1.ペイパルのショートカットボタンを設置する 実装方法 「ショートカット・ボタン」とは、購入したい商品が確定した時点で、カートや配送方法指定や支払方法指定のページを減る こと無く、一気にペイパルでの支払い画面に遷移させることができるボタンです。このボタンが押された時点で、支払い方法は ペイパル(ペイパルアカウントもしくはクレジットカード)での支払いに限定されます。また、配送先情報は予めマーチャント様 のサイトで指定された配送先情報をペイパルに受け渡す(※ページ後半「1-2. マーチャント様側で保持する配送先情報 がペイパルに引き継がれ、クレジットカードで支払うためのフォームに⾃動的に入⼒される」にて詳しくご説明します)か、ペイ パルの画面で支払いを⾏う際に指定することになります。実装方法としては、「ショートカット・ボタン」をクリックすると、その時 点でカートに保持されている、購買する製品の情報を SetExpressCheckout API コールにてペイパルに送るようにします (SetExpressCheckout API で送る情報については 4.1. ペイパルの「エクスプレス・チェックアウト」について、にて細かく 言及します)。 Fig.2 ショートカット・ボタンがショッピングカートに設置された場合の画面遷移 URL: https://www.paypalobjects.com/ja_JP/i/btn/btn_xpressCheckout.gif Fig.3 ショッピングカートに設置するショートカット・ボタン画像 この導⼊ポイントの利点 買いたい商品が確定しているにも関わらず、支払い完了までに多くの入⼒を求められたり、画面遷移が複雑であったりして 支払い完了に⾄らないことが多くあります。この「ショートカット・ボタン」の実装によって、買いたい商品が確定しているにも関 わらず、支払い完了に⾄らないケースを減らすことができます。 補足 ペイパルのショートカット・ボタンを御社のショッピングカートに配置することで、御社のブランドに統一感が無くなるように思い、 これを否定的に考える方がおられます。しかし、失わずに済む売上を適切に上げずにブランドを守るのは得策でしょうか?支 払いに際して購買者の負担を軽減できるようにすること以上にブランドは大事でしょうか? なお、購入に際して、購買者様に必ず会員登録/ログインを要請するマーチャント様がおられます。この場合、ショートカッ ト・ボタンをクリックした際に購買者様は、ショートカットの通常の画面遷移としては、会員登録/ログインをせずにペイパルの 画面に遷移します。なお、23%の購買者様が、会員登録必須であることが購買を途中でやめる理由に挙げています(出 典:「E-Commerce Checkout Usability」 Baymard Institute, 2013)。これが正しいとすると、マーケティング上 の戦略から購買者様の情報を集めようとする施策が、逆に売上を下げる効果を⽣んでいる事になります。この理由から、購 入したい商品が確定した時点で、会員登録/ログインをさせずに支払い完了まで誘導する導線である「ショートカット」が有 用であると考えられます。しかしながら、ポイント制を採用していたり、会員専用ページにて製品をダウンロードさせる場合に は、購入に際して会員情報と購買情報を紐つける必要があります。このため、マーチャント様のサイト⾃体に大掛かりな改 修を施さない限り、購入時に会員登録/ログインをさせることが避けられません。この場合に、ショートカットを導入しながらも 会員登録/ログインをさせる方法として、「ショートカット・ボタンが押されたら、会員登録/ログインのための画面を表示し、こ れが済んだらペイパル画面に遷移させる」という方法が考えられます。 1-2. マーチャント様側で保持する配送先情報がペイパルに引き継がれ、クレジットカードで支払うためのフォームに自 動的に⼊⼒ 実装方法 SetExpressCheckout API コール時に、配送先情報を下記に示す各変数に値を込めて受け渡します。渡された情報は、 ペイパルログイン画面の「クレジットカードで支払う」に付随したフォームに、デフォルトの値として表示されます。 ・郵便番号 変数名 PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOZIP PHP での指定例) $PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOZIP = "100-0012"; ※郵便番号の途中にハイフンが⼊っていても、ペイパルシステムが⾃動的に判別して処理します ・都道府県 ・市区町村 ・住所詳細1 変数名 PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOSTATE PHP での指定例) $PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOSTATE = "東京都"; 変数名 PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOCITY PHP での指定例) $PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOCITY = "港区"; 変数名 PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOSTREET PHP での指定例) $PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOSTREET = " ペ イ パ ル 町 変数名 PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOSTREET2 PHP での指定例) $PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOSTREET2 = "ペイパルビル3 924-10"; ・住所詳細2 F"; ※この項目は必須項目ではないので、値を指定しなくても正常に処理されます ・国コード 変数名 PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOCOUNTRYCODE PHP での指定例) $PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOCOUNTRYCODE = "JP"; ・電話番号 変数名 PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOPHONENUM PHP での指定例) $PAYMENTREQUEST_0_SHIPTOPHONENUM = "042-645-4234"; ※この項目は必須項目ではないので、値を指定しなくても正常に処理されます ※電話番号の途中にハイフンが⼊っていても、ペイパルシステムが⾃動的に判別して処理します ・配送先受取人名 変数名 PHP での指定例) PAYMENTREQUEST_0_SHIPTONAME $PAYMENTREQUEST_0_SHIPTONAME = "太郎 兵春"; ※「名」+「半角スペース」+「姓」 という記述で値を指定すると、ペイパルシステムは名と姓を正しく判別します ※上記の各値をペイパルに送る前には urlencode のような関数を用いて値をエンコードし、文字化け等を防ぎましょう この導⼊ポイントのメリット クレジットカードで支払う購買者様が、何度も住所情報を入⼒せずに済むようになります。 補足 ⽇本国内の住所である場合、⽇本語で記述することをお勧めします。これは、都道府県の判別が⽇本語文字列を読んで ⾏われるためで、例えば、「東京都」と記載した場合は正しく判別できますが、「Tokyo」と記載した場合は正しく判別できま せん。
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