1月 - FCTVインターネットサービス

2011 年 1 月号
671 号 1 月 5 日
【タブレット】瑞軒 Vizio、スマートフォン/タブレット PC 投入 鴻海が ODM 受注
2011-01-04 網易科技、Digitimes
台湾の大手液晶テレビ ODM メーカーである瑞軒(Amtran)傘下の北米最大の液晶テレビ
ブランド Vizio は、今年夏にスマートフォン及びタブレット型パソコンを北米市場に投
入する計画を明らかにした。
同社発表によると、Vizio ブランドのスマートフォンの名称は ViaPhone、4 インチのデ
ィスプレイパネル、500 万画素のカメラを搭載、タブレット型パソコンの名称は
ViaTablet で、8 インチのパネル、WiFi ワイヤレス通信機能、3 つのスピーカ、テレビ会
議用のカメラが搭載されているという。両者ともにグーグルの Android を OS として採用
するとしている。
また、EMS 最大手の鴻海(Foxconn)が、瑞軒から ViaPhone 及び ViaTablet の ODM 生産
を受注したことも明らかになった。
市場関係者は、タブレット型パソコン市場に年内新規参入するメーカーは 40 社以上に上
る見通しで、今年後半には同市場で過当競争が始めり、販売価格は年末までに 30-40%
下落するとの見方を示している。
【タブレット】富士康、成都基地の iPad 年間生産量 2013 年には 1 億台
2010-12-30 中国 PCB 産業協会
世界最大の EMS メーカー、富士康集団(Foxconn)総裁の郭台銘氏は、中国成都市で、富
士康成都基地のタブレット PC(iPad)の今年の年産量が当初予想の 2000 万台から 4000
万台に増えること、2013 年の同年産量が 1 億台に達するという見通しを明らかにした。
富士康は昨年 7 月に成都にアップル iPad 生産基地を建設することを決め、昨年 10 月に
正式に生産を開始している。工場建設開始から生産開始までに要した日数はわずか 76
日、富士康の工場建設で最短記録を達成したことを明らかにしている。
富士康関係者は、成都基地は 5 年後には富士康のグローバル戦略にとって深圳基地に匹
敵する重要な生産基地になることを明らかにしている。
【液晶パネル】華星光電、8.5G 中核工場棟完成 今年 8 月から生産開始
2010-12-31 南方日報
中国地場の大手液晶テレビメーカーである TCL と深圳市直営の深超投資との合弁である
華星光電 CEO の賀成明氏は、8.5 世代液晶パネル生産ラインの中核工場棟が計画比 1 ヶ
月前倒しで完成したことを明らかにした。
同氏は、総額 150 億元の生産設備の調達も既に完了しており、今年 4 月には搬入・据付
を開始すること、原材料・部品の調達も日本の旭硝子とガラス基板の供給に関する覚書
を締結、化学、ガス関連メーカーとの商談もほぼ完了していることを明らかにしている。
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2011 年 1 月号
また、今年 8 月には正式に 1 枚目の液晶パネル製品を生産できること、今年 10-12 月に
は本格的な量産を開始できる見通しも明らかにしている。
華星光電が計画を前倒ししてまで稼働を急ぐ背景には、三星、LG Display、友達光電(AUO)
が中国内地での高世代液晶パネル生産ライン建設事業で相次いで中央政府の認可を取得
したことがあると見られている。
このうち、友達光電の昆山での 7.5 世代液晶パネル生産事業は総投資額が 30 億米ドル、
うち 12 億米ドルを 3 年に分けて出資、残り 18 億米ドルを現地金融機関から融通すると
いうもので、2012 年の本格的稼働を計画している。また、鴻海(Foxconn)傘下に入っ
た奇美電子(CIC)も内陸部の成都で液晶パネル生産ラインの建設を計画しているといわ
れる。
過去 6 年間の中国内地の液晶テレビメーカーの液晶パネル調達金額は 500 億米ドルを超
えるといわれるが、地場企業に液晶パネル等の中核部材の生産能力がないため、需給が
ひっ迫する状況下では高額の調達コストを強いられてきた経緯がある。
華星光電執行副総裁の陳立宜氏は、2012 年は中国内地の液晶パネル生産能力は確かに国
内需要を上回る可能性がある、ただ、8.5 世代生産ラインが 26 型、32 型、46 型、55 型
の生産に最も適している一方、7.5 世代生産ラインは 42 型の生産に最も適していること
から、両者が棲み分けることは十分可能だとも指摘する。
同社 CEO の賀成明氏は、今年 8 月から生産を開始するが、生産開始当初は毎月のガラス
基板加工量は 3 万枚にとどめる計画で、今年生産される液晶パネルは全量 TCL 向けに供
給される、ガラス基板月間加工量が 10 万枚に達するのは 2012 年末以降になる見通しで
他社への供給も徐々に増えてくることになる、最終的には TCL 向けが 50%、他社向けが
50%になるとの見通しを示している。
【タッチパネル】華映、福建に前工程を含むタッチパネル一貫生産工場建設
DIGITIMES 31-12-2010
台湾の大手液晶パネルメーカーである華映(Chunghwa Picture Tubes:CPT)は、中国福
建省福州市にタッチセンサ生産を含む前工程からモジュール生産等の後工程までを一貫
して行う生産工場を建設すること、2011 年 5 月から量産を開始することを明らかにした。
華映は既に毎月 300 万枚を超えるタッチパネルを安定的に大手携帯電話メーカーに供給
しているが、タッチパネル市場でのプレゼンスを高めるため、新たに 4.5 世代液晶パネ
ル生産ラインをタッチパネル生産ラインに切り替え、0.3T(0.3mm)ガラス基板を採用する
ことを明らかにしている。
華映は既に別の 4.5 世代液晶パネル生産ラインで 0.3T ガラス基板を採用した量産を開始
しており、今年 3 月末には、その月産能力は同社のタッチパネル総生産能力の 3 分の 1
を占める 3 万枚に達する見通し。上記の新たに構築する 0.3T ガラス基板を採用する 4.5
世代生産ラインの月産能力は同社のタッチパネル総生産能力の 45%を占める 4 万枚に達
する計画で、稼働すれば、同社のタッチパネル生産の大半が 0.3T ガラス基板で生産され
ることになるという。
華映は、0.3T ガラス基板を採用すること、また前工程から後工程までを行う生産ライン
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を中国内地に建設することを通じて、タッチパネルの生産コストをさらに引き下げ、ブ
ランドメーカーからの受注拡大を目指す計画。
【タッチパネル】中小型液晶パネル産業でタッチパネルを巡り合従連衡が進展
2010-12-30 中国半導体産業協会
東芝がアップルとの合弁で中小型液晶パネル工場を建設、日立ディスプレイが鴻海
(Foxconn)との合弁で新工場を建設するなど、中小型液晶パネル業界で急成長するタッ
チパネル市場を巡って、スケールメリットを追求した合従連衡が進展している。
業界関係者は、中小型液晶パネル世界シェア第 6 位の日立ディスプレイが、世界最大の
EMS メーカーである鴻海と合弁で新工場を建設することは、中小型液晶パネルメーカー
の競争が如何に熾烈になっているかを物語るものである同時に、世界シェア 6 位だった
日立ディスプレイが EMS 最大手の鴻海と手を組んだことにより突如として強大なライバ
ルに変わったと指摘する。
日立ディスプレイが鴻海と連携するきっかけは、正に IT 市場の成長をけん引するアップ
ル iPhone、iPad が何れも広視野角の IPS タッチパネルを採用していることによるもので、
同技術特許の多くを保有する韓国 LG Display がスマートフォン及びタブレット PC で使
用される中小型タッチパネルで圧倒的なシェアを保有している状況を打ち破ろうとする
動きとも受け止められている。世界で初めて IPS 液晶パネルの量産を開始し IPS 技術の
基本技術を保有している日立ディスプレイに資本注入することで、LGD に対抗できる勢
力を作ろうとする思惑があると見られている。東芝の液晶パネル生産子会社である東芝
モバイルディスプレイ、シャープも、これまでは IPS 液晶パネルの生産には参画してこ
なかったが、タッチパネル市場で IPS 規格が主流となる中、今後は IPS 液晶パネルの生
産を開始することを明らかにしている。
日本メーカーが IPS 液晶パネルに経営資源を一極集中しようとする中、韓国の三星集団
は有機 EL パネルと IPS 液晶パネル双方に経営資源を配分する二極戦略をとっている。三
星モバイルディスプレイ(SMD)は、親会社の三星電子のスマートフォン Galaxy に有機
EL パネルを供給しており、鮮やかな色彩を鑑賞できる有機 EL パネルが Galaxy 製品の最
大のセールスポイントとなっている。有機 EL パネル市場においては圧倒的優位性を持つ
三星集団は、5.5 世代有機 EL パネル生産ライン(ガラス基板サイズ:1300mm×1500mm)
を建設し、既に量産を開始している。
【タッチパネル】鴻海、奇美と日立 DP 合併でタッチパネル調達コストダウン狙う
2010-12-30 CTimes
EMS 最大手の鴻海(Foxconn)が、日立ディスプレイに 1000 億円(約 360 億 NTD)の増資
を引き受けるとともに、傘下の奇美電子(CIC)の中小型液晶パネル事業を統合し、タッ
チパネルを専門的に生産する新会社を設立することが明らかになったが、これは静電容
量式タッチパネル最大手の宸鴻光電(TPK)に挑戦するためのものであると同時に、IT
市場けん引役となっているアップル iPhone、iPad のサプライチェーンに食い込むための
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重要な施策ともなっている。鴻海集団はタッチパネル事業を今後の最重点プロジェクト
と位置づけており、日立ディスプレイとの合併を通じて生産能力を一気に拡張し、世界
シェア首位を狙う計画。
日立が基本技術特許を保有する広視野角ディスプレイ技術、IPS 方式は、アップルから
「消費者が最も好む視野角で、最も鮮やかな色彩を実現している」と最も高い評価を得
ており、その IPS 方式の応用技術開発で他社を大きくリードしている LG Display がアッ
プルのタッチパネルで圧倒的シェアを獲得している。一方、台湾の大手液晶パネルであ
る友達(AUO)、奇美(CIC)はこれまで一貫して富士通の広視野角技術、VA 方式を採用
してきたことから、アップルのタッチパネルを受注することには至っておらず、急成長
するアップルの恩恵を享受できずにいた。
そのため、奇美電子は昨年 7 月に日立ディスプレイと技術移転契約を結び、日立の IPS
方式の技術移転を受け、いち早くアップル iPhone、iPad のタッチパネル受注に成功する
とともに、鴻海が日立ディスプレイに資本参加し、合弁会社を設立することで、一気に
IPS タッチパネルの生産能力を大幅に拡張、歩留まりの改善にも目処が立ってきたとい
える。
一方、鴻海はアップル最大の iPhone、iPad アッセンブリメーカーであることから、大量
の IPS タッチパネルを安定的に調達することが喫緊の課題となっており、傘下の奇美電
子の中小型液晶パネル事業を日立ディスプレイと合併させることで、アップルの静電容
量式タッチパネルで大きなシェアを保有している宸鴻光電、アップルの IPS 方式タッチ
パネルで独占的地位にある LG Display に対抗できる勢力の構築、選択肢を増やすことに
よる調達コストの削減を狙っていると見られている。
【モニタ】液晶モニタ出荷量、決算期/春節要因で来月まで減少傾向続く
2010-12-30 中国半導体産業協会
台湾の IT 市場調査機関 WitsView が行った世界の 10 大液晶モニタブランドメーカー出荷
状況調査によると、昨年 11 月の 10 大ブランドメーカー出荷総量は 1223 万台で前月比
1.5%減、ODM メーカーの出荷総量は 1450 万台で前月比 3.1%増となった。
業界関係者は、11 月上旬は 10 月の勢いを受け継いで好調が持続していたが、下旬にな
ると、中華圏の旧正月に備えた発注が増えたものの、年末商戦に対する悲観的な見方な
どから、発注は先細りし、月間通じての実績はほぼ横ばいになったと指摘している。
WitsView リサーチマネージャーの林筱茹氏は、昨年 12 月について、決算が控えている
ことから、在庫を抑制しようとする力が働く、ブランドメーカー及び ODM メーカーとも
に出荷量が前月比 2-8%減となると予想、今年 1-3 月についても、中華圏の旧正月連休
があることから、昨年 10-12 月比それぞれ 0.3%、6.7%減になるとの見通しを示してい
る。
【半導体】台湾メモリ実装、メモリメーカー減産で 1Q 売上高減少を予想
DIGITIMES 3-1-2011
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台湾のメモリ実装検査大手の力成科技(Powertech Technology:PTI)、華東科技(Walton
Advanced Engineering)、福懋科技(Formosa Advanced Technologies:FATC)は、今年
1-3 月の売上高が、DRAM メーカーの減産と旧正月連休に伴う稼働日数減少により、昨年
10-12 月を数パーセント下回る見通しを明らかにした。力成科技は、エルピーダが近く
標準 DRAM 生産ラインを携帯電話用メモリ生産に割り当てる影響を受けて、標準 DRAM の
受注が減少していることを明らかにしている。
DRAM メーカーが製造技術をサブ 50 ナノ方式に切り替え始めたことから、実装検査各社
とも、昨年 10-12 月の売上高については、昨年 7-9 月比 10%以上の増加、中でも力成科
技は昨年 10-12 月の連結売上高が同 20-30%増となることを明らかにしていた。
【PCB】楠梓、ビルドアップ基板需要旺盛受けてレーザードリル設備を拡張
2010-12-31 中国 PCB 産業協会
台湾の大手プリント配線基板メーカーである楠梓電子(WUS)は、昨年 11 月の売上高が
3.82 億 NTD で前月比 3.85%増となったこと、月産能力 70-80 万平方フィートのうち、ビ
ルドアップ基板(HDI)の生産が 7-8 割を占めるまでに伸長したことから、レーザードリ
ル設備、電気めっき設備等を大幅に拡張したことを明らかにした。
【CCL】建滔、中国江陰の銅箔張り積層板 2 期の生産を正式に開始
PCB 信息網 2010-12-31
香港系の大手プリント配線基板メーカーである建滔集団(King Board)は、江蘇省江陰
市の現地法人、建滔電子材料(江陰)有限公司の銅箔張り積層板第 2 期の生産を正式に開
始した。
これにより、同現地法人の年産能力は 1400 万枚から 4000 万枚に拡張、世界生産の 15%
を占め、単体事業体としては世界最大の生産規模を誇ることになる。
672 号 1 月 7 日
【タッチパネル】タブレット PC 用タッチパネル市場、今年は寡占から過当競争に
2011-1-4 中国 PCB 産業協会
大手 IT 市場調査機関 DisplaySearch は最新の四半期別タッチパネル市場分析報告の中で、
世界の主要タッチパネルメーカー32 社の追跡調査に基づいて、昨年の世界のタッチパネ
ル市場は少なくとも 30%の成長を達成すると予測している。
DisplaySearch で新興ディスプレイ市場の調査を担当している Jennifer Colegrove 博士
は、世界経済はリーマンショックから緩やかに回復する中にあるが、タッチパネル市場
については、目覚しい成長を実現しており、前年比 30%の成長率を達成するだろうとの
見方を示している。また、タッチパネルの中大型化が急速に進展していることから、今
年は中大型タッチパネルを搭載したタブレット PC が成長加速期に入ると予測している。
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ただ、昨年来、タッチパネル市場への新規参入者が急増していることから、今年は一部
メーカーによる寡占状態から、多数メーカーが鎬を削る過当競争状態に徐々に移行して
いくとも予測している。
アップルの iPad が消費者に熱烈歓迎される中、関連メーカーが一気にタブレット PC 市
場に雪崩れ込んでおり、2010 年上期には約 630 万枚のタブレット PC 用中型タッチパネ
ルモジュールが出荷され、下期は約 2000 万枚のタブレット型 PC 用中型タッチパネルモ
ジュールが出荷されたと見られている。タブレット PC 用中型タッチパネルメーカーのう
ち、最大の出荷量を誇るのは、勝華(Wintek)、出荷量第 2 位は宸鴻(TPK)で、この 2
社でアップル iPad のタッチパネルの大半を生産している。
タッチパネル市場は、それぞれの地域、技術、ユーザーによってサプライヤが異なるも
のの、台湾メーカーの出荷量及び出荷額はどちらも世界第 1 位を誇っている。
DisplaySearch 調査によると、台湾メーカーの 2009 年のタッチパネル世界出荷量シェア
は 43.5%に達しているが、台湾のタッチパネルメーカーは相次いで中国内地で静電容量
式タッチパネル生産工場の建設を進めていること、低価格の中型タッチパネルの量産が
可能となっていることから、昨年の世界出荷量シェアは 2009 年を上回るだろうと見られ
ている。
一方、中国内地のタッチパネルメーカーも、国内市場の急成長に伴い、台湾メーカーを
上回る速度で成長しているが、中国内地のタッチパネルメーカーの多くは依然、抵抗膜
式タッチパネルの生産に集中しており、投影式静電容量式タッチパネルの生産能力は台
湾、日本に集中している状況にある。
タッチパネル市場が急成長する中、北米及び欧州のタッチパネル制御チップメーカーも、
その恩恵を十二分に受けて、出荷を大幅に伸ばしている。ただ、これらタッチパネル制
御チップ市場においても、台湾メーカーの新規参入が相次いでおり、今年は競争が激化
していくと見られている。
【液晶パネル】華映、最高世代の液晶パネルの中国移転規制は時代遅れ
2011/1/4 慧聡電子網
台湾の大手液晶パネルメーカーである中華映管(CPT)董事長の林蔚山氏は、台湾当局に
対して最高世代液晶パネル生産技術を中国内地に移転することを規制する現在の政策は
既に時代遅れであり、即刻規制を緩和すべきとの考えを改めて表明した。
台湾当局の規定によると、台湾の液晶パネルメーカーは中国内地に高世代液晶パネル生
産ラインを建設する際、その世代を 1 世代以上上回る液晶パネル生産ラインを台湾域内
に保有していることが条件として課せられている。
韓国の三星及び LG Display が中国内地にそれぞれ 7.5 世代、8.5 世代液晶パネル生産ラ
イン建設で中国政府から認可を取得していること、また中国地場の TCL 等の液晶テレビ
メーカーも第 8 世代以上の高世代液晶パネル生産ラインを建設中であることから、台湾
の液晶パネルメーカーの中国内地進出が大きく出遅れることが懸念されている。
中華映管は、中国内地に既に 8 社の液晶パネルメーカーが第 5 世代以上の生産ラインを
建設している中、台湾当局の規制により、華映が第 5 世代以下の生産ラインを中国内地
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2011 年 1 月号
に建設することしかできない、第 5 世代以下の生産ラインをいくら中国内地に移転して
も、競争力の点では余り意味がないと指摘する。
なお、同氏は、華映の昨年の中小型液晶パネルの出荷量は前年比 2 倍の 3 億枚に達する
見込み、また今年の中小型液晶パネルの出荷量が前年比 50-60%増を予想していること
を明らかにしている。
【スマートフォン】アップル/ブラックベリ/HTC、1Q スマートフォン市場の過半占有
2011-1-4 中国 PCB 産業協会
台湾の携帯電話アッセンブリメーカー及び部品メーカーは、アップル、RIM、宏達(HTC)
から獲得している受注量から、アップル、RIM、宏達 3 社の今年 1-3 月のスマートフォン
世界市場シェアが合わせて 50%を超えるとの見方を明らかにした。
アッセンブリメーカー及び部品メーカーの試算によると、各社の 1-3 月のスマートフォ
ン出荷量は、アップル iPhone が昨年 10-12 月の 1500-1600 万台から 1900-2000 万台に増
加、RIM ブラックベリが昨年 10-12 月の 1300-1400 万台から 1400-1500 万台に増加、宏
達 HTC は昨年 10-12 月の 900-950 万台を若干下回る 800-900 万台となる見通し。
今年 1-3 月の世界のスマートフォン出荷量が 8000-8500 万台と予想されることから、ア
ップル iPhone、RIM ブラックベリ、宏達 HTC を合わせた市場シェアは 50%以上に達する
見通し。そのうち、アップルは、RIM を抜いてノキアに次ぐ世界第 2 位のスマートフォ
ンメーカーとなる見通し。また、宏達 HTC も、三星とほぼ同シェアで、世界シェア第 4
位となる見通し。
ただ、一部市場関係者からは、この予測によると、上位 5 社の合計シェアが 90%を超え
ている、過大評価し過ぎとの指摘もある。
【スマートフォン】三星、Galaxy S 世界販売量が昨年末で 1000 万台突破
2011-1-4 中国 PCB 産業協会
韓国の三星電子は、昨年 6 月に販売開始した Galaxy S スマートフォンの昨年年末時点の
累計販売台数が 1000 万台を突破し、当初の販売目標を達成したことを明らかにした。
【液晶 TV】今年の世界液晶テレビ出荷量、13%増の 2.15 億台を予想
2011-1-4 中国半導体産業協会
IT 市場調査機関 DisplaySearch によると、今年の世界の液晶テレビ出荷量は 2.15 億台
に達するものの、前年比増加率は 13%にとどまり、昨年の 31%から大幅に減速するとの
見通しを明らかにした。
また、特筆すべきは、液晶テレビ価格が下落し続け、出荷量がそれに伴って伸び続ける
ものの、価格の下落速度が出荷量の増加速度を上回ると予測していることで、液晶テレ
ビ市場の総売上高が初めて前年を下回る可能性があると指摘している。
DisplaySearch 研究員の Paul Gagnon 氏は、北米市場のテレビの販売状況は依然として
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楽観できるものではない、失業率が高止まりしていることから、消費者は価格にこれま
で以上に敏感になっている、LED バックライト、3D、インターネット TV などの新技術の
導入により液晶テレビの価格下落は減速しているが、北米市場の昨年の液晶テレビ価格
は 2009 年の 22%下落に続いて通年で 6%も下落したとしている。
なお、昨年の液晶、プラズマを合わせた薄型テレビ世界出荷量は、前年比 17%増の 2.47
億台に達したとしている。
【携帯電話】聯発、2.75G スマートフォン用チップの出荷が予想以上に好調
2011-1-4 中国半導体産業協会
携帯電話用チップ大手の聯発(Mediatek)は、同業のライバルである展訊(Spreadtrum)、
晨星(MStar)の低価格攻勢で業績が悪化しているものの、新製品 Android 2.75G スマー
トフォン用チップ MT6516 の出荷が予想以上に好調であることから、売上高の回復が前倒
しで見込めることを明らかにした。
聯発が先日発表した昨年 11 月の連結売上高が 73.61 億 NTD で、前年同期比 27%減とな
ったものの、前月比ではほぼ横ばいとなり、半年近く続いていた売上高の大幅減少に歯
止めが掛かってきているとともに、昨年 12 月の連結売上高が半年ぶりに前月を上回る見
通しを示している。
【太陽電池】新余吉陽、50 億元投じ安徽省に太陽電池生産基地建設
晨網 2011-1-4
中国江西省の太陽電池メーカーである新余吉陽控股股份有限公司は、
安徽省天長市(右地図)に 50 億元を投じて太陽電池生産基地を建設
することを決め、2010 年 12 月 26 日、正式に建設を開始した。第 1
期の投資額は 35 億元、低価格の太陽電池セル及びモジュール生産基
地を建設するとともに、研究開発センター、エンジニア養成学院も
建設する計画。第 1 期の工期は 3 年としている。
【PCB】台湾 PCB 産業、スマートフォン用ビルドアップ基板メーカーが 1 人勝ち
2011-1-5 PCB 網城
台湾に上場するプリント配線基板メーカーの昨年の株価は、3 分の 2 を超える株価が下
落したのに対し、株価が上昇したメーカーの殆どがスマートフォン用ビルドアップ基板
(HDI)を生産しているメーカーであることが明らかになった。また、車載基板を生産し
ているメーカーの株価も相対的に上昇率が高いことが明らかになった。市場関係者は、
今年も昨年同様、ビルドアップ基板、車載基板が成長のけん引役となると見ている。
台湾上場のプリント配線基板メーカーのうち、昨年最も株価を上げたのは楠梓電子(WUS)
で、ビルドアップ基板事業が好調で黒字転換を実現したこと、中国上海の子会社である
滬士電子が中国内地株式市場で上場したことなどが好感されて、昨年通年の株価上昇率
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は 81.89%に達した。楠梓電子に次ぐ株価上昇率を達成したのは華通(Compeq)で、上げ
幅は 76.39%に達した。アップル向け Any Layer ビルドアップ基板の出荷が急増し、黒
字転換を達成したことが株価を押し上げた。
このほか、宏達(HTC)向けビルドアップ基板を主力とする耀華(Unitech)、世界第 2 位の
プリント配線基板メーカーである欣興(Unimicron)の株価上昇率はそれぞれ 41.52%、
22.41%。高価格のフリップチップ基板を主力とする景碩(Kinsus)の上昇率は 15.65%、
スマートフォン用ビルドアップ基板事業を強化した健鼎(Tripod)の同上昇率は 10.19%
だった。
このほか、中堅メーカーでは、高技(First Hi-Tec)、弘捷(Victory)、慶生(Kintech)
がそれぞれ 83.42%、1505.39%、134.36%の高い株価上昇率を達成した。中でも、健鼎の
資本注入により破綻寸前から復活した弘捷の株価は 16 倍に上昇した。
一方、株価を下げた上場メーカーは、志超(TPT)、定穎(Dynamic)、統盟(Yang An)で、何
れも純利益が予想を下回ったことから、40%以上の下落となった。また、ノートパソコ
ン用プリント基板最大手の瀚宇博徳(Hannstar Board)の株価は、ノートパソコン市場の
低調を受けて 33.23%下落、同業第 2 位の金像電子(Gold Circuit)も 1.81%下落した。
このほか、下落率が 30%を超えた上場メーカーは、競国(APCB)、育富(Yufo)、下落率が
20%前後だった上場メーカーは、台表科(TSMT)、精成(GBM)、晟鈦(Cheer Time)、佳総(Gia
Tzoong)、下落率が 8-13%だった上場メーカーは、南亜(Nan Ya)、敬鵬(Chin Poon)、柏
承(Plotech)、先豊(Boardtek)だった。
【CCL】富喬、ガラスファイバ生産能力を拡張 1Q に価格引き上げ計画
2011-1-4 中国 PCB 産業協会
台湾の大手ガラスファイバメーカー、建栄(Baotek)、徳宏(Glotech)、富喬(Fulltech
Fiber Glass)は、銅箔張り積層板(CCL)メーカーのガラスファイバ需要が昨年 12 月中旬
から再び増加していることから、今年 1-3 月に再び出荷価格を引き上げる見通し。
このうち、富喬は 2.6 億 NTD の増資を行い、生産能力を拡張する計画を明らかにしてい
る。富喬の昨年 11 月の売上高は前月比 28.7%増、前年同月比 122.4%増の 3.48 億 NTD に
達している。
【保護部品】興勤/聚鼎、LED/スマートフォン向け PPTC 素子受注が増加
DIGITIMES 4-1-2011
台湾の大手回路保護部品メーカーである興勤電子(Thinking Electronic Industrial)
は、昨年 12 月の連結売上高が前月比 3%減の 3 億 6700 万 NTD(1261 万米ドル)、ただ昨
年通年の連結売上高は 43.3 億 NTD で前年比 35.8%増となったことを明らかにした。今
年 1-3 月の売上高見通しについては、中華圏の旧正月休暇の影響により、昨年 10-12 月
を下回るものの、中国内地に建設中の新工場が稼働する今年 7-9 月までは需給逼迫が続
くとしている。
一方、同業の聚鼎科技(Ploytronics Technology:PTTC)の昨年 12 月の売上高も 1 億 NTD
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にとどまり、昨年 10-12 月野売上高も昨年 7-9 月比 20%減となるものの、今年 1-3 月の
見通しについては、LED テレビ及びスマートフォンメーカーからの PPTC 素子(温度が上
がると抵抗が増大する特性を持つポリマーを使った復帰型保護素子)の受注が増えてい
ることから、昨年 10-12 月を上回るとしている。
673 号 1 月 10 日
【EMS】富士康、2500 万米ドル投じ東莞市黄江に液晶モニタ工場建設
2011-1-6 PCBTN
EMS 世界最大手の富士康集団(Foxconn)は、中国東莞市黄江鎮の裕元工業園に 2500 万
米ドルを投じて液晶モニタ生産工場を建設することを明らかにした。既に 10 万平方メー
トルの工場棟の賃貸契約を締結済みだという。
第 1 期では 3000 人を雇用、最終的には 1 万人を雇用し、年間売上高 10 億香港ドル規模
に達する見込み。今年 4 月頃に稼働する予定。
【携帯電話】華冠、スマートフォン ODM 受注を再開 出荷目標 2300 万台
DIGITIMES 7-1-2011
台湾の大手携帯電話 ODM メーカーである華冠通訊(Arima Communications)は、Android
搭載 3G 携帯電話及びスマートフォンの ODM 生産を再開したことを明らかにした。今年
4-6 月から出荷を開始する計画。
華冠は、スマートフォン市場が草創期にあった当時に他社に先駆けてスマートフォンの
ODM 事業に参入したが、採算性が乏しいことから、一旦は同事業から撤退をしていた。
ただ、スマートフォン市場が一大市場に成長し、収益性も確保できることが確認できた
ことから、同市場に再参入することを決めたという。
携帯電話市場全体に占めるスマートフォンの浸透率は昨年は 5%前後であるが、今後は
LTE 4G 時代の到来とオープン OS である Android 搭載機種の普及により今後も高い成長
率が期待でき、2013 年には浸透率は 30%に達すると見られている。
なお、華冠の主力ユーザーは、ソニーエリクソン、モトローラ、LG 電子であるが、今年
はソニーエリクソン向けが全体の 40-45%、モトローラ向けが同 20-25%、LG 電子向け
が 20%を占める見通しという。
華冠の昨年の出荷量は 1660 万台で過去最高を記録したが、今年は最低でも 2300 万台の
出荷を確保したいとしている。また、3G 携帯電話用チップについては、クアルコム及び
聯発(MediaTek)との提携、OS については Android との提携に集中することを明らかに
している。
【携帯電話】聯発、先月の売上高が前月比 8%増、昨年同期比 15%減
2011/1/7 騰訊科技
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2011 年 1 月号
携帯電話チップ大手の聯発科技(Mediatek)は、昨年 12 月の売上高が 2.71 億米ドルで、
前月比 7.9%増となったものの、前年同月比では 15.1%減となったこと、また昨年 10-12
月の売上高も昨年 7-9 月比 19.3%減となったことを明らかにした。
昨年 10-12 月の売上高が前四半期に比べ 2 割近い減少となったことについて、主に競争
激化に伴う製品価格の値下げによるものとしている。また、通年の連結売上高も 38.7
億米ドルで前年比 1.56%減となったことを明らかにした。
今年の新製品の投入計画については、既にフィーチャーフォン向け 3.5G チップの量産を
開始したほか、スマートフォン向け Android 搭載 3.5G チップの量産も今年 7-9 月から開
始することを明らかにした。また、昨年 10-12 月に投入した 2.75G チップの販売も好調
であることから、2G チップ事業の売上高減少をカバーできるとしている。
このほか、新たに参入した 3D テレビ用チップの量産も開始し、中国地場テレビメーカー
向けで供給を開始したことも明らかにした。
【LED】バックライトの東貝の売上高反転 泰谷は照明向けで好調持続
台湾経済日報 2011.01.06
台湾の大手 LED 関連メーカーの昨年 12 月の売上高は、決算期の影響を受けて、一部メー
カーの売上高が前月を下回ったものの、多くのメーカーで受注に回復兆候が見られ、中
堅の LED チップ製造の泰谷(Tekcore)
、LED 実装の華興(Ledtech)では前月比増を達成、
LED 実装の光鼎(Para Light)も過去最高の売上高を達成した。
LED 実装大手の東貝(Unity Opto)、佰鴻(Bright LED)の昨年 12 月の売上高は、どち
らも前月を下回ったものの、どちらの売上高も市場予想を上回り、受注にはっきりと回
復の兆しが見られた。
東貝光電スポークスマンの翁聡智氏は、今年 1 月の出荷量が昨年 12 月を上回ることはほ
ぼ確実、今年 2 月についても売上高が 1 月同様、好調を持続する見通しを明らかにして
いる。
同氏は、ユーザーが発注に対して再び積極的になっている、LED テレビの普及が緩やか
ながら進んでいること、中国内地で新たな 5 ヵ年計画が始まることなどのプラス要因か
ら、LED の需要が再び回復していると分析している。
また、LED バックライトパネルと従来型 CCFL バックライトパネルの価格差が縮小し続け
ていることも、LED テレビの普及につながっている、ユーザーが今年 1-3 月に新たな LED
テレビ機種を投入することからも、今年 1-3 月の売上高は昨年 7-9 月に近い水準を回復
する可能性があるとしている。
一方、泰谷は、LED 照明向け製品に注力することで好調を持続させており、韓国及び中
国内地から相次いで大口の照明用 LED を受注している。今年 1-3 月の売上高は、昨年
10-12 月比 15%前後増加する見通しだという。今年は LED 照明製品の売上高が前年比 2
倍に達する見通しで、総売上高に占める比率も 30%に達するとしている。今年通年の売
上高目標については、前年比 80%増の 45 億 NTD を目指していることを明らかにした。
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2011 年 1 月号
【太陽電池】江蘇浚鑫、南通市に 5 億米ドルを投じ太陽電池工場建設
2011-1-6 中国半導体産業協会
中国江蘇省江陰市の太陽電池メーカー、江陰浚鑫科技有限
公司は、江蘇省南通市海安県工業園に 5 億米ドルを投じて
年間能力:太陽電池セル及びモジュール 500 メガワット、
建材一体型(BIPV)太陽電池モジュール 100 メガワットの太陽電池生産基地を建設する
ことを明らかにした。第 1 期の投資額は 2.5 億米ドル。江陰浚鑫集団は、中国国内で最
も早く太陽電池領域に参入した企業の 1 つで、世界市場シェアは上位 20 社以内にランク
されている。江陰浚鑫科技:www.jetionsolar.com
【PCB】瀚宇博徳、中国内陸部に 10 億米ドルを投じ生産拠点を移転
2011-1-6 中国 PCB 産業協会
世界最大のノートパソコン用プリント配線基板メーカーである瀚宇博徳(Hannstar
Board)董事会主席の張家寧氏は、重慶市市長の奇帆氏、重慶市経済情報化委員会主任の
沐華平氏、重慶市経済情報化委員会副主任の郭堅氏、中国共産党重慶市永川区委員会書
記の胡際権氏と相次いで会談、中国重慶市の投資環境を視察し、瀚宇博徳が今後中国内
陸部に 10 億米ドル規模の投資を行い、相当数の生産拠点を中国内陸部に移転することを
明らかにした。
また、既に 5 億米ドルを投じて中国内陸部に年産能力 600 万平方メートル、年間売上高
200 億元、創出雇用 7500 人の PCB 生産ラインを建設することが決定しているほか、先日、
新たに 5 億米ドルを中国内陸部に投じて PCB アッセンブリ及び受動部品生産ラインを建
設することを決めたことを明らかにした。
世界の 6 大ノートパソコン ODM メーカー、広達(Quanta)、仁宝(Compal)、緯創(Wistron)、
英業達(Inventec)、和碩(Pegatron)
、鴻海(Foxconn)が全て台湾メーカーであること
から、瀚宇博徳の 2009 年のノートパソコン用 PCB 出荷量は 6700 万枚で世界市場シェア
は 45%、昨年の同出荷量は 8200 万枚で世界市場シェアは 50%に達したと見られている。
【PCB】南亜電路板、昆山工場を中心にビルドアップ基板生産大幅拡張
PCB 信息網 2011-1-5
スマートフォン及びタブレット端末市場の急成長に伴って、今年は 2 段以上のビルドア
ップ基板の需要が急増する見通しで、台湾の大手プリント配線基板メーカーである南亜
電路板(Nan Ya)は、台湾及び中国内地を合わせたビルドアップ基板の年産能力を現在
の 30 万平方フィートから 50 万平方フィートに拡張することを明らかにした。拡張の中
心は、中国内地の昆山工場になる計画だという。今回の拡張に伴って必要となる資金は
少なくとも 30 億 NTD に達するとしている。
南亜電路板の現在のビルトアップ基板年産能力のうち、中国内地工場が 24 万平方フィー
ト、台湾工場が 6 万平方フィートを占めている。
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2011 年 1 月号
【PCB】恵州英創力、遂寧市に 3 億元を投じプリント基板工場を建設
PCB 信息網 2011-1-5
ドイツ系のプリント配線基板メーカー、恵州英創力電子有限公司
(Innoquick)は、重慶市と成都市の中間に位置する中国四川省遂寧
市の創新工業園にプリント配線基板生産工場を建設することで、同管理委員会と正式に
契約を調印した。
総投資額は 3 億元、全ての生産ラインが稼動すれば、年間売上高は 6 億元以上に達する。
恵州英創力:www.iqpcb.com/
【PCB】健鼎、先月連結売上高予想上回る 過去 2 番目の高水準達成
2011-1-7 精実新聞
プリント配線基板大手の健鼎(Tripod)は、決算期の影響が殆どなかったこと、また年末
の最後の 1 週間にユーザーが例年になく発注を積極的に行ったことなどから、同月の連
結売上高は予想を上回る 39 億 NTD に達し、過去 2 番目に高い水準となったことを明らか
にした。
昨年 10-12 月の連結売上高は 116.33 億 NTD で、7-9 月の 116.1 億 NTD を若干上回り、当
初予想の 7-9 月比 5-10%減を大幅に上回るとともに、四半期売上高としては過去最高を
記録した。
主要原材料である銅箔張り積層板(CCL)の値上げについては、銅の国際価格が直近の 1
ヶ月で 15%以上上昇し、1 トン当たり 9600 米ドルの新高値をつけていることから、値上
げには既に同意していることを明らかにした。
【センサ】センサータ、常州工場に 3 千万米ドル増資 生産能力を 2 倍に拡張
中国電子部品産業協会 2011-1-6
大手センサメーカーである米国のセンサータ(Sensata)は、江蘇省常州市ハイテク区の
センサータ科技(常州)有限公司に 3 千万米ドルの増資を行い、センサ及び制御装置の
生産能力を拡張することで、同ハイテク区管理委員会と正式に契約を調印した。
今回の増資が完了すれば、センサータ科技(常州)有限公司の登録資本は 4500 万米ドル
に拡張、2012 年には同有限公司の年間売上高は従来比 2 倍の 2.4 億米ドルに達する見込
み。
【銅箔】金居、銅高騰見越した発注増で先月売上高が前月比 16%増
DIGITIMES 6-1-2011
台湾第 2 位の銅箔メーカーである金居(Co-Tech)は、ユーザーが銅価格の高騰を見越し
た在庫の積み増しを行ったことから、先月の売上高が前月比 16%増の 4 億 7000 万 NTD
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2011 年 1 月号
(1600 万米ドル)に達したことを明らかにした。
また、ビルドアップ基板に使われる極薄銅箔の需要が年末も高水準で推移したものの、
パソコン及びデジタルカメラ/ゲーム機といったコンシューマ・エレクトロニクス製品向
け従来型銅箔の需要は季節的に弱含みとなったため、全体としては、昨年 10-12 月の売
上高は 7-9 月比 11%減の 13.4 億 NTD となったとしている。昨年通年の売上高について
は、57.9 億 NTD で前年比 69%増、出荷量も前年比 50%以上増加したことを明らかにし
た。
今年 1 月の受注見通しについては、出荷価格を昨年 12 月の 5%引き上げに続いて 7%引
き上げたものの、昨年 12 月を上回る受注を獲得していることを明らかにした。
銅箔製品価格については、銅価格の上昇が続いていることから、来月もしくは再来月に
再び製品価格に転嫁せざるを得ないだろうとの見方を示した。
【ケーブル】鑫茂集団、ケーブル大手のオランダ Draka 社の買収を断念
新浪財経 2011-1-7
中国地場大手ケーブルメーカーである鑫茂科技(Xinmao Science & Technology)の親会
社である鑫茂集団(Xinmao Group)は、ケーブル大手のオランダ Draka 社の買収を断念
することを明らかにした。
これにより、イタリアのケーブル大手のプリズミアン(Prysmian)が Draka 社を買収する
ことが決まり、買収が完了すれば、プリズミアンが世界最大のケーブルメーカーとなる
見通し。
674 号 1 月 12 日
【電子書籍】漢王、CES で大型スクリーン高品位電子書籍リーダーを出展
DIGITIMES 7-1-2011
中国地場最大の電子書籍リーダーメーカーである漢王(Hanvon)は、CES 2011 で、大型
スクリーンを搭載した高品位電子書籍リーダーWISEreader E920 を出展した。
WISEreader E920 は、台湾の元太(Prime View)傘下の E-Ink 社の 9.7 インチ電子ペー
パーを搭載、解像度は 200 DPI で鮮明な画像を実現、またバッテリ駆動時間を 15 日間ま
で延ばし、1 回のフル充電で 1 万ページの書籍を読むことができるとしている。さらに、
最高 32 ギガバイトのマイクロ SD カードを接続すれば、1 万冊の電子書籍をリーダーに
保存することができるとしている。販売開始は、今年 6 月頃になる見通し。
また、漢王総裁の Liu Yingjian 氏は CES の席上、開発中の世界初のカラー電子ペーパー
搭載電子書籍リーダーも紹介した。
【電子ペーパー】E Ink、昨年売上高過去最高 華映からバックプレーン調達
DIGITIMES 10-1-2011
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2011 年 1 月号
台湾の元太(Prime View)傘下の電子ペーパーメーカーである E Ink Holdings 社は、昨
年通年の連結売上高が 251.8 億 NTD で、過去最高となったことを明らかにした。
また、急増する電子ペーパーの需要に対応するため、奇美電子(CIC)に加えて、中華映
管(CPT)からも電子ペーパー用バックプレーンを調達することを明らかにした。
【タブレット】モトローラ、1Q に 70-80 万台分の Xoom タブレット PC 部品発注
DIGITIMES 10-1-2011
米国の大手携帯電話メーカー、モトローラは、グーグルの支援を受けて、Android 3.0
搭載の Xoom タブレット PC を開発、今年 1-3 月に 70-80 万台分の部品発注を行うことが
明らかになった。
可成(Catcher)、鴻海(Foxconn)等の台湾のノートパソコン筐体メーカーのほか、携帯
電話用筐体メーカーである及成(Chi Cheng)、閎暉(Silitech)も Xoom タブレット PC
の筐体を受注する可能性があると見られている。
グーグルの Android 3.0 は、7-10 インチのタブレット型 PC に最も適したスペックとな
っているが、今のところ、殆どのノートパソコンメーカーがグーグルから優先的なサポ
ートを受けることができない状況にある。一方、モトローラ、三星電子は最優先パート
ナー、LG 電子、HTC が次席優先パートナーとして選ばれ、同 OS 搭載タブレット PC で優
位に立っている。
Xoom タブレット PC は、解像度 1280×800 の 10.1 インチタッチパネル、Nvidia の Tegra
2 プロセッサを搭載、HDMI 及び USB ポートも設置、500 万画素のカメラモジュール、LED
フラッシュライトも搭載している。
【タッチパネル】洋華、先月売上高が予想を大幅に下回る前月比 27%減に
DIGITIMES 10-1-2011
タッチパネル大手の洋華(Young Fast)は、先月の売上高が 12.3 億 NTD(4207 万米ドル)
にとどまり、先月比としては過去 2 年間では最大の下げ幅、27%減となったことを明ら
かにした。昨年 10-12 月の売上高も、当初予想の 7-9 月比 10%増を大幅に下回り、ほぼ
横ばいとなった。ただ、昨年通年の売上高については、174 億 NTD で、前年比 36%増と
なった。12 月の売上高が前月比大幅減となったことについて、同社は、携帯電話需要の
季節的縮小の影響をダイレクトに受けたためとしている。
【タッチパネル】介面、決算期の影響で 12 月売上高が前月比 38%減
DIGITIMES 7-1-2011
台湾の大手タッチパネルメーカーである介面光電(J Touch)は、ユーザーが決算を前に
在庫縮減を進めた影響を受けて、今年 12 月の売上高が前月比 38%減の 4 億 8600 万
NTD(1661 万米ドル)となったことを明らかにした。ただ、年率では依然 23%増を確保し
ているという。
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2011 年 1 月号
昨年 10-12 月の売上高は、昨年 7-9 月比 23%増の 20.3 億 NTD となったが、当初予想に
は届かなかった。また、昨年通年の売上高は 58.3 億 NTD で、前年比 53%増となった。
今年 1-3 月の見通しについては、季節性の要因で各社とも慎重な見方を示しており、急
増していたタブレット PC 用中型タッチパネルの需要についても、殆どのユーザーが新機
種の投入を昨年 10-12 月に既に済ませているため、今年 3-4 月頃までは上向くことはな
いとしている。
同社は、三星電子の Galaxy Tab 用タッチパネルを昨年 12 月から開始しているが、Galaxy
Tab の需要が 1-3 月は減少する見通しを示している。
【液晶パネル】華映、決算期の影響で 12 月売上高が前月比 8.8%減
2011-01-07 DJ 理財網
台湾の大手液晶パネルメーカーである中華映管(CPT)は 6 日、決算期の影響を受けて大
型及び小型液晶パネルの出荷量が落ち込んだことから、先月の連結売上高が 52.46 億 NTD
で前月比 8.8%減、前年同月比でも 13.4%減となったことを明らかにした。昨年通年の
連結売上高は 819 億 NTD で前年比 39%増、そのうち 10-12 月の連結売上高は 166 億 NTD
で 7-9 月比 18%減となった。
先月の売上高を事業別に見ると、大型液晶パネル出荷量は 164 万枚で前月比 11.3%減、
年率でも 10.3%減、中小型液晶パネル出荷量は 3694 万枚で 3.1%減だった。また、昨年
10-12 月の中小型液晶パネルの出荷量は 1.06 億枚で 7-9 月比小幅増、10-12 月の大型液
晶パネル出荷量は 530 万枚で 7%減となった。
【液晶パネル】友達、市況/決算期/為替影響で先月売上高が大幅減
DIGITIMES 10-1-2011
世界第 4 位の液晶パネルメーカーである友達光電(AUO)は、先月の連結売上高が 306.2
億 NTD(9 億 9400 万米ドル)で、前月比 16.95%減、年率 16.88%減となったことを明らか
にした。ただ、昨年通年の連結売上高は 4672 億 NTD で 30%増を確保したとしている。
先月の売上高が前月を大幅に下回ったことについては、テレビ用液晶パネル価格が予想
以上に下落したこと、ユーザーが決算に備えて在庫を抑制したこと、台湾ドルの上昇に
よる競争力低下によるものとしている。
友達光電の董事長である KY Lee 氏は、台湾ドルの上昇による競争力低下に言及して、台
湾ドルが先月対米ドルで 4-5%上昇したのに対して、韓国ウォンは同時期に対米ドルで
4%下落している、最大のコンペチタである韓国メーカーに対して台湾メーカーの価格競
争力が大幅に低下したと指摘。また、日本円の高止まりに伴う日本からのガラス基板、
液晶、薄膜、化学薬品などの輸入コストの上昇も収益を圧迫していることを明らかにし
た。
【LED】新世紀光電、中国の普天集団と LED 照明で戦略的提携締結か
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2011 年 1 月号
DIGITIMES 7-1-2011
台湾の大手 LED ウエハ及びチップメーカーである新世紀光電(Genesis Photonics)は、
中国内地の LED 照明市場でプレゼンスを拡大するため、中国内地の大手 IT 企業グループ
である普天集団(Potevio Group)と戦略的パートナーシップを締結する見通しであるこ
とが明らかになった。
新世紀光電董事長の David Chung 氏は、新株発行に伴う IR 制限期間にあるため、コメン
トを控えているが、業界関係者は、中国普天集団が、LED 実装大手の東貝光電(Unity Opto)
と合弁企業を設立したこと、パワーサプライメーカーである台湾の英格爾科技(ENG
Technology)と提携し 1 億米ドル相当の LED 照明製品を調達することなどから、新世紀
光電との提携は十分考えられるとしている。
新世紀光電は、昨年から LED バックライト及び LED 照明向け事業を強化、台湾域内及び
中国内地双方で生産能力の拡張を急拡大させており、中国江蘇省昆山市政府との合弁に
よる LED ウエハ生産工場第 1 期が MOCVD 設備 50 台体制で今年 7-9 月には稼働する見通し
となっている。台湾域内でも、台南市の第 2 工場が新たに 20 台の MOCVD 設備を導入、総
生産能力が 55 台体制となることが明らかになっている。
【太陽電池】賽維 LDK、米 SPI 社の株式 70%を取得 北米市場に進出
2011-1-7 中国半導体産業協会
中国最大の太陽電池用シリコンウエハメーカーである賽維 LDK 太陽能有限公司は 5 日、
3300 万米ドルで米国の太陽光発電システムメーカーだる Solar Power Inc(SPI)の 70%
株式を取得したことを明らかにした。
米 SPI 社は主に北米の商工業、政府、公共施設、住宅施設向けに太陽光発電システムを
供給している企業で、今回の買収により賽維 LDK が北米の太陽光発電システム市場に本
格的に進出することになると見られている。一方、米 SPI 社は、賽維 LDK からの資金注
入により、太陽光発電所の建設能力が大幅に引き上げられるとしている。
また、賽維 LDK は、今回の買収に伴って、米 SPI 社が中国深圳に保有する太陽電池モジ
ュール工場を運営管理することも明らかにした。
675 号 1 月 14 日
【EMS】鴻海、先月売上高が前月比 5.5%増 昨年通年売上高 6 割増
DIGITIMES 11-1-2011
世界最大の EMS メーカーである鴻海(Foxconn)は、先月の売上高が 2446.8 億 NTD(83.6
億米ドル)で前月比 5.5%増、前年同月比では 83.8%増となり、昨年通年の売上高が 2
兆 3100 億 NTD、前年比 62.83%増となったことを明らかにした。
ただ、市場関係者は、同社が昨年 10 月から新たな最低賃金制度を開始したことから、同
社の純利益が売上高同様の高い伸びを示すかどうかには疑問を示している。同社の収益
力が本格的に回復するのは、中国内陸部の生産拠点がフル稼働する来年以降になると見
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2011 年 1 月号
られている。
【ノート PC】広達/緯創の先月出荷量が前月比増 仁宝は前月比減に
DIGITIMES 11-1-2011
ノートパソコン ODM 大手の広達(Quanta)、仁宝(Compal)、緯創(Wistron)、和碩(Pegatron)
が発表した先月の業績によると、広達、緯創の先月のノートパソコン出荷量は HP 及びア
ップルからの受注増により前月を上回ったものの、仁宝、和碩の同出荷量は宏碁(Acer)
からの受注減により前月を下回った。
業界最大の広達の先月の連結売上高は 961 億 NTD(32.8 億米ドル)で前月比 4.2%減、前
年同期比 5.3%増、ノートパソコン出荷量は 500 万台に達し、前月の 490 万台を上回っ
た。今年 1-3 月の見通しについては、昨年 10-12 月比 2 桁減となるとの予測をしている
が、中国内地の春節商戦向け出荷は予想以上に好調としている。
一方、業界第 2 位の仁宝の先月の連結売上高は 605.4 億 NTD で前月比 13.7%減、前年同
月比でも 15%減、同月のノートパソコン出荷量は 350 万台にとどまり、11 月の 380 万台
に比べ 30 万台減となった。
業界第 3 位の緯創の先月の連結売上高は 541.6 億 NTD で前月比 1.7%増、前年同期比 2.5%
減、ノートパソコン出荷量は 260 万台で、11 月の 240 万台を上回った。また、ノートパ
ソコンのほか、サーバ 15 万台、液晶テレビ 35 万台、デスクトップ型パソコン 80 万台、
液晶モニタ 70 万台を出荷したことも明らかにした。
業界第 5 位の和碩の先月の売上高は 312 億 NTD で前月比 13.4%減、前年同期比 26.9%減、
ノートパソコン出荷量も、華碩(Asustek)が一部発注を広達及び仁宝にシフトしたため、
100 万台を割り込んだ。
一方、業界第 4 位の英業達(Inventec)は、先月の売上高をまだ発表していないが、昨
年通年のノートパソコン出荷量が目標の 1600 万台に達したことを明らかにしている。
【ノート PC】ノート PC バッテリ 3 社、季節要因で先月売上高が前月比減
DIGITIMES 11-1-2011
ノート PC バッテリ大手 3 社、新普(Simplo)
、順達(Dynapack)、加百裕(Celxpert)
の先月の売上高は、ノートパソコン市場の季節要因により何れも前月を下回った。ただ、
3 社とも昨年通年の売上高は前年を上回ったとしている。
新普の先月の売上高は 31.1 億 NTD(1 億 631 万米ドル)で前月比 16.1%減、順達の先月の
売上高は 15.2 億 NTD で前月比 9.9%減、加百裕の先月の売上高は 4.4 億 NTD で前月比
34.26%減だった。
市場関係者は、加百裕の先月の売上高が 3 割を超える大幅な減少となったことについて
は、順達との合併構想に伴ってユーザーが発注を控えたことによるもので、同計画が既
に中止になったことから今後は売上高は徐々に回復してくるとしている。
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2011 年 1 月号
【液晶 TV】瑞軒、先月売上高前月比 47%増 昨年通年出荷 570 万台
DIGITIMES 11-1-2011
液晶テレビ ODM 大手の瑞軒(Amtran)は、先月の連結売上高が 99.8 億 NTD(3 億 4114 万
米ドル)で、前月比 46.77%増、前年同月比 42.6%増となったことを明らかにした。昨年
通年の連結売上高は 763.5 億 NTD で、前年比 13.5%増、また昨年 10-12 月の液晶テレビ
の出荷量は 169 万台、昨年通年の同出荷量は 570 万台に達したことを明らかにしている。
瑞軒の先月の液晶テレビ出荷台数は 63 万台に達し、売上高及び出荷量ともに 12 月とし
ては過去最高となった。中でも 32 インチ及び 42 インチ機種の比率は 70%に達した。ま
た、LED バックライトテレビ、インターネットテレビ、3D テレビの比率も 30%近くまで
達したという。また、2011 年の出荷量目標について、700 万台の出荷を計画しているこ
とを明らかにした。
【タッチパネル】達福鑫、湖南省長沙にタッチパネル強化ガラス素板工場建設
2011-1-11 中国 PCB 産業協会
アップル iPhone 向け強化ガラス用素板メーカーである香港達福鑫(Da-Fortune)は、湖
南省長沙市の金洲新区に 20 億元を投じてタッチパネル用強化ガラス用素板、液晶パネル
用ガラス基板、プリント配線基板を生産する産業パークを建設することで同区管理委員
会と正式に調印したことを明らかにした。
【LED】凌巨、昆山のタッチパネル後工程工場稼働 月産能力 100 万台
DIGITIMES 11-1-2011
台湾の大手中小型パネルメーカーである凌巨(Giantplus)は 11 日、中国江蘇省昆山に
建設していた月産能力 100 万台のタッチパネル後工程モジュール工場を正式に稼働させ
たことを明らかにした。また、近く第 2 期の建設を開始すること、第 2 期が完成すれば、
年産能力は 400 万台に達することも明らかにした。
昆山工場は主に後工程のモジュールの生産を行うとしており、前工程についてはこれま
で通り台湾域内の工場で行うとしている。ただ、将来的に前工程のタッチセンサ生産ラ
インを昆山工場に移す計画があることも明らかにしている。昆山工場は、既に大手携帯
電話メーカーから量産について認証内定を取得済み、近く正式認証を取得できる見通し
で、正式認証取得後、本格的に量産を開始する予定。昆山工場の売上高は今年 1-3 月の
業績から反映されるとしている。
凌巨の先月の連結売上高は 10.3 億 NTD(3517 万米ドル)で、前月比 2%増、前年同期比 17%
増、昨年通年の連結売上高は 128.7 億 NTD で前年比 5%増だった。
【太陽電池】新奥、太陽電池事業を来年分離上場 大規模生産を模索
2011-1-11 中国半導体産業協会
19
2011 年 1 月号
中国の大手都市ガス供給企業である新奥能源主席の王玉鎖氏は、親会社の新奥集団が太
陽電池事業を来年上場させる計画であることを明らかにした。
王玉鎖氏によると、新奥集団の天然ガス、太陽電池等の事業はそれぞれ独立して運営管
理されていることから、分割上場による影響は殆どないとしている。新奥集団の太陽電
池事業の昨年の売上高は 12 億元で、主に薄膜アモルファスシリコンを採用した太陽電池
を生産している。
王玉鎖氏は、石炭火力発電コストの 3-5 倍を要する太陽光発電、風力発電を普及させる
には、大規模生産を実現するしかないと指摘している。新奥能源:www.enn.cn/
【太陽電池】藍星集団、20 億米ドルでノルウェー多結晶シリコンメーカー買収
2011-1-13 中国半導体産業協会
中国化工集団傘下の大手産業設備洗浄用化学品メーカーである中国藍星集団(China
Bluestar)は、ノルウェーの複合企業である Orkla ASA 傘下の太陽電池用多結晶シリコ
ンメーカーである Elkem を 20 億米ドルで取得することを明らかにした。
中国内地の太陽電池用多結晶シリコン年間需要は 5.6 万トンであるのに対し、国内生産
量がわずか 3.8 万トンで、40%前後を海外からの輸入に依存している。
【太陽電池】超日、36 億元を投じ洛陽に太陽電池産業パークを建設
2011-1-13 中国半導体産業協会
中国地場の太陽電池メーカー、上海超日太陽は 13 日、36 億元を投じて中国洛陽市に太
陽電池産業パークを建設することを明らかにした。
2011 年 6 月から建設を開始、4 期に分けて建設を行い、1 期ごとに年産 200 メガワット
のシリコンインゴットから電池セルまでを一貫生産する多結晶シリコン太陽電池生産ラ
インを建設する計画。
【PCB】欣興、昨年通年売上高が前年比 5 割増 健鼎も同 3 割増達成
2011-1-11 中国 PCB 産業協会
世界第 2 位のプリント配線基板メーカーである台湾の欣興(Unimicron)は、先月の連結
売上高が 53.2 億元で前月比 6.37%減となったものの、昨年通年の連結売上高は前年比
48.86%増の 650.47 億 NTD に達し過去最高を更新したことを明らかにした。
また、プリント配線基板大手の健鼎(Tripod)の先月の売上高も 39.91 億 NTD に達し、
昨年 10-12 月の売上高は 117.24 億 NTD で過去最高を記録した。昨年通年の連結売上高も
430.16 億 NTD で前年比 29%増、特にスマートフォン、タブレット PC 向けビルドアップ
基板の出荷が伸びたとしている。
【半導体】台積電、ODM 比率上昇で昨年通年売上高前年比 4 割増
20
2011 年 1 月号
2011-1-11 中国半導体産業協会
半導体ファウンドリ最大手の台積電(TSMC)は、台湾ドルの上昇、ユーザーの決算期の
在庫抑制などにより、先月の連結売上高が前月比 5.4%減の 348.69 億 NTD となったが、
前年同月比では 10.5%増を維持、昨年 10-12 月の連結売上高は 1101.43 億 NTD で昨年 7-9
月比 1.87%減のほぼ横ばい、昨年通年の連結売上高は 4195.38 億 NTD で前年比 41.9%増、
過去最高を達成したことを明らかにした。また、今年の売上高についても、前年比 14%
以上の増加を見込んでいることも明らかにした。
台積電の昨年 10-12 月の連結売上高は 1101.43 億 NTD で、当初予想の 1070-1090 億 NTD
を上回るとともに、同年 7-9 月に比べても 1.87%減の小幅減少に抑えた。台積電による
と、台湾ドルが 1%変動すれば、売上高に 1%、粗利益に 0.4%、営業利益に 0.5%の影
響が出るとしており、昨年 10-12 月に台湾ドルが米ドルに対して 2%上昇したことから、
台湾ドル上昇の影響を控除すれば、台積電の昨年 10-12 月の連結売上高は過去最高を更
新したと試算されている。
また、昨年通年の連結売上高が前年比 4 割増となり、半導体産業全体の成長率 3%を大
幅に上回ったことから、半導体産業で ODM 比率が大幅に上昇したことがうかがえ、台積
電董事長の張忠謀氏の予想が正に的中したといわれている。
利益面に目を転じると、昨年 1-9 月の純利益が 1200 億 NTD を超えていることから、通年
の純利益は 1500 億 NTD に達すると見られている。
今年の見通しについては、張忠謀氏が先日、今年 1-3 月の売上高が昨年 10-12 月とほぼ
同水準を達成できる見通しを示しているほか、今後も半導体 IDM メーカーの工場閉鎖が
続くことから、半導体の ODM 比率が上昇していく傾向が続き、最先端の製造技術を有す
る台積電がその恩恵を最も受けるとの見方を示している。同氏は、今年通年の売上高は
4900-5000 億 NTD に達する可能性がある、また既に 28 ナノ生産ラインが量産を開始、今
年下期には売上高に 1-2%反映されてくるとの見通しを示している。
【電池】長安汽車、LG 化学と共同で重慶で車用リチウム電池工場を建設
重慶晨報 2011-1-11
中国地場の大手自動車メーカーである長安汽車(本社:重慶市)は、韓国の大手化学品
メーカーである LG 化学と合弁で重慶市両江新区で世界最先端の自動車用リチウムイオ
ン電池システムの開発及び生産を行うことで覚書を締結したことを明らかにした。
長安汽車総裁の張宝林氏によると、長安汽車が既に市場に投入しているハイブリッド乗
用車:傑勲、ライトハイブリッドセダン車:志翔、ライトハイブリッド軽自動車:S460
が中国全土 14 都市でモデル販売を行っており、販売台数は中国国内で販売されている新
エネルギー乗用車の 50%以上を占めているという。
長安新能源有限公司総経理の任勇透氏は、長安汽車と LG 化学が共同で開発するリチウム
イオン電池は、長安汽車のハイブリッド乗用車・志翔向けに優先的に供給され、現在採
用しているニッケル水素電池からの転換を行うことを明らかにしている。同氏によると、
リチウムイオン電池効率はニッケル水素電池に比べ 10%以上高く、電池の使用寿命もニ
ッケル水素電池に比べ長い。
21
2011 年 1 月号
また、同氏は、長安汽車の電気自動車(EV)セダン車:奔奔 LOVE が今年販売を開始する
こと、EV 中高級セダン車 C303 も年内には北京工場で正式に生産を開始することも明ら
かにした。
【電池】金峰科技集団、広東省珠海のリチウム電池モジュール工場を稼働
南方都市報 2011-1-12
中国広東省のハイテク企業である金峰科技集団傘下の珠海恒瑞新能源科技有限公司は、
広東省珠海市に建設していた動力用リチウム電池モジュール生産ラインを正式に稼働さ
せたことを明らかにした。
金峰科技集団董事長の劉華福氏は、珠海市のリチウム電池モジュール生産ラインの日産
能力は 15 万 Ah、年間生産高は 4 億元に達する、将来的に生産ラインを 10 本まで増やす
計画を明らかにした。
676 号 1 月 17 日
【タブレット】広達、RIM タブレット量産開始 1Q に 100 万台余りを出荷
DIGITIMES 14-1-2011
ノートパソコン ODM 世界首位の広達(Quanta)は、 スマートフォン大手の RIM のタブレ
ット型パソコン PlayBook の量産を開始したことが明らかになった。また、モトローラが
タブレット型パソコン Xoom を今年 1-3 月に 70-80 万台を出荷することに対抗するため、
RIM は PlayBook を同期に 100 万台余りを出荷することも明らかになった。
RIM は今年 3 月に Wi-Fi 機能を持った 3G 対応 PlayBook を市場に投入するとともに、今
年 4-6 月には Sprint Nextel 社と提携し 4G 対応 PlayBook の販売も開始することを明ら
かにしている。一方、モトローラは、今年 3 月までに Wi-Fi 及び 3G 対応の Xoom を市場
に投入する計画で、ODM を仁宝(Compal)に発注している。4G 対応機種についても、RIM
社 PlayBook 同様、今年 4-6 月に Verizon Wireless 社との提携で販売を開始する計画を
進めている。
【タッチパネル】和霖、昆山でタッチパネルモジュール量産開始 年産 500 万枚
2011-01-12 昆山政府網
中国江蘇省昆山市で初めてのタッチパネル専門メーカーとなる台湾凌巨(Giantplus)の
現地法人、和霖光電高科有限公司は、昆山ハイテク区で正式に量産を開始した。
和霖光電の登録資本 1000 万米ドル、昨年初めに設立され、投影式静電容量式タッチパネ
ルモジュールを生産するとされている。第 1 期の投資額は 2500 万米ドルで、年産能力は
タッチパネルモジュール 500 万枚、年間生産高は 8000 万米ドルに達する見込み。
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2011 年 1 月号
【液晶パネル】奇美、液晶モジュール 2 期が来月稼働 内販向け製品生産
2011-01-12 南方都市報
中国広東省仏山市南海区政府によると、世界第 3 位の液晶パネルメーカーである奇美電
子(CIC)が南海区での液晶モジュール(LCM)第 2 期を正式に稼働した。
奇美電子は 2006 年 4 月に仏山市に進出、当時としては広東省では初めての液晶テレビ用
モジュール生産ラインを建設、2008 年に第 2 期の建設を開始した。仏山市の第 12 次 5
ヵ年計画要綱によると、南海奇美電子第 2 期は 2011 年感性、主に 26-65 インチの液晶テ
レビ用モジュールを生産、総投資額は 42.1 億元、既に 17.3 億元の投資が実行済みとさ
れている。南海奇美電子の関係者によると、第 2 期が生産する製品は主にテレビ用モジ
ュールで、主に三星、創維(Skyworth)、TCL、長虹(Changhong)向けに供給されるとい
う。国内販売、輸出どちらも行うが、主力は国内販売になるとしている。
中国政府の発表によると、南海奇美電子第 2 期の生産規模は、当初は年産 26-65 インチ
液晶テレビモジュール 1200 万枚とされていたが、その後、年産 26-65 インチ液晶テレビ
モジュール 1296 万枚、18.5-26 インチ液晶テレビモジュール 65 万枚、液晶モニタ組み
立て 2600 万台、液晶テレビ組み立て 780 万台に変更されているという。
【液晶パネル】台湾中小型パネル市場シェア 56% 奇美が数量・金額首位
2011/1/14 巨亨網
台湾の市場調査機関である光電科技工業協進会(PIDA)によると、昨年の世界の中小型パ
ネル出荷量は 25 億枚で、そのうち台湾メーカーの中小型パネル出荷量が 14 億枚で 56%
のシェアに達したこと、奇美電子(CIC)が出荷量、出荷額シェア両方で首位となったこと
が明らかになった。
光電科技工業協進会産業アナリストの胡仕儀氏によると、台湾の昨年の中小型パネル生
産額は約 1650 億 NTD、前年比 22%増、そのうち奇美電子の中小型パネル年産能力が約 4
億枚、華映(CPT)の同年産能力が約 3 億枚、友達(AUO)、彩晶(Hannstar)の同年産能力が
それぞれ約 2 億枚であるので、奇美電子が中小型パネル出荷量、出荷額双方で世界首位
となった模様。
世界の中小型パネル市場の技術別構成を見ると、a-Si 非結晶シリコン TFT-LCD 液晶パネ
ルが全体の 64%、LTPS 低温多結晶シリコン TFT-LCD 液晶パネルが同 22%、CSTN 液晶パ
ネルが同 6%、MSTN 液晶パネルが同 5%、PM 有機 EL パネルが同 2%、AM 有機 EL パネル
が同 1%を占めた。
【携帯電話】iSuppli、今年の CDMA 版 iPhone 出荷量 1210 万台予想
2011-1-13 中国 PCB 産業協会
市場調査機関 iSuppli は、米国移動通信キャリア Verizon Wireless 社が販売を開始した
CDMA 版 iPhone の今年の出荷量が 1210 万台に達するとの予想を示した。CDMA 版 iPhone
は、中国内地では中国聯通、日本では KDDI が近く販売を開始する見通しとなっている。
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2011 年 1 月号
iSuppli は、今年の各種 iPhone の総出荷量は 6210 万台、そのうち CDMA 版以外が 4910
万台、2014 年には iPhone の総出荷量は 9840 万台、そのうち CDMA 版 iPhone が 2500 万
台を占めるとの予測を示している。
【LED】雷曼光電、中国地場 LED メーカーとしては 2 社目の上場成功
2011/1/14 LEDinside
中国地場の LED チップメーカーである深圳雷曼光電科技股份有限公司(Ledman)は、正
式に深圳株式市場ベンチャーボード(創業板)に上場、深圳市の LED 関連メーカーとし
ては初めて、中国内地の LED 関連メーカーとしては 2 社目の株式市場上場となった。
深圳雷曼光電科技股份有限公司は、深圳市南山区百旺信ハイテク工業園に本社を置き、
登録資本は 5020 万元、昨年の国家重点ハイテク企業の指定を受けており、主にフルカラ
ーディスプレイ、イルミネーション照明、交通信号、インフォメーションパネル向け高
輝度 LED の開発、製造を行っている。また、1 万平方メートルの超クリーンルーム、静
電気除去工場を保有し、焼結、ワイヤー接続、パッケージ、分光等で世界最先端の全自
動設備を導入している企業でもある。雷曼光電:www.ledman.cn/
【太陽電池】達能、華新麗華と合弁で中国常州にソーラーウエハ工場建設
DIGITIMES 14-1-2011
台湾の太陽電池用シリコンウエハメーカーである達能(Danen)は、台湾の大手ケーブル
メーカーである華新麗華(Walsin Lihwa)と合弁で中国江蘇省常州市溧陽県に太陽電池
用シリコンウエハ工場を建設することを明らかにした。総投資額は 5 億米ドル、両社は
既に溧陽県政府と覚書(MOU)を締結済みだという。
達能と華新は第 1 期として 2 億米ドルを投じ、年産 1 ギガワットの生産ラインを建設、
第 2 期には 3 億米ドルを投じ、年産 1.5 ギガワットの生産ラインを建設、最終的に年産
能力を 2.5 ギガワットまで拡張する計画。
正式な契約の調印は春節以降になることから、それまでに具体的計画を決めることにな
るが、今年年末までに年産 520 メガワットの生産ラインを建設することは実現していき
たいとしている。
また、昨年 7-9 月に稼働したばかりの台湾第 2 工場の年産能力を 90 メガワットから 400
メガワットに拡張することも明らかにしている。達能と華新は、華新傘下の大手プリン
ト配線基板メーカーである瀚宇博徳(Hannstar Board)が達能の株式を取得するなど関
係を強めており、台湾第 2 工場の拡張においても、華新が資金援助することが明らかに
なっている。
【太陽電池】峨嵋半導体材料、東方電気集団傘下に 生産拡張を加速
2011-1-13 中国半導体産業協会
中国地場の大手半導体材料メーカーである峨嵋半導体材料は、東方電気集団傘下の東方
24
2011 年 1 月号
汽輪機(Dongfang Turbine)による資本参加及び経営権取得に伴う組織改編を完了し、
社名を東方電気集団峨嵋半導体材料有限公司に変更したことを明らかにした。登録資本
は 5 億元から 11 億元に増額された。東方電気集団峨嵋半導体材料の年産能力は、多結晶
シリコンが 2200 トン、単結晶シリコンが 100 トン、シリコンウエハが 4000 万枚とされ
ている。
同社は、中国国内で最も早くにシリコン材料の生産に参入した企業であったが、経営上
の事情により事業の停滞が続き、保利協鑫(GCL-Poly)、賽維 LDK 等の民営企業にその地
位を譲る結果となった。旧峨嵋半導体材料工場長の尹建華氏によると、2001 年に中央政
府の国家プロジェクトとして年産 1000 トンの多結晶シリコン生産ラインの建設を進め
たが、建設資金 10 億元を調達することに失敗、事業そのものが頓挫したことが大きな痛
手となったことを明らかにしている。
その後、東方電気集団傘下の東方汽輪機が経営支配権を取得することで、昨年は年産
2200 トンの多結晶シリコン生産ラインの建設を実現、昨年通年の多結晶シリコンの生産
量は 1260 トンに達した。総資産も 3.5 億元から 35 億元に拡大している。
東方電気集団峨嵋半導体材料は今後、年産能力を多結晶シリコン 2300 トン、単結晶シリ
コン 1500 トン、単結晶シリコンウエハ 120 メガワット相当に拡張する計画を進めるとし
ている。一方、東方汽輪機は、峨嵋半導体材料のほか、江蘇省の太陽電池メーカーであ
る邁吉太陽能(Magi Solar)にも資本参加、新エネルギー事業への投資を拡大している。
【半導体】武漢新芯、2013 年迄に生産能力 3 倍に 今年黒字転換も
2011-1-13 中国半導体産業協会
世界第 4 位の半導体ファウンドリである中芯国際(SMIC)は昨年 10 月、中国武漢市政府
と共同で武漢市政府傘下の半導体ファウンドリである武漢新芯に資本参加し、65 ナノ技
術製品及び 40 ナノ技術製品の大規模な生産拡張を開始する計画で、2013 年までに月産
能力を現在のウエハ換算 1.5 万枚から 3 倍増の 4.5 万枚に拡張することを明らかにした。
中芯国際の計画によると、武漢新芯は 35 億米ドルを投じ、中国内陸部では初めてとなる
12 インチ技術半導体生産ラインを建設、2013 年末までに月産能力をウエハ換算 4.5 万枚
にするとされている。
中国内地の業界関係者は、武漢新芯の月産能力がウエハ換算 2 万枚に達すれば、同社の
資金繰りは大幅に改善する、今年通年の業績が黒字転換する可能性もあるとしている。
武漢市東湖ハイテク区管理委員会によると、武漢新芯は設立以来赤字が続いているが、
武漢新芯の設立により、同ハイテク区には 20 社余りの IC 設計企業、10 社を超える半導
体設備メーカー、20 社余りの半導体原材料メーカーが進出しており、産業集積が進展し
ている、武漢新芯の生産拡張及び黒字転換を実現することは、武漢市の半導体産業発展
にとって死活問題であると指摘している。
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2011 年 1 月号
【PCB】台湾上場 PCB メーカー総売上高昨年 11 月までの月次推移
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2011 年 1 月号
【PCB】台湾上場 PCB メーカー昨年 11 月売上高一覧
677 号 1 月 19 日
【ノート PC】仁宝、今年のタブレット PC 出荷量業界最多の 380 万台目指す
DIGITIMES 17-1-2011
ノートパソコン ODM 世界シェア第 2 位の仁宝(Compal)は、今年のタブレット型パソコ
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2011 年 1 月号
ンの出荷量をノートパソコン ODM メーカーとしては最多の 380 万台とすることを明らか
にした。
タブレット PC がノートパソコン市場全体に占める比率が今後も上昇し続ける見通しで、
今年の年間のタブレット PC の世界出荷台数は 6000 万台を超え、そのうちアップルの
iPad が 70-75%を占めるといわれている。仁宝が ODM 生産するタブレット PC の 90%も、
iPad と同じ ARM プロセッサ搭載になるとしている。
デスクトップ及びノート型パソコンでは、プロセッサが生産コストで最大の比率を占め、
OS 及び液晶パネルがそれに次ぐ比率を占めていたが、タブレット PC ではタッチパネル
が最大の生産コストを占める部材となっている。そのため、仁宝は 20 億 NTD(6710 万米
ドル)を投じてタッチパネルを生産する 100%子会社の恒顥科技(HengHao Technology)
を設立、またドライバ IC 設計の矽創(Sitronix)と合弁でタッチパネルドライバ IC 設
計企業も設立している。
なお、仁宝の今年のノートパソコン出荷量目標は 5500 万台、液晶テレビの出荷量目標は
800 万台で、それぞれ前年比 15%増、48%増を目指している。
【デジカメ】亜洲光学、今年デジカメ 1 千万台出荷、売上高 35%増を目標
DIGITIMES 17-1-2011
デジタルカメラ ODM 大手の亜洲光学(Asia Optical)は、今年のデジタルカメラの出荷
量目標を 1000 万台、連結売上高目標を前年比 35%増の 246 億 NTD(7 億 6900 万米ドル)
としたことを明らかにした。
同社は、EMS 世界第 2 位のフレクトロニクスとの合弁企業設立、フレクトロニクス日本
法人開発チーム取得により、昨年のデジタルカメラの出荷量が 600 万台に達したことを
明らかにしている。
また、携帯電話、プロジェクタ、ホームシアター、バーコードスキャナー、ブルーレイ
ディスプレイ向けレンズモジュールの売上高も大幅増となったとしている。亜洲光学の
昨年の携帯電話用レンズモジュール出荷量は 1 億 5000 万個に達したが、今年は 2 億 5000
万個に達する見通しだという。
【太陽電池】保利協鑫、多結晶シリコンの大口長期契約を相次いで獲得
2011/1/14 東方早報
中国最大、世界有数の太陽電池用多結晶シリコンメーカーである保利協鑫(GCL-Poly)
は、蘇州阿特斯陽光電力から、期間 5 年間、総計 5.2 ギガワットの多結晶シリコンを受
注、正式に長期契約を調印したことを明らかにした。契約価格については、市場価格に
連動して調整できる市場価格連動型としたことを明らかにしている。
保利協鑫は、ここ 2 ヶ月の間に大口受注を相次いで獲得、今年 1 月 11 日には、大手太陽
電池メーカーである天合光能(Trina)から期間 5 年、総計 7.5 ギガワットの多結晶シリ
コンの供給を受注、昨年年末には、林洋新能源(Solarfun)から期間 5 年、総計 2.5 ギ
ガワットの長期契約を受注している。保利協鑫がここ 2 ヶ月で受注した多結晶シリコン
28
2011 年 1 月号
供給を合計すると、今後 5 年間に年間 3 ギガワットの供給を確保したことになるという。
保利協鑫は、生産規模の拡張によるスケールメリットを発揮することで、昨年 9 月には
多結晶シリコンの生産コストが 1 キログラム当たり 23.8 米ドルまで低下、中国国内の競
合他社の同 40 米ドルを圧倒的に上回る競争力を確保している。保利協鑫の多結晶シリコ
ンの年産能力は既に 2.1 万トン、多結晶シリコンウエハの年産能力は昨年 11 月末時点で
3.5 ギガワットに達している。
なお、今年の世界の太陽電池市場は、最大の市場である欧州市場が小幅縮小するものの、
中国、米国、日本の市場の拡大が見込まれることから、全体としては前年比 20-30%の
成長となると見られている。
【太陽電池】海口市、5 ヵ年計画で世界最大級の太陽電池産業基地に
中国傳感器網 2011-1-17
中国海南省海口市科学技術工業信息化局によると、今年から始まる新 5 ヵ年計画で、中
国の大手太陽電池関連メーカー3 社が海口市に 300 億元を超える投資を行う計画で、全
ての投資が実行されれば、シリコン材料から一貫生産を行う世界最大級の太陽電池産業
基地が海口市に出現することになる。
海口市に大型投資を計画している太陽電池関連メーカー3 社は、中航三鑫、英利集団、
漢能集団で、そのうち、中航三鑫は海口市に 30 億元を投じて中国国内最大最先端の特種
ガラス生産基地を建設、海口しの太陽電池メーカー向けにガラス基板材料を供給する計
画。また、中国第 2 位の太陽電池メーカーである英利集団(Yingli)は海口市に 110 億
元を投じて英利集団海南産業基地を建設、中国華南び東南アジア向けに製品を供給する。
また、漢能集団は海口市に 175 億元を投じて年産 1 ギガワットの薄膜太陽電池生産基地、
年間発電能力 100 メガワットの太陽光発電所、クリーンエネルギー開発センター等を建
設する計画を明らかにしている。
【PCB】PCB メーカー、1Q に 5-10%値上げ要求 コネクタメーカー追随検討
2011-1-14 中国 PCB 産業協会、台北工商時報
台湾の大手プリント配線基板(PCB)メーカーが、国際銅価格の予想を上回る高騰を受け
て、マザーボードメーカーに対して今年 1-3 月に 5-10%の値上げを要求していることが
明らかになった。マザーボードメーカーも、コスト上昇压力が高まっていることから、
新製品を中心に製品価格を 3-6%引き上げることを明らかにしている。
マザーボードの 2 大メーカーである華碩(Asus)、技嘉(Gigabyte)は、部材調達コスト
の上昇を受けて製品価格の引き上げを検討しているが、市場での値下げ競争に歯止めが
かからないことから、競合企業の出方を見た上で対応を考えると慎重な姿勢を崩してい
ないが、業界関係者は、今年 1-3 月にインテルの新型 CPU が出荷を開始することから、
新製品については調達コストの上昇を転嫁しやすい、ただ旧製品については消費者が価
格に非常に敏感であるため、ライバル企業の出方を見極めたいとの気持ちが強いのだろ
うと指摘する。
29
2011 年 1 月号
国際銅価格は、昨年半ばの 1 トン当たり 3000 米ドル余りから 9000 米ドル以上に急騰し
ており、PCB メーカーは今年 1-3 月に 5-10%の値上げは不可避だとしている。PCB メー
カーに追随して、コネクタメーカーもマザーボードメーカーに対して値上げ要請を検討
していると伝えられているが、マザーボードメーカー側はコネクタメーカーからは原材
料価格高騰に伴う窮状は伝わっているが、正式な値上げ要請は今のところ受けていない
としている。
【PCB】瀚宇博徳、ノート PC 用 PCB の価格引上げでユーザーと交渉開始
2011/1/14 瀚宇博徳 HP
ノートパソコン用 PCB 最大手の瀚宇博徳(Hannstar Board)は、銅価格が歴史的高水準
をつけることに加えて台湾ドルが対米ドルで大幅に上昇していることからノートパソコ
ン用 PCB 部材の調達コストが大幅に上昇しているとして、ユーザーと製品価格の引き上
げで正式な協議を開始したことが明らかになった。瀚宇博徳は、5-10%の引き上げを求
めていると見られている。
瀚宇博徳の世界市場シェアが 4 割を超えることから、同社の製品価格引き上げは、川下
のノートパソコン ODM メーカーへの影響は避けられないと見られている。PCB 業界関係
者は、PCB 業界の粗利率が低下し続けていることから、業界大手の瀚宇博徳が価格引き
上げに向けて動き始めたことを歓迎しており、瀚宇博徳の価格引き上げが成功すれば、
大手ビルドアップ基板メーカーも瀚宇博徳に追随すると見られている。また、銅価格が
今後少なくとも 1 年近く上昇が続くと予想され、1 キログラム当たり 1 年前の 6 千米ド
ルに比べ 2 倍近くの 1 万米ドル以上に達する可能性もあることから、PCB の価格引き上
げは業界全体に波及する可能性が大きい。
瀚宇博徳は、銅価格が 2 倍近くに上昇する中、出荷価格をわずか 5%しか引き上げてお
らず、粗利益の低下が著しい、直ちに価格引き上げを実施したいところだが、ユーザー
であるノートパソコン ODM メーカーも粗利率 4%死守を目標としていることから、調整
は難航する可能性もあるとしている。
ノートパソコン用 PCB 世界シェア 2 位の金像電子(Gold Circuit)も、価格引き上げに
ついて具体的言及は避けたが、銅価格が 1 キロ 9 千米ドルを超える中、PCB 業界全体が
足並みを揃えて対応する必要が出ている、各社も既に足並みを揃えて動き始めていると
の認識を示した。
なお、瀚宇博徳の昨年通年のノートパソコン用 PCB 出荷量実績は 8600 万枚、今年は 1
億枚の大台を突破し、世界市場シェアは 45%に達すると見られている。
【PCB】星河電路、深圳 工場に続いて福建省竜岩市の工場を稼働
2011-1-14 PCBcity
香港系のプリント配線基板メーカーである星河電路は、深圳市での工場に続いて、福建
省竜岩市に建設していた工場を正式に稼働させた。
星河電路は、2005 年に 5000 万元を投じて深圳市に深圳星河電路有限公司を設立、また
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2011 年 1 月号
昨年は 1500 万米ドルを投じて福建省竜岩市に星河電路(福建)有限公司を設立している。
星河電路(福建)有限公司の第 1 期工場の月産能力は、両面及び多層高精密プリント基
板 6 万平方メートル、高周波通信用プリント基板 1 万平方メートルで、主に車載電子、
携帯電話、家電、産業機械、照明製品向けに供給されるという。
星河電路:www.szstariver.com/
【半導体】中芯国際、低価格及び 65 ナノ技術で IDM から大口受注獲得
2011-1-14 中国半導体産業協会
世界第 4 位の半導体ファウンドリ、中芯国際(SMIC)は、低価格及び 65 ナノ技術をアピ
ールすることで、大手半導体ブランドメーカー(IDM)から相次いで大口受注を獲得、そ
の中には 90 ナノ及び 65 ナノ技術のプロセッサも含まれていることを明らかにした。
同社は、今年下期に 45 ナノ及び 40 ナノ技術へのシフトが進めば、台積電(TSMC)、聯電
(UMC)との技術格差も大幅に縮まり、受注量のさらなる拡大も期待できるとしている。
また、今年から始まる新たな 5 カ年計画では、12 インチ技術半導体の生産能力を大幅に
拡張する計画で、今年は 65 ナノ/55 ナノプロセッサ、2012 年は 45 ナノ/40 ナノ製品で
攻勢をかけ、2013-2014 年には製造技術を 32 ナノ/28 ナノにシフトすることで、2015 年
には 12 インチ半導体の年産能力を 200 万枚、年間売上高 50 億米ドルを達成する長期目
標を明らかにしている。
【受動部品】台湾の受動部品メーカー引き合い回復 1Q は売上回復予想
2011-1-14 PCBTN
国巨(Yageo)、華新(Walsin)等の台湾の大手受動部品メーカーは、昨年 10-12 月の売
上高が決算期前の在庫抑制及び台湾ドルの対米ドルレート上昇により当初予想を大幅に
下回ったものの、今年 1-3 月については、ユーザーからの引き合いが回復していること
から大幅に改善するとの見通しを示した。
スマートフォン、タブレット PC、LED 照明、USB3.0、DDR などの需要堅調が続いている
ことから、受動部品の需要も底堅く推移しており、今年通年の受動部品の需要量は前年
比 20%増となる見通し。
昨年 10-12 月の売上高が前四半期比 22%減となった華新は、昨年 12 月は決算期の影響
が予想以上に大きく出た、今年に入ってからは受注がはっきりと回復に転じている、今
年通年の売上高は前年を大幅に上回るとしている。
また、アルミ電解キャパシタの立隆電子(Lelon)は、華新と同じ理由で昨年 12 月の売
上高が前月比 16%減となったが、昨年通年の売上高は前年比 35.7%増の大幅増を確保、
今年全体の流れの昨年に近いものになるとの見通しを示している。また、昨年は日本円
高の効果が売上高を大幅に押し上げたが、今年も日本円高の効果が続くとは限らない、
販路拡大の一環として韓国の大手企業への売り込みを強化していることを明らかにした。
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2011 年 1 月号
【半導体】上海華力、12 インチ半導体生産ラインの試験生産開始を延期
2011-1-17 中国半導体産業協会
中国地場の大手半導体ファウンドリである華虹 NEC(Huahong)と台湾プラスチック系の
上海宏力半導体(Grace SMC)が合併し設立された上海華力微電子有限公司は、当初今年
年初に予定していた年産能力 1 万枚の 12 インチ生産ラインの試験生産開始を今年年末ま
で延期することを明らかにした。
華力半導体内部関係者は、生産設備の搬入据付が先日始まったばかりで、量産を始める
にはなお時間がかかる、ただ年内には量産を開始できるとの見通しを示した。また、来
年末までには年産 2 万枚の 12 インチ半導体生産設備を導入、65 ナノ及び 45 ナノ製造技
術への移行を開始し、2012 年年末までには年産能力 3.5 万枚、製造技術 45 ナノ水準の
生産体制を構築することを明らかにしている。
華力半導体の総投資額は 145 億元、中国政府のハイテク国家戦略の一環で中芯国際に続
く上海 2 つ目の 12 インチ半導体生産ラインを建設している。
華力半導体の量産開始時期の延期について、中国半導体産業協会理事長の江上舟氏は、
今年も世界の半導体産業の回復基調は続く見通しであることから、同社の生産ライン建
設の遅れは、その恩恵を享受できないことを意味し、大きな痛手であると指摘する。一
方、大手市場調査機関 iSuppli 中国半導体産業シニアアナリストの顧文軍氏は、2011 年
は半導体産業の成長鈍化が予想される、2012 年には再び回復速度は加速する見通しであ
ることから、同社の稼働時期の延期は必ずしも大きな打撃ではないとの見方を示した。
また、展訊(Spreadtrum)、鋭迪科(RDA Micro)、瑞芯(Rock Chips)等の中国地場の半
導体設計産業の急成長が、中国国内市場に重点を置いている華力半導体には大きな追い
風になるとも指摘している。
【電池】維科、江西省九江市に 12 億元投じリチウム電池生産基地建設
九江新聞網 2011-1-17
中国地場の複合企業である維科控股集団(VeKen)は、中国江西省九江市共青に 12 億元
を投じてリチウムイオン電池生産基地を建設することで正式に契約を調印した。
事業は 3 期に分けて建設され、1 期の投資額は 3 億元、来年 9 月に正式に建設を開始、
日産能力が携帯電話用リチウムイオン電池 10 万個の全自動生産ラインを 2 本、日産能力
3 万個のリチウムイオン電池パッキングライン 1 本を建設する。1 期は 2012 年 8 月には
稼働する予定で、年間売上高 4.5 億元を見込んでいるという。2015 年 5 月までには 3 期
全ての事業が完成する計画で、最終的には年産能力は携帯電話用リチウムイオン電池が
1.5 億個、動力用リチウムイオン電池が 1500 万ミリアンペアアワー(MAH)、年間売上高
は 18 億元に達する。
678 号 1 月 21 日
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2011 年 1 月号
【EMS】富士康、10 億米ドルを投じ遼寧省に PCB 含む工業団地を建設
2011-1-18 北京商報
コンピュータ、通信、民用電子機器の 3C 市場の成長が続く中、EMS 世界最大手の鴻海富
士康(Foxconn)は、中国遼寧省に 10 億米ドルを投じて瀋陽、営口に工業団地を建設す
ることを明らかにした。
そのうち、瀋陽の工業団地では主に精密工作機械、銅マグネシウム合金ナノめっき自動
車部品を生産、営口の工業団地では主にプリトン配線基板(PCB)等の電子部品を生産す
ることになるとしている。
鴻海董事長の郭台銘(Terry Gou)氏は、調印式の席上、鴻海集団の中国東北部における
投資は遼寧省一省にとどまるものではなく、吉林省、黑龍江省をカバーする東北部全体
を見据えたものであることを強調している。
業界関係者は、郭台銘氏が東北三省に進出する最大の理由は、土地使用料が安く、廉価
な労働資源を有しているためで、富士康の広東省、上海周辺の工場の生産コストが上昇
し続ける中、生産拠点の一部を既に内陸部の重慶、四川省の成都、河南省の鄭州、湖北
省の武漢に移転し始めている。
ただ、遼寧省での投資には、本業である電子機器のほか、自動車部品の生産を行うとし
ており、同社が持っている精密金型技術を自動車部品の領域で生かしたいとしている。
市場関係者は、富士康の自動車部品領域への参入は、世界最大となった中国内地の自動
車市場の成長を取り込むためだろうと分析している。
【液晶 TV】TCL、昨年の液晶 TV 販売台数 750 万台で前年比 1 割減
2011-1-18 中国半導体産業協会
中国地場の大手液晶テレビメーカーである TCL 集団は、先月及び昨年通年の主要製品の
販売量について、先月の液晶テレビ販売量は 99 万台で前月比 47%増、前年同月比 19.1%
減となったこと、昨年通年の販売量は 746 万台で前年比 10.85%減となったことを明ら
かにした。
先月の液晶テレビ販売については、新興市場向け販売量が前年同期比 100%増となった
こと、LED バックライト光源液晶テレビの比率が 27.6%まで上昇したことを明らかにし
た。
【液晶 TV】中国地場 TV メーカー、外資の値下げ攻勢で価格優位崩れる
2011-1-19 中国半導体産業協会
中国地場の IT 市場調査機関である奥維諮詢は、18 日に開催された 2010 年度中国電子情
報産業・カラーテレビ産業フォーラムの席上、昨年通年の外資ブランド液晶テレビの値
下げ幅が初めて中国地場ブランドを上回ったことを明らかにした。
世界金融危機の影響を受けて、外資のカラーテレビブランドメーカーは業績達成のため、
中国市場への値下げ攻勢を展開、2010 年 2 月から 2010 年 11 月の間に主流サイズの液晶
33
2011 年 1 月号
テレビの販売価格を 20%以上引き下げている。そのため、CCFL バックライト液晶テレビ
では、外資ブランド製品の価格が中国地場ブランド製品価格とほぼ同じ水準となってお
り、地場ブランド製品の価格優位が殆ど感じられない状況となっている。中国地場ブラ
ンドの市場シェアは昨年初めから低下し続けており、先の国慶節商戦での外資ブランド、
地場ブランドの市場シェアは、1 年前の 71%:29%から、56%:44%に縮小している。
一方、中国地場ブランドは、外資が進出していない農村部で、家電購入助成金制度を活
用した販売拡大を図っており、都市部でのシェア低下を補おうとしている。
また、奥維諮詢は、液晶テレビの大幅値下げには、LED テレビの普及が予想以上に進ん
だ要因も忘れてはならず、早めに CCFL テレビの在庫を処理したいという心理も働いてい
ると分析している。それとともに、外資ブランドが液晶テレビ事業において自社生産へ
のこだわりを捨て委託生産によるコストダウンを進めたことも、外資ブランドが大幅な
値下げ戦略に出ることを可能にしていると指摘する。
速報ベースの統計によると、今年の中国国内のカラーテレビ小売販売台数は 3998 万台で
前年比 16%増、そのうち液晶テレビの小売販売台数は 3347 台で同 42%増、プラズマテ
レビの小売販売台数は 211 万台で同 24%増、CRT テレビの小売販売台数が 440 万台で同
52%減となっている。今後 5 年間の展望については、農村市場が全体をけん引する見通
しで、昨年 1-10 月の農村市場の液晶テレビ販売台数は 990 万台に達しており、市場全体
の 36.4%を占めるまでに成長している、今後も新たな家電購入助成制度により LED 液晶
テレビの販売拡大が見込まれると予想している。
ただ、昨年の液晶テレビ小売販売台数 3347 万台のうち、家電購入助成制度を利用した購
入が 3 割を占めることから、制度の浸透とともに販売台数の伸びが鈍化してくることが
懸念されている。
【液晶パネル】京東方、8.5G 液晶パネル生産ライン設備の搬入据付を開始
2011-1-18 中国半導体産業協会
中国地場メーカーとしては初めてとなる 8.5 世代液晶パネル生産ラインを北京に建設中
の中国地場最大の液晶パネルメーカーである京東方集団(BOE)は、カラーフィルタ生産
ラインへの真空スパッタリング設備搬入据付を完了したことに伴って、8.5 世代液晶パ
ネル生産ラインの製造設備の搬入、据付、試運転を正式に開始したことを明らかにした。
同社は昨年 7 月に主体工場棟を完成、動力設備の搬入も終えている。順調に行けば、今
年 7-9 月には量産を開始する見通し。
8.5 世代液晶パネル生産ラインは、26 インチから 55 インチまでの幅広いサイズの液晶テ
レビ用大型パネルの生産が可能で、需要に応じて生産量を調整できるメリットがあるこ
とから、既に稼働している 20-30 インチ中大型液晶パネルの生産に適した合肥の第 6 世
代生産ラインとの 2 本体制で中国国内需要に柔軟に対応していくとしている。
【携帯電話】中興、昨年の国際特許申請数世界 3 位 質の確保が課題
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2011 年 1 月号
2011/1/18 慧聡電子網
世界シェア第 5 位の携帯電話メーカーである中興通訊(ZTE)は、昨年 1 年間の PCT 国際
特許申請件数が大幅に増え、業界 3 位となる見通しを明らかにした。同社は自社で保有
している 235 件に上る LTE 基本特許の殆どを既に欧州電気通信標準化機関に申請済みで
あることを明らかにしている。
中興通訊は現在 4G-LTE 技術の独自開発のため、2 千人規模の開発チームを編成、国際通
信市場でこれまで以上のプレゼンスを示したい考え。一方、国内最大のライバルである
華為(Huawei)も中興同様、既に 4 万 2543 件の特許を申請、そのうち 1 万 1339 万件に
ついては中国政府、215 件については米国政府、1282 件については欧州委員会から既に
承認されていることを明らかにしている。
中興、華為の大量の国際特許獲得を機に、中国政府は全国規模の国際特許獲得奨励キャ
ンペーンを展開、中国が重要領域の特許数量で世界をリードすることを目指している。
ニューヨークタイムズ報道によると、中国政府は、2015 年までに年間の発明型特許申請
件数を今年の約 30 万件から 100 万件、意匠型特許申請件数も 100 万件まで増やす目標だ
という。
ただ、米ハーバード大学法学院シニア副研究員のヴィヴェック・ワドゥワ(Vivek Wadhwa)
氏が、昨今の特許制度は本来の目的から逸脱し数量至上主義に傾いている、多くの企業
や個人が特許数のみを競い、イノベーションを軽視する風潮が見られると指摘、中国政
府の特許政策についても、過度に数量を追求しすぎていると指摘を受けている。
同氏はまた、行き過ぎた数量主義は、イノベーションを生まないのみならず、イノベー
ションを阻害する要因にもなる、それは冷戦時代の軍拡競争における核兵器のようで、
一部の企業がある特許を通じてライバル企業の活動を抑制するとともに高額の使用料を
課して企業の発展を阻害していると指摘する。シリコンバレーでは、こうした特許を巡
る裁判が毎週のように起きており、マイクロソフト、HP、IBM、オラクル、SAP 等の大手
企業は常に互いを提訴したり、提訴されたりという関係になっている、創業して間もな
いベンチャー企業に至っては、常に自らが提訴されリスクに怯え、本業に専念できない
という状況にあるという。
さらに、同氏は、殆どの特許が、大きな商業的価値を持たないにも拘らず、申請だけさ
れるという事実からも、特許制度には改革の余地がある、ソフトウェアの特許制度が必
要でないことは言うまでもなく、科学技術の発展を阻害する全ての特許制度は廃止すべ
きで、スピードとイノベーションこそが最大の自己防衛手段であるという原点に帰るべ
きと主張している。
【太陽電池】波司登、揚州に年産 6 千トンの高純度シリコン生産工場建設
中国電池在線 2011-1-18
中国地場の複合企業である波司登国際(Bosideng International)は 16 日、江蘇省揚州
市高郵に年産 6000 トンの高純度太陽電池用多結晶シリコン生産プラントの建設を開始
した。総投資額は 60 億元、完成すれば、年間売上高は 100 億元に達する見込み。
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2011 年 1 月号
【太陽電池】京セラ、天津の太陽電池モジュール新工場を竣工 夏に稼働
2011-1-18 索比太陽能
日本の京セラは 17 日、天津の現地法人、京セラ(天津)太陽能有限公司の生産能力拡張
のため、天津市経済技術開発区に建設していた太陽電池モジュール新工場が竣工させた
ことを明らかにするとともに、今年夏までには新工場への移転を完了、正式に稼働させ
ることを明らかにした。
天津新工場で生産される太陽電池モジュールは、主に中国、日本などのアジア市場に供
給されるが、モジュール材料については、今後も中国を中心にアジア各国から調達する
ことを明らかにしている。
【半導体】日月光、中国工場も同時に拡張 今年拡張に 9 億米ドル投資
2011-1-18 中国半導体産業協会
世界最大の半導体実装メーカーである日月光(ASE)は、IDM メーカーからの高価格フリ
ップチップの受注及び中国内地の低価格モジュールの受注が予想以上に好調であること
から、今年 9 億米ドルを投じて台湾域内工場、中国内地工場の生産拡張を同時平行して
行うことを明らかにした。
日月光は長年、半導体実装最大手の座にあるものの、株価では矽品(SPIL)に比べ見劣
りする状況が続いているが、最近になって銅ワイヤボンディングの生産能力を拡張する
ことを通じて形勢が逆転、金ワイヤボンディングを主力とする矽品が金価格の高騰の影
響で大手 IDM メーカーからの受注を減らし今年の設備投資も抑制しているため、市場関
係者は今年は日月光が株価でも矽品を上回る可能性が高いと予想している。
日月光は、昨年 9-10 月は IDM メーカーが発注に慎重になっていたことに加えて、銅ワイ
ヤボンディング設備の拡張が前倒しで昨年 7-9 月に完了したこともあって、昨年 10-12
月は設備投資に慎重になったものの、昨年通年の設備投資は 8.8 億米ドルに達し、年間
売上高 100 億米ドル、世界シェア 40%の目標達成に向けてしっかりとして土台作りがで
きたとしている。
ATMEL、Synaptics、Broadcom、Infineon、Marvell、Qualcom、Renesas、NXP、Toshiba、
NEC などの米日欧の IDM メーカーは、銅ワイヤボンディングの発注を大幅に拡大してい
ることに加え、スマートフォン、タブレット PC、スマートテレビ向けチップの発注も拡
大していることから、今年は受注の大幅増が期待できるとしてている。
日月光の内部資料によると、IDM メーカーが長期的に外注比率を引き上げていく戦略で、
中でもアジアへの外注を増やす戦略であること、アジア企業への害虫比率は 10 年前の
26%から昨年は 36%、2014 年には 43%に達する見通しとされている。IDM メーカーの売
上高はファブレス IC チップメーカーをはるかに上回る規模であることから、アジアの半
導体実装産業の成長は半導体産業全体の成長を上回ることが予想され、最大手の日月光
がその恩恵を最大に受けると見られている。
日月光の昨年の売上高は前年比 120%増の 1887.42 億 NTD で過去最高を達成、世界シェ
アは 20%を超えている。
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2011 年 1 月号
【PCB】今年のビルドアップ需要、前年比 4 割増予想 欣興/健鼎に恩恵
2011-1-18 中国 PCB 産業協会
今年の世界のスマートフォン及びタブレット PC の出荷量がそれぞれ前年比 42%増、
233%増となることから、ビルドアップ基板の需要も前年比 4 割以上増加すると見られて
おり、欣興(Unimicron)、健鼎(Tripod)といった大手ビルドアップ基板メーカーが恩
恵を受ける見通し。
【CCL】生益科技、東莞松山湖 4-6 期拡張で 12 億元の資金を調達
中国 PCB 技術網 2011-1-18
中国地場最大の銅箔張り積層板(CCL)メーカーである生益科技は、新株発行により 12
億元の資金調達を行い、東莞市の松山湖ハイテクパークでの 4-6 期拡張のための資金と
することを明らかにした。拡張には、フレキシブルディスプレイパネル材料開発事業、
高性能リジッド CCL 生産事業、LED 高放熱 CCL 生産事業などが含まれている。
市場関係者は、生益科技は、今回の資金調達で、電子書籍、LED などの高成長産業への
参入を加速させていることは評価できる、ただ原材料である銅が急騰していることから、
収益への影響が懸念されるとしている。
679 号 1 月 24 日
【パソコン】華碩、今年の 600 万台の Netbook 出荷 シェア 2 割確保
DIGITIMES 20-1-2011
世界第 5 位のノートパソコンメーカーである華碩(Asustek)は、今年の Netbook 出荷計
画を発表し、アップグレード機種以外で 3-4 の新たな Eee PC Netbook を投入することを
明らかにした。
価格設定については、エントリレベル機種は 400 米ドルを維持、ミドルレベル機種は 500
米ドル、ハイレベル機種は 600 米ドルとすることを明らかにした。
華碩は先日、台湾で価格 550 米ドルのハイレベル Netbook、Eee PC 1015W を発表してお
り、今年 3 月にはさらに Eee PC 1015PW にアップグレードされた CPU を搭載した類似製
品を投入することも予定している。
華碩 Eee PC 事業総経理の Samson Hu 氏は、タブレット型パソコンブームによる Netbook
事業への打撃は予想以上に大きいが、今後も Eee PC 製品の生産は続ける方針は変わらな
い、今年は最低でも世界市場シェア 20%確保のため、600 万台を出荷したいとの考えを
明らかにした。同氏は、今年の Netbook 世界出荷量は昨年並みの 3000-3500 万台に達す
ると見ている。
同氏はまた、現在の Netbook の需要はインドネシア、ブラジル、中東などの新興市場に
集中しており、先進国市場での需要低調を補ってくれている、Netbook はタブレット PC
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2011 年 1 月号
に比べ低価格で機能的にも幾つかの優位性があるので、将来的にも Netbook が完全にタ
ブレット PC に置き換わるということは想定していないとしている。
大手の聯想(Lenovo)も、Netbook を梃子に新興市場での販売を強化することで好業績
を達成していることから、ボリュームゾーンといわれる新興市場の中低所得層向けでは
Netbook は依然として根強い需要がある。聯想が新興市場向け Netbook 事業を強化する
中、Netbook 三強である華碩、宏碁(Acer)、三星(Samsung)とのシェア争いも激化し
ている。
Netbook 以外の製品ラインについては、昨年 12 月に発売した Eee Notes の台湾での販売
台数が 5000 台に達したこと、ロシア及びイタリアでも近く販売を開始することを明らか
にした。ハイエンドの Eee Slate EP121 タブレット PC については、試作品は完成してお
り、欧米などの先進国市場限定で販売を開始することを明らかにした。
【モニタ】奇美電子、需要閑散期にモニタ用液晶パネル新生産ラインを稼働
DIGITIMES 20-1-2011
世界第 3 位の液晶パネルメーカーである奇美電子(Chimei Innolux Corp)は、モニタ用
液晶パネルの新たな生産ラインを稼働させたことを明らかにした。モニタ用液晶パネル
の市況への影響が懸念されている。
これについて、奇美電子は新たな生産ラインの稼働はあくまで市場の需要に基づいたも
のであることを強調、ただ具体的生産能力については言及を避けた。
奇美電子は、昨年 10 月に 320 万台のモニタ用液晶パネルを出荷しているが、同年 11 月
及び 12 月にはそれぞれ 430 万台を出荷している。今年 1 月も中華圏の春節商戦、春節大
型連休に備えて 450 万台の出荷を予定しているという。
奇美電子によると、ここ数ヶ月、19 インチのモニタ用液晶パネルの出荷が伸びており、
今年 1 月の同パネルの出荷量は先月比 50%増の 90 万台に達する見通しだという。
【携帯電話】展訊、TD 携帯電話チップの低価格化/低消費電力化推進
2011-1-20 中国半導体産業協会
急成長中の中国地場の携帯電話チップメーカーである展訊通信(Spreadtrum)董事長兼
CEO の李力游氏は 19 日、展訊通信が開催した世界初の 40 ナノ技術低消費電力
TD-HSPA/TD-SCDMA マルチモード通信チップ SC8800G 発表会で、TD 携帯電話端末機用チッ
プの量産を堅持することで価格低下を促進すること、チップ開発では TD 端末機の消費電
力削減に寄与していく方針を明らかにした。
SC8800G の転送速度は、TD-HSDPA モードでは 2.8Mbps、TD-HSUPA モードでは 2.2Mbps に
達している。TD 端末機チップのこれまでの最高技術は 45 ナノであるので、展訊通信が
発表した 40 ナノ技術チップは世界最先端となる。
李力游氏はまた、3G 携帯電話においては、消費電力の削減が非常に重要で、消費電力が
大きければ大きいほど、携帯電話の待ち受け時間が短くなる、SC8800G は低消費電力の
実現により、低消費電力 TD 端末機を開発可能としていることを強調、展訊通信が TD チ
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2011 年 1 月号
ップ領域で他社を圧倒することを可能にしているという。
発表会に参加していた中国国家科学技術省副長官の曹健林氏は、幾つかの TD チップ開発
事業において、中国政府が展訊通信に支給した開発助成金は既に 1 億元を突破している
ことを明らかにした。
李力游氏は、展訊通信は年間売上高 20 億元の中国国内最大のチップメーカーであり、中
国が独自に開発した TD 規格で他社をリードするメーカーとなっている、展訊通信にとっ
て TD チップは業績をけん引する最重要事業となっているとコメントしている。
【太陽電池】晶龍、米 TenKsolar 向けセシウム高性能太陽電池供給開始
2011-1-21 中国半導体産業協会
中国の大手太陽電池メーカーである晶龍集団(JA Solar)は、米国の太陽電池モジュー
ルメーカーである tenKsolar 向けにエネルギー転換効率 19%のセシウム高性能太陽電池
セルの供給を開始したことを明らかにした。
【PCB】欣興、江蘇省南通市に工場用地確保 投資時期・投資額未定
2011-1-21 PCB 網城
世界第 2 位のプリント配線基板(PCB)メーカーである欣興電子(Unimicron)は、江蘇省
南通市の経済技術開発区管理委員会と、同区に PCB 生産工場を建設することで覚書を締
結したことを明らかにした。具体的な投資時期、投資額は未定としている。欣興電子は
現在、深圳聯能、昆山鼎鑫、蘇州群策の 3 大生産基地を有しており、昨年 9 月末時点で
の中国内地での累計投資額は 2 億米ドルを超えている。
今年 1-3 月の業績見通しについては、スマートフォン向けビルドアップ基板の受注が旺
盛、一方、パソコン、民用電子機器向け PCB は弱含んでいる、ただ全体としてはビルド
アップ基板の強さがパソコン及び民用電子機器 PCB の弱さを相殺して余りある情勢とし
ている。為替変動(台湾ドル)、原材料価格上昇(特に銅箔張り積層板)が業績に影響す
る可能性もあるとしている。
今年の設備投資については、昨年並みの 60-70 億 NTD、主にハイレンジの PCB 及びビル
ドアップ基板の生産拡張を行うとしている。
【半導体】華力微電子、4 月初めに 12 インチ半導体工場試験生産開始
2011-1-20 中国半導体産業協会
中国地場の半導体ファウンドリである華虹 NEC と台湾系の上海宏力半導体が合併した上
海華力微電子有限公司は 17 日、設備の搬入据付・試運転の進捗状況から、今年 4 月初め
に 12 インチ技術半導体工場で試験生産を開始するとともに、年内に 65 ナノのロジック
製品の量産を開始できることを明らかにした。
また、45 ナノ技術製品の生産に向けて、関連設備の選定・発注を完了、来年の 45 ナノ
製品の試験生産、量産に向けて準備を開始したことも明らかにした。
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2011 年 1 月号
華力微電子は昨年 5 月下旬にベルギーの独立系半導体研究センターである IMEC と戦略的
パートナーシップ契約及び技術移転契約を締結、双方が共同で 65 ナノ技術半導体製品の
開発を行う計画を進めている。IMEC は、インテル、AMD、三星、台積電(TSMC)、アプラ
イド・マテリアルズ(Applied Materials)等の大手半導体メーカーと提携、世界に約
1800 名の従業員を擁している。また、華力微電子は、中国国家集積回路研究開発センタ
ーの委託を受けて 90-45 ナノ技術の開発も行うことが決まっている。
昨年、動力設備の改造完了後、年産 1 万枚の製造設備搬入を開始、今年年末には年産 2
万枚の製造設備の選定及び購入手続きも終え、近く搬入据付を開始する予定。来年には
年産能力は 3.5 万枚に達する見通し。
大手 IT 市場調査機関 Gartner が先週発表した調査報告によると、今年の世界の半導体産
業の設備投資は前年比 1 割増の 558 億米ドルに達する見通しで、そのうちインテルは今
年の設備投資額を前年比 2 倍近い 90 億米ドルにすることを明らかにしている。
また、中国内地で半導体設計産業が急成長していることも、華力微電子にとっては追い
風と見られている。中国工業情報化省によると、中国の半導体設計産業の昨年の売上高
は 550 億元で前年比 107%増加している。
【半導体】中国地場 10 大 IC 設計企業昨年売上高、何れも 1 億元突破
2011-1-21 中国半導体産業協会
中国地場の IC 設計産業で昨年の売上高が
1 億米ドルを突破した企業はわずか 5 社で
あったが、今年は 10 社に倍増したことが
明らかになった。
そのうちの 7 社が携帯電話関連チップメ
ーカーが占め、その他の業態のメーカーは
国民技術、海思、深圳国微 3 社だった。昨
年の売上高が 1 億米ドルを突破した中国
地場 IC 設計企業は右表の通り。
【半導体】ルネサス、2 つ目の国際部品調達拠点を中国上海に開設
DIGITIMES 20-1-2011
日本のルネサスは、今年 4 月に同社 2 つ目となる国際部品調達拠点を中国上海に開設す
ることを明らかにした。中国国内に IPO を設置することで、生産コストを削減できると
ともに、為替変動の影響も最小限に抑えることが可能になるとしている。
ルネサスは、海外での売上高が売上高全体に占める割合を現在の 5%から 60%に引き上
げる計画で、その一環で海外での部品調達比率を現在の 18%から来年には 30%まで引き
上げること、また委託生産を拡大することで生産コストを年間 20 億円削減する計画を明
らかにしている。
なお、ルネサスは、台積電(TSMC)及び日月光(ASE)への委託生産を拡大するため、2004
40
2011 年 1 月号
年に台湾に同社初めての国際部品調達拠点を開設している。
【半導体】IDM メーカー、低価格の中国内地半導体ファウンドリへのシフト拡大
2011-1-21 中国半導体産業協会
大手半導体ブランドメーカーである IDM メーカーは、コストダウンの一環で半導体ファ
ウンドリへの生産委託を拡大しているが、その中で中国地場系の半導体ファウンドリの
技術力改善及び低価格を評価する動きが広がっており、発注先を台湾系から中国地場系
の半導体ファウンドリにシフトする動きが加速している。
日本にルネサスは、中国地場系の半導体ファウンドリは台湾系に比べ明らかに低価格、
技術的にも評価できるとして、中国地場系の半導体ファウンドリへの発注を拡大する方
向であることを明らかにしている。
現在、中国地場系の主要半導体ファウンドリには、中芯国際(SMIC)、和艦(Hejian)、
台積電(TSMC)上海松江工場などがあるが、台積電の上海松江工場及び聯電(UMC)傘下
の和艦は、台湾当局の制限により、0.13 ミクロンを超える技術移転ができず、一部の IDM
メーカーが 90 ナノ、65 ナノ製品の発注を中芯国際に切り替えているという。
【半導体】東京エレクトロン、昆山工場の建設を開始 今年 9 月稼働
2011-1-21 中国半導体産業協会
半導体製造設備、液晶パネル製造設備大手の東京エレクトロンは 18 日、中国江蘇省昆山
市昆山経済技術開発区で新工場の建設を正式に開始した。新工場は今年 9 月には正式に
稼働する予定。総投資額は 5 千万米ドル。
【電池】四川長虹、4 億元投じリチウム電池工場の移転・生産拡張実行
慧聡電子網 2011-1-20
中国地場大手テレビメーカーである四川長虹(Changhong)は 1 月 18 日、昨年の純利益
が 2.9-3.5 億元で前年比 150-200%増となったこと、また 4 億元を投じて 100%子会社で
ある長虹電源のリチウムイオン電池工場を綿陽市の経済開発区に移転し生産能力を拡張
することを明らかにした。
【センサ】センサータ、揚州市宝応県に世界有数のセンサ生産基地建設
揚州日報 2011-1-20
米国の大手センサメーカーであるセンサータ・テクノロジーズ(Sensata Technologies)
は、中国江蘇省揚州市宝応県政府と、同地区にある生産工場の生産拡張を行い、世界有
数のセンサ生産基地を建設することで正式に契約を締結した。センサータは 1996 年に揚
州市宝応県に工場を建設している。
41
2011 年 1 月号
680 号 1 月 26 日
【スマートフォン】アップル、iPhone 5 部品の調達先を日本から台湾にシフト
2011-1-24 中国 PCB 産業協会
EMS 最大手の富士康電子(Foxconn)、富士康傘下のコネクタメーカーである正崴精密
(Foxlink)、ノートパソコン用プリント基板大手の金像電子(Gold Circuit)、LED チッ
プ大手の晶元光電(Epistar)4 社が、アップルから今年夏に販売開始する iPhone 5 の
部品サプライヤ資格を獲得したことが明らかになった。
このうち、富士康電子は iPhone 5 のイヤホンを供給、受注総額は 50 億 NTD(約 1.7 億
米ドル)に達する見込み。これまで iPhone のイヤホンを供給してきた日本の Foster は
円高定着を理由にサプライヤ資格を失うことになる。また、富士康傘下の正崴精密は、
iPhone 5 イヤホン用コネクタを供給することになる。
ビルドアップ基板については、供給が追いつかない状況が続いていることから、現有の
サプライヤである華通(Compeq)及び欣興電子(Unimicron)に加えて、金像電子を第 3
のサプライヤとして起用。また、LED チップでは、晶元光電が日本の豊田合成と戦略的
パートナーシップを結んだことから、第 2 の LED チップサプライヤとして起用すること
が決まった。
アップルが iPhone 5 の部品サプライヤを日本から台湾にシフトする背景には、既に引き
上げを行っている iPhone 4 の販売価格が今後も引き上げが必至な情勢にあることがある
と見られている。また、LED チップについては、晶元光電が豊田合成から特許技術使用
権を獲得したことも新規起用の大きな要因になったと見られている。
【携帯電話】ノキア、世界シェア 2 割の White-box が新興市場開拓の妨げ
2011-1-24 中国 PCB 産業協会
携帯電話ブランド最大手のノキア執行副総裁の Esko Aho 氏は、世界で販売されている携
帯電話の 5 分の 1 が White-box となっていることが、ブランドメーカーが新興市場を開
拓する上で大きな障害となっている、White-box 携帯電話は主に中国企業により生産さ
れているが、販売されている地域はアジア、南米などの新興国市場にととまらず、欧州
などの先進国市場にも広がり始めていると強い懸念を表明した。
市場調査機関 Gartner は昨年 11 月、White-box 携帯電話及びスマートフォンが原動力と
なって、昨年 7-9 月の世界の携帯電話販売台数は前年同期比 35%増となった、また昨年
通年の携帯電話販売台数も前年比 30%増になるとの見通しを示している。
【EMS】上位ブランド 10 社の昨年の半導体調達量、総需要の 1/3
DIGITIMES 21-1-2011
大手 IT 市場調査機関 Gartner によると、世界の上位ブランドメーカー10 社が昨年調達
42
2011 年 1 月号
した半導体チップ数量が昨年の半導体チップ総需要の 3 分の 1 を占めるとともに、同 10
社が昨年調達した半導体チップ金額は前年比 33.7%増の 1043 億米ドルで、総需要の
34.7%を占めた。
世界の上位ブランドメーカー10 社が調達した半導体チップが昨年急増した背景には、
iPad に代表されるモバイル PC、スマートフォン、液晶 TV の出荷急増があり、HP、アッ
プル、デル、レノボといったパソコンメーカー、アップル、三星といったスマートフォ
ンメーカーが半導体チップの調達量を大幅に増やしたためと見られている。また、三星、
ソニー、東芝、パナソニックといったテレビメーカーも、薄型テレビの需要増に合わせ
て半導体チップの調達を増やしたためと見られている。
Gartner は、アップルは世界の IT 電子産業の新たな象徴的存在となっており、ハードウ
ェア、ソフトウェア、アフターサービスの全てをカバーし、かつパソコン、スマートフ
ォン、音楽プレーヤ、電子書籍、インターネットテレビなどの広範囲の端末機を EMS メ
ーカーを通じて生産するという垂直統合型ビジネスは、世界の IT 電子産業全体に大きな
影響を及ぼし始めている。
さらに、Gartner は、IT 産業の 2 大巨頭となっているアップル、グーグルがインターネ
ットテレビ事業を協力に推進していることから、スマートフォン、タブレット PC ととも
に、今後はインターネットテレビも IT 電子市場をけん引すると予測している。
Gaetner シニアリサーチアナリストの山路正恒氏は、半導体チップメーカーは今後はタ
ーゲット市場の競争環境の変化を注意深くウォッチすることが求められる、現有のマー
ケットリーダーの声だけに耳を傾けていると思わぬ落とし穴に陥る、次世代のリーダー
になる可能性を持った新規参入者にも真摯に耳を傾けていくことが必要になっていると
指摘する。
また、半導体チップの調達先としては、アジア地域、中でも中国が重要な供給地となっ
ている、ブランドメーカーが高収益を確保しようとすれば、中国を含むアジア地域に幅
広い流通網を持つことが不可欠とも指摘している。
ブランドメーカー半導体調達量上位 10 社(単位:百万米ドル)
09 年順位 10 年順位 メーカー
09 年
10 年
前年比 10 年シェア
1
1
HP
12919
17058
32.0%
5.7%
2
2
三星
11691
15322
31.1%
5.1%
4
3
アップル
7517
12431
65.4%
4.1%
3
4
ノキア
11172
11696
4.7%
3.9%
6
5
デル
7030
10426
48.3%
3.5%
5
6
ソニー
7251
9304
28.3%
3.1%
7
7
東芝
6206
8553
37.8%
2.8%
8
8
LG
6077
6969
14.7%
2.3%
11
9
パナソニック
3921
6762
72.5%
2.3%
12
10
レノボ
3689
5741
55.6%
1.9%
その他
150898
196054 29.9%
65.3%
43
2011 年 1 月号
全体
228371
300314 31.5%
100.0%
【ノート PC】HP、Netbook の ODM 発注先をフレクトロニクスから広達にシフト
DIGITIMES 21-1-2011
ノートパソコンブランド最大手のヒューレットパッカード(HP)は、Netbook の ODM 発
注先を今年 4-6 月から EMS 大手のフレクトロニクス(Flextronics)から広達(Quanta)
に戻すことを明らかにした。
HP は昨年 3900 万台のノートパソコンを出荷、そのうち Netbook が全体の 10-15%を占め
た。また、主な ODM パートナーは、広達、鴻海(Foxconn)、フレクトロニクス、英業達
(Inventec)であるとしている。
HP は昨年 4-6 月に鴻海及びフレクトロニクスへの Netbook 発注量を月間 20 万台まで拡
大する一方で、広達への発注量を大幅に削減、HP の広達への Netbook 発注量は今年 1-3
月には 10 万台以下に減少する見通しだった。
HP は今年 1-3 月に 50-70 万台の Netbook を出荷する計画だが、今年 5 月からは新たな
Netbook 機種を広達から出荷する計画。
【ノート PC】仁宝、成都新工場の建設開始 4Q から月間 100 万台出荷
DIGITIMES 21-1-2011
ノートパソコン ODM 世界第 2 位の仁宝(Compal)は、中国四川省成都で新工場の建設を
正式に開始した。完成は来年 6 月になる見通し。総投資額は当初報道された 5 億米ドル
から 1 億米ドルに削減された。
成都工場は今年 10-12 月には月間 100 万台のノートパソコンを生産することになり、来
年の年間出荷量は 1000 万台に達するとしている。
同社総裁の Ray Chen 氏は先日、仁宝の今年の設備投資を 100 億 NTD(3448 万米ドル)とし
ており、成都での新工場建設はその重要なプロジェクトの 1 つとしている。また、重慶
にも同様に新工場を建設する計画で、近く現地政府と正式に契約を締結することになる
としている。
仁宝の今年のノートパソコン出荷量目標は前年比 15%増の 5500 万台、このほか、液晶
テレビを 800 万台、タブレット PC を 380 万台、オールインワン PC を 200 万台出荷する
計画。
【液晶パネル】液晶用ガラス基板が供給過剰 強化ガラス生産への転換も
2011-1-21 中国半導体産業協会
IT 市場調査機関 DisplaySearch は、薄型テレビへの切り替えが進展し、買い替え需要が
今後縮小局面に入る可能性があるとして、今年の世界のテレビ用液晶パネル需要は弱含
みとなる可能性が大きい、今年の成長率は 8.3%にとどまり、昨年の成長率 41%から大
きく減速するとの見通しを明らかにした。
44
2011 年 1 月号
また、今年通年の液晶パネル需要面積も前年比 10.4%増にとどまり、液晶用ガラス基板
の需要も前年比 11%増にとどまるとして、液晶用ガラス基板市場が昨年は年間を通じて
需給が逼迫したが、供給側の生産拡張が昨年は前年比 32%増、今年さらに同 13%増える
ことから、今年は液晶用ガラス基板が供給過剰となる見通しも示した。
さらに、ガラス基板の薄型化(0.7 ミリから 0.5 ミリへのシフト)が生産能力の拡張を
容易にしていることから、コーニングが既に一部液晶用ガラス基板生産ラインを強化ガ
ラス Gorilla の生産に転換する措置を取っているとしている。
【太陽電池】金華南、安徽省六安市に 3 億元投じ多結晶シリコン生産
2011/1/21 太陽能産業網
中国地場の太陽電池メーカー、金華安光伏科技有限公司は、安徽省六安市霍山県の経済
開発区に 3 億元を投じ太陽電池用多結晶シリコン生産工場を建設することで正式に同区
管理委員会と契約を締結した。
第 1 期の投資額は 5000 万元、今年 3 月着工、今年 7 月末に稼働予定。稼働後の年間売上
高は 2 億元を見込んでいる。
【太陽電池】昱輝陽光、効率 17.5%の新型多結晶シリコンウエハを開発
維庫電子市場網 2011-1-21
中国地場系の太陽電池メーカー、昱輝陽光(Rene Solar)は、高いエネルギー転換効率
を実現した新型多結晶シリコンウエハ Virtus Wafer の開発に成功したことを明らかにし
た。
Virtus Wafer の平均エネルギー転換効率は 17.5%、既に世界の大手太陽電池メーカーか
ら認証を獲得、今年上期には Virtus Wafer の少量生産を開始する。
【PCB】アップル、華通など 4 社に iPad 2 の PCB サプライヤ資格を発給
DIGITIMES 21-1-2011
米国アップルは、iPad 2 の第 2 期プリント配線基板(PCB)サプライヤ資格を、華通
(Compeq)、金像電子(Gold Circuit)、名幸電子(Meiko)、南亜電路板(Nan Ya)に発
給したことを明らかにした。
これにより、iPad 2 の PCB サプライヤは、第 1 期の日本のイビデン(Ibiden)、台湾の
健鼎(Tripod)、米国の TTM Technologies 社の 3 社から一気に 7 社に拡大することにな
る。新たに認証を取得した 4 社は、来月末もしくは 3 月初めから Any-layer ビルドアッ
プ基板を少量生産、4 月からは量産を開始する見通し。
【半導体】台積電/Glofo、日本メーカーのファブレス化加速で受注争い激化
2011-1-21 中国半導体産業協会
45
2011 年 1 月号
日本の東芝がシステム LSI 事業の再編、一部 40 ナノ技術 SoC(System on Chip)及び 32/28
ナノ技術以降の SoC 生産を三星電子を含む複数の半導体ファウンドリに委託すること、
また 2008 年にソニーから取得したマイクロプロセッサ Cell 及びグラフィック LSI など
を生産している長崎工場もソニーに売却することを明らかにした。2009 年には日本の富
士通が 40 ナノ技術以降の生産を半導体ファウンドリ最大手の台積電(TSMC)に委託、ル
ネサス(Renesas)も昨年 28 ナノ技術以降の LSI 生産を全て台積電及び半導体ファウン
ドリ第 3 位の米国 Globalfoundries(Glofo)に委託することを決めており、ここ 2 年ほ
どで日本の大手半導体メーカー3 社が先端ロジック LSI のファブレス化を明らかにして
いる。日本のファブレス化が進展するのに伴って、台積電と Glofo の受注争いも白熱化
している。
日本のロジック LSI メーカーはこれまで製造技術で世界をリードしてきたこともあって、
自社製造を放棄することには社内からも強い反発もあったが、敢えて放棄する選択を行
った背景には、設計と製造の双方に巨額投資を続ける余裕がなくなってきたこと、海外
のファウンドリ企業が製造分野で圧倒的優位を持ち始めたことがあると見られている。
中でも、ルネサスは、投資を設計に集中することでは先手を打っており、2 億米ドルを
投じてノキアから Wireless Modem 部門を買収、関連特許及び 1100 名のエンジニアを獲
得することに成功している。
【半導体】晶源電子、スマートカード用チップ大手の同方微電子を買収
PCB 信息網 2011-1-24
中国地場の大手水晶振動子メーカーである晶源電子(Jingyuan)は 24 日、今年最初の臨
時株主総会で、清華同方が晶源電子の 51.83%の株式を保有すること、及び清華同方傘
下の大手スマートカード用チップメーカーである同方微電子を 100%買収することを正
式に承認した。
市場関係者は、同方微電子の買収により、晶源電子は現有の水晶振動子を中心とする受
動部品事業の売上高比率が 50%以下に低下、半導体の売上高比率が 50%以上になると見
ている。
同方微電子の主力製品はスマートカード用チップで、接触型/非接触型カード用チップ、
RFIC チップ等も生産している。中国政府が推進している第 2 世代 ID カード用チップの
サプライヤ 4 社にも選ばれており、中国国内のスマートカード用チップ市場シェアは
25%に達している。また、同方微電子は、中国国内最大の携帯電話用 SIM カードチップ
のサプライヤでもある。
681 号 1 月 28 日
【EMS】富士康武漢工場、3 万人の工員募集 採用後の月給 2800 元
2011/1/27 毎日経済新聞
世界最大の EMS メーカーである富士康(Foxconn)は 25 日、春節後に湖北省全域で 3 万
46
2011 年 1 月号
人の工員を募集することを明らかにした。武漢工場が、春節後にデスクトップ型パソコ
ンの生産ライン、ゲーム機生産ラインを新たに稼働させる予定であることから、保守的
に見積もっても、3 万人の工員を新規雇用する必要があるとしている。また、武漢での
全ての新事業が稼働すれば、さらに 5 万人の工員の募集が必要になる見通し。
今回募集する工員の待遇については、試用期間中は月給 2200 元、正式採用後の月給は
2800 元としている。
【EMS】広達、HP 向け重慶工場の試験生産を今年 3 月から開始
DIGITIMES 27-1-2011
ノートパソコン ODM 世界最大手の広達(Quanta)は、重慶市に建設しているヒューレッ
トパッカード(HP)向け新工場の試験生産を今年 3 月から開始することを明らかにした。
試験生産段階の月産量は 4-6 万台、量産を開始する 4-6 月には月産量は 20-30 万台に達
するとしている。
今年 2 月の受注状況については、HP からのノート PC 受注が 170-190 万台あるものの、
今年 4-6 月からはノートパソコン ODM 事業を急拡大している鴻海(Foxconn)と HP から
の受注をシェアすることになるため、受注量が大幅減になるとしている。
HP 向けで広達同様に重慶に生産拠点を建設している鴻海及び英業達(Inventec)は、昨
年 10-12 月から既に量産を開始しており、鴻海は今年 1-3 月にはノート PC 月産量が 25-35
万台、英業達も同月産量が 10-25 万台に達するとしている。そのうち、鴻海は重慶工場
の月産能力は今年年末には 150 万台以上、英業達の同月産能力も 40 万台以上になるとし
ている。また、広達は将来的に重慶工場の月産能力を 300 万台以上に拡張する計画を明
らかにしている。
HP が先日、CMOS センサを供給している OmniVision 社が納期遅延を起こしたため、今年
1 月の民生用ノートパソコンの ODM 発注量を 230-240 万台から 200-210 万台に削減する
ことを明らかにしていることについては、ノートパソコン ODM メーカーの重慶工場への
影響はそれほど深刻なものにはならないとしている。
今年通年の見通しについては、HP が今年のノートパソコン出荷目標を 4500-4800 万台と
していること、広達が今年も HP 最大の ODM パートナーを確保できる見通しを示した。
【液晶パネル】彩虹集団、新たに 13 本の液晶用ガラス基板生産ライン建設
2011-01-24 中国有機 EL 網
中国地場最大の液晶用ガラス基板メーカーである彩虹集団(Caihong)副総経理の張少文
氏は 20 日、年内に新たに 13 本の液晶用ガラス基板生産ラインを稼働させ、生産量で中
国国内シェア 46%を目指すことを明らかにした。
同氏は彩虹集団の 2011 年発展計画会議の席上、彩虹(仏山)平板顕示有限公司が独自に開
発した有機 EL 製品第 1 号のラインオフに成功したのに続き、彩虹(張家港)平板顕示有限
公司が第 5 世代液晶用ガラス基板製品の量産に成功したことを明らかにした。また、中
国国内の液晶テレビ産業が、32 インチ以上のテレビ用液晶用ガラス基板をこれまでほぼ
47
2011 年 1 月号
全量を輸入に依存していること、2015 年には年間 8000 万枚前後(切断後ベース)のガ
ラス基板を輸入に依存する必要があることから、長江デルタの産業基地で 8.5 世代液晶
用ガラス基板の開発試験を行っていることも明らかにした。
【ノート PC】和碩、ノート 2 千万台出荷で鴻海を上回るシェア 4 位を目指す
DIGITIMES 25-1-2011
世界第 5 位のノートパソコン ODM メーカーである和碩(Pegatron)は、アップルの CDMA
対応次世代 iPhone を 1000 万台受注したことのほか、今年下期から東芝及び宏碁(Acer)
向けノートパソコン出荷が増加すること、液晶テレビの受注が 400 万台に達する見通し
などから、今年の売上高が大幅増になるとの見通しを示した。
和碩は、アップルのスケジュールに間に合わせるため、春節休みを返上して生産を続け
ることを決めており、規定に基づき従業員には基本給の 3 倍の給与を支払うことにして
いる。現在、和碩では、上海工場が主にアップル iPhone 製品を生産、蘇州工場は主にノ
ートパソコンを生産する体制を取っているが、アップルからの受注量が大幅に増えたこ
とから、蘇州工場の一部生産ラインを iPhone 生産に切り替える計画。
ノートパソコン ODM 事業については、今年上期はかつての親会社である華碩(Asustek)
が依然として最大のユーザーという状態が続くが、今年下期からは東芝及び宏碁向けが
急増し、太宗を占めることになるとしている。
また、タブレット PC 事業については、自社ブランド Eee Pad 及び東芝のタブレット PC
のほか、HP の WebOS 対応タブレット PC、デルのタブレット PC を受注していることを明
らかにした。
和碩は、今年の年間売上高を前年比 30%増とすること、ノートパソコン出荷量を 2000
万台を達成することで、ノートパソコン ODM 市場で急成長している鴻海 (Foxconn)に
打ち勝ち、市場シェア第 4 位を勝ち取る目標を明らかにしている。
【スマートフォン】中国地場製造のスマートフォン販売量、今年 1000 万台突破
2011-1-25 中国 PCB 産業協会
中国地場の市場調査機関である易観国際は、最新の調査報告の中で、Android オープン
プラットフォームの普及及び瑞芯微電子などの中国地場チップメーカーの躍進により、
中国地場メーカー製造のスマートフォン販売量が今年 1000 万台を突破するとの見通し
を明らかにした。
同機関は、昨年のスマートフォン及び 3G 携帯電話の普及により、今年は 3G スマートフ
ォン大流行の 1 年になると予想、同時に中国地場の携帯電話メーカーが大きく成長する
1 年にもなると見ている。
易観国際が予測している中国地場製造のスマートフォン販売台数が今年 1000 万台を超
えるとの見通しには、ネットワーク利用許可証を持たない White-box 携帯電話は含まれ
ておらず、White-box スマートフォンを含めると、販売台数は 1000 万台を大幅に上回る
見通し。
48
2011 年 1 月号
今年の中国地場のスマートフォンメーカーにとって、価格が 1500 元以下の市場が急成長
を続けていることから、低価格 3G スマートフォン市場が主戦場となる可能性が大きい。
中国移動(China Mobile)は先日、既に中国独自 3G 規格 TD 対応端末機 600 万台の発注
を行っている。
ただ、中国地場の大手携帯電話メーカーである華為(Huawei)の昨年の世界出荷量は 1.2
億台に達したものの、売上高は 45 億米ドルにとどまっており、中国地場メーカーがスマ
ートフォンを大量販売することが可能かどうか不透明さは残っている。
【スマートフォン】宏達、1Q のスマートフォン出荷量 850 万台 上海工場を拡張
2011-01-25 駆動之家
スマートフォン大手の台湾の宏達国際電子(HTC)は先日、今年 1-3 月のスマートフォン
出荷量が昨年 10-12 月比 7%減、前年同期比 157%増の 850 万台となること、同期の連結
売上高が昨年 10-12 月比 10%減、前年同期比 147%増の 940 億 NTD(約 32 億米ドル)と
なる見通しを明らかにした。
市場関係者の殆どが、宏達国際電子の今年 1-3 月のスマートフォン出荷量が 900-950 万
台、連結売上高は 1000-1100 億 NTD に達するとしており、宏達国際電子の見通しは保守
的なものとなっている。
宏達国際電子の発表によると、昨年の連結売上高のうち、北米市場が 50.6%、欧州市場
が 32.3%で、欧米市場全体で 8 割を超える売上高を計上している。
また、宏達国際電子は、市場で急成長するスマートフォン需要に対応して、上海の子会
社 HTC Electronics に 3200 万米ドルの増資を行い、スマートフォン月産能力を 100 万台
から 200 万に拡張したことも明らかにしている。
【太陽電池】中国政府の多結晶シリコン事業参入規制に賛否両論交錯
2011-1-25 中国半導体産業協会
中国政府の工業情報化省は 24 日、多結晶シリコン産業参入に関する新基準を正式に発表、
実施に移した。それによると、新たに建設する太陽電池用多結晶シリコン生産事業は 1
期当たりの年産規模が 3000 トンを超えていること、1 キログラム当たりの消費電力を 60
キロワットアワー以下にすることが求められており、中国国内で現在計画中の年産規模
17 万トンに上る事業のうち 1 期当たりの年産規模が 3000 トンを超える事業はごくわず
かであることから大部分が実行不能となると見られている。
中央政府は、新基準の実施は、金融危機以降に起きた多結晶シリコン生産事業への無秩
序な重複投資を是正するためのものであるとしており、新基準の策定に参画した大手メ
ーカー幹部は、中国国内にある 40 社余りの多結晶シリコンメーカーのうち、新基準をク
リアできるメーカーは 4 分の 1 に過ぎないだろうと指摘する。
市場関係者によると、現在計画されている多結晶シリコンの生産拡張、新規建設は 50
件余り、総年産能力は 17 万トンを超え、総投資額は 1000 億元を超えている、仮にこれ
ら全ての事業が稼働すれば、年間生産量は、世界の多結晶シリコン年間需要量の 2 倍以
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2011 年 1 月号
上に達するといわれている。17 万トンに上る事業計画のうち、60%以上は年産能力 3000
トンに満たないといわれ、その多くが四川、河南などの内陸の省で計画されている小規
模事業だという。市場関係者は、多結晶シリコン産業の統合再編は歓迎すべき、産業構
造を 7-8 社の大型企業に集約すべきとしている。
一方、今回の新基準実施の根拠とされている「計画されている多結晶シリコン生産能力
は需要を大幅に上回っている」という見方について一面的だとの指摘も出ている。計画
されている計画は複数年にわたって建設されるため、単年度で見た場合、生産過剰には
ならない、また中国はいまだに毎年数万トンの多結晶シリコンを海外からの輸入に依存
しているという現実があるという指摘が出ている。中国リサイクルエネルギー学会副理
事長太陽電池専門委員会主任の趙玉文氏は、中国国内の多結晶シリコン需給関係、特に
太陽電池に使用できる高純度製品の需給関係は、これまで一貫して供給不足状態にあり、
海外からの輸入に依存している、昨年も需要の 40%前後を輸入に依存しているのが実情、
今後 5 年間も中国国内の高純度多結晶シリコン製品の需給バランスに大きな変化は起こ
らないだろうとの見方をしている。
【受動部品】国巨、超小型チップレジスタ生産拡張で iPhone 向け受注狙う
台湾経済日報 2011.01.25
世界最大のチップレジスタメーカーである国巨(Yageo)は、スマートフォン市場急成長
で恩恵を受けているアップル、ブラックベリー等のスマートフォンメーカーからの受注
拡大のため、今年の生産拡張を超小型 01005 チップレジスターに集中、月產能力を 4-5
倍にすること、それを通じて台達電子(Delta)傘下の乾坤科技(Cyntec)が独占してい
るアップル及びブラックベリー供給網に食い込む計画を明らかにした。
市場調査機関に調べによると、今年のスマートフォン市場規模は 4 億台に達し、携帯電
話市場全体の 3 割近くまで成長する見通しで、スマートフォンに使われるチップレジス
タは軽量薄型の 0201 が主流、一部では超小型の 01005、やや大きめの 0402 が使われて
いる状況にある。スマートフォン 1 台当たりに使用されるチップレジスタ個数が 100-200
個であるので、今年のスマートフォン市場向けチップレジスタ需要は 300-600 億個に達
するといえる。
中でも、スマートフォン市場をけん引しているアップル iPhone 向けは、各社最大のター
ゲットとなっているが、今のところ、台達電子傘下の乾坤科技が、主力の 01005 超小型
チップレジスタで独占している状態にある。
アップルのほか、ブラックベリーも、乾坤の 01005 チップレジスタ製品を採用している
ことから、乾坤は 01005 製品の生産能力を大幅に拡張しており、月産能力は 5-6 億個に
達している。乾坤は年内にさらに月産能力を 7 億個以上に拡張することをも明らかにし
ている。
業界関係者は、スマートフォン用チップレジスタの主流は今後 01005 製品にシフトして
いくと見ており、今後は 0201 製品の 4 倍以上の価格を有する 01005 製品の受注量如何が
業績を左右すると見られている。
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【電池】深圳恵程、4500 万元投じリチウム電池工場建設 来年 1 月量産
上海証券 2011-1-26
中国地場の配電設備メーカーである深圳恵程は、100%子会社で
大型キャパシタを生産している深圳市恵程高能能源科技有限公
司に 4500 万元の増資を行い、恵程高能が開発に成功したポリイミドのナノ繊維隔離膜を
利用した高性能動力用リチウムイオン電池の生産ラインを建設することを明らかにした。
恵程高能が建設する円柱型リチウム電池生産ラインの年産能力は、放電容量 2 アンペア
アワー(Ah)の電池 500 万個、年間売上高は 1 億元に達する見込み。また、板状リチウ
ム電池の試験生産ラインも建設する計画。建設期間は 1 年、今年 9 月末までに設備の搬
入据付を完了し試運転を開始、来年 1 月から量産を開始する計画。来年の設備稼働率は
60%にとどまるが、2013 年には稼働率は 100%に達する見通し。円柱型のリチウム電池
製品については、ハイエンド市場をターゲットとし、米国 A123 社などの世界大手メーカ
ーに対抗できる製品の生産を目指す。板状リチウム電池製品については、自動車産業、
航空宇宙産業、軍需産業向けに供給するとしている。深圳恵程:www.hifuture.com/
682 号 1 月 31 日
【液晶パネル】TCL、8.5G で旭硝子ガラス工場誘致 1 期 3 億米ドル投資
2011-01-27 新浪科技
TCL 集団董事長、李東生氏は 27 日、深圳市で建設中の 8.5 世代液晶パネル生産ライン事
業の原材料メーカーとして、世界第 2 位のガラス基板メーカーである旭硝子のガラス基
板工場を深圳市に誘致することに成功、正式に契約を締結した。第 1 期の投資額は 3 億
米ドル近くとしている。
同氏は、ガラス基板事業の誘致は、TCL の 8G 液晶パネル生産事業(華星光電)にとって
最重要綱目であり、日本の旭硝子が深圳に進出することが決まったことは、深圳市の薄
型パネル産業発展にとっても非常に大きな前進としている。
TCL の深圳 8.5G 液晶パネル生産ラインの総投資額は 245 億元、昨年 1 月に着工し、今年
8 月には稼働する予定。設計生産能力は、ガラス基板の月産量が 10 万枚、26-32 インチ、
46 インチ、55 インチ液晶テレビモジュール年産量 1400 万枚、ガラス基板、カラーフィ
ルタ等の関連産業を含めた年間生産高は 1000 億元を超えるとしている。
【液晶パネル】京東方、8G 生産ラインを 9 月に量産開始 黒字転換目指す
2011-1-27 中国半導体産業協会
中国地場最大の液晶パネルメーカーである京東方科技集団股份有限公司は、第 8 世代液
晶パネル生産ラインを建設している子会社、京東方顕示有限公司に対して 86.6 億元の増
資を行い、京東方顕示有限公司に対する持分を 50%まで引き上げることを明らかにした。
京東方の 8G 液晶パネル生産事業は 2009 年 10 月に着工、昨年 7 月に中央工場棟が完成、
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2011 年 1 月号
現在製造設備の搬入据付、試運転を行う段階に入っている。また、世界最大のガラス基
板メーカーであるコーニングが、前工程であるガラス熔炉を含むガラス基板生産ライン
を隣接地に建設することが決まっている。
液晶パネル事業に 500 億元近い資金を投じている京東方は、赤字経営が続いていること
から、つなぎ融資で資金繰りを確保しているが、今年 9 月末に 8G 生産ラインが量産を開
始すれば、今年は黒字転換が実現できる見通しを明らかにしている。そのため、今年 6
月末までに試験生産を開始、今年 9 月末には量産を開始、また合肥の第 6 世代液晶パネ
ル生産ラインとの生産調整をしっかり行うことが非常に重要になるとしている。
ただ、京東方の昨年の純損失は 14 億元に達する見込みであることから、市場からは今年
の黒字転換を懐疑的に見る向きも出ている。既に稼働している合肥の第 6 世代生産ライ
ンについても、ユーザーからの認証獲得に半年近くの時間をかけており、スピード感に
欠けるともいわれており、認証手続の迅速化により、生産ラインの稼働率を引き上げる
ことが必要との指摘が出ている。京東方は、既に稼働させている 4.5 世代、第 5 世代、
第 6 世代生産ラインをきめ細かく生産調整することも必要との指摘もある。
また、中国工業情報化省チーフエコノミストの周子学氏は、液晶パネル産業においては、
収益を確保するにはシェア 5 位以内にあることが肝要、京東方は、三星、LGD、奇美(CIC)、
友達(AUO)、シャープ、パナソニック、中華映管(CPT)に次ぐ 8 位の位置にあり、8G
生産ラインを稼働しても、5 位以内に食い込むことができない、今後の収益性には依然
疑問が残ると指摘する。
これらの指摘に対して、京東方は、経営戦略、組織管理、生産管理において改革を進め
ており、成都、合肥、北京の液晶パネル工場、厦門、蘇州のバックライト工場、河北の
モジュール工場の生産効率最適化も進めることで、収益性を相当程度改善できるとして
いる。その一環として、携帯電話用小型パネル、ノートパソコン用中型パネル、モニタ
用大型パネル全てを供給している聯想(Lenovo)といった大口ユーザーに対しては、こ
れまでのような小型パネル、中型パネル、大型パネルそれぞれの生産部門が個別に交渉
する方法を改め、交渉窓口を一本化することで価格交渉力を高めることも明らかにして
いる。
【ノート PC】緯創、今年もノートパソコン ODM 市場でシェア 3 位確保できると
台湾経済日報 2011.01.29
ノートパソコン ODM 世界第 3 位の緯創資通(Wistron)は、今年のノートパソコン出荷量
が 3500-3700 万台が達する見通しで、昨年同様、世界シェア第 3 位を確保できる自信を
示した。また、液晶 TV 及びノートパソコンを除くポータブル機器の出荷量も、今年は倍
増し、それぞれ年間出荷量が 1000 万台に達する見通しを示した。昨年の業績については、
売上高は 6147.16 億 NTD で前年比 12.18%増、今年の売上高見通しについては、前年比
23%増の 7782 億 NTD、粗利率は 5.5%、税後利益は 139 億 NTD とすることを明らかにし
た。
緯創の昨年のノートパソコン出荷量が前年比 1 割増の 2750 万台だったが、今年は宏碁
(Acer)、デル(Dell)、聯想(Lenovo)等の大口ユーザーからの新規受注獲得、新規日
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系ユーザーの獲得により前年比 2-3 割増の 3500-3700 万台を見込んでいる。
【パソコン】IBM、河北省にアジア最大のクラウドコンピューティングセンタ建設
2011-1-27 中国 PCB 産業協会
米国の IBM は、中国地場のネットワークサービス企業
である潤澤科技(Range)と提携し、中国河北省廊坊
市にアジア最大級のクラウドコンピューティングセ
ンターを建設することを明らかにした。2016 年完成、敷地面積は 62 万平方メートルに
達する。IBM によると、河北省のクラウドコンピューティングセンターは、ソフトウェ
ア開発企業及び政府機関向けにデータ保管、災害時対応、サーバレンタル等のサービス
を提供する。潤澤科技:www.rangeidc.com/
【LED】中国 LED チップ企業、台湾からの技術者ヘッドハンティングが急増
2011/1/27 OFweek 半导体照明网
中国三安光電などの中国地場の大手 LED チップメーカーが、晶元(Epistar)、璨円
(Forepi)、泰谷(Tekcore)、広鎵(Huga)などの台湾の大手 LED チップメーカーから高
待遇で幹部エンジニアをヘッドハンティングするケースが急増しており、春節前に既に
60 名余りのエンジニアが中国地場メーカーに移籍したことが明らかになった。
世界第 4 位、台湾最大の LED チップメーカーである晶元董事長の李秉傑氏は、中国地場
メーカーによるヘッドハンティングが急増していることに言及して、台湾当局のシンク
タンクである工研院光電研究所所長の詹益仁氏と協議し、台湾当局関連機関が LED チッ
プメーカーに対して何らかの支援を行い、人材流出を食い止める必要があるとの見解を
示した。
業界関係者によると、中国内地の LED チップメーカーは、
今後 1-2 年に 100-200 台の MOCVD
設備を新たに導入する計画で、それら設備操作のため、100 名以上のエンジニアを採用
する必要があるといわれている。
現在、中国内地の LED チップメーカーの主要製品は赤色 LED で、青色 LED 製品の輝度は
台湾メーカーに比べ 20%近く低いことから、中国最大の LED チップメーカーである三安
光電(Sanan)、垂直統合を積極的に進めている清華同方(Tsinghua Tongfang)は、台湾
メーカーの幹部エンジニアの獲得に乗り出したと伝えられている。特にターゲットとな
っているのが世界第 4 位の晶元光電で、年収 1000 万元を提示するケースも出ているとい
う。
【LED】億光、豊晶 LED チップ採用で iPhone 向け LED バックライト受注
台湾経済日報 2011.01.27
LED チップ世界第 4 位の晶元光電(Epistar)がアップル iPad 向け LED チップを受注し
たのに続いて、LED 実装大手の億光(Everlight)が宏碁(Acer)及び華碩(Asus)向け
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2011 年 1 月号
タブレット PC 用 LED バックライトを受注したことが明らかになった。また、億光は、豊
田合成と晶元光電の合弁企業である豊晶光電の LED チップを採用することで、日系メー
カーから iPhone 向け LED バックライトを受注できる可能性があることを明らかにした。
アップルは、HP、デル、宏碁、華碩等の大手ノートパソコンメーカーが相次いでタブレ
ット PC 事業に参入し競争が激化、円高定着で日本メーカーの LED 価格が高止まりしてい
ることを受けて、低コストの台湾メーカーからの調達を検討しており、晶電光電と豊田
合成の合弁企業である豊晶光電の LED チップを採用したメーカーからの LED バックライ
トの調達を開始することをほぼ決定した模様。
晶元光電副総裁兼スポークスマンの張世賢氏は 26 日、昨年は iPad がタブレット PC 市場
をほぼ独占したこともあって、コストが割高な日亜もしくは豊田合成の LED バックライ
トを調達しても、高い収益性を確保することができた、しかし今年は過当競争が始まる
ことから、コストダウン圧力が増している、日系メーカーが台湾メーカーに OEM 発注す
る比率も急上昇する可能性があるとしている。
今年のタブレット PC の世界需要は 4500-5000 万台と予想され、タブレット型パソコン 1
台当たりが使用する LED チップが平均 30 個前後であることから、今年のタブレット PC
バックライト向け LED チップ需要は 14-15 億個に達すると見られている。
市場関係者は、タブレット PC が特殊スペックであることから、当面は大手 LED メーカー
以外は供給が難しいと見ており、晶元光電、億光電子の好業績への期待が高まっている。
【半導体】和碩、重慶に宏碁向け工場建設 華碩向け工場建設も検討
2011-1-27 中国 PCB 産業協会
ノートパソコン ODM 世界第 5 位の和碩(Pegatron)は、中国内陸部への生産移転の一環
として、重慶市に 4900 万米ドルを投じて、最大のユーザーである宏碁(Acer)の重慶ノ
ートパソコン生産拠点向けで新工場をを建設することを明らかにした。新たに設立され
る企業の名称(仮称)は、旭碩科技(重慶)有限公司。今年 7-9 月もしくは 10-12 月に
稼働する予定。和碩は今年、宏碁のノートパソコン総生産量の 6-8%を受注する見通し
だが、重慶に生産拠点を持つことで、その比率をさらに上乗せしたい考え。
また、和碩は上海地区への投資も拡大、5500 万米ドルを投じてノートパソコン部品及び
モジュールを生産する日銘電脳を設立するとともに、孫会社である日騰電脳への出資比
率も拡大する計画。
和碩のかつての親会社である華碩(Asus)が、中国内陸部への生産シフトを検討してい
ることから、四川省成都にも新工場を建設する可能性があり、重慶には宏碁向け ODM 工
場、成都には華碩向け ODM 工場で対応する可能性も排除しないとしている。なお、経営
の独立性を確保するため、出荷量全体に占める華碩向け比率は昨年の 8 割から 5 割程度
に引き下げるとしている。
【PCB】生益、輸出税還付率引き上げで昨年売上高前年比 52%増
2011-1-28 PCB 網城
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世界第 6 位、中国地場最大の銅箔張り積層板(CCL)メーカーである生益科技(Shengyi)
は、昨年通年の業績を発表、売上高が 54.86 億元で前年比 51.6%増、純利益が 5.32 億
元で同 68.15%増となったことを明らかにした。
大幅な増収増益になったことについて、輸出関連税の還付率引き上げ及び政府の補助金
獲得により輸出競争力が高まったためとしている。
市場関係者は、同社がフレキシブル基板用 CCL 事業及び LED 用放熱 CCL 事業に参入した
こと、高性能 CCL の開発に成功したことなどから、今後数年間は業績が安定推移すると
予想。フレキシブル CCL 需要は電子製品の小型化、スマート化に伴って拡大、LED 用放
熱 CCL 需要は LED チップメーカーの生産拡張により爆発的に拡大する可能性を秘めてい
るとしている。
生益科技は、これら新事業に既に 12 億元余りの投資を行っており、年内に相次いで稼働
させることから、今年も昨年並みの業績の伸びが期待できると見られている。
【半導体】台積電、2011 年の半導体チップ市場成長率予想を上方修正
DIGITIMES 28-1-2011
世界最大の半導体ファウンドリである台積電(TSMC)董事長のモリス・チャン(Morris
Chang)氏は、今年の連結売上高が前年比 20%以上の増加となる見通しを示すとともに、
先般 5%とした今年の世界の半導体チップ市場成長率を 7%成長に上方修正することを
明らかにした。また、パソコン、携帯電話、民生用電子機器の今年の世界出荷量がそれ
ぞれ前年比 12%、9%、6%の増加になるとの見通しも示した。
急成長しているタブレット PC 市場については、今年も高い成長率が持続し世界出荷量は
4200 万台に達すること、マイクロソフトが Windows の新たなバージョンを投入すること
から ARM チップの需要が拡大するとしている。
今年の設備投資については、78 億米ドルを計画しており、そのうち 8 割を 65 ナノ・45
ナノ・28 ナノプロセス生産ラインの建設、20 ナノ・14 ナノ技術の開発に当てることを
明らかにした。18 インチウエハ製品の生産開始時期については、試験生産は 2013-2014
年、量産開始は 2015-2016 年になるとしている。
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