「APB基金芸術賞2014」展より、右が最終候補にノミネートされた渡辺豪《ひとつの場所、あるいは〈部屋〉の上で》（2013）、左が大賞を受賞した、ホー・ツーニェン《ピタゴラス》（2013）上─マイケル・ジャンセン・ギャラリーより、ティタルビの作品《世界像》下左─小山登美夫ギャラリーのブースにて、ライブドローイングを展開する三宅信太郎（写真右）と、フェアのディレクターロレンツォ・ルドルフ（写真左から2人目）下右─ 会場で作品集のサイン会を開催した、ギルバート&ジョージプルデンシャル・アイ・アワード2015の授賞式にて。大賞を受賞したChim↑Pom Singapore 新しい風を感じさせる、シンガポール・アートウィーク2015 編集部＝文芸術政策に力を注ぐシンガポールで、1 月17日から25日の約 9日間、多数のアートイベントが集中するシンガポール・アートウィークが開催された。目玉となるフェア「アートステージ・シンガポール2015」は 29 か国より197のギャラリーが参加し、5万1000人を動員した。5回目を迎える今回は、新進作家を集めた「東南アジア・プラットフォーム」展、映像作品の企画展「ビデオ・ステージ」、そして西洋・アジアの近代美術を紹介する展示スペースを新たに設け、東南アジアにおける国際フェアとして次なる方向性を示した。会場ではパブリック・スペースにインドネシアのティタルビから千住博まで多彩な作品が並び、ギルバート＆ジョージが作品集のサイン会を行うなど、華やかさを添えた。またビデオ・ステージ展のほか、出品ギャラリーでもアラタニウラノの渡辺豪、香港のクァイ・ファン・ヒン・ギャラリー（李豊軒）が扱うリー・リーナム（李二シンガポール Text by BT 「プルデンシャル・シンガポール・アイ」展 Prudential Singapore Eye 1月17日∼3月31日アートサイエンス・ミュージアム ArtScience Museum ＊6 Bayfront Avenue Singapore Tel. +65-6688-8888 10:00∼19:00 無休「APB基金芸術賞2014」展 Asia Pacific Breweries Foundation Signature Art Prize 2014 2014 年11月14日∼3月15日シンガポール美術館 Singapore Art Museum ＊71 Bras Basah Road Singapore Tel. +65-6589-9580 （金∼21:00） 10:00∼19:00 141 140-141_WN_シン��ール.indd 140-141 男）など、映像作品に新しい表現を感じるものが多かった。またフェア周辺の各ギャラリーもそれぞれ重厚な個展を開催。オオタファインアーツやミヅマアートギャラリーほか17 軒のギャラリーが集まるギルマン・バラックスでは合同イベントを開催、深夜まで展示を見ることができ、多くの人で賑わった。なかでも南洋理工大学（ NTU）が運営するCCAシンガポールで行われたヤン・フードン（楊福東）の個展は、多数の映像作品を、広い会場内の大スクリーンで堪能でき、圧巻であった。そしてアートウィーク中に話題となったのは、プルデンシャル・アイ・アワード 2015の Chim↑Pom大賞受賞のニュースだった。これから国際的な活躍が期待されるアジアの若手作家の発掘と顕彰を目的とするこの賞は、まだ 2 回目と歴史は浅いが、授賞式では韓流スターも登場するなど、華やかさではアートウィーク、ピープルズ・チョイのイベントのなかでも随一。絵画や彫刻（リュウ・ジャンフォア）など各部門賞と大賞がそれぞれ１組ずつス賞は台湾の姚瑞中（ヤオ・レイヅォン）選ばれ、そこから大賞受賞者として会場と、いずれも国際的に活躍する作家が選で名前が呼ばれた瞬間、ガッツポーズをばれた。日本からは渡辺豪が最終候補ま決めた Chim↑Pom 。賞金 5 万ドル（約で残ったが悔しくも受賞を逃した。 593万円）が贈られ、今秋にロンドンの芸術振興政策によるインフラの整備サーチ・ギャラリーでの個展の機会が約やアートフェア、ビエンナーレの開催など束されている。同賞の作品展には、インドによって現代美術は根付いてきた一方、ネシアのアイ・チョー・クリスティン、マ西欧諸国に比べ、それ以前の芸術の歴レーシアのシャーマン・オン、日本からは史は浅いシンガポール。だが、今年 5月にチームラボ、名和晃平らノミネート作家は、近代美術を軸とするフランスのピナの作品が並び、アジア美術の現在を俯コテーク・ド・パリの分館「シンガポール・ピナコテーク・ド・パリ」が、旧イギリス軍瞰できる展示となった。もう一つ、シンガポール美術館でファの施設をリノベーションしたフォート・カイナリスト展が開催された、同館とアジニング・アートセンター内にオープン。まア太平洋酒造協会（ APB ）が主催するた近代の東南アジアおよびシンガポール APB基金芸術賞では、シンガポールの作のアートを収蔵するナショナル・ギャラ家、ホー・ツーニェンが大賞を受賞。受賞リー・シンガポールも今年開館予定と、近作《ピタゴラス》（2013）は、映像とインス代美術のコレクションを持つ美術館がタレーションを組み合せた、演出的要素増え、シンガポールのアートシーンによりの強い作品。審査員賞は中国の刘建幅と厚みが増すことが期待される。「アート・ステージ・シンガポール会場風景 2015 」アート・ステージ・シンガポール2015 Art Stage Singapore2015 1月21日∼25日マリーナ・ベイサンズ・コンベンション・センター Marina Bay Sands, Expo & Convention Centre ＊10 Bayfront Avenue, Singapore Tel. + 65-6224-4975 12:00∼19:00 140 15.3.6 3:07:56 PM