科目シラバス - 日本医療大学

基 礎 教 育 科 目
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
102001
科 目 名
生命科学
科目担当責任者: 幸田 敏明
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
「生命」について、細胞学、発生学、分子生物学、生理学、遺伝学などの各学問から、生
命科学の基礎的知識を学ぶ。生命の基本的単位である細胞の生命活動を支えるエネルギー起
源と身体の恒常性維持機能について、栄養・代謝、ホルモン・生体防御などの知識から理解
する。遺伝子の自己複製と遺伝情報の発現の仕組みを概説し、生命の連続性と多様性につい
て理解することで、人間一人ひとりが、かけがえのない多様な生命の一個体であることを理
解するとともに、生命の尊厳について科学的視点から考えることを目的とする。
1.生命の存在原理について理解する
2.遺伝、発生、代謝、環境応答の仕組みを理解する
3.現代のバイオ技術を理解する
基礎教育科目
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
遺伝子と進化
生命の成り立ちと多様性、セントラルドグマ
2
発生と分化
細胞分化、受精、個体形成
3
細胞
細胞周期、がん、アポトーシス、老化
4
神経系
神経細胞の働き、可塑性
5
代謝
栄養、エネルギー代謝
6
内分泌
ホルモン、ホメオスターシス、環境応答
7
免疫
自己と非自己、感染応答、アレルギー
8
バイオテクノロジー
クローン技術、iPS 細胞と再生医療、ゲノム編集と社会
授業計画
成績評価方法
出席数、定期試験により評価する。
教科書 『みんなの生命科学』
(化学同人)
教科書・参考文献
広範な領域を浅く講義するので、予習・復習に加え、興味ある点はさらに深く自分で調べ
学生へのメッセージ・ ることが望ましい。
履修上の留意点
―
20
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
102002
科 目 名
心理学
科目担当責任者: 松本真由美
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
医療の対象者を理解する場合に、欠かせないのが人を全人的にとらえる視点である。本講
義は心理学の入門として、幅広い心理学の基礎的知見を紹介し、心理学的に人間を理解する
視点を涵養することを目的とする。内容としては現代心理学の諸領域を概観し、人の心のし
くみについて学ぶ。また、日常のさまざまな場面や状況における人の行動や反応に対して、
心理学的知識や理論にもとづき理解し、考察する。さらに、心の健康についても学習を深め、
心の病を身近なものとして理解することを期待したい。人の発達の領域は「発達心理学」で、
社会心理の領域は「人間関係論」で取り扱い、本講義で多くは触れないため、2 つの講義も
合わせて受講することが望ましい。
1.心理学の基礎的知見を理解する。
2.心理学の知見にもとづき人間理解を深める。
3.心の健康と心の病について理解する。
1
テ ー マ
導入
授 業 内 容
医療職にとっての心理学、心理学の諸領域に関する解説:
心とは何か
2
知覚
情報処理と認識:感覚・知覚・認知、視知覚(奥行き知覚、
錯視)、社会的認知(認知のバイアス)
3
記憶
4
感情
記憶の分類(短期記憶と長期記憶)、記憶をつかさどる脳(海
馬を中心に)
、忘却(記憶実験)
、記憶のテクニック
基本感情、感情表出(微笑の発達、自己意識、情動調律)
、
情動理論(キャノン・バード説等)
、感情コントロール(怒
授業計画
りのコントロール)
5
動機づけ
モチベーションのメカニズムとコントロール(マズローの
階層モデル、内発的動機づけ、外発的動機づけ、原因帰属、
学習性無力感)
6
学習
7
言語
古典的条件づけ、オペラント条件づけ、般化、分化、消去、
強化、観察学習、行動療法
言語の発達(前言語的コミュニケーション、発語の発達)
、
言語の構造、言語の機能、文の理解
8
心の健康
心の病とは、精神疾患の理解(代表的な精神疾患・症状・
原因等)、ストレスとストレス耐性、精神疾患を持つ人々へ
の配慮
成績評価方法
教科書・参考文献
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
学期末の筆記試験(70%)と、講義時間内に行なう課題(30%)をもとに評価する。
教科書は特に指定しない。各回の講義時にプリント資料を配付し、その中に提示されてい
る参考文献に目を通してほしい。また、課題の書き方については『学修ハンドブック』を活
用してほしい。
「心理学」から得られる知見を日常生活と結びつけ、理解するよう心がけましょう。
―
21
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
102004
科 目 名
倫理学
科目担当責任者: 森口 眞衣
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
「倫理」とは価値や規範としての「ありかた」を問い続ける学問であるが、医療はその「あ
るべき」姿を追いかけることの困難さを実感し続ける現場である。医療人としての倫理観を
もち育てていくために必要な知識・視点・方法を身につけるため、「命の倫理観」に対する
歴史的背景や日常感覚との接点について学習する。
1.医療人として倫理を学ぶ必要性を理解する。
2.医療倫理の領域における基本的な考え方と視点を身につける。
3.倫理観・価値観に関連した様々な概念について、その基盤となる歴史的・日常的視点を
理解する。
4.自分の考えを言葉で表現し、他者に伝えることの重要性を再認識する。
基礎教育科目
回数
1
テ ー マ
ガイダンス
授 業 内 容
導入:医療人と倫理
∼医療人はなぜ倫理を学ばなければならないのか∼
2
医療倫理学の基礎①
医療倫理学における基本的な理論と原則
∼倫理的評価をするための基礎概念∼
3
医療倫理学の基礎②
医療倫理学の視点と方法論
∼トラブルの原因をさがすための考え方∼
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
4
医療倫理学の原則①
5
医療倫理学の原則②
医療者の「あたりまえ」を考えてみよう
6
臨床の医療倫理①
医療者の「行き違い」はなぜ起きるのか?
7
臨床の医療倫理②
8
まとめ
「生命」のグレーゾーンを考えてみよう
「人(ヒト)
」とはそもそも何なのか?
視点と「患者の物語」
各回の平常点(40%)および最終演習課題(60%)によって評価する。各回の平常点には
レポートによる意見提示を含んでおり、段階的に加点する。
特定の教科書を用いるのではなく、個別に準備する資料を用いて横断的に学習する。
参考文献は講義の中でそのつど指示する。なお『学修ハンドブック』を持参すること。
各回の内容は互いに連関しているので、階梯的に思考を深めてほしい。なお、受講者の関
学生へのメッセージ・ 心や講義の進行状況に応じて、授業内容を適宜変更することがある。
履修上の留意点
―
22
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Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
102005
科 目 名
生命倫理
科目担当責任者: 森口 眞衣
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
現代の医療では技術の進歩に伴い、従来の生命観や価値観がさまざまな変化を遂げている。
社会で暮らす多くの人々にとって、生命倫理をめぐる場面のほとんどは非日常的な状況とし
て訪れるものであり、十分な心構えのないまま突然の自己決定を強いられるのが現実であろ
う。しかし医療人にとって生命倫理にまつわる問題は業務の中で絶えず考えさせられる、い
わば日常的なテーマである。講義で取り上げる基本的な概念や理論について、自ら考え、言
葉で表現し、他者に伝える実践を重ねることにより、学生が個人また医療人として自らの倫
理観・生命観・価値観を磨いていくことを目的とする。
1.医療人として生命倫理を学ぶ必要性を理解する。
2.生命倫理の領域における基本的な考え方と視点を身につける。
3.医療と「生命」をめぐって生まれる問題を多角的に分析・考察する姿勢を身につける。
4.自分の考えを言葉で表現し、他者に伝えることの重要性を再認識する。
1
テ ー マ
ガイダンス
授 業 内 容
導入:生命倫理とは
∼医療職における生命倫理的視点の必要性∼
2
生命倫理学の基礎
生命倫理問題を考えるために必要な理論と原則
∼「倫理的な判断をする」とはどういうことか∼
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
3
生命の終わり①
4
生命の終わり②
誰もが望む「安らかな最期」とはどんな形なのか?
5
生命のはじまり①
人間に「命の選別」は本当に許されているのか?
6
生命のはじまり②
新たな「命のデザイン」はどこまで許されるのか?
7
医療技術と倫理
社会に必要な「医療の平等」を考えてみよう
8
まとめ
患者の立場と「物語」
「患者の自己決定」をどう支えればよいのか?
各回の平常点(40%)および最終演習課題(60%)によって評価する。各回の平常点には
レポートによる意見提示を含んでおり、段階的に加点する。
特定の教科書を用いるのではなく、個別に準備する資料を用いて横断的に学習する。
参考文献は講義の中でそのつど指示する。なお『学修ハンドブック』を持参すること。
各回の内容は互いに連関しているので、階梯的に思考を深めてほしい。なお、受講者の関
学生へのメッセージ・ 心や講義の進行状況に応じて、授業内容を適宜変更することがある。
履修上の留意点
―
23
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基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
102008
科 目 名
宗教と思想
科目担当責任者: 森口 眞衣
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
古代世界の伝統的な思想を知り、人々が哲学や信仰を通してどのような思想や価値観、文
化を形成してきたかを知る。特に宗教は医療と様々な点でつながりがあるため、歴史的観点
から概観することにより、宗教が社会や人々に与えてきた影響について考える。宗教の古典
文献に描かれた内容から古代世界における人々の考え方を理解したり、当時の状況で実践さ
れていた医療の姿を想像したりすることにより、異なる価値・信念を持つ人々とどのように
相互理解ができるかを考察する。人々の暮らしの中にある宗教的現象を見つめることで、
「宗
教」が「思想」
「文化」としてどのように生活に根付いているかを考察する。
1.医療人として多様な価値観に触れる必要性を理解する。
2.日常生活に溶け込んでいる宗教的概念を知り、社会との関係を分析する。
3.宗教文献に描かれた古代社会の生活や医療の姿を知り、歴史的な違いを考察する。
4.自分の考えを言葉で表現し、他者に伝えることの重要性を再認識する。
基礎教育科目
回数
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
1
ガイダンス
2
仏教と人間①
3
仏教と人間②
仏教経典に描かれた古代インド医療:名医と治療
4
仏教と人間③
古代仏教の有名人たち:出家者をめぐる人間関係
5
古代インドと人間①
古代インドの学生と人生:法典文献と日常生活
6
古代インドと人間②
法典文献に描かれた古代インド医療:アルコール問題
7
古代インドと人間③
宗教と日常の「けがれ」
:思想と実践
8
まとめ
日本人の日常生活に溶け込む「文化背景」としての宗教
「お経」とはどういうものなのか?:伝来の歴史
「宗教的なもの」の受容について
各回の平常点(40%)および最終演習課題(60%)によって評価する。各回の平常点には
レポートによる意見提示を含んでおり、段階的に加点する。
特定の教科書を用いるのではなく、個別に準備する資料を用いて横断的に学習する。
参考文献は講義の中でそのつど指示する。
各回の内容は互いに連関しているので、階梯的に思考を深めてほしい。なお、受講者の関
学生へのメッセージ・ 心や講義の進行状況に応じて、授業内容を適宜変更することがある。
履修上の留意点
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24
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Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
103001
科 目 名
人間関係論
科目担当責任者: 松本真由美
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
成績評価方法
教科書・参考文献
医療現場では医療専門職と対象者との間に密接な人間関係が成立することから、円滑な人
間関係の維持が求められる。本講義では人間関係に関わる心理学的基礎として「自己理解」
、
「他者理解」
、
「相互理解」について取り上げる。また、人間関係を維持する具体的なスキル
についても学習する。さらに、とかく医療専門職と対象者との間には上下関係が生じやすい
ことから、パターナリスティックに陥らない人間関係にも注目し、学習を深める。
1.自己理解を深める。
2.他者理解に関わる理論について理解する。
3.相互理解に必要なスキルを理解する。
4.人間関係の円滑な維持について理解を深める。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
自己理解とパーソナ
リティー
自己理解:自己理解の3視点(自己分析、他者からのフィー
ドバック、データの活用)
、パーソナリティー
2
心理検査、パーソナ
リティー検査
自己開示、性格の理論、心理検査の種類、心理検査の妥当
性と信頼性、パーソナリティー検査
3
パーソナリティー検
査の実際①
パーソナリティー検査の種類、パーソナリティー検査の利
用、YG性格検査の解説
4
パーソナリティー検
査の実際②
交流分析の理解、自我状態、対話分析、人生態度、ストロー
ク、ゲーム分析
5
他者理解
顔認知、社会的認知、印象形成、バランス理論
6
相互理解①非言語的
コミュニケーション
表情理解、視線、動作と姿勢、対人距離(パーソナル・スペー
ス)、位置、近言語、接触、場の構造
7
相互理解②援助関係、 援助関係(援助行動、援助する側の心理、援助を要請する
側の心理、ソーシャルサポート)、社会的スキルの発達とト
社会的スキル
レーニング
8
対象者を支える人間
関係、まとめ
人間関係とコミュニケーション、不適切なコミュニケーショ
ン(パターナリズム、ダブル・バインド)
、円滑なコミュニ
ケーション(傾聴、アサーション)
学期末の筆記試験(60%)と、講義時間内に数回実施する課題(40%)をもとに評価する。
教科書は特に指定しない。各回の講義時にプリント資料を配付し、その中に提示されてい
る参考文献に目を通してほしい。また、課題の書き方については『学修ハンドブック』を活
用してほしい。
本講義は医療専門職として、対象者を幅広く理解するための一助となることを目指してい
学生へのメッセージ・ ます。社会心理学の知見にもとづく内容となりますので、毎回上げる参考図書や資料のいく
履修上の留意点
つかを実際に読むことを心がけましょう。
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25
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基礎教育科目
授業計画
1年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
103002
科 目 名
文化人類学
科目担当責任者: 林 美枝子
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
「地球市民の基礎教養」といわれる文化人類学は、心理学と同じ考現学の一種である。今・
ここにあるモノやヒト、ことがらが、文化化された事象を扱う唯一の学問でもある。その目
的は異文化理解力を身に着け、他者を深く理解するとともに、自らの文化・社会を正確に認
識することにある。また、具体的な事例を、聞き取り調査と参与観察による現地のフィール
ドワークで収集し、データ化するという特徴がある。
下位分類が多様なこの学問から、医療関係者を目指す学生達には是非一度は聞いてほしい
医療人類学を中心に講義する。
文化相対的視点を理解し、相手の立場に共感するための基礎力である異文化理解力を身に
着け、患者を文化化された個人として見つめる力を涵養する。生物医学としての疾病や治療
だけではなく、また別のオルタナティブな病い観や癒しに接することで、健康観の視野を広
げることを目指す。
基礎教育科目
回数
1
テ ー マ
文化人類学入門
授 業 内 容
・文化相対的視点、考現学、暗黙知、3つのキイワードで
学ぶ文化人類学入門
・「贖罪の学問」としての経緯と現在の役割
2
方法論について
・フィールドワークとは何か 聞き取りと参与観察、ラポー
ルの確立を求めて
3
医療人類学入門
・医療人類学の誕生とその成果
・生物医学の相対化と WHO の健康観について
4
身体観・通過儀礼
・可食性の文化比較、食人習俗の研究から
・男、女、第3の性、
「一人前」への道のり、産育の民俗
授業計画
5
死生観・葬送儀礼
・「死の起源神話」、他界観、黄泉がえり
・遺体の処理について、葬送儀礼、改葬儀礼
6
伝統的医療資源
・伝統的医療資源の処方復活について 沖縄の離島と中国
農村部の調査事例
・シャーマン レイモンド・ファースの定義から
・東北アジアにおける治療師の系譜
7
病医論
・日本のハレ・ケ・ケガレの循環論と憑きもの筋の事例、
ミクロネシア連邦ポンペイ島の病観と病因論
8
成績評価方法
教科書・参考文献
医療人類学の現在の
・disease ではなく illness、身体と疾病の文化化について
課題
・新たな健康阻害要因は何か
授業終了時に意見や感想を書かせる。
(10%) ワークシートの提出を 2 回求める。(20%)
授業内容に関する筆記試験を実施する。(70%)
教科書は特に指定しない。授業中に推薦図書をその都度示す。配布物が多いため、専用の
ファイルを用意すること。
学生へのメッセージ・ おもしろい学問である。広い視野を身に着けることで、将来、医療関係者として様々な患
者に対応する力を養える。
履修上の留意点
―
26
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Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
103003
科 目 名
社会学
科目担当責任者: 林 美枝子
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
他者と関係を結ぶことで成り立つ「社会」は、我々に様々な影響を与える。本講義ではミ
クロ、マクロ的領域の多様な社会の中から、家族、職場、地域社会を対象にその特徴と変容
について解説する。家族社会学の成果から日本の近代家族の特徴について解説し、その崩壊
について晩婚化・晩産化、ひとり親家庭の増加について学習する。また 1999 年以来の男女
共同参画社会の推進を理解するためにジェンダーの社会学の成果から DV や性暴力支援の現
状を学習する。労働に関しては特にワークライフバランスについて学ぶ、最後に医療社会学
から、超高齢社会の到来がもたらすあらたな地域社会作りや健康への取り組みを学習する。
21 世紀型家族がいかに多様化しているかを、人口動態的視点やジェンダー論からまずは理
解する。また、身近な家族や地域社会に置き換えて、これらの課題を理解できるようになる
こと。
授業計画
テ ー マ
授 業 内 容
1
社会学入門
社会とは何か、群れるという人の習性とその機能
2
家族1
家族社会学、20 世紀家族とは何か
3
家族2
21 世紀家族の模索、その多様性からの課題
4
ジェンダー
DV、性暴力被害者支援の現状
5
貧困と格差
貧困の定義、現代日本社会の貧富による格差
6
労働
労働環境の現状、ワークライフバランス
7
高齢化
人口減少社会における問題と対応策、介護を中心に
8
医療社会学
2025 年の課題、地域包括ケアシステムがもたらすもの
授業への取り組み姿勢(課題の提出)30% 定期試験 70%
成績評価方法
教科書・参考文献
教 科 書:本田由紀『社会を結びなおす 教育・仕事・家族の連携へ』岩波ブックレット No.899 岩波書店 520 円
参考文献:『北海道社会とジェンダー 労働・教育・福祉・DV・セクハラの現実を問う』札
幌女性問題研究会 明石書店 2800 円(購入しなくても可)
学生へのメッセージ・ 配布物が多いため、この授業専用ファイルを用意して下さい。
社会でおこっているできごとに留意すること。
履修上の留意点
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基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
103005
科 目 名
法学
科目担当責任者: 坂井 千之
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
1年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
授業の概要
1人の社会人として、また医療に従事する者として必要な、日本国憲法の基本的な知識と
人権感覚を身に付けるために、日本国憲法の基本的な考え方、統治の構造、基本的人権の保
障について学びます。憲法は誰のためにあるのか、日本国憲法の基本原理はなぜ基本的人権
の保障、国民主権、平和主義なのか、現実の憲法問題に対して日本国憲法はどのように機能
しているのかについて解説します。
講義では具体的な憲法問題を取り上げ、日本国憲法が現実にどのように解釈され、運用さ
れてるいのかについて、判例・学説を紹介しながら解説し、その問題点を理解することを目
指します。
到達目標
1.日本国憲法の根底にある価値観と3つの基本原理の存在理由を説明できる。
2.日本国憲法の統治機構、基本的人権についての基本的な知識を修得する。
3.基本的な憲法問題に対して、日本国憲法はどのように機能するか、法的根拠を示して説
明できる。
基礎教育科目
回数
1
テ ー マ
憲法とは何か
授 業 内 容
立憲的意味の憲法、
明治憲法と日本国憲法、
日本国憲法の制定過程、
憲法の基本原理の相互関係
2
平和主義
平和主義の理念と日本の防衛、 9条で放棄されているも
の、 個別的自衛権と集団的自衛権、
授業計画
3
国民主権(1)
権力分立と統治機構(国会、内閣、裁判所)
4
国民主権(2)
選挙制度、地方自治、憲法改正
5
基本的人権(1)
基本的人権の原理と限界、公共の福祉
6
基本的人権(2)
包括的人権(幸福追求権と新しい人権)、 法の下の平等
7
基本的人権(3)
精神的自由権(思想・良心の自由、信教の自由と政教分離、
表現の自由)
8
成績評価方法
教科書・参考文献
基本的人権(4)
経済的自由、
身体の自由、
社会権
授業内容の理解を問う宿題レポートで 30%、定期試験で 70%の評価をします。定期試験
では、架空の憲法問題に対して、日本国憲法がどのように機能するのか、なぜそうなるのか
についての説明を求める論述式の筆記試験を行います。
教科書:
「目でみる憲法 第4版」初宿正典ほか、有斐閣(2011)
参考書:
「憲法 第六版」芦部信喜、高橋和之補訂、岩波書店(2015)
:
「憲法への招待 新版」渋谷秀樹、岩波新書(2014)
単位を取得するためには、ただ出席するだけでなく、集中して講義を聴いてノートを取り、
学生へのメッセージ・ 復習することが大事です。講義内容でわからなかったことはそのままにせず、授業後質問す
るか、参考文献で調べるなどすることが必要です。憲法を理解するには、社会で起きている
履修上の留意点
憲法問題に関心をもつことも有益です。
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28
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Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
103006
科 目 名
教育学
科目担当責任者: 鈴木 敏正
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
1年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
代表的な教育思想とその歴史的背景に焦点を当て、教育は人間が生きる上でどういう意味
を持っているのか、また社会の中でどのような役割を果たしているのかという二つの点から
考察する。教育の本質を人間の発達と学校教育のあり方(内容と方法)
、教育を取り囲む社会、
法制度との関連で明らかにする。古典から現代までの教授学と教育方法、日本国憲法と教育
基本法に規定された日本の教育のありかたと現代教育の課題についても考える。
本講義では、教育学の基本をふまえ、現代教育改革の基本課題を理解した上で、21 世紀的
課題に応える具体的な教育実践のあり方を考えることができるようにする。
到達目標
1
テ ー マ
21 世紀の教育改革
授 業 内 容
新教育基本法下の日本の教育改革の動向を、改革方向につ
いての意見の違いを含めて理解する。
2
21 世紀型学習とは?
ユネスコや OECD が求める 21 世紀型学習とそれに対応する
日本での課題を検討する
3
教育とは何か
教育に関する自分の経験とこれまでの諸説をふまえて、教
育の本質と基本形態について考える
4
子どもの権利条約と
子どもの権利条約・条例により、子ども観の重要性を理解
子ども観
するとともに、持続可能な発展の視点からも重要となって
きている世代間・世代内連帯の視点から教育の意味を考え
授業計画
る。
5
教育制度と公共性
教育制度とは何かを理解し、現代教育改革の基本的論点に
ついて検討する
6
学校・家庭・地域の
今日の重点政策課題となっている「学校・家庭・地域住民
連携
等の連携協力」について、歴史的経過と最近の実践例から
考える
7
8
教育実践の論理と実
教育内容と教育方法の統一としての教育実践の展開方向に
際
ついて、具体的実践例によって検討する
ともに育ち合う地域
子どもと親・大人そして教師と教育関連者が学び合うこと
づくりへの教育計画
の必要性を、地域での実践例にもとづいて理解し、当事者
すべてが育ち合うことができるような地域づくりのあり方
を考える
成績評価方法
教科書・参考文献
質問紙の提出 40%、中間まとめ 30%、最終試験 30% の結果による
鈴木敏正著『新版 教育学をひらく−自己解放から教育自治へ−』
(青木書店、2009 年1月)
学生へのメッセージ・ テキストや配布資料をよく読んでおくこと
履修上の留意点
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29
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
103007
科 目 名
北海道史
科目担当責任者: 栗本 瑞恵
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
1年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
授業の概要
私たちの祖先は、いつ、どのようにして北海道に移住し、今日までの生活を築いてきたか?
この授業は、近現代を中心に、その足跡を歴史資料に即してあとづけることにより、民衆の
暮らしの場から北海道史を検証しようとするものである。授業では、受講生各人とともに、
歴史資料を時代に位置づけて読み解く作業をとおし、名も無き民衆の営為を追体験し、その
知恵に学びたい。
到達目標
・北海道史の基礎的知識を身につける。
・資料をもとに歴史を再構成する方法を身につける。
回数
1
テ ー マ
授 業 内 容
基礎教育科目
ガイダンス
授業の内容・方法および履修上の留意点
北海道の時代区分
北海道とは?
2
北海道の古代・中世
アイヌ民族とアイヌ文化
3
北海道の近世
松前藩の成立・近世の松前・蝦夷地1
4
北海道の近代1
近世・近代の松前・蝦夷地
5
北海道の近代2
行政区画の変遷
北海道移住と道内移住
授業計画
6
北海道の近代3
農村・漁村の暮らし1
7
北海道の近代4
農村・漁村の暮らし2
8
北海道の近代5
女性の暮らし
都市の暮らし
戦争と民衆
成績評価方法
教科書・参考文献
授業態度・提出物(50%)、学期末に行われる論述形式の筆記試験(50%)により評価する。
資料プリントを配布するとともに、授業内容に関連する文献を適宜紹介する。
<参考文献>
長沼孝ほか『新版北海道の歴史』上 古代・中世・近世編(北海道新聞社,2011 年)
関秀志ほか『新版北海道の歴史』下 近代・現代編(北海道新聞社,2006 年)
田端宏ほか『県史1 北海道の歴史 第 2 版』(山川出版社,2011 年)
永井秀夫ほか『北海道の百年 県史百年史1』(山川出版 1999 年)
桑原真人・川上淳『北海道の歴史がわかる本』(亜璃西社,2008 年)
関口明ほか『北海道の古代・中世がわかる本』(亜璃西社,2015 年)
山本博文編『あなたの知らない北海道の歴史』(洋泉社 2012 年)
榎本守恵著『北海道の歴史』(北海道新聞社,1981 年)
榎本守恵著『北海道の歴史 ジュニア版』
(北海道新聞社,1983 年)
教師の描く歴史像を相対化し、自分のものとするためにも、可能な限り配布物や関連文献
学生へのメッセージ・
を読んでほしいと思います。
履修上の留意点
履修者の関心や進捗状況により順番や内容が適宜変更されることがあります。
―
30
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
103008
科 目 名
ボランティア活動
科目担当責任者: 山下 浩紀
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(8)
地域福祉の時代となった今、これまで以上に住民全体によるボランティア活動に期待が寄
せられている。活動分野は近隣地域福祉だけではなく、環境保護、社会教育など様々である。
とくに、近隣地域福祉では、地域の住民の参加が不可欠となる。実際に、近隣地域福祉に参
加するために必要となるボランティアの概念や意義、現状、課題、さらには今後のあり方に
ついても考えていく。以上を理解したうえで、実際にボランティア活動に参加し、地域貢献
を果たすうえでの基礎知識、基礎技術、コミュニケーションを学習する。
1.ボランティアの意義とボランティア活動の基礎を学ぶ。
2.ボランティアの現状と課題、今後のあり方を理解する。
3.ボランティアの体験を通じて、自身との関わりを理解する。
授 業 内 容
1
ボランティアとは
現代社会とボランティア、ボランティアの主体性とは
2
歴史
ボランティアの歴史、ボランティアの価値
3
ボランティアの実際
災害とボランティア、生活とボランティア
4
地域におけるボランティア
5
ボランティアの選択、促進、組織化
6
ボランティアの体験
ボランティアの体験
7
ボランティアコー
ボランティアコーディネート
授業計画
ディネート
8
成績評価方法
テ ー マ
総括
まとめ
出席及び授業態度(50%)、レポート(30%)、グループ演習(20%)
教科書は特に指定しない。参考文献は適宜紹介する。
教科書・参考文献
ボランティアの理念や活動を理解することは、社会生活において役立つことが多くあり、
学生へのメッセージ・ 自分自身の知識を広げることや、見識を深めることにもつながると思います。履修において
は、積極的な参加を期待します。
履修上の留意点
―
31
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104009
科 目 名
物理学
科目担当責任者: 桑原 修
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
自然科学の基礎である物理学は、医療系学生、特に診療放射線学科では必要不可欠な科目
です。物理学の基礎的な法則を知り、専門基礎分野への導入として基本的な事項を学習しま
す。具体的な内容としては、力学、熱力学、電磁気学、量子力学及び放射線発生の基礎とな
る物質の構造や性質について学びます。また、物理的な考え方や表現方法を身につけます。
1.力学に関する基本的知識を理解する。
(運動方程式、運動量、力学的エネルギー)
2.波動に関することが理解できる。
(波動を表す式、反射、屈折、干渉等)
3.電磁気に関する基本的知識を理解する。
(静電気、直流回路、磁場、電位誘導、交流)
4.原子・素粒子の基本知識を理解する。
基礎教育科目
回数
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
1
運動の表し方
ガイダンス、等速運動、加速度運動
2
力と運動の法則
運動の法則、運動方程式、万有引力、バネの力
3
いろいろな運動
2物体の運動、重力中での運動、摩擦力の働く運動
4
力積と運動量
力積、運動量、運動量保存の法則、反発係数
5
力学的エネルギー
仕事、エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー
6
直線上を伝わる波
波とは、波の基本式、縦波と横波、波の重ね合わせ、定常波
7
平面・空間を伝わる波
ホイヘンスの原理。波の反射、屈折、全反射
8
音波・光波
音の三要素、音の反射屈折、固有振動、光の反射屈折偏光
9
静電気力
帯電、クーロンの法則
10
電界と電位
電界、電気力線、ガウスの法則、電位
11
コンデンサー
コンデンサー、誘電体、コンデンサーの接続エネルギー
11
直流回路
オームの法則、抵抗の接続、キルヒホッフの法則
12
電流と磁界
磁石による磁界、電流による磁界、電流が磁界から受ける力
13
電磁誘導と交流
電磁誘導、交流
14
電磁波
電気振動、電磁波の発生、電磁波の種類。
15
原子核の崩壊と放射
電子、原子と原子核、原子核の崩壊と放射能、波動性と粒
能、波動性と粒子性
子関、素粒子
定期試験(70%)、提出物・参加態度(20%)、小テスト(10%)
教 科 書「基礎物理学(上)
・
(下)」潮秀樹監修。森北出版社、
(2013)
補助教材「基礎物理準拠問題集」潮秀樹監修、森北出版社(2013)
診療放射線学科の専門知識の基礎となる物理学は、1学年において確実に身に着ける必要
学生へのメッセージ・ がある科目です。高校で物理学を履修しなかったも含め、確実に身に着けるためには、学生
の皆さんの、積極的な参加が求められます。補助教材の問題集も自主的に活用し、自宅での
履修上の留意点
復習に積極的に取り組んでください。
―
32
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104010
科 目 名
化学
科目担当責任者: 住吉 孝
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
物質の性質、構造、化学変化を原子や分子レベルの視点から理解するための基礎知識を修
得する。
医療系の専門基礎科目を学ぶために必要な化学の知識について学習する。具体的には物質
の基本単位としての原子、原子核、原子番号、質量数、電気素量、イオン、同位体など物質
の構造や性質を学ぶ。さらに、各単位定義の重要性を身に付ける。また、物質を構成する原子、
分子、分子構造および化学結合など物質の成り立ちを系統的に学習する。
1.原子、分子、イオンについて基本的な特性を理解する。
2.化学結合の種類や分子構造について説明できる。
3.物質量、濃度、pHなどの計算方法を身につける。
4.化学反応の進み方や化学平衡について説明できる。
1
テ ー マ
原子の構造
授 業 内 容
物質をつくる最小単位の原子を構成する電子、陽子、中性
子が発見され、原子の存在が確定された歴史を学ぶ。
2
原子の電子配置
原子の性質は電子の振る舞いで決まることをボーア・モデ
ルとシュレディンガー方程式が明らかにしたことを学ぶ。
3
元素の周期表
原子番号順に並べると原子の性質には周期性があること、
それが電子配置と関係していることを学ぶ。
4
化学結合1
共有結合がオクテット則、共鳴や分子軌道法で説明できる
ことを学ぶ。
授業計画
5
化学結合2
金属とイオン結晶の性質の違いは正電荷と負電荷の間に働
くクーロン力で説明できることを学ぶ。
6
化学式と化学反応式
化学的現象をわかりやすくかつ簡潔に表す化学反応式の書
き方を学ぶ。
7
8
成績評価方法
教科書・参考文献
化学反応式と物質量、 化学変化を量的に表すための原子量、分子量、物質量や溶
モル濃度
液の濃度の求め方を学ぶ。
化学反応の進み方と
化学反応の進む方向を決めるエネルギー変化と平衡現象、
平衡
反応速度の表し方、酸と塩基について学ぶ。
出席状況 10%、授業態度(質疑応答など)
10%、
期末定期試験 80%の割合で総合的に評価する。
教科書 「基礎化学 12 講」 左巻健男編著、化学同人、
(2008)
参考書 「教養としての基礎化学」
馬場正昭著、化学同人、
(2011)
「改訂版 フォトサイエンス化学図録」 数研出版、(2013)
講義を通じて化学の基礎知識を習得すると同時に、論理的に考える力を身につけてください。
学生へのメッセージ・ 高校化学未履修者は、予習および復習に積極的に取り組むことで理解を深めてください。
履修上の留意点
―
33
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104011
科 目 名
生物学
科目担当責任者: 鵜飼 渉
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
生物についての基礎知識は、医療従事者として専門科目を学習するための基礎として必要
不可欠であるとともに、生命倫理観をもつためにも重要である。本科目では生物の生命現象
を細胞、組織、器官、固体の各レベルから概観し、生物学の基礎を幅広く学習し、専門基礎
科目へつなげることを目的とする。具体的には、生命の基本単位である分子、細胞、組織か
ら遺伝子まで生体の成り立ちを系統的に学習し、最終的には細胞周期と放射線照射とのかか
わりなどの導入部までを理解する。
1.生命科学の基本的な概念を理解する。
2.生命現象のしくみについて、遺伝・膜構造・代謝の面から理解する。
3.生命現象のしくみについて、増殖・形態形成・恒常性と環境応答の面から理解する。
4.バイオテクロノジーと生命倫理の現状について理解する。
基礎教育科目
回数
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
1
生物とは何か
生命科学と現代社会のかかわりについて学ぶ
2
生命の設計
生命はどのように設計されているか細胞レベルから学ぶ
3
ゲノム情報
ゲノム情報の発現について調節しているしくみから学ぶ
4
発生
複雑な体のつくられ方について発生・分化のしくみから学ぶ
5
脳・がん
脳はどこまでわかったか、がんとはどのような現象か学ぶ
6
食と健康
ヒトの食とエネルギーについて代謝の基本経路から学ぶ
7
免疫と環境
免疫応答のしくみと生物多様性・生態系の構造を学ぶ
8
生命技術と倫理
バイオ技術の進展と生命倫理のあり方について学ぶ
定期試験(85 ∼ 90%)、参加態度(10 ∼ 15%)により評価する。
教科書「現代生命科学」、東京大学生命科学教科書編集委員会 / 編、羊土社(2015 年 02 月発行)
参考書「基礎から学ぶ生物学・細胞生物学 第3版」
、和田勝 / 著・髙田耕司 / 編集、
羊土社(2015
年 11 月発行)
ノートを準備し、示す重要箇所は、必ず書き込みながら講義を受けてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
34
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104004
科 目 名
生活と運動
科目担当責任者: 本田 理紗
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
生活動作と運動量、運動機能と心肺機能の仕組みを理解し、身体運動を通して、身体の変
化と効果を学ぶ。体力低下や運動不足から生じる健康問題について学び、持久力、筋力アッ
プの体力づくりや、ストレッチ、柔軟体操、野外活動など、疲労回復やストレス発散を目的
としたリラクゼーションの原理と方法について学ぶ。地域散策や集団ラジオ体操などの地域
コミュニティとの交流や、冬の雪道歩行、雪かきにおける安全な身体運動の方法など、生活
における運動を健康科学的視点から考える。
1.自らの体力を把握し、日常生活の中での運動の大切さを理解する。
2.様々な運動の方法を体験し、自らの健康維持・増進に役立てることができる。
3.集団での運動の効果や楽しさを理解し、コミュニケーションや人間性の向上を図る。
授業計画
テ ー マ
授 業 内 容
1
自らを知る
ガイダンス、簡易的な体力測定、姿勢チェック
2
レクリエーション
レクリエーション的な動きを取り入れて体をほぐす
3
ストレッチ
色々なストレッチ方法やラジオ体操
4
有酸素運動①
音楽に合わせて体を動かす①
5
有酸素運動②
音楽に合わせて体を動かす②
6
有酸素運動③
道具を使用し体を動かす①
7
有酸素運動④
道具を使用し体を動かす②
8
筋力トレーニング①
自重トレーニング
9
筋力トレーニング②
自重トレーニング
10
野外活動①
ウォークラリー①
11
野外活動②
ウォークラリー②
12
野外活動③
野外レクリエーションの紹介
13
コーディネーション
身近な道具を使用して体を動かす①
運動
14
コーディネーション
身近な道具を使用して体を動かす②
運動
15
成績評価方法
教科書・参考文献
まとめ
初回との比較、まとめ
授業の参加態度・意欲・積極性(40%)課題の達成度(30%)提出物(30%)
レクリエーション支援の基礎(財団法人日本レクリエーション協会)
健康運動実践指導者養成テキスト(財団法人 健康・体力づくり事業財団)
学生へのメッセージ・ 動きやすい服装及び上履き(運動靴)を着用する。(スカート、スリッパ不可)
履修上の留意点
意欲的に参加することが望まれる。
―
35
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104005
科 目 名
健康とスポーツ
科目担当責任者: 本田 理紗
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
寿命をのばす運動プログラム、腰痛、肩こり改善の運動プログラム、高齢者の転倒・骨折
予防の運動プログラム、肥満予防の運動プログラム、生活習慣病予防の運動プログラムなど
を実際に体験し、健康づくりの運動のあり方と実践的な指導方法および評価法について学ぶ。
また、民間でおこなわれている健康教室のプログラムなどから、運動が健康づくりにどう取
り入れられているか、グループ運動の効果やスポーツ文化として人と人との交流にどう役
立っているかを学ぶ。
1.健康と運動の関連について理解をし、運動を自ら実践することができる
2.様々な年代の運動プログラムを理解する
3.グループでの運動の効果や楽しさを理解し、コミュニケーションを図ることができる
基礎教育科目
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
体力測定
ガイダンス、様々な年代の体力測定方法を学ぶ
2
健康教室プログラム
20 代に合わせたプログラム体験
実践①
3
健康教室プロブラム
20 代に合わせたプロブラム体験
実践②
4
健康教室プログラム
中高年に合わせたプログラム体験
実践③
5
健康教室プログラム
中高年に合わせたプログラム体験
実践④
6
授業計画
健康教室プログラム
高齢者に合わせたプログラム体験
実践⑤
7
健康教室プログラム
高齢者に合わせたプロブラム体験
実践⑥
成績評価方法
8
ニュースポーツ①
ドッチビー
9
ニュースポーツ②
アルティメット
10
ニュースポーツ③
キンボール
11
ニュースポーツ④
ミニバレー
12
プログラム計画
各グループでプログラム計画を行う
13
プログラム計画
各グループでプログラム計画を行う
14
プログラム実践
プログラム実践を行う
15
プログラム実践
プログラム実践を行う
授業の参加態度・意欲・積極性(40%)プログラム作成・実践(40%)提出物(20%)
教科書・参考文献
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
36
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104012
科 目 名
数学Ⅰ(指数・対数・三角関数)
科目担当責任者: 伊東 孝明
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
1年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
数学の基礎的項目で代数・指数・対数・三角関数を中心に講義を行う。医療系学生として
専門基礎領域で学ぶ放射線物理学や医用工学では、基本的な計算技能が不可欠であり、数学
的な考え方や計算技能について学習することが目的である。具体的には、典型的な方程式、
指数・対数関数、三角関数などで登場する一般的な公式を理解し、計算問題の解法を学習し、
自然科学の波・音・電磁気・放射線などへの応用計算・技能の向上を図る。
三角関数、指数関数、対数関数の基本的な性質や特徴を理解し、関連する問題を解くこと
ができる。
到達目標
テ ー マ
授 業 内 容
1
三角関数①
関数関係の表し方 三角比の定義 ラジアン単位と一般角
2
三角関数②
三角関数の値
3
三角関数③
三角関数の基本グラフ y=sinx, y=cosx, y=tanx 平行移動
と拡大
授業計画
4
三角関数④
さまざまな周期の三角関数のグラフ
5
三角関数⑤
三角関数の公式 三角形の面積と余弦定理、正弦定理
6
三角関数⑥
三角関数の公式 加法定理と三角関数の合成
7
逆関数
逆関数の求め方 逆三角関数
8
指数関数①
指数と指数法則
9
指数関数②
累乗根の指数表示 10
指数関数③
指数関数とグラフ 指数関数の性質 ネピア数について
11
指数関数④
指数関数演習
12
対数関数①
対数と対数法則
13
対数関数②
対数と対数法則 底の変換公式 常用対数と自然対数
14
対数関数③
対数関数とグラフ 対数関数の性質
15
対数関数④
対数関数演習
定期試験、
レポート、
小テスト、
出席等により総合的に評価します。
(詳しくは第1回目の授業)
成績評価方法
教科書 「大学新入生のための微分積分入門」
石村園子 著 (共立出版)
教科書・参考文献
診療放射線学部の学生にとって数学は、物事を解明や究明するための道具です。基本的な
学生へのメッセージ・
仕組みを理解して使いこなせることを目指してください。
履修上の留意点
[履修上の注意]必要に応じて適宜プリントを配布して授業内容を補足します。
―
37
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104013
科 目 名
数学Ⅱ(微分・積分・微分方程式)
科目担当責任者: 伊東 孝明
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
1年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
専門教育では、放射線の減弱や放射能計算、放射線発生装置を正しく取り扱うにために、
放射線物理学や医用工学的知識が必要となる。これら理工学的知識の習得には微分・積分・
微分方程式といった解析学の数学的理解が必要不可欠となる。本科目では、理工学系専門教
育の基盤となる数学概念の理解と計算技能の修得を目的とする。具体的には、解析学の微分
積分が利用される理工学的計算問題を題材に基本概念についての理解を深し、計算技能を身
に着けることを目的とする。
1.微分および積分の考え方や方法を理解し関連する問題を解くことができる。
2.微分方程式の基本的な解法を習得する。
到達目標
基礎教育科目
回数
1
テ ー マ
微分①
授 業 内 容
微分係数 導関数 微分計算 和、差と定数倍の微分公式
積と商の微分公式
授業計画
成績評価方法
2
微分②
微分計算 合成関数の微分公式
3
微分③
2階(次)導関数 関数のグラフ 4
積分①
不定積分の定義 不定積分の基本計算
5
積分②
置換積分 部分積分
6
積分③
定積分の定義 定積分の性質 定積分の基本計算
7
積分④
定積分の置換積分と部分積分 面積 回転体の体積
8
微分方程式①
微分方程式と解 1階微分方程式の解法(変数分離形)
定期試験、レポート、小テスト、出席等により総合的に評価します。
(詳しくは第1回目
の授業)
教科書 「大学新入生のための微分積分入門」
石村苑子 著 (共立出版)
教科書・参考文献
診療放射線学部の学生にとって数学は、物事を解明・究明するための道具です。基本的な
学生へのメッセージ・ 仕組みを理解して使いこなせることを目指してください。
[履修上の注意]必要に応じて適宜プリントを配布して授業内容を補足します。
履修上の留意点
―
38
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104014
科 目 名
数学Ⅲ(統計学)
科目担当責任者: 伊東 孝明
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
1年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
社会現象や自然現象の記述から得られるデータを統計学的に処理・分析するための基本的
な考え方を習得することを目的とする。具体的には、母集団からのサンプリング、データの
種類、代表値の表し方、様々なグラフでの表現方法、データ分布の考え方など学習する。ま
た、専門基礎教育課程で実験データの適切な統計学的処理を行うための基礎的な学習を行い、
実際の実習講義や実験で得られるデータ等の解析が行えることを目的とする。
1.データを整理して、特徴を表や数値などで処理することができる。
2.少ないデータの特徴から全体の特徴を推測する基本的な考え方を理解する。
到達目標
1
2
テ ー マ
データの整理
データの種類、グラフ表現
データをまとめる
度数分布表の作り方とヒストグラムの描き方
データの代表値
データの代表値の定義 その求め方
標本調査
調査の方法、母集団と標本の考え方 標本調査法
3
データの散らばり
平均値、分散、標準偏差の求め方
4
データの相関
2変数データの関係 散布図と相関係数の関係
5
場合の数と確率
起こりうる場合の数、順列・組合せ 2項定理 事象の確率
6
確率分布①
記述統計と推測統計 離散型確率分布、2項分布の平均、
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
授 業 内 容
分散
7
確率分布②
連続型確率分布の平均と分散の定義
8
確率分布③
正規分布の定義 標準正規分布の確率の求め方
定期試験、
レポート、
小テスト、
出席等により総合的に評価します。
(詳しくは第1回目の授業)
教 科 書 「初歩からはじめる統計学」石村園子 著 (共立出版)
参考図書 「マンガでわる統計学」
高橋信 著 (オーム社)
作業を面倒がらずにこつこつ取組むこと。
学生へのメッセージ・ [履修上の注意]必要に応じて適宜プリントを配布して授業内容を補足します。
履修上の留意点
―
39
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104015
科 目 名
情報科学
科目担当責任者: 杉本 芳則
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
1年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
PC の利用は様々な分野で広く普及しており、ICT 技術も高度化し、PC の操作はもとより
取得した情報の処理や情報の発信に関しても身に付ける必要がある。本講義では、最初に2
進数や 16 進数といったコンピュータ内での情報の伝達処理について理解を深め、各ハードウ
エアの動作目的などハードウエア全体を理解したうえで、基本ソフトウエアと応用ソフトウ
エアのかかわりと概念を学ぶ。さらに、プログラミング言語やネットワークトポロジーなど
も含めインターネット社会を取り巻く PC 環境全般を学ぶ。
コンピュータの基本構成・周辺機器・動作原理について説明できる。
到達目標
基礎教育科目
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
基本構成
コンピュータの構成要素と働き、周辺機器
2
アナログとデジタル
データの符号化
3∼4
論理演算・論理回路
否定・論理和・論理積・排他的論理和、ブール代数
プログラム言語
ソースコード、アセンブラ、コンパイラ、インタプリンタ
5
など
授業計画
成績評価方法
6
デジタル画像
デジタル画像の基礎と種類
7
ネットワーク
コンピュータネットワーク、LAN、WAN
8
セキュリティ
情報セキュリティ、ウイルス
定期試験
評価基準は履修規定に準ずる。
プリント配布
教科書・参考文献
講義から更に学習し、IT パスポート試験、基本情報技術者試験の受験を推奨します。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
40
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
104016
科 目 名
情報科学演習
科目担当責任者: 杉本 芳則
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
1年次 後期 必修 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
情報科学に引き続き、実践的な知識や技術を学び、それらを適切に活用できる能力を身に
つけることを目的とする。情報の作成方法、表現方法、データ処理方法、処理の仕組みなど
について、その目的や結果を考えて活用するための知識や技術を習得する。文書作成、デー
タ処理、プレゼンテーション関係などのさまざまなソフトウェアを用いた演習形式の授業に
よって、それらを実践的に学習する。
1.コンピューターおよびアプリケーションの基本操作ができる。
2.簡単なプログラミングができる。
到達目標
テ ー マ
授 業 内 容
1∼3
ワープロソフト
パソコンの基本操作、Word
4∼7
表計算ソフト
Excel
8∼9
プレゼンテーション
PowerPoint
ソフト
10 ∼ 11 プログラミング
Visual Basic for Applications
12 ∼ 13 マークアップ言語
HyperText Markup Language
14
画像処理ソフト
ImageJ
15
統計分析ソフト
R
授業計画
成績評価方法
課題レポートにより評価する。未提出の場合は評価対象外となる。
評価基準は履修規定に準ずる。
プリント配布。
教科書・参考文献
演習で使用するアプリケーションは将来利用することになるので、復習をすること。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
41
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
105001
科 目 名
日本語表現
科目担当責任者: 山田 敦士
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
本科目の目的は、
広く社会に通用する基本的な言語表現能力を身につけることにある。コー
ス前半では、
「日本語力を磨こう」と題し、場面に応じたわかりやすい日本語表現について
学ぶ。コース後半では、
「文書作成の技術」と題し、レポート・論文の作成技術について学ぶ。
本授業は講義と演習の形態を組み合わせて実施する。グループワークや相互査読などの教
室内活動のほか、PC 室における文章作成活動にも取り組む予定である。
1.わかりやすい日本語表現について理解し、実践できること
2.大学生として必要な文書作成技術を身につけること
3.大学における学修活動に慣れること
基礎教育科目
回数
授業計画
成績評価方法
テ ー マ
授 業 内 容
1
ガイダンス
授業のすすめ方について
2
日本語力を磨こう
メールの書き方
3
日本語力を磨こう
手紙の書き方
4
日本語力を磨こう
ノートのとり方
5
日本語力を磨こう
メモのとり方
6
日本語力を磨こう
文章を読む:速読と精読
7
日本語力を磨こう
要約の技法
8
課題(1)
課題への取り組み(1)
9
文書作成の技術
文から段落へ
10
文書作成の技術
論説文の構成
11
文書作成の技術
批判的に読む
12
文書作成の技術
参照のし方:引用と要約
13
文書作成の技術
図表の活用
14
文書作成の技術
体裁を整える
15
課題(2)
課題への取り組み(2)
課題(60%)と平常点(40%)で総合的に判断(絶対評価)する。
平常点には授業への参加度や演習課題の成績が含まれる。なお、期末試験はおこなわない。
配布資料とスライドで授業をすすめる。
『学修ハンドブック』を持参すること。
教科書・参考文献
言語表現は技術であり、学ぶべきものである。そのためには、授業内容をよく理解し、課
学生へのメッセージ・
題に積極的に取り組むこと。また授業の外でも実践できるように努めてほしい。
履修上の留意点
なお、学修の状況を踏まえ、学習内容や順序を調整することがある。
―
42
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
105002
科 目 名
英語Ⅰ
科目担当責任者: 志堅原郁子
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 必修 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
医療に関する様々なトピックを英文で読み、基礎的な読解力を高める。英文を正確に読む
ためのスキルを身に付け、論理的に要約し、伝達することを目的とする。いろいろな英文を
読むことで、単語理解や語彙力が向上し、読解力を高めるとともに、外国の社会や文化、外
国人の価値観などを知る機会、また国際的な医療活動や医療トピックを知ることは、異文化
交流の動機付けとなり、今後の語学学修のモチベーションとなることを期待する。
1.英文の構造理解を土台にした読解スキルであるスキミングとスキャニングの基礎的知識
を身につける
2.医療分野で頻繁に使われる基礎的で実践的な用語と表現法を理解し、活用できるように
する
テ ー マ
授 業 内 容
1
イントロダクション
授業内容と進め方についてのガイダンスと、英語力を測る
ことも目的としたアンケート実施
授業計画
2
スキミング基礎
教科書 Unit 1
3
スキミング基礎
教科書 Unit 2
4
スキミング運用
教科書 Unit 3
5
スキミングで要約
教科書 Unit 4
6
スキャニングの基礎
教科書 Unit 5、クイズ#1
7
スキャニングの基礎
教科書 Unit 6
8
単語の覚え方
教科書 Unit 7
9
前置詞のイメージ
教科書 Unit 8
10
長文に挑戦
教科書 Unit 9
11
長文に挑戦
教科書 Unit 10、クイズ#2
12
長文に挑戦
教科書 Unit 11
13
総合復習
教科書 Unit 12
14
総合復習
教科書 Unit 14
15
成績評価方法
教科書・参考文献
期末テスト
授業内課題(30%)、クイズ(20%)、期末テスト(50%)の総合評価
「CLIL Human Biology CLIL 英語で学ぶ身体のしくみと働き」笹島茂、Chad Godfrey、
小島さつき、Matt Wilson 著 出版社:三修社(2016)
初回講義時に詳細なシラバスを配布する。毎回、講義は基本的に、1)講師からの解説、2)
学生へのメッセージ・ 演習、3)テキスト・授業内課題取組の3部構成で展開される。2回の遅刻は1回の欠席扱い。
積極的授業参加を期待する。
履修上の留意点
―
43
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
105003
科 目 名
英語Ⅱ
科目担当責任者: ZEFF B.BRICKLIN(ゼフ B. ブリックリン)
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
1年次 通年
(後期)
必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(30)
このクラスでは、ロールプレイ、ペアワークなどで場面を想定して英語の習得をめざしま
す。英語について考えること、発音練習、会話によるコミュニケーションが重視されます。
英語を話すときに自文化について考え、他文化への理解を深めてもらいたいです。言葉によ
るコミュニケーションと言葉によらないコミュニケーションの両方に取り組みます。
英語の重要なボキャブラリー、文法、役立つフレーズを学び、使いこなすこと。
英語を聞き取り、理解する力と発音を向上させること。
到達目標
基礎教育科目
回数
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
テ ー マ
授 業 内 容
1
Lesson 1:
ガイダンス、質問、授業構成、評価方法の説明
2
Lesson 2:
英語で話しかけられたときの応対
3
Lesson 3:
自己紹介、丁寧な質問のしかた、答え方
4
Lesson 4:
Unit 4 − 診療科名/単語クイズ
5
Lesson 5:
Unit 5 − 道順の尋ね方、答え方
6
Lesson 6:
Unit 6 − 症状と兆候の用語、関連表現/単語クイズ
7
Lesson 7:
Unit 7 − 人体各部の用語、関連表現/単語クイズ
8
Lesson 8:
Unit 8 − 病名の用語、関連表現/単語クイズ
9
Lesson 9:
Unit 10 − 検査の用語、関連表現/単語クイズ
10
Lesson 10:
Review
11
Lesson 11:
テストのグループ分け、練習
12
Lesson 12:
Review
13
Lesson 13:
単語テスト、会話テストの練習
14
Lesson 14:
会話テスト
15
Lesson 15:
会話テスト
授業の参加態度 10% 単語クイズ 20% 単語テスト 20% 会話テスト 40%
定期試験 10% 以上を総合的に評価する
教 科 書:
「An A-Z ofcommom English Errors 日本語版」
(BTB Press)
「クリスティーンのやさしい看護英会話+ CD」
(医学書院)
参考資料:
「クリスティーンのレベルアップ看護英会話+ CD」(医学書院)
Please prepare:
B5 Spiral Notebook
Vocabulary cards
―
44
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
105004
科 目 名
英語Ⅲ
科目担当責任者: 小林サリー・マスミ
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
2年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
この教科では、保健医療分野における英文文献を教材として、正確に、論理的・批判的に
読解する能力を身に付け、論文の内容を要約できることを目的とする。グループ抄読をとお
して、英文や論文内容の解釈についてディスカッションすることで、英文文献抄読を主体的
に学習するための基礎的能力を育成することを目的とする。また、外国人の患者にも対応で
きるように一般的に必要となる医療現場におけるコミュニケーション能力の向上にもつとめ
る。
Goals:Use English. Study about people and ideas in the medical field. Learn about the
history and customs of U.S. holidays. Learn new vocabulary.
到達目標
授業計画
成績評価方法
テ ー マ
授 業 内 容
1
Class Orientation
2
Medical Terms
Study Article, Test
3
Medical Pioneer
Article, Quiz, Discussion, Feedback
4
Mother s Day
Article, Quiz, Discussion, Feedback
5
Healthy Diets
Preparing Menus in Groups
6
Medical Equipment
Study Article, Test
7
Father s Day
Article, Quiz, Discussion, Feedback
8
Medical Profession
Study Article, Test
9
Medical Pioneer
Article, Quiz, Discussion, Feedback
10
4th of July
Communication Exercise
11
Patient
Dialogs
12
Communication
Role Play
13
Medical Pioneer
Article, Quiz, Discussion, Feedback
14
Vacation Plans
Students discuss plans
15
Vacation Report
Students report activities
In Common Mixer Exercise
Grading System:Attendance:20%,Homework:25%,Classwork:25%,Test/
Quizzes:30%
Text:To be announced
教科書・参考文献
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
Let s enjoy English! Please do homework before class and be on time. Absences will
lower your grade.
―
45
―
基礎教育科目
回数
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 基礎教育科目
科目コード
105006
科 目 名
中国語
科目担当責任者: 山田 敦士
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
隣国である中国とは、人事交流をはじめとして、経済・文化などすべての面で国家間交流
が盛んになっている。医療のグローバル化に向けて、国際的な看護の動向を知り、コミュニ
ケーションをとおして理解することは重要である。初歩的なテキスト講読および日常会話の
練習を行い、基礎的読解力、会話力を学ぶための動機付けとなることを期待する。
1.日本語とは異なる、中国語の特徴を理解すること
2.中国語を学び続けるための基礎を身につけること
3.中国の社会や文化について、知見を得ること
基礎教育科目
回数
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
1
ガイダンス
中国語に触れよう
2
発音と文字
声調のしくみ
3
発音と文字
子音と母音の基礎
4
発音と文字
その他の発音特徴
5
挨拶表現
自己紹介をしよう
6
医療の中国語
第三課:
「健康保険証を持っていますか」
7
医療の中国語
第三課:
「健康保険証を持っていますか」
8
課題(1)
課題への取り組み(1)
9
医療の中国語
第四課:
「家族にはどんな人がいますか」
10
医療の中国語
第四課:
「家族にはどんな人がいますか」
11
医療の中国語
第五課:
「あそこで少しお待ちください」
12
医療の中国語
第五課:
「あそこで少しお待ちください」
13
医療の中国語
第六課:
「少し話せます」
14
医療の中国語
第六課:
「少し話せます」
15
課題(2)
課題への取り組み(2)
課題(60%)と平常点(40%)で総合的に判断(絶対評価)する。
平常点には授業への参加度や演習課題の成績が含まれる。なお、期末試験はおこなわない。
教科書:山田眞一著『医療系学生のための初級中国語』白帝社
参考書:授業時に指示
外国語の習得には、その国の社会や文化への理解が欠かせません。本授業では、言語はも
学生へのメッセージ・ ちろん、中国の様々な社会・文化事象の理解にも取り組みます。中華料理、チャイニーズ・ポッ
プス、二胡、旅行、旧正月、カンフー、中国映画、シルクロード、三国志、チャイナドレス、
履修上の留意点
少数民族、パンダなど、「中国」に興味のある学生の受講を歓迎します。
―
46
―
専門基礎教育科目
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203001
科 目 名
医学概論
科目担当責任者: 橋本 茂
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
医療の中で画像がどの様に利用されてきたか、また現在、医療の中で画像情報はどの様に
利用されているかを学習する。具体的には、放射線の物理学的性質、その発見から現在に至
るまでの放射線の利用、各種画像診断の進歩・発展を中心に学ぶ。放射線診療を学ぶ学生の
導入部として、その時代に行われた画像診断と疾病、画像情報処理の進歩、画像情報の利用
や放射線を利用した検査・治療などの導入部について、医学の発展を交えながら学習する。
1.放射線の物理学的性質を理解する。
2.放射線が人体に与える影響を理解する。
3.放射線診断に関する原理と診断目的に応じた適切な使用方法を理解する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
放射線診断とは何か
授業の進め方、評価の方法について説明する。放射線とは
何かその物理学的性質から医療応用について概説する。
専門基礎教育科目
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
2
放射線の物理学Ⅰ
原子の構造と放射線の種類及び発生機構ついて理解する。
3
放射線の物理学Ⅲ
放射線に関する量と単位、測定方法、防護について理解する。
4
放射線の基礎医学Ⅰ
放射線が人体に与える一般的な影響について理解する。
5
放射線の基礎医学Ⅱ
放射線損傷と細胞応答・細胞死について理解する。
6
放射線の基礎医学Ⅲ
放射線損傷と DNA 修復・突然変異について理解する。
7
放射線の基礎医学Ⅳ
X線発生装置とX線撮影の原理について理解する。
8
放射線の基礎医学Ⅴ
CT、MRI を用いた撮影の原理について理解する。
定期試験(40%)、参加態度(30%)、提出物(30%)により評価する。
参考書・資料は講義中に紹介する。
講義事前準備等を含め、記載してください。
放射線は、癌の診断・治療から電力発電まで人類にとって有益なものであります。しかし
ながら、大量に用いたり安全上不適切な使用法を行った場合、放射線は生命を傷つける恐れ
学生へのメッセージ・
があります。
履修上の留意点
本講義は、将来、放射線診断を専門とする皆さんに放射線に関する基本的な物理学的性質
及び人体に与える影響を理解し、放射線の安全な使用・管理並びに多様な医療診断技術へ対
応できる基礎知識を身につけて頂くことを目指します。
―
48
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203002
科 目 名
系統解剖学
科目担当責任者: 井上 馨
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
2年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
授業の概要
診療放射線技師を志す者として必要となる各系統の解剖構造を学び、各部の名称・構造お
よび機能について理解することを目標とする。 具体的には骨学、筋学、内臓学、感覚器学、
脈管学、神経解剖学などについて系統的に学習する。系統解剖学は専門教育で学ぶ各検査に
おける画像解剖学、画像診断学、核医学検査技術学、放射線治療技術学等で学ぶ教科の基礎
となる重要な学習である。この後学習する、臨床解剖学の基礎として位置付けている。
到達目標
1.解剖学用語を説明できる。
2.人体を構成する四種類の組織の特徴を説明できる。
3.頭蓋骨の孔、突起などの名称と軟部組織との関係を説明できる。
4.体幹・四肢での骨と関節を運動と関連づけて説明できる。
5.消化器系・呼吸器系・泌尿器系の形態的特徴の概略を説明できる。
6.中枢神経と末梢神経の形態学的特徴を機能と関連づけて説明できる。
7.心臓の形態と動脈・静脈・リンパ系の分布の概略を説明できる。
8.泌感覚器を列記でき、その概略を説明できる
回数
授 業 内 容
1
総論
解剖用語、人体を構成する組織
2
骨学(1)
頭の骨、体幹の骨
3
骨学(2)
四肢の骨
4
筋学(1)
頭部体幹の筋
5
筋学(2)
四肢の筋
6
脈管系(1)
心臓
7
脈管系(2)
動静脈系
8
消化器系(1)
口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸
9
消化器系(2)
肝臓、膵臓
10
呼吸器系
喉頭、気管、肺
11
泌尿・生殖器系
腎臓、膀胱、男性女性生殖器
12
神経系(1)
中枢神経
13
神経系(2)
末梢神経
14
神経系(3)
脳の血管、脳室系、自律神経系、求心性伝導路、遠心性伝
導路
15
感覚器・内分泌系
下垂体、甲状腺、副腎、膵臓、皮膚、視覚器、聴覚器
筆記試験
成績評価方法
入門人体解剖学 藤田恒夫著 南江堂
教科書・参考文献
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
専門分野の解剖だけでなく、人体全体の形態を理解する
―
49
―
専門基礎教育科目
授業計画
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203003
科 目 名
臨床解剖学
科目担当責任者: 井上 馨
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
先だって学習した系統解剖学の内容を理解したうえで、診療画像の読影・診断や画像検査
における侵襲行為を理解するために、系統解剖学で各系統別に学習した内容に基づき、人体
の形態と構造を骨格系、神経系、循環器系、呼吸器系、消化器系、運動器系、婦人科系、内
分泌系等について学ぶ。また、各部位の臨床的な症状や疾患の原因と発生機序を解剖学と関
連して学習し、専門教育で学ぶ、画像技術学、画像診断学の導入部分を学習する。
1.人体各部分での系統解剖学の知識を局所解剖学的に説明することができる
2.体の機能や疾患を解剖学的事柄から理解し、説明することができる
到達目標
回数
専門基礎教育科目
授業計画
成績評価方法
テ ー マ
授 業 内 容
1
総論
機能と疾患の局所解剖学的意義
2
頭頸部(1)
頭頸部の機能と疾患の解剖(1)
3
頭頸部(2)
頭頸部の機能と疾患の解剖(2)
4
頭頸部(3)
頭頸部の機能と疾患の解剖(3)
5
脊柱(1)
脊柱の機能と疾患の解剖(1)
6
脊柱(2)
脊柱の機能と疾患の解剖(2)
7
胸部(1)
胸部の機能と疾患の解剖(1)
8
胸部(2)
胸部の機能と疾患の解剖(2)
9
腹部(1)
腹部の機能と疾患の解剖(1)
10
腹部(2)
腹部の機能と疾患の解剖(2)
11
骨盤部
骨盤部の機能と疾患の解剖
12
上肢(1)
上肢の機能と疾患の解剖(1)
13
上肢(2)
上肢の機能と疾患の解剖(2)
14
下肢(1)
下肢の機能と疾患の解剖(1)
15
下肢(2)
下肢の機能と疾患の解剖(2)
筆記試験
入門人体解剖学 藤田恒夫著 南江堂
教科書・参考文献
系統解剖学の知識を確認した上で、疾患や機能の局所解剖学的な理解を進める
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
50
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203004
科 目 名
臨床解剖学演習
科目担当責任者: 樋口 健太
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
臨床解剖学に続いて、人体標本、パソコンを利用した3次元視覚教材、画像などを用いて
系統解剖学、臨床解剖学で学んだ知識を人体構造との関係で深く理解することを目的とする。
各種画像検査と3次元の人体構造を結びつけて学ぶことで、臨床画像における正常解剖と病
変画像の比較や疾患とを関係づけでき、さらに、断層画像の断層方向との位置関係まで理解
ができるようになり、専門科目で学ぶ画像解剖学、画像診断学へのアプローチが容易になる。
1.系統解剖学や臨床解剖学で学んだ人体構造と画像を関連付けることができる。
2.臨床画像における正常解剖を理解し、画像と臓器の立体配置について関連付けることが
できる。
3.国家試験や臨床実習に対応できる力を身に付ける。
回数
成績評価方法
教科書・参考文献
授 業 内 容
1
概論
講義の進め方
2
各種画像の基礎知識
画像検査、画像解剖、各モダリティについて
3
頭部
頭蓋骨、頭頸部血管、脳、眼科、聴器、副鼻腔
4
頭部
頭蓋骨、頭頸部血管、脳、眼科、聴器、副鼻腔
5
頸部
頸椎、脊髄、咽頭、喉頭
6
脊椎
腰椎、仙椎、尾骨、脊髄
7
胸部
胸部単純 X 線画像(正面、側面、デクビタス)
8
胸部
胸部 CT 画像、MRI 画像等
9
腹部
単純X線画像、消化管造影画像、CT 画像、MR 画像等
10
腹部∼骨盤部
IVR 画像、泌尿器系の造影画像、CT 画像、MR 画像等
11
乳房
マンモグラフィ、CT 画像、MRI 画像等
12
上肢
単純X線画像、造影画像、CT 画像、MR 画像等
13
下肢
単純X線画像、造影画像、CT 画像、MR 画像等
14
その他
無散瞳眼底写真像、その他の画像
15
総括
まとめ、総合演習
講義への取り組む姿勢(20%)
、課題レポート(30%)、試験(50%)を総合的に判断し評
価を行う。
教科書:後日指定する。
参考書:系統及び臨床解剖学で使用した教科書、若葉マークの画像解剖学 MEDICAL VIEW、
その他は必要に応じて紹介する。
プリント、参考書等を十分に活用して予習、復習を行ってほしい。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
51
―
専門基礎教育科目
授業計画
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203005
科 目 名
生理学
科目担当責任者: 松山 清治
担 当 教 員 名: 竹田 里江
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
生理学では、
「生命の理(ことわり)
」、すなわち生体の生きる仕組みを理解するために、
植物性機能として細胞・体液・血液・循環・呼吸・消化と吸収・腎臓と排泄・内分泌について、
動物性機能として末梢神経系・中枢神経系について学ぶ。これにより将来学生が、様々な環
境に応じた生理的変化や生体が内部環境を一定に保つ働きについて理解し、さらに病態の意
味合い及びその機構を理解できるようにする。またこれらの機能がどのような組織学的構造、
あるいは生化学的反応系と関連しているかについても理解する。
1.生命維持に必要な恒常性維持機能について説明できる。
2.血液、循環器系、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、内分泌系の生理機能について説明できる。
3.中枢神経系、末梢神経系の生理機能について説明できる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
細胞、体液の恒常性
細胞の生理機能、内部環境とホメオスターシス、体液の組
成と恒常性維持の仕組み、酸塩基平衡
2
血液
血液の成分、血球の種類と機能、血液凝固、血液型、免疫
機能
専門基礎教育科目
授業計画
成績評価方法
3
循環器系
心機能と調節、血流配分、血圧、血流
4
呼吸器系
肺呼吸と組織呼吸、肺呼吸の機能、呼吸ガスと血液ガス
5
消化器系
消化運動、消化液と消化、吸収機能
6
泌尿器系
体液の排泄と腎機能、腎臓の排泄物選択機能
7
内分泌系
内分泌器官の働き、ホルモンの生成と機能
8
神経系
中枢神経系と末梢神経系の感覚・運動機能
授業内容に対する理解度を筆記試験にて評価し、60 点以上を合格とする。
教科書 「人体の構造と機能」
内田さえ 他 編集、医歯薬出版(2015)
教科書・参考文献
「生理学」は生体の機能を理解するための基本となる重要な科目です。3年次の「病態生
学生へのメッセージ・ 理学」と連動した講義になるため、「生理学」においては必要とされる基礎知識を確実に身
につけること。
履修上の留意点
―
52
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203006
科 目 名
病態生理学
科目担当責任者: 竹田 里江
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
質の高い医療を提供することを目的として、臨床でよく観察される系統毎の疾病の起こる
仕組み、疾患別の症状と徴候の原因、性別による違いや疾病の年齢発生頻度、発生機序、診
断基準、検査法について理解する。さらに、適応した治療毎の効果も知ることにより、提供
された医療を包括的に理解できるように学習する。また、より安全な医療を推進するため、
画像検査、放射線治療および検査治療関連行為で生じた副作用の症状について的確に評価で
きる能力を身につける。
1.血液、循環、呼吸、消化器、泌尿器などの各器官系の生理機能及び関連疾病を理解する。
2.神経系の機能、メカニズム及び関連疾患や障害について理解する。
3.各生理機能に対する一般的な評価法や検査法を理解する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
血液
血液の成分、働き、疾病について学ぶ
2
循環系
循環器系の特徴と心電図、心疾患について学ぶ
3
呼吸系
呼吸器系の特徴と疾病について学ぶ
4
消化器系
消化器系の特徴と疾病について学ぶ
5
泌尿器系
泌尿器系の特徴と疾病について学ぶ
6
神経系(中枢神経)
中枢神経系の特徴と疾病、評価法、障害について学ぶ
7
神経系(末梢神経)
末梢神経系の特徴と疾病、評価法、障害について学ぶ
8
感覚系・内分泌系
感覚、内分泌系の特徴と、疾病について学ぶ
授業計画
成績評価方法
定期試験(100%)により評価する。
特に指定せず
教科書・参考文献
2年次の「生理学」と連動した講義になるため、「生理学」での学習を大切にし、本講義
学生へのメッセージ・ にのぞむこと。
履修上の留意点
―
53
―
専門基礎教育科目
1
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203007
科 目 名
病理学
科目担当責任者: 石津 明洋
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
授業の概要
疾病の基本となる病気の原因、発生機序の解明や病気の診断を確定する病理学の基礎知識
を身につけることを目的としている。本科目では、病変の原因・成り立ち・経過・転帰にお
ける共通原則を学習する。さらに、先天異常、代謝異常、循環障害、炎症と免疫、感染症、
創傷治癒、悪性腫瘍などについて病理診断の役割と治療方針決定のプロセスなどを学習する。
疾病の発生するメカニズムと診断と治療の関係性を正確に理解できることを最終目標とす
る。
到達目標
1.遺伝病と先天性疾患について説明できる。
2.細胞障害と代謝異常、物質沈着について説明できる。
3.循環障害について説明できる。
4.炎症、修復、再生について説明できる。
5.感染症と免疫について説明できる。
6.免疫異常について説明できる
7.腫瘍について説明できる。
8.病理解剖について説明できる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
染色体、DNA、遺伝
染色体、DNA、遺伝子の構造と働き
子、遺伝病、先天性
染色体異常、遺伝子病、奇形
専門基礎教育科目
疾患
2
細 胞 の 機 能 と 障 害、 細胞増殖、細胞分化、細胞老化、細胞死
代謝障害、物質沈着
糖、タンパク、脂質の代謝とその異常症
核酸、アミノ酸の代謝とその異常症
黄疸、結石、色素沈着
授業計画
3
循環障害
循環の仕組みとその障害
4
炎症、修復、再生
炎症、修復、再生の仕組みとその障害
5
感染症と免疫
感染症概論、自然免疫と獲得免疫
6
免疫異常
免疫不全とアレルギー、自己免疫疾患
7
腫瘍
腫瘍の定義と分類、腫瘍の発生要因と診断・治療
8
病理解剖
病理解剖の歴史・現状・展望
受講票(30%)、定期試験(70%)により評価する。
成績評価方法
教科書「医療系学生のための病理学(第 4 版)中村仁志夫ほか編、講談社(2010)
教科書・参考文献
各授業で配布するプリントに、授業で説明したことを記入し、教科書の該当箇所と照らし
学生へのメッセージ・
て復習すると効果的。
履修上の留意点
―
54
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203008
科 目 名
生化学
科目担当責任者: 畠山 鎮次
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
生化学は複雑な生命現象や様々な疾患を化学的に解明しようとする学問である。生化学は
すべての医療関係者にとって、人体の機能を分子レベルで理解するうえで、最も基本となる
部分を学習する科目である。具体的には、タンパク質、糖、脂質などの構造や代謝過程など
について学習することで、各種疾患の発症メカニズムを理解することを目的とする。
1.酵素学の基礎を理解できる。
2.アミノ酸とタンパク質の構造、機能、代謝系等を理解できる。
3.糖質の構造、機能、代謝系等を理解できる。
4.脂質の構造、機能、代謝系等を理解できる。
5.核酸の構造、機能、代謝系等を理解できる。
6.ヘムの構造、機能、代謝系等を理解できる。
7.遺伝子の複製と発現を理解できる。
8.シグナル伝達機構を理解できる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
生化学の基礎と酵素
生化学の基礎と酵素学を理解する。
2
タンパク質
タンパク質の構造と代謝を理解する。
3
糖質
糖質の構造と代謝を理解する。
4
脂質
脂質の構造と代謝を理解する。
5
核酸とポルフィリン
核酸とポルフィリンの構造と代謝を理解する。
6
遺伝子の複製と修復
遺伝子の複製と修復を理解する。
7
遺伝子の発現
転写・翻訳や遺伝子発現調節を理解する。
8
シグナル伝達とがん
シグナル伝達とがんの特性を理解する。
出席状況、筆記試験等を総合的に判断して評価する。
成績評価方法
教科書「系統看護学講座 専門医学分野 生化学」三輪 一智 監修、医療科学社、(2015)
教科書・参考文献
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
生化学は医学における基本言語として重要です。
―
55
―
専門基礎教育科目
授業計画
2年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203009
科 目 名
薬理学
科目担当責任者: 吉岡 充弘
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
専門基礎教育科目
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
2年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
ヒトには、常に体の環境を快適な一定した状態に維持する機構が備わっているが、この環
境が破綻した状態を病気という。くすり(薬物)とは、体外から与えられたときに、何らか
の作用を引き起こすものである。薬理学では、まず薬物にはどのようなものがあるかを学び、
この「くすり」というものが体内に入った時、どのように吸収され、移動し、分布し、どの
様な機構で体調の維持や、
修復に関与するかを習得する。なお、
各論については「臨床薬理学」
の講義の中で取り扱う。
1.薬物動態理論を説明できる
2.薬物の吸収、分布、代謝、排泄について、例を挙げ説明できる。
3.薬物を分類し、それらの薬理学的特性と臨床応用ならびに副作用を説明できる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
薬力学と薬物動態学
薬の作用機序と吸収・分布・代謝について概説する。
2
薬物相互作用と個人
薬の飲みあわせと遺伝的要因について概説する。
3
差
4
薬と法律
薬を規制する法律について概説する。
5
自律神経作用薬
自律神経系に作用する薬物について概説する。
6
中枢神経作用薬
中枢神経系に作用する薬物について概説する。
7
心血管作用薬
心臓・血管系に作用する薬物について概説する。
8
抗がん薬
抗がん薬の種類とその応用について概説する。
定期試験(70%)、参加態度(30%)により評価する。
系統看護学講座 専門基礎分野−疾病のなりたちと回復の促進 薬理学 吉岡充弘(著)
医学書院 2016
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
56
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203010
科 目 名
臨床薬理学
科目担当責任者: 吉岡 充弘
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
診療放射線技師として最低限理解すべき薬物の作用機序、副作用、毒性、生体への薬理作
用の基礎知識を学習する。特に、主要疾患に対する薬物療法の場合、薬物の吸収、移動、分
布と薬物の作用動態や副作用などについて、具体的な臨床データを紹介しながら学習する。
薬物を使用する際の基本的な留意点を知り、臨床上用いる一般的な医薬品の取り扱いについ
て学習する。さらに、診療放射線技師業務に直接関わり、必要となる 造影剤投与時の注意
点についても学習する。
1.薬物動態理論を説明できる
2.薬物の吸収、分布、代謝、排泄について、例を挙げ説明できる。
3.薬物を分類し、それらの薬理学的特性と臨床応用ならびに副作用を説明できる。
4.造影剤投与時の注意点について説明できる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
薬力学と薬物動態学
薬の作用機序と吸収・分布・代謝について概説する。
2
薬物相互作用と個人
薬の飲みあわせと遺伝的要因について概説する。
差
成績評価方法
教科書・参考文献
薬と法律
薬を規制する法律について概説する。
4
自律神経作用薬
自律神経系に作用する薬物について概説する。
5
中枢神経作用薬
中枢神経系に作用する薬物について概説する。
6
心血管作用薬
心臓・血管系に作用する薬物について概説する。
7
消毒薬
消毒薬の種類とその応用について概説する。
8
放射線技師業務に必
放射線領域における薬物およびその使用上の注意について
要な薬の知識
概説する。
定期試験(70%)、参加態度(30%)により評価する。
系統看護学講座 専門基礎分野−疾病のなりたちと回復の促進 薬理学 吉岡充弘(著) 医学書院 2016
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
57
―
専門基礎教育科目
授業計画
3
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203011
科 目 名
衛生学
科目担当責任者: 村松 宰
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
公衆および個人の疾病を予防し、社会生活や生活環境、保健医療福祉制度などから、健康
の保持および増進を図るための知識について学びます。環境と環境要因による疾病について
衛生学的なアプローチで体系的に学ぶことを目的とします。また、国内特定地域や海外にお
ける特有の疾患、遺伝的疾患、感染症など歴史を踏まえながら紹介し、疾病予防と疾病対策
について学修します。
目標は「人間を取り巻く社会的、生物学的、物理化学的環境要因と、健康・疾病の関係を
考察し、疾病予防や健康増進に寄与することを理解する。このような特性を持つ衛生学の理
論と実際を体系的に学ぶサイエンスとして捉え、自分の日常生活に役に立つようにする。
回数
1−2
テ ー マ
環境と健康
授 業 内 容
今日の環境問題、生物学的、化学的環境、環境汚染、地球
環境問題、主な公害、水の安全、大気汚染、廃棄物処理
3−4
物理的環境と健康
電磁波(紫外線、赤外線、x線、γ 線など)と健康被害、
許容濃度、量−影響関係、温熱、振動、騒音問題
専門基礎教育科目
5
労働者と健康
労働衛生管理、労働環境と健康被害、職業性疾患とその対策、
発生職場、衛生管理者
6
感染症とその予防
7
感染症各論
感染症の成立要因、感染症の種類、感染症の動向、感染症
予防の基本
授業計画
病原体の種類、再興感染症、新興感染症、消化器系感染症、
ウイルス性肝炎、AIDS、検疫感染症
8
食品、栄養問題と健
国民栄養の現状、食品衛生管理、サプリの諸問題、食中毒
康
成績評価方法
出欠状況 20%、期末定期試験 80%により総合的に判断する。
教科書「NEXT公衆衛生学第3版」 村松 宰、中山健夫著、講談社、2016 年版
教科書・参考文献
診療放射線技師としての専門性を身につける上で基礎的な学修をします。専門に行ってか
学生へのメッセージ・ らも役に立ちますので、予習、復習に心がけてください。
履修上の留意点
―
58
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203012
科 目 名
公衆衛生学
科目担当責任者: 村松 宰
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
人間の健康を保持増進するために社会や環境はどうあるべきかを、社会・環境と健康の関
係について、毎日の生活の中で身近な事例をあげて理解できることが大切です。社会や環境
が人間の健康をどう規定し影響を及ぼすのか、あるいは人間の健康を保持増進するために社
会や環境はどうあるべきかなど、社会や環境と健康の関わりについて学習します。社会・環
境と健康との関係を理解すとともに、社会や環境の変化が健康に与える影響を学習します。
公衆衛生学の基本的な考え方を理解することから始まり、成人・老人保健、地域保健、環
境保健、感染症、疫学など、公衆衛生学に関わる諸分野を学ぶことにより、公衆衛生学の概
要を理解し、診療放射線技師活動に生かすことができる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
予防医学
公衆衛生の概念と定義、健康の定義、予防医学の段階
2
人口学
人口静態統計・人口動態統計、生命表、平均余命・健康寿命
3
健康水準
罹患率、有病率、年齢調整死亡率、国民生活基礎調査、患
者調査、周産期死亡率・乳児死亡、出生率、再生産率、国
4−5
生活習慣病とその予
がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、肝疾患の危険要因
防
6
疫学の初歩
授業計画
疫学の歴史、疫学調査の方法、コホート研究、相対危険度・
寄与危険度
7
疫学研究方法論
8
学校保健、保健行政、 児童生徒の成長、発育問題、学校感染症、保健所と保健セ
介入試験、RCT、エビデンスレベル、感度と特異度、リ
スク要因暴露と健康障害、国際保健
国際保健
成績評価方法
ンターの機能、WHOの機能
出欠状況 10%、受講態度 10%、定期試験 80%により総合的に判断します。
教科書「NEXT公衆衛生学第3版」村松 宰、中山健夫編著、講談社、2016 年版
教科書・参考文献
テーマは、保健・医療・福祉から環境、疫学、人口問題など、広範に及びます。社会生活
学生へのメッセージ・ をする上で共通の基盤ですが、これらに関連した法規が毎年のように改正され、データは日々
新たに書き換えられています。常に新しい情報を収集し確認しておくことが大切です。
履修上の留意点
―
59
―
専門基礎教育科目
民衛生の現状
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203013
科 目 名
臨床医学概論
科目担当責任者: 畠山 鎮次
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
診療放射線技師として必要となる各疾患の病因、疫学、症状、診断法、治療法などの基礎
知識を理解する。 具体的には、専門基礎教育課程で学習した解剖学、生理学、病理学など
の知識を基に、様々な疾患に関連する医学用語について学習する。到達目標は、診療放射線
技師として医療現場で使用される医療用語の正確な理解することである。
1.健康と疾病に関する用語を理解する。
2.臨床検査に関する用語を理解する。
3.診療画像検査に関する用語を理解する。
4.診察上重要となる症状に関する用語を理解する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
健康と疾病
ガイダンス、健康と疾病の概念
2
臨床検査概要
臨床検査の基礎知識(血液・生化学検査、微生物検査)
3
臨床検査概要
臨床検査の基礎知識(病理検査、生理検査)
4
診療画像検査
X線検査、CT 検査、MRI、超音波検査、核医学検査、内視
専門基礎教育科目
鏡
授業計画
成績評価方法
5
疲労と倦怠感
疲労と全身倦怠感の定義を理解する。
6
感染症
細菌、ウイルス、寄生虫感染症を理解する。
7
発熱、発疹、肥満
発熱、皮膚疾患の症状、肥満と羸痩を理解する。
8
嘔吐と消化器症状
吐気と嘔吐、下痢と便秘、黄疸を理解する。
9
出血と貧血
出血、血液凝固、止血及び貧血を理解する。
10
循環器症状
血圧障害、不整脈を理解する。
11
呼吸異常と尿異常
呼吸困難、尿異常、糖尿を理解する。
12
浮腫と痛み
浮腫と痛みを理解する。
13
神経症状
眩暈、痙攣と意識障害を理解する。
14
ショックと代謝障害
ショックと代謝障害を理解する。
15
腫瘍
腫瘍の原因、性質、症状及び治療法を理解する。
出席状況、筆記試験等を総合的に判断して評価する。
教科書「臨床医学概論」中村 實 監修、医療科学社、
(2004)
教科書・参考文献
将来、医療現場で必要とされる重要な医学用語がたくさんあります。それらの用語を正確
学生へのメッセージ・ に理解することで、将来適切な医療行為ができるようにしましょう。
履修上の留意点
―
60
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
203014
科 目 名
臨床医学演習
科目担当責任者: 幸田 敏明
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
臨床医学概論に引き続き、診療放射線技師として必要となる各疾患の病因、疫学、症状、
診断および治療方法について理解する。 具体的には脳神経系、循環器系、消化器系、整形
外科各分野の画像診断について、症状と画像の関係、画像診断と組み合わせた治療方法、手
術方法なども学習する。過去の国家試験問題や臨床現場で必要となる血液検査データの読み
方、臨床画像なども利用し、医学的知識全体の確認を行いその理解度を高めることを目的と
する。
1.各疾患の病因、病態について理解する
2.各疾患の診断法を理解する
3.放射線を用いた治療について理解する
回数
成績評価方法
授 業 内 容
1
人体の成り立ち
人体の構造、ホメオスターシス、細胞と組織の形成
2
免疫系
生体防御機構、アレルギー、自己免疫、免疫不全
3
脈管系、消化器
循環系、リンパ管、消化酵素
4
造血器、泌尿器
血球分化、尿の生成
5
内分泌
ホルモン、血液検査
6
成長
妊娠、成長、加齢
7
病態①
炎症、感染症、病原体
8
病態②
腫瘍
9
疾患①四肢
運動器、骨折
10
疾患②胸部
呼吸器、循環器
11
疾患③腹部
消化器、泌尿器
12
疾患④脳、その他
脳、内分泌器、感覚器
13
治療
癌治療、IVR、救急医療
14
生活と疾病
生活習慣病、神経変性疾患、労働衛生
15
医療安全対策
薬害、放射線医療と安全対策
出席数、小テストおよび定期試験により評価する。
診療放射線技師国家試験 合格! My テキスト(オーム社)
教科書・参考文献
医学的知識を総動員するため、様々な関連科目を復習しながら学習すること。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
61
―
専門基礎教育科目
授業計画
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204001
科 目 名
放射線科学概論
科目担当責任者: 西山 篤
担 当 教 員 名: 俵 紀行
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
診療放射線技師を志す者として必要となる放射線に関する基礎知識を学び、専門科目を学
ぶ導入部としての講義を行う。具体的には、放射線の発見や発生、アイソトープについての
理解、自然界や身の回りの放射線について学習する。また、工業的な利用や生産現場、研究
での放射線の利用について、具体的な利用現場や放射線の減弱理論を利用したそれぞれの分
野で利用されている 非破壊検査機器・密度計・水分計・厚さ計などのメカニズムなども学ぶ。
放射線について理解し、専門科目を学ぶための基礎知識をつける。アイソトープについて
理解する。また、身のまわりの放射線について知る。臨床現場でのアイソトープの利用方法
の概要を知る。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
専門基礎教育科目
アイソトープ
放射線とアイソトープの基礎
1
原子、放射能
原子・原子核の構造、アイソトープと放射能
2
放射線の種類
放射線の種類、放射線発生装置
3
相互作用
放射線と物質との相互作用、放射線に関する単位
アイソトープ利用
放射線とアイソトープの利用
4
利用の分類
利用方法の分類、産業への利用・工業計測
5
医療の利用測定
医療での利用、農業・水産業での利用、年代測定
安全管理
放射線とアイソトープの安全管理
6
人体への影響
放射線の人体への影響の分類、急性・晩発影響
7
放射線測定器
放射線測定器、安全管理
放射線の利用
病院に於ける放射線の利用
画像診断、核医
画像診断、核医学検査、放射線治療
授業計画
8
学検査、放射線治療
成績評価方法
教科書・参考文献
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「やさしい放射線とアイソトープ」(日本アイソトープ協会)
「放射線医学物理学」
(分光堂)
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
62
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204002
科 目 名
診療放射線学概論
科目担当責任者: 西山 篤
担 当 教 員 名: 小山 和也
配当年次と単位
授業の概要
1年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
診療放射線技師に必要な放射線および臨床現場での診療放射線技師業務全般に関する基礎
知識を臨床経験豊富な診療放射線技師が講義を行う。放射線医学と撮影技術や各画像診断機
器から発生する画像情報、放射線治療、核医学、また、MRI や超音波検査、眼底検査など、
さらに患者情報の取扱いに至る臨床現場における診療放射線技師の業務内容全般を紹介し、
その理解と現状を踏まえ、これから学ぶ専門科目の基礎を把握させるための科目として位置
付ける。
放射線について理解し、専門科目を学ぶための基礎知識をつける。
臨床現場での放射線の利用方法の概要を知る
到達目標
回数
テ ー マ
授 業 内 容
放射線とは
放射線とは、X線の発見、放射線の発見
2
放射線の種類
放射線の種類と性質
3
放射線の発生
放射線の発生、X線管球
4
医療への利用
放射線の医療への利用
5
X線写真、撮影
X線写真、撮影
6
核医学、放射線治療
核医学検査、放射線治療
7
人体への影響
放射線の人体への影響
8
放射線防護
放射線防護の基本法則
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「やさしい放射線とアイソトープ」(日本アイソトープ協会)
「放射線医学物理学」
(分光堂)
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
63
―
専門基礎教育科目
1
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204003
科 目 名
放射線生物学
科目担当責任者: 桑原 幹典
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
2年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
授業の概要
放射線を取り扱う専門技師として、放射線が生物に与える影響を理解する必要がある。生
物学での細胞周期のメカニズムを理解していることを前提に本科目では、放射線の生物への
作用や過程、放射線照射を受けた細胞の挙動およびマクロ的な見地からそれによる障害、内
部被ぱくと外部被ばく等について学習し、放射線生物学の基礎的な概念を理解する。また、
放射線防護や放射線治療の基礎に関しても理解を深め専門教育へつなげることを目的とす
る。
到達目標
1.放射線の初期過程を理解する。
2.増殖性および非増殖性細胞における放射線誘発細胞死について理解する。
3.組織障害のしきい値を放射線治療と組織障害の関係から理解する。
4.発がんと遺伝的影響の名目リスク係数の導き方を理解する。
5.低 LET 放射線と高 LET 放射線によるがん治療法の利点と欠点を比較し、理解する。
6.確定的・確率的影響の概念から導かれる等価線量および実効線量限度を放射線防護の観
点から理解する。
回数
テ ー マ
1
放射線初期過程
2
放射線による細胞死
授 業 内 容
放射線の線質(LET)と生体物質との相互作用および放射
線の直接作用と間接作用
細胞周期、細胞死の定義(コロニー形成能とアポトーシス)
、
専門基礎教育科目
ヒット理論と LQ モデルに基づいた生存率曲線等
3
放射線による細胞死
亜致死損傷回復(SLDR)と潜在的致死損傷回復(PLDR)
4
突然変異と染色体異
DNA 損傷と修復、染色体異常のメカニズム、種類等
常
授業計画
5
放射線の組織影響
ベルゴニー・トリボンドの法則、細胞分化と感受性
6
放射線の組織影響
腫瘍組織の放射線感受性、体積効果、血管障害等
7
放射線の確定的影響
放射線の人体への影響、早期障害について
8
放射線の確定的影響
放射線の人体への影響、後期障害について
9
放射線の確定的影響
胚・胎児に対する放射線の影響
10
放射線の確定的影響
内部被ばくと決定器官について
11
放射線障害の確定的
放射線誘発発がんとそのリスクについて
影響
12
放射線障害の確定的
放射線の遺伝的影響とそのリスクについて
影響
13
腫瘍の放射線生物学
腫瘍の分割照射と 4R、高 LET 放射線による治療について
14
腫瘍の放射線生物学
がんの温熱療法と放射線との併用効果について
15
放射線防護に関する
等価線量、実効線量、ICRP 勧告、放射線障害防止法
法令
成績評価方法
教科書・参考文献
定期試験(70%)、小テスト(20%)、出席率(10%)
教科書「放射線生物学改訂2版」日本放射線技術学会監修、オーム社(2011)
参考書「臨床放射線生物学の基礎4版」安藤興一、中野隆史監修、エムプラン株式会社(2013)
学生へのメッセージ・ 配布したプリントは必ず持参すること、放射線物理で学んだ放射線の種類、線量等につい
履修上の留意点
て復習しておくこと。
―
64
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204004
科 目 名
放射線生物学演習
科目担当責任者: 桑原 幹典
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
2年次 後期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
授業の概要
放射線生物学に引続き本科目においては、放射線が、画像診断や放射線治療、原子力発電
など、医療や社会の中で不可欠な存在となっていることを身の回りの放射線と関連付けし、
放射線被ばくの概念をさらに理解する。この講義では、現在までに明らかになっている放射
線の生物作用について分子レベル、細胞レベル、組織レベル、個体レベルにおいて概説する。
そして、臨床的腫瘍学まで知識の範囲を広げて、放射線治療の適応や、臓器別治療法を理解し、
集学的治療としての放射線治療について考える。
到達目標
1.放射線利用の現状とそれに関連する問題について正確な知識を習得する。
2.分子ならびに細胞・組織レベルでの放射線生物学を理解する。
3.個体レベルでの放射線生物学を理解する。
4.医学利用放射線ならびに環境放射線による被ばくについて健康影響リスクとの関係で理
解する。
5.放射線の確率的影響を理解し、低線量被ばくによる発がんと遺伝的影響並びに放射線防
護の概念を理解する。
6.がんの放射線治療における放射線生物学の役割を理解する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
放射線利用の現状
放射線利用範囲の広がりと被ばく制御について
2
分子レベルの放射線
DNA の構造と損傷生成に至る反応経路
3
細胞レベル
4
細胞レベル
細胞死と細胞生存の定量化
5
組織レベル
LQ モデルによる解析と正常組織の α/β 比と耐容線量につ
DNA 損傷に応答するセンサー、修復、チェックポイント、
アポトーシス等
いて
授業計画
6
組織レベル
正常組織における副作用について
7
個体レベル
全身被ばく後の急性放射線症の発生様式
8
個体レベル
放射線発がんの線量効果関係に基づく直線モデルについて
9
低線量被ばく影響
低線量被ばくによるがんの罹患と死亡に関するリスク推定
10
低線量被ばく影響
値 UNSCEAR2001 の意義について
連続低線量被ばくによる遺伝的影響のリスク推定値
UNSCEAR2001 の意義について
成績評価方法
教科書・参考文献
11
臨床放射線生物学
腫瘍コードと低酸素細胞層、腫瘍内細胞動態のパラメーター
12
臨床放射線生物学
放射線治療可能比 TR を左右する化学的、物理的因子
13
臨床放射線生物学
がんの種類と放射線治療
14
非電離放射線の影響
電磁波、磁場、超音波等の人体影響について
15
放射線障害の防護
放射線防護体系、線量拘束値と線量限度、関連法令
小試験を数回実施、その総合点により判定
プリントを配布
学生へのメッセージ・ 前期で使用した教科書「放射線生物学改訂 2 版」並びに実施された小擬試験問題を持参す
履修上の留意点
ること
―
65
―
専門基礎教育科目
生物学
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204005
科 目 名
放射線物理学
科目担当責任者: 住吉 孝
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
放射線の発生原理および、発生した放射線を利用するさまざまな医療機器を安全に取り扱
うために必要となる放射線物理に関する基礎的な知識を身につける。放射線の定義・基本単
位などについて理解し、物理的特性について学習する。光子と物質、荷電粒子と物質との相
互作用を中心に基本的な考え方等を学習し、医療における放射線利用の物理学的基礎を修得
する。また、X線が発見されてからの人類の放射線利用についても学習する。
1.原子や原子核の構造や特性を理解し、壊変様式について説明できる。
2.X線の発生と物質との相互作用について説明できる。
3.荷電粒子と物質の相互作用について説明できる。
4.中性子と物質の相互作用について説明できる。
回数
専門基礎教育科目
授業計画
テ ー マ
授 業 内 容
1
放射線
放射線の発見と利用の歴史、放射線の定義と種類
2
量子論
波動性と粒子性、質量とエネルギーの同等性
3
原子の構造
ボーアの原子模型、量子数、原子の殻構造、元素の周期律
4
原子核の構造1
原子質量単位、核種の分類
5
原子核の構造2
質量欠損と結合エネルギー、核力、液滴模型、素粒子
6
原子核の壊変1
放射能、壊変の法則、半減期、放射平衡
7
原子核の壊変2
アルファ壊変、ベータ壊変、β +壊変、軌道電子捕獲
8
原子核の壊変3
ガンマ線放射、内部転換、核異性体転移、自発核分裂
9
放射性物質
放射性物質の発見、自然放射性物質、人工放射性物質
10
核反応と核分裂
原子核の人工変換、核反応断面積、核分裂のエネルギー
11
電子線と物質の相互
相互作用の種類、エネルギー損失、減弱と飛程
作用
12
X線の発生
特性X線、モーズリーの法則、制動X線の強度分布
13
X線と物質の相互作
光子と物質の相互作用の種類、物質へのエネルギー付与、
用
減弱係数、半価層
重荷電粒子と物質の
阻止能、飛程、ブラッグ曲線、W値
14
相互作用
15
中性子と物質の相互
中性子の分類、相互作用の種類、中性子源
作用
成績評価方法
教科書・参考文献
出席状況 10%、学習態度(質疑応答など)10%、期末定期試験 80%の割合で総合的に評
価する。
教科書「放射線物理学」遠藤真広、西臺武弘共編、オーム社、
(2006)
参考書「放射線医学物理学 第3版」西臺武弘著、文光堂、
(2011)
学生へのメッセージ・ 毎回の講義内容については事前に予習を行い、さらに 30 分以上の復習を行い理解を確実に
することが望ましい。
履修上の留意点
―
66
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204006
科 目 名
放射線物理学演習
科目担当責任者: 住吉 孝
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
演習問題を解くことにより放射線物理の基礎的知識を修得する。
原子および原子核の性質、放射能や半減期の求め方、放射線の物質内での減弱の計算法な
どの典型的な例題を解くことにより、原子および原子核の構造、放射線の種類および物理的
特性、放射線と物質の相互作用、核反応・核分裂などの放射線にかかわる現象についての理
解を深める。
1.放射線の定義と種類について説明できる。
2.原子および原子核の構造と特性について説明できる。
3.X線の発生原理について説明できる。
4.放射線と物質の相互作用について説明できる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
電子
電界中の電子の運動、磁界中の電子の運動
2
光子と電子
波動性と粒子性、光子の運動量、物質波の波長
3
原子の構造
原子の特性、ボーアの水素原子模型
4
原子核1
同位元素、放射線の種類、原子核の壊変、核力
5
原子核2
質量欠損と結合エネルギー
6
核反応
核分裂反応と核融合反応
7
X線の発生
特性X線の発生、制動X線の発生
8
X線と物質の相互作
干渉性散乱、光電効果
用1
9
授業計画
X線と物質の相互作
コンプトン散乱、電子対生成、光核反応
用2
10
X線と物質の相互作
減弱係数、半価層、エネルギー転換係数
用3
11
放射性同位元素1
壊変則、放射能
12
放射性同位元素2
放射性壊変の種類、放射平衡
13
荷電粒子と物質の相
阻止能、比電離能、電子線、衝突阻止能、放射阻止能、チェ
互作用1
レンコフ光放射
荷電粒子と物質の相
重荷電粒子、弾性散乱、衝突損失、飛程、Bragg 曲線
14
互作用2
15
中性子と物質の相互
捕獲反応、弾性散乱、マクロ散乱断面積、平均自由行程
作用
成績評価方法
教科書・参考文献
出席状況 10%、授業態度(質疑応答など)10%、期末定期試験 80%の割合で総合的に評
価する。
教科書「放射線物理学演習(第2版)
」福田 覚、前川昌之共著、東洋書店、(2005)
参考書「放射線物理学」遠藤真広、西臺武弘共編、オーム社、
(2006)
学生へのメッセージ・ 毎回の講義内容については事前に予習を行い、さらに 30 分以上の復習を行い理解を確実に
履修上の留意点
することが望ましい。
―
67
―
専門基礎教育科目
1
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204007
科 目 名
放射線物理学実験
科目担当責任者: 俵 紀行
担 当 教 員 名: 樋口 健太、杉本 芳則、桑原 修
配当年次と単位
授業の概要
2年次 前期 必修 授業形態
(実験・実習)
1単位 時間数
(45)
放射線物理学で学習した重要な理論について、実験を通じ、物理法則を確認し、物理的基
礎知識を確実なものとする目的がある。また、実験データの処理、解析、レポート作成全般
を身に付ける目的がある。具体的には、放射線の測定や自然放射線の測定、測定器の理解、
測定データの統計処理、解析などについて実際に実験を通して学ぶ。また、講義で学習した
内容を目で内容を言葉で表現することにより理解度の確認およびレポート処理を身に付ける
ことができる。
放射線物理学に関する基礎的な事項について実験を通じて学び身についた知識とする。
到達目標
回数
専門基礎教育科目
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
1
運動の解析
運動の解析
2
運動の法則
剛体のつり合いと運動の第2法則
3
光学の測定
屈折・干渉の測定
4
起電力
電池の起電力と内部抵抗
5
静電容量
静電容量とコンデンサー
6
静電誘導と電磁誘導
静電誘導と電磁誘導
7
電圧・電流計
直流・交流の電圧計と電流計の使い方
8
交流の発生・測定
交流の発生、オシロスコープによる測定
9
コンデンサー
コンデンサーの性質と複素インピーダンス
10
アナログ画像
アナログ画像の基礎
11
デジタル画像
デジタル画像の基礎、PC での表示
12
画像処理
デジタル画像処理とは
課題レポート、実習態度等を総合的に評価する
テーマごとにプリントを作成
参考資料として放射線物理学の教科書を使用する
放射線物理に関する基礎的な事項を確認する実習です。レポートは遅れないように提出す
学生へのメッセージ・ ること。
履修上の留意点
―
68
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204008
科 目 名
放射化学
科目担当責任者: 住吉 孝
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
放射線および放射性核種(放射性同位元素)の特性を学び、放射性核種の利用と応用の基
礎知識を修得する。
放射線の種類と性質、放射能と同位体、壊変現象や半減期の概念、放射平衡、天然放射性
核種と人工放射性核種の違いなど、原子核より放出される放射線の基礎項目について学習す
る。また、放射性核種の製造方法、分離精製方法およびトレーサー技術を修得し、放射性同
位体の化学および医学利用について学ぶ。
1.原子核、放射線、同位体の基礎的な現象を理解できる。
2.放射性核種の壊変過程と壊変則について説明できる。
3.放射性核種の製造、分離、精製および化学的利用について説明できる。
4.放射性核種の医学への利用について説明できる。
回数
授 業 内 容
1
序論
放射能の発見と放射線利用の現状
2
放射能と同位体1
原子の構造、安定核種と放射性核種
3
放射能と同位体2
原子質量単位、質量欠損と結合エネルギー
4
放射性壊変1
アルファ壊変、ベータ壊変、軌道電子捕獲
5
放射性壊変2
ガンマ線放射、自発核分裂、壊変図
6
原子核の性質
原子核モデルと魔法数
7
壊変と壊変則1
壊変の法則、半減期と平均寿命、有効半減期
8
壊変と壊変則2
放射平衡とその応用、ミルキング
9
天然放射性核種
1次および2次放射性核種、誘導放射性核種
10
人工放射性核種
核反応と核反応断面積、Q値、核分裂反応と核融合反応
11
放射性同位体の化学
ホットアトム化学、同位体交換反応、同位体効果、ラジオ
コロイド
12
化学分析への応用1
収量と純度、放射性核種の分離法、標識化合物の合成法
13
化学分析への応用2
放射分析法、放射化分析法、放射化学分析法、同位体希釈
14
医学への応用1
核医学と標識化合物
15
医学への応用2
テクネチウムと PET の化学
分析法
成績評価方法
教科書・参考文献
出席状況 10%、学習態度(質疑応答など)
10%、期末定期試験 80%の割合で総合的に評価する。
教科書「放射化学(改訂3版)
」東 静香、久保直樹共編、オーム社、(2015)
参考書「アイソトープ手帳」日本アイソトープ協会、最新版
講義予定内容を教科書で予習し(30 分程度)
、必ず復習をおこない理解を深めてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
69
―
専門基礎教育科目
授業計画
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204009
科 目 名
放射化学演習
科目担当責任者: 樋口 健太
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 後期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
「放射化学」で学んだ基礎的知識をさらに確実にし、放射性同位元素の利用についてさら
なる理解を深める。典型的な演習問題を解くことを中心に授業を進め、特に、目的を持って
原子炉やサイクロトロンを利用し製造された放射性核種の分離、精製、標識などの様々な手
法をさらに理解し、放射性同位体の化学分析法の原理や特徴および測定方法について学習す
る。また、その他の社会における医療分野以外での放射線利用についても学習する。
1.演習問題を通して放射化学で学んだ知識を復習する。
2.過去の国家試験問題を解き、類似問題に対応できるようにする。
3.応用問題にも対応できる力を身に付ける。
回数
専門基礎教育科目
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
1∼2
元素
原子の構造、周期律や放射性核種の生成について理解する。
3∼4
壊変
放射性壊変、壊変現象や壊変図式について理解する。
5∼6
放射平衡
過渡平衡、永続平衡やミルキングについて理解する。
7∼8
核種
天然・人工放射性核種や核反応式について理解する。
9∼ 10
分離
放射性核種の分離法について理解する。
11 ∼ 12 ラジオグラフィ
オートラジオグラフィについて理解する。
13 ∼ 14 標識
放射性標識化合物の合成方法について理解する。
15
その他
放射性同位元素の化学分析への応用について理解する。
講義への取り組む姿勢(20%)
、課題レポート(30%)、試験(50%)を総合的に判断し評
価を行う。
教科書:後日指定する。
参考書:放射化学等で使用した教科書、放射線技術学シリーズ 放射化学 オーム社、
その他は必要に応じて紹介する。
プリント、参考書等を十分に活用して予習、復習を行ってほしい。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
70
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204010
科 目 名
電気・電子工学
科目担当責任者: 西山 篤
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 前期 選択 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
診療放射線技師が業務で操作する画像診断装置は、電気で動いている電子機器であり、電
気・電子工学に関する工学知識は診療放射線技師にとって不可欠なものである。本科目では
特に、電磁気学、直流・交流理論等基礎的な理論から、電気工学にかかわる実践的知識を原
理から応用まで体系的に習得できることを目的とする。様々な実用計算問題を例題に 電気・
電子工学で用いられている各単位定義の意味を理解し、その重要性を身に付ける。
電気工学・電子工学の知識を身につけることにより、医用工学の学習および診療画像機器
の原理を理解することができる。
計算問題を多く解くことにより、理解が深まる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
電荷とクーロン
電荷、静電誘導、2つの点電荷に働く力、比誘電率
2
電界と電位
電界の強さ、電気力線、ガウスの定理、電位差
3
静電容量とコンデン
静電容量の計算、静電エネルギー、コンデンサーの接続
サ
電流と電荷
電流の量と電子の数
5
磁界
磁束密度、磁極の強さ、磁界中の電子の運動
6
二極管
構造、VI特性、パービアンス、光電子増倍管
7
電流と磁気
直線電流の磁界、ビオサバールの法則、ソレノイドの磁界
8
電流が磁界から受ける力、平行な導体間に働く力
9
誘導作用
電磁誘導、誘導起電力、自己誘導、相互誘導
10
インダクタンスとコ
自己インダクタンスと相互インダクタンス、うず電流
イル
11
導体の抵抗
抵抗率、導電率、絶縁抵抗、抵抗の温度計数
12
オームの法則
電圧、電流、抵抗、単位
13
直流回路
抵抗の接続、電圧降下
14
15
成績評価方法
電圧計、キルヒホッフの法則
電力と発生熱量
電力計、ジュールの法則、ゼーベック効果、ペルチェ効果
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「初歩の医用工学」
(医療科学社)
、「医用工学演習」
(医療科学社)
教科書・参考文献
計算が多い科目です。問題を多く解いて理解を深めてください。
学生へのメッセージ・ 後期に開講する「医用工学」と一連の科目です。
履修上の留意点
―
71
―
専門基礎教育科目
授業計画
4
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204011
科 目 名
医用工学
科目担当責任者: 西山 篤
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
医療で用いられる放射線機器の動作原理を理解する上で必要となる電気回路の基礎とエレ
クトロニクスの基礎を理解することを目的としている。具体的には、直流回路、交流回路、
並びに回路の用いられている半導体素子(ダイオード、トランジスタ、)、抵抗、コンデンサ、
コイルの特性について学習する。医療で用いられる放射線機器の動作原理を正しく利用する
ことは、医療安全の確保に重要な意味を持つことを理解させる目的がある。
医用工学の知識を習得することにより、放射線機器に関わる基本的な原理が理解できる。
計算問題を多く解くことにより、理解が深まる。
到達目標
回数
テ ー マ
1
交流回路
正弦波交流、周期と周波数、実効値、位相と位相差
2
受動素子
複素数、抵抗だけの回路、静電容量だけの回路
3
共振現象
RL直列回路、RC直列回路、インピーダンス
4
専門基礎教育科目
授業計画
授 業 内 容
直列共振、RL並列回路、RC並列回路
5
交流の電力
有効電力、力率、変圧器
6
整流方式
リプル百分率、X線装置の整流回路
7
過渡現象
CR回路の応答、コンデンサの充電と放電
8
電磁気と生体
生体の電気的性質、マクロショックとミクロショック
9
電磁波に対する性質、生体から発生する磁界
10
半導体
真性半導体、n形半導体、p形半導体、pn接合
11
ダイオード
定電圧ダイオード、可変容量ダイオード、エサキダイオー
ド
12
増幅回路
13
14
15
成績評価方法
トランジスタ、npn形、pnp形、増幅作用、静特性
オペアンプ、反転増幅、非反転増幅、微分積分回路
センサー
シンチレーション計数器、ホール素子
超音波センサー、放射線センサー
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「初歩の医用工学」
(医療科学社)
、
「医用工学演習」
(医療科学社)
教科書・参考文献
計算が多い科目です。問題を多く解いて理解を深めてください。
学生へのメッセージ・ 前期の「電気・電子工学」と関連する科目です。
履修上の留意点
―
72
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204012
科 目 名
医用工学実験
科目担当責任者: 西山 篤
担 当 教 員 名: 河原田泰尋、木村 徹、藤原 健祐
配当年次と単位
授業の概要
2年次 前期 選択 授業形態
(実験・実習)
1単位 時間数
(45)
コンデンサ、コイルなどの線形素子は医療機器にも組み込まれる電気・電子部品としても
一般的なものである。これらの性質を理解することは放射線を専門領域とする学生には必須
である。直流、交流の両方の電流・電圧測定の方法を習得するところを導入として、各種電気・
電子部品などを組み合わせることにより様々な回路の作製をし、測定を行う。講義で学習し
た内容をより確実なものとするため、代表的な回路を中心に測定実験を行い、振幅や位相の
概念度を上げることを目的とする。
電気工学・電子工学の基礎的な実験を学習する。
講義で学ぶ医用工学に関する基礎的な事項について実験を行い習得する。
到達目標
回数
成績評価方法
教科書・参考文献
授 業 内 容
1
積分・微分回路
積分回路と微分回路によるパルス応答
2
ダイオード
ダイオードの V-I 特性
3
トランジスタ
トランジスタの特性
4
増幅・スイッチ回路
トランジスタによる増幅・スイッチ回路
5
ロジック IC
ロジック IC によるデジタル IC の基礎
6
発振回路
発振回路、カウンター IC
7
オペアンプ
オペアンプによる増幅回路
8
A/D 変換回路
A/D 変換回路
9
回路設計
回路設計
10
放射線測定Ⅰ
測定原理、自然放射線の測定
11
放射線測定Ⅱ
X線の測定
12
放射線の減弱
X線の物質による減弱
課題レポート、実習態度等を総合的に評価する
テーマごとにプリントを作成
医用工学の教科書
電気工学・電子工学の基礎的な事項を確認する。レポートは遅れないように提出すること。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
73
―
専門基礎教育科目
授業計画
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204013
科 目 名
放射線計測学
科目担当責任者: 住吉 孝
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
放射線計測における量と単位を理解し、気体や固体の電離を利用する各種放射線検出器、
励起による発光を利用するシンチレーション検出器などの検出原理と特性について学ぶ。そ
れぞれの種類の検出器に適合する信号処理系を含む計測システムの特徴を理解するととも
に、計測結果の統計的な取り扱いについて学習する。
1.放射線計測に関わる量と単位を理解する。
2.放射線検出の原理が説明でき、放射線の種類に合わせて最適な検出器を選択することが
できる。
3.検出器の特性と測定システムの構成を理解する。
4.計数値の統計的な取り扱いができる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
放射線計測学の基礎
履修ガイダンス、放射線計測にかかわる量と単位
2
放射線検出の原理
放射線検出法の分類、放射線検出器の種類
3
気体検出器1
気体のイオン化に対する電圧の効果、電離箱の種類および
動作原理と特性
専門基礎教育科目
4
気体検出器2
比例計数管と GM 計数管の種類および動作原理と特性
5
半導体検出器
半導体検出器の種類および動作原理と特性
6
シンチレーション検
シンチレータの種類と発光原理、シンチレーション検出器
出器
の種類および動作原理と特性
液体シンチレーショ
液体シンチレーション検出器の動作原理と特性、クエンチ
ン検出器
ング、光電子増倍管の構造と特性
個人被ばくモニター
熱ルミネッセンス線量計、蛍光ガラス線量計、光刺激ルミ
7
授業計画
8
ネッセンス線量計
9
化学線量計
10
中性子検出器
中性子検出器の種類と特性
11
計数値の統計処理
計数値の平均、分散、標準偏差、誤差伝搬則
12
照射線量の計測
自由空気電離箱による測定、空洞電離箱、線量計の校正
13
吸収線量の計測
空洞電離箱による測定、Bragg-Gray の空洞原理、熱量計
14
エネルギーの計測
光子のスペクトル測定、荷電粒子のスペクトル測定
15
放射能の計測
絶対測定法と相対測定法、β − γ 同時計数法
化学線量計の種類と特性、フリッケ線量計、セリウム線量
計
成績評価方法
教科書・参考文献
出席状況 10%、学習態度(質疑応答など)、期末定期試験 80%の割合で総合的に評価する。
教科書 「放射線計測学(改訂2版)」
西谷源展、山田勝彦、前越 久共編、オーム社、
(2013)
参考書 「放射線基礎計測学」
三枝健二 他、医療科学者、
(2008)
「放射線計測の理論と演習(上、下)
」ツルファニディス、阪井英次訳、現代工学社、
(1986)
学生へのメッセージ・ 毎回の予習(30 分程度)と復習により理解を確実にすることが望ましい。
履修上の留意点
―
74
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
204014
科 目 名
放射線計測学演習
科目担当責任者: 河原田泰尋
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
放射線測定技術全般の基礎的原理を学習し、基本的な動作原理や特性等についてさらに学
習する。また、放射線測定に関する基礎的な技術として、放射線量、放射能、エネルギーの
測定について学ぶ。放射線の種類、放射線(能)の単位、放射線測定器の概略、検出器の種類、
エネルギー測定、放射能の測定、補正、トレーサビリティについて学習し、典型的な演習問
題を解くことにより理解を確実なものとし、より実践的な放射線計測の実際を身に付けるこ
とを目的とする。
実践と例題を多く取り入れ測定器の特性や構造及び測定原理を理論的に理解し、治療線量
や患者被ばく線量評価など放射線診療における放射線管理の実践に対応できる知識を習得す
る。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
オリエンテーション
本授業の進め方や講義内容および評価方法を説明する
2
放射線計測と単位
放射線に関する単位(SI 単位と接頭記号)について理解す
る
3
電荷と電流
帯電した箔検電器にX線照射したときの現象を理解する
線量(照射線量・吸
電離箱を用いた空気中の電離電流、電離電荷から照射線量
収線量・空気カーマ) (率)
・吸収線量(率)
、またブラック・グレイの空洞理論の
例題を実践することで理解する
授業計画
7∼8
ガス増幅計数管
比例・GM 計数の例題を実践することで理解する
9∼ 12
蛍光を利用した測定
シンチレーション計数管によるエネルギー測定、蛍光ガラ
ス線量計、熱蛍光線量計の例題を実践することで理解する
成績評価方法
教科書・参考文献
13
個体検出器
半導体検出器の例題を実践することで理解する
14
測定値の処理
測定と誤差の例題を実践することで理解する
15
まとめ
全体のまとめ
毎回提示する演習問題や課題の理解度及び提出(80%)、出席率(20%)で評価する
教科書:放射線基礎計測学、三枝健二、入船寅二、福祉政広、斉藤秀敏、中谷儀一郎;医療
科学社.
参考書:放射線量計測の基礎:J.R.Greening 著、森内和之・高田信久訳、地人書館.
GLENN F.KNOLL:RADIATION DETECTION AND MEASURMENT: 放 射
線計測ハンドブック、木村逸郎、阪井英次訳、日刊工業新聞社.
放射線計測の理論と演習(上・下)
:ニコラスツルファニディス著、阪井英次訳、
現代科学社.
学生へのメッセージ・ 担当者が作成したプレゼン資料(PowerPoint)を配布し教科書と併用して進める
履修上の留意点
放射線以外の広い科学的知識が必要であり、予習・復習を実践し受講すること
―
75
―
専門基礎教育科目
4∼6
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
205001
科 目 名
基礎看護学
科目担当責任者: 門間 正子
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
看護の歴史を通して、看護が専門職としてどのように発展してきたか、看護学が学問とし
てどのように体系化され現代にいたるかを学ぶ。病院における看護業務の役割や患者との関
わり方など、専門職としての看護の役割を学ぶ。また、チーム医療において、患者を中心に
各医療職がどのように連携しているか、診療放射線技師と看護師の役割や協働について学ぶ。
1.看護の歴史的変遷と専門性について学ぶ。
2.看護の目的と役割機能について学ぶ。
3.看護学を構成する各看護学の概要について学ぶ。
4.チーム医療における看護師と診療放射線技師との協働の重要性について説明できる。
回数
1−2
専門基礎教育科目
3−4
授業計画
5−7
8
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
ガイダンス
本科目の目的 ・ 目標、学習内容 ・ 方法、履修上の注意事項
看護の歴史的変遷と
看護の歴史的変遷
専門性
職業としての看護の歴史
看護の目的と役割機
看護の定義 ・ 目的 ・ 役割機能
能
看護における主要概念
看護学を構成する各
看護学の構成
看護学の概要
各看護学の概要
チーム医療における
チーム医療における看護師の役割
看護師と診療放射線
チーム医療における診療放射線技師の役割
技師との協働
看護師と診療放射線技師との協働の重要性
定期試験、課題レポート、出席状況(態度も含む)により総合的に評価する。
後述する。文献は、適宜提示する。
健康障害を抱えた方に適切な医療を提供するためには、医療チームを構成する各専門職が
協働しその役割を果たすことが重要です。そのためにはチームを構成する他の医療職の役割
学生へのメッセージ・
を理解することが必要になってきます。本科目では、診療放射線技師が医療現場で協働する
履修上の留意点
ことが多い看護師の役割と、看護師と協働することの重要性を学習します。本科目を通して
看護への理解が深まることを期待しています。
―
76
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
205002
科 目 名
医療コミュニケーション学
科目担当責任者: 樋口 健太
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
1年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
人間対人間、患者対医療関係者、患者対診療放射線技師、他医療職種対診療放射線技師間
など、社会や病院における人間関係の形成やコミュニケーション理論について学ぶ。病院に
於ける患者と医療職種との人間関係やケアリングの概念を学び、患者とのコミュニケーショ
ンを正確に行うことの重要性からコミュニケーションスキルを身につけることを目的とす
る。
1.患者とのコミュニケーションの重要性を理解し、コミュニケーションスキルを身に付け
る。
2.チーム構成員が担う役割や機能を学び、チーム医療における診療放射線技師の役割・機
能について理解し説明することができる。
3.放射線検査やそれに伴う放射線被ばくについて、患者心理を理解し説明することができ
る。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
概論
医療コミュニケーション学とは
2
患者対医療関係者
患者とのコミュニケーションについて
3
患者対放射線技師
放射線技師としてのコミュニケーションについて
4
チーム医療
医療従事者相互のコミュニケーションについて
5
放射線検査
放射線検査の説明や患者心理について
6
被ばく
放射線被ばくの説明や患者心理について
7
スキル
コミュニケーションスキルについて
8
総論
医療コミュニケーションについてのまとめ
授業計画
成績評価方法
教科書・参考文献
講義への取り組む姿勢(50%)、課題レポート(50%)を総合的に判断し評価を行う。
教科書:後日指定する。
参考書:図解 診療放射線技術実践ガイド 文光堂、診療放射線技術(上巻)南江堂、
その他は必要に応じて紹介する。
積極的に講義へ参加してほしい。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
77
―
専門基礎教育科目
1
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
205003
科 目 名
チーム医療論
科目担当責任者: 山下 浩紀
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
チーム医療における多様な職種の役割を把握し、人々の健康の維持・向上を目指し協働す
る意義と方法を学習する。また様々な状況下における保健医療チームの役割と連携を学習し、
関連専門職者の専門性を尊重し、効果的に協働するための基本的態度を理解する。具体的に
は、医師・看護師・診療放射線技師をはじめとする臨床現場における各医療スタッフが果た
す役割、業務内容を知り、特に診療放射線技師との連携について、具体的なかかわりを知る
科目として位置付けている。
1.チーム医療の概念を学び、構成する各職種の役割を把握する。
2.保健医療チーム間の連携や協働について学ぶ。
3.協働するための基本的な態度を理解する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
チーム医療とは
チーム医療とは何か、チーム医療の現状と課題
2
他職種の理解①
医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴
覚士などの職種理解
専門基礎教育科目
授業計画
成績評価方法
3
他職種の理解②
社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士などの職種理解
4
連携・協働の理解
連携・協働とは何か、連携・協働のメリットとデメリット
5
自己理解と他者理解
自己理解と他者理解、価値観の違いの理解
6
コミュニケーション
コミュニケーションスキルの理解
7
カンファレンス
模擬カンファレンス
8
チーム医療のスキル
チーム医療に必要なスキルと自身の課題整理、総括
出席及び授業態度(50%)、レポート(30%)、グループ演習(20%)
教科書は特に指定しない。参考文献は適宜紹介する。
教科書・参考文献
卒業後は、医療職の一員として、現場で他職種と連携をしながら業務にあたることになり、
学生へのメッセージ・ 組織の一員としての活躍が期待されています。チームとしての活動において、何が大切なの
かを一緒に考えていければと思います。ディスカッションやグループワークを取り入れてい
履修上の留意点
きますので、履修においては積極的な参加を期待します。
―
78
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
205004
科 目 名
医療経済学
科目担当責任者: 藤原 健祐
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
医療サービスは 不確実性 、 外部性 、 情報の非対称性 などの特性を持つため、市場メ
カニズムによる資源配分が効率的な結果をもたらすことを期待できないと言われている。ま
た、各国において医療保険制度には大きな違いがある。こうした問題について、具体的事例
を踏まえながら学習していく。また、我が国における医療サービス特性を理解し、医療機関
の「医療の質」や「医療経営」の向上に役立てるような学習内容とする。
医療経済学の基本的事項について理解することを目的とする。医療サービスの特性や医療
システム、保険システムを理解し、医療人として備えるべき経済的な知識や思考力を身に付
ける。また、分析・評価に必要となる統計学の基礎的な知識についても修得する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
医療経済学とは
ガイダンス、経済学および統計学の予備知識
2
病院とは
病院とは何か、医療業界の全体像をみる
3
医療の特性
病院数、診療科、医療圏について、病院の収支構造
モラル・ハザード、医師誘発需要
4
医療システム
5
保険システム
日本の医療供給制度と医療保障制度
診療報酬制度、医療に対する規制
授業計画
日本の保険制度
米国、英国の保険制度
6
国民医療費
日本における医療費の現状
求められる医療改革、公平・効率について
成績評価方法
教科書・参考文献
7
医療の経済学的評価
費用効果分析、費用効用分析
8
トピックス
最近の医療界におけるトピックスのディスカッション
定期試験(80%)および講義参加態度(20%)で評価する。
教科書:医療の経済学.河口洋行(著).日本評論社;第 3 版(2015)
参考書:適宜紹介する。
学生同士で自分の意見を言う、相手の意見を聞くなど教員・学生間に話し合いのある講義
学生へのメッセージ・ スタイルをとります。
履修上の留意点
―
79
―
専門基礎教育科目
不確実性、外部性、情報の非対称性
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門基礎教育科目
科目コード
202011
科 目 名
臨床心理
科目担当責任者: 松本真由美
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
2年次 後期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
医療現場等で対人援助を行う者は心の通いあいや、深い人間関係を求められる場合がある
が、この心の通いあいによって対象者に望ましい変化が生じることがある。臨床心理の領域
では心理的援助のための様々な技法を用いて、対象者に適した関わりを行い、望ましい変化
を対象者と共に築くことを心がける。本講義では臨床心理的アプローチの理論や技法を学習
し、医療職者として、対象者の理解に広がりや深まりが生まれることを目指す。
1.臨床心理的視点について理解する。
2.心理療法の基礎を理解する。
3.さまざまな対象者や心理的援助について理解を深める。
回数
1
テ ー マ
臨床心理学の視点
授 業 内 容
臨床心理学とは、臨床心理学の歴史(アメリカ、日本)
、精
神医学と臨床心理学の関係
2
アセスメント
アセスメント:心理アセスメント(インテーク面接、
インテー
ク・カンファレンス、面接)
、行動観察、心理検査(知能検
専門基礎教育科目
査、発達検査、パーソナリティー検査等)
3
適応と不適応
順応と適応、防衛機制、不適応行動(ストレスとストレス
からの脱却)
4
心理療法:認知行動
認知行動療法(行動療法:暴露法、認知療法:論理療法)
、
療法
認知行動療法の実際(認知行動療法の考え方、自動思考、
面接場面での認知行動療法、コラム法を用いた認知行動療
授業計画
法)
5
6
7
8
心理療法:精神分析
フロイトによる心の構造(エス、自我、超自我)
、精神分析
療法
療法の実際(自由連想法、事例検討)
心理療法:来談者中
パーソン・センタード・アプローチ(自己一致、
受容、共感)
(傾
心療法、集団心理療
聴、非支持的アプローチ)
、集団心理療法(エンカウンター・
法
アプローチ)
心理療法:コミュニ
コミュニティーとは、
コミュニティー・アプローチの実際(犯
ティ・アプローチ
罪被害、被害者支援のネットワーク、エンパワメント)
心の病と心理的援助
特別支援教育、学生相談、職場のメンタルヘルス、精神疾
患を持つ人々への介入(地域移行、多職種連携)
成績評価方法
教科書・参考文献
学期末の筆記試験(60%)と、講義時間内に実施する課題(40%)をもとに評価する。
教科書は特に指定しない。各回の講義時にプリント資料を配付し、その中に参考文献を提
示する。
学生へのメッセージ・ 配付される資料を読み、講義時の説明に集中し、理解を心がけましょう。課題に主体的に
履修上の留意点
参加し、体験から得られたことを考え、深めましょう。
―
80
―
専 門 教 育 科 目
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304001
科 目 名
診療画像技術学概論
科目担当責任者: 杉本 芳則
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
2年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
画像診断に必要となるX線装置、CR 装置、CT、MR、超音波装置などの概要と発生する
検査画像の特徴に関し知ることを目的としている。画像診断に利用する各種診療画像技術学
に関する専門科目への導入として、診療放射線技師の役割と義務について理解するとともに、
使用される装置や器具、撮影法の基礎的な事項、医療安全についての概要を学習する。 さ
らに、各種検査方法とその画像の特徴や画像表示などについて概要を学ぶ。
診療放射線技師が行う画像検査について概要を説明できる。
到達目標
回数
1
テ ー マ
授 業 内 容
診療放射線技師
診療放射線技師の資格・役割・義務
2∼3
X線画像
X線画像の原理・特性
4
X線検査
X線撮影装置・器具
5
CT 検査
CT 検査概要(原理・装置)
6
MRI 検査
MRI 検査概要(原理・装置)
7
超音波検査
超音波検査概要(原理・装置)
8
医療安全
診療放射線技師業務における医療安全
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
定期試験。
評価基準は履修規定に準ずる。
プリント配布
参考書 診療放射線技術選書 医用画像検査技術学:南山堂
診療放射線技師が行う検査技術の概論です。復習を怠らないこと。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
82
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304002
科 目 名
診療画像技術学Ⅰ(一般撮影)
科目担当責任者: 杉本 芳則
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
最初にX線単純撮影の原理を理解する。人体を構成する物質がX線(光子)と物理的な相
互作用を起こし、その減弱効果を写真画像に表現していることを理解し、これを基に骨、胸
腹部撮影の目的、投影理論、撮影体位と画像等について学び、解剖とポジショニングの関係
や写真の見方を学ぶ。撮影装置、付属機器や人体を防護するためのプロテクターについて知
る。また、撮影理論の学習の基、人体各部位の撮影方法、撮影体位、撮影条件、撮影画像等
について学ぶ。
X線撮影の原理を説明できる。
各部位の撮影法を説明できる。
到達目標
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
X線画像
X線画像撮影の原理
2
基準点・基準面
体位、基準点、基準面
3∼5
四肢
四肢の撮影法
6∼8
脊椎・骨盤
脊椎・骨盤の撮影法
9∼ 11
頭部
頭部・聴器の撮影法
12 ∼ 13 胸部
胸部領域の撮影法
14 ∼ 15 腹部
腹部領域の撮影法
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
定期試験
評価基準は履修規定に準ずる。
教科書 診療放射線技術選書 医用画像検査技術学:南山堂
参考書 日本放射線技術学会.X線撮影技術学:オーム社
診療放射線技師業務の基本です。予習復習を行い確実に身に着けてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
83
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304003
科 目 名
診療画像技術学Ⅱ(造影検査)
科目担当責任者: 俵 紀行
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
先だって開講された、診療画像技術学Ⅰを理解したうえで、エックス線を使用した撮影の
うち特殊撮影や造影剤を使用した検査について、撮影目的、撮影法、撮影画像等について学ぶ。
具体的には、頭部撮影、乳房撮影、脳血管・体幹部血管等の造影検査、消化器の造影検査な
どについて、撮影方法、撮影体位、撮影条件、撮影画像等について学ぶ。 一般的な造影剤
と造影効果の物理的な解釈も同時に理解できるようにすることを目標とする。
1.造影剤の原理、種類、投与法、効果、副作用を理解する。
2.各種画像診断に用いられる造影検査方法を理解する。
3.造影診断画像に用いられる用語、サインを理解する。
4.造影診断画像の基本的読影力を身に付ける。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
ガイダンス
本科目の履修に関する概要について説明する。
2
造影診断法
造影診断法および造影剤の基礎と臨床について学ぶ。
3
上部消化管バリウム
消化管バリウム検査法(食道および胃)について学ぶ。
検査法
4
5
授業計画
下部消化管バリウム
消化管バリウム検査法(十二指腸、小腸、大腸、直腸)に
検査法
ついて学ぶ。
(中間テスト)
※2 ∼ 4 で学んだ内容に関する復習を兼ねる。
専門教育科目
6
胆道造影法
胆道造影法(経口法および経静脈法)について学ぶ。
7
尿路造影法
良路造影法について学ぶ。
8
特殊部位造影法
神経系、乳房および唾液腺などの部位の造影法について学
ぶ。
9
CT 造影法
各部位における CT 造影法について学ぶ。
11
血管造影法
各部位における血管造影法について学ぶ。
(中間テスト)
※10 および 11 で学んだ内容に関する復習を兼ねる。
13
断層撮影法
X線単純撮影による断層撮影法について学ぶ。
14
特殊撮影法
拡大撮影、立体撮影、間接撮影、透視撮影などの方法を学ぶ。
15
教科書・参考文献
※6 ∼ 8 で学んだ内容に関する復習を兼ねる。
10
12
成績評価方法
(中間テスト)
(中間テスト)
※13 および 14 で学んだ内容に関する復習を兼ねる。
参加態度、小テスト、中間テスト、定期試験、レポートを総合し評価する。
(教科書)特になし
(参考書)
「医用画像検査技術学 改訂 3 版」東田善治、新開英秀、加藤誠編、南山堂、
(2007)
診療画像は人体解剖との関連性を理解することが最も重要であるため、下記の準備を怠ら
学生へのメッセージ・ ないこと。
1.人体解剖学を再確認すること。
履修上の留意点
2.各種画像検査(X線撮影、CT など)の基礎原理を復習すること。
―
84
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304004
科 目 名
X線 CT 検査学
科目担当責任者: 藤原 健祐
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
X線 CT 検査について、CT 装置の原理、検査目的、検査部位ごとの撮影方法等について
学ぶ。具体的には、CT 装置の構造、撮影原理、画像表示技術、アーチファクトについて理
解する。また、検査部位ごとの一般的な撮影方法や特殊撮影法を知る。さらに、断層画像構
築理論には欠かせない、サイノグラム表示の意味や各種画像再構成方法理論を学ぶとともに、
画像処理について学ぶ。さらに、装置の保守管理の重要性を認識できるようにする。
CT 画像がどのようにして得られるのかを説明できる。具体的には CT 装置の原理と構造、
X線の諸現象と CT 画像への影響、画像再構成法を理解した上で、アーチファクトの発生原
因および対策、性能評価の測定理論および評価手法を修得する。
回数
授業計画
教科書・参考文献
授 業 内 容
1
装置の原理と構造(1) ガイダンス、装置の構成、SSCT と MSCT
2
装置の原理と構造
(2) Radon の画像再構成則、CT 装置の変遷
3
CT 画像の表示
線減弱係数と CT 値、ウィンドウ機能
4
画像再構成の基礎
サイノグラム、逆投影法、再構成関数
5
X線諸現象とその影響
線質硬化現象、部分体積効果、散乱線
6
アーチファクト
被写体・撮影条件・装置不良によるアーチファクト
7
ヘリカル CT
展開図、補間再構成法、Pitch factor
8
マルチスライス CT
多列検出器の概要、コーンビームX線
9
性能評価(1)
性能評価の目的、評価項目とファントム
10
性能評価(2)
空間分解能、ノイズ特性、時間分解能
11
線量評価
CTDI とその測定方法
12
CT の画像処理
3 次元画像処理(MIP、MPR、VR)
13
造影検査
時間濃度曲線、造影プロトコル
14
CT 検査の実際(1)
頭部、頭頸部、心臓、血管
15
CT 検査の実際(2)
胸部、腹部、四肢
定期試験(80%)および講義参加態度(20%)で評価する。
教科書:
「CT 撮影技術学」日本放射線技術学会監修.オーム社(2011)
参考書:適宜紹介する。
日本の CT 普及率は世界1位です。その CT を有効かつ安全に使用するために必要な基本
学生へのメッセージ・ 的事項を学習します。
履修上の留意点
―
85
―
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304005
科 目 名
MRI 検査学
科目担当責任者: 俵 紀行
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
3年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
授業の概要
MRI 検査について、MRI 装置の撮像原理、検査目的、検査部位ごとの各種撮影方法等に
ついて学ぶ。具体的には、MRI 装置の構造、撮影原理、画像表示技術、アーチファクトにつ
いて理解する。特に、MRI で重要となる T1・T2 などの緩和時間の考え方及び、撮影シーケ
ンスの詳細は重要である。また、検査部位ごとの撮影方法、画像処理について学ぶとともに、
高磁場の危険性、装置の保守管理の重要性を認識できるようにする。
到達目標
1.核磁気共鳴(磁気共鳴現象)の原理を説明できる。
2.MRI 撮像原理を説明できる。
3.磁気共鳴信号に関わるパラメータを説明できる。
4.MRI 装置の構成・機能を説明できる。
5.生体情報が MRI の画像信号へとどのように反映されるかを説明できる。
回数
授業計画
テ ー マ
授 業 内 容
1
ガイダンス
本科目の履修に関する概要について説明する。
2
MRI に関する予備知
指数・対数・三角関数および複素数など MRI に必要な数学
識
に関する復習を主に行う。
3
磁気共鳴現象
MRI の基本となる磁気共鳴現象の原理について学ぶ。
4
緩和(縦緩和)
緩和現象の中の縦緩和(T1 緩和)について学ぶ。
5
緩和(横緩和)
緩和現象の中の横緩和(T2 緩和)について学ぶ。
6
画像コントラスト
MRI の画像コントラストに関する仕組みについて学ぶ。
7
装置の構造
MRI 検査における実際の装置の構造について学ぶ。
8
スピンエコー法
最も基本的な撮像法であるスピンエコー法について学ぶ。
9
高速スピンエコー法
現在の主要な撮像法である高速スピンエコー法について学ぶ。
10
グラディエントエ
最も多用されているグラディエントエコー法について学ぶ。
コー法
専門教育科目
11
成績評価方法
脂肪抑制法
脂肪抑制法の種類及び原理について学ぶ。
エコープラナーイ
高速撮像法のエコープラナーイメージング法について学ぶ。
12
メージング(EPI)
13
データ空間
MRI の画像生成に関係したデータ空間について学ぶ。
14
k 空間
MRI の画像生成において最も重要な k 空間について学ぶ。
15
アーチファクト
MRI に出現する主なアーチファクトについて学ぶ。
参加態度、小テスト、定期試験、レポートを総合し評価する。
(教科書)特になし
教科書・参考文献 (参考書)「MRI の基本 パワーテキスト第 3 版」 メディカル・サイエンス・インターナショ
ナル(2011)
MRI に関する基礎原理の理解は難しいとされている。そのため、下記の準備を怠らないこ
と。
学生へのメッセージ・
1.事前に数学Ⅰ(指数・対数・三角関数)を再確認すること。
履修上の留意点
2.毎回のテーマの受講に先立ち、関連するキーワードの習得・理解を主とした予習及び復
習を行うこと。
―
86
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304006
科 目 名
超音波検査学
科目担当責任者: 杉本 芳則
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
3年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
超音波検査について装置の原理を理解し、検査目的、走査の種類等について学ぶ。具体的
には、超音波の物理特性、分解能、超音波検査装置の原理、探触子の種類と主な用途、画像
表示法、画像調整、ドプラ法、検査部位ごとの撮影方法、注意事項、画像の特徴、アーチファ
クト、サイン、超音波造影剤、代表的症例の超音波所見、検査報告書の作成などについて学ぶ。
また、散瞳型と無散瞳型の眼底検査の違い、眼底検査装置の原理、撮影の手法、眼底画像に
ついても学ぶ。
超音波の物理性質、超音波検査の原理・装置について説明できる。
到達目標
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1∼3
概要と物理的性質
波、反射、屈折、散乱、減衰、ビーム、分解能
4∼6
装置と撮像原理
パルス反射法、表示モード、プローブ、走査方法
7
アーチファクト
サイドローブ、鏡面反射、多重反射、音響陰影
8
ドプラ法
連続波ドプラ法、パルスドプラ法、カラードプラ法
9
造影超音波検査
造影原理
10 ∼ 12 検査と代表的所見
授業計画
13
検査報告書
14
保守管理・安全
15
眼底検査
腹部、心臓
無散瞳眼底カメラの原理と撮影法、装置、眼底画像
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
定期試験
評価基準は履修規定に準ずる。
プリント配布
参考文献 超音波の基礎と装置 四訂版(コンパクト超音波 α シリーズ).甲子 乃人:ベ
クトル・コア
事前に数学、物理、解剖学を理解しておくこと
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
87
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304007
科 目 名
診療画像技術学実験Ⅰ(X線検査)
科目担当責任者: 樋口 健太
担 当 教 員 名: 俵 紀行、杉本 芳則、藤田 智、横山 博一、勝浦 秀則
配当年次と単位
授業の概要
2年次 後期 必修 授業形態
(実験・実習)
1単位 時間数
(45)
学内のX線装置等を用いて、X線の線量・特性の測定、人体ファントムの撮影、画像の作
成など講義で学んだ技術を体系的に理解させる。具体的には、X線測定器を用いたX線の特
性試験、人体各部位のファントムを用いた撮影や発生散乱線の諸特徴の理解、撮影画像の濃
度測定、画像の見方などを実験し、レポートとしてまとめる。また、医療の場を想定したシ
ミュレーションなどを導入して、適切な患者対応ができる知識および技能を身につける。
放射線検査の基本的な事項を、実際の装置を利用して学習することを目的とする。
講義で学んだ特製、性能評価、検査技術等をファントムを用いて実際に行ってみる。
到達目標
回数
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
1
撮影装置
撮影装置の基本構造、操作方法 他
2
撮影法Ⅰ
基本撮影、頭部、胸部、腹部、
3
撮影法Ⅱ
基本的な撮影法、四肢等の撮影法
4
デジタル画像
CR の特性、構造、デジタル画像の成立ち
5
特製曲線
アルミ階段を用いた特製曲線の作成
6
X線 TV 検査
X線 TV 検査法、胃部造影検査法
7
揺曳線量
X線 TV 検査の揺曳線量の測定
8
X線 CT 検査
X線 CT 検査、基本操作方法、装置の構造
9
CT 検査撮影法
CT 検査各部位基本撮影法とアーチファクト
10
超音波検査
超音波検査法、基本操作、装置の構造
11
X線の線量測定
X線装置の線量測定、減弱の測定
12
RI の線量測定
RI の GM カウンターを使用した鉛の減弱測定
課題レポート、実習態度等を総合的に評価する
テーマごとにプリントを作成
参考資料「図説単純X線撮影法」
(金原出版)
、
「CT 撮影技術学」
(オーム社)
他
レポートの作成を通じて実習内容を確認してください。レポートは遅れないように提出す
学生へのメッセージ・ ること。
履修上の留意点
―
88
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304008
科 目 名
診療画像技術学実験Ⅱ(CT、超音波、眼底)
科目担当責任者: 渡邊 良晴
担 当 教 員 名: 木村 徹、小山 和也、藤原 健祐、藤田 智、横山 博一、勝浦 秀則
配当年次と単位
授業の概要
3年次 前期 必修 授業形態
(実験・実習)
1単位 時間数
(45)
学内の CT 装置、超音波装置、眼底撮影装置等を用いて、X線の線量・特性の測定、人体ファ
ントムを用いた検査・撮影、画像の見方など講義で学んだ技術を体系的に理解させる。具体
的には、X線測定器を用いたX線の特性試験、人体各部位のファントムを用いた撮影、撮影
画像の見方、無散瞳眼底検査機器の仕組みなどを実験する。また、医療の場を想定したシミュ
レーションなどを導入して、適切な患者対応ができる知識および技能を身につける。
放射線検査の基本的な事項を、実際の装置を利用して学習することを目的とする。
講義で学んだ特製、性能評価、検査技術等をファントムを用いて実際に行ってみる。
到達目標
回数
授業計画
教科書・参考文献
授 業 内 容
1
一般撮影法
一般撮影法、人体各部位の撮影法、画像評価法
2
X線管焦点の測定
ピンホールカメラ法によるX線管焦点の測定
3
CR の性能評価
CR の特性・構造、性能評価
4
X線 TV 検査
X線 TV 検査法、装置の性能評価
5
線量測定
X線 TV 装置を利用した線量測定
6
CT 装置線量測定
X線 CT 検査、CTDI の測定
7
X線 CT 検査
CT 検査、各部位の造影撮影、画像処理
8
超音波検査
超音波検査、人体各部位の検査法
9
眼底写真
眼底写真、装置の構造、検査法
10
画像評価
写真工学、画像評価、現像処理
11
TLD 線量測定
TLD を使用した線量測定
12
線量測定
GM 計数管・装置を用いた線量測定、放射線管理
課題レポート、実習態度等を総合的に評価する
テーマごとにプリントを作成
参考資料「図説単純X線撮影法」
(金原出版)
、「CT 撮影技術学」
(オーム社)
他
レポートの作成を通じて実習内容を確認してください。レポートは遅れないように提出す
学生へのメッセージ・ ること。
履修上の留意点
―
89
―
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304009
科 目 名
診療画像機器学
科目担当責任者: 西山 篤
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
画像診療に使用する各種装置について、その構造・原理や取り扱いについて学ぶ。X線装
置のX線管、高圧発生装置、制御装置、撮影システム並びに画像システムの原理と取扱方法
について理解する。特に、X線発生機器に必ず利用されている、高電圧発生器の基本を理解
することは、安全な医療業務を行うために必須であり。また、
CT 装置の装置構成、
データ収集、
画像再構成などを学ぶとともに各検査機器の保守管理の方法および意義について学ぶ。
X線装置やCT、MRI、超音波、眼底撮影装置などの診断領域における機器の構造と原
理を理解できる。
到達目標
回数
テ ー マ
1
X線の総論
X線の発見、X線の発生、連続X線、特性X線
2
X線装置の構成
JIS、規格、インバータ式、変圧器式、コンデンサ式
3
X線源装置
固定陽極管、回転陽極管、陰極、陽極、フィラメント
4
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
授 業 内 容
実効焦点、ヒール効果、焦点外X線、許容負荷
5
X線高電圧装置
2ピーク形、方形波形インバータ、共振形インバータ
6
X線機械装置
TV透視台、ブッキー装置、保持装置
7
CR装置
画像のデジタル化、輝尽性蛍光プレート、CRの特徴
8
フラットパネル
構成と原理、直接変換、間接変換、補正、特徴
9
散乱線除去グリッド
構造と原理、箔の厚さ、グリッド比、用途分類
10
集団検診用装置
胃集検、移動形、骨密度測定、歯科用
11
X線装置の管理
品質管理、品質保証
12
X線CT装置
基本原理、走査方式、構成、画像アルゴリズム、CT値
13
磁気共鳴装置
原理、構成
14
超音波診断装置
超音波の特性、減衰、走査方式、プローブ
15
眼底撮影装置
眼球の構造、装置の概要
筆記試験(期末試験)、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:改訂新版放射線機器学(Ⅰ)
(コロナ社)
教科書・参考文献
画像検査を行う機器の構造・原理を学習します。機器を使用する際に必要です。
学生へのメッセージ・ 理論に基づく応用を身につけてください。
履修上の留意点
―
90
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304010
科 目 名
診療画像機器学演習
科目担当責任者: 西山 篤
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
3年次 前期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
先だって開講された診療画像機器学に引き続き、画像診療に使用する各種装置について、
その構造・原理や取り扱いについて学ぶ。X線装置のX線管、高圧発生装置、制御装置、撮
影システム並びに画像システムの原理と取扱方法について理解する。また、特に診療画像機
器学演習として重点を置く単元として、X線 CT 装置の装置構成、データ収集、及び各種画
像再構成理論などを学ぶ。さらに実践的な線量計算例や画像データの重畳法等もまじえ講義
を行う。
X線装置や CT、MRI、超音波、眼底撮影装置などの診断領域における機器の構造と原理
を理解できる。
到達目標
回数
テ ー マ
1
X線の総論
X線の発見、X線の発生、連続X線、特性X線
2
X線装置の構成
JIS、規格、インバータ式、変圧器式、コンデンサ式
3
X線源装置
固定陽極管、回転陽極管、陰極、陽極、フィラメント
4
授業計画
実効焦点、ヒール効果、焦点外X線、許容負荷
5
X線高電圧装置
2ピーク形、方形波形インバータ、共振形インバータ
6
X線機械装置
TV透視台、ブッキー装置、保持装置
7
CR装置
画像のデジタル化、輝尽性蛍光プレート、CRの特徴
8
フラットパネル
構成と原理、直接変換、間接変換、補正、特徴
9
散乱線除去グリッド
構造と原理、箔の厚さ、グリッド比、用途分類
10
集団検診用装置
胃集検、移動形、骨密度測定、歯科用
11
X線装置の管理
品質管理、品質保証
12
X線CT装置
基本原理、走査方式、構成、画像アルゴリズム、CT値
13
磁気共鳴装置
原理、構成
14
超音波診断装置
超音波の特性、減衰、走査方式、プローブ
15
眼底撮影装置
眼球の構造、装置の概要
筆記試験(期末試験)、授業中の課題、提出物、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:改訂新版放射線機器学(Ⅰ)
(コロナ社)
教科書・参考文献
既習した診療画像機器学の演習科目です。理論に基づく応用を身につけてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
91
―
専門教育科目
成績評価方法
授 業 内 容
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
304011
科 目 名
診療画像機器学実験
科目担当責任者: 西山 篤
担 当 教 員 名: 小山 和也、俵 紀行、坂本 修
配当年次と単位
授業の概要
3年次 後期 必修 授業形態
(実験・実習)
1単位 時間数
(45)
診療画像機器学で学んだX線装置・CT 装置の実際の電圧波形を測定したり、画像再構成
を実験で確認する。具体的には、スペクトルアナライザーを用い、実際のX線スペクトルを
作成、解析する、CT 装置で実際に線量を測定し、CTDI を計算し線量測定の実務技能を習
得する、濃度計を使用した特性の解析、撮影時に CT 装置から発生する散乱線の特徴を調べる。
また、実験データの処理、解析、レポート作成全般を身に付ける目的がある。
診療画像機器の基礎的な知識を装置を使用した実習で確認する。
到達目標
回数
1
テ ー マ
X線装置Ⅰ
授 業 内 容
単相全波X線装置の高電圧波形、電流波形、蛍光量波形の
観察。
2
X線装置Ⅰ
3
X線装置Ⅱ
単相全波X線装置のスペクトロアナライザーを用いたスペ
クトル解析
インバータ式Ⅹ線装置の高電圧波形を観察、リプル率の計
算、インバータ周波数の測定
4
X線装置Ⅱ
5
X線 TV 装置
インバータ式Ⅹ線装置のスペクトロアナライザーを用いた
スペクトル解析
授業計画
水の半価層の測定、アルミニウムを用いた実効エネルギー
の算定
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
6
X線 TV 装置
空間線量測定、等線量曲線の作成
7
CT 装置
CT 装置の CTDI の測定
8
CT 装置
CT 装置の画像アーチファクトについて、発生と種類
課題レポート、実習態度等を総合的に評価する
テーマごとにプリントを作成
参考資料:
「日本放射線科学講座 13 放射線診断機器工学」(医歯薬出版株式会社)
レポートの作成を通じて実習内容を確認してください。レポートは遅れないように提出す
学生へのメッセージ・ ること。
履修上の留意点
―
92
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
305001
科 目 名
画像解剖学Ⅰ(X線画像)
科目担当責任者: 杉本 芳則
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
X線画像診断技術に対応するため、各種X線撮影及び CT 検査で得られた人体各部の臨床
画像について、適切に理解することができることを目的とする。具体的には各X線撮影法に
おける画像と解剖との関係、特に、X線減弱の差による画像中の陰影の特徴を知る。各撮影
方法による画像の特徴、造影検査で得られる画像の特徴および解剖学的部位との関係の把握、
各部位の CT 画像と解剖学との対比などを通し、画像について適切に判断することができる
能力を身につける。
X線検査で得られる正常画像を理解する。
到達目標
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1∼2
四肢
四肢の画像解剖
3∼5
脊椎
脊椎の画像解剖
6∼8
頭部
頭部の画像解剖
9∼ 11
胸部
胸部領域の画像解剖
12 ∼ 14 腹部
腹部領域の画像解剖
15
乳房
乳房の画像解剖
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
定期試験。
評価基準は履修規定に準ずる。
プリント配布。
参考文献 村松明ほか『診療放射線技師 若葉マークの画像解剖学』メディカルビュー社
平松慶博ほか『画像解剖アトラス(第4版)
』栄光堂
解剖学を十分に理解しておくこと。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
93
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
305002
科 目 名
画像解剖学Ⅱ(MRI・超音波・造影画像)
科目担当責任者: 俵 紀行
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
X線を利用しない検査装置から発生する医用画像全般について理解する。MRI 検査、超音
波検査、眼底撮影及び MRI 造影検査で得られた人体各部の臨床画像について、各部の名称、
撮影方法による画像の特徴、解剖学的臓器との関係、造影検査で得られる画像の特徴および
機能について適切に判断することができる能力を身につける。また、磁気や超音波など検査
利用される物理的エネルギーに由来する様々な特徴や撮像メカニズム固有のアーチファクト
なども詳しく学習する。
1.正常人体の解剖を学び、画像診断での現れ方との関係を理解する。
2.解剖学の知識を基礎として、実際の臨床画像を使用して正常な画像解剖の読影描画
(シェーマ、模式図)を必要に応じて行う。
3.該当する医用画像検査における正常臓器の描出及びその形態について理解する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
ガイダンス
本科目の履修に関する概要について説明する。
2
各種検査法の概要
MRI 検査、超音波検査、眼底撮影及び MRI 造影検査に関す
る概要について、復習を兼ねて学ぶ。
3∼5
MRI 検査
MRI 検査における頭部、腹部、脊椎・四肢に関する臨床画
像について、それぞれ学ぶ。
6
7∼9
(中間テスト)
超音波検査
授業計画
※2 ∼ 5 で学んだ内容に関する復習を兼ねる。
超音波検査における上腹部およびその他の部位に関する臨
床画像について、それぞれ学ぶ。
専門教育科目
10
(中間テスト)
※7 ∼ 9 で学んだ内容に関する復習を兼ねる。
11
眼底撮影
眼底撮影における臨床画像について学ぶ。
12
MRI 造影検査
造影 MRI 検査における頭部、腹部、脊椎・四肢に関する臨
床画像について、それぞれ学ぶ。
13
14
15
成績評価方法
教科書・参考文献
(中間テスト)
※7 ∼ 9 で学んだ内容に関する復習を兼ねる。
参加態度、小テスト、中間テスト、定期試験、レポートを総合し評価する。
(教科書)特になし
(参考書)
「医用画像検査技術学 改訂3版」東田善治、新開英秀、加藤誠編、南山堂、
(2007)
診療画像は人体解剖との関連性を理解することが最も重要であるため、下記の準備を怠ら
学生へのメッセージ・ ないこと。
1.人体解剖学を再確認すること。
履修上の留意点
2.各種画像検査(MRI 検査、超音波検査、眼底検査など)の基礎原理を復習すること。
―
94
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
305003
科 目 名
画像解剖学Ⅲ(演習)
科目担当責任者: 藤原 健祐
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
授業計画
教科書・参考文献
画像解剖学Ⅰ・Ⅱに引き続き、X線撮影、MRI、超音波検査などにより得られた臨床画
像に関して、各部の名称および機能について適切な判断をすることができるように、正常な
臨床画像と典型的な病変画像を観察することができるような演習型講義を行い、各種臨床画
像と人体各部位の解剖学との関係から画像の理解度を上げることを目的とする。画像解剖学
Ⅲで対象とする医用画像は診療放射線技師が医療現場において実際の検査時に対応できるよ
う、より実践的な画像を用い学習する。
教科書およびシェーマからだけではなく、医療現場で用いられる各種モダリティの実践的
な画像から人体各部位の解剖名を判断できるようにする。画像解剖および代表的疾病の画像
読影を習得し、各種モダリティの臨床医学的意義を理解する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
各種画像の基礎知識
各モダリティの概要と特徴の復習
2
骨格系
単純X線検査による全身骨の画像解剖
3
脈管系
血管造影検査による全身血管の画像解剖
4
読影演習①
班ごとに臨床画像の読影を行い、発表および討議を実施
5
頭部
頭部 CT、MRI による画像解剖(眼窩・聴器・副鼻腔含む)
6
頸部
頸部 CT、MRI、US による画像解剖
7
脊椎・脊髄
脊椎・脊髄の CT、MRI による画像解剖
8
心臓
心臓の CT、MRI、US による画像解剖
9
読影演習②
班ごとに臨床画像の読影を行い、発表および討議を実施
10
胸部
胸部単純X線、CT、MRI による画像解剖
11
腹部
腹部単純X線、CT、MRI、US による画像解剖
12
骨盤部
骨盤部 CT、MRI、US による画像解剖(膀胱・生殖器)
13
乳房
マンモグラフィ、乳房 CT、MRI、US による画像解剖
14
四肢
四肢の CT、MRI、US による画像解剖
15
読影演習③
班ごとに臨床画像の読影を行い、発表および討議を実施
レポートおよび読影演習の発表で評価する。
教科書:画像解剖コンパクトナビ.百島祐貴(著).医学教育出版社(2013)
参考書:適宜紹介する。
進捗状況によりスケジュール等は変更されることがあります。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
95
―
専門教育科目
成績評価方法
3年次 後期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
305004
科 目 名
画像診断学Ⅰ(頭部・頸部・脊髄)
科目担当責任者: 藤原 健祐
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
これまでに臨床医学などで学んできた疾患の病態を基礎として、人体各部の臨床画像にお
ける正常画像と病的画像所見の特徴について理解し、正常画像との差異を実際に判読できる
能力を身につける。ここでは、主に頭部・頸部・脊髄などの疾患について学ぶ。具体的には、
脳実質に発生した腫瘍画像の描画のされ方を各種モダリティごとに比較をする。さらに、こ
れらの疾患に対し、どのような治療の選択肢があるのか、治療の効果が画像中にどのように
現れるのかを知る。
主に頭頸部・脊髄領域において診療放射線技師として必要な読影能力を身につける。各種
モダリティによって異なる情報が得られることを理解し、それらの情報を踏まえた上で正常
との差異を判読し、考えられる疾患を説明できるようになる。
回数
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
1
検査法総論
CT・MRI を中心とした各種モダリティによる検査法の復習
2
脳血管障害①
脳血管障害の概要、脳および脳血管の正常解剖
3
脳血管障害②
くも膜下出血、脳動脈瘤
4
脳血管障害③
脳内出血、血腫の画像上における経時変化
5
脳血管障害④
脳梗塞(画像上の形態的な変化と脳血流情報)
6
頭部外傷
骨折、硬膜下血腫、硬膜外血腫
7
脳腫瘍①
各種モダリティの形態的情報を用いた脳腫瘍の鑑別
8
脳腫瘍②
各種モダリティの機能的情報を用いた脳腫瘍の鑑別
9
その他の脳疾患
水頭症、アルツハイマー病
10
眼窩、副鼻腔の疾患
骨折、炎症性疾患、腫瘍
11
咽頭、喉頭の疾患
炎症性疾患、腫瘍
12
頸部の疾患①
頸部リンパ節転移、頸部嚢胞性腫瘤
13
頸部の疾患②
唾液腺および甲状腺の腫瘍
14
脊椎・脊髄疾患①
脊髄空洞症、後縦靭帯骨化症、脊椎・脊髄腫瘍
15
脊椎・脊髄疾患②
椎間板ヘルニア、脊椎分離症・すべり症、脊柱管狭窄症
定期試験(80%)および講義参加態度(20%)で評価する。
教科書:画像診断コンパクトナビ.百島祐貴(著).医学教育出版社;第 3 版(2011)
参考書:適宜紹介する。
病気を正常からの逸脱と定義すると、まずは正常を知ることが重要です。多くの画像に触
学生へのメッセージ・ れ、正常解剖と比較しながら進めていく予定です。
履修上の留意点
―
96
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
305005
科 目 名
画像診断学Ⅱ(胸部・心大血管・消化器他)
科目担当責任者: 樋口 健太
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
これまでに臨床医学などで学んできた疾患の病態を基礎として、人体各部の臨床画像と病
的画像所見の特徴について理解し、正常画像との差異を実際に判読できる能力を身につける。
ここでは、X線撮影、造影撮影、CT 画像、MR 画像等における正常画像と胸部・心大血管・
消化器などの疾患における画像などについて学ぶ。具体的には、胸部縦隔内などに発生した
腫瘍画像や病変の描画の様子を各種モダリティごとに比較をする。さらに、これらの疾患に
対し、どのような治療の選択肢があるのか、治療の効果が画像中にどのように現れるのかを
知る。
1.人体各部の正常画像と病的画像所見の差異について理解する。
2.胸部・心大血管・消化器のX線単純像、造影画像、CT 画像、MR 画像等において、疾
患の特徴とアプローチについて理解する。
3.国家試験や臨床実習に対応できる力を身に付ける。
回数
授業計画
教科書・参考文献
授 業 内 容
1
概論
講義の進め方
2
胸部
正常画像
3
胸部
呼吸器疾患と撮像のアプローチ
4
胸部
各疾患の概要と画像
5
胸部
撮像、画像再構成のポイント
6
胸部
小まとめ、補足
7
心大血管
心臓、脈管の疾患と撮像のアプローチ
8
心大血管
各疾患の概要と画像
9
心大血管
撮像、画像再構成のポイント
10
心大血管
小まとめ、補足
11
腹部
胃腸疾患と撮像のアプローチ
12
腹部
急性腹症と撮像のアプローチ
13
腹部
肝胆膵と撮像のアプローチ
14
腹部
腎、泌尿器、生殖器と撮像のアプローチ
15
総括
まとめ
講義への取り組む姿勢(20%)
、課題レポート(30%)、試験(50%)を総合的に判断し評
価を行う。
教科書:後日指定する。
参考書:画像診断学Ⅰ等で使用した教科書、若葉マークの画像解剖学 MEDICAL VIEW、
その他は必要に応じて紹介する。
プリントや参考書等を十分に活用して予習、復習を行ってほしい。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
97
―
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
305006
科 目 名
画像診断学Ⅲ(演習)
科目担当責任者: 樋口 健太
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 後期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
画像診断学Ⅰ・Ⅱに引き続き、これまでに学んできた様々な疾患の病態を基礎として、病
的画像所見の特徴について理解し、実際に判読できる能力を身につけることができるように、
典型的な画像をより多く観察できるような演習型講義を行う。 画像診断学Ⅰ・Ⅱにおいて
は頭頸部、脊髄、胸郭、消化器分野を中心に学習したが、本科目ではそれ以外の四肢などの
疾患についても学習する。また、同じ疾患に関する各種検査方法の適用の違いによる描画さ
れる情報の違いについてもさらなる理解を深めることを目的とする。
1.病的画像について正常画像との相違を理解し、その特徴について所見を述べることがで
きる。
2.各疾患の画像について、概要と撮像のアプローチを述べることができる。
3.国家試験や臨床実習に対応できる力を身に付ける。
回数
授業計画
テ ー マ
授 業 内 容
専門教育科目
1
概論
画像診断学Ⅰ・Ⅱの復習等
2
画像診断学Ⅰ領域
頭部・頸部・脊髄・胸部などの疾患と撮像のアプローチ
3
画像診断学Ⅰ領域
頭部・頸部・脊髄・胸部領域の演習問題
4
画像診断学Ⅱ領域
胸部・心大血管・消化器などの疾患と撮像のアプローチ
5
画像診断学Ⅱ領域
胸部・心大血管・消化器領域の演習問題
6
運動器
脊椎、脊髄、骨、関節疾患と撮像のアプローチ
7
運動器
上肢、下肢運動器疾患、非感染性骨、関節疾患のアプローチ
8
運動器
骨、軟部腫瘍、損傷、類似疾患と撮像のアプローチ
9
乳腺
乳腺疾患と撮像のアプローチ
10
内分泌、代謝、栄養
下垂体、甲状腺、副腎、代謝疾患と撮像のアプローチ
11
膠原病、免疫病等
強皮症、SLE、シェーングレン症候群、ベーチェット病等
12
血液、造血器疾患
血液、造血器疾患と撮像のアプローチ
13
その他
その他の疾患と撮像のアプローチ
14
補足
補足、まとめ、演習問題
15
総括
まとめ、演習問題
成績評価方法
講義への取り組む姿勢(20%)
、課題レポート(30%)、試験(50%)を総合的に判断し評
価を行う。
教科書・参考文献
教科書:後日指定する。
参考書:画像診断学Ⅰ・Ⅱ等で使用した教科書、若葉マークの画像解剖学 MEDICAL
VIEW、
その他は必要に応じて紹介する。
プリントや参考書等を十分に活用して予習、復習を行ってほしい。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
98
―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
306001
科 目 名
核医学検査技術学概論
科目担当責任者: 小山 和也
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
3年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
授業の概要
核医学検査は、放射性同位元素で標識されたトレーサーを人体に投与しその挙動を生体外
から観察するもので、放射生医薬品と放射線計測器を用いて行われる。このため使用する放
射性同位元素、標識する薬剤、薬剤の体内での生理的動体、薬剤の集積などにより影響を受
ける。また、核医学画像は、臓器の形態学的情報よりも臓器・組織の生理・生化学的機能情
報の表現に優れた分子イメージングである。これら、放射性医薬品、核医学画像の特色を理
解し、各臓器の病態画像とその診断的意義を習得する。
到達目標
1 放射性医薬品の物理的・化学的性質について説明できる。
2 シンチカメラの構造および撮像原理を説明できる。
3 SPECT の撮像原理、画像再構成法および各種補正法を説明できる。
4 PET の撮像原理、画像再構成法および各種補正法を説明できる。
5 核医学装置の日常点検および品質管理について説明できる。
6 核医学検査に使用される機能解析法について説明できる。
回数
1
2
3
4
5
6
授業計画
7
8
13
14
15
成績評価方法
教科書・参考文献
授 業 内 容
核医学検査、放射性医薬品、SPECT、PET、内用療法
核医学検査に関わる放射線物理学を学習する。
(放射能、崩
壊形式、半減期、放射平衡、ジェネレータ、RI の医学利用)
放射性医薬品の分類と特徴を学習する。放射性医薬品の集
放射性医薬品1
積機序を学習する。
インビボ・インビトロ診断放射性医薬品、シングルフォト
放射性医薬品2
ン放出核種、ポジトロン放出核種を理解する。
ガンマカメラの概要を学習する。
ガンマカメラ
ガンマカメラの撮像 ガンマカメラのイメージング機構及び撮像原理を学習する。
(コリメータ、シンチレーター、光電子増倍管、位置計算回路)
原理
ガンマカメラの画像 SPECT の画像再構成法を学習する。解析的画像再構成法お
よび統計的画像再構成法を理解する。
再構成
ガンマカメラの各種 SPECT の各種補正法を学習する。減弱補正、散乱線補正お
よび空間分解能補正を理解する。
補正法
PET の概要を学習する。
PET
PET の撮像原理を学習する。
(消滅放射線、同時計数)
PET の撮像原理
PET の画像再構成法及び補正法を学習する。
PET の各種補正法
SPECT、PET の 性 能 評 価 と 保 守 管 理(NEMA 規 格、
性能評価・保守管理
JESRA 規格)
放射能測定装置の概要を学習する。
(ドーズキャリブレータ、
放射能測定装置
シンチレーションカウンタ)
核医学検査における機能解析法を学習する。
機能解析法
半導体カメラについて学習する。
半導体カメラ
核医学検査の基礎
放射線物理学
出席時間数要件:2/3以上
期末試験の結果により評価する。
教科書:放射線技術学シリーズ 核医学検査技術学 改訂2版 大西 英雄・松本 政典・
増田 一孝 オーム社
参考書:核医学技術総論 第3版 日本核医学技術学会編 山代印刷株式会社
診療放射線技師スリム・ベーシック6 核医学 福士政広編 メディカルビュー社
核医学検査は、体内に放射性医薬品を投与し、循環器、脳、腫瘍などの診断及び治療を行
学生へのメッセージ・ う検査です。得られる画像は、人体の機能を反映した機能画像である点が特長です。核医学
は、放射線医学だけでなく。薬学、工学など多くの領域を含みます。放射線物理、放射化学、
履修上の留意点
計測学などを復習し、効率よく学習してください。
―
99
―
専門教育科目
9
10
11
12
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
306002
科 目 名
核医学検査技術学
科目担当責任者: 小山 和也
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
3年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
授業の概要
核医学検査の臨床では、放射性医薬品の非密封放射性同位元素を人体に投与して行うイン
ビボ(in vivo)検査(SPECT、PET 含む)、生体試料にRIを付加して極微量物質を測定
するインビトロ(in vitro)検査およびRIを用いた放射線治療を行う学問分野である。核
医学検査では機能画像の特徴を理解し、適切な放射性医薬品の選択、画像処理、表示方法な
どを習得する。また、診断・読影を支援する目的として当該画像および解析データの再現性
と正確な検査データ提供の重要性について理解する。
到達目標
1 放射性医薬品の物理的・化学的性質について説明できる。
2 核医学検査に用いられる放射性医薬品、検査原理、検査方法、適応などについて説明で
きる。
3 RI 内用療法について説明できる。
4 インビトロ検査について説明できる。
授業計画
専門教育科目
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
核医学検査における
基礎知識
2
3
脳神経系検査1
脳神経系検査2
4
5
6
内分泌系検査
呼吸器系検査
循環器系検査1
7
8
9
10
11
12
循環器系検査2
消化器系検査
泌尿器系検査
骨・腫瘍検査
血液系検査
RI 内用療法
13
14
ポジトロン核医学
核医学における安全
管理
in vitro 検査
核医学診療の目的および核医学検査技術学の基礎知識を理
解し、核医学検査で用いられる放射性医薬品の特徴を学習
する。
脳神経系の核医学検査を学習する。
脳神経系の各シンチグラフィを理解する。局所脳血流量測
定法について理解する。
内分泌系の核医学検査を学習する。
呼吸器系の核医学検査を学習する。
循環器系の核医学検査を学習する。心筋血流シンチ及び心
機能解析について理解する。
循環器系の各シンチグラフィを理解する。
消化器系の核医学検査を学習する。
泌尿器系の核医学検査を学習する。
骨及び腫瘍・炎症の核医学検査を学習する。
血液系の核医学検査を学習する。
RI 内用療法を学習する。核医学治療の原理および治療方法
を理解する。
ポジトロン核医学検査を学習する。
投与量と被ばく線量、廃棄物処理、被ばく線量限度につい
て学習する。
in vitro 検査における直接飽和分析法、競合法、非競合法に
ついて学習する。
15
成績評価方法
教科書・参考文献
出席時間数要件:2/3以上
期末試験の結果により評価する。
教科書:放射線技術学シリーズ 核医学検査技術学 改訂2版 大西 英雄・松本 政典・
増田 一孝 オーム社
参考書:核医学技術総論 第3版 日本核医学技術学会編 山代印刷株式会社
診療放射線技師スリム・ベーシック6 核医学 福士政広編 メディカルビュー社
核医学検査は高感度で特異性も高く、また臓器ごとの機能状態を評価できるなど、他の画
学生へのメッセージ・ 像検査とは違った特徴が有ります。検査法を良く知ることによってさらに重要な生体情報を
引き出すことも可能です。また、放射性医薬品の取り扱いには十分な注意と知識を必要とさ
履修上の留意点
れます。核医学検査に必要な基礎知識を習得し、理解を深めて下さい。
―
100 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
306003
科 目 名
核医学検査機器学
科目担当責任者: 勝浦 秀則
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
核医学診断で使用される核医学検査機器(ガンマカメラ、SPECT、PET 装置、PET /
CT 装置、甲状腺摂取率装置など)について学習する。また、核医学検査機器の試料測定装
置についても学習する。検査装置の構造、検出器、その特性など各検査機器の動作原理、保
守管理、などについて学ぶ。また、画像の生成、画像合成方法、吸収補正、画像重ね合わせ、
動態解析などの画像処理技術と各種フィルター処理、また CT 画像、MR 画像等との重ね合
わせ等の技術、方法等を学ぶ。
核医学検査機器学の発展に伴い、診療放射線技師の業務も変化している。特に PET /
CT、SPECT / CT などの分野では CT により人体の吸収補正を正確に行えるようになった。
その結果、画質および定量性が向上している。これらの技術を理解し核医学検査の画像を読
影することを目的とする。
回数
授業計画
教科書・参考文献
授 業 内 容
1
装置
核医学検査装置について
2
機器の進歩
核医学概論と検査機器の進歩について
3
物理と化学
核医学の物理と化学について
4
RI
放射性医薬品とジェネレータについて
5
放射線検出器
核医学部門における放射線検出器について
6
構成と機能
核医学の基本的な装置の構成と機能について
7
インビトロ
試料測定装置について
8
体外計測装置
核医学部門における体外計測装置について
9
画像計測装置
シンチレーションカメラ、PET / CT について
10
コリメータ
コリメータの機能と形態について
11
性能評価と保守管理
核医学部門における機器の性能評価と保守管理について
12
SPECT
SPECT の撮像法について
13
PET
PET の撮像法について
14
データ処理
核医学部門におけるデータ処理について
15
安全管理他
核医学検査における安全管理について
定期試験、レポート、小テスト等で総合的に評価する。
参考書 中外医学社 「核医学テキスト」
文光堂 「臨床核医学・PET 検査技術学」
南山堂「核医学検査技術学」
教科書 オーム社「核医学検査技術学」
テーマ・授業内容を理解し、診療放射線技師の仕事内容を把握する。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
101 ―
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
306004
科 目 名
核医学検査技術学演習
科目担当責任者: 小山 和也
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
4年次 後期 必修 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
核医学検査技術学、核医学検査機器学に引き続き、核医学検査学における機能画像の特徴
を理解し、画像処理、表示方法などを学習する。具体的には、診断・読影を支援するため画
像及び解析データの再現性と疾患と画像の関係について理解することができるように、臨床
データやデータ処理などを行いながら演習型授業を行う。 また、PET 画像の薬剤動態や臨
床画像と疾病との関係なども学ぶ。 さらに、核医学で用いる放射性医薬品の安全な取扱い
についても学習する。
核医学検査に使用される放射性医薬品、撮像装置および検査技術について、講義で得られ
た「知識」を応用の効く「理解」へと結びつける。
到達目標
回数
テ ー マ
1∼2
実習ガイダンスと機
授 業 内 容
実習ガイダンスと実験機器の操作について学習する。
器の操作説明
3∼4
SPECT の画像特性
5∼6
SPECT の画像補正
SPECT 画像再構成法と画質特性を学習する。画像再構成法、
空間分解能及び部分容積効果について理解する。
SPECT 画像補正法を学習する。減弱補正、散乱線補正及び
空間分解能補正について理解する。
7∼8
レノグラム
レノグラムの取得及び解析方法を学習する。
9∼ 10
核医学機能解析法
脳血流シンチグラフィや心筋血流シンチグラフィにおける
授業計画
統計学的画像解析法を学習する。
11 ∼ 12 PET の画質特性
PET 画像再構成法及び画像補正法を学習する。画像再構成
専門教育科目
法、各種補正法について理解する。
13 ∼ 14 核医学検査に対する
理解
15
核医学検査における患者接遇の注意点について学習する。
検査に関する情報をまとめた検査説明書を作成する。
技能評価とレポート
指導
成績評価方法
教科書・参考文献
演習時の取り組みと演習毎のレポートにより評価
教科書:放射線技術学シリーズ 核医学検査技術学 改訂2版 大西 英雄・松本 政典・
増田 一孝 オーム社
参考書:核医学技術総論 第3版 日本核医学技術学会編 山代印刷株式会社
診療放射線技師スリム・ベーシック6 核医学 福士政広編 メディカルビュー社
核医学検査に必要な知識を演習により習得し、理解を深めてください。見学ではなく、積
学生へのメッセージ・ 極的に演習に取り組んでください。レポートは間違えることを恐れず自分なりの考えを考察
してください。
履修上の留意点
―
102 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
307001
科 目 名
放射線治療技術学概論
科目担当責任者: 渡邊 良晴
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
3年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
悪性腫瘍に対する放射線治療は、人口高齢化に伴い腫瘍の罹患率が増え、対象患者が増え
ている。放射線治療では線量を腫瘍に集中し正常な組織には線量を少なく照射する必要があ
る。このためには、腫瘍の診断、治療領域設定、治療計画、患者固定、装置の QA/QC など
の正確な管理が要求される。また、放射線治療に関する放射線生物の知識も必要となる。こ
こでは、放射線治療に関する基礎的な内容を学習し、治療に必要な放射線物理学、放射線生
物学、照射技術などについて理解し、放射線治療の基礎的な内容を修得する。
放射線治療全般にわたって、放射線治療の目的・手順・線量測定等の基本的な事項につい
て理解を深める
到達目標
回数
授業計画
授 業 内 容
1
悪性腫瘍
悪性腫瘍と放射線治療、放射線治療の特徴
2
放射線生物学
放射線治療に関する放射線生物学
3
治療の目的手順
放射線治療の目的・治療手順
4
放射線の種類
放射線治療に使用する放射線の種類と特徴
5
線量測定
放射線治療の線量測定
6
基礎データ
放射線治療の基礎データ
7
治療計画
放射線治療計画
8
小線源治療
小線源治療、組織内照射
9
粒子線治療
粒子線治療
10
線量測定
放射線と物質の相互作用と測定原理
11
基礎データの定義
放射線治療の基礎データとその定義
12
測定方法
PDD、TAR、TMR、TPR、OPF 等の測定方法
13
X線の測定
高エネルギーX線の測定
14
QA/QC
放射線治療の品質保証と品質管理
15
放射線管理
放射線治療施設の放射線管理
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「標準計測法」
(通商産業研究社)
、
「放射線治療技術学」
(オーム社)
教科書・参考文献
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
103 ―
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
307002
科 目 名
放射線治療技術学
科目担当責任者: 渡辺 良晴
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
3年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
放射線治療技術学概論に続いて、各治療部位、疾患に対する照射方法、線量計算、照合方
法などについて学ぶ。放射線治療は照射部位、疾患により通常の照射から定位照射、IMRT、
IGRT 等の特殊照射など様々な照射方法が用いられる。これらについて学習するとともに、
治療計画方法、線量計算、照射位置の確認など関係する技術についても学習する。放射線を
人体に照射するリスクと、科学的知識として学んだ放射線物理学・放射線生物学、放射線計
測などを具体的な放射線治療の現場で利用する方法について学習する。
放射線治療に関する知識を修得し、臨床における照射技術を学んで、放射線治療を実施す
るうえでの知識を養う。
到達目標
回数
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
テ ー マ
授 業 内 容
1
照射方法
照射方法及び使用機器
2
治療の容積
放射線治療の容積の定義
3
疾患部位と照射
疾患部位と照射技術
4
1)頭部領域
1) 頭部領域の照射技術
5
2)頭頚部領域
2) 頭頚部領域の照射技術
6
3)胸部領域
3) 胸部(肺、従隔、乳房等)の照射技術
7
4)腹部領域
4) 腹部領域の照射技術
8
5)骨盤領域
5) 骨盤領域の照射技術
9
6)特殊治療
6) 特殊治療(全身照射、定位照射、IMRT)
10
線量計算
照射方法と線量計算、線量指示
11
照射位置の照合
照射位置の照合、位置の確認
12
小線源治療
小線源治療の対象疾患、照射方法
13
特殊照射
特殊照射の照合、線量確認
14
MU 計算方法
線量計算及び MU 計算方法
15
有害事象
放射線治療による有害事象
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「標準計測法」
(通商産業研究社)
、「放射線治療技術学」
(オーム社)
その他、授業毎に印刷資料を配布する。
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
104 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
307003
科 目 名
放射線治療計測学
科目担当責任者: 渡邊 良晴
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
4年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
放射線治療にとって線量測定は患者に投与する線量を決定する重要な技術である。ここで
は、線量測定に必要な物理体系、線量計測体系の概要について理解する。具体的には、高エ
ネルギー放射線の検出原理、線量測定、体内線量測定、各種計測器の測定原理、利用方法な
どについて理解し、習得する。また、臨床における放射線治療装置の線量計測、患者の照射
線量の確認など様々な線量測定について学習する。診療放射線技師が安全に放射線を用いる
ために必須な講義である。
線量測定に関する基本的な事項の理解。校正深における吸収線量測定について理解する
到達目標
回数
授業計画
テ ー マ
授 業 内 容
1
定義と単位
線量測定に関する定義と単位
2
測定原理
放射線と物質の相互作用と測定原理
3
基礎データ
放射線治療の基礎データとその定義
4
データ測定
PDD、TAR、TMR、TPR、OPF 等の測定方法
5
X線の測定
高エネルギーX線の測定
6
電子線の測定
高エネルギー電子線の測定
7
線量計算
線量計算及び MU 計算方法
8
組織内照射の測定
組織内照射の線量測定
専門教育科目
成績評価方法
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「標準計測法」
(通商産業研究社)
、
「放射線治療技術学」
(オーム社)
教科書・参考文献
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
105 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
307004
科 目 名
放射線治療機器学
科目担当責任者: 坂本 修
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
3年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
放射線治療には、リニアック、サイクロトロンなどの高エネルギー放射線発生装置を使用
する。ここでは、放射線治療に使用する機器全般に関して、構造、加速原理、放射線の特徴、
装置の保守管理などを学び、安全、正確に放射線治療を実施することについて学ぶ。治療装
置は放射線出力が大きく、また正確に照射するためには装置の安定性や精度が重要になる。
また線量計算のためには正確な線量測定や安定性、定期的保守管理などが重要となり、知識
理解と応用を習得することを目標とする。
放射線治療機器の発達と機器の構造・動作原理・特徴について学習する、また安全管理、
精度管理の理解を深める
到達目標
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
放射線治療装置
放射線治療に使用する装置・機器の種類と特徴
2
直線加速装置
直線加速装置と原理・構造
3
その他加速装置
その他の加速装置と原理・構造
4
周辺装置
治療装置の周辺装置・付属機器
5
治療計画装置
治療計画装置の構成とソフトウェア
6
粒子線治療
粒子線治療装置の種類と特徴
7
装置の精度管理
装置の受入れ試験、精度管理、保守点検
8
放射線管理
放射線治療装置の放射線管理
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「放射線治療技術学」
(オーム社)
、その他、授業毎に印刷資料を配布する。
教科書・参考文献
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
106 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
307005
科 目 名
放射線治療技術学演習
科目担当責任者: 渡邊 良晴
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 後期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(15)
放射線治療技術学、放射線治療機器学の学習を基に、各疾患に対する放射線治療方法を理
解し、特殊治療である定位照射、IMRT、IGRT、全身照射といった照射方法について学ぶ。
同時にこれら特殊治療の治療計画、線量計算、線量評価、線量の確認など正確に線量を投与
する方法についても学ぶ。また、最近注目されている粒子線治療についてその特徴、照射方
法対応疾患などについて学習する。
放射線治療全般に関する内容を確認するとともに、国家試験に向けた知識の確認をする。
特に線量測定の原理や計算方法、治療のための MU 計算や治療装置の QA/QC 等について
理解を深める。
回数
授業計画
教科書・参考文献
授 業 内 容
1
放射線治療の特徴
放射線治療の特徴と適応
2
対象疾患
放射線治療の対象疾患と治療目的
3
目的・手順
放射線治療の目的・手順
4
治療装置
放射線治療装置とその特徴
5
線量測定
線量測定とその目的
6
治療計画
放射線治療計画
7
疾患と照射技術
各疾患と照射技術
8
特殊照射
特殊照射(定位照射、IMRT、全身照射)の照射技術
9
照射位置の照合
照射位置の照合
10
MU 計算
MU 計算と線量検証
11
密封小線源治療
密封小線源治療と線源管理
12
非密封 RI 治療
非密封放射線源を使用した治療、線量管理
13
粒子線治療
粒子線治療の特徴と照射技術
14
品質保証、保守管理
治療装置の品質保証、保守管理
15
放射線管理
治療施設の放射線管理
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「標準計測法」
(通商産業研究社)
、「放射線治療技術学」
(オーム社)
その他、授業毎に印刷資料を配布する。
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
107 ―
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
308001
科 目 名
医療画像処理学
科目担当責任者: 木村 徹
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
2年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
授業の概要
画像診断に用いる様々な画像は現在ではそのほとんどがデジタル画像となり、コンピュー
タを用いた画像処理、デジタル通信、画像表示などが行われて臨床に利用されている。医
療画像処理学では、画像診断情報を正確に提供する上で必要とされるデジタル画像に関する
種々の画像処理の理論と手法を習得することを目的とする。具体的には、
デジタル画像のデー
タ構造、画像の表示に関するウインドウ・レベル、3次元処理、各種画像再合成技術などに
ついて、その原理、方法などについて学ぶ。
到達目標
医療画像処理学、医療画像工学、医療画像情報学と3科目にわたる医療画像系講義の序論
的扱いとなる科目です。画像処理はデジタル画像に対し行われる技術である。画像処理手法
の実際に先立ち、パーソナルコンピュータや臨床現場におけるワークステーションの扱いに
不備がないようにコンピュータの仕組みを基礎から理解することを第一段階とする。さらに、
画像処理の基礎的理論や画像圧縮理論を学ぶ上で必須となる離散的コサイン変換、高速フー
リエ変換、コンボリューションなどの数的理論を習得することを最終目標とする。
回数
テ ー マ
1
デジタル画像の基本
デジタル医療画像の成り立ち 標本化と量子化
2−1
デジタル画像1
デジタルデータとアナログデータの違い
2−2
デジタル画像2
2進数と 16 進数
2−3
デジタル画像3
デジタル画像の表示形式と構成
3−1
PC の構成1
論理演算回路とコンピュータハードウエア
3−2
PC の構成2
PC の5大機能と画像処理に必要となるハードウエア要件
3−3
PC の構成3
画像処理に必要となるソフトウエア群
3−4
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
授 業 内 容
PC の構成4
画像処理に必要なプログラミング言語とソフトウエア
4
プログラミング理論1
画像処理ソフトウエアと高級プログラミング言語
5
プログラミング理論2
コマンド処理、c言語入門その他
6
デジタル画像処理1
カラー画像とグレースケール画像 階調処理 ヒストグラム
7−1
デジタル画像処理2
画像の幾何学的変換の数的理論
7−2
デジタル画像処理3
2値化としきい値、特徴抽出、モルフォロジ処理
8−1
デジタル画像処理4
実空間画像処理と濃度プロファイル 空間フィルタ
8−2
デジタル画像処理5
空間周波数の概念と空間周波数領域での画像処理
筆記試験(期末試験)及び授業毎に行う確認小テストから評価する。
教科書:ビジュアル情報処理 CG・画像処理入門(CG-ARTS 教会)その他、授業毎に印刷資
料を配布する。
参考書:適宜紹介する
疑問があればいつでも来てください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
108 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
308002
科 目 名
医療画像工学
科目担当責任者: 木村 徹
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 前期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
医療画像工学では、アナログ画像の形成、およびデジタル画像の成り立ちを学ぶ。さらに、
それら画像の解析と画質の評価法に関する基礎知識を習得することを目的とする。具体的に
は、解析に必要となるフーリエ変換を重点的に学習する。特に、画像の解像度を知るために、
フーリエ変換を基礎としたレスポンス関数の理解、同様にノイズスペクトルの定量について
詳細に学習する。 また、各種フィルター処理に関してその処理方法と処理画像について数
学的な手法も用いて学ぶ。
医療画像処理学、医療画像工学、医療画像情報学と3科目にわたる医療画像系講義の中核。
前段階、画像処理学で学んだ、数学的手法を駆使し、医療画像を評価する手法を習得できる
ことを目的とする。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
画像の概念と定義1
アナログ医療画像の成り立ち
2
画像の概念と定義2
デジタル医療画像の成り立ち
3
アナログ画像1
アナログ画像 ハロゲン化銀と蛍光体
4
アナログ画像2
アナログ画像特徴 写真効果
5
画像の評価1
解像度、分解能
6
画像の評価2
広がり関数とフーリエ変換
鮮鋭度 MTF インパルス応答
7
画像の評価3
授業計画
教科書・参考文献
鮮鋭度 MTF
8
画像の評価4
S/F 系特性曲線とデジタル系特性曲線
9
画像の評価5
ノイズの評価 粒状性 RMS
10
画像の評価6
ノイズの評価 ウイナースペクトル WS
11
画像の評価7
視覚的画像評価 刺激反応マトリクス
12
画像の評価8
信号検出理論 ROC その他
13
画像の評価9
画像評価の信頼性 統計的手法
14
画像の評価 10
DQE と NEQ
15
まとめ
医療画像の評価法のまとめ
筆記試験(期末試験)及び授業毎に行う確認小テストから評価する。
教科書:医用画像情報学 南山堂(2006 年発行)
、その他、授業毎に印刷資料を配布する。
参考書:適宜紹介する
理解できないところがあれば、いつでもきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
109 ―
専門教育科目
成績評価方法
レスポンス関数 コントラスト変調 有効露光量変換
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
308003
科 目 名
医療画像情報学
科目担当責任者: 木村 徹
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
3年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
授業の概要
医用画像の成り立ちに必要な画像情報の理論を理解し、画像解析、画像の評価、画像処理
を学ぶことを基礎とし、医用画像に含まれる情報(特徴)をコンピュータによって解析・抽
出する CAD(コンピュータ支援診断システム)アルゴリズムを学習する。さらに、臨床現
場で取り扱う各種医療情報の管理システムの概要までを学ぶ。
到達目標
臨床現場で取り扱う医療画像の形成から評価・解析までの本質を包括的に理解し、付随す
る数学的解析手法やコンピュータアルゴリズムなど応用的理論までを理解できることを目標
とする。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
ガイダンス
医療画像情報学とは
2
X線画像の形成(1)
アナログX線画像の形成
3
X線画像の形成(2)
画像形成と銀粒子と黒化度の関係及びX線照射量
デジタルX線画像の形成
X線照射量とデジタル量、ピクセル値。
4
デジタル画像
標本化と量子化。空間周波数の定義について。
5
フーリエ級数展開
デジタル画像処理や画像の評価・解析に利用される、関数
解析手法として必須となるフーリエ変換、FFT(高速フー
リエ変換)理論の基礎を数学的側面から学習する。
6
フーリエ変換
フーリエ級数展開理論を基礎とした、FFT の理論を学習し、
その適用を学習する。
7
授業計画
画像の評価(1)
アナログX線画像の入出力特性。特性曲線の理解及びその
作成方法について学習する。
8
画像の評価(2)
デジタル入出力曲線。及びその作成方法について学習する。
デジタルX線装置のX線検出部の理解
専門教育科目
9
画像の評価(3)
レスポンス関数の概念を利用した MTF による画像の解像度
10
画像の評価(4)
画像に含まれるノイズ特性評価法。RMS 粒状性とウイナー
スペクトルの理解。数学的解析法の学習。
11
画像の評価(5)
デジタルX線画像システム全体としての各種物理的解析と
評価
12
画像の評価(6)
画像の物理的評価法と心理的評価法の違い及び適用詳細
C-D ダイアフラム、ROC 解析、DQE、NEQ その他
13
デジタル画像処理
実空間領域と空間周波数利用域における画像処理理論の学習
14
コンピュータ支援診断
デジタル画像に含まれる特徴量抽出理論、アルゴリズムと
適用されている画像処理一連のフローを理解する。
15
医療情報の管理
各種医療情報の管理システムの概要を学習する。
PACS、RIS、HIS、電子カルテ、遠隔診断他
成績評価方法
教科書・参考文献
筆記試験(期末試験)及び授業毎に行う確認小テストから評価する。
教科書:医用画像情報学 南山堂(2006 年発行)
、その他、授業毎に印刷資料を配布する。
参考書:適宜紹介する
学生へのメッセージ・ 授業に参加し、理解できないところがあれば積極的に質問をしてきてください。
履修上の留意点
―
110 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
308004
科 目 名
医療画像情報学演習
科目担当責任者: 木村 徹
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 後期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
医療画像工学、医療画像情報学に引き続き、医療画像中に含まれる特徴や情報のとらえ方、
抽出の方法、評価の方法、画像解析など具体的なサンプル画像を題材に検討評価を行う演習
スタイルとする。サンプルデジタル画像を使用して、実際に空間周波数フィルターを利用し
た画像処理、実空間オペレータを利用した画像処理、さらに画像再構成論、画像評価方法な
どについて典型的な演習問題やサンプル画像を利用した基礎知識習得を目的とする。
医療画像処理学、医療画像工学、医療画像情報学と3科目にわたる医療画像系講義及び、
医療情報管理学を加えた計4科目の習得の総括的位置づけ科目です。先立つ科目群は数学的
理論等を中心に解説してきたが、再度、その復習を兼ねるとともに、PC を使い視覚的に各
事象を確認する作業を交えることで、より深い理解を求めることを目標とする。
回数
授業計画
教科書・参考文献
授 業 内 容
1
医用画像総論
医用画像総論
2
アナログ画像
特性曲線と作成方法、写真濃度、現像処理、写真効果他
3
デジタル画像1
標本化と量子化、論理演算回路、2進数他
4
デジタル画像2
画像の記憶と表示システム全般
5
デジタル画像3
医療画像 DICOM とその他、必要となる拡張子群
6
医療情報1
標準化と医療情報
7
医療情報2
ネットワークによる画像転送、セキュリィシステムと暗号
8
ネットワーク医療
プロトコル群と電子カルテ及び遠隔診断
9
デジタル画像処理1
画像圧縮理論と使用方法
10
デジタル画像処理2
空間周波数領域での処理 ハイ、
ロー、
バンドパスフィルター
11
デジタル画像処理3
実空間領域での処理 移動平均、ラプラシアンフィルター他
12
画像の評価1
鮮鋭度 MTF インパルス応答とコントラスト変調
13
画像の評価2
粒状性 RMS WS
14
画像の評価3
総合的物理評価 DQE と NEQ
15
画像の評価4
視覚的評価 信号検出理論 ROC 他
筆記試験(期末試験)で評価する。
教科書:診療放射線技師対策全科(改訂最新版)金芳堂、
その他、
授業毎に印刷資料を配布する。
参考書:適宜紹介する
授業に参加し、理解できないところがあれば積極的に質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
111 ―
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
308005
科 目 名
医療情報管理学
科目担当責任者: 藤原 健祐
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
放射線医用画像情報システムや医療情報を熟知し、管理するには高い水準のコンピュータ
知識が要求される。また、関連製品の開発スピードもはやく、常に最新の知識が要求され
る分野でもある。本科目では、病院情報システム、HIS、RIS、PACS などの情報技術を学
習する。さらに、電子カルテや遠隔診断などについても学ぶ。また、医療情報における規格
HL7、ICD10 等の情報規格についても学ぶ。さらに、遠隔診断の現状と実際、医療情報シス
テムの今後の展望などについても学習する。
医療人に求められる情報化実現のための基本知識として、医療情報システム・標準化・セ
キュリティについて理解し、診療放射線技師として医療情報の収集・管理・活用が可能とな
る知識を修得する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
医療情報とは
医療における情報の特性と役割
2
ネットワークの復習
LAN、WAN、TCP/IP モデル、OSI 参照モデル
3
病院情報システム
HIS、電子カルテ、オーダーエントリーシステム
RIS の機能、システム化によるリスクマネージメント
授業計画
4
情報の流れ
HIS − RIS −モダリティ− PACS の情報の流れ
5
PACS
医用画像の復習、画像保管、RAID
6
標準と標準規格
DICOM、HL7、ICD10 について、IHE について
7
セキュリティ
安全管理ガイドライン、電子保存の3要件
専門教育科目
画像表示装置の性能と管理、遠隔画像診断
ネットワークセキュリティ、個人情報保護
8
マネージメント
EBM、医学統計学の重要性、診療報酬制度、DPC
今後求められる診療放射線技師と医療情報の関わり
定期試験(80%)および講義参加態度(20%)で評価する。
成績評価方法
教科書・参考文献
教科書:「放射線システム情報学―医用画像情報の基礎と応用―」日本放射線技術学会監修.
オーム社(2010)
参考書:適宜紹介する。
一般的な経営資源として「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」があげられますが、本講義では
学生へのメッセージ・
医療における「情報」の重要性を学んでいきます。
履修上の留意点
―
112 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
309001
科 目 名
放射線安全管理学
科目担当責任者: 河原田泰尋
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
3年次 後期 必修 授業形態
(講義)
2単位 時間数
(30)
診療放射線技師として、診療・医療に用いられる各種放射線、放射線同位元素の安全管理
に関し、適切な専門技術に関する理論と方法を学習する。具体的には、関係する法令、ガイ
ドラインの概要と主旨を理解し、放射線施設、放射線診療従事者、運用方法にかんする放射
線安全管理の具体的な方法を学ぶ。また、放射線管理に関係する線量測定や計算方法、また
それが法令に適合しているか否かの判断について、より実践的な学習をする。
放射線検査の正当化、医療被ばく軽減など、診療放射線技師(専門職者)として放射線を
安全に利用するために必要な知識を学び放射線管理・防護の基本的な原理を修得する。
到達目標
回数
テ ー マ
1
オリエンテーション
講義の概要と導入及び放射線の管理の必要性を解説する
放射線利用と防護
放射線利用にあたり防護体系の三原則、放射線の基本単位
2∼3
授 業 内 容
と放射線防護の単位を解説する
4
放射線被ばく
放射線被ばくの区分、職業被ばくと医療被ばくを解説する
5
被ばくと防護
被ばく軽減方法と防護の三原則を解説する
6
被ばくと影響
確定的影響と確率的影響、低線量被ばくと影響の考え方を
解説する
7
授業計画
8∼9
放射線防護の目標
環境の管理
国際防護委員会(ICRP)の勧告と防護について解説する
管理区域と管理用測定器・サーベイメータの解説と放射線
(使用・貯蔵・廃棄)施設の測定と評価について解説する
個人の管理
個人被ばく管理用測定器の特徴と測定線量評価について解
説する
11 ∼ 12 医療被ばく
医療被ばくの測定法と評価方法を解説する
13 ∼ 15 ・関係法令
・わが国の法体系。放射線関連する法律、診療放射線技師
・診療放射線技師法
の業務と免許及び罰則
・医療法
・X線装置やX線診療室の構造や設備、作業環境測定と健
・電離放射線障害規
康診断の記録と保存、使用許可と届出等
則
・解説及びまとめ
・放射線障害防止法
成績評価方法
理解度確認の Quiz(10%)、講義の区切りで行う中間試験・期末試験(80%)、出席(10%)
で評価する
教科書・参考文献
教科書:放射線技術学シリーズ:放射線安全管理学(改訂2班):日本放射線技術学会監修、
(株)オーム社.
参考書:飯田博美・安東醇・川井圭一著:放射線安全管理学、通商産業研究社.
日本アイソトープ協会:アイソトープ法令集(医療放射線防護関係法令集、放射線
障害防止法関係法令)
、丸善株式会社.
学生へのメッセージ・ ・作成したプレゼン資料(PowerPoint)を配布し教科書と併用して講義を進める
履修上の留意点
・予復習を必ず行い受講すること
―
113 ―
専門教育科目
10
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
309002
科 目 名
医療機器安全管理学
科目担当責任者: 河原田泰尋
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
医療現場で使用されている様々な放射線発生装置や医療機器の日常点検や保守管理につい
て理解するとともに、適正利用な方法について学ぶ。具体的には、法で定められている医療
機器の定期点検や情報管理、職員教育・研修など、組織的な医療機器の安全管理の方法と意
義を理解し、医療安全と診療放射線技師の役割の重要性を学ぶ。 また、放射線発生装置や
医療機器そのものに付随する備品等についての取扱い注意点、安全な取扱いも同時に学習す
る。
医療機器を安全に使用するためには、定期点検と日常管理が重要と考えられている。画像
診断検査で使用されている装置機器の品質保証・管理(QA・QC)の重要性とその方法を修
得する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
オリエンテーション
講義の概要と評価方法を説明する。X線の発生から現在の
X線・非X線画像診断装置の概要を解説する
2∼4
X線画像診断装置の
防護体系や装置機器の品質保証・管理(QA・QC)の方法
安全利用
と環境・個人線量管理と医療被ばくの測定方法と評価につ
いて解説する
5∼7
非X線画像診断装置
MRI 装置、超音波診断装置の基本原理を解説する
の安全利用
安全に利用するために原理と特性を理解し、注意事項を解
説する
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
理解度確認の Quiz(10%)
、期末試験(80%)、出席(10%)で評価する
教科書:特に指定しない。
参考書:教科書:放射線技術学シリーズ:放射線安全管理学(改訂2班)
:日本放射線技術
学会監修、
(株)オーム社.
飯田博美・安東醇・川井圭一著:放射線安全管理学、通商産業研究社.
MR の基礎(パワーテキスト)―基礎から光速画像撮像法まで―、RayH.Hashemi
William G.Bradley、Jr 著、荒木 力監訳;医学書院 MYW.
学生へのメッセージ・ 講義は作成したプレゼン資料(PowerPoint)を配布し進める
履修上の留意点
―
114 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
309003
科 目 名
関係法規
科目担当責任者: 幸田 敏明
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
本科目では、診療放射線技師が知らなければならない、我が国の放射線診療に関係する法
律(放射線障害防止法、医療法、労働安全衛生法、環境測定法、電離則、診療放射線技師法等)
について学習する。具体的には、ICRP などをはじめとする、国際的な委員会の勧告、国内
法への取り込み、各法規の成り立ちも含め、医療施設における放射線管理の全体の理解、線
量測定、漏洩線量計算についてなど放射線管理全体の内容を理解することを目的とする。
1.放射線規制の法体系を理解する。
2.放射線の管理に必要な基準、手続きを理解する。
3.診療放射線技師の資格について理解する。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
法体系
放射線規制とICRP勧告、原子力基本法、労働関係法令
2
放射線障害防止法①
総論、定義
3
放射線障害防止法②
施設の基準、取扱いの基準
4
放射線障害防止法③
使用者の義務(測定、教育訓練、健康診断、管理体制、手続)
5
医療法①
定義、届出、装置等の防護
6
医療法②
構造設備基準、管理者の義務
7
医療法③、電離則
在宅医療、電離則での健康診断
8
診療放射線技師法
診療放射線技師法
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
出席数、定期試験により評価する。
教科書 『放射線関係法規概説』(通商産業研究社)
教科書・参考文献
教科書を予習するのが望ましい。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
115 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
309004
科 目 名
放射線カウンセリング学
科目担当責任者: 河原田泰尋
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
4年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
放射線診療を受ける患者が感じる不安およびその相談に的確に答えるため、エビデンスに
基づいた医療被ばくの知識と線量評価、ならびに相談者に対する心理的ケアと、カウンセリ
ングに必要なコミュニケーション能力を学習する。また、放射線災害発生時の放射線災害事
例とその際に生じた市民の不安を理解するとともに、診療放射線技師に期待される放射線に
対する不安を和らげるための、放射線災害被災者および医療スタッフに対するカウンセリン
グの手法についても学習する。
医療現場では医療連携(専門職の協働)が急速に進でいる。放射線検査やそれに伴う被ば
くに対する不安や疑問について診療放射線専門職者として責任を果たす方法を修得する。
到達目標
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
被ばく線量と評価
放射線被ばくと影響の評価、原子力災害の影響を解説する
2
緊急被ばく医療
緊急被ばく医療の考え方を解説する
3
被ばくと影響
確定的影響と確率的影響(被ばくと発がんリスクの考え方)
及び低線量被ばくリスクの考え方を解説する
4
医療被ばく
医療被ばくとガイダンスレベルの考え方を解説する
5
カウンセリングの技法
相談者に対する援助の対処法について解説する
6
カウンセリング演習
医療従事者、患者・家族等からの実際の相談事例の紹介と
授業計画
対処方法を解説する
7
専門教育科目
成績評価方法
教科書・参考文献
放射線カウンセラー
放射線カウンセラーの使命と行動、放射線カウンセラーの
の倫理
適正な対応方法を解説する
課題レポート(70%)、Quiz と出席(30%)
教科書:柏田陽子、村井均、鈴木隆、桑原宏、西川義浩著、放射線カウンセリング・ステッ
プ ONE、
(株)日本放射線技師会出版会.
参考書:本間光彦、諸澄邦彦編著、医療被ばく、患者さんの不安にどう答えますか? (株)
PILAR PRESS ピラアルプレス.
放射線検査や放射線被ばくに対する患者や医療関係者の不安や疑問に対して、放射線専門
学生へのメッセージ・ 職者として説明責任をもたなければならない。医療連携(共動)が推進される中で放射線技
師の重要な業務となると思われる。
履修上の留意点
―
116 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
310001
科 目 名
医療職としての責任と役割
科目担当責任者: 勝浦 秀則
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 前期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
医療専門職としての診療放射線技師の役割と責任を理解するために、診療放射線技師の職
業倫理観、診療放射線技師の法的・社会的な位置づけ、診療放射線技師と患者との関係、診
療放射線技師と他職種との関係について学習する。特に本科目で重点にして学習するのは、
医療の全体像を理解するために、医療倫理・生命倫理の考え方を基礎として、病院・医院な
どの医療組織の正しいあり方、医療経済と医療システム全般について学習する。
診療放射線技師として患者さんに提供する技術の習得を目指し、周りの医療スタッフと連
携し、業務を行うことを目的とする。その行為には必ず責任が発生するため準備を怠らない
ようにすることが重要である。
回数
1
テ ー マ
責任と役割
授 業 内 容
診断部門・核医学部門・放射線治療部門における診療放射
線技師の責任と役割
2
医療事故
診断部門・核医学部門・放射線治療部門におけるインシデ
ント・アクシデントと対応
3
組織の連携
診断部門・核医学部門・放射線治療部門におけるメディカ
ルスタッフとの連携
4
専門技師
授業計画
線技師の専門技師
5
法律
診療放射線技師の業務と法律について
6
注意事項
各モダリティにおける検査の注意事項等について
7
感染対策
診療放射線技師の仕事と感染対策について
8
その他
医療システムの中の診療放射線技師の業務について
定期試験、レポート、小テスト等で総合的に評価する。
参考書 新医用放射線科学講座 医療安全管理学 医歯薬出版株式会社
教科書・参考文献
テーマ・授業内容を理解し、診療放射線技師の仕事内容を把握する。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
117 ―
専門教育科目
成績評価方法
診断部門・核医学部門・放射線治療部門における診療放射
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
310002
科 目 名
医療安全管理学
科目担当責任者: 俵 紀行
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 後期 必修 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(15)
患者に安全・安心な医療を提供するために、医療施設内で発生した診療放射線技師が関わっ
た医療事故や医療過誤の事例、また、診療放射線技師が関わらないケースなど、医療施設内
で起こりえるすべての事例とその原因、およびそれらの対処方法を学習し、チーム医療の一
員として、他職種と相互に協力して事故防止に努めるために必要な基礎知識を修得する。ま
た、事故防止のためのアプローチ方法として、SHEL モデルなどの手法についても学習する。
1.医療安全を理解できる。
2.医療事故に対するリスクマネジメントができる。
3.ヒヤリ・ハット報告ができる。
4.ヒヤリ・ハット報告の事例を分析できる。
5.医療事故予防対策を考えることができる。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
1
医療安全の概論
2
安 全 管 理 の 必 要 性・ 組織のマネジメントについて学ぶ。
医療環境と医療事故について学ぶ。
重要性の理解
3
事故発生のメカニズ
事故発生のメカニズムおよび防止対策について学ぶ。
ムと防止対策
4
自己分析(分析手法) 医療安全管理に必要な分析手法について学ぶ。
5
ヒヤリ・ハット、医
授業計画
医療事故の事例を用いた事例分析に関する方法を学ぶ。
療事故の事例分析方
法1
専門教育科目
6
ヒヤリ・ハット、医
5.と同様の内容について学ぶ。
療事故の事例分析方
法2
成績評価方法
教科書・参考文献
7
医療環境と事故予防
8
総括
医療事故防止のための安全管理のあり方について学ぶ。
定期試験(50%)、参加態度(30%)、提出物(20%)により評価する。
(教科書)特になし
(参考書)
「5 日間で学ぶ医療安全超入門」日本医療マネジメント学会監修、
学習研究社、
( 2008)
医療を取り巻く環境では、医療安全に関して理解することも重要な能力の1つとなってい
学生へのメッセージ・ る。医療事故を未然に防止できる能力を兼ね備えた医療従事者になってほしい。
履修上の留意点
―
118 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
310003
科 目 名
応急処置法(演習)
科目担当責任者: 浜島 泉
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
4年次 前期 必修 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
医療職を目指す全ての学生に必須となる、救急患者の初期応急処置および救急救命の基本
的知識を理解する。また、応急・救急処置、AED の使用法など必要となる器具の名称や取
扱いなどについても学修する。具体的には、放射線検査時の造影剤ショックに対する救急処
置、各検査に伴う救急処置、また、緊急搬送患者の画像検査および画像評価について理解する。
さらに、救急医療における診療放射線技師の役割を理解することを目的とする。
チーム医療について学び、病院におけるリスクマネージメントについて理解する。
救急医療について学ぶとともに放射線検査における応急処置について理解する。
到達目標
回数
授業計画
授 業 内 容
1
チーム医療
病院におけるチーム医療について学ぶ
2
医療安全
医療安全とリスクマネージメントについて理解する
3
医療事故の定義
医療事故・医療過誤の定義、医療事故の原因
4
救急医療
救急医療とは何かについて学ぶ
5
救急処置
救急処置について学ぶ
6
救急の X 線検査
緊急搬送患者の画像検査
7
救急の画像評価
救急医療における画像読影
8
放射線検査のリスク
放射線部におけるリスクマネージメント
9
放射線検査の事故
放射線部における事故例とヒヤリハット
10
感染症対策
放射線検査と感染症対策
11
造影剤ショック
造影剤ショックの発生と対策
12
ヒヤリハット事例
放射線部におけるヒヤリハット例と対策
13
事故対策と調査
報告、調査、情報の共有化
14
安全管理体制
放射線部の安全管理体制、教育、マニュアルについて
15
リスクマネージメン
リスクマネージメントとインフォームドコンセントについ
ト
て
筆記試験(期末試験)、小テスト等で総合的に評価する。
教科書:
「リスクマネジメント」村上陽一郎他、医療科学社 2008
教科書・参考文献
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
119 ―
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
311001
科 目 名
臨床実習Ⅰ
科目担当責任者: 放射専任教員
担 当 教 員 名: 臨床実習病院の実習指導者
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
3年次 後期 必修 授業形態
(実験・実習)
4単位 時間数
(180)
「臨床実習Ⅰ」では、3学年時に臨床現場において講義で学んだ基礎的知識がどのように
活用されているのかを体験し・学習するする。 診療放射線学科での学習は、診療放射線技
師として臨床業務を修得するだけでなく、人格や見識を兼ね備えた医療人を育成する場でも
ある。 臨床実習Ⅰでは、臨床現場において患者接遇、他の医療従事者とのコミュニケーショ
ン、検査・治療の流れ、病院情報システムや最新の技術がどのように診療業務で活用されて
いるのかを実際の診療の場で体感し、座学での学習と一体となった理解ができるようにする。
患者とのコミュニケーション、検査内容の理解、検査時の患者の安全管理等の内容を把握
する。また、患者を中心とするチーム医療の重要性と医療従事者としての職業意識を涵養す
る。
回数
テ ー マ
授 業 内 容
○臨床実習施設の診療科目にあわせた十分な予習を必要と
全体で
する
4週間
患者接遇
○臨床実習の心得、患者接遇に対する注意事項
の臨床
感染対策
○描出される画像解剖と代表的な疾患、ポジショニングと
実習
+
撮影方向
医療安全
学内の
講義
授業計画
画像のポジショニング良否判定、画像の撮影条件・画像処
理の評価方法
画像検査
○撮影・検査装置の構造・操作方法
画像処理
胸・腹部、上肢・下肢・脊椎・体幹、エックス線 TV、上部・
下部消化管、血管造影、頭部を中心とした画像検査、乳房
専門教育科目
撮影、CT 検査、MRI 検査、ポータブル
画像解剖
○放射線診療(核医学・放射線治療を除く)の総合的臨床
実習、およびデジタル画像の処理、保管、配信
放射線管理
○管理区域について
入退出時の注意事項、放射線遮蔽、被ばく管理
成績評価方法
臨床実習病院の評価、学内の講義、及び、臨床実習報告の内容を総合的に評価する
臨床実習要綱及び関係教科書
教科書・参考文献
臨床現場で実際の業務を体験することで、放射線業務・放射線管理・診療放射線技師の職
学生へのメッセージ・ 業等を理解してください。
履修上の留意点
―
120 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
311002
科 目 名
臨床実習Ⅱ
科目担当責任者: 放射専任教員
担 当 教 員 名: 臨床実習病院の実習指導者
配当年次と単位
授業の概要
到達目標
4年次 後期 必修 授業形態
(実験・実習)
6単位 時間数
(270)
「臨床実習Ⅱ」は、4学年時に臨床実習病院において臨床業務を体得し理解する。また、
臨床実習を通じて人格や見識を兼ね備えた医療人の育成を目指す。具体的には、画像診断(X
線撮影、特殊撮影、CT 検査、MRI 検査など)、核医学検査、放射線治療の部署で、各種検査、
治療を体験し診療放射線技師の責任と業務について理解し、講義で学んだ基礎的知識と臨床
現場で学んだ知識がどのように活用されているのかを理解する。更に患者接遇や各スタッフ
とのコミュニケーションなどを体験して医療人としての自覚を促す。
患者とのコミュニケーション、検査・治療内容の理解、検査時の患者の安全管理等の内容
を把握する。また、患者を中心とするチーム医療の重要性と医療従事者としての職業意識を
涵養する。
回数
テ ー マ
画像検査
授 業 内 容
○撮影・検査方法、検査装置の構造・操作方法
全体で
胸・腹部、上肢・下肢・脊椎・体幹、エックス線 TV、上部・
6週間
下部消化管、血管造影
の臨床
画像解剖
頭部を中心とした画像検査、乳房撮影、CT 検査、MRI 検査、
実習
ポータブル
+
○描出される画像解剖と代表的な疾患、ポジショニングと
学内の
撮影方向
講義
画像のポジショニング良否判定、画像の撮影条件・画像処
理の評価方法
授業計画
データ処理・管理
○検査画像データの処理、保 存・管理、およびデジタル画
各医学検査
○核医学検査、検査機器の取り扱いと操作法について
シンチレーションカメラ、SPECT 装置、PET 装置、自動
分注器、自動洗浄器、オートウェルガンマカウンタなど
放射線治療
○放射線治療、治療装置、高エネルギーX線治療、高エネ
ルギー電子線治療、密封小線源治療、放射線治療計画法、
治療装置の保守・点検
放射線管理
○放射線管理、放射線の遮蔽、入退出時の注意事項、放射
性医薬品の管理 ・ 取り扱い、放射性廃棄物の処理法、汚染
時の対処法
臨床実習病院の評価、学内の講義、及び、臨床実習報告の内容を総合的に評価する
成績評価方法
臨床実習要綱及び関係教科書
教科書・参考文献
学生へのメッセージ・ 臨床現場で実際の業務を体験することで、放射線業務・放射線管理・診療放射線技師の職
業等を理解してください。
履修上の留意点
―
121 ―
専門教育科目
像の処理
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
312001
科 目 名
放射線技術学特別講義
科目担当責任者: 渡邊 良晴
担 当 教 員 名: 武田 浩光、小寺 秀一、宮下 宗治、星野 広史
配当年次と単位
授業の概要
4年次 前期 選択 授業形態
(講義)
1単位 時間数
(30)
放射線機器など、臨床現場で利用される機器あるいは手技は常に進歩している。最新の医
療機器や手技に関する情報に関する講義を各界で活躍する講師に講義を依頼する。常に新し
い知識を吸収し探究し続ける意識は医療人として必要となる。CT や MRI、一般撮影機器の
最新動向、最新の放射線治療についてなど多岐にわたる外部講師に依頼し講義を行う。
臨床現場における最新の情報を聞いて、診療放射線技術の最近の動向を確認する。
臨床実習における注意点などを確認する
到達目標
回数
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
授 業 内 容
1
一般撮影、
一般撮影の最近の状況・求められるもの等
2
X線 TV 検査、
X線 TV 検査の最近の状況・装置の変遷等
3
血管造検査
血管造検査・IVR の最近の状況
4
CT 装置
CT 撮影原理、CT 装置
5
CT 検査技術
CT 検査技術の最近の状況
6
CT 画像処理
CT 画像処理の種類・何が必要か
7
MRI 装置
MRI 撮影原理、MRI 装置
8
MRI 検査技術
MRI 検査技術・装置の状況
9
画像処理
画像処理・疾患と検査技術
10
放射線治療
放射線治療の最近の状況等
11
治療装置の種類
治療装置の状況、粒子線治療装置等
12
治療計画
治療計画の状況
13
核医学検査
核医学検査の最近の状況
14
RI の取扱い
RI の安全取扱い・注意事項
15
放射線管理
放射線管理の関係法規、最近の法律改正等
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
授業毎に使用を配布する。
教科書・参考文献
臨床現場の最新の情報を学ぶことができます。臨床実習の前の学習として重要です。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
122 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
312002
科 目 名
総合演習Ⅰ(専門基礎領域)
科目担当責任者: 西山 篤
担 当 教 員 名: 住吉 孝、渡邊 良晴、木村 徹
配当年次と単位
授業の概要
4年次 後期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
診療放射線技師教育カリキュラムを履修したうえで、各領域の習得状況を再確認するため
に、演習型授業を通じ総括的な理解及び、知識を深める。特に総合演習Ⅰでは専門基礎領域
として、放射線物理学、放射化学、放射線生物学、医用工学、医用画像工学、医用画像情報、
放射線計測学、放射線安全管理他を中心に各科目の理解度を向上させる目的がある。最終的
には、診療放射線技師国家試験問題への対応を図るとともに、診療放射線技術に対し、探究
する能力を養う。担当は4名の専任教官で担当する。
専門基礎領域の内容を総合的に学習し、各領域の関係を理解し、放射線技術に関する探究
心を養う。
到達目標
回数
授業計画
授 業 内 容
1
放射線物理学Ⅰ
放射線物理学Ⅰ
2
放射線物理学Ⅱ
放射線物理学Ⅱ
3
放射化学Ⅰ
元素、放射性核種
4
放射化学Ⅱ
放射化学分離、放射性標識化合物
5
放射線生物学Ⅰ
放射線の細胞に対する作用
6
放射線生物Ⅱ
放射線の人体に対する影響、生物学的効果
7
医用工学Ⅰ
電気工学の基礎
8
医用工学Ⅱ
電子工学の基礎
9
医用画像工学Ⅰ
画像の成り立ち・評価
10
医用画像工学Ⅱ
画像処理、その他
11
医用画像情報学Ⅰ
画像情報の成り立ち
12
医用画像情報学Ⅱ
デジタル画像、画像情報の通信・保存・管理
13
放射線計測学Ⅰ
放射線測定法、測定機器
14
放射線計測学Ⅱ
X線、電子線等の線量測定法
15
放射線安全管理
技師法、医療法、障害防止法、放射線計測等
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
授業毎に印刷資料を配布する。各領域の教科で使用した教科書も一部併用する。
教科書・参考文献
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
123 ―
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
312003
科 目 名
総合演習Ⅱ(臨床領域)
科目担当責任者: 樋口 健太
担 当 教 員 名: 杉本 芳則、藤原 健祐、小山 和也
配当年次と単位
授業の概要
4年次 後期 選択 授業形態
(演習)
1単位 時間数
(30)
診療放射線技師教育カリキュラムを履修したうえで、各領域の習得状況を再確認するため
に、演習型授業を通じ総括的な理解及び、知識を深める。 特に総合演習Ⅱでは臨床領域と
して、医学概論、撮影技術学、画像検査学、病理学、系統解剖・画像解剖学系、診療画像機
器学他を中心に各科目の理解度を向上させる目的がある。最終的には、診療放射線技師国家
試験問題への対応を図るとともに、診療放射線技術に対し、探究する能力を養う。担当は4
名の専任教官で担当する。
専門領域の内容を総合的に学習し、各領域の関係を理解し、放射線技術に関する探究心を
養う。
到達目標
回数
授業計画
専門教育科目
成績評価方法
テ ー マ
授 業 内 容
1
医学概論Ⅰ
医学概論、細胞と組織、免疫系
2
医学概論Ⅱ
生理学、生化学
3
医学概論Ⅲ
部位別疾患と障害、治療
4
撮影技術学Ⅰ
一般撮影技術学
5
撮影技術学Ⅱ
透視、特殊撮影技術学
6
撮影技術学Ⅲ
CT 撮影技術学
7
画像検査学Ⅰ
MRI 検査学
8
画像検査学Ⅱ
超音波、眼底検査学
9
病理学
病態の基礎、腫瘍
10
系統解剖Ⅰ
系統解剖Ⅰ、骨格系、呼吸器、血管系
11
系統解剖Ⅱ
系統解剖Ⅱ、消化器、脳神経系、その他
12
画像解剖学Ⅰ
X線画像解剖学
13
画像解剖学Ⅱ
MRI 解剖学、その他
14
診療画像機器学Ⅰ
X線診療画像機器
15
診療画像機器学Ⅱ
MRI、特殊撮影機器
筆記試験(期末試験)
、小テスト等で総合的に評価する。
授業毎に印刷資料を配布する。各領域の教科で使用した教科書も一部併用する。
教科書・参考文献
必ず予習、復習を行い、理解できないところがあれば質問をしてきてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
―
124 ―
Ⅳ 科目シラバス 診療放射線学科 専門教育科目
科目コード
313001
科 目 名
卒業研究
科目担当責任者: 放射専任教員
担 当 教 員 名:
配当年次と単位
授業の概要
4年次 通年 必修 授業形態
(演習)
4単位 時間数
(120)
3年次までに修得した知識を基礎として、自主的な研究意欲と研究の基本的な考え方を養
うため、教員の指導のもとに放射線技術科学に関する研究を行う。研究過程を通して、情報
の収集方法、問題点の抽出、問題解決のための実験方法の企画、実験の実行と結果の解析、
得られた結果の評価と考察などを実践し、問題解決に必要な基本技術を身につける。また、
研究発表を通して、発表や討議の方法を学び、残された問題の明確化、研究をさらに発展さ
せるための企画及び実行など研究を発展させるために必要な論理的な考え方を身につける。
研究テーマを決め、研究を行い、卒業論文を作成し、卒業研究発表までを、指導者の指導
を受けながら成し遂げることが重要となる。
到達目標
回数
テ ー マ
授 業 内 容
学生個々が決める
○研究テーマを決定し、指導教官と打ち合わせを行いなが
ら研究概要書を作成する
○研究スケジュールを立てて指導教官と打ち合わせをしな
がら研究を進める
○卒業研究として、結果をまとめる
○研究草稿を作成し、提出する。
○研究発表会に向けてプレゼンテーション資料を作成する
○研究発表会にてプレゼンテーションする
授業計画
○研究結果を卒業研究論文としてまとめて提出する
専門教育科目
成績評価方法
卒業研究担当の複数の専任教員が評価する
教科書・参考文献
診療放射線学科学習の集大成として研究・論文の作成・研究発表をやり遂げてください。
学生へのメッセージ・
履修上の留意点
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