 4,381件
栄養成分を計算される時の目安となるように、
ホームペー
行っています。そのひとつとして、
お客様の日々の食生活で
ジの
「製品情報」
サイトの
「栄養成分表示」
に、主要製品の
「カロリー、
たんぱく質、脂質、炭水化物、
ナトリウム、飽和脂
お客様の声を活かした改善事例
肪酸、
トランス脂肪酸、
コレステロール」
の数値を記載して
います。
■お酒を使用している旨の注意文の記載
アルコール成分を摂取した際の身体の反応は人それぞ
れ個人差があり、特に小さいお子様や妊婦の方など敏感
に反応される方もいらっしゃいます。お客様がお召し上がり
の際に判断の助けとなるように、洋菓子の風味付けのため
にアルコールを使用している製品については、袋の表面に
「お酒を使用しておりま
す」
と記載をするように
改善しています。
表示文例
ホームページ掲載例
(食パンの栄養成分表示)
食と環境への取り組み 2013
14
地域・社会とともに
(公財)
飯島藤十郎記念食品科学振興財団を通じた
食生活の向上のための食品科学振興助成 米麦等主要食糧に関する食品科学分野の学術研究助成事業等を行っています。
食品科学分野の学術研究助成支援
学術講演会の開催
ヤマザキは、わが国の食品産業の発展と食生活の向上
当財団の事業活動の一環として、学術研究助成の対象
への寄与を目的に、公益財団法人飯島藤十郎記念食品科
者となった研究者から、その研究成果を発表していただく
学振興財団を通じて、米麦等主要食糧に関する食品科
学術講演会を毎年開催し、毎回400名を超える方々が出
学、食品と健康、食品の加工技術、安全性等の分野を中心
席されています。また、研究成果の概要をとりまとめた報
に研究者への助成活動を支援しています。
告書を財団年報として発行し、学術研究成果の紹介と食
同財団は、当社創業者の故飯島藤十郎社主が主たる基
品科学の知識の啓蒙に努めています。
本財産を出捐し、当社と共同で1984年に、農林水産省所
轄の財団法人として設立したのち、
2013年4月1日に公益
財団法人へ移行しました。
当財団の設立より今日までの29年間に実施してきた助
成事業の総件数は、1,800件を超え、助成額は総額33億
4千万円に達しています。
主な事業内容
1. 学術研究助成
2. 学術研究国際交流援助等
3. 飯島藤十郎賞の授賞
4. 特定課題研究等助成
2011年度飯島藤十郎食品科学賞を受賞された香西みどり教授
(お茶の水
女子大学大学院)
が
「食品の調理過程の数量的把握と最適化に関する研
究」
という演題で講演されました。
5. 学術講演会
飯島藤十郎食品科学賞・技術賞
当財団では、食品科学
◆2
012年度飯島藤十郎食品科学賞
の学術研究および食品
加工等の技術開発に優
れた業 績をあげた研 究
者、研究グループを顕彰
る、飯島藤十郎食品科学
賞および技術賞を設けて
の表彰を行いました。
京都大学大学院 農学研究科 伏木亨教授
研究業績
食品のおいしさのメカニズムの解析に関する研究
◆2
012年度飯島藤十郎食品技術賞
し研 究 奨 励 金を助成す
います。これまでに26件
受賞者氏名
飯島藤十郎食品科学賞
受賞者氏名
石川県立大学 食品科学科 野口明徳教授
研究業績
押出加工と通電加工の技術開発
受賞者氏名
東京農工大学大学院 農学研究院 服部誠教授
研究業績
食品バイオハイブリッド創製技術の確立
(公財)
飯島藤十郎記念食品科学振興財団 WEB http://www.iijima-kinenzaidan.or.jp/
15
食と環境への取り組み 2013
フ ァ イ ダ ー
(公財)
国際開発救援財団
(F
IDR)
を通じた国内外への支援
開発途上国の自立的発展のために援助活動を行うとともに、
自然災害による被災者に対して国内外で緊急援助や復興支援を行っています。
開発途上国の自立的発展支援
ヤマザキは、開発途上国の人々のよりよい生活の実現を
東日本大震災の被災地復興支援
■大槌町の復旧復興支援活動
おおつちちょう
願い、公益財団法人国際開発救援財団
(FIDR)への支援を
岩手県大槌町は、町の中心部が津波とその後の火災に
通じて国際協力活動を推進しています。FIDRは、
1990年
見舞われ、甚大な被害を受けました。役場は完全に機能を
に当社創業者の故飯島藤十郎社主が主たる基本財産を出
失い、当時の町長をはじめ行政の幹部も犠牲となったた
捐し、設立されました。子どもの未来を育む
「チャイルド・ケ
め、町の復興は他の自治体よりも遅れています。主要産業
ア」
と
「日本企業と日本人による国際協力推進」
をミッション
である水産業は壊滅的な状態となり、1日も早い復旧が待
に掲げ、開発途上国の人々の自立と発展を目的として国際
ち望まれていました。FIDRは2012年4月に碇川大槌町長
協力、および海外や日本国内での自然災害における緊急
と協議し、経済活動と雇用を回復して、町全体の復興につ
援助を実施するNGOです。
なげるために漁業の再開
FIDRは、設立以来世界29ヶ国で保健医療、農業、教育、
いかりがわ
が重要であるとの判断に
産業育成などさまざまな分野にわたる開発支援と緊急援
より、WVJと 協 力して、
助を実施してきました。現在は、カンボジア、ベトナム、ネ
大槌町の漁業を軸とする
パールに事務所を置き、地域に根ざしたきめ細かい活動を
産業の立て直し支援に取
展開しています。
り組んでいます。
そのひとつのカンボジア
支援により新造の定置網漁船
「第一
久 美 愛 丸 」が 完 成し、2 0 1 3年8月
23日に進水式が行われました。
では、国立小児病院を拠点
として、小児外科や病院給
製品を通じた復興支援
食というこれまでに存在し
なかった専門領域を扱う人
材を育成するとともに、施
設の改善を行っています。
2011年10月に発売した食パン
「モー
治療効果を高めるために、カンボ
ジアにおける初の本格的な病院給
食を支援しています。
ニングスター」
の売上から1斤につき1円
がF
IDRを通じて被災地復興支援金とし
て 役 立 てら れ て い ます。累 計 額 は、
9,800万円
(2013年10月まで)
に上っています。
ヤマザキ
「ラブ・ローフ」
募金
■
「愛の泉」
チャリティーコンサート
ヤマザキは、特定非営利活動
ヤマザキは、
「 国際開発救援財団
(FIDR)並びにワール
法人ワールド・ビジョン・ジャパ
ド・ビジョン・ジャパン
(WVJ)
を支援する会」
が主催する
ン
(WVJ)
とFIDRが飢えと貧困
に苦しむ世界の人々を支援す
るために共催・実施しているヤ
募金箱設置風景
(デイリーヤマザキ)
マザキ
「ラブ・ローフ」
募金に協賛し、デイリーヤマザ
キやヤマザキショップなど約5,300店に募金箱を設
「愛の泉」
チャリティーコンサートの開催に協力しています。
2013年9月に開催された
「第14回『愛の泉』チャリティー
コンサート」
で集められた善意の募金は、FIDRやWVJを通
じてベトナム・タンザニア・アフガニスタンの支援活動に使
置しています。これまでの募金はWVJとFIDRを通じ
われました。
力活動に役立てられました。
サントリーホールで開催
された第14回
「愛の泉」
チャリティーコンサート
てカンボジア、ベトナムやタンザニアなどでの国際協
特定非営利活動法人 ワールド・ビジョン・ジャパンとは
世界のワールド・ビジョンと同一の理念並びに精神に立って、飢
饉、疫病、災害などに苦しむ人々に対して総合的、継続的、全人的
援助事業を行う援助団体
(公財)国際開発救援財団(FIDR) WEB http://www.fidr.or.jp/
(特活)ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ) WEB http://www.worldvision.jp/
食と環境への取り組み 2013
16
地域・社会とともに
スポーツ振興支援
ヤマザキは、国内最高峰の駅伝大会
「全日本実業団対抗駅伝競走大会」
への協賛をはじめ、
「東京マラソン」
などへの協賛を通し、国際的なスポーツ選手の育成や地域の振興にも寄与しています。
■全日本実業団対抗駅伝競走大会
■東京マラソン
東京マラソンに公式スポン
サーとして協賛し、
参加ラン
ナーの給食ポイントで給食
用としてミニパンを配布し
ています。
■ちばアクアラインマラソン
毎年元旦に駅伝日本一の座を賭けて行われる全日本実業団対抗駅伝競
走大会に協賛しています。
■日本陸上競技選手権大会
2012年10月に開催された千葉県他が主催する
「ちばアクアラインマラソ
ン」
に協賛しました。東京湾アクアラインを通過する史上初のコースを1万
4千名のランナーが走りました。
■神戸マラソン
世界陸上2013モスクワ大会の代
表選手選考も兼ねた第97回日本
陸上競技選手権大会に特別協賛し
ました。日本陸連が主催する国内
最高峰の大会で、年に一度、国内の
トップアスリートたちが集結し、
日本
チャンピオンを目 指します。男 子
100mで優勝した山縣亮太選手と
女子1,000m優勝の新谷仁美選手
が最優秀選手賞を受賞しました。
17
食と環境への取り組み 2013
2012年10月に開催された第2回神戸マラソンにボランティアスポンサー
として協賛するとともに、
参加ランナーの給食ポイントで給食用のミニパ
ンを配布しました。
地域に愛される工場を目指して
ヤマザキは、企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に寄与することを使命とし、
地域社会の一員として地域貢献活動や環境保全活動を推進しています。
環 境 河川清掃ボランティア
横浜第二工場
大阪第一工場
つ
だ
え がわ
工場の近くを流れる都田江川の遊歩道整備ボランティ
大阪の貴重な水源でもある淀川の河川清掃ボランティ
アに参加しています。春には満開の桜の下に約3万本もの
ア「LOVE遊淀川上流クリーン作戦」
( 主催:同実行委員
チューリップが咲き誇る地域の名所づくりに参加すること
会)
に参加しました。清掃活動を通して幅広い世代の方と
により、
地域の方々との交流を深めています。
交流することができました。
遊歩道整備ボランティア
「LOVE遊淀川上流クリーン作戦」
松戸第一工場
伊勢崎工場
「江戸川クリーン大作戦」
(主催:同実行委員会)
に参加
工場近くを流れる粕川の土手で開催される「花の里ま
しました。
“憩いの場の江戸川をきれいにしよう”
のスロー
つり」に参加しました。不法投棄の防止や、心の癒しを目
ガンの下、沿川
的とし、土手に花を植栽する活動で、地域の活性化や緑
約20kmの一斉
化推進活動に協力しました。
清掃を行い、河
川 の 美 化と環
境 保 護 活 動に
取組みました。
「江戸川クリーン大作戦」
「花の里まつり」
森林保全ボランティア
福岡工場
本社
「 古 賀 市1 0万 本
「古賀市10万本ふるさとの森づくり」
消費者教育を目的とした消費者団体である財団法人
ふるさとの森づくり」
消費科学センターでは毎年各地の森林保全活動を主催し
に参加しています。
ています。当社はこの活動に賛同し、2013年10月に群馬
今までに植樹を行っ
県みなかみ町で行わ
た木の成 長の手 助
れた
「上州防災・森づ
けになるよう、下草
くりの会 」に参 加し、
や雑草を刈り取る活
広葉樹の植樹、下草
動を行いました。
「上州防災・森づくりの会」
刈りを行いました。
食と環境への取り組み 2013
18
地域・社会とともに
地域に愛される工場を目指して
地域美化ボランティア
千葉工場
「ごみゼロクリーンデー」
( 主催:千葉市・美浜区)
に参
大阪第二工場
「きれいなまちづくり美化キャンペーン」
(主催:松原市)
加しました。街を美しくし、
ごみ問題について考えるイベン
に、当工場から13名が参加しました。地域の方々と一緒
トであり、道路や公園、駅前などに捨てられたごみや空き
に道路や歩道に落ちているごみを拾うことで街をきれい
缶を拾い集めました。
にするだけでなく、交流も深めることができました。
「ごみゼロクリーンデー」
岡山工場
き の じょう
「鬼ノ城クリーン作戦」
(主催:総社市観光協会)
に参加
「きれいなまちづくり美化キャンペーン」
名古屋工場
「全市一斉クリーンキャンペーン」
(主催:名古屋市)
に、
しました。鬼ノ城周辺の清掃活動を通して、総社市内の周
当工場から22名が参加しました。地域の方々と一緒に街
辺企業の方々との交流を深めました。
の清掃活動を行うことにより、従業員一人ひとりが環境へ
関 心を持 つ
ようになり、
地 域 社 会と
の コ ミュ ニ
ケーションも
図ることがで
きました。
「鬼ノ城クリーン作戦」
(公財)
日本野鳥の会に協力
「全市一斉クリーンキャンペーン」
竹林の整備活動
関東各工場・本社
千葉県山武市に当社が所有している竹林では、創業の
地市川市の市民ボランティア団体
「いちかわ里山倶楽部」
の皆様のご協力を得て整備を行い、活動を通じて交流を
深めています。
野鳥の会が発行する
「ミニミニ野鳥図鑑」
の制作に協賛
しています。この野鳥図鑑は累計7万部が発行されてお
り、身近な野鳥を通じた命の大切さや自然の尊さについ
ての普及活動を応援しています。
19
食と環境への取り組み 2013
竹林の整備事業
地域の環境展に出展
武蔵野工場
松戸第一工場・千葉工場・本社
「東久留米市環境フェスティバル」
に出展
「いちかわ環境フェア2013」
に出展
地域の方々と交流を深めるとともにヤマザキの環境へ
ヤマザキ創業の地千葉県市川市で開催された
「いちか
の取り組みをご理解いただくため、
「東久留米市環境フェ
わ環境フェア2013」
( 主催:市川市)
に松戸工場、千葉工
スティバル」
に5年連続で出展しました。工場で取り組んで
場、本社が共同出展しました。地産地消商品、食パンの耳
いるコージェネレーションをはじめとする省エネルギー対
を使った製品の展示に加え、ハイブリッド配送車の展示を
策、
リサイクルごみ袋の取り組みなどを紹介しました。
行い、市民の方々に製品や物流におけるヤマザキの環境
への取り組みを紹介しました。
当工場のブースには、
2日間で1,000名近くの方々にお立ち寄り
いただきました。
「いちかわの梨」
を使用した製品を展示し、地産地消の取り組みを
紹介しました。
親子サンドイッチ教
室では、地元の食材
を使ったレシピを紹
介し、食 事バランス
や箸の持ち方や地産
地消について等の食
育を行い、参加者か
ら好評を得ました。
「いちかわ里山倶楽
部」
の方々にもご協
力いただき、里山保
全 活 動 の 紹 介や竹
細工の実演を行いま
した。
地 域 地域小学生の社会科学習に協力
京都工場
泉佐野事業所
教育委員会からの依頼を受け、宇治警察署と合同で、
泉佐野市内の小学生を対象に行われた、社会科学習と
近隣小学校の交通安全教室に参加し、
カラーコーンや自
環境学習を目的とした
「泉佐野食品コンビナート協会
転車を置いてトラックの
「死角」
について体験授業を行い
FESTA2013」
に泉佐野事業所とグループ会社㈱不二家
ました。
泉佐野工場が共同で参加。工場での生産活動や環境へ
の取り組みなどを紹
介し、地 域 の 皆 様と
のコミュケーションを
図りました。
交通安全教室
「泉佐野食品コンビナート
協会FESTA2013」
食と環境への取り組み 2013
20
食を大切に
ヤマザキの
「食」
への考え方
ヤマザキでは、
「食育基本法」
の基本理念に基づき、
“『食』
を大切にする”
をテーマに取り組んでいます。
食
●
食 料資源●
●
食べものを大切にする心
食 事●
食事を大切にする心
を大 切にする 心
食料資源の有効利用と国産食材の利用拡大
ヤマザキでは、貴重な食料資源をムダなく利用するた
めに、食品ロスを発生させないことを第一に取り組んで
います。やむを得ず発生してしまう食品副産物は食品原
料への利用をすすめ、そのう
えで、食品リサイクル法に基
づき飼料化を最優先に再生
利用を行っています。
また、地
産地消製品の開発による国
産食材の利用拡大や未利用
国産小麦も積極的に利用
農産物の有効活用にも力を
しています。
入れています。
朝食の欠食率改善と食事バランス改善の提案
1日3回きちんとバランスよく食べることを提案するた
めに、
ヤマザキでは、
「食事バランスガイド」
を活用した栄
養バランスの取れたメニュー提案や、
「朝食をちゃんと食
べよう!!」
ロゴを製品に表示
し、朝食の欠食率改善に取り
組んでいます。
また、
食育活動
の専門スタッフであるマーケ
ットクルーによるメニュー提案
活動を通じ、
つくること・食べ
親子サンドイッチ教室を通
ることの楽しさや大切さを伝
じて食事の大切さを伝えて
えています。
います。
食品ロスの発生量を減らすために
ヤマザキの各工場では、食品ロスの発生量を減らすため
に、
「なぜなぜ改善」
や5S活動などの現場改善活動を推進
しています。日々の作業で発生した食品ロスの原因究明
や改善策をグループで話し合い、翌日の作業に反映させ
ています。また、新製品発売前にはラインテストを実施し、
食 品 ロスの 発 生 抑
制 策 を 話 し 合 い、
日々改善に努めてい
ます。
作業のポイントを確認するなど、食品ロスの発生抑制対策
を絶えず実施しています。
製品への配慮
●耳までやわらかい食パンの開発
●未利用食料の有効利用
おなじみの『ダブルソフト』に加え、2009年から
『まるごとバナナ』を生産する際に、切り取ったバナナの両端や
仲間入りした
『ふんわり食パン』
は、耳が苦手な方
ケーキスポンジのカット部分を原料の一部として有効に利用して
にもおいしくお召し上がりになれます。
います。
バナナの両端を利用
ダブルソフト
21
食と環境への取り組み 2013
ふんわり食パン
ふんわりバームクーヘン
(バナナ)
ケーキスポンジのカット部分を利用
りんごのケーキ
アップルポジー
食パンの耳もムダなく有効利用
ヤマザキでは、パンづくりの過程で発生する副産物である食パンの耳を従来からムダなく利用しています。食料資源とし
ての価値を最大限に利用するために、自社やグループ企業において食品原料として使用することを第一に取り組んでいま
す。さらに豚や鶏などの飼料原料としても再生利用され、
その全量が有効に利用されています。
食パンの生産工程
生産された
製品の一例
食パンと
「ランチパック」
シリーズ
製品の生産工程でカットされた食パ
ンの耳は、専用ラインで自動搬送さ
れ、衛生的に管理されています。
まずは…
● 食パンの耳を食品原料として有効利用した製品の開発
チョコの山
菓子部門
「ランチパック」
の生産時に
(株)東ハトや
(株)末広製菓などの
社製品の原料として利用し
ク」
をはじめ食パンの耳を製菓原料
型抜きされる耳の部分を自
ました。
グループ企業では、
「ちょいパクラス
として加工し、製品化しています。
次に…
● 業務用パン粉に加工
自社やグループ企業において利
用されるほか、委託先のパン粉
メーカーで業務用パン粉として
加工されています。
TOPIC
●エコプロダクツ大賞を受賞
「ちょいパクラスク」
は、食品ロス
の発 生 抑 制などが 評 価され、
2012年に
「第9回エコプロダク
ツ大賞 環境大臣賞」
を受賞しま
した。
( 詳細は44ページをご覧
最後に…
ください。)
● 飼料に加工
さらに、食パンの耳は、飼料化を
推奨する食品リサイクル法に基づ
き、飼料原料としても再生利用さ
れ、
その全量が有効に利用されて
います。
ちょいパクラスク 味わいミルク
食と環境への取り組み 2013
22
食を大切に
国産食材の利用拡大を目指して
ヤマザキでは、地元の生産者の皆様と協力して、地域特産物の利用拡大や規格外農産物の
有効利用につながると期待される地産地消製品の開発を積極的に行っています。
北海道
つぶあん&ホイップパン
(北海道産小麦粉ゆめちから)
北海道産小麦の新品種
「ゆめち
から」
入りの生地に北海道産小豆
のつぶあんと北海道産牛乳入り
クリームを使用しています。
岩手県・宮城県
米粉入り食パン
兵庫県
(岩手県・宮城県産米粉入)
ランチパック
「黒豆&ホイップ」
「 が ん ば ろう! 東
北」
シリーズの岩手
県と宮城県産のお
米を使った米粉入
り食パンです。
(兵庫県産丹波黒豆の蜜漬け使用)
兵庫県産丹波
黒豆の蜜漬け
と ホ イッ プ ク
リームをサンド
しました。
※菓子パンを含め
シリーズ化しています。
札幌工場
PICK UP !
新潟県
佐渡のおけさ柿
三重県
ナイススティック
「いちごクリーム&ホイップ」
仙台工場
(三重県産かおりの苺入りクリーム使用)
JA全農みえの新品種のいちご
「 かおりの 」を使 用したク
リームをナイススティック
にサンドしました。
新潟工場
PICK UP !
埼玉第一工場
埼玉県
富(とめ)の川越いも
古河工場
大阪第一工場
福岡工場
岡山工場
茨城県
安城工場
愛媛県
いよかんスペシャル
福岡県
ランチパック
「とよみつひめジャム&ホイップ」
(福岡県産とよみつひめ使用)
福岡県で生まれ
た新品種のいち
じく
「とよみつひ
め」
のジャムとホ
イップクリームを
サンドしました。
23
食と環境への取り組み 2013
(愛媛県産いよかん使用)
ランチパック
「梨ジャム」
(下妻甘熟梨入りのジャム使用)
完熟の甘さとみず
みずしさが特長の
茨城県下妻市の
ブランド梨
「甘熟
梨 」入りのジャム
を使用しました。
愛媛県産いよかんのマーマレー
ド入りクリームとミルククリームを
たまごをたっぷりと使用したスポ
ンジにサンドしました。
※掲載したご当地製品は一例です。
また、一部地域のみでの販売製
品や、販売季節が限定されている
ものも含まれています。
PICK UP !
佐渡産
「おけさ柿」
が
ヤマザキのランチパックに
新潟県
佐渡のおけさ柿
ランチパックとして発売することとなりました。
「これまでは、ジャムにするという発想がなく佐
佐渡の
「おけさ柿」
は、新潟県佐渡市の農事
渡以外で原料として利用されるとは思っていま
組合法人羽茂
(はもち)果実協会の商標登録
せんでしたが、知名度の高いランチパックシ
で、佐渡民謡
「さどおけさ」
にちなんで名づけら
リーズに利用されたことは、柿生産者の励みに
れています。その濃厚な甘みとみずみずしい肉
もなっています。」
と羽茂農業協同組合代表理
質が特徴の佐渡のブランド柿です。
「おけさ柿」
事組合長 中原雅司さんは言います。
は、ブランドにあった品質基準が求められてい
るため、表面の僅かな傷でも出荷することがで
きず、
こういった柿をゼリーにするなどの製品化
2013年はさらに柿ジャムを
改良しシリーズ化
に取り組んでいました。
しかし、販路が佐渡の土
「今年のリニューアル発売に合わせ、
おけさ柿
産物に限られ、利用量が頭打ちになっていまし
の特有の風味を味わえるよう使用するジャムへ
た。さらなる用途拡大を目指し、
ジャムメーカー
のおけさ柿の配合量を2倍にしました。また、
ラ
とジャムを開発していたところ、2012年に地産
ンチパック以外にもコッペパンやホットケーキサ
ランチパック
「おけさ柿ジャム&ホイップ」 地消の製品開発に取り組んでいた新潟工場が
ンドなどおけさ柿ジャム使用製品をシリーズ化
しました。」
と話すのは、新潟工場で新製品の開
発を担当する営業課の中山です。
ランチパックの発売は、昨年は新潟県と山形
県の一部での販売でしたが、
2013年10月に
は、全国発売となりました。
「ヤマザキの製品を通じて佐渡とおけさ柿が
全国的に広まり、佐渡の地域活性化につながれ
(右)羽茂農業協同組合 代表理事組合長
中原 雅司様
(左)新潟工場 営業課 中山 雄介担当
ばと今後に期待しています」
と中原さんはヤマ
ザキパンの製品利用への期待を語ってくれまし
収穫期を迎えた
「おけさ柿」
た。
PICK UP !
埼玉県
富(とめ)の川越いも
さつまいもの女王
「富の川越いも」
江戸時代より川越藩はさつまいもの産地とし
た。」とは、埼 玉
て有名で、埼玉県三芳町上富
(旧川越藩上富
第一工場で製
村)
では今も代々受け継がれた農家がさつまい
品開発を担当す
もを栽培しています。
ここで生産されるさつまい
る営業課白川で
もは、
「富の川越いも」
と呼ばれ、
さつまいも本来
す。
の風味とほくほくとした食感が特徴で、
“さつま
いもの女王”
と称されるほどで、市場には出荷さ
れず生産農家で直売され、根強いファンに支持
されています。
さつまいもの女王
「富の川越いも」
製品化が
「富の川越いも」
の
振興にも貢献
「毎年、
どんな製品になるか楽しみで、
秋の収
埼玉第一工場では、
2008年から、上富のさ
穫期の楽しみが一つ増えました。
」
とは、
三芳町
つまいも生産者農家でつくる川越いも振興会
川越いも振興会 会長の加藤修さんです。
「さつ
の皆様のご協力により、
さつまいもクリームや
まいもづくりは土づくりが重要で、
正月明けに落
ランチパック
「スイートポテト&ホイップ」 す。
いもあんを利用した製品を開発し発売していま
(富の川越いも入りあん使用)
こ だ わ りまし
ち葉を集め、
堆肥づくりから毎年のさつまいもづ
くりがはじまります。
これまでも規格外の出荷で
「今年の川越いもを使った製品は、
いままでの
きないものを焼酎の原料として利用していました
イメージを一新し、洋菓子風に仕上げました。和
が、
6年前にヤマザキさんのパンに利用していた
洋折衷の味と製品名、包材イメージにするため
だき、
規格外のいも利用量がさらに拡大しまし
のバランスをとるところに工夫を要しました。ま
た。
このような機会を作っていただいたヤマザキ
た、さつまいもを洋風のスイートポテトに仕上
さんには感謝しています。パッケージにも
“富の
げ、
チーズケーキをイメージするなど味わいにも
(中)
三芳町川越いも振興会
会長 加藤 修様
(左)
三芳町農業委員会事務局 主査 鹿島 英幹様
(右)
埼玉第一工場
営業課 白川 裕樹担当
川越いも”
と印刷していただき、
ブランドの普及に
も一役買っていただきました。
これからもこのよ
うな協力体制を続けていきたいと思います。
」
と
今後の展開にもご期待いただいています。
食と環境への取り組み 2013
24
食を大切に
「栄養バランス」
と
「朝食の大切さ」
を発信
ヤマザキでは、
『 食』に携わる企業の社会的責任の観点から、広く
「食育」
を支援する活動に
取り組んでいます。食事の大切さを伝えるために
“朝食をちゃんと食べよう”
を合言葉に、
欠食の改善や栄養バランスの大切さを伝えるための取り組みを継続的に行っています。
製品を通じて
「栄養バランス」
と
「朝食の大切さ」
を発信しています
「食事バランスガイド」
の表示を製品パッケージに印刷
■
「バランス弁当」
シリーズを日替わりで展開
し、
その製品が
「食事バランスガイド」
の料理区分のどの部
「食事バランスガイド」
を基準に、管理栄養士の監修のも
分に該当し、一日に
「何を」
「どれだけ」
食べたらよいかとい
と一食あたりの主食・副菜・主菜のバランスを整えた日替
う情報を発信しています。
わりの
「バランス弁当」
シリーズをヤマザキショップを中心
に販売しています。
「食事バランスガイド」
をもとに一食分のサービン
グ
(SV)
を満たすようにつくられたお弁当です。
■サービング表示によりバランスのよい
「一日の始まりに朝食は大
切」
「忙しい朝にはパンが便
利 」という気 持ちを込 め、
製品パッケージに
「朝食をち
ゃんと食べよう!!」
というメッ
セージを表記しています。
食生活を提案しています
「食事バランスガイド」
のイラストでサービング数を表示
することにより、
「 何を」
「どれだけ」摂取することができる
のかを知ることができます。このような情報を発信するこ
とで、
お客様の健康を応援したいと考えています。
※サービング
(SV)
とは…
「サービング=食事の提供量の単位」
の意味
ホームページで食育の情報を発信
ヤマザキでは、自社ホームページにおいて、
「YAMAZAKIと食育」
というテーマで、バランスよく食べること、
きちんと食べ
ることを中心としたヤマザキの
「食」
を大切にする取り組みを発信しています。
WEB http://www.yamazakipan.co.jp/stylebook/shokuiku/index.html
25
食と環境への取り組み 2013
エム
ヤマザキマーケットクルー
(Mクルー)
によるミールソリューション
ミールソリューションとは、直訳すると
「食事に関する問題解決」
。製品を販売す
ることに加えて、調理の方法やメニュー提案、栄養管理など食生活全般にかかわ
る問題を解決するという、
アメリカから始まった考え方と言われています。ヤマザ
キマーケットクルー
(Mクルー)
も、食に関するさまざまな情報をお客様にお伝え
するために、各地の食育イベントやスーパーマーケットの店頭、学校などで、サン
ドイッチ教室の開催やデモンストレーションを行っています。
全国約100名のMクルーが年間約5,000回にわ
たりミールソリューション活動を行っています。
親子でつくるサンドイッチ教室
ヤマザキでは、
おうちの方とお子様が一緒に参加して楽しめるサンドイッチ教室を開
いています。サンドイッチ教室を通じてヤマザキがお伝えしているのは、
「つくることの
楽しさ、食べることの大切さ」
や
「栄養バランスの大切さ」
「
、朝食の大切さ」
です。
食事で
「心と体の健康問題を解決」
していくヤマザキのミールソリューションの考えを
もとに、
お子様の将来を考えた活動を展開しています。
親子で一緒に料理をすることで、
お子様の
「食」
への関心を育てます。
学校や自治体の企画する食育イベントに
参加しています。
店頭でのデモンストレーション
ヤマザキでは、全国のスーパーマーケットの店頭をお借りしてMク
ルーが店頭デモンストレーションを行っています。栄養バランスのよい
パンメニューや、
「食事バランスガイド」
を使った食に関する情報提供な
ど、
お客様と一緒に
「食べることの大切さ」
を考えて、訴えています。
店頭でレシピを
紹介するMクルー
ピ
サンドイッチレシ
になる!ヤマザキ
楽しくパンを好き
ひじきチーズみかんサンド
ひじきやチーズにはカルシウムがたくさん!
みかんに含まれているビタミンCが、
骨を強くする手助けをします。
サンドイッチだからできる組み合わせの、
骨元気レシピです!
主 食
副 菜
主 菜
牛乳・乳製品
果 物
1SV
1SV
1SV
1SV
1SV
食パン
サラダ菜・ひじき
木綿豆腐
チーズ
みかん
● 材料
(1人分)
「超芳醇」8枚切り 2枚
ひじき
大さじ2と1/2
木綿豆腐
半丁
塩・こしょう
適宜
※
マヨネーズ 大さじ1/2
みかん
1個
スライスチーズ
1枚
サラダ菜
3枚
※6、10枚切りでも可。「芳醇」でもおいしく召し上がれます。
● 作り方
❶ ひじきと木綿豆腐にそれぞれ塩・こしょうで下味を付ける
❷ ①をマヨネーズであえる
❸ 皮をむいたみかんを輪切りにする
❹ 食パンにサラダ菜、
スライスチーズ、②の具材、
みかんを
のせ、
サンドする
食と環境への取り組み 2013
26
従業員とともに
「新しいヤマザキ」
を牽引する人材の育成
ヤマザキでは、世の中の変化を先取りして、革新的にチャレンジする人材を育成しています。
人材育成の考え方
ヤマザキでは、早くから企業成長の原動力は人材であることを認識し、
「人材の育成」
「
、社員の能力開発」
に取り組んでき
ました。このことが今後の事業展開にも、最も重要なキーになるものと確信しています。
基幹職研修
(箱根研修センター)
米国での製パン技術研修
(AI
B:米国製パン研究所)
留学授業
各種研修によるキャリアアップ支援
ヤマザキでは、入社時研修をはじめ、階層別研修や、部門ごとの専門性を高める部門別研修、
さらには個々人が独力でスキルアップを図る通信教育など、多角的な研修プログラムを体系化し
ています。生産部門では、毎年70名程度の従業員が日本パン技術研究所や当社の製パン技術
伝承の場であるVEM技術研修所での研修を通じて、製パンの理論やノウハウを習得しています。
また、製パンの知識や技術の習得に加え世界の食文化を体感し、国際感覚を養うことを目的とし
た数ヶ月にわたる海外研修
(米国AIB留学)
も実施しており、現在までに約200名の従業員を派遣
しています。さらに、当社では先輩社員が新入社員の相談役となる
「エルダー制度」
を設けてお
り、新入社員の定着・育成を図るとともに、
エルダー役の社員の育成に効果をあげています。
従業員向け通信教育の案内
■
キャリアアップ体系図
入社
階層別研修
新入社員研修・
フォロー研修
(半年・2年目・3年目)
個別育成
自己啓発
技術研修
事業所研修
27
異動・昇格・昇進
食と環境への取り組み 2013
基幹職研修
準管理職研修
自己申告制度・育成面談・通信教育
管理職昇進者研修
ライフプラン
セミナー
【国内】VEM技術研修・日本パン技術研修所研修
【海外】米国AIB留学・ヤマザキフランス留学
新入社員・中堅社員・基幹職・監督職研修およびテーマ別研修
(安全衛生・食品衛生等)
働きやすい職場づくりに向けて
ヤマザキでは、一人ひとりがお互いの個性を尊重し、安全で安心して働くことのできる
職場環境づくりに力を入れ、前向きで明るい毎日を応援しています。
人権の尊重
一人ひとりの人権を尊重することは、企業の社会的責任であるとともに、従業員
が安心して働くことのできる職場の実現につながると認識しています。ヤマザキで
は、具体的な取り組みとして、①階層別の人権啓発研修の実施 ②採用担当者全員
に対し、公正選考教育を徹底したうえで、選考活動を実施 ③
「東京人権啓発企業
連絡会」
に加入し、人権啓発活動の実施・外部講習会へ参加しています。2009年
度は、同連絡会加盟121社を代表して会長会社を務めました。
(2013年10月現
在、126社が加盟)
人権・セクハラ防止委員会
(本社)
セクシャルハラスメント防止ポスター
車いす体験による啓発
障がい者雇用
障がいのある従業員が能力を充分に発揮できる職場を
■
障がい者雇用状況
(2013年6月現在)
拡大する取り組みとして、事業所内での雇用に留まらず、
直営店舗等での雇用を進めています。それぞれの障がい
に応じた
「補助器具」
の導入により、
「お客様」
や
「店舗スタ
ッフ」
とのコミュニケーションをサポートしています。
(単位:%)
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
当社雇用率
2.05
1.97
2.02
2.09
2.16
民間企業
全国平均
1.63
1.68
1.65
1.69
1.76
法定雇用率=2.0%
(2013年4月より、1.8%から引き上げ)
バッジ
フレッシュベーカリー聴覚障がい者就労の様子
筆談用器具
筆談用器具の使用事例
食と環境への取り組み 2013
28
従業員とともに
働きやすい職場づくりに向けて
労働安全衛生の徹底
安心して働ける職場環境づくりには、従業員の安全・健
一例として、危険模擬体感機による教育、
セルフチェック
康への配慮が不可欠であり、ヤマザキでは安全衛生管理
やストレッチ体操を取り入れた転倒災害防止研修や階層
計画に基づいて、日々安全衛生活動を行っています。設備
別の安全衛生教育などを実施し、災害ゼロの職場づくり
改善を推進するリスクアセスメント
(安全の先取り活動)
と
に努めています。また、全事業所で
「快適職場推進計画事
共に、各種安全衛生教育活動に力を入れています。
業所」
の認定を受けています。
①危険模擬体感機による教育
②転倒災害防止研修における
身体機能セルフチェック
③リスクアセスメント発表大会
従業員の健康管理
全従業員が心身の健康を維持できるよう、法定検診後
の確実なフォロー体制の構築、過重労働による健康障害
■食事で健康づくりを応援
ヤマザキの従業員食堂では、健康を考慮し栄養バランス
防止を目的とした保健指導や助言指導、心の健康づくり
のとれた
「健康バランスメニュー」
や、低カロリーの
「ヘル
計画に基づいたメンタルヘルス対策の実施、
ウォーキング
シーメニュー」
、
また毎月19日の食育の日には
「食育メニ
キャンペーンの開催等、健康づくりへの支援を行なってい
ュー」
を提供しています。さらにパン製造過程で出来るパ
ます。さらに毎年、全国労働衛生週間に合わせた各事業所
ンの耳を飼料に育った豚肉
「エコポーク」
等も用い、健康・
でのさまざまな健康啓発イベントを通じ、従業員の健康意
地産地消・エコを勘案した食堂運営を行っています。
識の高揚を図っております。
メンタルヘルス講習会
ストレッチ講習会
29
食と環境への取り組み 2013
地産地消献立
(京都工場)
従業員食堂
(福岡工場)
「エコポーク」
使用のバランスメニュー
(安城工場)
仕事と育児の両立を支援
定年退職後再雇用制度
ヤマザキでは、すべての社員が充実した仕事と豊かな
当社では、定年退職後の生活基盤を確保し、いきいきと
生活の調和を図れるよう、各種人事諸制度を導入してい
意欲を持って仕事をしていただくための定年退職後再雇
ます。育児短時間勤務につい
用制度として、2002年に
「スキルドパートナー制度」
を導入
ては、1日8時 間 の 就 業 時 間
し、健康状況などの一定条件を満たす全ての希望者をスキ
を最 大2時 間 短 縮 する制 度
ルドパートナーとして再雇用しています。2013年4月には、
で、多数の社員が利用してい
改正高年齢者雇用安定法に対応するとともに、定年退職
ます。
者の長年培った知識や経験、高い技能を活かして更に活躍
していただくことや、公的年金の支給開始年齢引上げによ
る定年後の生計費減少に対応することを目的としてスキル
ドパートナー制度を一部改定し、
スキルドパートナーの更な
る職域拡大と定年退職後の生計費確保につながるよう制
度を見直しています。
両立支援ガイドブック
育児休業、育児短時間勤務制度利用者
■
■
(人)■育児休業 短時間勤務(人)
240
200
160
120
80
67
62
82
19
34
98
130
70
122
132
148
149
162
(人)
150
900
100
750
50
600
0
450
300
40
0
スキルドパートナー在籍者数推移
755
454
853 863
821 806
587
248
150
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年度)
0
(2013年11月末日現在の数値です)
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年度)
(2013年11月末日現在の数値です)
従業員同士の交流
働きやすい職場づくりのためには、従業員の連帯感とコ
り)
等の諸行事を実施しています。さらに従業員組合とタ
ミュニケーションの充実が重要と考え、ヤマザキの各事業
イアップしてスポーツサークル・文化サークル活動の充実
所では、従業員旅行や成人式、
サマーフェスティバル
(夏祭
にも力を入れており、事業所間での交流も盛んです。
従業員旅行
(京都工場)
夏祭り
(古河工場)
全国事業所対抗駅伝大会
成人式
(広島工場)
ファミリーバスハイク
(伊勢崎工場)
全国事業所対抗野球・ソフトボール大会
食と環境への取り組み 2013
30
環境活動報告
パンづくりにおける環境への影響
ヤマザキでは全国に27工場
(2冷生地事業所を含む)
を展開しています。
受注〜生産〜物流〜販売を一貫して効率よく行うことにより、
全国のお客様にフレッシュで高品質な製品をご提供できる体制を整えています。
パンづくりにおけるマテリアルフローと環境保全
ヤマザキの事業活動の各過程における環境への影響を
把握し、省エネルギー・省資源、副産物・排出物の発生抑
わかりやすく図に示しました。INPUTは資源・エネルギー
制と再資源化、容器包装の削減、物流の効率化などの環
の利用、OUTPUTは環境への負荷を表しています。ヤマ
境保全活動を推進しています。
ザキでは、
これら各事業活動に伴う環境への影響を正しく
■
2012年度ヤマザキのマテリアルフロー図
O U TP U T
I NPU T
副産物・排出物
原材料
● 原料
小麦粉
496千t
油脂類
81千t
青果物
80千t
クリーム・餡・ジャム
63千t
その他
356千t
● 容器包装材料
プラスチック
25千t
紙
3千t
その他
0.7千t
合計
1,104千t
工場での
生産活動
未利用食料
汚泥
紙類
プラスチック類
金属・ガラス類
その他
合計
CO(
2 生産部門)
合計
エネルギー
(生産部門)
ガス
電気
油
合計
109千kℓ
96千kℓ
8千kℓ
213千kℓ
5,127千m3
1,099千m3
806千m3
7,032千m3
物流
25千kℓ
2千kℓ
0.5千kℓ
27千kℓ
合計
消費
製品販売数
約67億個
1. エネルギーについては、
『エネルギーの使用の合理化に関する法律』
に
基づく原油換算係数を使用して算出した値を掲載しています。
2. CO2については、
『地球温暖化対策の推進に関する法律』
に基づくCO2
排出係数を使用して算出した値を掲載しています。
3. お客様のご使用後の容器包装は、
販売実績から推定したものであり、
実
測値ではありません。
31
食と環境への取り組み 2013
河川放流
公共下水放流
合計
3,318 千m3
2,162 千m3
5,481千m3
CO(
2 物流・販売部門)
燃料
(物流・販売部門)
軽油
ガソリン
天然ガス
合計
427千t
排水
用水
井水
水道
工業用水
合計
125千t
21千t
16千t
14千t
3千t
3千t
182千t
71千t
お客様のご使用後の容器包装
プラスチック製
19千t
容器包装
紙製容器包装
1千t
ペットボトル
0.8千t
ガラスびん(無色)0.001千t
合計
21千t
4. 排出物については、
事業場内で中間処理されるものも含んでいます。
5. 当社では食パンの耳などの副産物、
生産工程から排出される生地・製
品ロス、
生産過剰などの製品として出荷できなかった食品を未利用食料
と呼んでいます。
6. 当社では、
廃棄物のリサイクル率が高く有効に資源化されている為、
廃
棄物ではなく、
排出物と呼んでいます。
環境目標と実績
ヤマザキでは、一般社団法人日本パン工業会の環境自主行動計画に基づき
環境管理項目ごとに改善目標を設定し、具体的な対策を講ずることにより、
継続的な環境負荷の低減に取り組んでいます。
2012年度の環境活動実績
2012年度は、生産部門では高効率機器への更新を中
きました。また、副産物・排出物発生量は、前年度に対し
心とした省エネ関連施設の整備などを実施しましたが、
1.9%の増加となりました。分別の徹底と有効な再資源化
CO2排出量は電力のCO2排出係数の上昇等により、増加
をすすめたことで食パンの耳・排出物の再資源化率は
しました。物流部門では、引き続きハイブリッド車・CNG
93.7%と1.5%向上、食パンの耳などの未利用食料の再
車等の低燃費・低公害車導入などの積極的な省エネ対策
資源化率は98.3%と0.7%増加し、いずれも2012年度目
により、通期のCO2排出量削減目標を達成することがで
標を達成することができました。
項目
地球温暖化防止対策の推進
1
中期目標
(2011〜2020年度)
(1)
生産部門のCO2排出量の削減
2020年度までに2009年度比39,665
トン削減
(10年間累計)
( 日本パン工業
会環境自主行動計画目標の毎年原単位
1%削減に相当する削減量)
【具体策】
①コージェネレーション設備導入
②高効率機器の導入
③燃料転換の実施
(2)
物流部門のCO2排出量の削減
2020年度までに2009年度比で7,500
トン削減
(10年間累計)
( 日本パン工業
会環境自主行動計画目標の毎年原単位
1%削減に相当する削減量)
【具体策】
①物 流 の 合 理 化 に よる 配 送 車 両 の
削減、延べ走行距離の短縮
②配送車両に低燃費・低公害車導入
副産物・排出物の発生抑制と再資源化の推進
2 (1)副産物・排出物の発生抑制
2012年度目標
■
■
■
■
■
副産物・排出物発生量の継続的抑制
【具体策】
①生産ロスの削減
②正確な発生量の把握
③余剰汚泥の発生抑制
(2)
再資源化の推進
2020年度までに副産物・排出物の再
資源化率を80%以上に維持
■ 2020年度までに未利用食料の再資源
化率を90%以上に維持
■
生産高10億円あたりのCO2 排
出量前年度比1%削減
2012年度実績
生産部門CO2 排出量427千トン
(前年度比
109.2%)
■ 生産高10億円あたりのCO 排出量は723t2
CO2/10億円
(前年度比107.0%)
■ 2009年度比で3,000トン増加
(7.6%増加)
■
生 産 高10 億円あたりのエネル ■ 生産高10億円あたりのエネルギー使用量は
ギー使用量
(エネルギー原単位) 361kℓ/10億円
(前年度比99.0%)
1%削減
(省エネ法で定める目標) ■ ボイラー・コンプレッサーの更新
(14台)
■ ヒートポンプ式空調設備・高効率ブロワー
の導入
売上高10億円あたりのCO2 排
出量前年度比1%削減
低燃費・低公害車の導入推進
生産高10億円あたりの副産物・
排出物発生量の対前年量の削減
生産工程・原材料管理の強化
トラックスケールの工場設置を推進
■ 汚泥削減対策
(廃水処理設備の
見直し、改修等)
物流部門CO2 排出量71千トン
(前年度比
99.0%)
■ 売上高10億円あたりのCO 排出量は113t2
CO2/10億円
(前年度比97.4%)
■ 2009年度比で3,000トン削減
(4.6%削減)
■
ハイブリッドトラックの導入台数累計217台
(前年度比4台増)
■ CNGトラックの導入台数累計51台
(前年度
比1台減)
■
副産物・排出物発生量182千トン
(前年度
比101.9%)
{食パンの耳除く発生量112千トン
(前年度
比99.7%)
}
■ 生産高10億円あたりの副産物・排出物発
生量は308t/10億円
(前年度比99.7%)
■
21工場が自社計量器による発生量実績管理
汚泥発生量21千トン
(前年度比7.8%減少)
■ 廃水処理システム改修
(12工場)
■
■
■
■
■
■
副産物・排出物の再資源化率を
80%以上に維持向上
未 利 用 食 料 の 再 資 源 化 率を
90%以上に維持向上
■
副産物・排出物の再資源化率93.7%
(前年
度1.5%向上)
副産物・排出物の再資源化率93.7%
(前年
度1.5%向上)
■ 未利用食料の再資源化率98.3%
(前年度
0.7%増加)
■
食と環境への取り組み 2013
32
環境活動報告
環境マネジメント
ヤマザキでは、環境に配慮した事業活動を継続的に行うため、
各工場に
「工場環境推進会議」
を設置し、工場の実状に即した環境活動を展開するとともに、
研修の実施や社内報による広報を通じて、環境目標の達成に向けて活動しています。
環境マネジメント体制
環境パトロール
ヤマザキでは、環境管理活動を効果的に行うために、各
各工場では、
工場環境推進委員を中心とした環境パト
工場に工場環境推進会議を設置し、工場の現実に即した
ロールチームが、
節電や節水、
排出物の分別状況などを定期
独自の環境活動を組織的に推進することで継続的な改善
的にチェックしながら、
従業員への協力を呼びかけています。
を図っています。
■
工場における環境管理体制図
工場長
環境パトロールチーム
環境管理責任者
環境パトロール
(埼玉第一工場)
事務局
重点管理項目主管部署
環境教育
工場各課環境推進委員
重点管理項目
ヤマザキでは、工場レベルで具体的に環境対策に取り組む
総務課
人事課
経理課
資材課
営業課
セールス課
製品管理課
営業所
食パン課
菓子パン課
和菓子課
洋菓子課
工務課
・
・
・生産各課・
・
・
本社では、工場環境推進会議事務局員のレベルアップ
を目的とした研修会を実施し、環境関連法令の遵守と環
境保全への意識向上に努めています。
環境推進担当者研修会の開催
際、重点的に管理すべき事項を定めています。
1 省エネルギー活動の推進
地球温暖化の主な原因となるCO2排出量の削減を図る
ため、省エネルギー施設の導入や新技術の導入を推進
するとともに、従業員への教育による省エネルギー意識
の向上に取り組む。
2 排出物の削減とリサイクル率の向上
排出物の排出による環境負荷低減のために、生産ロス
の低減、新技術の導入など排出物の発生量を削減する
環境情報の共有・従業員啓発
ヤマザキでは、
社内報やまざき
(毎月10,000部発行)
でさ
まざまな環境情報を紹介する
「エコらいふ」
ページを設け、
従業員の環境意識の高揚を図っています。各工場において
も、工場独自の
「環境壁新聞」
を作成し、
エネルギー使用量
や排出物の発生状況などの環境情報を共有化しています。
と共に、排出物のリサイクル率を向上させる。
3 環境汚染の防止
大気汚染、水質汚染をはじめとする環境汚染の防止に
積極的に取り組む。
社内報やまざき
「エコらいふ」
ページ
33
食と環境への取り組み 2013
「かんきょう新聞」
(埼玉第一工場)
環境会計
ヤマザキでは、環境保全に関連する投資と費用を把握し、
その効果を定量的に把握することで、より効率的な環境保全対策を推進しています。
2012年度の投資・費用の状況
ヤマザキでは2012年度、環境保全への取り組みとし
した。計画的な設備投資などによる効果によって、日本パ
て、廃水処理設備送風機の最新型への更新やヒートポン
ン工業会の環境自主行動計画目標
(物流部門CO2排出削
プ式空調設備の導入などで857百万円の投資を行いまし
減目標、副産物・排出物の再資源化目標)
を通期で達成す
た。また環境保全に係る費用として6,
236百万円を要しま
ることができました。
(単位:百万円)
コストの分類
内訳項目
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
投資額 費用額 投資額 費用額 投資額 費用額 投資額 費用額 投資額 費用額
事業エリア内コスト
公害防止 大気汚染防止
コスト
水質汚濁防止
187
地球環境 省エネ
保全コスト 地球温暖化防止
956 3,148
614 2,519
445 2,630
444 2,827
資源の有効活用
資源循環
副産物・
コスト
排出物処理
121 1,269
29 1,331
39 1,403
3 1,354
小計 1,264 5,198
744 4,663
735 4,866
735 5,044
781
100
814
251
833
288
863
290
915
2012年度の主な取り組み内容
■
■
最新型ボイラー更新
(1工場:1台)
廃水処理システム改修
(12工場)
高効率コンプレッサー更新(10工場:13台)
ヒートポンプ式空調設備導入
(古河、伊勢崎)
■ 廃水処理高効率ブロワー導入
(4工場:5台)
■
476 3,302
■ リサイクルセンター改修
91 1,461 (武蔵野)
■ 圧縮梱包機導入
(1工場:1台)
857 5,678
下流コスト
容器包装再商品化委託
0
532
0
659
0
661
0
661
0
550
管理活動コスト
環境教育・セミナー・
環境情報開示
0
7
0
6
0
10
0
9
0
8
合計 1,264 5,737
744 5,328
735 5,537
735 5,714
■
■
■
エコプロダクツ2012出展
食と環境への取り組み2012作成
857 6,236
環境保全効果
2012年度は、廃水処理設備送風機の最新型への更新
に対し増加しました。
また、副産物・排出物に関しても生産
やヒートポンプ式空調設備をはじめとする省エネ機器の導
量の増加により1.
9%の増加となったものの、発生場所で
入によるエネルギー利用の効率化をすすめ、
エネルギーの
の分別や自社計量器による実績管理の徹底、処理先の再
使用量は前年並みでしたが、火力発電比率の増加により、
検討などにより、再資源化率は、1.5%向上しました。
電力のCO2排出係数が上昇したため、
CO2排出量は前年
効果の分類
環境パフォーマンス指標
2008年度
214
エネルギー投入 数量(千kℓ)
(原油換算)
原単位(kℓ/生産高10億円)
384
3
事業活動に投入する
使用量(千m )
6,704
用水の投入
資源に関する
3
12.0
原単位(m /生産高10億円)
環境保全効果
数量(千kℓ)
31
車両燃料投入
(原油換算)
原単位(kℓ/売上高10億円)
49.5
排出量(千トン)
410
CO2排出
原単位(t-CO2/生産高10億円)
736
事業活動から排出する
発生量(トン)
168,012
環境負荷および
副産物・
副産物・排出物に関する 排出物発生
原単位(トン/生産高10億円)
302
環境保全効果
副産物・排出物の再資源化量(トン)
148,247
再資源化率(%)
84.8
事業活動から産出する
容器包装材料の使用抑制量(トン)
1,075
製品に関する環境保全効果
2009年度
215
382
7,034
12.5
30
46.3
397
704
171,183
304
153,696
89.8
2010年度
219
383
7,362
12.9
29
46.9
406
710
183,499
321
167,411
91.2
2011年度
211
365
7,144
12.4
27
43.7
391
676
178,345
309
164,497
92.2
2012年度
213
361
7,032
11.9
27
43.0
427
723
181,687
308
170,298
93.7
▲245
▲305
206
97
(注)2011年度・2012年度の電気の使用に伴うCO2排出量の算定には、
環境省公表の電気事業者別のCO2排出係数
(2011年度実績)
を用いています。
食と環境への取り組み 2013
34
環境活動報告
省エネ活動の推進
ヤマザキの各工場では、パンをつくる過程で使用する電気やガスなどのエネルギーの効率的な利用を推
進することで、温暖化の主要因であるCO 2の排出削減に取り組んでいます。
生産部門からのCO2排出量
エネルギー管理体制の構築
2012年度の生産部門からのCO2排出量は427千トン、
2010年4月に施行された改正省エネ法により、
これまで
生産高10億円あたりのCO2排出量は723トンとなりまし
の工場・事業場単位でのエネルギー管理から、事業者単位
た。工場で使用する燃料をCO2排出係数の高い重油・LPG
(企業単位)
でのエネルギー管理が義務付けられました。ヤ
から係数の低い都市ガス(天然ガス)へと変更する燃料転
マザキでは、全社的なエネルギー管理体制の構築による、
換や、最新型ボイラー・高効率コンプレッサーをはじめとす
従業員一丸となった更なるエネルギー使用の合理化を推
るさまざまな省エネ機器の導入をすすめるとともに、
適正な
進しています。
運転管理を行うための省エネ管理体制を強化しています。
■
山崎製パン
(株)
エネルギー管理体制図
生産部門のエネルギー使用量とエネルギー原単位の推移
■
エネルギー使用量
(原油換算千kℓ)■電力 ■ガス ■重油 250
200
150
213
215
219
383
382
383
エネルギー原単位(kℓ/生産高10億円)
500
211
365
100
213
361
エネルギー管理統括者
(生産担当役員)
450
エネルギー管理副統括者
400
350
2008
2009
2010
2011
2012(年度)
(総務担当役員)
(生産統括本部長)
エネルギー管理企画推進者
(施設本部長)
300
50
0
社長
0
事務局
生産部門のCO2排出量とCO2排出量原単位の推移
施設本部
総務本部
■
(千t-CO2)■CO2排出量
500
400
300
410
736
200
397
406
704
710
CO2排出量原単位 (t-CO2/生産高10億円)
1,000
391
676
427
723
900
800
700
100
600
0
0
2008
2009
2010
2011
2012(年度)
(注)2011年度・2012年度の電気の使用に伴うCO2排出量の算定に
は、環境省公表の電気事業者別のCO2排出係数
(2011年度実績)
を用いています。
工場
工場
工場
燃料転換の実施
クリーンエネルギーの利用をすすめるヤマザキでは、重
油・LPGから都市ガス
(天然ガス)
への燃料転換を順次推
進しています。2007年度には、都市ガス供給が可能な地
域の燃料転換をすべて完了し、2008年度からは都市ガス
パイプラインの未整備地域における
「LNGサテライト方式」
自然エネルギーの活用
を利用した天然ガスへの燃料転換をすすめています。燃料
風力や太陽光などの自然エネルギーを利用した発電設
量削減といった大気汚染の軽減が図られるなどのメリット
備を一部の工場で試験的に導入し、効果の実証を行ってい
転換は、CO2排出量の削減以外にも、SOx・NOxの排出
を得ることができました。
ます。
(上)
太陽光発電パネル
(神戸冷生地事業所)
(右)
風力発電機
(埼玉第一工場)
35
食と環境への取り組み 2013
LNG
(液化天然ガス)
サ
テライト方式の燃料転換
(岡山工場)
コージェネレーションシステムの導入
省エネ機器の導入
工場で使用する電気エネルギーと発酵などの製造工程
ヤマザキの各工場では、エネルギーの効率的な利用を
で使用する熱エネルギーを供給するため、都市ガスを利用
目指し、ボイラーやコンプレッサーなどの機器を最新型の
したコージェネレーションシステムを6工場で導入していま
ものに更新しています。また、空調用冷水の熱源には従来
す。このシステムはエネルギーを使用する場所で作る分散
の吸収式冷温水機に変わり、
エネルギー効率のよいヒート
型エネルギーシステムであり、従来の送電による損失が発
ポンプ式空調設備を採用し導入を推進しています。ヒート
生しません。
また、発電した電気と廃熱の両方を使用するこ
ポンプは省エネ効果が大きく、冷却方法も空冷式となるこ
とで一次エネルギーの約70%が有効利用され省エネル
とから水質管理が難しい冷却水が不要となり、節水にもつ
ギーとCO2排出量の削減に繋がっています。
ながります。
2012年度は古河工場、伊勢崎工場に導入し、
現在、
このコージェネレーションシステムを停電時に防災
年間で約52トンのCO2排出量削減につながりました。
用として利用することができるように計画を進めています。
これにより電源が二重化され、非常時にも電力の供給が可
能となるため、事業活動を継続することができるようになり
ます。さらに、夏期の昼間など電力需要が最大となる時間
帯に稼働させ、電力負荷の平準化にも役立っています。
廃熱の有効利用
横浜第二工場では、コージェネレーションシステムの廃
熱を多段的に利用するため、蒸気駆動コンプレッサーを新
たに導入しました。コージェネレーションシステムで発電機
を駆動したガスエンジンから排出される熱で蒸気を発生さ
ヒートポンプ式空調設備
(伊勢崎工場)
廃水処理における省エネルギー
せ、発生した蒸気でエアーコンプレッサーを駆動して圧縮
工場の生産活動で使用した機器や器具の洗浄用水は
空気を製造し、
さらに、蒸気駆動コンプレッサーの冷却水を
廃水処理施設に流入され、活性汚泥法と呼ばれる微生物
ボイラー等の設備で使用する給水の加温に利用すること
による分解処理を行い、法規制を遵守しながら河川や公
で、熱エネルギーを無駄なく連続的に回収することができ
共下水道に放流しています。この廃水処理過程で微生物
ます。
に空気を送りこむブロワー(送風機)を、回転部の摩擦によ
■
コージェネシステムを中心とした高効率の熱利用システム
ガスエンジン
コージェネ
レーション
都市ガス
ボイラー
電気
温水
るエネルギー損失の少ない高効率タイプのものへ順次入
替えています。
2012年度は仙台工場、古河工場、名古屋
工場、岡山工場の4工場に導入し、年間で約401トンの
CO2排出量削減につながりました。
ガスエンジン
廃熱
吸収式冷凍機
廃熱ボイラー
冷水
排熱で給水を加温
高圧蒸気
蒸気駆動
コンプレッサー
工場
低圧蒸気
圧縮空気
高効率ブロワー
(岡山工場)
食と環境への取り組み 2013
36
環境活動報告
店舗における省エネルギーの取り組み
ヤマザキのコンビニエンス業態であるデイリーヤマザキの店舗では省エネルギーに取り組み、
環境にやさしく、お客様に便利な店づくりを目指しています。
環境配慮型エコ店舗の実績
2011年7月に、最新の環境配慮設備を装備したモデル店
屋上緑化
太陽光発電パネル
「長柄中2丁目店」
を開店しました。太陽光発電やエコキュー
ト、屋上緑化等の効果により、使用電力量は従来同規模店
舗に比べ、
26.
3%削減されています。この店舗での省エネ
設備の効果を検証し、他店舗への導入をすすめています。
また、太陽光発電は1999年より導入を進めており、現在
は29店舗で稼働しています。
LED照明ボーダー看板
●ショーケースはL
ED照明とインバータ式冷凍機
店内設備
40%断熱効果の真空ガラス
●店内換気は熱交換システム
●給湯はエコキュート
●電力監視システムによる電力使用状況の把握
エコ店舗における環境配慮設備
照明のLED化を進めています
■店内照明のLED化
■冷ケース
2013年から、昼夜の明るさに対応して店舗内を3分割
2013年の新店
(改装店舗含む)
から、冷ケースの照明
して明るさを調整できる調光システムに対応可能なLED
にはLEDを採用しています。この照明の採用により、冷
照明を採用しています。このLED調光システムの省エネ効
ケースの照明の消費電力の80%が削減されます。
果は大きく、導入店では、照明の消費電力の約55%を削
減することができました。
ニューヤマザキデイリーストア千本赤池店
デイリーヤマザキ国府台病院店
■ボーダー看板
■パン什器
看 板の寸 法を小 型 化し、LED照 明を使 用した看 板を
店内でパンを陳列するパン什器とリーチインパンケース
2013年6月開店の
「ニューヤマザキデイリーストア
(NYDS)
」
にもLEDを採用しています。
から採用しました。
ニューヤマザキデイリーストア朝霞駅前店
※当社は、2013年7月1日に連結子会社の株式会社デイリーヤマザキを吸収合併致しました。
37
食と環境への取り組み 2013
きぬた
パン棚LED照明
(ニューヤマザキデイリーストア砧店)
物流における取り組み
新鮮な製品を毎日自社の車両で配送しているヤマザキでは、
物流における環境配慮にも力を入れています。
物流部門からのCO2排出量
エコドライブの推進
2012年度の物流によるCO2排出量は71千トンで前年
2006年8月より配送部門のある全国20工場でエコドラ
比99.0%でした。売上高10億円あたりの排出量は113ト
イブを実施する体制を整備しました。運行管理システムを
ンと前年度に対し2.6%の削減となりました。ヤマザキで
活用し配送ドライバーの運転状況を把握することで、
エコド
は、運行管理システムを活用しお店への到着時間や荷室の
ライブの評価につなげているほか、
エコドライブリーダーに
温度のほか、平均速度や急激な速度変化の回数などを記
よる同乗指導などを実施しています。
録し、
エコドライブに役立てています。
■
物流部門のCO2排出量とCO2排出量原単位の推移
(千t-CO2)■CO2排出量
100
80
60
81
131
40
76
122
123
72
71
160
120
116
113
20
0
(km/ℓ)■燃費
CO2排出量原単位 (t-CO2/売上高10億円)
200
75
自社配送車両の平均燃費の推移
■
80
6.2
6.0
5.75
5.8
5.6
5.4
0
2009
2010
2011
2012(年度)
0
■
6.08
5.96
5.86
100.0 101.8
103.5
105.7
6.24 6.21 6.23 6.22
115
110
108.5 107.9 108.3 108.1
105
100
95
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012(年度)
40
2008
2005年度比(%)
120
6.4
0
運行管理システムによる速度評価チャート
最高速度
(一般)50
■
120
運行管理システムのしくみ
出発
急減速回数 0
平均速度
(一般)19
20
納品
40
0
帰着
急加速回数 0
20
速度超過回数 0
メモリに記録
最高速度
(高速)79
80
0
0
スピード管理・温度管理・時間管理
80
50
160
70
0
140
平均速度
(高速)60
20
20
連続走行超過回数 0
低燃費・低公害車の導入
改正省エネ法
(運輸)
への対応
配送車両には、ハイブリッド車やCNG
(圧縮天然ガス)
車
ヤマザキでは、製品の店舗配送や工場間移送に委託配
などの低燃費・低公害車を積極的に導入しています。ま
送も利用していますが、自社の配送車両とチャーター便を
た、転がり抵抗の低減による燃費向上が期待されるエコタ
用いる割合が高いため、
エネルギーの使用状況を高い精度
イヤへの切り替えもすすめています。
で把握・管理できます。
この特性を活かして、
自社配送の合
理化や物流拠点の見直しなどをすすめ、物流部門における
省エネを推進しています。
■
輸送量とその内訳
内訳
ハイブリッド車217台、CNG車51台を
保有しています。
(2012年12月現在)
写真はハイブリッド車
2012年度総輸送量
自社配送
(店舗配送など)
委託配送
(工場間移送など)
30,702万トンキロ
9,004万トンキロ
(29.3%)
21,698万トンキロ
(70.7%)
CO2排出量換算 167,000t-CO2(前年度比102.5%)
エコタイヤ
(委託配送分も含む)
食と環境への取り組み 2013
38
環境活動報告
副産物・排出物の発生抑制と再資源化
ヤマザキでは、限りある資源を有効活用するために、副産物・排出物の発生抑制を
積極的に推進しています。やむを得ず発生してしまうものを中心に、
より付加価値の高い再資源化に取り組み、循環型社会の形成に取り組んでいます。
副産物・排出物の発生状況
パンなどを製造する過程で、食パンの耳などの副産物
した。また、各工場における分別の徹底や処理方法の変更
の発生は避けられませんが、
「なぜなぜ改善」
や5S活動な
などが 寄与し、再資源化率は93.7%と前年度に対して
どの現場改善活動などによりヤマザキでは可能な限り発
1.5%向上させることができました。食品由来の副産物・
生抑制に努めています。
排出物をはじめとする未利用食料は98.3%が再資源化さ
2012年度は、副産物・排出物の発生量は182千トンと
前年度に比べ1.9%増加し、食パンやランチパックの生産
れており、日本パン工業会の2012年度目標を達成するこ
とができました。
工程で発生する食パンの耳は前年度より4千トン増加しま
■
副産物・排出物発生量の推移
■
(千t)
■食パンの耳を除く発生量 ■食パンの耳発生量
(%)
200
150
60
68
63
66
100
90
70
80
100
50
0
再資源化率と生産高10億円あたりの発生量
再資源化率
108
115
112
112
2008
2009
2010
2011
2012(年度)
91.2
89.8
86.7
195
202
192
70
108
(t/生産高10億円)
発生量原単位(食パンの耳除く)
250
93.7
92.2
230
194
189
60
0
発生量
未利用食料
124,967t
食パンの耳
生地・製品ロス
バナナの皮
廃食油
その他
70,107t
37,364t
4,273t
270t
12,952t
非食品系
56,720t
汚泥
段ボール・紙くず
プラスチック類
空缶・金属くず
ビン・ガラスくず
その他
20,894t
16,195t
13,779t
3,182t
131t
2,539t
2008
2009
2010
2011
2012(年度)
再資源化量
170,298t
(93.7%)
未利用食料
122,788t
(98.3%)
飼料
99,085t
肥料
8,130t
パン粉・製菓原料 9,812t
油脂・油脂製品
236t
メタンガス
830t
その他
(熱回収等) 4,695t
非食品系
47,510t
(83.8%)
肥料
製紙原料
金属原料
固形燃料
プラスチック原料
その他再資源化
17,563t
13,029t
3,009t
2,968t
984t
9,957t
自社処理 7,721t
自社乾燥…4,356t 自社焼却…3,365t
再資源化されない排出物 8,132t
(注)再資源化量には自社乾燥前の汚泥排出量が含まれています。
また、
自社処理後の残さが再資源化量および排出物に再算入されているため、
副産物・排出物発生量の合計と処理量の合計は一致していません。
39
食と環境への取り組み 2013
190
170
副産物・排出物処理フロー
181,687t
210
0
販売店様への納品容器の再資源化
圧縮梱包機の導入
ヤマザキでは、生産工程で発生する容器包装材料などの
ヤマザキでは、創業当初よりパンの納品に、繰り返し使
プラスチック類を圧縮し、減容化する設備の導入をすすめて
用できる
「番重」
と呼ばれる容器を用いることで、ダンボー
おり、現在12工場に導入しています。プラスチック類を圧縮
ルなどの梱包材の発生を抑制してきました。
1967年
(昭和
梱包機に投入することで体積が約6分の1に減容化され、収
42年)
からは従来の木製に替わりプラスチック製番重を開
集運搬回数を大幅に減らすことが可能となり、処理コストお
発・導入し、販売店様への納品に利用しています。
2008年
よび輸送による環境負荷を低減することができます。
度より、番重製造事業者と協力し、長時間使用した番重を
廃棄せず、新しい番重をつくる際の原料として再生利用す
る取り組みを開始しました。
2012年度は、約11万枚の番
重を再資源化し、資源の有効利用に努めています。
圧縮梱包機
(横浜第二工場)
プラスチック類のごみ袋への再生利用
リサイクル番重
ヤマザキでは、
食パン加工製品を生産する過程で一時的
に加工用食パン
(三斤)
を保管するためにプラスチック製の
袋を使用しており、
そのリサイクルを推進しています。
さらに
すすんだ取り組みとして、
2工場
(武蔵野工場、
広島工場)
で
は、
処理先のプラスチック再生業者の協力の下、
この袋を原
ゼロ・エミッション工場の拡大
料として再生加工されたごみ袋を工場で再び使用していま
ヤマザキでは、
やむを得ず発生した排出物については積
す。ごみ袋は消耗品であるため継続的に原料が必要となる
極的に再資源化しています。
その結果、
2012年度末までに
ことから、
リサイクルが円滑にすすむという利点があり、今
9工場
(安城工場、
広島工場、
埼玉第二東村山工場、
福岡工
後、
他の工場へも拡大してまいります。
場、
大阪第二工場、
名古屋工場、
阪南工場、
札幌工場、
武蔵
山崎製パン
(株)
武蔵野工場・広島工場
加工用食パン袋
圧縮梱包機投入後の当該物
野工場)
がゼロ・エミッションを達成しました。
ゼロ・エミッシ
ョンを達成した工場については、
今後もゼロ・エミッションを
維持するとともに、
リサイクルの質の向上を図っていきます。
V O I CE
ゼロ・エミッションを達成致しました。
札幌工場 総務課 福田 真太郎
再生加工した
ごみ袋を
工場で使用
札幌工場では、
2012年にゼロ・エミッションを
達成しましたが、
同時に分別を徹底することで、
コ
スト削減にもつながりました。例えば、
焼却処分していた可燃
プラスチック再生業者
成型機
ペレット
物
(紙類)
のうち、
分別の細分化によって一部を有償化し、
有
償化できないものも処理先を見直すことで固形燃料化でき
ました。
この他の排出物についても、
取引業者さんや工場の
排出現場と知恵を出し合い、
ゼロ・エミッションを築き上げる
ことができました。
さらに進化できるように工夫し、
この体制
が崩れないようにしっかりと取り組んでいきます。
食と環境への取り組み 2013
40
環境活動報告
製品における環境配慮
(容器包装)
ヤマザキでは、容器包装の簡素化、軽量化など、容器包装にかかわる環境負荷を低減するために
さまざまな取り組みを行っています。
容器包装の削減
ヤマザキでは、食品の安全衛生の確保と品質の保持を第一に考え、容器包装の設計と選択を行っています。そのうえで可
能な限り、容器包装の簡素化・軽量化を図ることによる、資源の節約と廃棄物の発生抑制に努めています。
容器の軽量化
「3本入り串団子」
シリーズで使用して
いるパックの形状見直しで厚みをさら
「薄皮パン」
シリーズで使用して
いるトレーについて、容器のシー
に薄くすることにより、製品1個当たり
トの厚みと材質を見直し、製品1
ました。
軽量化しました。
に使用する容器包装重量を4%削減し
洋菓子の
「雪苺娘
( ゆきい ち
ご)
」等に使用している容器の蓋
の材質を見直し、製品1個当たり
個当たりの容器包装重量を10%
年間約36t
プラスチック資源の削減
の容器包装重量を24%軽量化し
ました。
年間約49t
プラスチック資源の削減
年間約8t
プラスチック資源の削減
食パン袋の軽量化
2013年4月より、主力製品の1斤食パン袋の軽量化
年間約221t
プラスチック資源の
削減見込み
を行い、製品1個当たりの包装重量を7%削減しまし
た。販売数量も多く、大幅な資源削減量が期待できま
す。
容器包装リサイクル法への対応
1997年に容器包装リサイクル法が施行されて以来ヤ
マザキでは、容器包装の削減の取り組みに加えて、家庭で
消費されるヤマザキ製品の容器包装のリサイクルを公益
財団法人日本容器包装リサイクル協会に委託しています。
2012年度は、20,771トンの容器包装を使用し再商品化
委託料として550百万円
(実質費用)
を負担しました。
■
容器包装の再商品化委託料と容器包装重量の推移
(百万円)■再商品化委託料
容器包装重量 (t)
40,000
800
659
600
400
661
661
532
21,502
20,426
20,671
20,977
20,771
30,000
20,000
10,000
200
0
550
2008
2009
2010
2011
2012(年度)
(注)容器包装の再商品化委託料は、実質費用を掲載しています。
41
食と環境への取り組み 2013
0
へらそう
神戸大学
「減装研究会」
との取り組み
ヤマザキでは、神戸大学の教授、学生を中心に活動する
NPO法人
「ごみじゃぱん」
が主催する
「減装
(へらそう)研
究会」
に参加しています。同研究会では同NPOが推奨する
減装ショッピングの普及
に向け、大学の教職 員・
学生・企業
(メーカー、流
通)
・消費者の方々が 活
発な意見交換を行ってい
ます。
「容器包装が少ない商品」
=
「減装
(へらそう)
商品」
を、
お客
様が積極的に選んで購入する買い物行動=減装
(へらそ
う)
ショッピングの普及・定着による家庭ごみの削減に向
けた社会実験を行っています。ヤマザキでは、
この考えに
賛同し、学生の皆さんやお客様と協働し、新たな社会モデ
ルづくりを目指しています。
学生が中心となって児童
館や小中学校などに出向
き、家庭ごみの削減に向
けた出前授業を行ってい
ます。
■容器包装の軽量化による家庭ごみの削減
ヤマザキでは、2011年7月から、
『 新食感宣言直焼ロー
ル』の包装形態を留め具を使用したものから使用しない
ものに変更し、NPO法人
「ごみじゃぱん」の推奨する
「減
■
減装ショッピングのフロー図
装商品」
のロゴマークを包装に表示しました。留め具その
ものが不要となるとともに、包装の長さを約12cm短縮で
約35トンの家庭ごみの削減と資源の節減につながってい
ます。
約12cm削減
(約31%軽量化)
メーカー
変更前
(留め具あり)
変更後
(留め具なし)
お客様
「減装商品」
の販売
ポスター・POPによる
情報提供
し30〜40%包装が軽減され、2013年9月末現在で累計
「減装商品」
の推奨
態の製品を延べ9品発売し、いずれも従来の形態と比較
NPO
「減装商品」
の選択・購入
き、包装の重量を約31%軽量化できました。以後この形
減装ショッピングの
普及・啓蒙活動
流通
「減装商品」
の
開発・提供
(スーパーマーケットなど)
減 装ショッピングは
「 平 成2 4年 度リデュース・
リユース・リサイクル推進功労者等表彰」
において
「内閣総理大臣賞」
を受賞しました。
この賞は、経済産業省などの関係7省の後援のも
と、
リデュース・リユース・リサイクル推進協議会の主
催により、
リデュース・リユース・リサイクルの推進に
貢献している個人、グループ、学校、事業所等を表彰
するものです。生活者が無理なく容器包装ごみの発
生抑制を実現できる取り組みが評価され、
NPO法人
「ごみじゃぱん」
は
「個
人・グループ・学校」
分野において内閣総
理大臣賞を受賞しま
した。
「減装商品」
のロゴマークを表示した製品群
食と環境への取り組み 2013
42
環境活動報告
目次
Contents
製品における環境配慮
(食品リサイクルループ)
編集方針
1
会社概要
3
事業概要
5
ヤマザキと社会や環境との関わり
7
ヤマザキでは、食料資源の有効利用および食料自給率の向上を図るため、
経営基本方針・地球環境の保全に向けて
2
食品循環資源の有効活用を推進しています。
食品リサイクルループの構築
2000年に制定された
「食品リサイクル法」
では、未利用
れる飼料化に対応するため、各工場で発生する食パンの耳
■ 食料の発生抑制に優先的に取り組むことが定められてお
お客様とともに
などの副産物は、
エコフィードなどの原料として利用されて
り、
ヤマザキでは食パンの耳などの副産物の食品原料とし
食の安全・安心への取り組み
9
ての利用、
食品ロスの発生原因の究明や改善に取り組み、
AIBフードセーフティシステムに基づく
11
発生抑制に努めています。食パンの耳などの副産物の成
工場での安全・安心の取り組み
います。エコフィード利用畜産物を積極的に活用すること
分、
カロリーを有効に利用でき、飼料自給率向上に寄与で
お客様の安心のために
13
きることから、次に優先して選択することが重要であるとさ
お客様とのコミュニケーション
14
である飼料加工業者、畜産業者、精肉業者、食肉加工業者
■ 地域・社会とともに
事例1
ソーセージクロワッサン
■
(公財)
飯島藤十郎記念食品科学振興財団を
(安城工場)
通じた食生活の向上のための食品科学振興助成
が循環型社会構築をはじめ、飼料自給率向上や食料自給
率向上につながると考え、エコフィードに関連する事業者
との連携により、食品リサイクルループを構築しています。
この製品の食品リサイクルループ図
15
お客様
(東海地区)
エコフィード利用畜産物認証
ファイダー
認証番号:23利畜認証第4号
を
(公財)
国際開発救援財団
(FIDR)
通じた国内外への支援
スポーツ振興支援
地域に愛される工場を目指して
(有)
フジ商事
エコフィードに加工
16
17
18
食パンの耳等の未利用食料
エコニコポーク
※ 山崎製パン(株):名古屋工場、
安城工場
23
ヤマザキでは、
「
お客様」
「
、地域・社会」
「
、従業員」
「
、環
(株)サンデリカ :名古屋事業所、
浜松事業所、
北陸事業所
働きやすい職場づくりに向けて
■ 環境活動報告
パンづくりにおける環境への影響
25
■
境」
とヤマザキの関わりについて、皆様にご理解いただくこ
とを目的として
「食と環境への取り組み」
を毎年発行し、
テーマごとに取り組み内容をご報告してきました。2013年
この製品の食品リサイクルループ図
度版でも引き続き、食品を製造しお届けする立場からお客
お客様
(関東地区)
(
(株)
スーパーヤマザキ)
「新しいヤマザキ」
を牽引する人材の育成
食肉・加工処理
ハム・ソーセージ等に加工
編集方針
21
「栄養バランス」
と
「朝食の大切さ」
を発信
事例2
JA静岡経済連
惣菜パン等の製造
米久
(株)
ヤマザキの
「食」への考え方
■ 従業員とともに
(有)
寺内ファーム
認証エコフィードで肥育
山崎製パン
(株)
(株)
サンデリカ※ ■ 食を大切に
FOODACTIONNIPPON
アワード2009の
「優秀賞」
を受賞
国産食材の利用拡大を目指して
認証番号:21認証第1号
27
28
31
様の関心の高い
「食の安全・安心への取り組み」
「
、食料資
(有)
八王子安澤畜産
飼料の製造
肥育
源の有効利用」
「
、国産食材の利用拡大」
「
、・
食育活動」
など
食パンの耳等の未利用食料
認証番号:24認証第8号
についても具体的な事例をご紹介しています。
山崎製パン
(株)
・
(株)
サンデリカ※
(株)
スーパーヤマザキ
(全店舗)
● 対象期間
「エコニコポーク」
として販売
環境目標と実績
32
2012年度
(2012年1月1日~2012年12月31日)
のものを
JA全農ミートフーズ
(株)
報告しており、過去の実績・推移が必要と思われる項目に
環境マネジメント
33
ついてはこれを併記し、一部の取り組み事例については、
35
●
環境会計
省エネ活動の推進
店舗における省エネルギーの取り組み
食肉処理
(部分肉・精肉加工)
※ 山崎製パン
(株)
:松戸第一工場、
松戸第二工場、
千葉工場、
武蔵野工場、
最新のものを掲載しています。
埼玉第二東村山工場、
横浜第一工場、
横浜第二工場、
古河工場
34
(株)
サンデリカ :千葉第二事業所
37
対象組織
山崎製パン株式会社単体を対象としています。
エコフィード認証制度とは
エコフィード利用畜産物認証制度とは
● 発行
38
“環境にやさしい
(ecological)
”
や
“節約
飼料中の食品循環資源の利用率および
認証されたエコフィードを給与した家畜か
2013年12月
副産物・排出物の発生抑制と再資源化
39
する
(economical)
”等を意 味 する
“ エコ
飼料中の栄養成分の把握、
飼料化を行う関
ら得られた畜産物およびその加工食品につ
(eco)
”
と飼料を意味する
“フィード
(feed)
” 連業者の連携および飼料化工程管理等に
いて、一定の基準を満たしたものを
「エコフ
製品における環境配慮
(容器包装)
41
を併せた造語です。食品循環資源
(未利用
ついて、一定の基準を満たした飼料を
「エコ
ィード利用畜産物」
として認証する制度で、
おことわり
食料)
を原料にして加工処理されたリサイク
フィード」
として認証する制度で、
2009年か
2011年から実施されています。
● 本報告書に記載したデータはお断りなく変更する可能性もあり
製品における環境配慮
(食品リサイクルループ)
43
ル飼料です。
ら実施されています。
ますのでご了承ください。
● 本誌からの無断転載・複製はご遠慮ください。
環境コミュニケーション
44
エコフィードとは
物流における取り組み
※ エコフィードおよびエコフィード利用畜産物については
(公社)
中央畜産会のHPをご参照ください。 http://ecofeed.lin.gr.jp/
143
食と環境への取り組み
2013
食と環境への取り組み
2013
環境コミュニケーション
ヤマザキでは、お客様と環境意識を共有するため、売上の一部を森林整備に充てるカーボン・オフセット製品
の発売や環境イベントへ出展するなど、環境に配慮した製品を通じたコミュニケーションをすすめています。
カーボン・オフセットの取り組み
(岡山工場)
事例1 『大山の森クレジット』
2012年10月、鳥取県を販売エリアとする岡山工
(新潟工場)
事例2 『トキの森クレジット』
新潟県を販売エリアとする新潟工場は、森林の
場では、
(公財)
鳥取県造林公社とオフセット・クレジ
CO2吸収量の確保やトキの野生復帰に向けた生息環
省の認証を受けたオフセット・クレジット
(J-VER)
を
「トキの森クレジット」
(J-VER)
を
(公社)
新潟県農林公
ット契約を締結し、公社造林地の整備を通じて環境
購入しました。購入資金には、地元鳥取県の
「白バラ
牛乳」
を使用した地産地消製品の売上の一部が充て
境の向上などのために佐渡の森林整備に活用される
社より購入しました。2012年12月発売の地元佐渡
産おけさ柿を使った
「ランチパックおけさ柿ジャム&
られ、製品の製造に係るCO2排出量の一部をオフセ
ホイップ」
の売上の一部は、
地球温暖化防止や森林生
までに14種類の製品がオフセット・クレジットの対象
合計で28トンのCO2をオフセットしました。
ットするのに役立てられています。2013年10月現在
となり、合計で238トンのCO2をオフセットしました。
ランチパック
(コーヒー&ホイップ)
裏面にカーボン・オフセットの
取り組みをプリントしています。
カーボン・オフセット
とは…
態系保全に役立てられています。
2013年10月までに
※新潟県では、環境省のオフセット・クレジット
(J-VER)制度と整合した、県内の森林整備プ
ロジェクトのCO2吸収量を認証し、オフセット・
クレジット
(新潟県J-VER)
を発行する
「新潟県
オフセット・クレジット制度」
を運用しています。
ランチパック
(おけさ柿ジャム&ホイップ)
自らのCO2排出量のうち、
どうしても削減できない量の全部
又は一部を他の場所での削減・吸収量でオフセット
(埋め合わせ)
することをいいます。
エコプロダクツ2012に出展
エコプロダクツ大賞受賞「ちょいパクラスク」
2012年12月に東京ビッグサイトにて開催された国内
グループ企業の
(株)
末広製菓が開発し
「ヤマザキ」
のブ
最大級の環境イベント
「エコプロダクツ2012」
( 主催:一
ランドで販売している
「ちょいパクラスク」
は、
「ランチパッ
般 社団法人産業環境管理協会 日本経済新聞社)
に出展
ク」
の製造過程で副産物として発生する食パンの耳を利用
しました。7回目の出展となった今回は、
「『食』
を大切に」
を
した菓子製品です。食品リサイクル法において最優先事項
テーマとして、食料資源の有効利用と国産食材の利用拡
として位置づけられている発生抑制に貢献している点、
大を表す
「食べものを大切にする心」
、朝食の欠食改善と
「食パンの耳を使っている」
という情報を製品に表示し、お
食事バランス改善の提案を表す
「食事を大切にする心」
に
客様との環境意識の共有化にも取り組んでいる点が評価
ついてそれぞれに関連する製品を交えた展示を行いまし
され、
「 第9回エコプロダクツ大賞
(主催:エコプロダクツ
た。さらに、2012年は容器
大賞推進協議会)
」
において環境大臣賞を受賞しました。
包 装を軽 量 化した
「減装
ヤマザキでは、
「 ちょい
(へらそう)商 品 」
、カーボ
パクラスク」
をシリーズ
ン・オフセット商品なども
化し、食パンの耳のさら
含めたエコプロダクツを
なる有効活用に取り組
来場者の方々にご紹介し
ました。
エコプロダクツ2012
ヤマザキブース
んでいます。
第9回エコプロダクツ大賞 表彰式
食と環境への取り組み2013
44
〒101-8585 東京都千代田区岩本町3-10-1
TEL 03-3864-3111
http://www.yamazakipan.co.jp/
本レポートは、適切に管理された森林から生まれた
「FSC®認証紙」
を使用し、
VOC成分を含まない植物油インキおよび有害な廃液の出ない水なし印刷で
印刷しています。