デキるグローバルビジネスパーソンになるための財務塾2013 「企業価値評価のプロセス」 ファイナンスに過度に期待するのはやめよう! 2013年7月23日 インサイトフィナンシャル株式会社 代表取締役 手島直樹 1 本日のテーマ 企業価値評価に関する私の見解 現在価値とは NPVによる投資判断 企業価値評価の実践 マルティプル分析 2 企業価値評価に関する私の見解 私の見解 バフェットですら計算に自信が持てない“アート”の世界 理論 ・DCFモデルに基づき、期待FCFをWACCで割り引いて算出されたものが内在価値である ・自社株の理論価格であり、市場価格の方が安ければ自社株買い、高ければ株式発行、株式交 換によるM&Aを行う 現実 ・株価は大体正しいので、わざわざDCFで内在価値を算出する必要はない(マーケットには敵わな い) ・社内の人間だからといって、内在価値を算出する上でのアドバンテージはない ・割高で自社株買いをする企業が多い(バフェットは割安で買うためのポリシーを公表した) あるべきプローチ ・内在価値を正確に測定することよりも、内在価値を高める努力をするべきである ・インデックスファンドに投資をする 3 バフェットの自社株買い 自社株買いに見る自己評価の難しさ 「底値に近いと見たので買ったが、株価の下落が止まらなかった」(資生堂 常務) バフェットの自社株買いに関する考え方 ①コンサバティブに考えても明らかに割安である(内在価値の把握は困難であるため) ②自社株買いにより財務状況が悪化することがないこと バークシャー・ハザウェイの自社株買いのポリシー ①株価の簿価に対するプレミアムが10%以内であること ②現金等価物が200億ドルを下回らないこと 4 ケーススタディ:サントリー食品インターナショナルのIPO IPOの公募価格は3100円(3000円~3800円のレンジを想定していた)でしたが、株価はIPO後上昇し、 約700億円の機会損失(もっと資金調達ができた)が生じています。 5 本日のテーマ 企業価値評価に関する私の見解 現在価値とは NPVによる投資判断 企業価値評価の実践 マルティプル分析 6 将来価値と現在価値 ・将来価値:運用のイメージ 95.24 現在 100 1年後 95.24円×(1+0.05) = 100円 割引率 ・現在価値:ファイナンスの基本中の基本 100円÷(1+0.05) = 95.24円 95.24 現在 100 1年後 割引率 7 リスクと現在価値の関係 ・リスク大→現在価値が小さい 100 90.90 現在 1年後 100円÷(1+0.10) = 90.90円 割引率 ・リスク小→現在価値が大きい 100 95.24 現在 1年後 100円÷(1+0.05)= 95.24円 割引率 8 現在価値の算出(期間が長期のケース) 期間が長期のケースは、それぞれのキャッシュフローを現在価値にしてから、それらを合計します。 M&Aにおけるシナジーの算出もこのプロセスで行います。 合計:216.48 39.18 割引率=5% 41.14 43.19 45.35 47.62 50 現在 1年後 50 2年後 50 3年後 50 50 4年後 5年後 現在価値=キャッシュフロー÷(1+割引率)^期間 9 本日のテーマ 企業価値評価に関する私の見解 現在価値とは NPVによる投資判断 企業価値評価の実践 マルティプル分析 10 NPVによる投資判断 NPV=現在価値-投資額>0なら投資する、というのがNPVによる投資判断基準です。M&Aにお いては投資額に相当するのがプレミアムとなります。 250 割引率=5% 合計:216.48 170 39.18 41.14 43.19 45.35 投資額① 投資額② 47.62 50 現在 1年後 50 2年後 50 3年後 50 50 4年後 5年後 ①のNPV=216.48-170>0なので投資する ②のNPV=216.48-250<0なので投資しない 11 NPVによる投資判断 私の見解 超能力を前提とするファイナンス理論の基本中の基本 理論 ・NPV>0の案件に投資、0以下では却下 ・NPVの額だけ企業価値が創造される(情報の非対称性がない前提) 現実 ・将来のキャッシュフローを教科書のように正確に予測することは不可能 ・割引率として利用される資本コスト(後述)も信頼性が低い ・分子も分母もいい加減であれば、理論は正しくても単なるガベージインガベージアウト ・提案者は必ずNPV>0にして提案する(エクセルの機能でどんな案件もNPV>0 にできる) ・NPVが計算しやすいコモディティ商品が承認される ・リアルオプションに至っては単なる学問 あるべきアプローチ ・「歴史のページにまだ書かれていないことを読み取るのが僕らの仕事なんだ」(スティーブ・ジョブズ) ・経営者の仕事はNPVを眺めることではなく、未来を想像すること ・数量化できるものは企業価値創造へ与える影響は小さいと考える 12 ケーススタディ:パナソニックの新投資判断基準 パナソニックはM&A(合併・買収)や工場建設など大型投資について意思決定手法を見直す。こ れまでは市場の成長性や競合相手の存在などを考慮して判断してきたが、今後は撤退も含めた 精緻なリスクシナリオを用意したうえで多面的に評価する。同社はテレビ用パネルなど大型投資が 裏目に出て業績が悪化した経緯がある。新手法により投資回収の精度を高める。 導入するのは「ディシジョン・マネージメント」と呼ばれる意思決定手法。米スタンフォード大学で生 まれ、複数の日本企業が採用している。事業部門が自前で作る投資計画は強気の計画になりが ちだが、新手法を使えば経営陣がより客観的に評価しやすいとされる。 具体的には、為替や原材料価格、ビジネスモデルなどが一変した場合に事業の採算性や投資回 収の見通しがどのように変わるか列挙。その際に必要となる追加投資や撤退のためのリストラ費 用などを定量的に予測し、経営陣が投資判断しやすくする。 10月以降、社長決裁が必要な30億円以上の投資案件を対象に、新手法を活用する。 (日経新聞7月12日) 13 本日のテーマ 企業価値評価に関する私の見解 現在価値とは NPVによる投資判断 企業価値評価の実践 マルティプル分析 14 企業価値評価手法の種類 主なDCFモデル 分子 分母 Enterprise Discounted Cash Flow フリーキャッシュフロー WACC Discounted Economic Profit Economic profit WACC Equity Cash Flow Cash flow to Equity 株式資本コスト 主なマルティプル指標 分子 分母 PER 株価(株価を逆算) 予想EPS PBR 株価(株価を逆算) 一株当たりの株主資本 PCF 株価(株価を逆算) 一株当たりのCFO EV/EBITDA 時価総額+ネットデット (時価総額から株価を逆算) キャッシュフロー 15 企業価値評価の全体像 事業バリュー ドライバー 他のバリュー 決定要因 売上成長率 現金ベース の税率 営業利益率 追加投資率 資本コスト 予測期間 フリーキャッシュフロー 株主価値 営業利益 -現金ベースの税金 NOPAT -投資額 FCF 事業価値 +非事業資産 -負債 株主価値 出所:Expectations Investing 16 企業価値評価の流れ 過去の財務諸表の分析 ・売上成長率 ・営業利益率 ・フリーキャッシュフロー ・ROIC(投下資本利益率) 資本コストの算出 ・ベータ ・負債コスト ・税率 ・株式資本コスト ・WACC(加重平均資本コスト) 業績の予想 ・5年~15年の業績を予測(予測期間と呼ぶ) ・フリーキャッシュフローの算出 継続価値の算出 ・予測期間以降は成長率を一定として計算(継続価値と呼ぶ) 株価の算出 ・事業価値を算出し、負債を差し引き、株式総数で割り、株価を算出 17 DCFモデルのイメージ 成長率が一定 成長率が一定でない ・・・・・・・・・・ 1年後 2年後 3年後 4年後 予測期間は、各年のFCFを算出 5年後 6年後 7年後 8年後 9年後 継続価値の公式を利用し、予測期間以降 のFCFの現在価値をまとめて算出 18 ケーススタディ:テルモ(1/3) 10年間の株価パフォーマンスはTOPIXを大幅にアウトパフォームしています。 19 ケーススタディ:テルモ(2/3) 5年間の株価パフォーマンスはTOPIXとほぼ同じです。 20 ケーススタディ:テルモ(3/3) 1年間の株価パフォーマンスはTOPIXを若干アンダーパフォームしています。 21 過去の財務諸表の分析 資本コストの算出 業績の予想 継続価値の算出 株価の算出 22 過去の財務諸表の分析 将来の業績を予測するために、過去の業績を分析します。 成長指標 ・売上高成長率 収益性指標 ・営業利益率 ・ROIC キャッシュフロー指標 ・フリーキャッシュフロー=営業利益(1-実効税率)+減価償却費-設備投資額-運転資金増加額 23 ROICとは ROICは本業での収益性を評価する最重要指標です。ROICがWACC(後述)より高ければ、企業 価値を創造していると考えられます。分子は税引後営業利益です。 資産 運用 事業資産 (工場、機械、売掛 金、在庫など) リターン ROIC ROA 非事業資産 (遊休資産、余剰 現金等) 24 成長指標:テルモの売上高成長率 前年は成長率が鈍化しましたが、会社の予想によれば、今期は14.3%という高い成長率に回復す る見込みです。 25 収益性指標:テルモの営業利益率 ここ数年は営業利益率が減少傾向にありましたが、会社予想によれば今期は15.2%に上昇する見 込みです(のれん償却を調整すると17%程度と思われます)。 26 収益性指標:テルモのROIC 2011年の大型買収により、ROICは悪化したが、前期は回復しています。本業の収益性を見るなら のれんを除くROIC、M&Aという投資の評価も加える場合にはのれんを含むROICを利用します。 27 収益性指標: テルモのNOPLAT(ROICの分子) ROICの分子に当たるNOPLAT(みなし税引後営業利益)は前期に大幅に改善しています。これは ROICにプラスとなります。 (百万円) 28 収益性指標: テルモの投下資本(ROICの分母) ROICの分母に当たる投下資本(Invested Capital)は2011年度の大型買収により大幅に増加してい ます。これはROICにマイナスとなります。 (百万円) 29 キャッシュフロー指標:テルモのフリーキャッシュフロー 2011年の大型買収により、フリーキャッシュフローは悪化したが、前期は大幅に回復しています。 (百万円) 30 テルモの業績のサマリーと今後の見通し 売上高成長率 成長の鈍化が見られていたが、今期は成長が回復する見込みであり、今後も高い成長が期待で きる可能性もある。 営業利益率 これまで高い営業利益率を維持してきたが、直近では下降傾向。しかし、本年度から回復する見 込みであり、今後も高い営業利益率を維持するのではないか。 ROIC 2011年の大型買収により、投下資本が大幅に増えたため、ROICは以前よりも低くなっている。しかし、 NOPLATは改善しており、今後は前期を上回るROICが期待できる可能性もある。また、後述するよう にROICはWACCを上回っており、企業価値を創造してきたと言える。 フリーキャッシュフロー 2011年は大型買収により、投資が増えフリーキャッシュフローは激減したが、前期の大幅な改善を 見る限り、今後も回復する可能性もある。 31 過去の財務諸表の分析 資本コストの算出 業績の予想 継続価値の算出 株価の算出 32 資本コスト 私の見解 正解が存在しない学者の理論 理論 ・負債だけでなく株主資本にもコストはかかる ・株主資本コストはCAPMにより算出される ・負債コストと株主資本コストの加重平均がWACC(加重平均資本コスト)である ・ ROIC(投下資本利益率) がWACCを上回れば企業価値が創造される 現実 ・CAPMのパラメータ(ベータなど)が人によって異なるため、資本コストも人によって異なる ・投資案件のリスク水準に合わせて、任意に資本コストを調整する企業が多い ・大企業が部門毎の資本コストを算出することがあるが、信頼できる数値とは思えない(理論的には可能) ・投資家の算出する資本コストよりも会社の算出する資本コストの方が低い傾向がある あるべきアプローチ ・資本コストを上回ればよいという小さい目標ではなく、イノベーションによりダントツの利益率、ROIC、 キャッシュフローの実現を目標とすべき 33 WACC 株主の要求リターンと債権者の要求リターンを時価ベースで加重平均したものが、加重平均資本 コスト、すなわちWACCです。 投資 運用 債権者 wd:負債比率 資産 (時価ベース) リターン 投資 we:株主資本 比率 株主資本 (時価ベース) リターン(kd:負債コスト) 株主 リターン(ke:株主資本コスト) 34 CAPM 株式資本コストを算出するのに広く利用されるモデルです。以下のようなパラメータによって構成さ れます。 株主資本コスト = β(市場期待リターン-リスクフリーレート)+ リスクフリーレート 市場リスクプレミアム β:個別銘柄とTOPIXなどの市場指数の価格変動の連動性を示す市場感応度。個別銘柄 のリターンと市場指数のリターンを回帰分析して算出。1が市場指数と同等の感応度となる。 市場リスクプレミアム:投資家がリスクのない安全資産に要求するリターンとリスク資産に 要求するリターンの差。4%~6%が利用されることが多い。 リスクフリーレート:10年物などの長期国債の利回りを利用することが多い 35 βを求める(1/2) 5年間の月次、もしくは週次リターンが利用されることが多いです。利用するデータの期間、月次か 週次かでβが変わってしまうのが問題点です。X軸がTOPIX、Y軸がテルモのリターンとなります。 36 βを求める(2/2) 資本構成(後述)に変更がある場合は、βをアジャストしますが、今回は変更が無いと想定し、 アジャストしません。 37 株式資本コストを求める パラメータ ・β:1.0(月次)、1.16(週次) ・市場リスクプレミアム:5%とする ・リスクフリーレート:2%とする 株式資本コスト(月次βベース) = 1.0*5%+2.0% = 7.0% 株式資本コスト(週次βベース) = 1.16*5%+2.0% = 7.8% 38 負債コストを求める 有利子負債の金利を加重平均して、負債コストを算出します。 (有価証券報告書より) 39 WACCを求める 負債 100,520百万円 wd:9.6% 資産 (1,051,820百万円) 株主資本 株価*株式総数 =5010*189.88百株 =951,300 we:90.4% WACC (月次)= 9.6%*1.0%* (1-40%)+ 90.4%*7.0% =6.39% WACC (週次)= 9.6%*1.0% (1-40%)+ 90.4%*7.8% =7.11% (税率は40%と想定) 40 Economic Profitを求める ROICがWACCを上回れば企業価値が創造されたと考えられますが、economic profitは絶対額で 企業価値創造の水準を示します。(ROIC-WACC)*投下資本で算出します。 (百万円) (WACC=7%と想定) 41 ROICとWACCの関係 経済学では、ROICとWACCとの差(アブノーマルリターン)は最終的にゼロになると想定します。実 際はコカコーラのように長期的にアブノーマルリターンを生む企業もあります。 ROIC イメージ 既存の資本からのROIC 総資本からのROIC WACC 新規の資本からのROIC(RONIC) 年数 42 最適資本構成(1/2) 私の見解 究極の小手先財務テクニック 理論 ・資本コストを最小化する株主資本と負債の最適な比率が存在する ・期待FCFが一定であっても、バランスシートの最適化により企業価値が高まる ・負債を活用することでROEが向上する ・負債で自社株買いするのが資本コストを下げるには最も効率的 現実 ・負債比率を高めることで、会社のリスクが高まるため、計算通りに資本コストが下がるとは限らない ・負債比率を高めて格下げされるようでは本末転倒 ・日米企業のROEを比較すると、その差は財務レバレッジではなく、売上高純利益率の差による あるべきアプローチ ・資本コストはgivenだと考える ・株主資本と負債の最適な比率を見つけ出す努力をするよりも、キャッシュフローを拡大する努力を すべきである 43 最適資本構成(2/2) 日米ROE比較 日本 ROE 米国 6.0% 15.1% 2.4% 8.3% 総資産回転率 0.9 0.8 財務レバレッジ 2.7 2.3 売上高純利益率 出所:生命保険協会調査 日本企業の財務レバレッジは十分に高く、利益率の低さがROEが低い原因となってます。 財務戦略よりも、まずは利益率を高めることを優先すべきです。 44 過去の財務諸表の分析 資本コストの算出 業績の予想 継続価値の算出 株価の算出 45 業績予想 事業バリュードライバーの予測が企業価値評価のカギとなります。 事業バリュー ドライバー 他のバリュー 決定要因 売上成長率 40.5% 現金ベース の税率 営業利益率 追加投資率 7.0% 資本コスト 10年 予測期間 フリーキャッシュフロー 株主価値 営業利益 -現金ベースの税金 NOPAT -投資額 FCF 事業価値 +非事業資産 -負債 株主価値 出所:Expectations Investing 46 売上高成長率 今後十年間は、本年度は14.3%(会社予想)、その後4年間は10%、その後5年間は9%で成長し、 それ以降は3%の成長率を維持するという想定です。 47 営業利益率 今後5年間は17%、その後5年間は16%、それ以降は15%で安定するという想定です。 48 追加投資率(運転資金) 運転資金に関しては、2012年度の実績が継続するという想定です。 49 追加投資率(固定資産) 固定資産投資に関しては、2012年度の実績が継続するという想定です。 50 予想PL 営業利益以下の項目は企業価値評価では特に利用しませんので、参考程度にお考えください。 51 予想BS(資産) 52 予想BS(債務) 53 予想NOPLAT 54 予想投下資本 55 予想ROIC 2023年以降は徐々にWACCの7%に近づくという前提です。 56 予想フリーキャッシュフロー 57 過去の財務諸表の分析 資本コストの算出 業績の予想 継続価値の算出 株価の算出 58 継続価値の算出 2023年度以降はFCFが3%で継続的に成長するものとして計算します。これは、企業は永続するも のとして考えるのですが、永遠に業績の予想をすることは不可能だからです。 継続価値の公式 NOPLATt+1(1 継続価値t = g RONIC WACC - g ) RONIC = WACCと想定 継続価値2022 = 100,766(1-3%/7%) = 1,439,514(先ほどの数値と異なる 7% - 3% のはラウンディングの影響です) 継続価値2013 = 1,439,514 (1+7%)^10 = 731,776(先ほどの数値と異なるの はラウンディングの影響です) 59 予想フリーキャッシュフロー 予想フリーキャッシュフローの現在価値の合計額の7割弱は、2023年以降の継続価値で構成され ます。 (百万円) これが事業価値 60 過去の財務諸表の分析 資本コストの算出 業績の予想 継続価値の算出 株価の算出 61 事業価値、企業価値、株式価値 将来のFCFの現在価値の合計値は事業価値であり、株式価値を算出するためには、非事業資産 を加え、負債を差し引きます。 ・余剰現金 ・不動産 ・有価証券 予測期間のFCF 継続価値の の現在価値 現在価値 事業価値 非事業資産 ・年金積立不足(超過) ・ストックオプション ・少数株主持分 企業価値 負債 内在価値 株式価値 62 バリュエーションサマリー 63 結論 モデルによる内在価値:5,178円 テルモの株価(7月16日):5,260円 差額:82円(1.56%) インプリケーション ・モデルの想定と株式市場の想定はほとんど同じ(±15%程度ならば株価は正しいと考えてよい) ・売上高成長率、営業利益率とも結構高めの想定 ・さらに株価が上がるには、モデルの想定をさらに上回らなければならない(後述の感度分析) ・逆にモデルの想定を下回るようなことがあれば、株価は下落する(後述の感度分析) 企業価値評価は、投資家が株価予想をするためだけでなく、企業(IR部や財務部)が 株価に織り込まれる株式市場の想定を逆算するのにも利用ができます(リバースエン ジニアリング)。 64 感度分析 65 本日のテーマ 企業価値評価に関する私の見解 現在価値とは NPVによる投資判断 企業価値評価の実践 マルティプル分析 66 テルモのマルティプル分析(7月16日時点) 67 ご清聴ありがとうございました 68
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