第1回 ニューヨーク大学に関して

山本 和彦さん(31歳:2003/10/1現在)
株式会社NTTデータ ビジネスインキュベーションセンター教育ビジネス BU 勤務。
システム・インテグレータとして、e-ラーニング・プラットフォームを中心としたビジネス企画
に携わっている。エンターテイメント全般に対して深い興味を持っており、特に音楽方面に
関しては自らが率いるアマチュアバンドでシンセサイザーを巧みに操り活動を行っている。
ITエンジニアとしてもXMLやJava、DBなどに対して広範な知識とスキルを保有している。
現在は企業派遣として、ニューヨーク大学のグローバル・サーティフィケート・プログラムに
てマネジメントと英語コミュニケーションコースを受講しスキルアップに励んでいる。元来の
明るさ、コミュニケーション力、ネットワーキング力の高さを活かし、クラス内外で積極的に
人脈形成しながら、ニューヨークでの留学をフル体験中。
■リアルタイム日記 山本さんの思いがそのまま反映された感性溢れる日記形式のレポートです。
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12/11-12/15 いよいよ最終回!
2/1-12/10 Final Exam本番次々と・・・
11/21-11/30 ニューヨークだからこそ体験できること
11/11-11/20 Final Examに向けて重なるピーク・・・残存するエネルギーを集めて
10/11-10/16 ネットワーキング力を活かした人脈形成
10/1-10/9 マネジメントコース本格化
9/21-9/30 マネジメントコースいよいよスタート
9/11-9/20 英語コミュニケーションコース、徐々にスピードアップ
9/1 -9/10 新生活スタート、ニューヨークの街、文化との出会い
■ 最新NYU事情 山本さんの視点からトピック別(大学、クラスメイト等)にまとめた最新レポートです。
○ 第1回
ニューヨーク大学に関して
■ 参加プログラム情
大学名: ニューヨーク大学
夏学期(5月〜8月)新設しました
プログラム: グローバル・サーティフィケート マネジメントコース
期間: 3.5ヶ月(2003年9月〜12月)
場所: ニューヨーク、マンハッタン
宿泊先: ニューヨーク大学寮
山本さんの参加前TOEICスコア: 760
グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社
〒107-0062 東京都港区南青山4-13-16 トミタハウス201 Tel:03-3408-3825 Fax:03-3408-3852 URL: http://www.globaledu-j.com
ニューヨーク大学概略
■ニューヨーク大学概略
1831年に設立され、現在は51,000以上の学生が入学する総合大学となっています。
関連施設がマンハッタンの至るところに設置されていますが、その多くはWashington Square周辺に密
集しています。街中の普通の建物として点在しておりキャンパスは持っておりませんが、Washington
Squareをキャンパス代わりとして活用している学生も多く、晴れた日などには学生が集まり意見交換を
している姿が見られます。ちなみに大学のマスコットはBobcatという名称のネコとなっています。NYUの
メイン書籍店にて関連グッズが提供されている他、NYU関連の様々なイベントで着ぐるみ人形として登
場し、会場を盛り上げています。
★グローバル・エデュケーションからのコメント
ニューヨーク大学のキャンパスは、いわゆる「都市型」キャンパスで、ニューヨークの街自体が、大きな
キャンパスのイメージです。NYU関連の施設が入っているビルには、シンボルカラーである紫のNYUフ
ラッグがはためいています。ニューヨーク独特のエネルギッシュな環境での生活もこの大学の大きな魅
力のひとつです。自分のエネルギーの使い方次第で、ビジネスから文化、芸術、音楽まで望むありとあ
らゆる分野において濃密な体験ができます。
■NYUの各大学
NYUは多くの大学が組み合わされた総合大学であることは説明いたしましたが、例えば、以下のような
大学があります。
*College of Arts and Science
*Courant Institute of Mathematical Sciences
*Faculty of Arts and Science
*Gallatin School of Individualized Study
*Graduate School of Arts and Science
*Leonard N. Stern School of Business
*Robert F. Wagner Graduate School of Public Service
*School of Continuing and Professional Studies など
私は現在、School of Continuing and Professional Studies(以下SCPS)のノンクレジットのコース
を受講しています。
★グローバル・エデュケーションからのコメント
山本さんが参加中のSCPSのクラスは、参加者のほとんどがニューヨークで働く現地のビジネスパーソ
ンです。彼らとのちょっとした会話や彼らの価値観を肌で感じることが帰国後、大きく役立つことになりま
す。彼らと積極的に交流する姿勢を持つことで、成果は大きく違ってくるでしょう。教授陣も実際のビジネ
スの現場で活躍している方が多く、クラス内容は、リアルタイムのケースを使用することもSCPSならでは
です。
グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社
〒107-0062 東京都港区南青山4-13-16 トミタハウス201 Tel:03-3408-3825 Fax:03-3408-3852 URL: http://www.globaledu-j.com
ニューヨーク大学施設について
■図書館
Washington Squareの南にあるThe Elmer Holmes Bobst Libraryがメインの図書館です。ここは地下
も含め4階の建物となっており、多くの書籍やビデオやレコードなど、学業に必要な様々なリソースを閲
覧できます。た NYUは、Bobst Libraryの他にもNew York Cityにある多くの図書館と提携しており、
サービス連携を行ってます。
■学生会館
図書館の横にある新しい建物Kimmel Centerは、NYUの学生などに開放されている文化施設です。防
音設備の整ったホールなどがあり、授業での利用の他にも多くの文化系の学生サークルや学生団体の
中心的活動場所となっています。
■スポーツセンター
スポーツジムとしての基本的な設備は全て整っており、NYUの多くの学生がスポーツセンターを利用し
ています。また、ダンスやプールなど多くのプログラムを安価で提供しています。体育系の学生サークル
や学生団体の中心的活動場所となっています。
★グローバル・エデュケーションからのコメント
The Elmer Holmes Bobst Libraryは、ルーブル美術館のガラスピラミッドで有名なI.M.PEI氏設計。吹き
抜けの素敵なデザインですので、キャンパスライフを充実させるお気に入りの場所のひとつとなるでしょ
う。これらの施設を現地の人々とのネットワーク構築の場として有効活用してください。
IT状況
■NYUカード
大学寮を含む全ての大学関係の施設の入館には、NYUカードという写真付きIDカードが必要になりま
す。NYUでの総合的な個人認証用途として活用されているため、NYUカードの保持は必須となります。
逆に言うとNYUカードを持っていない人は全く相手にされず、問題解決するための設備への入館すらも
不可能なので、NYUカード入手が必要になります。
■図書館のシステム
Bobcatという名称のシステムで、図書館内の全てのマテリアルを検索することが可能となっています。タ
イトルや著者名やジャンルなどについて完全一致する必要は無く一部一致での検索も可能です。また、
書籍に関わらずレコードやビデオテープなども検索できます。
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生活について
■大学寮
Undergraduate向けに21の、Graduate向けに6つの合計して27の大学寮があります。電話やネット
ワークや食事などの設備状況は大学寮によって異なってくるのですが、手続き上の混乱を抑えるため
に事前の選択権は無いようです。
■学生主導によるサークルや団体
文科系・体育系問わず、NYUには数多くのサークルが存在します。映画・絵画・音楽・演劇などをテー
マとしたサークルが目立つのですが、これはNYUでエンターテイメント系を専攻している学生も多く、ま
たNew Yorkはエンターテイメントの街であることが理由となっていると思います。その他にも、各国ごと
のレベルでのコミュニティや、アジア地域・アフリカンアメリカン地域というレベルでのオフィスなど、様々
なレベルでのインターナショナル・コミュニティ・オフィスが存在します。比較的巨大な団体としてゲイや
レズビアンの団体があるのですが、NYUからもオフィシャルにサポートされて積極的で立派な活動を
行っていることを興味深く感じました。
★グローバル・エデュケーションからのコメント
グローバル・サーティフィケート参加者には、通常入るのにかなりの倍率である大学寮が確保されます。
マンハッタン内に住めるのは、生活する上で大変便利です。また、山本さんのようにアクティブにサーク
ル活動に参加することで、クラスメイト以外の人々との人脈形成もでき、留学生活から得るもの、感じる
ものは大きく異なってくるでしょう。
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2003年9月1日(月)
■基本空間の確認
アメリカは日本に比べると祝日の数は少ないようだが、今日はいきなり祝日の Labor Day である。観光地巡りで
もしようかと思っていたのだが、朝から雨が降っていたので遠出するのは諦めることにした。そういえば、カサを
持ってきていないや。でもまぁ軽い霧雨なので、外出ぐらいはしよう。
チャイナタウンやリトルイタリーという名称からも分かる通り、New York は多国籍の人種が混在しまくっている街
である。もちろん日本も例外ではない。日本で購入してきた情報冊子には、日本人系のショップがいくつか掲載さ
れていた。いざという時に頼れる場として使えると思うので、訪問してくることにした。
まずはミッドタウンにある三福という店に行ってきた。ここは小さい商店であり、日本の様々な物品が販売されてい
る。インスタントラーメンなどを購入する。店の入り口には掲示板が設置されており、ルームシェアの相手探しや不
必要物品の販売などが数多く掲示されていた。
引越しするため不必要な物品を販売する、という掲示は魅力的だった。しかし、ここで掲載されていたものは全て
、昨日までで日本に戻りますというものばかりだった。一日遅れだったようだ。魅力的だっただけに、非常に残念
である。
次に訪れたのは、サッポロというラーメン屋だ。日本のラーメン屋にあるようなメニューと定食メニューがある。店
員も客も日本人ばかりだし、全てが日本語で会話されているので、あたかも日本にいるかのような印象を受ける。
味も日本人向けだったので安心して食べられる。週に一度ぐらいは来たい店だな。
そのまま少し歩いて紀伊国屋にも行ってみた。日本の書籍や雑誌だけでなく CD なども販売されているので、日
本の情報の入手には不自由になることは無いな。ここもほとんどが日本人だった。異国の中にいると不安になり
がちだが、このような安心できる空間があるのは嬉しいことだ。
次に、NY 大学の近くにあるサンライズマートという店に行ってきた。ここの品揃えは凄いぞッ!!日本のモノはた
いてい何でも揃うといった感じだ。日本の TV 番組のビデオレンタルまでやっている。年齢層も 20 代ぐらいの人
ばかりで、日本のコンビニにいると勘違いするほど、日本の雰囲気が漂っている。
並べられていたフリーペーパーをいくつも入手する。ここで様々なイベント情報などを知った。日本語で New
York の最新情報が把握できるのは便利だな。
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2003年9月2日(火)
■必須アイテム
先週の金曜日にコースの登録を行ったので、そろそろオレの情報がシステムに登録されているハズだ。New York 大
学で生活するのに絶対に必要となる NYU カードを入手するために、カード発行センターに行ってくる。すると本日は
閉館とのことで別の場所を指定された。
雨の中を徒歩して指定された場所へ行く。申し込み用紙に記入してチェックしてもらう。ここでようやく、オレの情報が
NY 大学のシステムに登録されてあることが確認できた。写真を撮影してカードを作成してもらう。む。同じくかなり人
相の悪い写真となってしまった。パスポートや運転免許証もそうだが、顔写真付きの身分証明書は人相が悪く写ってし
まうのは何故なんだッ!?
ともかく NYU カードを入手したということで、学生である証明ができるようになった。これで NY 大学関係の様々な施
設に入れることが可能となったわけである。更に関係ショップで支払いができる等、カードには様々な機能を持ってい
るようだが、まずは身分証明目的としてだけで使用していこう。
2003年9月3日(水)
■刺激する街
ミッドタウンを歩いていると、いい場所に遭遇した。ロックフェラーセンターの近くに、楽器店が並んでいるのを発見したの
だ。歩いているだけで何かしら新しい発見があるのも、NY の特徴だろう。
久々にフルサイズのキーボードを触ることができたのは、ちょっと嬉しい出来事だったりする。NY にシンセサイザーを持
ってこようかどうか迷ったんだけど、かなり大きい荷物になるし騒音迷惑になることを考えて、結局持ってこなかったんだ
よね。
とはいえ、何も楽器を持ってこないわけにもいかないので、オモチャの超小型キーボードを持ってきていたりする。これ
は、2 オクターブ半のミニミニ鍵盤だ。どれぐらい小さいかというと、片手で 2 オクターブが届くぐらいである。ついでに言
うと同時発音数が 2 なので、メロディーを弾くだけしかできないんだよな。つまり、完全なオモチャなのだ。
楽器店でフルサイズの鍵盤を試し弾きしていると、メチャ欲しくなってしまった。つい衝動買いしそうになってしまったが、
高い買い物となることや、日本に持ち帰ると 8 台目のキーボードとなり部屋に設置場所が無かったことを思い出して、
購入するのは思いとどまった。しかし、ヤバイぐらいに物欲が沸いてきている状態だったりする。
■楽しんだものがち
NYU カードを入手したということで、NY 大学関係の様々な施設に足を運び情報収集している最中だ。Helen and
Martin Kimmel Center for University Life という建物は、学生達の集まりの場のようだ。パンフレットを見ると、様々な
オリエンテーションが 100 個ぐらい掲載されていた。
スケジュールをチェックしてみると、オリエンテーションのほとんどは先週での開催となっていた。参加機会を逸してしま
ったことが悔やまれる。もっと情報入手に励まなければいけないな。
残りわずかのオリエンテーションは積極的に参加して、NY 大学の雰囲気を把握していくことにしよう。19:30 から An
Evening of Student Performance というイベントが開催されるようだ。む。オレにとっては、ちょうど良い内容だな。
いくつかの学生サークルがホールでアカペラやダンスを披露するという内容だ。ボイスパーカッション付きのアカペラは
日本での特殊なブームだけかと思っていたけど、NY でも定着しているんだな。さすがエンターテイメントの街だけあっ
て、レベルは高いと思う。
ここで驚いたのは、見ている人たちの反応だ。コメディ系の海外ドラマでよくある、ちょっとした一言や行動で大爆笑す
るというシーン、そのまんまなんだよね。このノリの良さは日本では見られないと思う。オリエンテーションは新入学生
向けのイベントだから、参加者は 18 歳ぐらいだということも影響しているのかもしれないけどね。
23:00 ぐらいまで合計で 6 つのサークルが披露したのだが、かなり楽しいイベントだったと思う。NY 大学には 30 ぐら
いの音楽サークルがあるようだ。楽器演奏系のサークルがあったら参加してみたい気もするな。
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2003年9月4日(木)
■基地の確保
図書館のインフォメーションセンターへ問い合わせた時に、図書館内の簡単なツアーを用意しているという情報を
得たので、参加することにした。2 週間ぐらいに渡って何度も開催しているようで、説明員の案内はこなれていた。
オレが参加した回は、合計で 20 名ぐらいが参加した。
既に図書館内は勝手に色々とウロついていたので、どのフロアがどうなっているかは、だいたい把握していた。従
って、特に新しい情報に接しられたわけではなかったのだが、公式な説明を受けた後だと安心して利用できる。良
いのかどうか不安に感じながら施設を利用するのは疲れるからね。気持ちの問題は重要なのだ。
この図書館は地下も含めると 14 階になっていて、かなり多くの蔵書がある。これだけ多いと図書を検索するのが
大変だが、専用の検索システムを用意しているようだ。CD やビデオなどもあるので、暇つぶしとしても利用できる
かもしれないな。
本格的にコースが始まると、レポート作成などで図書館を利用する時間が多くなると思う。自分の空間の一つとし
て扱うようにしていこう。
2003年9月5日(金)
■最初の挨拶
午前中は受講するクラスの1つ Global Forumの顔合わせが行われた。Global Forumは、月に1〜2度イベント
や文化を学ぶ目的で開催される。
まずはマンハッタンの説明があり色々なイベントが開催されている場所なので楽しんでください、という話があった
。その後に、それぞれの自己紹介をしてオリエンテーションは終わった。その後は天気も良かったので、
ALI(American Language Institute) の近くを散歩することになった。一緒となるメンバーなのだから、仲良くしまし
ょうねという目的だったのかな。
今週はずっと雨だったんだよね。常に暗くて湿気が高くてジメジメして常にカサが必要で、という状況だったので、
憂鬱になりがちだったのだ。今日はホント久々の快晴で、歩くだけでもかなり気持ちが良い。歩いている学生達も
明るい笑顔となっている。こういう前向きな雰囲気は良いね。
■状態に合わせて
午後からは、NY 大学にある ALI でのプレイスメントテストが行われた。これは Global Certificate のメンバーだ
けでなく、ALI のための一般的なテストとなっていて、様々な国籍の人が受験していた。もちろん日本人も多い。
テストは 4 つのコースに分かれているという説明があった。文法とリスニングとエッセイ書きとインタビューという 4
つだ。最初の 3 つは受験会場でガリガリとテストをこなしていく。テストなんて久しぶりで、妙な懐かしさがある。
レベル分けの結果、オレは Academic Reading and Writing Workshop というコースと Workshop in Oral
Communication というコースを受講することとなった。簡単な内容説明を受けたが、実際に数回受講してから判
断することにしよう。
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2003年9月6日(土)
■基盤を求めて
生活に必要なモノは、必要となるたびに適当な店に行き購入して揃えていっている。だいぶ揃ってきてそ
れなりに快適に生活できるようにはなってきたが、まだまだ臨時生活の雰囲気が色濃く残っている。
ということで生活臭を出すために、生活物品を一気に買い揃えようかという気になった。New York では週
末になると、様々な場所でフリーマーケットが行われているようである。とりあえず最大の Annex を訪れる
ことにした。
中古の安売りという内容ではない。訪れる人たちは、アンティークとしての価値を感じているようだ。アメリ
カは歴史が少ないから、古いモノを求めたがるのかもしれないな。
生活に必要なものというよりは、奇妙な装飾品が多いと思う。1 年以上住むのであればデコレーションとし
て色々と買いたくなったかもしれないが、3 ヶ月程度の部屋に置くにはガラクタ的要素が強すぎるようだ。
変なものが多いので、お土産を買う時期にもう一度訪れるとしよう。
■文化の維持
New York は様々な人種が混在していて、いったいどこの国にいるのかが分からない空間である。基本的に
英語で会話されてはいるが、他の言語での会話も非常に多いのだ。住んでいる人が多くの人種で構成され
ているだけでなく、様々な国から観光客が来ているのも原因だろう。もちろん日本人も多数いるので、日本語
での会話もあちこちで聞くことができる。
そういう状況から離れるために、まずはハーレムに足を運んでみた。夜は危険地域と聞いているが、週末の
昼間は人通りも多いし、地下鉄の駅周辺でなら安全だと判断したのだ。メインとなっている通りは安全だが、
確かに一本横に入るだけでガラっと雰囲気が悪くなる。確かに夜は歩きたくないな。
この地域に歩いている人は 95% ぐらいが黒人だった。しかも結構パワフルな人が多く、特に子供達の元気
の良さは群を抜いていた。子供達が大声で叫びながら遊んでいるのを見るだけでも、元気になってくる。独特
の活気があり、エネルギッシュな雰囲気が味わえる。
ハーレムはシンプルで分かりやすい空間だ。ここにきて、ようやく外国に来たという認識を得ることができた。
マンハッタンのミッドタウンの辺りは、外国にいるというより人種博物館にいるかのような感じなんだよね。
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2003年9月7日(日)
■出会いサイト
昼からはユニオンスクエアに行ってきた。NY 大学の様々なコミュニティで、いくつもの Welcome Back to School
イベントが開催されていたようだが、今日も開催されるようなので足を運んでみたのだ。
今日は天気が良くて本当に気持ちよかった。マンハッタンは人通りの多いゴミゴミした街なのだが、それと同時にユ
ニオンスクエアみたいな公園が至る所に点在している。街自体に、疲労を癒す空間が用意されているということだ。
いくつかの出店とステージがあり、長時間の日光浴を楽しめた。ステージでは 3 アーティストが出演した。最初はギ
ター片手のフォークソングで、次は軽いパンクよりなロックだ。つい、18 歳ぐらいの学生達と一緒に頭を振って盛り
上がってしまった。
最後に出演したのは、ギターレスのロックバンドで、ピアノ演奏者がメチャカッコよかった。Jazz と Funk と Rock を
ミックスしたようなスタイルの音楽なんだよね。あまりにも気に入ってしまったので、演奏後につい彼らのCDを購入
してしまった。
New York のいいところはいくつもあるが、このように新しい音楽に出会えることも魅力の一つだ。それが、TV やラ
ジオからではなく、ライブを見ることでの出会いというのが素敵だよね。商業的ではない、音楽の自然な姿だと思う
。
■深夜の集合
夜になり散歩したくなったので、マンハッタン最南端のバッテリーパークに行ってきた。南の方はビジネス街というこ
ともあって、たとえ夜中になっても地下鉄も公園も安全だ。ハドソン川越しの夜景などを気持ちよく楽しめる。
夜中にバッテリーパークへ行った理由は、フリーペーパーで無料のイベント案内を見たからなんだよね。Evening
Stars Music & Dance Festival 2003 というイベントだ。New York は至る所で様々なイベントを開催しているので
、いくら時間があっても遊びきれない場所だと思う。
今晩は 3 つのアーティストが出演していた。一つ目はヒップホップのダンスグループだ。日本で日本人が踊ってい
るダンスはどうも好きになれないが、本場のラップやダンスは近くで見るとかなりカッコ良い。体格の違いも影響して
いるのかな。
二つ目は、語りだ。表情豊かに原稿を読んでいくのだが、起伏に富んだ速度変化や音量変化は、あたかも音楽無
しのラップといったような雰囲気を醸し出していた。高速な喋りだったので何を言っているかはほとんど聞き取れな
かったのが残念だな。
最後のアーティストは本当に凄かった。DJ ブースから怪しげで静かな BGM が奏でられ、様々なエフェクタをかまし
たバイオリンで彩るというのが音楽面である。静寂を基本とした背景音楽も魅力的だったが、観客の度肝を抜いた
のは圧倒的なまでの迫力を持ったダンスパフォーマンスだった。
おそらくクラシックバレエを元としているのだろうが、かなり前衛的で少しエロティックなダンスを男女が繰り広げるん
だよね。静寂の中を華麗でエキセントリックで意味不明な舞いが延々と展開されるのを見るのは、奇妙な体験だっ
た。
こんな一般受けしなそうなパフォーマンスが、野外の公園での無料イベントで行われているというのが凄いな。価値
観の多様性を認めているからだろう。夜中の森の中ということも独特の雰囲気を高めていたので、オレ的には大満
足だった。
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2003年9月8日(月)
■体を温めるために
今日から ALI での授業が開始された。月曜日の午前で Academic Reading and Writing Workshop というコー
スだ。全体で 11 名の受講者だ。
今日は、自己紹介とコース紹介で終わった。さすが NYU だけあって、取得している本コースもアート系の学生が
多かった。映画監督や作曲家や音楽教師などのエンターテイメント系を目指している人の話しを聞くのは楽しい。
英語の読み書きを中心として、大学の授業にどのように参加するかを学べるようだ。ここで得られるスキルは、
SCPS(School of Continuing and Professional Studies)が開始された時に役立つだろうな。いきなり指名された
りするので、教室内は心地よい緊張感が漂っているのも良い。
ただ、難易度がオレに合っているかはまだ自信が持てない。簡単すぎると思うことも何度かあるし、分からなくなる
瞬間も何度かあったことは事実なんだよね。ちょっと調整してみようかな。
■同じ趣味同士で
ランチのために大学周辺を歩いていると、Kimmel Center と図書館の間の通りに人だかりができていた。何だろうと
思って近寄ってみて分かったのだが、それは NYU の文系サークルの勧誘会だった。
各サークルがブースを設置して、積極的に部員勧誘活動に励んでいる。ここで勧誘しているだけでも 50 ぐらいのサ
ークルがある。勧誘していないサークルは、その 3 倍程度は存在するだろうし、体育系サークルも含めると、おそらく
200 ぐらいのサークルが存在するんだろうな。
どんなサークルがあるのか軽く見学してみた。ほとんどはどこの大学にもあるような文系サークルばかりだが、New
York ということでの特色が出ているサークルも多数あった。それは、様々な国ごとのコミュニティサークルだ。ここで
多国籍多人種の街ということを再認識した。
語学力向上のためにも人と会話する時間は可能な限り持ちたいと思っている。しかし 1 日に 2, 3 時間程度の授業
を受講するだけでは圧倒的に足りない。ということもあり、いくつかのサークルにサインナップしてみることにした。ど
れだけ時間が取れるのかは不明だが、若い学生達と活動するのは楽しいと思うしさ。
ちなみに連絡先記入してきたサークルは、Songwriters and Perfomers Society という音楽サークルと、NYU's
Japan というイベントサークルだ。ある程度の共通項がある方が楽しめると思ったのだが、それらを選択した理由だ
。
■ちょっと背伸びを
レベルの確認という理由で、同じ読み書き系に対してもう一つ上のコースに仮参加してみる許可を得た。夕方に開催さ
れる Workshop in College English という名称だ。こちらは 16 名が参加していて、1 名以外がアジア系の学生だった。
アジアの人は勉強熱心なのかな。
このコースは読み書きだけに集中しているようだ。論文執筆のスキルが身に付くようだが、別にオレは論文執筆のス
キルなんて身に付けたくないんだよな。どうせ時間とエネルギーを使うなら、論文という狭い世界ではなく幅広いスキ
ルを身に付けたいと思っている。
しかも扱う材料や宿題で分からない単語が多すぎるんだよね。辞書を引く時間ばかりとなりそうだ。このコースだけを
取得するのなら授業のレベルは合っていると思うが、SCPS の授業も開始されると付いていけなくなりそうだ。そう判
断し、このレベルは諦めることにして、午前のコースに戻ることにした。
とはいえ、授業自体の雰囲気や参加している学生達は魅力的だったんだよね。特に、可愛くて美人の女性ばかりだっ
たのは少し残念なところでもある。全体的に言って、NYU の女子学生は美人が多いと思う。
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2003年9月9日(火)
■会話だから
今日の午後からは、Workshop in Oral Communication and Comprehension のクラスだ。本当は 3 クラスに分かれて行
う予定らしいが、今日は先生がいないということで多人数の 2 クラスで開催された。ということで今日のクラスメイトはあくま
でも臨時ということになる。
しかし臨時開催ということもあり、コースの本番は次回からということで、今日は自己紹介だけとなった。自分の自己紹介は
嫌いだが、人の自己紹介を聞くのは好きなので、結構楽しめたんだけどさ。
このコース、受講者の多くがアジア系であった。顔などはほとんど日本人と同じなんだよな。全員が日本人と言っても不思
議でないぐらい、外見は似ていると思う。街に出て様々な人種を見ているので、感覚が麻痺してきているのかもしれないな
。
ペラペラ流暢に喋る人もいれば、オレのようにたどたどしく喋る人もいる。ただ、流暢に喋る人の文をよく聞いて考えてみる
と、メチャメチャな文法だったりするんだよな。それでもスムーズでカッコよくコミュニケーションできていると思う。正確さを意
識することも重要だが、おそらく会話のノリも重要なんだろうな。
2003年9月10日(水)
■モチベーション維持のために
月曜日と水曜日の午前は、Academic Reading and Writing Workshop というコースを受講している。生徒の入れ替わり
などが激しく、クラスメイトとして落ち着くまではもう少し時間がかかるようだ。可愛い女性が参加してきたので喜んでいたの
だが、講義終了後に次回からはもう一つ下のレベルに行くと言っていた。残念である。
ちょっとしたグループワークの中で、興味深い出来事に遭遇した。4 人ずつ程度に分かれて、いくつかのテーマを決められ
た時間でディスカッションするというものなんだけどさ。人それぞれの特徴が出て面白かったんだよね。
オレは、時間が決められている場合には、テーマごとの時間配分を意識したりなどして、やらなくてはいけないことをトータ
ルでこなそうとするのだが、時間を無視して今のテーマに集中したがる人もいるんだよね。
悔しいのは、コイツの語学力が圧倒的に優れていたことだ。そのため、グループの雰囲気が次の話題に移るべきだとなっ
ているにも関わらず独り善がりな意見を言い続け、最初の話題のみが展開されてしまうということになってしまった。
本当は 4 つのことをディスカッションしなくてはいけなかったのだが、結局 1 つ目のテーマで結論が出ないままで終了とい
うオチになったんだよね。今の状況を続けていてはいけないということを分かっていながら、語学力の弱さでリーダーシップ
を取れなかったのが非常に悔しい。
今のところ学校で英語の授業を受けているわけだが、このこと自体で語学力が飛躍的にアップするのではなく、ストレスを
軽減させるために語学力を向上させなくてはいけない、という意識が植え付けられるところに価値があるのかもしれない。
■聞く耳を持った人
明日から本番が開催される Workshop in Oral Communication and Comprehension は、3 クラスに分かれて行われると
いうことだが、誰が講師になるのかということが非常に気になっている。オレの希望は、Angelo という男の先生から教えても
らうことだ。
Angelo の授業は聞いたことがないが、彼は中上級者コースのコーディネイターなので、何度か会話をしているんだよね。今
は多忙な時期のせいか ALI のスタッフは全体的に忙しそうな感じなのだが、Angelo は非常に親切な対応をしてくれている
。
親切にしてくれる人や情報提供してくれる人に対しては、好感を持ってしまうのが自然だろう。Oral の Workshop 講師に
Angelo が含まれていると知ったので、彼のところに直接行ってきて、あなたから学びたいんですと言ってきた。
さすが彼はコースのコーディネイターだけあって、分かったと即断してくれた。柔軟な対応をスピーディーに行ってくれるという
ことで、更に Angelo を好きになってしまった。ALI で長年受講している他の様々な生徒とも色々な雑談をしているんだけど、
Angelo の人気は非常に高いんだよね。ALI の中でこういう人の価値は高いと思う。
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2003年9月11日(木)
■敵対の記憶
夜になってから気づいたのだが、今日は 9/11 だった。大学寮から ワールドトレードセンターの跡地まで徒歩 5 分 ぐらいな
ので、ちょっと足を運んでみた。今日は様々なイベントが NY 各地で開催されたようだが、チェックし忘れてしまった。
グランドゼロはもちろん観光地というわけではないので、何か面白いものがあると思って行ってはいけない。有名な場所にな
ってしまっているが、現在は 単なる立ち入り禁止の工事現場 だ。その周囲には訪問者の寄せ書きなどが飾られている。
さすがに時間が経過しているということもあり、工事現場には生々しい雰囲気は無い。何故テロなんて起こるんだろうなどと
考えながら跡地をグルっと 1 周してきた。
2003年9月12日(金)
■ カロリー計算は禁止で
リトルイタリー最大の祭りである、 San Gennaro Festival に行ってきた 。寮の掲示板に一緒に行きましょうという案内
があったので、ご一緒させてもらうことにしたんだよね。
リトルイタリーまでは徒歩で 15 分ぐらいで、雑談しながらの散歩は良い英語のヒアリングの練習になったと思う。オレとし
てはもうちょっと 寮生同士でのコミュニケーションを持ちたい ところだ。
ストリートを埋め尽くすほどの出店があり、多くの人々が集まり活気に満ちていた。ほとんどの店はイタリア料理の屋台と
いった感じだ。 Snake Child is still ALIVE と書かれていた見世物小屋に興味を持ったのだが、同行者達は行きたくな
いと言ってたので入場は諦める。
一番面白かったのは、CANOLI の EATING CONTEST だ。様々な挑戦者が 怪物のようになりお菓子を喰らいつく 姿を
見て応援するんだけど、司会者の興奮トークも手伝いかなり会場は盛り上がった。イタリア人の陽気さには好感が持てる
。
オレは CANOLI を食べたことなかったので、コンテスト後にスタッフから一つもらって食べてみた。うわッ!これ、メッチャ
甘いお菓子じゃん。単に食した量だけで驚いていたのは間違いで、実は 甘さを堪えていたことにも驚くべき だったようだ
。こんな甘いものを連続で口に運びまくっていたのが信じられない。一つで十分だよな。
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2003年9月13日(土)
■ 誇るべき遺産
先週ハーレムに行った時に見つけた教会に行ってきた。ゴスペルのワークショップをやっているというので、参加したいと
思ったわけだ。2 時間のワークショップにも関わらず、初回が $20 で次回以降は $15 と破格なのも魅力だ。教会ということ
なので、 おそらく寄付の一環 なんだろうな。
オレはクリスチャンではないので信仰心は全く無いのだが、文化を知るという意味において、NY の至るところにある教会
にも興味はある。特に 黒人地域の教会は面白そう だと判断している。異文化に接することが今回の留学の目的でもある
ので、ハーレムにも通うべきだろう。
奴隷制度や反黒人感情や人種暴動などで迫害されてきた歴史を持つ黒人の血が、独特のエネルギーを生み出していると
思うのだ。NY は色々なところで様々なエネルギーが渦巻いているのだが、 ハーレムの黒人文化のエネルギーは強烈 だ
。さすがに夜中は歩きたくないけどね。
実は日本にいるときも含めて教会に足を運ぶのは初めてなので、教会の習慣などが全く分からないんだよな。ワークショッ
プが始まる前に、牧師の人がいきなりお祈りをしましょうと言ってきたかと思うと、全員が手をつなぎだして輪になって目を
つぶり出したんだよね。オレも見よう見真似で同じことをやって、お祈りの最後にはアーメンとか言ったりした。 お祈りの言
葉が意味不明だったのは秘密 だ。
ワークショップの最後に全員で拍手したので解散かと思っていたが、今度は全員とハグしあうといういうことが行われた。こ
の行為も何か特別な単語が使われていたようだが、オレには聞き取れなかった。オレは基本的にはテレ屋さんなので、 女
性とハグすることには抵抗感がある んだけど、諦めて従うことにした。
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2003年9月14日(日)
■ 幅を広げるために
昨日はハーレムで魂のこもった音楽に接する機会を得たわけだが、どうせ NY にいるのであれば 異なる価値観
に基づいている西洋音楽 にも接してみたいと思う。白人のピアニストが 1 セメスターでワークショップを開催する
という情報を見つけたので、様子見として行ってきた。
やっぱり黒人文化と白人文化には大きな開きがあるようだ。 何を持って美しいと感じるか が違うようなので、声の
出し方なども全く異なるのだ。ざっくり言うと、黒人の音楽ではパワフルにかつ感情的に歌うのが良くて、白人の音
楽では繊細に感情を殺して歌うのが綺麗なように感じた。
役立つ内容が多かったし、2 時間のワークショップという時間も丁度良いし、英会話の練習にもなるので通うこと
にした。先生も凄い人らしいし。オノヨーコとレコーディングしたことがあるとか言っていたんだよね。 本当かどうか
は分からない けどさ。
2003年9月15日(月)
■ 離陸することで
Academic Reading and Writing Workshop のコースは今日で 3 回目だが、また新しい人が参加してきた。クラ
スメンバー調整が可能なようだ。
参加メンバー不確定とはいえ、立ち上がり時期のウォーミングアップも終わってきて、 授業は次第にスピードアッ
プ してきている。講師の Barbara は良い感じに厳しい人で、適度な緊張感があるんだよね。この雰囲気になじめ
ずにいる人もいるようだけど、オレは好きだ。
宿題の量も増えてきている。もっとも増えてきたとはいっても今のところ大きな負担にはなっていない。学習をする
上では適切な量だと思う。ただ生徒によっては、メジャーの宿題対応のせいで ALI の宿題対応が出来ていない
人 もいた。オレも SCPS の授業が開始された後の状況については、少しばかり不安に感じている。
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2003年9月16日(火)
■ 機会を生かすために
今のところALI のクラスを受講しているわけだが、これだけでは 英語に接する時間が圧倒的に足りない と感じ
ている。そのため、会話の機会を増やそうという努力をしていたりする。様々な団体へ顔を出しているのは、その
一環だ。
ALI の中にあるペーパーにボランティア活動の案内があったので、参加することにした。これは、 時間的余裕の
ある老人と会話 をしましょう、というものだ。NY 在住の人と会話できる良い機会だと思う。セメスターで $20 とい
う低料金設定も気に入った。
とある部屋に 15 人ぐらいの老人がいた。部屋に入るなり、いきなりあなたはこの人と会話してくださいという感じ
でパートナーが紹介された。その後は 1 時間程度をパートナーと会話 を続けて、終了という流れだ。
ちなみにオレのパートナーになった人は軽い痴呆症が入っているのかもしれなく、 同じことを何度も繰り返し聞
いてきた りした。終了後に他の参加者達に感想を聞いてみたが、素晴らしい人と出会えた場合もあったようだ。
人によって様々なのは仕方ないことだろう。とりあえず、英語に接する時間を増やすためにも通うことにしよう。
■ こちらをメインにしたいが
サインナップした音楽クラブの Songwriters and Performars' Society から、このセメスターの 1 回目のミー
ティングを開催するという案内メールが来ていた。本日がそのミーティングの日なので、参加してきた。
場所は Kimmel Center の一室だ。この Kimmel Center は学生主導の様々な団体に開放されている空間で、
文科系のサークルの多くがここを利用しているようだ。防音が整っていたりホールがあったりと、 素晴らしい設備
が整っている と思う。
ちなみに、体育系のサークルとしてスポーツジムも用意されており、その他色々な参加プログラムが低料金であ
るようだが、体育系は見ないことに決めている。ダンスやバスケットには興味があるのだが、 時間やエネルギー
的に参加は無理 だろうと判断しているのだ。
一回目のミーティングということもあり、40 名程度が参加していた。簡単な自己紹介をしあって、雑談して終了し
た。活動の内容は、各自が毎回一曲ほど作ってきて、 その曲に対して批評をしあう というものらしい。面白そう
だが、参加を持続できるかどうかは大きな疑問だ。
というのも、おそらく作曲に充てる時間は多く取れないだろうし、楽器やシーケンサーを持ってきていないので曲
としての完成が見込めない。オレは頭の中だけで多パートを作曲できるほど音感は良くないのだ。それに第一、
週に一度の活動時間が SCPS の時間と重なっている しね。
ちなみに参加者は、夢を見ている NYU の新入生がほとんどで、しかもネイティブの人ばかりだった。ここでは
英語も流暢でかなり高速な会話が展開 されていたのも特徴になっている。会話の内容がつかめないことも多か
ったが、明るい雰囲気なので良い刺激になった。
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2003年9月17日(水)
■ 活動を通して交流
ALI でこのセメスターの Film Club が開始されるというので、参加してきた。毎週映画を見てコメントを言い合うとい
う活動内容だ。場所は ALI から提供してもらえるが、クラブなので 活動は生徒同士で自主的に行う 必要がある。
今日は 30 名ぐらいの生徒が参加してきた。おそらく初日ということでの様子見も多かったんだろうな。とりあえず活
動提示や組織運営をしていく必要があるなと感じてしまったので、つい勢いで 運営スタッフになってしまった 。クラ
ブ活動のような団体をオーガナイズすることは日本でもよくやっていたので、その経験が生かせるな。
今日は、クラブとしてどんなジャンルの映画を見ていくかが議論された。オレとしては SF が見たかったのだが、多
数決によりラブコメに決定された。イマイチ 恋愛モノは見たい気分ではない のだが、民主的に決めたことなので仕
方が無い。
参加予定メンバーのメールアドレスを集めたので、情報交換用にメーリングリストを作成しなくてはいけないな。後
は、次回以降の映画作品についてリサーチして、上映前に情報提供をしていくとするか。 せっかくなので盛り上げ
ていきたい ところだ。
2003年9月18日(木)
■ 目的不明な行為から
ALI の中では 20 人ぐらいの友人ができているので、各コースについて色々と情報収集してみた。同じコースでも、
講師によって使っているテキストから内容に至るまで全く異なるようだ。火曜日と木曜日に行われる Workshop in
Oral Communication and Comprehension でのオレの講師は Angelo だ。この人は、 かなり風変わりな題材を使
用 していると思う。
前回から今回までの宿題は、 20 分間に渡って自分のファーストネームを大声で連呼 するというものだ。メチャメチ
ャ恥ずかしい行為だよな。とはいえ宿題であるので、ルームメイトが外出したタイミングで試みてみることにした。
オレが現在利用している寮は新しい建物ではあるが、隣の音が漏れて聞こえてくることから、壁の防音設備は特に
整っていないと判断している。おそらくこの宿題の実施により、近所の住人からは かなりクレイジーなヤツだと思わ
れた だろう。
5 分程度した後にルームメイトが突然帰ってきてしまったので、さすがに宿題の継続は諦めることにした。ちなみに
、仮に 20 分間実施するとどうなるかというと、 自分が二人になったかのような感覚 になれる、らしい。自分が自分
を呼んでいるにも関わらず、自分が他の誰かを呼んでいるような気になり、誰かから自分の名前が呼ばれているよ
うな気になってくるのだそうだ。
どうやら、哲学的な体験をすることは Angelo の趣味らしい。確かに興味深い体験であるとは思うが、オレとしては
他に時間やエネルギーを注ぎたいことが多数あるんだよな。ALI 講師の中で人気が最も高いということで Angelo
のクラスに設定してもらうように懇願したわけだが、理由が 優しくて面白い人だということだけ だったら嫌だな。
まぁでも、普段体験することの無いことをするわけだから、色々と感じることはある。従って、クラス中での ディスカッ
ションは盛り上がってくる のは事実だ。このディスカッションから、得るものが大きいのかもしれない。
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2003年9月19日(金)
■ ルーチンワークの設定
先週の日曜日に行った Dr. M.D. Holmes のレッスンは金曜日にも開催しているようなので、通うのは金曜日に設定し
た。日曜日の時間は突発対応などの別枠のために残しておきたいので、 定常発生タスクはできるだけウィークディに
収めようと思っている。
基本的には音楽レッスンだが、ネイティブの人から発声方法を学ぶことで、 英語の発音が良くなるという効果 も得られ
るかもしれない。どちらかと言えば、オレはこちらの目的を狙っている。
NY では声を出す場所がなかなか見つからないだけに、 大声を出せるだけでも気持ちがいい 。この内容で、1 回のレ
ッスン料が $15 というのは破格の値段だ。
■ 地に足がついていない
ALI と SCPS の合同アクティビティとして、デリでのディナーが行われた。デリということでサンドウィッチがメインとなる
わけだが、こちらのサンドウィッチはメチャ巨大だったりする。 どうやって食べるのだろうかと悩む ぐらいだ。一食分の
食費が浮いたのも嬉しいな。
ここでもアジア系の様々な人と知り合うことができた。アジア系の中でも、日本や韓国や台湾が最も多い。今日は
SCPS との合同ということもあり、ヨーロッパ系も多く来ていた。ALI に来ている人たちのほとんどの目的は、次やその
次のセメスターから NYU で学ぶために、英語での 大学授業の受講方法を学んでいる というものだ。
アジア系の人たちとの会話で気づいたことがある。彼らは 日本のことに対して詳しい のだ。日本にはどんな TV 番組
があってどんなアーティストがいて何が流行しているのかということを、日本人と会話しているのかと錯覚させてくれる
ぐらいにまで熟知しているのだ。
それに対して日本人はどうだろう。今の日本では韓国ブームということもあり、特に若い女性の間では韓国の様々な
文化が導入されてきているし、韓国のエンターテイメント系の最新情報は TV や雑誌などで毎日毎晩流れている。だ
が、その他の アジアの国々の最先端な文化は知らない と思うんだよな。例えば今、台湾で何が流行しているのかと
いうことを知っている人は少ないと思う。
このような自分達の文化を把握していない状況は、かなり恥ずかしいことだと思う。まだ日本には、アメリカにだけ目が
向いている人が多いのかもしれないな。同じアジア人同士として、 もっとアジアを注目すべき だろう。
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2003年9月20日(土)
■ 捉え方を変えることで
先日から超巨大ハリケーンのイザベルが接近中という連絡が来ていた。街の雰囲気は軽い騒ぎの状況だったので、
何かしらのイベントに遭遇できるのではないか と期待していた。普通の生活ではなかなか味わうことのできない状
況を体験したいと思っているのだ。
しかし NY では特に大きな被害もなく消滅してしまっていた。あっけない。単なる自然現象であるにも関わらず、 皆
で力を合わせて祈ったから消滅した のだ、とか言っている人たちも多いのが興味深かったな。こういった、ポジティ
ブな思考方法は好きだな。
■ 人種のるつぼ
NY は様々な人種の人が集まってきているせいか、 アメリカ人の割合が他の都市に比べて少ない と思う。ミッドタウン
に限らず全面的に観光客が多いし、様々な地域で国籍ごとのコミュニティが形成されているので、アメリカであるにも関
わらず英語の会話を聞くことは多くない。
チャイナタウンやコリアンタウンが色々な場所にあるのはもちろんだが、イタリアやインドやアイルランドやスペインやロ
シアやドイツなどで、 それぞれの文化が維持された地域 が作られている。もちろん日本人街もいくつかあるので、会話
言語が日本語だけだったとしても、特に不自由に感じることはなく生活することが可能だ。
オレは NY に長期にいる人たちとも雑談することはあり、ここからも生の情報を得ている。ここ数年は、NY のアジア化
が著しく進んでいることを多くの人たちが言っていた。特に 中国のパワーが大きい ようだ。NY のチャイナタウン全米
No.1 の規模らしいし、イタリア地区であるリトルイタリーにも中国系のショップが多数進出してきていることからも、それ
は理解できる。
NY を歩いている人たちの顔付きや服装は様々であるし、会話をしてもどこどこの国から来ていますという人たちばかり
である。
マンハッタンだけではなく、 郊外に出ても大きく状況が変わることはない しね。つまり、あの辺りは中国系の店が集まっ
ていて、この辺りは韓国系の店が多い。そしてあっちはアイリッシュ系の店が集まっているし、こっちは日本人が密集し
ている、といった感じだ。
アメリカ人が良く言うこととして、 NY はアメリカではない ということがあるが、これは本当だと思う。他の地域の歴史の
薄いアメリカ文化に接していてもビジネスパーソンとして大きな意味があるか疑問だ。質でも量でもより規模が大きく、ま
さにグローバルで様々な国の文化の混在に接することができるのが、NY の魅力だろう。
■ 生活を楽しんでいる人たち
マンハッタンで、多くのアメリカ人に接することができる場所がある。それはハーレムだ。ここだけは、9 割以上が黒人で
形成されている。街全体が汚いことからも、 貧困層の地域 であることが伝わってくる。
現地文化に接して価値観を広げること が留学の目的なので、毎週土曜日はハーレムの教会に通ってゴスペルのワー
クショップに参加することに決めたわけだが、それなりの刺激を得ている。礼拝に来た老人などから突然、汚い英語で
話し掛けられたりするしね。
日本で出版されている多くのガイドブックには、ハーレムは危険地域なので立ち入らないことと掲載されているが、そん
なことは無いと思う。もちろん、いかにもドラッグをやっているなという危険な顔つきをした人も歩いているし、ここはヤバ
イなという雰囲気の通りも多い。単にそういった通りに足を運ばなければいいだけなんだよね。 十分に安全に生活する
ことは可能 だろう。
ハーレムからは黒人文化の魅力を味わえる。ミッドタウンの辺りは新宿の雰囲気に近いが、人々のエネルギーという観
点で ハーレムは大阪の雰囲気が漂っている と思う。どちらが良いという比較ではなく、文化の違いとして捉えることが
重要だよな。
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2003年9月21日(日)
■これからがメインと言われる理由
特に食費の面で、どうも金のかかる生活をしている気がする。日本と比較すると、NY の物価はそれなりに高めだしね。
日本にいるときと同じような感覚で生活していては、生活資金がすぐに尽きてしまうだろう。
今は完全に外食生活を送っているわけだが、美味しいだけではなく安い店も見つけるべきだな。ということで、マンハッ
タンのチャイナタウンを探検することにした。ここは何度か軽く通り過ぎたことはあるが、実際に何かを買い物したこと
はまだ無い。
マクドナルドでさえ漢字で書かれているのに驚く。聞こえてくる会話も中国語が多い。英語などの中国語以外を話す人
たちは、いかにも観光客といった感じだ。完全に立場を逆転させる中国パワーは驚異的だな。
NY 在住 3 年の連れが紹介してくれた店で食事をする。やはり本場の中華は美味いな。しかも安い。大学寮からチャ
イナタウンまでは徒歩 15 分ぐらいということもあるので、時々このエリアを利用することにしよう。
帰りがけにリトルイタリーも通りががった。夜の San Gennaro Festival は物凄い人だかりとなっていて、身動きが取
れないほどだった。今は祭りということで多くの出店があり人も多く活気があるので信じられないが、リトルイタリーはチ
ャイナタウンに押されて縮小していっているらしい。中国パワー恐るべし。
■表もあれば
いくら安全になったとはいえ、夜の地下鉄に一人にはさせたくないので家まで送ることにした。Queens へ行くのは久
しぶりだな。静かな郊外といった雰囲気が漂っていて、マンハッタンと異なり Queens は普通のアメリカに少し近いと
思う。とはいえ、Queens にもチャイナタウンやアイリッシュ街やコリアンタウンなどがあるようだが。
アイリッシュバーで軽く飲んでいくことにした。ここで日本人が NY で長期生活するための様々な情報を得る。例えば
、Queens の Astoria エリアは日本人駐留者が家族で多数住んでおり、日本と見間違うかのような空間になっている
、などだ。せっかく NY に来ているにも関わらず日本を味わっても仕方がないので行く気はないが、帰国前に一度ぐ
らいは訪れてみようと思う。
気になる情報もあった。オレのように企業派遣の研修で NY に短期滞在する人も多いようだが、落ち込む人も少なく
ないそうだ。NY はエネルギーに満ちている空間ではあるが、逆に言うと気の抜けない空間ということも言えると思う
。精神的に不安定になってしまうというのは理解できなくもないが、そこから抜ける経験をするかしないかで、留学そ
のものの価値が違ってくるような気がする。
話しも盛り上がったということもあり、それなりに遅い時刻になってしまった。NY の地下鉄が 24 時間運転しているの
はこういう時に非常に便利である。夜中になると確かに目つきの悪い黒人も増えてくるので、か弱い女性一人という
のは危険な気がするが、男だと余裕である。危険であると意識しすぎてビクビクしていると逆に目立つわけで、当たり
前のようにしていると夜中の地下鉄も安全なのだ。
2003年9月22日(月)
■刻々と変わる値
US ドル円レートが凄いことになっているようだ。111 円台に突入したと書いてある。変動幅が極端に大きいだけに、
オレのアメリカでの生活にとっても影響が大きい。マンハッタンの物価は高いことに変わりが無いが、以前と比較する
と少しだけ得をしたような気分になれる。
しかし、オレはリスク分散のために日本でかなり高額のドル貯蓄もしていたので、この円高は残念である。ドルによる
貯蓄をしたタイミングは、日本が不景気からの脱却が見出せない時期だったので、更なる円安が進むと想定してい
たんだよな。
しかし貯蓄直後にアメリカが不景気だということが判明し、その不景気は延々と続いている。日本も不景気ではある
が様々な要因により、円高の傾向に推移していっているんだよな。この為替レートの変動のおかげでかなり損をして
しまっている。
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2003年9月23日(火)
■ここからが本番
今日の Marketing Principles and Practices のクラスでは、一発目ということで修了までの簡単な流れの紹介があっ
た後、すぐに講義が始まった。2 時間で 8 回という限られた中での開催なので、1 回ごとが貴重な時間となっているの
である。
クラスには 30 人+くらいか。SCPS とはいえ、クラスのグレードを取ることは大変だということも理解した。現在のオレ
の語学力により、何を説明しているのかが分からなくなることがしばしばあった。これは非常に大きな問題である。早
急に、特に Listening 能力を向上させる必要性を痛感した。
2003年9月24日(水)
■より深いレベルでの理解
Barbara の Wrinting and Reading のクラスは緊張感の漂う雰囲気だし、課題の結果については厳しくみているの
で、それなりに大変だ。回を重ねるごとに宿題の量が多くなるので、負荷が大きくなってきている。今日出された宿題
量だと、作業するために必要な時間はかなり大きいと思う。真剣にこなさなければならない。
もちろんクラスも大事だが課題活動も大事である。今日の Film Club では 20 人ぐらいが集まった。前回より 10 名
程度の減少がみられる。このことについては特に心配はしていない。そろそろ固定メンバーが決まってくる時期だか
らね。オレはスタッフなので毎回参加が必須だし、その他にも楽しみにして来ている人も多いしさ。
本日の上映作品は American Beauty だ。オレは見たことがなかったのだが一部からの評判は高かったので、どん
な内容なのだろうかと興味を持って見ることができた。かなり深刻で悲しくて考えさせられる作品だね。
タイトルから明るくて楽しい作品だと勝手に想定していたのだが、大きく外れてしまった。このような微妙な感情を表
現している映画を見ることは、リスニングの勉強にもなると思う。
■空気振動から意味を得るために
今日の SCPS は Interpersonal Communication Skills だ。こちらも同様に簡単な授業内容紹介があった後に、講
義が開催された。20 人程度で昨日よりも少ない人数での開催である。そのため講師からの一方通行の情報伝達
ではなく、受講者へ質問が来てのやり取りも多かった。なかなか楽しみである。
ただ、講師の発音は、ネイティブの聞きなれた発音ではなく、聞き取りのハードルは高い。NYは多人種が集まった
空間なので、さまざまな英語を聞く事ができるのだが、オレが慣れていないタイプの発音なので、今のところ講義内
容よりも発音を慣れる事により力を使っている。受講者の中には、聞きやすい発音の人もいるので、このような人
の発音だと気が休まるし、ストレートに理解できる。ここでも、発音の重要性を大きく感じた。
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2003年9月25日(木)
■まずまずのスタート
今日の Principles of Management はなかなか良かったな。内容も面白そうだし、英語の発音もクリアーなので聞き取り
やすいし、説明も分かりやすかった。それなりに大変そうだが、得るものも大きそうだ。
■特定時間への密集
SCPS は社会人向けのコースなので夜間に開催されるのが基本である。彼らの勤務時間の関係から仕方のないことで
はあるが、New York の短期滞在をしている身のオレとしては制限事項に感じられることもある。
New York がとてつもなく魅力的な街である理由の一つに、様々なイベントがこの街で開催されるということがある。情報
収集の重要性を痛感しているオレは、色々な箇所から多くのイベント情報を得ているんだよな。毎晩、選択に迷うほど多
数のイベントが開催されていることを把握している。フリーのイベントが多いのも魅力的だ。
このような多くのイベントは平日だとイブニングからの開催となるわけで、SCPS の時間帯と衝突してしまうんだよな。勉
強に来ているわけなので贅沢は言えないが、この街を把握する上での重要で貴重なイベントが、SCPS 受講のために潰
れるのは悲しくもある。
911 テロ犠牲者のためのイベントの一環で、21 台のピアノが同時演奏をするというイベントを見つけていたんだよね。な
かなか見ることができない光景なので体験したかったが、諦めなくてはいけない。最近はこのような、時間的制限で諦め
ることが増えてきている。
つまり New York は、一人では対応不可能なほど多くのことが同時発生している、とてつもなくエネルギッシュな街という
ことを日々感じているわけだ。このような感情は、田舎の街では経験できないことだと思う。
2003年9月26日(金)
■価値を高めるための休息
朝起きたときに気づいたのだが、体調がとてつもなく悪い。昨日の朝からルームメイトが咳を連発していたんだよな。おそ
らく伝染してしまったのだろう。ところでちょっと面白かったことに、彼は明らかに風邪の症状が出ているにも関わらず、彼
は自分が風邪であることを断固として否定していた。
更に疲労がたまっていることも影響しているんだろうな。さすがに緊張が続くことはなくなったが、肉体的にも精神的にも
かなりへヴィな生活を送っていることは事実だ。適度な休息を取り入れる必要があるだろう。
期間の限られた New York 滞在において体調を崩してしまうのは、本当に勿体無いことだと思う。何をするにおいても効
率が悪くなってしまうこともあるが、それ以前に、何かをするという気が起きなくなってしまうからだ。
■ただの材料とはいえ
書店へ行き、SCPS で指定されたテキストを購入する。在庫切れのため入手できなかったものもあったが、それなりには
揃えられた。読むだけでも面白そうな内容なのであるが、もちろん全てが英語であるので、Reading にかける時間やエネ
ルギーはかなり大きいと想定している。
各クラスのシラバスを見る限り、毎回の Reading は膨大な量になっている。とはいえ、事前にテキストを読んで予習して
おかないと授業には全くついていけない。講師は、読み込んでいることを前提で授業を進めるからね。
しかし、まともに読んでいては時間がいくらあっても足りないと思う。授業に必要となるであろう箇所のみを深く読み込む、
というような読み方をしてみよう。しかし、今のオレのスキルではそのような必要箇所の特定はできないので、結局は全て
を読むことになってしまうんだろうな。
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2003年9月27日(土)
■パワーのある限り
Dr. M.D. Holmes がやっている Lammy Music Vocal Class には、内容の割に料金が安いということもあり、
毎週通っている。今日は老人ホームに訪問してのコンサート企画なので、朝から集合して準備を進める。
アッパーイーストにある老人ホームの食堂ホールでの開催だ。そこには 80 人ぐらいの老人が集まっていた
。これだけの人の前で歌うのは、微妙に緊張すると同時に、気持ちよくもあるな。楽しい時間を過ごすことが
できたと思う。
老人達は、曲に合わせて一緒に歌ったり踊ったりしていた。大丈夫かなと心配になるぐらいにまで踊る姿を
見ていると、この元気さを老人ホームに留めておくのは勿体ないと感じた。特に日本はこれから激しく高齢
化が進むと想定されているが、この老人という集合属性には何か大きな可能性が秘められていると思う。
■心の安全性
New York への出発前に、会社の短期留学制度を経験した多くの人へインタビューを行った。その結果とし
て、ほぼ全員がだいたい滞在一ヶ月ぐらいでノイローゼを経験していたことが分かっている。
彼らのほとんどは New York 以外であり、情報が落ち着き人々も暖かい田舎であるにも関わらずノイロー
ゼとなるようなので、そういう時期があるのは自然なことだと理解した方が良いのかもしれない。ただオレの
場合は彼らが経験したようなホームシックのような感情は全くなく、むしろ逆で可能な限り長く New York に
居たいと思っているのだが。
しかしオレとしても精神的な負担はかなり大きいのは事実だ。自費で来ているのであれば少しは気が楽に
なるのかもしれないが、会社が授業料を支払っているということでのプレッシャーは大きい。
うまくいかないことに自己嫌悪することもしばしばあり、こういう不安な気持ち重なることでノイローゼへと到
達してしまうのかもしれない。不安を感じないためにスキルアップへ死に物狂いで努力すると同時に、潰れ
ないように適度に気を紛らわして、自ら精神バランスを取るように調整する必要があると考えている。
ちなみにノイローゼ経験後の状態には 2 パターンがあるようだ。無事に復帰して精神的に強くなり自信を持
つパターンと、鬱病となってしまい帰国後もそれが持続するというパターンだ。こういったリスクを抱えていな
がら会社が異国の地へ人員派遣するのは、前者のパターンを狙っての通過儀式ということなのかもしれな
いな。
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〒107-0062 東京都港区南青山4-13-16 トミタハウス201 Tel:03-3408-3825 Fax:03-3408-3852 URL: http://www.globaledu-j.com
2003年9月28日(日)
■再活用の心で
店内の掲示板やインターネット上などから、多くのムービングセールの情報を得ている。これが非常に便利であり、
活用しまくっている。オレもこちらに来てから知ったことではあるが、New York で生活を始める際には、かなりお
奨めの手段である。
帰国する際の不要品ということで、破格の値段で譲ってくれるんだよね。まともに購入する場合に比べ、だいたい
1/10 の価格で各種電化製品を揃えることが可能だ。TV や CD ラジカセなどもムービングセールで購入した。ピッ
クアップのために実際に部屋へ伺うと、ダンボール箱に入りきらないものが出てきたということで、おまけとして色
々な物品を無料で貰えることも多い。
学生で来ている人が帰国するというケースが多いので、セメスタごとにピークが来ると考えるのが良いと思う。とな
ると New York で生活する場合には、セメスタ開始の少し前に来て、ムービングセールをチェックしまくるというの
が正解だろう。
このようなムービングセールに限らず、各種の団体やフリーイベントやアクティビティなど、様々な情報が氾濫して
いる。New York での生活の価値をどれだけ高められるかは、どれだけ質の良い情報を多く入手したかにかかっ
ていると思う。
■知ってるからこその悲しみ
大学の近くには CBGB という超有名なハードロック専門ライブハウスがある。まだ訪問したことはないのだが、こ
の会場から日本語インターネットラジオの公開放送を行うという少し面白いイベントを本日開催するようなので、2
週間ぐらい前から楽しみにしていた。
しかし、明日からの授業の予習としてテキストを Reading しておきたいので、CBGB へ行くことは諦めた。日曜日
とはいえ、プライオリティの設定方法として勉強を最優先させるのは当たり前である。時間管理に失敗したオレが
悪いのだ。
ただやはり貴重な機会を逃してしまうことになったことは残念である。有用な情報を得ているというのはプラスの
面もあるが、マイナスとなり得る場合もあるようだ。もしもこの情報を知らなかったら、残念という気持ちは発生しな
かったわけだからね。
せっかく New York へ来ているのだから、帰国前には絶対に一度は行こうと思う。今日は行けなかったが、また
何か面白いイベントを開催する機会はあるだろう。その時までには、時間管理をうまくやっていかなくてはならない
な。
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2003年9月29日(月)
■待っていても何もこない
NYU には 20 以上の大学寮があり、同金額だったとしてもそれぞれの設備状況は様々なんだよね。オレの居住してい
る大学寮には大学への Ethernet 接続口が無いタイプなので、ネットを使うためにはダイヤルアップ接続ということにな
る。NYU の学生向けにはアクセスポイントが用意されているので、当初から接続を試みていた。
ITS センターに何度も足を運び諸情報を得て何度も試行錯誤していた結果分かったことは、正規学生でなければ接続
の権限がないということだった。セキュリティの観点らしい。今の世の中の状況を考慮すると理解できることではある。
ということでケーブル TV 業者にでも連絡して契約しようかとしていたところ、Dr. Jex の計らいによって特別に接続の許
可を受けることができた。やはりこの国では要望を上げることは重要である。待っていては何もこないのである。
ダイヤルアップ接続ということで接続速度や転送速度は非常に遅い。画像を多く含む Web ページの表示や添付ファイ
ルを持ったメールの送受信などには大きなストレスを感じるのだが、やはり自分の部屋から様々な情報を得られること
は便利である。
ブロードバンドが普及している日本にいたせいで高速回線の速度に慣れてしまっているが、日本でも数年前まではこの
速度が普通だったんだよね。ということで、この速度でも数年前の使い方をすれば問題ないわけだ。オレにとっては、ブ
ロードバンドだからというキラーアプリケーションは登場してきていないので、速度を我慢すれば使える環境になってき
たと思う。
■弱点を認識して
ALI には一般向けのコースもありいわゆる語学学校的側面もあるのだが、オレの通っているコースは大学講義を効率
的に受講するためのスキルアップということが目的なので、読み書きが中心である。これはこれで大きな価値を認識し
ているのだが、やはり大学の講義を受講する上で大きく欠けていると感じている能力がある。それは会話力だ。
講師が早口で聞き取れないのは次第に慣れてくると思うのだが、分からない箇所に対して適切な質問ができないのは
問題だと思う。ネイティブ同士が高速でベラベラやりあっている環境で、片言英語で発言してしまうことは迷惑をかけて
しまうんじゃないかという意識が湧いてきてしまうし、恥をかきたくないという気持ちにもなってしまう。そのため無意識
のうちの控えめな態度になり、発言や質問を躊躇してしまうんだよね。
授業を聞いているだけでも面白いことは事実なのだが、せっかくの機会を活かしきっていないことに罪悪感を感じてい
る。
受身に生活をしている限り、New York では英語での会話機会を増やすことは難しい。ということで会話の機会を増や
すためにも、色々な場所へ顔を出すようにしている。
ここにきて良い情報にめぐり合うことができた。International Center という施設だ。会員料は半年で $300 程度という
格安の料金で、月から土まで毎日英語クラスを多数開催していて、自由参加できるという環境だ。最低でも半年という
料金設定ではあるのだが、それでも破格だ。
オフィシャルな学校ではないのでアカデミックという観点でのスキルは得られないと思うが、会話機会の増加は期待で
きる。今のオレの状況ではとてもじゃないが毎日通えるとは思えないが、土曜日など週に 1 時間程度でも足を運んで
みるというのも良いだろう。時間的観点から自由参加という点を気に入った。
ということで、会員登録処理を行ってきた。ビルの外や 1 階ホールには何の看板もないことから判断すると、ここは穴
場的な環境になっているのかもしれない。登録処理のついでに他の会員の雰囲気を見てきたのだが、短期滞在では
なく、New York で長期生活を送っている人が多いように感じた。
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2003年9月30日(火)
■自らの制限を
New York の生活は選択の自由があり過ぎると思う。この自由の全てを追いかけるのは到底不可能だ。1 週間程度
の観光客であれば必死に観光地巡りするのも良いだろうが、価値のあるものばかりなので終わりが無いんだよね。
環境としては制限が無いが時間という制限がある以上、自分でワクを設定し、必要だと判断したものだけを行動選択
すべきだと把握してきた。この辺りの生活のコツは東京と同じである。New York では何でもできるのだが、必要以外
のことはしない方が良いということだ。
これは、New York は過ごす人の生き方に対して自分なりのカスタマイズができる、ということを意味している。似た
ような生活パターンを強いられる田舎の生活と比較した場合のメリットと言えるだろう。何かをする場合、時間やエネ
ルギーはかかるが決して不可能ではなく、選択肢はあるのである。
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2003年10月1日(水)
■コミュニケーションが取れない中で
水曜日に受講している Interpersonal Communication Skills のクラスは大変だ。授業がイメージしづらい理由として、具体
的なことではなく概念的な内容となっていることもあるかもしれないな。
とはいえグレードを取るためには、授業の積極参加や様々な宿題対応をこなさなくてはいけないんだよな。今オレが受講し
ている SCPS のコースの中では、このコースが最大の鬼門となっている。
■土地ごとの特性だから
今日はとてつもなく寒い。だんだんと寒くなってきているという変化ではなく、マジで凍えそうなぐらい寒いのだ。寒いこと自
体には耐えられるのだが、この変化の大きさは体験したことがない。
昨日までは全員が T シャツなどの半そでで歩いていたのだが、今日はほぼ全員がコートなどを羽織っているんだよね。
New York には秋が存在しなくて、夏から突然冬になるということを聞いていたが、このことは本当のようだ。
冬向けの服は寒くなってきてから New York 現地で揃えようと考えていたのは失敗だった。この変化量を考慮すると、寒く
なってからというタイミングでは遅い。9 月後半で購入するというのが正解のようだ。
防寒のためにコートを早急に購入する必要があるのだが、週末までは時間が取れない状況である。とりあえずは重ね着を
して寒さをしのぐとしよう。この凶暴なまでの大きな気温変化は強烈だ。体調を更に壊してしまうということにならなければい
いのだが。
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2003年10月2日(木)
■SCPSの価値を体験
木曜日に受講している Princples of Management and Organization I はなかなか面白い。内容も興味深いし、強弱
のある話し方なので分かりやすいのだ。25 人ぐらいの受講者がいながら、質問やコメントを受け付けていることにも
感心する。この講師は教えなれているという感じなんだよね。
このコースを真剣に受講することによって、何らかのスキルが身につくと思えるからね。SCPS の価値が分かりやす
い形で体験できるのは嬉しい。
■便利さと楽しさゆえに
部屋からインターネットに接続できるようになって生活が便利になったことは事実だが、一つ気をつけなければいけな
いことがある。それはネットへの接続時間だ。
オレは多趣味な人間なので、ちょっとした情報断片から興味の持てる関連情報に遭遇する確率が高いんだよな。だ
からインターネットから情報を集めている時は、時間を忘れるほど夢中になってしまうことが多かったりする。しかもこ
の接続上は遅い転送速度なので、ただでさえ時間がかかるのだ。気が付くと膨大な時間を消費していたりする。
だが後で考え直してみると、それらの情報を今得る必要はないということに気づくことが多いのも事実だ。例えば日本
で起きている様々な情報は気になるところだが、それらの情報を得たところで今のオレは手出しできないわけだから、
今の時点で知る必要はないのである。
コンピュータを長時間使用していると、コンピュータに支配されているような気になってしまい、激しく自己嫌悪すること
が多い。コンピュータを使うのは面白いのだが、これで良いのだろうかという葛藤が起きるのだ。ネット生活に依存し
てしまわないように、しばらくはメール確認するぐらいにしよう。
貴重な時間を無駄にしてしまうことだけは絶対に避けたいからね。オレは知識欲が高いため情報を集めがちだが、自
らが影響を及ぼせる範囲の情報に限っていきたいと思う。インターネットのようなものを活用する場合には、その中毒
性を認識し、自己を律することは絶対に必要だと考えている。
Web から情報を得ることもそうだが、メールなども同じだ。携帯電話でのメールもかなり中毒性が高いと思う。女子高
生などが電車の中で必死に親指を動かしている姿を見て最初はバカにしていたのだが、気が付くと自分も絵文字な
どを駆使してハマってしまっていたからね。複数の人と同時にメールでやり取りするのは楽しいのだが、後になって消
費した時間を思い起こし後悔することが多かったと思う。携帯メールを使わなくて住む状況には、本当に助かっている
。
せっかく New York に来ているのだから、現地でしか体験できないことをしていきたいと思う。コンピュータを使うこと
はどこでもできるのだから、IT に関連する時間は最小限にすべきだ。IT でできることは分かっているから、たとえ最
新情報を得ていなくても、置いておかれるという心配はない。
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2003年10月3日(金)
■複数処理による意識分散の弊害
それにしても、SCPS が始まってから勉強が本当に大変である。テキストを読み込んでから授業参加したいのだが、そんな時
間は取れずに宿題対応で振り回されているのが現実だ。
ネイティブの社会人達でさえ大変と言っているのだから、英語不自由なオレが困難に感じるのは当たり前だと思う。とはいえ、
グレードを取るためには宿題対応は最低限に必須のことなので、真剣にこなしていかなければいけない。
ということで勉強に関係する以外のことは可能な限り避けるようにしているのだが、他にもやらなければいけないこともあるの
で、集中しきれないのが悲しいところだな。New York にいる間にやることを、もっと少なくすべきだった。授業対応だけでも精
一杯だ。いや、授業対応だけですらも満足にいっていないと思う。
2003年10月4日(土)
■密度の濃さからの錯覚
New York に来てから時間の経過が高速化しているように思える。朝起きて、まだ 3 時間程度しか経過していない意識でい
るのに、既に夜中となっているのである。
この、現実の時間経過と自己意識とのギャップは非常に大きく、時空間が歪んでいるのではないかと思えるぐらいだ。その
ため、夜中を指している時計を見ても、どうも現実感が無かったりする。
それだけ集中して生きているということなのだろうが、やらなくてはいけないことが多数抱えているということもあるので、一日
の時間が足りなさすぎるということを強く感じつづけている。
■なんらかのアラームか
口の中に大きな口内炎が二つほど発生している。子供の頃はよくできていたが、大人になってからは全くできていなかった
ので、少しばかり驚いている。おそらく、生活環境の変化による影響が出ているのだろう。
ストレスが大きいことは感じているので、精神的な負担が原因なのかもしれないな。もしくは食事が変わったことによる栄養
の偏りも原因として考えれる。大して気にはしていないが、食事をする際に激しい痛みを伴うのが嫌だな。
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2003年10月5日(日)
■自然の変化と戦うために
New York には最小限の荷物で来たので、冬物の服を持ってきていなかったりする。やらなくてはいけないと決めたことが
溜まっている状況ではあるが、休日ということで気分転換がてら買い物を楽しむことにしよう。
久々にミッドタウンに出て 5th Avenue を歩いたり、SOHO を歩いたりする。この辺りは日本にいた時にイメージしていた
New York のイメージに近く、ブランドショップが並んでいてオシャレで洗練された空気に満ちていると思う。
とはいえこんな店で全ての服を買い揃えていたら、いくら資金があっても足りないのが実情だ。ということで、Century 21 と
いうブティックのディスカウントストアに行く。ここは住んでいる大学寮からは徒歩 10 分という距離なんだけど、New York
最もポピュラーなディスカウントストアらしいんだよね。近場で様々な服を安価で購入できるのは嬉しいな。
ここで注意しなければいけないのが、服装のサイズだ。こっちの M サイズはオレにとっては少しばかり大きいので S サイ
ズで選ぶことになるわけだが、同じ S サイズでもバラツキが非常に大きいんだよね。時間が無いのでデザインとサイズ表
示だけ見て適当に買いまくりたい気分だが、試着するのは必須である。
■人種の主張
夕方ぐらいから、地鳴りのような合唱が響き渡っていた。全ての窓を閉めても室内まで聞こえるほどの音量だ。当初は
気にしていなかったのだが、いつまでたっても終わる気配がみえないため、外に出て何なのかを確認してみることにした。
歌声に導かれるまま足を運ぶと、2 つほど先のストリートで祭りをやっていた。ここは観光地のすぐ近くということもあり、
時々ストリートを封鎖してのイベントを開催しているんだよな。聞いてみると、ネイティブアメリカンを祝う祭りらしい。なる
ほど、出店の主はネイティブアメリカンの外見をしていた。
ここのいくつかの屋台をハシゴしてディナーとした。うーむ。ネイティブアメリカンの料理は、日本人の口にはちょっと合わ
ないかな。まぁでも、普段なかなか食べることができない料理を楽しめことで満足するとするか。
いきなり夜空に爆音が響き渡った。見上げると、花火が始まっていた。しばらくの間、無心にボーっと眺めていた。花火
を見るのは心地よい気分になれるので好きだ。
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2003年10月6日(月)
■構成する人々として
今日はユダヤ教信者の人向けの祭典の日らしい。オレの通うクラスは通常どおり開催されたのだが、NYU でも休みと
しているクラスが多かったようだ。このような一つの宗教的儀式が、街全体にまで影響力を持つのは不思議な感覚であ
る。
聞いたところによると、アメリカのほとんどの州では祝日扱いされることはないようである。New York は多国籍多人種
の空間であり、ユダヤ人も多いからこのような祝日が有効となるのだろう。New York ではユダヤ人がそれなりの比率を
占めているので、ユダヤ人が一斉に休んでしまうと機能しなくなることが多いからね。
仕方が無いからという気持ちもあるのかもしれないが、このようにそれぞれの人種や宗教を尊重しているように見える
のは好きだな。
■通常モードでの意思伝達
この前に登録処理をした International Center に行ってきた。アジア人が多数を占めているのは New York の街中と
同じだが、日本人が 1 割程度とかなり少なかったことに驚いた。New York では、語学に関わらずどこの学校に行って
も日本人だらけが普通なのにね。I-20 を発行しない場所だからなのかもしれないな。
この場所では、通常の生活の中で行われる日常会話を中心としていると感じた。大学の講義に参加する際に有効とな
る能力を向上させることに加えて、普段のコミュニケーション能力を向上させることも重要なんだよ。
■最も遭遇したくないことの一つ
帰宅して驚いた。コンピュータが起動しないのだ。起動途中の中途半端な状態で固まってしまうという現象だ。こちらで
撮影した写真のアーカイブなど、大切なデータが多数保存されているだけに、破棄するわけにもいかない。
ハードウェア的な問題では無さそうなことが分かったので、何とかして復帰させることにした。New York には OS の
CD-ROM すら何も持ってきていないので、かなり面倒くさいことになりそうだ。特に Windows の場合、どのファイルが
何をやっているのか全く不明だからね。試行錯誤の連続が想定される。こういう作業が好きで夢中になってしまう性格な
のが悲しい。
気が付くと膨大な時間が経過していたのだが、マシンが復帰するまでには至らなかった。作業した副次効果として、起
動シーケンスに少し詳しくなってしまった。しかし、こんな知識は得たくなかったな。毎日使用していたことが制限される
のは、生活リズムが狂ってしまうので嫌だな。ちなみに本日分のこのドキュメントも、マシン復帰後に執筆していたりする
。
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2003年10月7日(火)
■夢と現実と
Marketing Principles and Practices の Final Project は、ビジネスプランを作成するというものだ。こんな時期から
Final Project の内容をチラつかせるのは、ビジネスプランの作成には多くの時間がかかるからだろうな。
ということで、Final 向けに何らかのテーマを決める必要がある。どうせなら面白いと思えることをやってみたい気もする
し、New York にいる間に色々とやってみたいこともある。しかし時間やエネルギーが限られていることを考慮すると、や
らなくてはいけない他のこととバランスを取る必要がある。一つのことに集中してはいけないのだ。
■いつも使うツールだから
日本を旅立つ数日前に電子辞書を購入したのだが、これは正解であった。資料読み込みなどの他にも普段の生活にお
いて英語の辞書は必須なのは明らかであるが、紙の辞書を常に持ち歩くという苦しい思いはしたくないからね。
ちなみにオレが使っているのは SHARP の PW-6800 という機種だ。様々な場所においてこの機種を使用している人を
多く見かけることから、機種選択は間違っていなかったと思っている。メタルブルーの薄いボディに、OXFORD 英英辞
典とグランドコンサイス英和辞典とジーニアス和英が内蔵されているという、なかなか頼もしいヤツだ。
ちなみにオレが感じている電子辞書のメリットは、小型で携帯しやすいということだけだ。キーボード入力の容易さや前
方一致による見出し語の検索高速性も期待していたんだけど、その期待は満たされることはなかった。CPU の性能か
割り込み処理の甘さか何か分からないけど、キーの反応が悪いんだよね。PC のキーボードのようにカタカタと高速入
力すると、文字が抜けるのだ。いちいち入力された文字を確認しながらの検索だと、紙の辞書で検索した方が早く感じる
ぐらいだ。
また、スペルを微妙に覚えていない単語に対して正規表現のような検索ができることも便利かと思っていたけど、イマイ
チ使う機会がないんだよね。分からない単語に遭遇する時は、その単語が用いられている資料などに単語が書かれて
いるわけだし。
言うまでもなく、単位時間辺りに多くの情報を見られるという点においては、圧倒的に紙の辞書の方が優位である。その
他、マーキングしたり書き込みをしたりなど、様々な作業ができる点も紙のメリットだ。電子辞書に比べて 1/10 程度の
価格であるが、オレは現状では紙の辞書の方が便利であるという結論を出している。
持ち運びの容易性以外には、電子書籍などは紙というメディアには到底及ばないと思っているのだが、部屋にいる時は
紙の辞書を使い、外出先では電子辞書を使っている。現状でのそれぞれのメリットを認識し使い分けをしているわけだ
。
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2003年10月8日(水)
■傾向を認識することで
Interpersonal Communication Skills の講師の発音や強弱の無いイントネーションはどうも苦手であったのだが、少
しずつ聞き取れるようになってきた。オレの聴覚からの認識機構の中で、音声として受容する幅が広がってきたのかも
しれないな。理解できる箇所が増えてくると、このクラスも少しずつではあるが面白くなってきた。
今日提出する宿題の中には、性格分析のテストを実施というものも含まれていたので、やっていった。4 文字の組み
合わせによる 16 のパターンに分類するというものだ。オレは INTJ という結果であり、その詳細にはそれなりに面白
い内容が記載されていた。
新たな発見があるかと期待していたのだが、自己把握している部分が多かったのは少し残念であった。自由でオープ
ンな心を持っているので、他人の考えを受け入れることに初期の抵抗はないが、不必要だと判断すると軽く切り捨てる
、みたいな箇所は納得がいったな。
オレは友人を作るのは得意な方だと言われることが多い。明るい笑顔でいることが多く人懐っこくてすぐ人と仲良くなる
からだろう。既に New York でも 100 人を超す人たちと様々なやり取りをしているしね。しかしだからといって、これら
の関係を続けるかどうかは別問題なんだよね。今のところオレにとって必要だと思うから続けているだけで、無意味な
関係だと判断するとバッサリ切り捨てるということはよくやるのだ。周囲の人が想像しているよりも、オレはずっと冷た
い人間のハズだと思っている。
この INTJ の行動特性はマーケティングやマネジャーに向いているし、組織のトップにも向いているようだ。また、著名
な大統領とかにも多いタイプらしい。オレの人生は自分で決めていくものなので、そんな結果程度のことでオレの方向
性を考え直すということはしないが、興味深い記述だとも思う。
今回の性格分析の中で最も興味深かった内容は、このタイプは人類の中で 1% 程度しか存在しないということだった
。確かにそれは言える。コイツとアイツは似たような思考パターンで行動しているよなと思うことが時々あるのだが、オ
レ自身は自分と似ている性格を持った人間に出会ったことは今までないのだ。もっともこの意見は、自分のことだから
言えることなのかもしれないが。
ちなみにオレは、この手の性格分析を信用していない。さすがにそれなりのリサーチをやっているだろうから、占いより
は信頼性が高いと思う。しかし、たった 16 のパターンだけに人間が分類できるとは思えないしさ。また、100 程度の質
問数だけで性格を分類可能なほど密度の濃い質問を創造できるとは思えないし。
だからオレはこのような分析に対する結果については、そういう傾向もあるのかもしれないな、程度の感覚で受け止め
ている。おそらく多くの人も同じ反応だろう。ただ人間の中には、全く論理性のない占いの結果で人生を振り回されて
いる人もいるのだから、面白い。
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2003年10月9日(木)
■つながる手段として
Principles of Management and Organization I の講義が始まる前に、いきなり一人の受講者から話し掛けられた。火曜
日にマーケティングのコースを取っているよね?という内容だ。
確かにオレは火曜日にマーケティングのコースを受講している。話し掛けてきた人は見慣れた顔をしているが、今日のこの
コースでの受講者だからか、火曜日のコースの受講者だからかは分からない。オレは日本人以外の顔と名前を覚えるの
が苦手なんだよね。
確認したところクラス名と時間帯が一緒だったことから、火曜日も一緒に受講している人のようだ。グローバルサーティフィ
ケート参加者を除いては、クラスごとで完全に受講者がバラバラであったと思っていたので、共通の受講者が存在したこと
は少し嬉しく思う。
しかし、New York にいる人は何らかの要求事項以外で話し掛けることはあり得ない。何の依頼かを尋ねてみると、来週は
仕事の都合で来れなくなるので、来週分の火曜日のマーケティングと木曜日のマネジメントの講義ノートをコピーさせてくれ
、という要望だった。
断る理由は特にないので軽く OK したわけだが、その後で心配になってきた。講師が黒板を使うことはほとんど無いので、
講師の発言に対してメモを取っているわけだが、語学力の問題で聞き取れない部分も多いんだよね。しかも汚い文字での
走り書きなので他の人が読めるとは思えないし。
とてもじゃないが、オレのノートなんて New York で仕事をしている現地アメリカ人に見せられるものじゃないよなぁ、という
不安だ。しかし彼女が仕事で受講参加できないのは向こうの都合であるし、オレに依頼したのも彼女の勝手だから、大きな
責任を感じる必要はないな。
とはいえせっかくの機会でもあるので、気合を入れてノート作成して、ポイントを稼いでみようと思う。何かをしてくれる人に
対して好感を持つというのは、人種や文化を超えた基本的な特性だと思うし。
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2003年10月11日(土)
■特性を生かした形で
ハーレム地区のとある教会で開催している Gospel Workshop に参加した後に、主催者側に近い参加者の一人から、
ミュージカルの半額のチケットがあるので行かないかと誘われた。会場が徒歩 5 分の距離ということもあったので、
参加者全員で行ってきた。
誰か彼かと何らかの接点を持つと、そこからどんどん行動の幅が広がっていくんだよね。人の繋がりから新たな情報
を得て行動していくのは大好きだ。
Williams Institutional CME Church という教会のホールがミュージカルの会場となっていた。ハーレム地区というこ
ともあり、観客の多数は黒人だった。Mama, I want to sing というタイトルの作品で、今年で 20 周年ということらし
い。
エネルギッシュでパワフルで涙が浮かぶほど感情的な演技だった。ゴスペルをベースとしたクワイアも素晴らしく、映
画の天使にラブソングをのような勢いがあった。大げさすぎるほどの演技や歌唱も、観始めた当初こそ少し引いてし
まったとはいえ、すぐに魅力を感じてのめり込んでしまった。
ブロードウェイでやっているオシャレで洗練されたミュージカルもいいが、このような圧倒的な存在感でのパワフルな
ミュージカルもいいね。
■ピュアな気持ちで没頭できるから
New York にいて気づくのは、エンターテイメントのジャンルの幅が広いということだ。様々な人種での価値観に基づ
いた楽しみ方があるわけだから、幅が広くなるのは自然なことだろう。これらの作品群が密集した場所で同時にパ
フォーマンスしていることが面白い。
また、全般的にエンターテイメントの質や完成度が非常に高いということにも気づいている。優れたアーティスト達が
集まってきていることが直接的な理由だろうが、それを起こさせた要因として、観客側の意識の違いもあるように思え
る。
New York にいる人たちは、優れたパフォーマンスに対して素直に賞賛するんだよね。これが、観客とアーティストの
間で良い意味でのスパイラルを築いていると思うのだ。アーティストは純粋に夢を目指して、努力することに夢中にな
れるわけだ。
それに対して日本では、TV のランキング番組なんかを見ても分かる通り、プロフェッショナルな人たちよりも一般人
に近い人たちが受けたりしている。そのため、アーティスト達の向上心が歪められてしまっているように思うのだ。努
力して能力を磨けば磨くほど、売れなくなるというジレンマがあるんだよね。このような環境の違いから、様々な人た
ちが New York に集まってくるのかもしれない。
日本人コミュニティの間でここ 10 日間ぐらい、演出家の宮本亜門が New York に来て、次期ミュージカルのための
オーディションをやっているということが話題になっている。オレの友人の何人かも、オーディションを受けていたりす
る。
ちなみにこのミュージカルは来年の春ぐらいから開演するらしいので、オレは見ることができないのが残念だ。少し驚
いたのが、いきなりブロードウェイのかなり良い場所で開演するということだ。オフオフブロードウェイぐらいから立ち
上げて、のし上がっていくというシナリオではないところに、微妙に金の力を感じるな。とはいえ、このような無謀とも
思えるようなことでも挑戦したくなる活気が、New York にはあるのである。
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2003年10月12日(日)
■認められる成果
New York にはヤンキースタジアムがあり、野球好きな友人達は何度も足を運んでいる。松井が打った翌日などは、
ヤンキースの話題で持ちきりとなる。
オレが New York に来ると決めた時も、ヤンキースの試合を見られるということで、多くの人から羨ましがられたんだ
よね。ただオレは一度もスタジアムに行ったことは無かったりする。幸か不幸かは分からないが、オレは野球には興味
が無いのである。
せっかく New York に来たのだから、という観光気分も既に消え失せているしね。New York はキリがないぐらい何で
もある空間なので、自分にとって本当に魅力的だと思えることを選択して行動していかないと、いくら時間があっても足
りないのだ。
少し以外だったのが、New Yorker に松井の存在感が深く根付いているということだ。日本で報道されていることは、
あくまでも日本人視聴者に向けてメディアが構築した幻影であり、実際にはそれほど知られていないと思っていたんだ
よね。
しかし、こちらで日本人以外の人と会話をすると、必ずといっていいほど松井の話しをしてくることに気づく。つまり彼ら
にとって、日本人イコール松井の話題という公式ができているようなのだ。オレという例外もあるわけだから、少しステ
レオタイプスな考え方のような気もするが、松井という存在の大きさは日本人を代表するぐらいにまで成長していると
いうことを示しているとも思う。
2003年10月14日(火)
■未知の発掘があるということ
Marketing Principles and Practices の Final Project の授業では、何らかの事象の説明の中で会社の名前が出てく
ることがある。具体的イメージを掴ませるための例示だろうが、オレにとってはこの例示が余計に理解を困難にさせて
いる。
グローバルに展開している企業、いや日本で知られている企業なのであれば、どういう企業なのかは分かるので授業
の理解促進に繋がると思う。しかしアメリカローカルだけの企業の場合には、存在すらも知らなかったわけだから特徴
も分からないわけで、何の意図で話しているのかというトピックを見失ってしまうんだよね。
講師が「例えば、○○とかそうだよね。」と発言した後に、速効で受講者達が「あはははは」と笑い、関連した次の話題
へと繋がっていく。オレにとっては、この○○という単語が全く分からなく、次の話題への文脈上の繋がりで企業名だっ
たということの推測ぐらいしかできないのだ。
講師が笑いを誘うために言っただけのような雰囲気だし、既に次の話題に集中しているので、大きくは気にしないまま
授業が進んでいく。しかし、たとえ笑いのためということだけでも、何の目的で言ったのかということを理解したいと思う
。
ここで、例示した企業が悪かったと講師を責めることはできないと思う。みんなが笑ったということから、おそらくアメリ
カ人なら誰もが知っている有名企業をサンプルとして使用したのだろうからね。アメリカ内で授業しているのだから、ア
メリカで有名な企業を出せばいいだけであり、それがグローバルに展開されているかどうか、ましてや日本で知られて
いる企業なのかどうかは関係のない話しなんだと思う。
ただそういった授業だけという話しだけではなく、アメリカ人は、アメリカで有名な企業であれば世界中からも知られて
いると思い込んでいるような気もしてくる。もっともこれは日本でも同じだろう。日本国内で圧倒的に有名なことがあると
、世界でも知られていると思いがちだからね。
しかしこの勘違いは、アメリカ人の方が顕著だ。この、アメリカ人は自分達が世界の中心にいるというおごりについて
は、時々感じている。
とにかく、アメリカ人なら知っていることが当たり前だというローカルな有名企業が多数あり、それらについては通常の
日本人にはほとんど知られていない、ということが分かった。通常の日本人が知っているアメリカというのは、氷山の
一角にしか過ぎないんだよね。
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2003年10月15日(水)
■バランスを目指すべき
Interpersonal Communication Skills のクラスを受講していて時々思うことがある。アメリカと日本では、コミュニ
ケーションにおける価値観が全く違っていたんだな、ということだ。
個人だけの活動では限界があるのだから、協調してチームプレイで活動していきましょう。その方が効果的で効率
的なのです。なんて、当たり前のことじゃん。日本ではこのような当然の振る舞いを、アメリカ人は驚きながら勉強し
ているんだよね。オレにとっては、このことを逆に驚愕してしまう。
つまり、アメリカではそれだけ個人主義が浸透していた、ということなのだろう。そしてその弊害が顕著になってきて
いる、ということなのだろう。この個人主義の行き過ぎは、いたるところで感じることができる。
個人の責任範囲が明確なことから、その責任範囲以外のことをしようとしないのだ。たとえ重要な問題を目にしたと
しても、自分には関係のないことという意識が強く、問題自体に目を向けることはないんだよね。自分の作業範囲
かどうかだけで対応するかどうかを決めているのだ。
このことから、全体のサービスレベルは恐ろしく低くなっている。想定したフロー通りに物事が進めば成り立つのか
もしれないが、想定外のトラブルというものは必ず起きるものだ。この時のトラブル対処に、恐ろしいほどの手間と
時間がかかってくる。
オレも含めて多くの人が、無意味なトラブル対処に多くの時間とエネルギーを消費していることを考えると、社会的
コストの影響も非常に大きいと思うのだ。個人主義の反省を真剣に学んでいる姿勢は理解できる。
しかし、せっかく協調性という面で優れた日本では、少し前のアメリカを見習い、個人の資格だとスキルだというか
いう方向に目が向いているのは皮肉に思える。アメリカでは過去の失敗から、個人主義からの脱却を目指している
というのにね。
2003年10月16日(木)
■所詮は単なる道具なのだから
ついにコンピュータは立ち上がるようになった。まだ不安定だが、使えなくもないぐらいには復帰したと思う。
ハードディスクを抜き差しして友人のマシンなどからファイルをコピーしたりなどして、試行錯誤していたんだよね。
解析に使えるようなツール類を持ってきていなかったので、とてつもなく膨大な時間とエネルギーを消費してしまっ
た。
そうなんだよ。ほとんど今週の時間は、このマシンの復帰に費やされたと言ってもいいぐらいだ。もしオレがコンピ
ュータに不得意なのであれば復帰を諦められたのかもしれないが、オレの知識とスキルを用いればできると分か
っているからつい集中してしまったんだよね。
ただコンピュータはあくまでも何かをするための道具であり、このようにコンピュータ自体に夢中になってしまうの
は、好きではないんだよね。オレにとってコンピュータは、とてつもなく面白く魅力的な趣味の一つなのだが、魅力
的過ぎるが故に膨大な時間を消費してしまうことから、ここ数年はコンピュータを避けるようにしているのだ。
コンピュータを避けている他の理由として、コンピュータ好きには気に食わないヤツが多いということもある。人付
き合いをしなく内側の世界にこもるタイプと、自分のスキルを自慢したがるタイプが目立つのだ。
前者のタイプは、オレがコンピュータに異常に詳しいことを知ると、基本的な人間関係のルールを無視して馴れ馴
れしくオレに依存してくるのが嫌いだ。後者のタイプは、本当は詳しくないことでも知ったかぶりをしたりするし、無
知の人を馬鹿にするような態度をしたりするので嫌いだ。
こういう人たちとは深く付き合いたくないな、と強く感じたのでオレがコンピュータ関係の能力が高いことは隠すよう
にしている。人間関係を構築する上で自分と付き合うメリットを強調することは重要だと思うが、少なくともオレはコ
ンピュータ関係の能力を表面に出すことはしない。もっと別の、人間性みたいなところの価値で、周囲の人と付き
合いたいと思っているのだ。
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2003年11月11日(火)
■本気となれる領域で
Workshop in Oral Communication and Comprehension のクラスの受講者は大学院生が多いということもあり、
授業中に他のクラスの課題を緊急対応しているのを目撃することがある。
クラスの開始前や開始後などにノートを覗き込むと、難しい数式を解いていたりするんだよね。こういう数式を見る
と、懐かしさと共にワクワク感が沸いてきてしまう。社会人になってから、数学に接することはなくなってしまったか
らね。
今の社会は文系優位の社会で、理系のスキルが活かせるようにはできていないから仕方が無いことなんだけど
さ。情報産業というと内容を知らない人は理系的な空間を想像するかもしれないが、求められるのは文系のスキ
ルだしね。
ビジネスで必要となるのは文系のスキルだということを知ったのは、入社してからだったりする。その反省もあって
、NYU で受講しているクラス群も文系のものとなっているわけだが、オレは根っからの理系タイプなんだよな。
ということもあって、身近な人たちが物理や数学を勉強している姿を見ると、憧れてしまうし羨ましく思えてしまう。
こういう刺激は、力が大きいんだよね。時間があれば、何らかの理系の科目を専攻で学びたいと本気で思ってし
まっている。
2003年11月12日(水)
■ソフトスキルが最も大事
Interpersonal Communication Skills のクラスは今日で最終回となるわけだが、講師の Anita はインドに帰って
しまったので、今日は別の講師によるプレゼンが行われた。
スキルにはハードスキルとソフトスキルがあって、今までは目に見える形で評価しやすいハードスキルに人気が
あったが、本当は人間関係のようなソフトスキルが最も大事なんだよ、といった内容だ。
今日のプレゼンには、受講者もそれなりに満足していたようだ。オレにとって Interpersonal Communication
Skills は、非常に興味深いテーマだった。
クラスの最後に提出する評価シートには、本音ベースで書きまくった。この評価シートを提出した際に Grade を教
えてもらった。Anitaがインドに帰る前に既に Grade を設定していたようだ。結果は A であった。こんなに良い結
果が返ってくるとは驚きだ。
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2003年11月13日(木)
■準備不足を感じつつ
Weekday となってしまうと、常に明日までに提出しなくてはいけないという宿題が増加していく一方なので、そういった宿題
対応に振り回されるだけの毎日となってしまう。予定では今週の Weekday の空き時間に、今日の SCPS のクラスの
Final 向けレポート対応をしようと思っていたのだが、全く空き時間を見つけられない状況となっていた。
結局、今日起きてから Angelo のクラス向けのレポートを適当に作成してから、手がけるということになってしまった。
Angelo のクラスへ向けて家を出るまでの間、つまり 2 時間程度で Final レポートを執筆したわけだ。
短時間だったこともあり、不満の残る内容となっている。Angelo のクラスをスキップして、SCPS の Final レポートの質向
上に時間を回そうとも考えたのだが、それはやめることにした。今日もチーム作業の内容が中心となるようだったからね。
オレは、チームに迷惑をかけるのは嫌いと感じるタイプなのだ。
■少しばかり安心
Principles of Management and Organization I の最後のクラスである。オレの Final レポートは、時間切れということもあ
り、結局授業内容と大きくは関係の無いことで埋め尽くされてしまったわけだが、他の数人のレポートも拝見させてもらった
ところ、ほとんどが趣味に走って記述していたことが判明した。
ということで少しばかり安心しながら Final のレポートを提出して、最後の講義を受ける。会場が変更になった時は、基本
的に講義形式ながらも受講者との活発なやり取りが発生して面白かったのだが、その回以外は全くの講義形式だったんだ
よね。良い授業内容だっただけに、ディスカッションに発展しなかったのは少し残念である。
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2003年11月14日(金)
■繋がりの価値
夜になって寮に戻ってみると、入り口のロビーで 10 人ばかりの人が集まっていた。希望者による隠し芸大会みたい
なものだ。ちょっとだけ見てみることにした。
映画や演劇などのアートでも有名な NYU の学生だからなのか、アメリカ人が根っからのエンターテイメント好きなの
かは分からないが、とても素人とは思えないほどの芸を繰り広げていた。観ている人の盛り上がり方も凄い。ちょっと
したセリフで大爆笑となるのは、海外コメディ TV ドラマのような雰囲気だ。
せっかく同じ大学の学生で同じ建物の中に住んでいるのだから、コミュニティ的な要素を持ってもらいたいと思ってい
た。新しい寮だけにそのような要素は無かったわけだが、これからは少しずつ変わっていくのかもしれない。とりあえ
ず、もう少しこういうイベントを増やしてもらいたいな。
2003年11月15日(土)
■属性を制限することで
休日は、やらなくてはいけない宿題対応ができる貴重な時間である。そういった中、勉強中の BGM として電源を入
れていた TV から NYU の大学寮という単語が聞こえてきた。カクテルパーティー効果、という名称だったかどうかは
忘れたが、人間は、自分に関係のある言葉には無意識でも敏感に反応するように出来ているんだよな。
ちなみにニュースの内容は、部外者が大学寮の一つに侵入して、女性の部屋を荒らしていったというものだった。20
以上もある大学寮の一つだし、オレの寮からは遠い場所なので関係の無い話しと切り捨てることができる。しかし、こ
れを受けて、セキュリティ面での何らかの対応が行われるのだろうな。
大学寮には建物の入り口に 24 時間体制の警備員がいて、建物に入るためには NYU カードを見せることが義務付
けられている。そのため、建物の中には NYU の学生しか存在しない、という状況となる。この状況により、建物の中
は安全で安心だ、という気になれるのである。
しかしそのためには、あくまでも侵入チェックの警備員が機能していることが要求される。部外者の侵入を許すという
不手際は、存在価値を失っているだろう。気をつけてもらいたいものだな。
ところでオレの寮では 10 人ぐらいの警備員がローテンションしている感じだが、ほとんどの警備員がかなり注意深く
検査をしている。毎日近く顔を合わせているにも関わらず、NYU カードを示す角度が悪いまま通り過ぎようとすると、
すぐにちょっと待てと言われるんだよね。
この状況はウザったく感じていたのだが、今回の事件を考えてみると、彼らは安全を確保するためにしっかり仕事を
してくれているんだよな。寮の中だと、部屋外の廊下でも T シャツとサンダルのような軽いスタイルで歩けるぐらい安
心できるしね。彼らには感謝しなくてはいけないな。
このような方法でセキュリティを確保するのも大事だが、長期的には街の中の人々のモラルを向上させることが必要
なんだと思う。事件が多いせいなのだろうけど、マンハッタンはサイレンの音が非常にウルサイんだよね。常にサイレ
ンの音が鳴り響いている感じだ。深夜を過ぎて地下鉄に乗ると、ヤバい感じの人が増えてくるしさ。
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2003年11月16日(日)
■文化による理解の流れ
Academic Reading and Writing Workshop では、クラスの中でも文章を読んでサマリーとレスポンスを書くという内容なの
で、授業中に会話することはほとんど無い。毎回の宿題も似たようなものだが、より作業量は多くなっている。
ちなみに最近のオレは、講師の Barbara からの評価が高かったりする。文書作成のコツを掴んできているのだ。このような
文章作成法を身に付けられたのは、それなりの価値があると思う。このクラス以外や社会生活を送る上で価値があるかは
明らかではないが、少なくとも大学のクラスに参加する上では価値がある。
このような native 受けしやすい文章を作成する方法は、実は簡単な技術を駆使するだけのことだったりする。日本人のよう
に回りくどい言い方をせずに、結論をバシっと最初に書いて、次々と構造的にサポートしていけばいいだけなんだよね。
非常にシンプルな方法であり、複雑な文章構造に成れている日本人のオレにとっては物足りなくなるぐらいの構造なのだが
、native の人には理解しやすいということで受けが良いのだ。この構造はシンプルだから誰でも活用できると思いがちだが、
スマートに使いこなすのは日本を含むアジア圏の人たちにとっては難しかったりする。
オレは、あくまでもアメリカ人向けの書き方だと意識して、執筆している。しかし同じようなことを伝える場合でも、日本人相手
では絶対にこのような書き方はしない。余計な不快感を与えるだけだからね。方法論の差異を認識した上で、使い分けるこ
とが大切なのだと思う。
2003年11月17日(月)
■状況把握ができるから
先週ぐらいからよく言われていたのだが、今日は遭遇するほとんどの人々から、あることを指摘された。疲れきった悲しそう
な顔をしている、という指摘だ。確かにずっと耳鳴りがするぐらいテンパっているから、表情にも出てしまうのかもしれないな。
その心配の後に、以前のお前は周囲の人も元気にさせるぐらい明るくて活発だったのに、と言われることが多いのだが、こ
のセリフには何故か素直には喜べないな。ただ、オレのことを心配してくれる人たちがいる、と思うと嬉しい気分にはなれる。
彼らの心配を減らすためだけではなく、オレ自身のためにも、思い切った休息をすることが必要かもしれない。ただ今は、睡
眠時間すらも勿体無い状況だから、気合を入れつづけなくてはいけないのだが。休息の必要性を認識しつつ今の状況も強く
認識できることが、悲しい表情となって表出しているのかもしれない。
■重なるピーク
オレの受けている最も大変な SCPS のクラスが、Basic Project Management だ。このクラスは native 以外の人はオレだ
けということも関係しているのか、毎回のクラスの進行速度が凄いんだよね。この刺激は今のオレには苦しいだけだが、乗り
超えていきたいと思っている。
クラスの終わりに出された宿題も大変だ。チームが適当に設定され、チームごとに別課題のケーススタディを次回までにや
ってこないといけないのだ。全員が通勤している社会人なので、集まって議論することは時間的に不可能ということになった
。メールベースで作業を進めることになる。
つまりまた、膨大な数の英語メールと格闘しなくてはいけないわけだ。で、レポートとしてまとめあげていく、と。面白そうな課
題だから真剣に取り組んでみたいところだけど、全力をかけるわけにはいかないのが今の状況だ。
もちろん、このクラスの課題だけだったら対応はできるんだけどさ。ほとんどの人は、一つか二つしかクラスを取っていない
から、注力できると思う。しかしオレの場合は ALI も含めて 6 つのクラスを取っているので、バランスを取っていかないとい
けないんだよね。
基本的に weekday は翌日向けの宿題対応ばかりとなるので、翌日以外の宿題をする時間的余裕は全くないわけだし。特
に今の時期は、他のクラスで midterm やら final やらの試験やレポートがあったりするしさ。
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2003年11月18日(火)
■残存するエネルギーを集めて
Marketing Principles and Practices の試験のため、早朝から起きて勉強しまくった。ここまで人間は集中できるの
か、というぐらいにまで気合を入れてみた。落とすわけにはいかないからね。
夜のテストに向けて集中するために、午後に行われる Angelo の Workshop in Oral Communication and
Comprehension のクラスは、スキップすることにした。クラスの今日の内容を考慮すると、スキップしても影響は無
いだろう。それよりも、少しでもテキストの文章を頭脳に詰め込むことの方が今は大切なのである。
このような、一度程度のスキップが可能で比較的楽なクラスがあることから、Angelo には感謝している。全てが
Basic Project Management のような速度だったら、完全に回らなくなっていたと思う。
■約束と違うことに慣れる
試験を受けるために、通常の開始時間より早めに行く。渡された問題用紙を見て、またも驚くこととなった。言われて
いた試験方法と異なるんだよ。Midterm Exam と同様で、テキストからのキーワードの記述と言われていたのだが、
10 問のエッセイ作成という内容だったんだよね。
Midterm Exam と同じ形式だと聞いていたので、重要キーワードを抽出して定義文章を丸暗記していったのにさ。こ
のようなエッセイ作成の問題形式は、native の人では余裕かもしれないが、オレのような英語が不自由の人にとって
は不利である。
10 問の問題文をざっと流し読みしたところ、マーケティングに対して自分の意見やアイデアを言うことが中心である。
つまり上っ面ではなく、マーケティングを本当に理解しているかどうかが問われているわけだ。しかしまぁ、短期記憶
となるかもしれないが現段階では頭の中にキーワード一覧が完璧に定着していたりするので、執筆のネタには困ら
ないだろう。
2 時間で 7 枚も書くことができたのは、自分でも驚きだった。New York に来たぐらいの時は、英文で一枚を書くのに
40 分ぐらいかかっていたからね。これは、ALI の Academic Reading and Writing Workshop でのクラスと宿題で、
毎日何らかの英文を書いていたことによる効果なんだろうな。
この試験は先週末ぐらいからの大きな気がかりだったので、提出した後は、とりあえず一段落という気分になれた。
しかし食事して家にまっ直ぐ帰ったとしても 23:00 ぐらいになるわけだし、それからは明日の ALI 向けの宿題と、
Basic Project Management の大きな宿題もやらなくてはいけないんだけどね。
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2003年11月19日(水)
■思い込みによる判断
今日の Academic Reading and Writing Workshop のクラスは、Final Exam に向けての模試が行われた。せっかく
の機会だったにも関わらず、極度の疲労のため試験に集中できなかったのは残念である。通学で使用している朝の
バスの中でも誰かと会話をしていたのだが、誰と何を話したのかも覚えていないぐらい AM は脳が働いていなかった。
自分としては大きく不満の残る試験であったのだが、講師の Barbara からはクラスで一番の出来ぐらいにまで誉めら
れてしまった。短時間での採点だったので、おそらく内容をよく読まずにザックリと採点したのだろうな。オレの文章とい
うのは、パッと見が Native 受けしやすいみたいだからね。
また、ここ数週間の毎回の宿題を、かなり気合を入れて完成度を高めて提出していたことも、影響していたのかもしれ
ないな。オレが書いた文章だから良い文章のハズだというレッテルが貼られているような気がするんだよ。
しかしこんなことに甘えていてはいけない。Barbara からは良い評価を受けたが、オレの中での評価は最悪なのだ。
客観的に見ても最悪だろう。という思いがあったので、今日の宿題が今回の模試の書き直しという内容だったのは嬉
しかった。不満の残る文章は、書き直したくなるものだからね。
■適切な時間配分へ
水曜日の SCPS が完了したので、今日のクラスは午前中の ALI だけである。この事実を思うと、かなり気が楽になる。
4 つ目の SCPS が始まってからここ数週間、ほんと大変だったからな。先々週ぐらいからは、体と精神の限界を思い
っきり感じていたにも関わらず、宿題などの次回クラスの準備が増えていく一方だったんだよね。オレが処理するスピ
ードを超えた勢いで翌日までの義務が増加していくというのは、マジで胃が痛くなるのである。
この、毎日やらなくてはいけないことが増えていくという状況に対して疲労しまくっていたので、PM のしばらくの時間を
睡眠に充てることにした。Basic Project Management の宿題は、夜中にやることにしよう。
とりあえず今の段階では、少しばかり気が楽になったことを喜んではいるが、来週ぐらいになると SCPS がないことを
寂しく感じてくるのだろうなと推測している。
■記憶の掘り起こし
しばらくの間、このデイリーレポートを書いていないことには気づいていた。しかし、一ヶ月も間をあけていたというの
は意外だった。気分的には一週間程度の空白だったんだよな。
つまり、時間を忘れるほど集中していた時期だったということなのだろう。とはいえ、欠けていることを放置しておくと
いう事実自体が、プレッシャーになっていることも確かである。
夕方に 2 時間ぐらい睡眠したので、コンピュータに向かう気力も沸いてきた。少しずつ執筆して、過去の分を補完し
ていくとするか。深夜を過ぎたら、SCPS の宿題対応に切り替えることを忘れないようにしないとな。
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2003年11月20日(木)
■大切なことは何か
Angeloクラスの中でビデオをブツ切りで観ていたのだが、明日にクラス外の活動として連続再生する機会を設け
るということになった。他のクラスでやらなければいけない課題が多数あったりする。鑑賞行為以外に時間とエネ
ルギーを割くべきだろう。
ということで明日の鑑賞会はスキップしようと考えていたところ、受講者のうちの一人から話し掛けられた。「Kazu
も明日は来るんだよね?」と言ってきたのだ。非常に驚いた。彼は絶対に参加しないと思い込んでいたからね。
彼が参加する理由が思いつかないので、尋ねてみた。「別に意味は無いよ。クラスメイトと一緒にいるためには来
ても良いと思っている。」このセリフには、ハっとした。そして、この捉え方に気づかなかったことから、最近のオレ
は人との繋がりを希薄にしていたのかもしれない、と想像した。
どうやら、多忙を制御するために効率を重視しすぎていたようだ。反省すべきだろう。明日の鑑賞会に何人が来る
のかは分からないが、参加することにしよう。
■単なる属性の一つ
Workshop in Oral Communication and Comprehension のクラスが終わるのは 17:30 なので、次のクラスが始ま
るまでの時間をクラスメイトと数人で一緒に食事をするのが、ここしばらく習慣になっている。経済を専攻している大
学院生達なんだけど、年下のリアルタイムな学生に混じって話しをするのは楽しい。
もっとも食事といっても全員が多忙なので、ファーストフードなんだけどね。1 階は常に混雑しているのでいつも 2 階
席に行くのだが、今日の 2 階席は少しばかり雰囲気が異なっていた。ちょっと奇妙なスタイルの男性ばかりで埋め尽
くされていたのだ。
特に気にせずに食事をしていたのだが、ふと気が付くと数人がキスをしていた。ふーん。あの人はゲイなんだ程度に
思っていたが、周囲を良く見渡すと、他の男性達も手を繋いだりディープなハグをしたりしていた。えッ!?もしかして
全員がゲイなのかッ!?
全員が、ということに驚いたが、別に嫌な気はしない。ゲイ自体も珍しいことではないし、カップルばかりでファースト
フードが埋め尽くされているのは普通のことだ。New York に来た当初は、ゲイの人を見たときに恥ずかしながら気
色悪いという感想を抱いてしまったのは事実だが、今では偏見なく接することができるようになっている。
みんなそうなんだよね。New York にはゲイやレズが非常に多いので最初は驚いてしまうのだが、次第に慣れてしま
うんだよ。New York は多国籍で多文化の空間であることから、お互いの価値観を認め合うことが要求されるのだが
、そうしているうちにゲイやレズの人たちも何の変わりも無い同じ人間同士と思えるようになってくるのだ。
ところで、このトピックで少し面白いなと感じたことがある。男性はゲイに対して強い嫌悪感を示すことが多いのだが、
女性はゲイに対して抵抗感が少ないようだよな。逆もまた然りで、女性はレズに対して嫌悪感を持つのだが、男性は
レズを観ても可愛いじゃんって感じなんだよね。同性と異性の関係は不思議なことが多い。
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2003年11月21日(金)
■各自の場所を見つけることで
Angelo ビデオの鑑賞会の後、適当なメンバーでランチしたり、誰かを呼び出してカフェで雑談したり、ディナーをしたり
する。NYU の建物が密集しているヴィレッジの辺りは、こういう気楽な行動ができるので大好きなんだよな。
もちろんクイーンズやブルックリンなどもあるが、普通の人は New York といえばマンハッタンを想像すると思う。このマ
ンハッタンには様々なエリアがあり、少し移動するだけで雰囲気がガラって変わってくるんだよね。人種によって分かれ
ていたり、ファッションの雰囲気だったりなど、様々な切り口によって細かく分割されているのだ。
こういった構成となっているマンハッタンでの生活のコツは、自分のお気に入りのエリアを見つけることだと思う。オレに
とっては、このヴィレッジがお気に入りだったりする。マンハッタン自体も魅力的なのだが、この辺りの雰囲気は群を抜い
て魅力的だ。
Jazz Bar などが多数あるので、深夜を過ぎても楽器を持っている人たちが行き交いしているんだよね。またサイケデリ
ックでパンクなファッションの若者も多く、そういった人たち向けの店も多かったりする。つまり、奇抜なファッションが楽し
めるのだ。高級ではない、民衆的な音楽アートに満ちているのがヴィレッジだと思う。
更にイーストヴィレッジはちょっとした日本人街でもあるので、日本人向けの店が多いしね。NYU に通っている限り、日
本人にとって不都合は特に無い。それどころか日本の物は何でも揃うので、かなり便利だったりする。この辺りに向けて
、多くの日本人駐在員の妻がよく買い物に来ているしさ。
2003年11月22日(土)
■ウワサ好きという基本的
特性
寝ても覚めても、TV やラジオでのネタや街の中での雑談は、マイケルジャクソン関係の話しばっかりだ。ビジネスより
のニュースチャネルでさえ、トップに近い位置で取り上げているからね。需要に応えた形での供給ということを考えると、
New York の人たちにとっては、それだけ関心が高いトピックということなのだろうな。
このような下世話な芸能ニュースが好まれるのは、日本特有のものかと思っていたのだが、実は New York でも同じ
なんだな。取り上げ方も日本と似ていて、客観的で公平な内容を放送するのではなく、ある立場に基づいた一方的な
意見ばかりだった。この取り上げ方は、少し意外だったな。とにかく、ここ数日の一日の半分以上の時間が、マイケル
ジャクソン関係で埋め尽くされているのだ。日本ではどうなんだろう。
オレは自分の身の回りのことだけで精一杯だったりするので、芸能人がどうこうという話しには興味が持てなかったり
する。特に女子高生や主婦達が芸能ニュースを好きだということを考えてみると、芸能人の私生活を追うという楽しみ
は、生活や時間に余裕があるからできることなのかもしれないな。
オレの兄が洋楽好きだったことも関係しているのかもしれないが、オレも小学生ぐらいの頃はマイケルジャクソンが好
きだった。その頃は、誰でも知っている有名な外人スターといえば彼という感じだったのだ。今では音楽も含めて彼の
ことは好きではないのだが、子供の頃のアイドルというのはそれなりの思いがあるものである。TV で何度も放映され
る、整形を繰り返した顔写真には大きなショックを受けてしまった。
事実は調査中ということだから事件自体については何ともいえないけど、児童虐待は絶対に良くないと思う。ゲイやレ
ズなどの他にも性癖なんて色々あるのだろうけど、お互いに合意の上なら問題ない、とは思えるようになってきた。た
だし重要な点として、お互いに合意の上なら、ということがある。
そういう観点で、子供は NG だと思うのだ。精神的にはまだ発達しきれていないのだから、意見や考えなども未熟で不
安定である。従って、大人が容易にコントロールできてしまうわけだ。こんなコントロールは、決して合意ではない。子
供が後に後悔の念を抱くようなことは、絶対にしてはならないと思う。
人それぞれの趣味があるだろうから幼児好きな点は非難しないが、彼の財力を用いて何らかの行為をしていたのなら
、それは犯罪として厳しく取り締まるべきだろう。
ただし世の中には、一人の性癖うんぬんに絡む事件と比較にならないぐらい、深刻で影響の規模が大きい悲劇が毎
日発生していることを忘れてはならないと思う。
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2003年11月23日(日)
■それぞれの目標に向
かって
Basic Project Management のチーム作業は、無事にメールベースだけで形になってきた。目的を考えると、本当は実
際に会って話しをしたいところだけどね。休日とはいえ皆も忙しいし、オレもやることに溢れているから、アポが設定でき
ないのは仕方が無い。
一応は、それなりの貢献をしたつもりだ。チームメンバーが 5 名だったのだが、頻繁にやり取りをしたのはオレを含めて
3 人だったからね。ただし、大きな混乱も無くここまでまとまったのは、取りまとめ役として動いた一人の女性がいたから
だろう。
彼女は NYU のスタッフであり、勤務時間終了後に受講者として参加しているという立場である。NYU のスタッフは
SCPS を無料で受講できるようであり、その他の各クラスにも数人ずつ NYU のスタッフの受講者がいる。
彼女達は単なる事務処理係だったりするわけだが、キャリアの向上を意識して、このような学習の場に積極的に参加し
ている姿は美しいと思う。
■道具を道具として
今回はメールベースでのやり取りが多かったわけだが、実は New York に来てからメールを使わないようにしている。
時々は信じられないぐらいの長さを持った長文メールを書くこともあるが、普通の生活の中では一日か二日に一度ぐ
らいのチェックをして、まとめて返信をするだけだ。
メールなんか無くても、十分に価値のある生き方ができるんだよね。むしろ、必要な時の電話連絡や留守電へメッセ
ージを残しておくだけで十分だ。このような New York の生活に慣れている状態で日本にいた頃を思い返してみると
、日本人全体が病的なネット中毒にかかっているように感じられる。PC だけではなくて携帯電話メールも含めて、利
用の量や頻度が多すぎるように思えるのだ。
感覚的に忙しいという意味では、New York で研修をしている時よりも、日本で仕事をしていた時の方が圧倒的に忙
しかったと思う。ただし、その忙しさに価値があったかどうかは大きな疑問である。例えば、文字チャットのような無意
味なほど細かいメールのやり取りは、しばらくしてから虚しく感じてしまうのはオレだけだろうか。
このように、コンピュータに依存しかかっている日本人の生活パターンを疑問に感じていたこともあるせいか、メール
を使用しない生活はとても人間らしい生活に感じられる。心地よいほどだ。
ところで、今のところ New York の生活にはメールはあまり必要が無いのだが、携帯電話は必須である。外出時の
突発的な連絡で、色々な人と様々な場所で待ち合わせをするためだ。そういえばオレが日本で携帯電話を欲しいな
と思ったのも、待ち合わせ時に便利だろうということだけだったな。
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〒107-0062 東京都港区南青山4-13-16 トミタハウス201 Tel:03-3408-3825 Fax:03-3408-3852 URL: http://www.globaledu-j.com
2003年11月24日(月)
■風流を感じつつ
一時期ほどの寒さはなくなって、ここ数日は比較的暖かい日々となっている。夏が完了したぐらいの時期に激しい寒
波があったため、New York は秋が無くて夏から真冬に突入するのかと思っていたのだが、そうでもないようだ。
去年の冬はとてつもなく異常な寒さだったことを考えると、去年からの滞在者の意見はあまり参考にならないようだな
。冬の対策は、自分の身で少しずつ気温変化を確かめていくのが良さそうだ。とりあえず分かったことは、夏の終わ
りから冬に向けて、強い寒波が何度か訪れるということがある。
New York は日本と同様に四季があり、それぞれの季節に応じた生活を楽しめるようになっている。このことを当たり
前だと思ってはいけないようだ。いくつかの国の人たちと話した結果、ここまで分かりやすい形での四季を持っている
のは珍しいことなのかもしれないのだ。
最近良く思うのだが、New York は日本人に向いている街だと思う。四季を持っているということ以外にも様々な観
点でそう思うのだ。もっと多くの人たちが、New York を訪れて生活をして欲しいと思う。
■体内時計との差異
寒さは後退しているのは確かだが、夜になるのは異常なほど早くなってきている。15:00 ぐらいから暗くなり始めて
きて、17:00 には既に真っ暗なのだ。
New York に来たぐらいの頃は 20:30 ぐらいまで明るかったんだよね。だから SCPS のクラスが終わっても夜が始
まってきたかな、さてこれから何をしようかという感じだった。だが今ではその感覚は味わえなくなっている。
SCPS のクラスが始まるのはだいたい 18:30 ぐらいだから、開始時刻では既に夜空になっているわけだ。そういっ
た中を SCPS の会場となっている高校へ向かうので、いかにも夜に勉強していますという雰囲気になってくる。この
ギャップの大きさは、不思議に思える。もちろん、いつぞやの夏時間の調整のせいもあるだろうけどさ。
■情報操作の目的
こんなに早く暗くなってしまうのだから、日本のガイドブックによく掲載されてあるような、New York のいくつかの場所
では暗くなってからは出歩かない方が良いなんていうことを守っていたら、とてもじゃないが生活はできない。もちろ
ん危険からは避けるに越したことはないが、日本人の思い込みは激しすぎるように思える。
オレも、New York への出発前に知った事前情報のおかげで、最初の 2, 3 週間は夜になると危険なのではないかと
勘違いしていたのは事実だ。しかしすぐにそれは誤りだったということに気づく。今となっては、24 時間、Harlem も含
めてどこでも地下鉄で移動できるようになっている。この安全な感覚は、マンハッタンで生活しているからかもしれな
いけどさ。むしろ日本の方がよっぽど危険に思える。
ちなみに、New York を危険な場所だと思い込んでいるのは、超短期滞在の日本人だけのようだったりする。その他
の国の人々は、New York が危険という観点すらも知らないのが当たり前だ。
街中にこれだけポリスオフィサーが多くて、引っ切り無しにサイレンが鳴り響いている状況を考えつつ、犯罪者の心
理を想像してみると、犯罪をする気にはなれないということが容易に分かると思う。
しかしいくら安全な空間とはいえ、街灯の少ない郊外の暗い道を女性一人で歩くのはどうかと思うし、逆にタイムズス
クエアのような圧倒的な人込みの中では、バッグからのスリなどの軽犯罪に気を付けた方が良いと思う。それは日本
でも同じことだろう。異国の地だから何か特別な対策や行動の制限が必要ということではなく、いつもと同じような防
犯的感覚を持つ、ということが大切なのだと思う。
もちろん日本のガイドブックなどを信じて、何らかの行動制限を自らに課した生活をし続けるのも良いだろう。そのよ
うな生活で快適さを感じられるのであれば、それはそれで良い。確率の問題ということであれば、そのような対策をし
た生活の方が安全だとは思う。
だがオレは、そして超短期滞在日本人以外の圧倒的多数の人たちは、より自由に行動できる方を選んでいるんだよ
ね。なぜなら、いつ発生するか分からない犯罪を恐れつづけることで魅力的な体験を逃すということを、勿体無く感じ
ているからだ。もっともそこまで考えなくても、次第に行動範囲が広がってくるんだけどさ。要は慣れてくるんだよね。
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2003年11月25日(火)
■応じたやり方だけではなく
この前に少しばかり気合を入れて受けた Marketing Principles & Pracices のテストは、オレが想像していたよりも
良い結果で返ってきた。意見みたいなところは講師との考え方の違いで減点されたようだが、それでも基本は理解
しているということは伝わったようだ。
このような文章執筆形式でのテストだと、表現力の時点でネイティブの人たちに負けるのは当たり前だから、文法
やスペルミスなんか無視して、思いつくままに色々なことを書きまくったんだよね。テスト中の時間は執筆する内容
のみに注力することにしたのだ。そうしなければいけなかった能力の限界は、恥ずべきことだと思う。成長の指針と
していこう。
ところでこの結果について、講師がかなり驚いていたようだ。Midterms の時は貧弱な結果だったことから、オレは
何も理解していないと思っていたらしい。たった 2 週間でどうやってここまでマーケティングを理解したんだ?専属
の講師でも付けたのか?とか言われてしまった。
Midterms の失態は、事前勉強における単なる戦略ミスなんだよね。テストの前の週に全てが選択式問題と言って
いたので、大雑把な内容を把握して選択肢のキーワードから思い出せるぐらい程度で十分だと思っていたのだ。こ
のクラスの Midterms 以外にもやることが多数あったので、週に費やす時間とエネルギーのバランスを考慮したわ
けだ。
しかし実際に Midterms で出された問題は選択式ではなく、記述式であった。記述するという形で表現できるように
はしていなかったので、思うように回答できなかっただけなのだ。記述式と事前に分かっていたら、別のバランスを
取っていたと思う。今回のテストでは記述式と言っておいて、文章執筆だったわけだが。この講師は、テストごとに
意外性を持ち込む人なんだな。
後は Final レポートだけだ。他の人が作成している Final レポートを見ているので、どの程度の質と量で作成すれ
ばいいか、つまりどの程度の時間とエネルギーを割けば良いかは分かっている。この作業量を意識して、来週まで
のスケジュールに Final 作成を組み込んでいこう。スケジュール通りには、なかなか物事がうまく進まないんだけど
さ。
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2003年11月26日(水)
■気持ちの切り替え手段
思い切って、髪を切ることにした。実は New York に来てから、まだ髪を切ったことがなかったのだ。どこが安心できる
店なのかどうかも分からないし、どのように要望を伝えれば良いのかが分からなかったからね。
異国の地に限らず、何も知らない新しい土地に滞在して髪を切るのは、微妙に緊張する瞬間でもある。コミュニケーシ
ョン不足か技術力のせいかは分からないが、日本国内の日本人同士でも初めての場合は要望通りにならない場合が
多い。
ましてや言葉不自由な関係ではリスクは大きいと感じていたのだ。もちろん New York には何万人も日本人が生活し
ているので日本人スタッフだけの店もいくつかあるのだが、どうせ New York に滞在しているのなら日本人以外に切っ
てもらいたいという思いもあった。
ということで先延ばしにしていたのだが、さすがに 3 ヶ月ぐらいも伸ばしていると、ウザったくなってきているのは事実だ
。自分自身での鏡の姿や毎日会っている人たちからの意見からでは、それほど感じないんだけど、日本に写真を送っ
たりするとかなり驚かれたりするんだよね。
日本人以外の人たちも含めて何人かの意見を聞いたところ、やはり日本人が最高らしい。最高というのは技術力では
なくて、一人あたりに要する時間が長いということなんだけどさ。つまり、非常に丁寧に対応するということだ。それと比
例して、値段もかなり高額らしい。
しかし金額を聞いたところ特に高額に感じなかった。日本でのそれと同程度だろう。むしろ日本人以外の店の相場が圧
倒的に安く感じる。あまりにも安すぎる店は少し技術力に不安を感じるので、適当な価格、それでも日本の相場からは
かなり安い店に行ってきた。結果としては、なかなか良い感じに切ってくれた。
髪を切ると気分も軽くなるよね。特に、かなりの長さを切った場合はそうだ。周囲の雰囲気さえも異なって見えてくるか
ら不思議である。このような効果があるのだから、失恋した女性が髪を切りたくなるのも理解できる。
■特権は使うためにある
リンカーンセンターに行って、オペラのチケットを買ってきた。NYU の学生は、様々なチケットを格安で購入できるんだよ
ね。このようなディスカウントは、利用できる時に利用しておくべきだろう。
せっかく New York に来ているにも関わらずオペラをまだ見たことがないというのは、何となく恥ずかしいことのような気
もするしさ。もちろん実際には、何年も New York に滞在していながら、オペラを観たことが無い人なんて多数いるんだ
けどね。
オペラは日本でも観たことが無かったので、純粋に観たいという気持ちも強いんだよ。もちろんオペラ以外にも、New
York には様々な質の高いエンターテイメントがあり、まだ体験していないことが多数あるんだけどさ。エンターテイメント
好きは、絶対に New York で生活すべきだと確信している。
NYU の学生向けにこのようなディスカウントが多数用意されていることを考えると、どういう提携形態なのかは分からな
いが、授業料の中にもチケット料金が含まれているのかもしれないな。そうなのであれば、様々なことを体験しておくべ
きだろう。もちろん、時間という大きな制限事項があるのだが。
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2003年11月27日(木)
■一体感の中で
今日は Thanksgiving Day だ。New York に来てから初めての休日である。せっかくだから、Thanksgiving Day ら
しい時間の過ごし方をしよう。ということで、世界的にも有名なメイシーズのパレードを見に行くことにした。昨晩から
様々な TV 番組で取り上げられていたからね。
パレードはセントラルパークのウェストから始まるようだ。早朝からスタート場所周辺は物凄い人だかりになっている
ことが TV で分かったので、終点辺りのメイシーズ近くで見ることにした。良い場所を確保しようと思って 8:30 に待
ち合わせをしたのだが、既にその時点で身動きが取れないほどの多くの人々が集まっていた。
パレードの最後まで、つまり昼過ぎまで観ていたので体が冷え込んでしまったが、かなり面白いイベントだったと思
う。街中をアニメ風の超巨大なバルーンが数多く飛んでいるシーン、そしてそれらを見上げて子供達が騒いでいる
空間を思うと、とてつもなく非現実でシュールな感じがして楽しめた。
街全体に渡る交通規制のため、徒歩移動もままならない状況だった。多くのポリスオフィサーが出動して、完全に
街を封鎖しているのだ。ハロウィーンの時も思ったのだが、New York ではこのように街自体が封鎖されてパレード
などのイベントをすることが時々ある。
こういう日は完全に街自体の交通が停止してしまうのだが、不平や不満などからの混乱は発生していない。どこか
に移動すること諦めているというよりは、街全体でイベントを楽しんでいるんだよね。東京だけかもしれないが、日本
では考えられない状況だ。日本でこんなイベントを開催すると、近隣住民などからの不平不満が聞こえるどころか
暴動が起きてしまうと思う。
■慣習に従って
パレード後は、待ち合わせをして一緒にパレードを見た人たち買い物をしたりお茶をしたりして、マンハッタンを楽し
んでいた。この中の一人の女性は、ホームステイで生活をしているらしい。そのホストマザーがターキー料理を出し
てくれるというので、遊びに行くことにした。
New York でホームステイをしている人は、物凄く少ないように感じられる。オレの交友関係に偏りがあるのかもし
れないが、連絡を取り合う百人以上の関係の仲でホームステイをしているのは彼女一人だけだ。圧倒的多数は、
同国籍でのルームシェアなんだよね。
日本ではルームシェアという生活の仕方は一般的では無いと思う。しかし New York に住んでいる人たちは滞在に
かける費用を少しでも抑えるために、ルームメイトが何人かいることが当たり前の状況である。もちろん長期駐在員
ということで家族で住んでいる人たちもいるし、一人暮らしをしている人たちもいるのが、少なくともオレの交友関係
ではかなりの少数派だ。
夜になり、ホストマザーの家族などがどんどんと集まりだす。それぞれがワインなどを持ち込み、10 人程度のホー
ムパーティが開始された。スペイン系ということで、明るい人ばかりだった。かなり楽しい時間を過ごせたと思う。
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2003年11月28日(金)
■点と点を結んでこそ
夜のことだが、女性達とかなり長時間に渡り恋愛について語り合った。New York で生活している人たちは意識
の高い人が多いせいか、話しのノリが合うことが多い。オレは男には珍しく、女性同士が長電話するようなトピック、
例えば愛しているということは何なのか等について議論することが好きだったりする。
オレの好みの女性タイプは、様々な人との出会いや出来事を経験した中で、変化し続けている。だんだんと理想
が高くなっているわけではなくて、より適切な距離感で接することが可能な属性が分かるようになってきたというこ
とだ。
今のオレは幸か不幸かステディな相手がいない。従って誰にも迷惑をかけることもなく、多くの女性の友達を作れ
るわけだ。これはオレにとって嬉しいことだ。様々な思考や価値観に接することができるからね。独占欲の強い女
性に従った場合には、こうまで気楽に多くの女性達と情報交換することはできなかっただろう。時々いるんだよね
。男女関係に友情は成り立たないと信じている女性が。いや、男でもいるけどさ。
オレは同じ意見で共感し合うことも好きだが、自分と違う考えを持った人達と話しをすることも好きだったりする。
男女の間では脳構造自体も異なるし、後天的な生活パターンや求められるものなども異なってくるわけだから、性
別によっての価値観の違いが認められるのは当然のことだろう。権利は平等であるべきだが、違いは存在する。
そのため女性と話しをするだけでも、様々な驚きがあり楽しめるのだ。
もちろんこの差異は性別だけではなく、年齢などでも同じである。例えば 10 代の人達と会話をしていると、非常に
面白い新鮮な考えに接することができる。どうでもいいような事を真剣に悩んでいて、その悩みの相談に乗ってあ
げている途中で、まだまだガキだなと思うことはいけないことだと思う。
また、逆にかなり年上の人たちからは、その長い人生経験から学んだ貴重な意見が得られる場合もある。もちろ
ん柔軟な発想ができずに思考が硬直化していることも多いのだが、そのことを変に嫌悪しないで接すべきだと思う
。
ここまでは日本にいても経験することは可能である。だが、New York では更に国籍の違いも楽しめるのである。
この差は大きい。街自体の深いレベルから、様々な差異を排除するのではなく楽しんでいこう、という意識が感じ
られるのだ。
New York から日本を見てみると、圧倒的多数が同じ人種だけで構成された奇妙な単一文化の空間であると思
えてしまう。地域差などもそれなりに存在するが、New York と多様性と比較すると幅は小さいのだ。性別間や年
齢間ですらも分かり合おうとしていない原因は、多様性を経験していないからなのかもしれない。
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2003年11月30日(日)
■より深く楽しむために
明日はテストが二つもある。Academic Reading and Writing Workshop の Final と、Basic Project
Management のテストだ。コース全体の流れの中で多忙となる時期がいくつか現れるわけだが、受講中の
複数のコースでそれらのピークが重なると、それなりのプレッシャーになってくる。
Reading and Writing の方は今さらドタバタしても仕方ないので対策としてはグッスリ寝るぐらいだけど、
Basic Project Management の方は少なくともテキストを読み込む必要がある。問題もトリッキーだったりす
るので、読むだけではなくて内容を理解しておかなければならない。ただこのテキストはそれなりに面白いん
だよね。従って、読むことは全然苦痛ではなかったりする。
■ここにも文化がある
他にも来週の勉強向けの準備作業がある。明後日に Angelo のクラスでチームの発表があるから、Kimmel
Center にメンバーで集合して、発表準備をしようということになったのだ。ここで驚いた。Holiday のために閉館し
ていたんだよね。
別にこれは Kimmel Center だけに限った話しではなくて、いくつかの場所や店も、Thanksgiving Day のあった木
曜日から閉じたままとなっていることが多いのだ。不便ではあるが、すぐにそういうものだと受け止めることができた
。New York で生活をしてからのオレの変化の一つとして、不便さに対しての受け入れができるようになったという
ことがある。これは諦めとは違う意識である。こういう様式もアリだと認められるようになったということだ。
日本にいると祝日はその日だけという感じだが、こちらの祝日は週を祝うという感じである。いつまでたっても、
Happy Thanksgiving! という挨拶が多いしね。この様子だと、来週には祝日の雰囲気が続くのかもしれないな。
■どちらかを取れば
不安定な天気が続いているせいか、どうも体調が悪い。2 週間ぐらいに渡り風邪薬を飲んでいるのだが、こちらの
薬はとてつもなく強烈だったりする。
日本と比較して成分の密度が濃いためか、強い眠気に誘われてしまうのだ。何かをしなければならないときなどは
、その副作用を考慮して薬を飲むことを控えてしまう。そうすると眠気は発生しないのだが、風邪の諸症状のおか
げで結局は効率が低下してしまう。バランスが難しい。
体調の低下が長引くことは避けたいので、健康を大切にとは考えている。薬を飲まなくても風邪の時は眠くなりがち
になるのだから、思いっきり寝込んでみることも必要なのかもしれないな。
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2003年12月1日(月)
■周辺価値の考慮
Academic Reading and Writing Workshop の Finals テストは、それなりに気
合を入れて受験した。朝起きてすぐのテストということもあり満足のいく仕上がり
にはならなかったが、そんなに悪い結果でもないだろうと推測する。
オレは朝が弱い方なんだよな。午前中のある程度の時間帯までは、自分自身で
も頭脳が活性化していないことを認識できるぐらいだ。こういう状況で強制的に
テストを受けることは、オレとしては面白く感じている。というのも、その後はいつ
もと違うテンションで一日を過ごせるからだ。
ところでオレには大きな影響はなかったのだが、受験に関しては環境面での問
題があったのは事実だ。狭い部屋に 2 クラスが詰め込まれてのテストだったの
だ。しかも監督者の不手際が多く、テスト時間に食い込む形で時間を浪費してし
まっていた。
このことについては、テスト後に多くの人が不満を漏らしていた。あの部屋に 2
クラス詰め込むとパンク状態になることは容易に想像が付くことだし、より大きな
空いている部屋なんていくらでもあるのだからね。監督者の不手際も、単なる事
前準備不足なだけだったしさ。
もう少し、受講者のことを考えてもよさそうなものだけどな。監督者は自分の仕
事をこなしているだけという態度で、反省の面が全く見られないし。
このように、自分に与えられた作業以外のことには全く気を回さないということは
、アメリカ人の仕事のやり方の特徴の一つなんだよな。文化の違いということは
分かっているが、この態度はあまり好きにはなれないな。
■人の幅を見て
Basic Project Management のテストは、思っていたよりも簡単だった。計算問
題がそれなりにあったということが理由である。しかしオレ以外の受講者は、難
しすぎると不平をもらしていた。
アメリカ人は数学が苦手ということは聞いていたが、想像していた以上にできな
いようである。小学生の算数のレベルで難しいと不満を言うのだからね。値がマ
イナスになる引き算が含まれていただけのことで文句を言う人が多かったことに
は驚いた。
オレも社会人になってからは数学を使うことは全くなくなってしまったので、様々
な公式は記憶の彼方になっている。とはいえ四則演算ぐらいは忘れようがない
レベルのことだし、そんなことは誰でもできると思っていた。ここにきて現実は異
なるということを痛感してしまった。常識のような思い込みは危険なことなのかも
しれない。
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2003年12月2日(火)
■見える形での切り替わり
ここ数日の寒さを考えると、もし雨が降った場合には雪になるのだろうなと感じていた。予想は的中だ。つい
に雪が降り始めたのだ。激しい雪ではなかったにせよ、5 mm ぐらいが積もる程度の降雪量はあった。
ところで U.S. では気温として用いている単位が Fahrenheit だったりする。そのため当初は天気予報を見
ても、いまいちピンとこなかったものだ。Fahrenheit から Celsius の変換計算をして、納得していたのだ。し
かし今では数字と気温の関連付けができたせいか、何も考えずに数字そのものを受け止められるようにな
っている。え?35 度になるの?今日はかなり冷え込むんだな、のようにね。
身の回りには今年初めての New York を経験する台湾人もたくさんいるのだが、彼らは雪を見て興奮しま
くっていた。生まれて初めての体験らしい。オレは北海道出身なので、雪を見ても冬という季節をより深く実
感するぐらいだ。それでもやっぱり嬉しいけどね。
■相互のフィードバック
Angelo のクラスのプレゼンについては、準備時間不足により何のマテリアルも用意できなかった。というこ
とで、他チームが発表中にノート数枚に手書きでお絵かきを作成して対応した。
自分としてはうまく活用できずに失敗したと思ったのだが、このお絵かきは以外と好評だったな。ちなみにオ
レは、自由に絵を描くのは大好きだったりする。こういったことから、New York はオレの特性に合っている
街だと思う。芸術系の活動や良質なエンターテイメントに満ちているからね。
今日で授業自体は完了し、次回のクラスではパーティという予定らしい。全てのクラスにて、同様のフォーマ
ットで評価をすることが求められている。クラスの最後に講師から生徒のグレード評価があるだけでなく、講
師評価やクラス評価があるというのが面白い。この評価結果が、どの程度真剣に受け止めれられて次回の
改善に役立つのかは、次期セメスタを受講できないオレには分からないが。そういった意味においても、こ
のセメスタだけしか参加できないのは残念である。
■伝え方の変化
Marketing Principles and Pracices のここ 2 週間のクラスは、適当に選ばれた受講者の Final のプレゼン
を聞くというものになっている。
オレにとっては、今まで関わり合いのなかった全く別の業種の人の話しが聴けるので、それなりに興味深く
見ることができた。もちろんレポートとして求められていることが単なるアイデアベースなので、現実の事業
での世界とは異なるということは認識しているが、それでも面白かった。
気づいたことがある。アメリカ人のプレゼンは上手だ、という認識が日本人にはあるようだが、どうやらこれ
は誤りであるようだ。少なくともこのクラスの受講者に関しては。このクラスにはマーケティングや営業系の
人達が参加しているんだけど、特に上手いというわけではないんだよね。
もし流暢に英語が話せるのであれば、あの程度ならオレでもできる。むしろ日本で見ていた日本人のプレゼ
ンの方が効果的であるように思える。もっとも、このことはオレが日本人だから抱いた感想という可能性もあ
る。アメリカ人向けには、このクラスでやられているようなプレゼンが効果的なのかもしれない。
クラス終了後に、Final のペーパーを提出してコース完了だ。コースによって質や量にバラツキはあるが、こ
のコースはそれなりに疲れたな。準備などで求められることが多かったという意味で。
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2003年12月3日(水)
■複合芸術の一つ
Metropolitan オペラハウスに行ってきた。リンカーンセンターの雰囲気は上品な感じがしていいね。
Metropolitan オペラハウスの他にも、ニューヨーク州立劇場があったりジュリアード音楽院などが
あったりすることから、New York は芸術パフォーマンスの街だということを再認識させられる。
夜の噴水やクリスマス向けにデコレーションされた大きなツリーも綺麗だった。また、観ている人達も
年齢層が高くドレスアップして来ているので、あたかも上品なパーティの場にいるようだった。
Broadway のミュージカル群やヴィレッジでの Jazz Bar 群とは異なった雰囲気が楽しめる。
Die Frau Ohne Schatten というのが観たオペラのタイトルだ。オペラは全く分からないので、スケジ
ュール優先で選択している。おそらくドイツ語なので当初は各シートに設置されているデジタル字幕
を見ていたのが、途中からは字幕を無視してパフォーマンスに集中することにした。何を言っている
のかは分からないが、オペラはクラシック音楽なのだから歌詞が分からなくても想像で楽しめるだろ
うと判断したのだ。その判断は正解だった。十分すぎるほどに楽しめたからね。
時々は演技の方に意識を向けずに、オーケストラ音楽と歌だけに耳を傾けたりして楽しんだりもした
。クラシックの生演奏というだけでも、圧倒的な迫力があったからね。会場の影響か何かは分からな
かったが、かなり良い音質でその音楽を味わうことができた。
ステージ丸ごとが移動したり、激しく変化するライティングがあったりなど、舞台装置もかなり凄かった
。オペラのことは分からないが、作曲者が作品を創造した時点の演出とは異なっていると思う。現代
的なテクノロジを用いて再解釈しているということなのかな。音楽の場合には厳密な再生が求められ
たりするけど、オペラの場合にはある程度の自由が残されているということなのだろうか。
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2003年12月4日(木)
■成長を続けることで
Angelo のクラスは今日でとうとう最終回だ。この前の予告どおり近くのカフェでの軽食である。集合
場所となった教室の横の部屋では、ALI の Intensive コースの人達の解散パーティをやっていたの
で、少しだけ参加して挨拶しまくってきた。何らかのキッカケなどで自分のクラス以外にも友人が増
えてしまったからね。
カフェで普通にお茶しながら雑談して、解散する。週に 2 度ほど顔を合わせていた人達と会えなくな
ると思うと、少し寂しい気持ちにもなる。オレがもうすぐに日本に帰るということを伝えると、何名か
から羨ましがられてしまった。そんなことないよな。オレは、次期セメスタを受講できる人達のことを
羨ましく思っている。学習することの大切さを知ったわけだからね。次のセメスタ開始までのホリディ
も十分に楽しめるわけだし。
とりあえず、せっかく知り合った関係なのだから、これからもメールベースなどで Keep in touch し
ていきたいと思う。こういう時には、メールは便利だな。
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2003年12月5日(金)
■白銀世界の到来
New York にブリザードが訪れた。とてつもなく威力の強い吹雪である。あっという
間に雪が降り積もり、街全体が真っ白い世界に包まれてしまった。
この変化量は圧倒的である。突然の真冬状態なのだ。実際には数時間前から積
もり始めたというにも関わらず、2 週間ぐらい前から積もりつづけていたかのような
、サラサラした良質な雪質である。地面から冷え込んでいたおかげだろう。
時々、視界が悪くなるぐらい吹雪いている。New York の冬は厳しいということを
聞いていたが、もしもこれが毎日のことなら、かなり大変な生活となるのかもしれな
い。しかし、TV でも大げさなほどに取り上げているから、特別な気象だと推測が付
くな。
■効率的に生きるために
Lammy Music Vocal Class でのコンサートが近づいてきたということもあって、今
日のレッスンは歌詞を覚えているかどうかのチェックが中心となった。オレは暗記
力は弱い方だったと思っていたのだが、そうでもないようだ。
文系と理系というタイプで分けるならば、オレは根っからの理系タイプである。全く
勉強しないでもその場しのぎの計算や発想で回答できるという意味で、理系の科
目が得意だったのだ。逆に暗記を必要とするような科目は、暗記作業をしている
間の時間的意味を疑問に感じていたこともあり、不得意だった。というより、努力を
していなかったというのが現実か。
だが、NYU のいくつかのクラスを受講しテスト対策をした経験でいうと、少なくとも
オレは短期記憶力は優れているようである。短時間に詰め込んだ知識を自由に出
力できる能力はあるようだ。つまり、一夜漬けの効率が高いということだ。これらの
知識が長期記憶にまで転化するかどうかは分からないが。
暗記して覚えた知識も重要なのはもちろんだが、自分の能力をより正しく把握でき
たということの価値も高いと思う。短期記憶力が優れているということを認識してい
れば、これからの人生における自分の行動予定をより適切なバランスをもって設
定できるようになるからだ。
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〒107-0062 東京都港区南青山4-13-16 トミタハウス201 Tel:03-3408-3825 Fax:03-3408-3852 URL: http://www.globaledu-j.com
2003年12月6日(土)
■根本的なレベルでの要素
来週の予定は常にどうなるか分からない状態である。従って、Harlem の Gospel
Workshop に通うのも今日が最後かもしれない。この Workshop がなければ、Harlem
に通うこともなかったと思う。数年 New York に住んでいる人でも、Harlem へ行ったこ
とが無い人も珍しくないからね。
冷たく忙しい人が多いマンハッタンで生活をしていると、Harlem の人々の暖かくパワフ
ルなエネルギーは貴重であった。そのためもあって、オレの Harlem に対するイメージ
は、危険な場所というよりは人間味のある暖かい場所という意識でいる。
ところで、Gospel は今の音楽の基礎となっているものであるが、音楽が英語の発音自
体と強くマッチしているようにも感じられる。英語を毎日耳にしていて気づいたのだが、
英語という言語は日本語と比較して高低や強弱の幅が大きいのだ。そして、このイント
ネーションの波が音楽のノリと合っているのだ。
様々な変化を抱きつつも Gospel をルーツとした音楽は日本に伝達されてきて、今のポ
ップス音楽へと繋がっている。しかし日本語のイントネーション自体は変化しなかったの
で、歌として用いられている言語の波と音楽との間に大きなギャップがあるように思える
。日本で流行しているポップスやロック音楽のノリが悪いのは、ここにも原因があるのか
もしれない。日本語の曲でもクールな音楽は、英語風に発音したりしていることが多いし
ね。
こういうことを考えると、今の日本でやられている英語教育に最も欠けている要素は、英
語特有のイントネーションだと思えるようになってくる。ボキャブラリも豊富で文法もバッ
チリにも関わらず平坦なイントネーションで話す日本人よりも、とりあえずイントネーショ
ンだけでもモノマネしている人の方が、意思を伝える能力が高いのだ。
コミュニケーションの本質が意思疎通であることを考えると、効率という意味でイントネー
ションの重要性は高いといえる。英語という言語は、音楽的な価値にも強く依存している
と思うのだ。
■防寒の方法として
雪が完全に定着していることもあり、Workshop 後は冬用のブーツ購入などの付き合い
で Harlem をウロウロしていた。一面がフカフカの新雪で覆われているので、倒しあった
り雪ボールをぶつけ合ったりして遊ぶ。サラサラ雪なので、びしょ濡れになることはない。
しかし外気の寒さは冷たいというレベルを超えていて、痛いと表現できる領域にまで至
っている。あたかも、猛吹雪のスキー場の中で間違えて運行していたリフトで山頂に来
てしまったかのようだ。
このような寒さの中で、テンションを高くして遊ぶのは人間味があって好きだ。人と繋が
りあうという気持ちを持って心を温かくしていれば、寒さですらも楽しめるのである。
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2003年12月7日(日)
■スタート時点からのハンディ
帰国する日が近づいてきたということもあるので、そろそろ ALI ディレクターの William Jex 氏とも話し合い
をしたくなってきていた。研修開始時期以来、しばらく会っていないからね。
先週ぐらいからのアポ取り調整の結果、昼から Dr. Jex のお気に入りの Bar に集まることとなった。というこ
とで昼間からビールを飲む。オレは仕方が無い場合を除いてお酒は夜に限っている人なので、昼から飲む
のは New York に来てから初めてだったりする。
この機会では、研修に参加しての今まで感じたことなどを伝えてみた。SCPS コースを受講して感心したこと
はいくつもあるが、こちらの女性のスキルアップに対する積極性もその一つだ。オレが受講した SCPS コー
スの参加者の 7 割程度が女性であったんだよね。周囲の別コースを取得している人達に聞いたところ、他
のコースも同程度のようであった。
彼女達は転職することを強く希望していて、その際に必要となるスキルを身に付けるために SCPS コースを
受講しているんだよね。つまり、勉強と仕事が密接にリンクしているのだ。
これは SCPS に限った話しではなくて、NYU の各大学に通っている人達も同様である。将来、何々の仕事
をするために、今これを専攻して勉強している、という強い意見を持っている人達が多いのだ。将来において
必要となるという理由を抱いて納得して必死に勉強しているのである。
それに対して、日本の大学ではどうだろうか。業務を遂行する上で大学での授業が役立っているとはお世辞
でも言えないと思うし、仕事をする際に必要なスキルを身に付ける環境という意識が大学側も、そして学生
側も少ないように思える。
この差異には驚くと共に、日本人は大丈夫だろうかという不安も感じてしまう。大学の入学時点から仕事を意
識してスキルアップしている人達と対等な相手になれるのだろうか、という不安だ。そんなことを Dr. Jex と雑
談した。
■何かにすがることの価値から
軽く酔っている中を Harlem まで行く。とある教会の何周年かだかのイベントで、歌わせてもらえるということ
になったのだ。とてつもなく寒いため、酔いは速効で覚めてしまった。
ディナーをした後に始まったイベントは、とてつもなく高いテンションで突き進んでいった。教会関係だと思わ
れる表彰や、落ちがよく分からないショートコントが繰り広げられるのだ。身内と思われる観客達が騒ぎまくっ
ている。こういったイベントの間に一曲ずつステージで歌うのだが、教会全体の雰囲気には圧倒された。
観客もノリノリで一緒に合唱するのだ。比較的覚えやすいメロディーだからか、それともクリスチャンにとって
は誰でも知っている曲なのかどうかは知らないが、全員がすぐに歌い始めるのは凄いことだと思う。しかも何
度もループして、歌うことを終わろうとしないのだ。
宗教のシステムはよく分からないが、Gospel、というか黒人の人たちが通う教会は、このような興奮の渦が
活動の基本となっているのだろうか。例えるならば、日本にもある少しばかりディープなクラブで、高速で激し
いトランスやデステクノに合わせて永遠と踊り狂っている感じだ。
言うまでもなく、Harlem の人たちの方が人間的で暖かく盛り上がり方も激しいわけだが。肌の色で差別する
わけではないが、この圧倒的なパワーの時点で白人は負けていると思う。源がどこから出てくるのか不思議
に感じてしまうぐらい、彼らの勢いは凄まじい。
世界の中には、このような活動をしている人達がいるのであるということを、肌で強く感じたわけだ。このこと
は、オレにとって興味深い体験となった。もちろん、純粋にイベント自体も楽しんだけどね。
多国籍空間である New York では、キリスト教やユダヤ教を始めとして様々な宗教を信じている人が多い。
オレのように何の宗教も信じていない人はかなりの少数派となっている。時々は、お前は日本人だから仏教
だろうというステレオタイプスなレッテルを貼られることもあるが、いつもキッパリと無宗教であることを伝えて
いる。それで何らかのトラブルが起きたことは一度も無い。
宗教を信じていないことを恥じていないどころか、メリットすらも感じているしね。このように、客観的な視点で
宗教的活動を観れるのだからね。何らかの宗教の信者になってしまっては、どうしても他の宗教の活動を嫌
悪したり批判したりしてしまうと思う。そういった意味で、より公平な視点で物事を見れるというのは便利であ
るのだ。
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2003年12月8日(月)
■活用の方向性
今日は Basic Project Management の最終テストが行われた。テストの時の回は、テストを実施して答え合わ
せをするだけでクラスが終わる。このコースは何度もテストがあった。
これらのテストの価値も大きく感じているのは事実であるが。それは、勉強することに対するモチベーションとし
ての利用価値である。テスト対策をしなくてはいけないという状況が、適度な刺激となるのである。授業が
Input だけだと飽きてくるしね。
どうも日本人は研修などのスキルアップ制度に対して、Input の部分が無いと意味がないと考えがちであるよ
うに思える。オレは Output の方が大切であると考えているんだけどね。知識確認目的だけのテストとは直接
関係の無い話となるが、学んだことというのは Output ができるかどうかに価値があるのだ。
ところで、このコースで学んだことは、日本人にとっては当たり前のことがいくつかあったように思う。日本人は
誰に言われるわけでもなく、全員が Project Management の意識を持って仕事をしているんだよね。いいこと
かどうかは分からないが、あうんの呼吸のようなことが期待できるわけだ。
それに対してこちらの人々は、義務と責任と権限という意識を明確に持って仕事をしているからか、必要以外
のことは作業しないんだよね。だから、全ての作業を明確に定義してしっかりと管理する必要があるのだろう。
日本人のオレにとっては、授業のコンテンツに対してシステム化しすぎているように感じることもあった。しかし
、当たり前と思って行動していたことを、知識として体系的に整理する貴重な機会にはなったと思う。
■明るくを基本として
街は既に完全にクリスマスモードとなっている。平日に自分の行動する範囲だけでも、クリスマス系のデコレー
ションを多く見られるし、様々な場所でクリスマスソングが流れている。
通りすがりの挨拶でも、Happy Christmas! という言葉をよく聞くしさ。そして、こういった挨拶の後に全員が幸
せそうな笑顔を浮かべるのを見るのは、最高に心地よい。New York のクリスマスは素敵だということを聞いて
いたが、想像以上だ。この街全体の雰囲気は独特で良い。
日本でも場所自体は綺麗に飾られていたりはするが、そこにいる人たちが全く異なるんだよね。New York の
人たちは、心から今の時期を楽しんでいるのである。その差は大きいし、周囲の人々が笑顔で幸せに包まれ
ていると、多少悩んでいても Happy な気持ちになれるのである。
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2003年12月9日(火)
■体が資本だから
どうも体調が悪い。気温の変化が激しいことや疲労などが原因にあるかもしれないな。帰国が近づいている中、せっかく
の New York ライフを調子が悪く過ごしてしまうのは本当に勿体が無いことだ。
ということで、薬を飲んでグッスリと睡眠をとることにしよう。薬を飲むことでの副作用である眠くなることを気にしていては
いけないな。何事も健康あってのことだからね。
■言語ではなくノリの差
この文書をしばらく書いていなかったことに気が付いた。毎日何かするような作業をする場合、習慣化するかどうか
がポイントだということは把握していたんだけどね。執筆していない期間は数日ぐらいだろうと思っていたのだが、い
つの間にかそれなりの日数が経過していたようだ。
記述していない日々については無視しようかとも思ったが、このまま記憶から消去されてしまうのも惜しいので、まと
めて補完することにしよう。見返すことがあるかどうかは分からないが、その時に思考したことを記録しておくのは大
事だと思うし。
久々に日本語で多くの文を書いてみた。うーむ。どうも変な感じがする。New York 生活の中でも多くの日本人達と
会話しているので毎日日本語は使っているのだが、やはり口語と文語は違うんだよな。もちろん関連性は強いのだ
が、特に文法などで違いは存在すると思う。英語でも同じことが言えるのだろう。ベラベラ喋っているネイティブの人
でも、よく聞くと不思議な文法で話していたりするしね。
もっともこの文書については、ノリというか勢いのみで書いているということで、雑談的な口語との類似点があると思
う。それでも違和感を覚えるのは、直接語る相手が見えていないということがあるのかもしれないな。オレは、独り言
は言わない方だしね。
■自分を知るということ
New York の生活では多くのことを学んできた。自分の耐久特性をより深く知ったということもその一つにある。
つまり、今時点での自分の限界を知ったということだ。気合を入れてオレ自身に対して負荷をかけすぎた場合、ある
境界点からは疲労などにより作業効率が低下してくるわけだが、その場合の境界点とどの程度効率が低下していく
のかが分かってきたのだ。
これは、自分の行為を自分だけでコントロールできた機会だからこそ得られた情報だと思う。もちろん、普通に仕事を
していても、自分の限界を超えた作業を求められることはよくある。しかしそういった作業量や予定は外部要因により
大きく揺らぐわけだから、どの程度疲労してくるかが見えてこないんだよね。
だからつい自分の力を過信しすぎて無理をしてしまい、効率低下という結果を導いたりするんだよな。ここにおいて、
自分自身の限界という情報が、最高のパフォーマンスを出すための行動予定を立てる際に、有効となるのである。こ
の価値は大きいと思う。今現在のオレは体調がよくないので、見い出した曲線には当てはまらないのが悲しいけどね
。
こういった耐久特性以外にも、日本にいては味わうことのできなかった色々な経験により、自分自身の様々なことを
知る機会になったと思っている。あぁ、オレにはこういう側面があるのかとか、想定していたよりも能力があるんだなと
か、以外とこの辺りが弱いんだなとかね。これらのパラメータを活用することで、何かしらの事象が発生した際に、オ
レがどういう反応をしてどういう結果になるのかという予測をしやすくなったと思う。
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2003年12月10日(水)
■思考整理の方向において
Academic Reading and Writing Workshop は今日が最後のクラスである。近くのジャパレスで寿司セットを買出ししてき
てのパーティとなった。こういうイベントでも、あくまでも教室内に拘るとこが Barbara らしいな。
このクラスは、身に付くこととなるスキルが分かりやすかった。それは、英語で論文などを書く際に必要となる独特の構成
法である。大学付属の ESL スクールである ALI であるから、大学の授業参加に必要となるスキルの向上が目的となって
いるのだろう。
ところでこのスキルは大学などの授業参加においては有効なスキルであるが、社会人の研修プログラムとして参加してい
るオレにとって、今後の仕事を遂行する上で役立つのだろうかという疑問を感じていた。しかし今は、必要不可欠なスキル
であると確信している。
何を言いたいのかというメッセージを最初に思い浮かべるすることで、後のブレを抑えることができるということだけではな
い。階層的に思考することで各項目の重要性も把握できるし、言い忘れみたいなヌケも抑制できるんだよね。
このような論理的思考は、他人と直接コミュニケーションする時以外でも活用できるのだ。仕事上の問題やプライベートな
悩みなど、一人で何かしらを思考する時は多いからね。思考する際の基本的なクセとして身に付けておいて損は無いスキ
ルだといえる。
特に日本人には、いま話すべきことかという判断をせずに、重要ではないことを延々と力説している人が多いからね。しか
しオレは、英語の論文構成方をトレーニングしたおかげで、その場の流れと発言の重要性が認識できるようになっている。
つまり、あるタイミングにおける人の発言の価値が判断しやくなっているのだ。無駄な時間を削減するという観点で、会議な
どでの進行調整にも活かせるだろう。
このクラスでは、授業に対する Barbara の熱心さも気に入っていた。彼女が醸し出す厳格な雰囲気に馴染めない生徒もい
て授業後に不満を聞くことも多かったが、オレとは相性が良かった気がする。オレには、あれぐらいの厳しさが丁度いいな。
時々は一般常識に欠ける発言もあって、その彼女の天然ボケさ加減が面白かったしさ。
ALI のクラスは週に二度開催されていたので、SCPS と比較するとクラスメートと一緒になる頻度が高かった。そういったこ
ともあって、クラスメートとはそれなりに仲良くなったわけだが、これからは彼らとしばらく会えなくなると思うと少し寂しい気
もする。
■広げる手段の一歩目程度
New York にある子会社である、NTT DATA International 社と MISI 社を訪問してくることにした。New York にもオフィス
があることは何となく知っていたが、試行錯誤的な冒険をしたかったということから変に頼りたくなかったし、もちろん関連部
署も異なるので、自分なりに安定してから訪れようと思っていたのだ。その後は多忙になってしまったわけだが。今は比較
的時間的余裕はあるので、訪問するには良いタイミングだろう。
ということで、数日前にいきなりアポ取りをしたところ、あっさりと成功。当然のことながら情報共有できていないので、社員
の研修中で New York に滞在しているということは信用されていないが、押しかけてみた。彼らの業務内容も知らないので
、聞きたいことは山ほどある。
オフィスのロケーションは、かなり良い場所であった。人や雰囲気も良く、総じて明るい感じがした。いくつかの業務を手が
けている中には、うまくいっているものもあれば、そうでないものもある。うまくいっていない業務はオレの得意としている分
野なので、今後できるのならば貢献していきたいと思う。
本社のドメスティックな活動では限界がきている以上、海外展開は必須のことであるし、また実際の活動も興味深かった。
しかし、これらは本社の本業とは大きく異なる業務であるし、また本社との関係性も明確ではない。
海外拠点自体は面白いのであるが、海外で活動することでの本社へのシナジー効果が見出せていないように思えたのだ
。これからどのように海外拠点をどのように活用していくかが、これからの課題なのだろう。
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2003年12月10日(水)
■必要に迫られることでの効果
Gospel Workshop のクリスマスコンサート向けの練習が行われた。開催日程の関係からオレはコンサート自体には出場
できないのだが、Harlem にいる黒人達と一緒になれるのは面白い。平日の夜ということもあり、教会には見知らぬ人が多
く来ていた。
もちろん Harlem のなかには危険な地域もあるので、夜などに知らない場所を一人でブラつくのは避けるべきだろう。だが
、そのような危険な空間というのは非常に分かりやすいので、出歩く上では大きな問題はないんだよな。言葉ではうまく説
明できないが、ストリートに漂っている雰囲気から何故か危険度が分かるのだ。
洗練された白人達の頭脳を使用する仕事と異なり、Harlem にいる大多数の黒人達の仕事は、非常にベーシックなもので
ある。その差が関係しているのかどうかは分からないが、一つ言えることに、白人達と比較して彼ら黒人達の生命パワー
は圧倒的に大きいということがある。
彼らは常に明るくて前向きで、悩みなんか知らないみたいなノリで生きているのだ。もちろん歴史的経緯や貧困層独特の
悩みなどは、オレには想像できないぐらい大きなものがあると思うのだが、必死になって生きていることを楽しんでいるのだ
。
大学の授業の中ではテクニカルな側面において学ぶことも多かったが、Harlem を含め New York の生活では、生きると
いう深い面を思考する機会になったと思う。この思考には、今まで生きて実行してことに対する反省も含まれる。New York
に滞在した経験は、これから先の人生を設計する上で必ず役に立つと確信している。
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2003年12月11日(木)
■ヴァリエーションはあるのだが
そろそろ帰国のことを想定して行動すべき時期にきている。必要となる義務的な作業からこなしていく
ことにしよう。とも思ったのだが、楽しみたくもあるのでお土産を買いに出かけることにした。
方向性は二つある。渡す相手を想定して彼らの嗜好に合わせるか、オレが見つけて気に入った変なも
のを買うか、だ。どちらの場合でも、New York らしいものを買いたいと思う。せっかく New York に来
たのだからね。後で何のお土産なのか分からなくなるのはイヤだ。
しかし、どうも New York らしいものが思い浮かばない。マンハッタン内の様々なエリアを歩いたのだ
が、どうもピンと来るものがない。面白い物だらけではあるのだが、New York と関係しているかという
と疑問を感じてしまうのだ。多人種で構成されている空間だから、物の方向性に統一感が出てこない
のかもしれない。
色々と迷った末、結局は観光客が買うようなものにした。New York の観光名所を思い浮かべるような
グッズで I love New York というロゴが入っているものだ。この手のお土産は、いたるところで販売さ
れている。観光客気分で T シャツなんかも大量に購入した。ちなみに同じものでも、チャイナタウンで
買うとより安く購入できたりする。
■綺麗な場所にいると心も
ロックフェラセンター前にアイススケートリンクがあることは有名だが、実のところオレはまだ体験したことが
ない。1 週間程度の短期旅行滞在では、そういった有名観光地を巡ることに必死となるのだが、オレのよう
にある程度の期間の滞在となると、いつでも行けるという思いからか出足が悪くなってしまうんだよね。
しかし帰国も近づいてきているので、適当な数人で夜に待ち合わせをして遊ぶことにした。世界的に有名
なクリスマスツリーが圧倒的に美しかったな。ここまで素晴らしいとは想像外だった。日本でも素敵な場所
は沢山あるが、このクリスマスのロックフェラーセンター周辺の雰囲気には完全に負けてしまう。
デコレーションされたクリスマスツリー自体も綺麗なんだけど、集まってきている人の表情も素敵である。ロ
マンティックという言葉がピッタリと当てはまるんだよ。ちなみにスケートリンクの方は、とある団体で貸し切
られていたために利用することができなかった。とはいえ、上から滑っている姿を見ているだけでも、その
雰囲気にウットリしてしまったけどね。
あまりにも美しいので、クリスマス色で飾られた夜のミッドタウンをしばらく歩くことにした。New York にい
る時は、毎日が映画のワンシーンであるかのような雰囲気を味わえるんだけど、今日は更に特別だな。こ
のような素敵な空間にいるという事実を思うと、その嬉しさでついニヤけてしまう。
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2003年12月12日(金)
■思考の慣性モーメント
体調の悪さを抑えるために飲んでいた薬が、今日の朝で切れてしまった。帰国まで数日なので補充するのは止め
ることにした。オレの単なる思い込みなんだけど、病院や薬などの健康面では日本の方が安心できるような気がす
るんだよな。
特に副作用のようなものが気になるんだよな。アメリカでは Second opinion を取ることが当たり前だから変な結果
に導かれる確率は日本よりは低いかもしれないし、日本の医療も安心できるとは言いがたいけどね。
理性では理解しているつもりでも、事実とは無関係に勝手に思っている不安はなかなか消えないんだな、というこ
とを知った。理性だけで行動できないのは、人間ではよくあることだよな。もっとも、だからこそ人付き合いすること
が楽しいんだけど。全てが理論的に解明できてしまっては、面白くないからね。
■ 単なる儀式の価値
一通り授業は終わったので、Certification の Award が行われた。雰囲気的には卒業式のようなものだ。
Certification なんてどうでも良いと思っていたけど、いざこういう会が開かれて証書を手にすると、それなりに嬉し
い気持ちになるな。
この嬉しさは、それなりの苦労もあったからこそだろう。自分の成長にとってこれで終わりというわけではないが、
少なくとも一つの区切りではある。何事でもそうだが、続いていることに区切りが付くというのは、精神的な面での
安心感が得られるのだ。
お世話になったスタッフなどにも挨拶をして、会場を去る。この建物に入るのも今日で最後になるわけか。ここで
経験したことはオレにとって大きな価値があっただけに、様々な思い出がこみ上げてくる。
■ 与えられたものの活用レベル
ニュージャージーに発上陸してきた。一昨日に MISI 社に訪問した際に NTT DATA USA 社の存在を知って、
30 分程度で行ける距離にあることが分かったんだよね。今後のこともあるので、帰国する前には可能な限り
会社関係を見ておきたかったから、訪問することにしたのだ。
NTT DATA USA の担当者一人の連絡先を教えてもらったので、速攻で連絡して予定調整してもらったわけだ。
新しい社長が就任した直後ということもあったので、挨拶をするには丁度いいタイミングであった。施設の案内
ツアーまでやってくれたのには感謝する。
この会社も、海外で事業をしていますというレベルであり、次の一歩を見出せていないようであった。本社の事
業が超ドメスティックなだけに、海外展開をしている子会社があるということでも企業広報的な価値はあるだろ
うが、どうせやるのであれば本気で取り組んでもらいたいものだ。せっかくの機会や環境を活かしたビジネスと
いう可能性は、いくらでもあるのだからね。
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■行動の抑揚の一致加減
MISI 社のクリスマスパーティに呼ばれたので、参加してきた。飲み放題のオープン BAR で気の利いた音
楽が流れているという、なかなか楽しい雰囲気であった。会社レベルでこういうクリスマスパーティをやるの
は、アメリカの会社らしい気がするな。
酒が入っている中で音楽が流れると、自然とリズムを取ってセンス良く踊りだすというのは、日本ではなか
なか見られない光景である。日本人でも酔っ払って踊る人はいるのだが、リズム感が全然違うんだよね。
音楽面での文化的相違があるにせよ、他の国籍の人々はダンスが上手いだけに、どうも恥ずかしさを感じ
てしまう。
このパーティの中でも従業員の人々と知り合うことができた。総じて彼らはオレのことを暖かく迎えてくれた
し、色々と面白い話も聞けたのも嬉しかった。どうせなら、もっと早くに訪問しておけば良かったな。人脈が
もっと広がっただろうしね。つまり、子会社へ訪問する価値を見誤ってしまったわけだ。これは反省すべき
点の一つだな。
New York 周辺の子会社の中では、この MISI 社が最も活気があった。彼らとはノリというかが合うんだよ
ね。こういう人間関係のノリが合うかどうかは、非常に重要なことである。オレの能力としても業務貢献でき
る部分が大きいだけに、仕事面でもプライベートでも付き合い続けていきたいものだ。
■感じられるほどの適合性
MISI 社のクリスマスパーティでは、New York 滞在を続けるために会社を辞めた人たちに会った。彼らから二次
会に誘われたので、意見交換をしてきた。さすがに長期で滞在しているだけあって、日本人にとって良い店などの
詳しい情報を聞くことができた。
New York は魅力的な空間だから、会社を辞めてでも New York に滞在をしていたいという決断は理解できる。
アメリカでは転職することが当たり前だし、New York にいる多国籍かつ多人種の様々な人間の生き方を見てし
まっては、一つの会社に属していることの意味に疑問を感じてくるのは当然のことだ。
そして、人生における限られた時間という観点でみれば、その人生価値を高めていきたいという欲求を持つのは
自然なことである。日本で生きるよりも New York で生活を続けた方が、人生の価値が高くなるという感想は、オ
レ自身も抱いている。
人は、自分の居場所を求めて彷徨い続けている生き物であるようにも思える。その自分の居場所というのは、楽
という観点での判断ではない。より価値の高い時間を過ごせるかどうか、という意味での快適さである。オレもとう
とう自分の居場所を発見した、という感じなんだよね。もちろんその場所というのは、New York である。
オレは、比較的フットワークが軽いと言われることからも分かるとおり、オレとしても一つの会社に拘っているつも
りは全くない。むしろ、外へ目を向けて活躍していきたいと思っている。しかし今の会社には海外研修に参加させ
てもらったという恩があるのだ。少なくとも、研修の対価となるフィードバックはしていきたい。
そしてそのフィードバックというのは、業務遂行していく中で行っていくことになるわけだ。モチベーションや相性と
いう観点からも、効果的かつ効率的にフィードバックする方法として、New York を始めとする国際業務に関わる
ことでフィードバックしていきたいという希望を強く抱いている。
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2003年12月13日(土)
■動機付けの差
荷物の整理を進めなくてはいけない。生活の立ち上げのために多くの物品を購入したわけだが、部屋を明け渡す
ために、これらの処分に迫られている。住んでいた部屋は綺麗な場所だったので、綺麗さを維持する必要があるわ
けだ。
TV やコンポなどの電気製品は、捨てるには惜しいが日本に持ち帰ると機材重複してしまうもので困っていたりする
。人にあげる約束をしたりしたが、それらの個別対応も面倒だったりする。個別に日時調整したり再調整したりの連
絡は、それなりの煩雑な作業になるのである。
帰国に関してはできるだけ手持ちで行きたかった。しかし、滞在中に入手もしくは作成したテキストや紙資料などは
相当な量になっており、持ち運ぶのは不可能な状態である。仕方なく、段ボール箱にまとめて郵送することにした。
郵便局では長時間待たされたあげく、かなり雑な対応を受けた。何度にも渡る経験により、接客を行うサービス業
のレベルは日本とは比較にならないぐらい低いことは把握していたが、それでもイライラさせられる。日本では 5 分
で終わるところが、30 分ぐらいかかってしまうのだ。トラブルが起きた場合は、たらい回しにさせられて、数時間か
ら数日かかってしまうこともあるしね。
働くことに対する責任の意識の差なんだろうな。たとえば昼休み前や窓口終了時刻前などは、もう私は休み時間と
なるので新しい仕事をしませんということを、当たり前かのように言ってきたりするしね。単位時間あたりの出力向
上に対する努力をしない習慣が染み付いた、公務員のような対応だ。
従業員の行う行為を明確に定義することでのメリットも大きいが、定義された作業以外のことをしないことの弊害も
大きいということを、サービス業に接する度に実感している。たとえ顧客が不満を抱いたとしても、そんなことは私の
知ったことではない、という態度なのだ。
日本のサービス業では、本当の意味での意識が浸透しているかどうかは別として、顧客の満足度を高めることに
対して積極的である。顧客の持つ不満を解消することを重要と判断しているので、使う側からすると色々と気が利く
んだよね。業務内容が明確でなく、あいまいな目標での提示だからできるサービスだと思う。もちろん、このことでの
弊害も色々とあるけどね。
■残された時間だから
薬を飲むことを諦めたわけだが、かなり苦しくなってしまっている。強い薬により症状を抑えるように見せかけていた
だけであり、実際にはかなり酷い状態だったようだ。頭痛と全身のダルさも物凄いものがあるが、咳の連発が最も大
きな症状である。
そのためカスレ声しか出なかったりするのだが、Gospel Workshop に参加してくることにした。もう最後ということで
会いたい人も多かったしね。ここでの出会いも大切にしていきたいと思う。日本で生活を続けていては接することがで
きない人たちだったからね。
夜は、Lammy Music のミニコンサートをとある女子寮で行う予定になっていた。声を出すと咳き込む状態なので、コ
ンサート中は大きな声を出せないようにして参加することにした。帰国も目前と迫れば迫るほど、様々なことを経験し
たいという思いが強くなる。だから、予定していたことを、健康状態により不参加ということは避けたいのだ。
この建物は女性専用であるが、ロケーションもいいし、何よりも料金がかなり低額であった。男女差別と思えるぐらい
にまで良い環境なのだ。ここ以外でも New York では女性が優遇されている場所が多い。この街は日本の街と比較
して、女性にとってより過ごしやすい空間になっていると思う。
グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社
〒107-0062 東京都港区南青山4-13-16 トミタハウス201 Tel:03-3408-3825 Fax:03-3408-3852 URL: http://www.globaledu-j.com
2003年12月14日(日)
■周囲の人々の思いからも
咳き込みが続き、ほとんど寝れない状況であった。あまりにも苦しいので体温を測定して
みる。40 度近い熱があった。道理で苦しいハズである。今までは発熱しないように強い
薬を飲んで誤魔化してきていたが、薬を飲まないでいると実はこれぐらいの症状であっ
たようだ。帰国直前としては、悲しいことである。
頭がフラフラする状態であるが、Lammy Music のメンバーで午前中に会場集合して、リ
ハーサルをする。仕事やプライベートに関わらずオレは多くのイベント準備を経験してき
ているのだが、リハーサル特有の微妙な緊張感は好きだ。
リハの後は講師いきつけのカフェに行き、そこでも披露する機会を与えられた。そこで
ホっとするひと時を過ごしていると、コンサートの開催時間が近づいたので会場に戻る。
コンサートには想像していたよりも観客が来ていたので、楽しい経験となった。New
York で体験しているということを思うと、嬉しくなってくる。
コンサート後は、メンバーで講師の家へ集まり打ち上げを行った。このような楽しいひと
時を過ごせる人たちから帰国を引き止められると、日本に帰らなくてはいけないという事
実が本当に残念に思えてしまう。
■出会いがあれば
帰宅してからは荷物詰めを進める。整理が進むに連れて、様々な経験が思い出へと
変化していくことを感じる。様々な思い出が詰まった部屋も、今ではガラーンとした部
屋となっている。
旅立ちは明日の早朝であることから、蜜に連絡しあえる日は今日が最後である。そう
思い、何人かに電話をした。日本に帰ると彼らとはしばらく会えなくなると思うと、悲しく
もあり、また寂しくもある。
日本から離れる時は、友人達と会えなくなることでの寂しさは全く感じなかった。しかし、
New York から離れる時は強い寂しさを感じている。どうせ 3 ヶ月ちょっとでまた会え
るという事実と、もしかしたらもう会えないかもしれないという不安の差だろう。
存在する環境の変化は人間関係の整理の良いタイミングだと思っているのだが、今回
は全員と keep in touch していきたい。関係を続けて行きたいと心の底から思える出
会いが多かったからね。
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■12月14日日記の続き
こういった環境からの刺激は大きい。自分として何が足りないのかということも分かってきたしね。自分
の欠点を修正し長所を伸ばすということだけでも、学び続けることの大切さはある。知り合った人たちか
ら受けた、夢実現に対する真剣さからの影響は大きく、日本に帰ってからも勉強を続けたいという欲求
が沸いているのが本音だ。
実際のところ、今の時点で日本には帰国したくないというのが正直な気持ちである。当初は生活の立ち
上げも大変だったし、分からないことばかりであった。だが様々な試行錯誤を経験した結果として、よう
やく大学で授業を受けるという生活に慣れてきたという状態なのである。
1 セメスタを一回ししてみて、授業の流れであったり、どの時期でどの程度忙しくなるのか、ということを
把握したと思う。注力できるかどうかという観点でこの差は大きいし、また行動選択する上での材料とも
なるのである。もし次期セメスタも受講できるのであれば、より効果的な形で授業参加できると思うのだ。
次期セメスタを経験できないのは、本当に残念である。
ちょうど今、着陸するので電子機器を電源を切ってくれ、というアナウンスが機内に流れた。そうか。つ
いに日本到着か。さてと。
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2003年12月15日(月)
■思考記録のひとつ
長時間飛行機に乗りながら、今までの経験を振り返っていた。たった数ヶ月だったとはいえ、人生の中で最も
高密度な時期だったと確信している。
大学を卒業し入社してからは、仕事が生活の中心となってしまう。寝ぼけながらのまま出社し仕事に突入し、
深夜まで仕事をして帰宅して寝るだけ、という毎日が続く。週末も仕事をしていて、気が付くと自分自身を見
失っていることも多い。そういうタイプの人は、日本の社会人には多いのではないだろうか。少なくとも、自分
の周りには溢れかえっている。
今の行為が、自分としてやりたいことだったのかどうかということに疑問を感じない状態のまま、黙々と仕事を
こなしていく。それなりの給料をもらっているのだが、使う時間もないし何に使っていいのかも分からない。今
この瞬間に、何を目指して生きているのかという質問には答えられない。答えられたとしても、今やっている
行為との関連性を見出すことはできない。
こうなってしまう理由は、自分自身を見つめ直す機会がないからだと思う。入社当時には葛藤を感じることが
通常だ。いわゆる 5 月病といったものも、含まれると思う。だが、次第に自分のことを考えないという過ごし方
に慣れてくる。何も考えずに流される、というのは楽でもあるのだ。
しかし、はたして、それで生きているといえるのであろうか。New York での生活を体験して、自分を見つめ直
す機会は必須だと感じている。
New York では生涯教育が当たり前であり、また各個人も各々の夢の実現のためにスキルアップに必死と
なっている。その夢は自分のビジネス実現のようなものもあれば、子供の頃から抱いていたシンプルなもの
だったりもする。New York という街は芸術活動にも盛んなため、後者の匂いも強く漂っていることは、自分に
は合っていた。
夢を捨てる必要がない理由としては、質の高いスクールなど、夢実現の手段が豊富に用意されているからと
いうこともある。また、多様な価値観が混在する環境だから、様々な生き方を認めて尊重しているということも
あるだろう。その生き方はおかしい、一般的ではない、間違っているなどのような観点を持つものはいなく、自
由な夢を抱き続けることに自信が持てるのだ。
諦めなくても良いという希望を抱き続けられるのは、気持ちいいものだ。だから、何歳になっても成長すること
に挑戦し続けていることが普通の感覚となっている。生涯教育でやっています、というような構えた意識は彼
らにはなく、当たり前のように皆がやっていることなのである。
何歳になっても新しい人生を切り開く可能性を信じられる、ということは日本とは大きく異なる点であると思う。
変化してきたとはいえ、日本の環境ではまだまだ終身雇用の意識は根付いているし、とりあえず入社した会
社を辞めることに対する恐怖感は大きく、夢を目指すことは非現実な考えと受け取られがちである。
夢を追うことは大人になりきっていないからだ、という考えが日本では一般的だ。しかし、オレは夢を持たない
大人にはなりたくない。それならば、子供の心のままでいられる New York で生きていきたい。
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