【パソコン】HP、当面 PC 事業分離見送り 来年 4 千万台のノート PC 出荷

2011 年 10 月号
781 号 10 月 3 日
【パソコン】HP、当面 PC 事業分離見送り 来年 4 千万台のノート PC 出荷
DIGITIMES 30-9-2011
パソコンブランド最大手のヒューレットパッカード(HP)は、CEO 交代を受けて、既に発
表しているパソコン事業分離案を当面見送ることを明らかにした。また、HP 関連部品サ
プライヤによると、HP が来年 4000 万台前後のノートパソコンを出荷するとともに、フ
レクトロニクス(Flextronics)、鴻海(Foxconn)等の EMS 企業に発注していた ODM を段
階的に広達、緯創(Wistron)に戻す計画で、同 4000 万台の 50%を広達(Quanta)に発
注することも明らかになった。
HP の CEO がレオ・アポテカー(Leo Apotheker)氏からメグ・ウィットマン(Meg Whitman)
氏に交代したことで、一部役員が反対している HP のパソコン事業分離計画が今後大幅に
修正されることは間違いなさそうである。
ただ、HP の今年通年のノートパソコン出荷量は、先般のパソコン事業分離発表の影響で
欧米市場で販売不振が続いており、3700-3800 万台にとどまると見られている。
【液晶パネル】深超、華星光電 15%持分の三星電子への売却手続完了
2011-9-30 聯合新聞網
中国深圳市政府傘下のベンチャー投資企業である深超科技投資(Shenchao)は、三星電
子からの 15 億米ドルの入金が確認されたことから、中国地場の大手テレビメーカー、TCL
集団との折半合弁である 8.5 世代液晶パネル生産企業、華星光電技術有限公司(China
Star)の 15%の持分を三星電子に売却する手続きがほぼ完了したことを明らかにした。
今回の手続きが完了すれば、TCL 集団、深超科技投資、三星電子の華星光電に対する持
分はそれぞれ 55%、30%、15%となる。
TCL 集団は、華星光電の 8.5 世代液晶パネル生産ラインが今年 8 月 8 日に稼働したこと、
今年 12 月に量産を開始すること、また 2012 年末には現有する生産ラインが全てフル稼
働になる見通しを明らかにしている。
TCL 集団は、三星電子との間で長江デルタ、珠江デルタの大型液晶パネルの調達を融通
するため、深超光電を通じて三星電子に華星光電の 15%の持分を譲渡する代わりに、1
億米ドル(約 6.53 億元)で三星電子が蘇州に建設している 7.5 世代液晶パネル生産事業
の 10%の持分を取得することで合意している。
【タッチパネル】介面、長沙のタッチパネルモジュール工場稼働 月産 140 万枚
2011-9-30 湖南日報
中小型タッチパネル大手の介面光電(J-Touch)は、中国湖南省長沙市に 4.2 億元を投じ
て建設していたタッチパネルモジュール工場が完成、正式に稼働させたことを明らかに
した。
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2011 年 10 月号
介面光電は、携帯電話及びパソコン用中小型タッチパネルの世界生産シェアが 5 位、特
に 7-12 インチタッチパネル技術では世界有数の技術力を有している。2010 年に長沙国
家生物産業基地に 14 億元を投じて 4 期に分けてタッチパネルモジュール生産基地を建設
することを発表、4 期全てが完成すれば、年間生産高は 160 億元に達するとしている。
今般稼働した第 1 期は昨年 11 月から建設していたもので、月産能力は 140 万枚、年間生
産高は 40 億元に達する見込み。
【タッチパネル】介面、アマゾン Tablet/三星 Galaxy 向けタッチパネル好調
台湾経済日報 2011.09.30
中小型タッチパネル大手の介面光電(J Touch)は、アマゾンの 7 インチタブレット PC
投入、三星のスマートフォン Galaxy S2 の累計出荷年内 1000 万台突破などの追い風を受
けて、今年 9 月の売上高が昨年 11 月に達成した過去最高 7.8 億 NTD を上回る見通しを明
らかにした。また、今年 7-9 月の四半期売上高も 4-6 月の 21 億 NTD を 30-40%上回る見
通しだという。
アマゾンのタブレット PC は市場予想 250 米ドルを大幅に下回る 200 米ドルで販売される
ことから、市場調査機関 Forrester Research は今年 10-12 月の同製品販売台数が 300
万台以上に達すると予測しており、そのタッチパネルを受注している介面及び勝華
(Wintek)、アッセンブリを受注している広達(Quanta)が大きな恩恵を受けると見られ
ている。業界関係者によると、アマゾンは 10-12 月分として既に 240 万枚のタッチパネ
ルを発注、介面、勝華がそれぞれ 120 万枚を受注したと見ている。
介面光電は、販売好調が続く三星 Galaxy S2 タッチパネルの主力サプライヤでもあり、
三星は今年 7-9 月に 250 万枚のタッチパネルをサプライヤに発注したと見られている。
【タブレット】アマゾン、Kindle Fire 10 インチ製品のアッセンブリを鴻海に発注
DIGITIMES 30-9-2011
タブレット型パソコン Kindle Fire の 7 インチ製品を発表したアマゾンは、Kindle Fire
の 10.1 インチ製品のアッセンブリについては、広達ではなく鴻海(Foxconn)に発注、
今年の年末商戦前に出荷を開始することが明らかになった。
鴻海はアマゾンの電子書籍リーダーKindle の長年来のアッセンブリパートナーである
ことから、アマゾンは当初 7 インチの Kindle Fire のアッセンブリを鴻海に発注しよう
としたが、鴻海がアップル iPad の生産に追われていたため、Kindle Fire 7 インチ製品
の受注を見送ったという。
【スマホ】宏達、Google の Moto 買収効果で今年出荷量前年比 2 倍予想
台湾経済日報 2011.09.30
スマートフォン大手の宏達(HTC)グローバル営業部長の Jason Mackenzie 氏は、Google
のモトローラ買収により Android スマートフォンの地位向上が期待できるとして、今年
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2011 年 10 月号
の自社ブランドスマートフォン出荷量が前年比 2 倍以上、5000 万台に達する見通しを明
らかにした。
市場調査機関 Gartner の今年 4-6 月統計によると、宏達の 4-6 月のスマートフォン出荷
量は 1101 万台でシェアが 10.2%、世界第 5 位のスマートフォンブランドメーカーとなっ
ている。宏達は今年 8 月に 3 億米ドルを投じて高級イヤホンメーカーBeats の経営権を
取得しており、Beats の技術を搭載したスマートフォンも今年 10 月第 2 週から出荷する
ことを明らかにしている。
【太陽電池】尚徳、2015 年に中国が世界最大の太陽電池市場になる
2011-9-30 電子産品世界
世界第 2 位の太陽電池メーカー、尚徳電力(Suntech)CEO 兼董事会主席の施正栄氏は 28
日、2015 年には世界の半数以上の国で太陽光発電のコストが現有の電力価格と同水準に
なるグリッドパリティ社会が実現すると同時に、中国がドイツに代わって世界最大の太
陽電池市場になるとの見方を明らかにした。
今後数年の太陽電池市場の見通しについては、太陽電池の価格が下落していけば、需要
は自然と回復してくる、今後 2-3 年で世界の半数以上の国・地域で太陽光発電コストが
現有電力コストまで下落するだろう、太陽光発電コスト下落による新規需要の喚起が期
待され、その期待が最も大きい市場が中国市場であること、2015 年には中国市場がドイ
ツを抜いて世界最大の太陽光発電システム市場になるとの見方を示した。
【太陽電池】中国の太陽電池市場、今年 2.5-3GW 来年 5GW に拡大
DIGITIMES 29-9-2011
中国政府が二酸化炭素排出量削減と再生可能エネルギー促進について強い決意を表明し
たことから、中国内地の今年通年の太陽光発電システムの設置量が 2.5-3 ギガワット、
来年はその 2 倍の 5 ギガワットに達すると見られており、ドイツ、イタリア等の欧州市
場の縮小で資金繰りが苦しくなっている中国国内の太陽電池関連企業にとっては、欧州
市場の縮小の影響を中国内地市場の拡大でカバーできる大きなチャンスとなっている。
中国内地の国有系の 5 大電力企業集団である中国大唐、中国国電、中国華能、中国華電、
中国電力投資も、何れも今後 5 年間で大型の太陽光発電所を建設することを明らかにし
ていることも追い風となっている。
【バッテリ】パナソニック、日本のリチウム電池生産能力の半分を中国に移転
新浪科技 2011-9-30
日本のパナソニックは、和歌山工場等の携帯電話/パソコン用リチウム電池生産を停止し、
来年 3 月までに現在 8 つある日本国内のリチウム電池生産工場を 4 つに減らすことを明
らかにした。
一方、製造コストが低い中国での生産規模を拡大する方針で、既に江蘇省蘇州で新工場
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2011 年 10 月号
の建設を開始、中国での生産比率を現在の 1-2 割から 2014 年までに 5 割前後まで引き上
げ、価格面での競争力を強化する計画だという。
リチウム電池の世界市場では、三星 SDI 等の韓国メーカーがウォン安を背景に世界シェ
アを拡大しており、日本メーカーは厳しい価格競争に晒されている。
【携帯電話】聯発、3.5G チップ出荷量 2 ヶ月連続で 100 万枚突破
DIGITIMES 30-9-2011
携帯電話チップ大手の聯発科技(Mediatek)は、MT6573 3.5G チップの出荷量が、中国
内地の 3G 携帯電話の新機種投入ラッシュを受けて、8 月に続いて 9 月も 100 万枚を突破
する見通しを明らかにした。また、MT6573 チップの今年 10-12 月の月間出荷量は 150 万
枚に拡大、来年は 200 万枚を見込んでいることを明らかにした。
一方、9 月の売上高については、当初予想は 8 月比 16%増であったが、中国内地のユーザ
ーが 8 月に過剰発注していたことが明らかになり、9 月実績は 8 月を若干下回る水準に
とどまるとしている。ただ、7-9 月の売上高については、今のところ当初見通しである
220-230 億 NTD(7.2-7.5 億米ドル)を修正するつもりはないとしている。今年 10-12 月の
見通しについては、7-9 月比 10%減になるとしている。
【半導体】大聯大、3Q 売上高見通し下方修正 台湾ドル安で利益確保
台湾経済日報 2011.10.01
中華圏最大の半導体流通企業である大聯大(WPG)は、今年は需要期効果が例年になく発
揮されておらず、今年 7-9 月の売上高見通しを当初の 4-6 月比 7.6-12.5%増の 890-930
億 NTD から同 4-6%増の 865-875 億 NTD に下方修正することを明らかにした。ただ、台湾
ドルが対米ドルでレートを下げていることから、為替差益が期待できるとして、利益の
下方修正はしないとしている。
10-12 月については、半導体等の電子部品の閑散期に入ることから、売上高は 7-9 月を
下回る見通しを示している。製品構成については、現在売上高全体の 7 割近くを占める
パソコン及び携帯電話用事業のうち、スマートフォン及びタブレット PC 用事業に注力す
ることで収益力を高めることを明らかにしている。
【筐体】Ultrabook 用アルミ合金筐体の需給、来年は逼迫する見通し
DIGITIMES 30-9-2011
今後投入される Ultrabook 機種の殆どがアルミ合金筐体を採用していることから、来年
はアルミ合金筐体の供給が不足する見通しで、可成(Catcher)や鴻海(Foxconn)等の
大手筐体メーカーが生産能力の拡張を急いでいる。
Ultrabook 機種は、既に明らかになっているだけでも、宏碁(Acer)の Aspire S3、聯想
(Lenovo)の IdeaPad U300、東芝の Portege Z830、華碩の UX シリーズがあり、HP、DELL
も近く参入を表明するといわれている。このうち、宏碁は可成から、華碩は中国地場の
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比亜迪(BYD)から筐体を調達している。
可成は既に CNC マシーンを今年上半期に 9 千台から 1 万台に拡張、今年年末までに 1 万
2 千台まで増やす計画を明らかにしている。鴻海も現有の CNC マシーンは 9 千台だが、1
万万台以上に増やす計画を明らかにしている。
782 号 10 月 7 日
【電子書籍】電子書籍リーダー部材サプライヤ売上高伸長、11 月まで続く
DIGITIMES 3-10-2011
アマゾン Kindle 電子書籍リーダー価格が 100 米ドル以下、一部では 79 米ドルまで下落
していること、アマゾンのタブレット型パソコン Kindle Fire が 200 米ドル、Barnes &
Noble の Nock Color が 250 米ドルで販売が開始される中、電子書籍リーダーKindle の電
子ペーパを供給する電子ペーパー最大手の E Ink Holding(EIH)、電子ペーパー用バック
プレーンを供給する中華映管(CPT)等の関連部品・素材メーカーの売上高伸長は、今年
11 月まで続くと見られている。
アマゾン Kindle Fire 用タッチパネルモジュールを供給しているタッチパネル大手の勝
華(Wintek)、介面(J Touch)、タッチセンサを供給している中華映管(CPT)も Kindle
Fire の超低価格戦略の恩恵を受けると見られている。
また、Barnes and Noble の Nook Color and Nook Color 2 用タッチパネルを供給する宸
鴻 ( TPK )、 Nook Colar 2 の タ ッ チ パ ネ ル サ プ ラ イ ヤ に 新 規 採 用 さ れ た 中 強 光 電
(Coretronic)とグンゼの合弁である揚郡光電(YLG Optotech)も今後業績を伸ばして
くることが予想されている。
【タブレット】LGD/華映、それぞれ Kindle Fire パネルの 60%/40%を受注
DIGITIMES 5-10-2011
今年 11 月 15 日から市場で販売開始されるアマゾンのタブレット型パソコン、Kindle
Fire 用液晶パネルについては、LG Display(LGD)が 60%、中華映管(CPT)が 40%を受注し
ていることが明らかになった。市場では、Kindle Fire が採算割れの 200 米ドルという
超低価格で販売することを決めたから、年内の出荷量が 300 万台に達する可能性もある
と見ており、市場サーベイ会社 eDataSource によると、Kindle Fire の発表初日の予約
販売台数は既に 10 万台近くに達したことが伝えられている。
中華映管がアマゾンの Kindle Fire サプライチェーンに参入できた最大の要因は、アマ
ゾン Kindle 用電子ペーパーを供給する E Ink Holdings(EIH)を傘下に持つ元太科技
(Prime View)との提携であり、中華映管は中型液晶パネル生産能力が不足している EIH
社に中型液晶パネル生産ラインを提供する契約を締結している。一方、EIH 社は中華映
管に 15 億 NTD(4901 万米ドル)の資本参加を行い、6%の株式を取得している。
中華映管は今年 7 月から Kindle Fire に使われるパネルを Kindle Fire のパネルモジュ
ールをアッセンブリしている EIH 社の子会社、韓国 Hydis Technology 社に出荷している
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2011 年 10 月号
ほか、中華映管が Kindle Fire のタッチモジュールをアッセンブリしている介面光電(J
Touch)にタッチセンサを供給していることも明らかになっている。また、アップルの主
要タッチパネルサプライヤである勝華(Wintek)も Kindle Fire のタッチセンサ及びタ
ッチモジュールを供給していることが明らかになっている。このほか、Kindle Fire の
放熱システムは華宏(Wah Hong)が、完成品のアッセンブリはノートパソコン ODM 最大
手の広達(Quanta)が受注している。
【タッチパネル】勝華、9 月売上高前月比 18%減、今年 5 月水準まで低下
台湾経済日報 2011.10.05
静電容量式タッチパネル大手の勝華(Wintek)は 4 日、今年 9 月の連結売上高を発表、8
月比 18.38%減の 73.56 億 NTD にとどまったことを明らかにした。当初 100 億 NTD 突破を
予想していただけに、今年 6-7 月に比べても減少、ほぼ今年 5 月の水準に戻ってしまっ
ており、市場を落胆させている。今年 9 月の売上高が昨年同期と比較しても 4.51%減と
なっていることから、市場は勝華の説明に注目しているが、勝華は主に主力ユーザー向
け製品の出荷が遅れたためとしている。市場は主力ユーザーであるアップル向け製品の
不具合が原因ではないかと推察している。ただ、勝華の今年 1-9 月累計の連結売上高は
677.44 億 NTD で、依然昨年同期比 70.01%増を維持している。勝華の株価は 9 月売上高が
予想を大幅に下回ったことから大きく下落している。
勝華のここ 1 年間の売上高を振り返ると、昨年 10 月の 81.61 億 NTD、11 月の 87.83 億
NTD 達成から、市場では今年需要期には月間売上高 100 億 NTD 突破が予想されていたが、
昨年 12 月の 76.93 億 NTD、今年 2 月の 59.35 億 NTD と閑散期の落ち込みが予想以上に大
きかったことから、100 億 NTD 突破は困難との見方も出ていた。
勝華は、売上高の伸び悩みとともに、収益にも陰りが出始めており、4-6 月には赤字に
転落する可能性もあるとの観測が出ていた。その後は低収益製品の出荷量を削減する方
針を打ち出し、赤字転落は回避したものの、厳しい経営が続いている状況には大きな変
化はないと見られている。
【ノート PC】ノート PC ODM メーカー、専門メーカーと合弁検討 金属筐体確保
DIGITIMES 4-10-2011
世界のノート PC の 9 割を生産する台湾のノートパソコン ODM メーカーは、今後インテル
巻き返しの主力製品となる超薄型ノートパソコン Ultrabook に採用されている金属筐体
の需要が急増することから、安定調達に向けて金属筐体専門メーカーとの合弁を積極的
に検討していることが明らかになった。
世界第 3 位のノートパソコン ODM メーカーである緯創(Wistron)は先日、2012 年に予
想される Ultrabook の大量生産に備えて、既に筐体メーカーとの合弁を協議しているこ
とを明らかにしている。
ノートパソコン ODM メーカーが金属筐体専門メーカーと提携しようとする真の狙いは、
既に Ultrabook 事業に参加することを表明している宏碁(ACER)、華碩(ASUS)、聯想
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2011 年 10 月号
(LENOVO)、東芝等のブランドメーカーが、金属筐体専門メーカーの生産能力がアップル
に独占され、金属筐体の調達が困難となっていることから、金属筐体専門メーカーとの
合弁を設立することで、金属筐体の安定調達をブランドメーカーにアピール、受注を拡
大することにあると見られている。
しかし、一方で金属筐体の生産能力が可成(Catcher)及び富士康(Foxconn)の 2 社に
集中していることから、ノートパソコン ODM メーカーが相当の好条件を提示しなければ、
同 2 社がノートパソコン ODM メーカーにみすみす主導権を渡すことはないと予想されて
いる。
世界第 2 位のノートパソコン ODM メーカーである仁宝(Compal)は、既に世界最大のプ
ラスチック筐体メーカーである巨騰(Ju Teng)と、緯創(Wistron)も巨騰と液晶テレ
ビ用筐体で合弁を設立していることから、他社に対して有利なポジションにあると見ら
れている。緯創については、金属筐体大手の可成と中国江蘇省泰州市に合弁を設立する
計画が、緯創の泰州工場が生産停止となったことから、計画延期を余儀なくされた経緯
がある。
【ノート PC】台湾ノート PC ODM メーカー、9 月出荷量は 8 月を上回る見通し
DIGITIMES 5-10-2011
ノートパソコン ODM 大手 4 社、広達(Quanta)、仁宝(Compal)、緯創(Wistron)、英業
達(Inventec)の今年 9 月のノートパソコン出荷量は、大手ユーザーの年末商戦向け出
荷増を受けて 8 月を上回る見通しであることが明らかになった。
そのうち、最大手の広達の 9 月のノートパソコン出荷量は、HP 向け出荷量が大幅増とな
ったことから、530-540 万台に達する見通し。仁宝の 9 月のノートパソコン出荷量は、
宏碁(Acer)向け出荷増により、350-380 万台に達する見通し。緯創の同月ノートパソ
コン出荷量も聯想(Lenovo)向け出荷増により 300 万台、英業達の 9 月ノートパソコン
出荷量も前月比 15-23%増の 150-160 万台を達成する見通しとなっている。
【ノート PC】HP/Dell、Ultrabook の ODM をそれぞれ広達/緯創に発注
DIGITIMES 5-10-2011
ヒューレットパッカード(HP)とデル(Dell)は、それぞれ今年年末、来年 1-3 月に超薄
型ノートパソコン Ultrabook を投入する計画で、HP は広達(Quanta)に ODM を委託、Dell
は緯創(Wistron)を ODM パートナーとして 14 インチ機種を来年の Consumer Electronics
Show(CES)で発表することが明らかになった。
また、緯創は宏碁の 13.3 インチ Aspire S3、仁宝(Compal)は宏碁(Acer)の 15 イン
チ Aspire S3 と聯想(Lenovo)の IdeaPad U300 の ODM パートナーとなっている。和碩
(Pegatron)は、華碩(Asustek)の 11.6 インチ UX21 と 13 インチ UX31 の ODM パートナ
ーである。
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2011 年 10 月号
【ノート PC】英業達、HP のタブレット PC 事業撤退で関連人員レイオフ実施
DIGITIMES 6-10-2011
ノートパソコン ODM 世界第 4 位の英業達(Inventec)は、タブレット PC 受注が大幅に減
少したことから 10 月 5 日に人員レイオフを実施していたことが明らかになった。同社広
報の Alexander Hsu 氏は、レイオフがどのユーザーのタブレット PC 発注大幅カットによ
るものかには言及していないものの、今回のレイオフがヒューレットパッカード(HP)
のタブレット PC 事業停止によるものであることはほぼ間違いないと見られている。
同業最大手の広達(Quanta)も、RIM のタブレット PC 販売不振から台湾域内の生産ライ
ンを停止、人員削減に追い込まれているが、英業達のユーザーである HP も当初、webOS
システムがタブレット PC 市場で一気にシェアを拡大できると予想していたが、実績は予
想を大幅に下回る結果に終わり、タブレット PC 事業からの撤退を明らかにしている。HP
のタブレット PC を単独受注し 1000 名の人員を配置した英業達は人員の大幅な見直しを
迫られており、市場では、英業達がグループの携帯電話事業会社である英華達(Inventec
Appliance)と事業を統合するとの観測まで出ている。今年年末までの見通しについても、
HP のパソコン事業からの撤退計画の影響で出荷量・売上高の大幅な減少は避けられない
としている。
【太陽電池】茂迪、太陽電池の減産呼びかける 年末に在庫 12GW に
台湾経済日報 2011.10.06
台湾の大手太陽電池メーカーである茂迪(Motech)CEO の張秉衡氏は 5 日、10-12 月の受
注見通しが急速に悪化していることを明らかにするとともに、これまで世界の太陽電池
市場をけん引してきた欧州の深刻な財政危機により年末までに世界の太陽電池在庫量が
今年の世界の太陽光発電システム設置量 20 ギガワットの半分以上を占める 12 ギガワッ
トに達するとの見通しを示した。また、今後業界全体が足並みを揃えて減産態勢を取ら
なければ、来年年末には在庫水準は 22 ギガワットに達し、価格の下落が数年間続く可能
性もあるとの見方を示した。
【半導体】茂徳科技、重慶 8 インチ工場の中国航空工業への売却を完了
DIGITIMES 3-10-2011
台湾の大手半導体 DRAM メーカー、茂徳科技(ProMOS Technologies)は、中国重慶市の
子会社、渝徳科技とその 8 インチウエハ工場の売却を完了したことを明らかにした。売
却価額は1億元(1.57 億米ドル)、売却先は中国航空工業集団(AVIC)の子会社である
中航航空電子系統有限責任公司(AVIC Systems)としている。
茂徳科技は、渝徳科技に対してこれまでに総額 1.32 億米ドルを投じてパワーマネジメン
ト IC チップの生産を行ってきたが、3 年連続で赤字から脱却できない状態にある。
茂徳科技は先般 12 インチウエハ工場を ROM 及び NOR フラッシュメモリメーカーである
Macronix 社に売却していることから、現在保有する工場は月産 6 万枚の 12 インチウエ
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2011 年 10 月号
ハ工場のみとなっている。事業領域でも、パソコン用 DRAM 事業の縮小とニッチ市場向け
メモリ事業へのシフトを進めており、特に OEM による機能性 DRAM、モバイル RAM、液晶
パネルドライバ IC の生産に注力している。
【半導体】半導体産業で設備投資抑制、ファブライトモデルが急速に浸透
DIGITIMES 3-10-2011
半導体市場調査機関 IC Insight によると、数年前からの欧米 IDM 企業の 300 ミリウエハ
設備への投資抑制と半導体ファウンドリの積極活用が、東芝、ルネサス、ソニー、富士
通等の大手日系 IDM 企業にも浸透してきたことが明らかになった。
殆どの IDM 企業が設備投資を 10 年前の売上高の 20%以上から 10%以下に大幅に削減して
おり、世界の IDM 企業の上位 10 社が全てファブライト戦略を採用しており、その比率は
2010 年は IC 市場全体の 23%を占めたと見られている。
半導体ファウンドリが 2010 年に世界の IDM 企業上位 10 社に供給した IC 総額は 126 億米
ドルに達したと見られているが、今後も年平均 22%で成長し、2015 年には 340 億米ドル
に達すると見られている。
【半導体】Gartner、2012 年の半導体産業投資前年比 19%減を予想
DIGITIMES 3-10-2011
IT 市場調査機関 Gartner は、マクロ経済の減速の結果、過剰在庫がふくらみ、需要の減
退をもたらしていることから、世界の 2012 年の半導体産業設備投資は前年比 19%減の 352
億米ドルにとどまるとの予想を明らかにした。
Gartner 執行副総裁の Klaus Rinnen 氏は、半導体ファウンドリ業界は、28 ナノ技術の生
産能力拡張競争は続ける一方で、45 ナノ技術及び 90 ナノ技術に対する投資は減少させ
ていると指摘、また半導体産業の設備投資は来年半ばから回復の兆しが見えるものの、
安定した成長軌道に入るのは 2013 年以降になるとの予測をしている。
783 号 10 月 10 日
【液晶 TV】台湾の液晶テレビ ODM シェア、ブランドメーカー戦略転換で低下
2011-10-8 DJ 財経知識庫
台湾の液晶テレビ ODM ビジネスは、ノートパソコン ODM ビジネスに続いて台湾経済をけ
ん引する新たな原動力になるとの期待がかかっていたが、ここ 1 年で状況は大きく様変
わりしてきた。その背景となっているのが、世界経済の失速に伴う液晶テレビブランド
メーカーの生産戦略の見直しである。台湾当局のシンクタンクである資策会(MIC)アナ
リストの詹馥駿氏は、世界の ODM メーカーが受注競争にしのぎを削る一方で、液晶テレ
ビ市場の成長にははっきろとした陰りが見られ、製品技術の高度化が求められる中、2010
年に 84%まで到達した台湾の液晶テレビ ODM メーカーの外注生産シェアは低下に転じ、
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2011 年 10 月号
今後数年の低下トレンドののち、2016 年には 70%まで低下するとの見方を示した。
また、中国内地の地場系テレビメーカーの生産能力が急速に拡大していることも、台湾
の ODM メーカーの液晶テレビ外注生産シェアを低下させる要因となっている。液晶テレ
ビの ODM 生産能力を拡大しているのは 6 大ブランドメーカーにとどまらず、深圳、広州、
仏山、浙江、江蘇などで急成長している中堅の ODM 専門メーカーの積極的に生産拡張を
行っている。中でも、深圳に拠点を持つ康冠(KTC)、兆馳(MTC)は、低価格攻勢で相次
いで台湾 ODM メーカーのユーザーを奪っており、台湾メーカーの脅威となっている。康
冠は、400 万台の年産能力を持ち、主に TCL、海爾(Haier)、RCA、VIORE、Isymphony 等
に製品を供給している。兆馳も 400 万台を超える年産能力を有し、TT、海爾、海信
(Hisense)、東芝、Philips 等に製品を供給している。広州に拠点を持つ理想(RISUN)
も年産能力が 300 万台を超えており、主に海爾、MAG 等に製品を供給している。このほ
か、高飛(COBY)、康栄、恵浦(HPC)、康特爾(CONTEL)、彩虹(IRICO)、天楽、背力士、
博一格、新科なども年産能力は何れも 100-200 万台に達している。
資策会の予測によれば、2010 年の世界の液晶テレビ内製出荷量は 1.25 億台であるのに
対し、外注生産された液晶テレビ出荷量は 5341 万台、そのうち台湾メーカーの出荷量は
4493 万台で、外注生産された液晶テレビ出荷量全体の 84%を占めている。
しかし、世界の液晶テレビ市場の成長が鈍化する中、ODM メーカーの受注獲得競争はま
すます激化しており、液晶テレビ事業の粗利が低下し続けているとともに、ブランドメ
ーカーからの技術面での要求も高くなっていることから、資策会は 2011 年の世界の外注
生産される液晶テレビ出荷量は 6792 万台に増加、台湾の液晶テレビ ODM 出荷量も 5250
万台に増加するものの、台湾メーカーの世界外注生産シェアは 77%に低下すると予測し
ている。
また、2012 年から 2016 年についても、台湾の液晶テレビ ODM 出荷量の外注生産シェア
は徐々に低下していき、2016 年には世界の液晶テレビ外注生産規模が 1.22 億台に達し、
2010 年に比べ 130%増となるのに対し、台湾の液晶テレビ ODM 出荷量は 8600 万台余り、
2010 年に比べ 90%増にとどまり、世界外注生産シェアは 70%まで低下する可能性が高い
としている。
【液晶パネル】友達/奇美、国慶節商戦低調で 4Q も黒字転換は困難
DIGITIMES 7-10-2011
世界第 3 位の大型液晶パネルメーカーである友達(AUO)、同第 4 位の奇美(Chimei
Innolux)は、大型液晶パネルの価格下落と需要減退により、今年 7-9 月の損失がどちら
も 100 億 NTD(3 億 4200 万米ドル)を超える見通しを明らかにするとともに、10-12 月に
ついても黒字転換が難しいとの見通しを明らかにした。
そのうち、奇美は昨年 7-9 月から赤字決算が続いており、累積赤字が 550 億 NTD に達し
ている。友達も昨年 10-12 月から今年 4-6 月まで 3 四半期連続で赤字が続いており、同
期の累積赤字は 360 億 NTD に達している。
中国の今年の国慶節商戦の液晶テレビが前年並みにとどまったことから、液晶パネルメ
10
2011 年 10 月号
ーカーは早くも来年の春節商戦向け販売に力を入れているという。ただ、世界の液晶テ
レビ用パネルの出荷量は 3 ヶ月連続で前年を下回る状況が続いていること、世界市場の
20%を占める中国液晶テレビ市場が国慶節商戦で低調だったことからも、液晶パネルメー
カーの業績が今後短期間に急速に回復する状況は見込めない情勢となっている。
【液晶パネル】友達、3Q 売上高前年比 2 割減 中小型パネル出荷も低調
2011-10-9 友達光電
大型液晶パネル世界第 3 位の友達光電(AUO)は、今年 9 月の連結売上高が 329.15 億 NTD
で、8 月比 1.1%減、前年同期比 21.6%減となったこと、2011 年 7-9 月の連結売上高は 989.27
億 NTD で、今年 4-6 月比 0.9%増、前年同期比 20.5%の減少となったことを明らかにした。
また、9 月の大型液晶パネル出荷量は 988 万枚で 8 月に比べ 1.2%減、中小型液晶パネル
の出荷量は 8 月に比べ 5.4%増の 1871 万枚、7-9 月の大型液晶パネル出荷量は 2969 万枚
で 4-6 月比 0.2%増、前年同期比 3.6%増、7-9 月の中小型液晶パネル出荷量は 5204 万枚
で、4-6 月比 14.4%増、前年同期比 6.4%減だった。
【液晶パネル】中国内地 2 社 8.5G 量産開始 赤字の友達/奇美に圧力
台湾経済日報 2011.10.09
台湾のディスプレイ市場調査機関 WitsView 研究部主管の張小彪氏は、中国内地の京東方
(BOE)、TCL 華星光電(China Star)の第 8 世代液晶パネル生産ラインが来年初めに完
全に量産態勢に入ることから、中国内地の 6 大テレビメーカーが台湾メーカーからの液
晶パネル調達量が減少することは必至で、今年年初から赤字が続き黒字転換を目指す奇
美(Chimei Innolux)、友達(AUO)には大きな痛手となる可能性がある、奇美、友達は
収益を確保するため、大幅な減産を余儀なくされるとの見方を示した。
同氏によると、京東方の 8G 生産ラインは今年 10 月にテレビ用大型液晶パネルの量産を
開始、華星光電の 8.5G 生産ラインも来年 1-2 月にテレビ用大型液晶パネルの量産を開始
することが明らかになっており、中国政府も京東方及び華星光電を支援するため、テレ
ビ用液晶パネルの輸入関税を来年初めから引き上げていることを決めている。
WitsView は,中国内地のテレビ市場は世界の他地域に比べ堅調に推移しているものの、
中国内地のテレビ市場の世界シェアは 20%以下であることから、世界全体をけん引する
には力不足と指摘する。
また、台湾当局シンクタンクの資策会(MIC)は、世界市場の減速傾向は来年前半まで続
く見通しで、液晶パネルの生産過剰も来年前半まで大幅に改善することはないと分析し
ている。資策会は、今年の世界の液晶テレビ出荷量は約 1.94 億台で前年比 9.0%増、世
界の液晶モニタ出荷量は約 1.67 億台で前年比 2.9%増にとどまると予測している。
【液晶パネル】中華映管、9 月中小型パネル出荷量が前年比 42.8%増
DIGITIMES 7-10-2011
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2011 年 10 月号
中小型液晶パネル大手の中華映管(CPT)は、今年 9 月の連結売上高が中小型液晶パネル
の出荷量の大幅増加などにより 53.6 億 NTD で、前月比 3.6%増、前年比 9%減となったこ
とを明らかにした。そのうち、液晶パネル事業の売上高は 51.3 億 NTD で前月比 5.2%増、
前年比 2.7%減、大型液晶パネルの出荷量は 115 万枚で前月比 3.3%減、前年比 30.3%減、
中小型液晶パネルの出荷量は 5159 万枚で前月比 9.6%増、前年比 42.8%増としている。
なお、単体の 9 月の売上高は 49 億 NTD で、前月比 4.2%増、前年比 3.8%減となった。
【スマホ】宏達、3Q 売上高が前年比 80%増 ただ 2Q 比では目標未達
DIGITIMES 7-10-2011
スマートフォン大手の台湾の宏達(HTC)は、今年 7-9 月の売上高が 1358.2 億 NTD(44.3
億米ドル)で、4-6 月比 9.2%増、前年同期比 79.1%増、純利益は 186.4 億 NTD だったこと
を明らかにした。今年 1-9 月の累計売上高は 3643.8 億 NTD で、前年同期比 108.5%増、
純利益は 510 億 NTD で前年同期比 68.4%増だった。
7-9 月の売上高は四半期としては過去最高となったものの、世界経済の減速の影響を受
けて、同社が目標としていた 4-6 月比 10%増にはとどかなかった。同社は、10-12 月につ
いても、7-9 月同様、世界経済の減速の影響を受けるとの見通しを示している。
【ノート PC】広達、9 月のノート PC 出荷量が 8 月並みの 500 万台確保
2011-10-9 第五频道
ノートパソコン ODM 最大手の広達(Quanta)は、今年 9 月の連結売上高が 885.95 億 NTD
で前月比 4.8%減、昨年同期比 8.4%減、そのうちノートパソコン出荷量は 8 月の 500 万台
とほぼ同水準に達したことを明らかにした。1-9 月の累計連結売上高も 7854.21 億 NTD
で前年比 2.49%減となっている。
10 月については、ノートパソコン出荷量は 9 月を上回る見通しで、今年 3 月のインテル
のチップ不具合に伴う遅延出荷による出荷量急増(実績 570 万台)を除けば、今年最高
となるとしている。
【タブレット】アマゾン Kindle Fire 予約販売量、アップル iPad 販売量を超える
2011-10-7 新浪科技
米国の IT ポータルサイト CultofAndroid によると、アマゾン Kindle Fire の予約販売量
が 25.4 万台に達し、同期のアップル iPad の販売量を超えたことが明らかになった。ま
た、eDataSource によると、アマゾン Kindle Fire の発表初日の予約販売量は 9.5 万台
に達した。
アマゾンは、Kindle Fire と同時に、単価 80 米ドルの Kindle、単価 100 米ドルの Kindle
Touch も発表しており、業界関係者は、Kindle Fire が短期間に iPad を脅かす存在にな
ることはないが、アマゾンの超低価格戦略は大きな成功を収めていると評価している。
12
2011 年 10 月号
【PCB】台湾 PCB メーカーの今年 4Q 受注、3Q 比 15%減少となる見通し
DIGITIMES 7-10-2011
台湾のプリント配線基板(PCB)業界団体の集計によると、台湾の PCB メーカーの今年
10-12 月の総受注量が 7-9 月に比べ 15%以上減少する見通しとなった。
パソコン及びディスプレイの年末商戦需要が弱いためだが、業界ではこれまで成長をけ
ん引してきたスマートフォン市場にも減速傾向が出ていることに懸念を示している。既
にスマートフォン最大手のアップルが、欧米経済の減速を理由に、台湾の PCB メーカー
に対して今年 10-12 月の発注量を削減することを通知しており、アップル iPhone の PCB
サプライヤである華通(Compeq)、南亜(Nan Ya PCB)
、健鼎(Tripod)、欣興(Unimicron)
が業績の下方修正を迫られる見通し。アップル iPad の PCB サプライヤでもある華通、健
鼎については、影響はより大きくなると見られており、PCB 業界で欧米経済の減速に対
する懸念がこれまで以上に高まっている。
【半導体】聯発、9 月売上高前月比 5%減、昨年同期比では 20%減
2011-10-8 鉅亨網
携帯電話 IC チップ大手の聯発科技(Mediatek)は 7 日、今年 9 月の連結売上高が 79.26
億 NTD で 8 月比 4.6%減、昨年同期比 19.57%減となったことを明らかにした。一方、7-9
月の連結売上高は 233.75 億 NTD で 4-6 月比 11.4%増となり、当初予想 5-10%増を上回っ
た。ただ、今年年初から 9 月末までの累計連結売上高は 641.9 億 NTD で昨年同期比 29.28%
減となっている。
聯発科技の 9 月の売上高は 8 月を下回ったものの、比較的安定を維持しており、7-9 月
は携帯電話チップの出荷増、聯想のスマートフォン A60 チップの出荷などにより、当初
予想を上回る実績となった。
10-12 月については、雷凌科技(Ralink)が傘下に入ったことから、売上高が 7-9 月を
上回ることは確実だが、市場が注目している聯発科技の 6573 チップの出荷が好調で、中
国内地の携帯電話メーカーからの採用が続いていることから、7-9 月比増加率を押し上
げることになるとしている。
【バッテリ】パナソニック、7.2 億米ドル投じて蘇州にリチウム電池工場建設
維庫電子市場網 2011-10-9
日本のパナソニックは、中国蘇州市に 2012 年に 550 億円(約 7.2 億米ドル)を投じてリ
チウム電池工場を建設、今後 3-4 年で中国内地での生産比率を現在の 10-20%から 50%前
後に引き上げることを明らかにした。また、中国現地での部品・原材料の調達を増やし、
生産コストを現在比 30%前後引き下げ、三星電子などの韓国メーカーに対抗できる競争
力をつけるとしている。
一方、ハイブリッド自動車に使われる高性能リチウム電池の生産については、技術流失
を防止するため、日本国内生産を継続するとしている。
13
2011 年 10 月号
784 号 10 月 12 日
【ノート PC】緯創、9 月ノート PC 出荷量が単月過去最高の 320 万台達成
2011-10-10 精実新聞
ノートパソコン ODM 世界第 3 位の緯創(Wistron)は、今年 9 月のノートパソコン出荷量
が、HP の受注が戻ってきた恩恵を受けて、単月としては過去最高の 320 万台、前月比 28%
増となったことを明らかにした。
ノートパソコン出荷量が前月比 28%増となったことから、売上高も前月比 22.4%増の
633.22 億 NTD 元に達し、単月過去最高を記録した。7-9 月のノートパソコン出荷量も 810
万台で、4-6 月比 8.7%増、当初予想の 5%を上回った。7-9 月の連結売上高も 1666.2 億
NTD に達し、4-6 月比 5%増となった。
市場は、緯創の 10 月のノートパソコン出荷量及び連結売上高がどちらも好調だった 9
月の実績をさらに上回る可能性があり、1-9 月のノートパソコン出荷量が既に 2215 万台
に達したことから、通年のノートパソコン出荷量は 3025-3065 万台に達し、当初目標の
3000 万台を達成できると予想している。
また、9 月の液晶テレビ、デスクトップ PC、液晶モニタの出荷量は、何れも 8 月を上回
り、それぞれ 80 万台、100 万台、100 万台に達した。一方、携帯電話及びサーバの出荷
量は前月並みの 80 万台、15 万台にとどまった。
【ノート PC】華碩、アップルへの対抗姿勢鮮明 超薄型 Zenbook を投入
台湾経済日報 2011.10.11
ノートパソコン大手の華碩(ASUS)は 12 日、正式に超薄型 Ultrabook 製品 Zenbook を発
表、アップル Macbook Air(MBA)に対する対抗姿勢を鮮明にした。宏碁の 9 月末の Aspire
S3 に続く Ultrabook の発表で、Wintel(Intel と Windows)パソコン陣営の反転攻勢が
続いている。
Zenbook は華碩が 6 月の台北国際パソコンショーで発表した際には UX21 とネーミングさ
れていたが、今回 Ultrabook 事業を独立した事業にアップグレードするとともに、ネー
ミングも Zenbook に変更している。価格についても、最低価格をアップル製品比 200 米
ドル低い 800 米ドルとすることを決めている。
【タッチパネル】宸鴻、3Q 売上高が予想大幅に上回る 2Q 比 23%増達成
台北時報 2011-10-6
アップルの主力サプライヤで静電容量式タッチパネル最大手である宸鴻(TPK)は、今年
9 月の売上高が 170.6 億 NTD(5 億 5700 万米ドル)で、前月比 53.7%増、前年同月比 2 倍以
上となったこと、今年 7-9 月の売上高が当初予想を大幅に上回る 4-6 月比 23%増の 400.5
億 NTD となったことを明らかにした。
14
2011 年 10 月号
宸鴻は当初、アップルを含む主要ユーザーが新製品投入を前に発注に慎重になっている
として、今年 7-9 月の売上高が 4-6 月比 3-5%減となるとしていたが、市場予想の 4-6 月
比 5-10%をはるかに上回る実績となった。
9 月の業績が当初予想を大幅に上回ったことから、宸鴻の財務担当役員の Freddie Liu(劉
詩亮)氏は、10-12 月の業績についても当初見通しを上方修正することを明らかにした。
董事長の David Sun(孫大明)氏も、子会社となった達鴻先進(Cando)の株主総会の席上、
10-12 月業績が 7-9 月を下回ることはない、またユーザーがアップルだけでなく、中国
内地、日本、韓国ユーザーも獲得してきたことが下振れリスクを小さくしているとコメ
ントしている。
一方、宸鴻に次ぐアップル静電容量式タッチパネルサプライヤである勝華(Wintek)は、
従来型中小型液晶パネル事業の売上高大幅減により、9 月の売上高が前月比 18.38%減の
73.6 億 NTD となった。
【タッチパネル】莱宝、17 億元を調達 静電容量式タッチパネルの生産拡張
2011-10-11 騰訊科技
中国内地最大の静電容量式タッチパネルメーカーで同業最大手の宸鴻(TPK)の OEM パー
トナーでもある莱宝高科技(Laibao)は、17 億元の資金調達を行い、静電容量式タッチ
パネルの生産能力を拡張するとともに、新型ディスプレイ開発センターを建設すること
を明らかにした。また、1.5 億元の自己資金を投じて重慶市両江新区に 100%出資の重慶
莱宝科技有限公司を設立したことも明らかにした。
静電容量式タッチパネルの生産拡張については、14.5 億元を投じる計画で、年産 3300
万枚(3.5 インチ換算)の小型タッチパネル生産ライン及び年産 1100 万枚の中型タッチ
パネル(4.3-12 インチ)生産ラインを建設する計画。完成すれば、小型タッチパネル生
産ラインは年間売上高 8.8 億元、中型タッチパネル生産ラインは年間売上高 12.2 億元を
見込んでいる。
新型ディスプレイ開発センターについては、2.5 億元を投じて有機 EL パネルの試験生産
ラインを建設、低温ポリシリコン(LTPS)TFT アレイ駆動基板の開発、酸化物半導体 TFT
アレイ駆動基板の開発、広視野角ディスプレイの開発などを行う計画。
莱宝高科技は深圳市に本社を置き、主に ITO 導電ガラス、カラーフィルタ、液晶パネル、
静電容量式タッチパネルを生産しており、昨年の売上高は 11 億元、純利益は 4.5 億元だ
が、上記の事業全てが完成すれば、年間売上高は 30 億元を超える。
【EMS】鴻海、9 月売上高が前月比 3.4%増 家電関連売上高がけん引
DIGITIMES 11-10-2011
EMS 世界最大手の鴻海(Foxconn)は、今年 9 月の単体売上高が 2217.8 億 NTD(74.5 億米
ドル)で、前月比 3.43%増、前年同月比 12.50%減だったことを明らかにした。
パソコン及び携帯電話関連の売上高は前月並みだったが、液晶テレビ/ゲーム機/デジタ
ルカメラ関連の売上高が前月を上回ったとしている。iPhone 4S が発売されたことにつ
15
2011 年 10 月号
いては、10-12 月の業績を押し上げる効果が期待できるとしている。
【太陽電池】茂迪/中美晶、9 月売上高前月下回り再び悪化に転じる
2011-10-10 台湾工商時報
台湾のソーラー関連企業の 9 月業績が発表され、茂迪(Motech)、中美晶(SAS)の売上
高がどちらも前月比 2 桁減となるなど、再び悪化している。茂迪総経理の張秉衡氏は、
太陽電池産業の 10-12 月の市況に言及して、7-9 月に比べ悪化することはほぼ確実な情
勢、来年前半についても太陽電池価格の下降傾向は続く見通しで予断を許さない状況と
している。
【LED】内蒙古徳能、3 億元投じてソーラー LED 電灯生産基地を建設
2011 年 10 月 10 日半導体照明網
中国内蒙古自治区の徳能太陽能科技有限公司は、内蒙古自治区通遼市ホルチン区に総投
資額 3 億元の太陽光発電式 LED 電灯生産基地の建設を開始した。
第 1 期の投資額は 6000 万元、年産 3 万個のソーラー式 LED 電灯生産ラインを建設する。
2012 年 3 月完成、稼働予定。第 2 期の投資額は 2.4 億元、太陽エネルギー、水素エネル
ギー、風力エネルギー発電設備生産基地を建設、2013 年 3 月に着工予定。第 1 期は稼働
後 3 年で年間生産高が 5 億元を超える見通し。
【PCB】アマゾン Kindle Fire 好発進、台湾 HDI メーカーの業績押し上げる
2011-10-05 台湾 TPCA
アマゾンのタブレット型パソコン Kindle Fire が発表初日に 9.5 万台の予約販売を達成
し好発進したことから、台湾の華通(Compeq)、耀華(Unitech)、金像(Gold Circuit)、欣
興(Unimicron)、健鼎(Tripod)等のビルドアップ基板(HDI)メーカーの好業績が期待
されている。
HDI メーカーによると、今年 10-12 月はスマートフォン/タブレット PC ブランドメーカ
ーが相次いで新製品を投入することから、HDI の需要は好調が続く見通しで、プリント
基板市場の中では突出した存在となっているとしている。
【半導体】世界 2 大半導体ファウンドリ、ともに 9 月売上高が前月下回る
台湾経済日報 2011.10.10
世界の 2 大半導体ファウンドリ、台積電(TSMC)、聯電(UMC)の今年 9 月の売上高がど
ちらも前月を下回ったことから、10-12 月についても台湾ドル安というプラス要因はあ
るものの、減速する欧米経済の影響を受けて低調に推移する可能性が出てきた。
市場は台積電の今月 28 日に開催される投資家向け説明会で董事長・張忠謀氏が来年の設
備投資についてどのような発言をするかに注目しており、特に同氏がこれまでの 7-9 月
16
2011 年 10 月号
で在庫は一掃され、10-12 月は稼働率が上昇するという見通しをどう修正してくるかに
注目している。
台積電の今年 9 月の連結売上高は 334.06 億 NTD で、前月比 11.3%減、聯電の 9 月の連結
売上高は 81.77 億 NTD で、前月比 0.3%減。市場は、台湾ドルが下落する中で台積電の 9
月売上高が 8 月比 11.3%減となったことに注目しており、台湾ドル安要因を除けば、台
積電の 9 月売上高は 8 月比 15%近い減少となった、9 月としては稀に見る大幅な落ち込み
になったと見ている。
【CCL】業績好調は HDI メーカーのみ 銅箔メーカーは価格下落に苦しむ
2011-10-10 聯合晩報
アマゾン Kindle Fire の好発進を受けて、台湾の華通(Compeq)、耀華(Unitech)、金像(Gold
Circuit)、欣興(Unimicron)、健鼎(Tripod)といったビルドアップ(HDI)基板メーカ
ーが業績を伸ばす中、台湾の大手銅箔メーカーである金居(Co-Tech)は、国際銅価格の下
落の影響で 10 月の出荷価格が 3-4%下落すると同時に、プリント基板全体の需要も伸び
悩む中、10 月の売上高が 9 月を下回る可能性も出ている。
【バッテリ】三菱化学、常熟市に年産 1 万トンのリチウム電池電解液工場
中国化工網 2011-10-10
日本の三菱化学は、2012 年 2 月に中国常熟市にリチウムイオン二次電池(LiB)電解液を
生産する企業を設立し、25 億円(約 3300 万米ドル)を投じて年産 1 万トンの工場を建設
することを明らかにした。
三菱化学は日本、英国、米国にリチウムイオン電池電解液工場を有しており、中国工場
は 4 つ目のリチウムイオン電池電解液工場になる。
【電源】台達電子、9 月売上高は前月比 4%減 3Q 売上高 2Q 比 3%増
DIGITIMES 11-10-2011
AC アダプタ世界最大手の台達電子(Delta Electronics)は、今年 9 月の連結売上高が
前月比 4.14%減、前年同月比 11.41%減の 147 億 NTD(4.95 億米ドル)となったことを明ら
かにした。
7-9 月の連結売上高については 4-6 月比 2.91%増の 445 億 NTD、1-9 月の連結売上高が前
年同期比 2.45%増の 1285 億 NTD となっている。
【リレー】オムロン、中国スマートメーター関連部品メーカー 100%買収で契約調印
継電器 2011-10-11
日本のオムロンの中国法人、オムロン(中国)有限公司は 8 日、中国内地最大のパワーラ
ッチングリレーメーカーである上海貝斯特電器制造有限公司と、オムロン(中国)有限
17
2011 年 10 月号
公司が上海貝斯特電器制造有限公司の 100%持分を取得することで正式に契約に調印し
た。
スマートグリッド市場が今後急速に成長することから、電力網と住宅をつなぐ核心機器
となるスマートメーター需要の急拡大が見込まれており、パワーラッチングリレーがそ
のスマートメーターの負荷切り換えに不可欠の部品であることから需要の拡大が期待さ
れている。
中国国内のスマートメーター市場は依然導入段階にあるものの、今後中国政府の梃入れ
により需要が急拡大してくる見通し。また、世界市場も今後年平均 65%(数量ベース)
で成長し、2015 年には市場規模は 150-200 億円に達すると見られている。
オムロンは、上海貝斯特電器制造有限公司の完全買収により、2015 年にはパワーラッチ
ングリレー事業の年間売上高が 50 億円に達するとしている。
785 号 10 月 14 日
【パソコン】聯想、2 社買収効果で世界シェア 2 位に、華碩も 5 位に躍進
2011-10-13 精実新聞
大手 IT 市場調査機関 Gartner が 12 日発表した 2011 年 7-9 月パソコン市場速報によると、
世界第 3 位のパソコンメーカーである中国の聯想(Lenovo)が、日本の NEC、ドイツの
Medion AG 買収効果により、7-9 月の出荷量が前年同期比 25.2%増となり、世界出荷量シ
ェアが 13.5%に達し、同期の世界出荷量が同 1.4%減だった米国 DELL を抜いて、初めて世
界シェア第 2 位となったことを明らかにした。台湾の華碩(ASUS)も、中国内地で出荷量
が大幅に増加したことから、7-9 月の出荷量が前年同期比 18.5%増、世界出荷量シェアが
6.2%に達し、順位が 5 位に躍進したことを明らかにした。
なお、全てのブランドの 2011 年 7-9 月のパソコン出荷量は前年同期比 3.2%増の 9178.7
万台にとどまり、Gartner の当初予想 5.1%増を下回り、世界需要減退が予想以上に進ん
でいることを示した。
Gartner アナリストの Mikako Kitagawa 氏は、今回の結果は欧米の成熟市場の入学商戦
が低調だったことが響いている、消費者のパソコンから iPad、スマートフォンへのシフ
トも影響していると分析している。
主要ブランドの今年 7-9 月のパソコン出荷量及びシェアは下表の通り。
ブランド
出荷量(千台)
シェア(%)
出荷量前年同期比(%)
HP
16232
17.7
5.3
聯想
12352
13.5
25.2
DELL
10676
11.6
-1.4
宏碁
9687
10.6
-23.2
華碩
5693
6.2
18.5
その他
37147
40.5
4.9
合計
91787
100.0
3.2
18
2011 年 10 月号
【ノート PC】仁宝、クリスマス商戦効果見られず 4Q は 3Q 比横ばいと予想
台湾経済日報 2011.10.12
ノートパソコン ODM 大手、仁宝(Compal)は、今年 7-9 月のノートパソコン出荷量が 990
万台で目標の 1000 万台に届かず、過去 9 四半期で最低水準となったことを明らかにした。
10-12 月についても、クリスマス商戦の効果が見られず、出荷量は 7-9 月とほぼ同水準
にとどまるとの見通しを示した。また、Ultrabook については、インテルの新型 CPU が
発表される来年 1-3 月以降本格的出荷を始める意向を明らかにした。
同社の今年 9 月業績は、連結売上高が 542.92 億 NTD で前月比 1.41%減、前年同月比 32%
減、1-9 月の連結売上高は 4984.4 億 NTD で前年同期比 23%減だった。
ノートパソコン ODM 大手各社の 9 月の売上高は、最大手の広達(Quanta)が前月比 5%減、
2 位の仁宝が横ばいだったのに対し、3 位、4 位の緯創(Wistron)、英業達(Inventec)
が前月比増を確保した。
【液晶パネル】彩晶、自社ブランド製品出荷増で 9 月売上高が前月比増
DIGITIMES 11-10-2011
大型液晶パネル世界第 3 位、第 4 位の友達(AUO)、奇美(Chimei Innolux)の 9 月売上
高が前月を下回る中、同業の彩晶(Hannstar Display)は 9 月の売上高が前月比 10.6%
増の 35.6 億 NTD に達したことを明らかにした。
彩晶は、他社が軒並み業績を悪化させる中で売上高を伸ばしたことについて、自社ブラ
ンドの大型液晶パネル製品の出荷量が前月比 37.1%増の 36 万枚に達したためとしている。
一方、中小型液晶パネルの出荷量は前月比 3.5%減の 4066 万枚にとどまった。
【液晶パネル】三星、蘇州 7.5G パネル工場を 8.5G パネル工場に格上げ
DIGITIMES 13-10-2011
大型液晶パネル世界最大手の三星電子(Samsung)は、中国国内市場で 48 インチ液晶テ
レビの販売が好調であることから、現在建設中の中国蘇州市の 7.5 世代液晶パネル生産
ラインを 8.5 世代に格上げすることを韓国知識経済省に申請したことが明らかになった。
認可されれば、現在進行中の中国地場の京東方(BOE)、華星(China Star)、台湾の友達
(AUO)、韓国の LG Display の中国内地での液晶パネル生産ラインとともに、中国国内で
進められる高世界の液晶パネル生産ライン全てが 8.5 世代生産ラインになることになる。
【スマホ】TCL、9 月のスマートフォン出荷量前月比 38%増の 19.8 万台達成
2011-10-12 中国証券報
中国内地の大手 IT 機器メーカー、TCL 集団は、今年 9 月の携帯電話出荷量が 379 万台で
前年同月比 5.61%増、そのうちスマートフォンの出荷量が前月比 38%増の 19.8 万台に達
し、過去最高となったことを明らかにした。また、今年 1-9 月のスマートフォン出荷量
19
2011 年 10 月号
は 65.3 万台に達した。
一方、液晶テレビの販売台数は昨年同期比 34.1%増の 131.9 万台、そのうち LED 液晶テ
レビが 62.3 万台で前年同月比 234.9%増、液晶テレビ販売量全体に占める比率も 47.2%
に上昇した。また、3D 液晶テレビの販売量比率が 10.7%に上昇した。
【バッテリ】アップル、iPad 2 用バッテリパックの一部を新普から順達に転注
DIGITIMES 12-10-2011
アップルは、ノートパソコン用バッテリ大手の新普(Simplo)が製造した iPad 2 用リチ
ウムポリマーバッテリパックで不具合が発生したことから、9 月後半から発注の一部を
同業大手の順達(Dynapack)に転注したことが明らかになった。
新普はこれまで長年アップルの主力サプライヤとして iPad シリーズのほか、MacBook Air、
MacBook Pro 等の MacBook シリーズのバッテリを供給してきた経緯があることから、iPad
2 が世界的にヒットし、iPad 2 のバッテリモジュールの月間出荷量が 500 万ユニットに
達する中、新普がそのうちの 60%、順達が同 40%を供給している。ただ、今回の不具合発
生で、新普と順達の受注比率が逆転した可能性が指摘されている。
【PCB】欣興、12 億米ドルを投じて重慶/南通に大規模生産基地建設
中国 PCB 技術網 2011-10-11
世界第 2 位のプリント基板(PCB)大手の台湾欣興電子(Unimicron)は、総額 12 億米ド
ルを投じて中国重慶市、江蘇省南通市に大規模な生産基地を建設することを明らかにし
た。
瀚宇博徳(Hannstar Board)/精成科技(GBM)、志超(TPT)がそれぞれ既に重慶市永川
区、四川省遂寧市に進出しているが、欣興は重慶の両江新区に進出、8 億米ドルを投じ
てハイエンドのプリント基板工場を建設する。
また、江蘇省南通市には 4 億米ドルを投じて R&D センターと 5 つの工場を建設、プリン
ト基板のほか、計器用新型モジュール及び材料を生産する。
【PCB】精成科技、ユーザーの争奪戦激化で 9 月売上高前月比 13%減
2011-10-12 精実新聞
ノートパソコン用プリント基板最大手の瀚宇博徳(Hannstar Board)傘下の PCB アッセ
ンブリ企業である精成科技(GBM)は、今年 9 月の連結売上高が前月比 13.22%減の 27.2 億
NTD だったことから、今年 7-9 月の連結売上高が当初予想を下回る 86.77 億 NTD、4-6 月
比 7.34%減となったことを明らかにした。
需要の弱さとともに、一部ユーザーを同業他社に奪われたことが響いたとしている。1
月からの累計連結売上高は 276.35 億 NTD で前年同期比 4.71%増を維持している。
20
2011 年 10 月号
【半導体】台積電の稼働率、本格回復は来年 2Q 以降になる見通し
2011-10-12 台湾経済日報
証券大手のバークレイズキャピタルアジアパシフィック地区半導体チーフアナリストの
陸行之氏は 11 日、世界最大の半導体ファウンドリである台積電(TSMC)に関する研究レ
ポートを発表し、台積電の設備利用率が本格的に回復するのは来年 4-6 月以降になると
の見方を明らかにした。
同氏は、台積電の今年 7-9 月の売上高は当初予想を上回ったものの、設備利用率は依然
低水準にあること、また世界の電子機器需要に陰りが見られることから、今年 10-12 月
の業績回復は期待できないとしている。
【PCB】台湾上場 PCB メーカー今年 8 月売上高一覧
台湾 TPCA
21
2011 年 10 月号
【ガラス】台湾ガラスファイバメーカー、9 月売上高が前月比 10%以上の減少
11-10-2011 Digitimes
台湾の大手プリント基板用ガラスファイバメーカー、富喬工業(Fulltech)、徳宏工業
(Glotech)、建栄工業(Baotek)は、今年 9 月の売上高が 3 社とも前月比 10%以上の減
少となったことを明らかにした。
そのうち、富喬工業の 9 月の売上高は前月比 14.9%減の 3.29 億 NTD(1080 万米ドル)、前
年同月比でも 8.7%の減となった。同社は、スマートフォン及びタブレット PC の需要は
拡大しているものの、それ以上にパソコン及び液晶テレビの出荷減が響いたと説明して
いる。10-12 月は需要拡大が見込める極薄ガラスファイバの製造販売に注力するとして
いる。一方、徳宏工業、建栄工業の 9 月の売上高はそれぞれ 1.94 億 NTD、0.64 億 NTD
で、どちらも前月比 20%以上減少した。
786 号 10 月 17 日
【ノート PC】ノート PC ブランドメーカー、4Q の ODM 発注量を 5-10%削減
DIGITIMES 14-10-2011
アップル及び聯想(Lenovo)を除くほぼ全てのノート PC の大手ブランドメーカーが今年
10-12 月の ODM 発注量を当初比 5-10%削減、今年 10-12 月のノートパソコン ODM 出荷量は
22
2011 年 10 月号
7-9 月比 6%増にとどまる見通しとなってきた。今年 7-9 月にノートパソコン ODM 出荷量
は 4-6 月比 20%以上の増加をなっていたので、加速後に急ブレーキがかかるという様相
を呈している。
ノートパソコン ODM 最大手の広達(Quanta)は、今年 8 月に 500 万台、9 月も約 500 万
台を出荷していたが、10 月は 500 万台を割り込む可能性が高まったとしている。一方、
同 2 位の仁宝(Compal)は、9 月の出荷量が前月比 6.3%増の 340 万台にとどまったこと
から、10 月は横ばい以上を予想しているという。
ほぼ全てのノート PC ブランドメーカーが 10-12 月の ODM 発注量を削減する中、アップル
は MacBook Air 及び iMac の出荷量が堅調に推移していることから、同機種の ODM 発注量
を削減しておらず、10-11 月も月間 200 万台を超える数量を発注すると見られている。
【ノート PC】台湾 4Q ノート PC 出荷量、世界経済の影響受け 3Q 比減少か
DIGITIMES Research 14-10-2011
台湾の IT 市場調査機関 Digitimes のシニアアナリストの Joanne Chien 氏は、これまで
のタブレット PC 急成長による打撃に世界経済の失速が加わったことにより、ノートパソ
コン市場は大きな影響を受けることはほぼ確実な情勢で、台湾の今年 10-12 月のノート
パソコン出荷量が 7-9 月に比べ 1.3%減、世界の同期ノートパソコン出荷量は同 4.8%減の
4938 万台に落ち込むとの見方を明らかにした。
また、ノートパソコンの大手ブランドメーカーでは、出荷量シェア 2 位の聯想(Lenovo)
が 10-12 月のノートパソコン出荷量が 7-9 月を上回る可能性があり、パソコン事業の分
離問題で出荷量が減少している最大手の HP との差が縮まり、従来型ノートパソコン市場
では出荷量が首位になるチャンスもあると予想している。
このほか、HP がフレクトロニクスに発注していたノートパソコンを台湾のノートパソコ
ン ODM メーカーに戻すことから、台湾のノートパソコン出荷量シェアが再び 90%を超え
る見通しであるものの、今年通年の台湾のノートパソコン出荷量は前年を下回る可能性
があるとしている。
ノートパソコン ODM 大手メーカーのうち、今年 10-12 月の出荷量が 7-9 月を上回るのは、
業界 3 位の緯創(Wistron)がフレクトロニクスのノートパソコン ODM からの撤退で 7-9
月比 6%増、業界最大手の広達(Quanta)は同 4%増、業界 5 位の鴻海(Foxconn)は HP、
東芝、聯想からの受注増で 3%増の 3 社のみと見られている。
【スマホ】アップル、大反響受けてサプライヤに iPhone 4S500 万台追加発注
2011-10-15 PCB 網城
アップルは、ジョブス氏の死去という要因もあって iPhone4S に予約注文が殺到、予約受
付初日だけで予約台数が 100 万台に達したことから、アッセンブリサプライヤに 500 万
台の追加発注をしたことが明らかになった。
アップルは既にアッセンブリサプライヤに 1000 万台の iPhone4S を発注していることか
ら、合計 1500 万台を発注したことになる。
23
2011 年 10 月号
【携帯電話】聯発、モトローラからスマートフォンチップ受注 華為も採用予定
2011-10-15 台湾工商時報
携帯電話用チップ大手の聯発科技(Mediatek)は、モトローラの複数の WCDMA スマート
フォンで聯発科技の MT6573 チップが採用されたこと、また携帯電話大手の中国華為
(Huawei)も来年初めに聯発科技の MT6573 チップを採用する見通しであることを明らか
にした。
モトローラが聯発科技に発注した MT6573 の具体的数量は不明だが、聯想(Lenovo)が
A60 製品で月間 50-100 万個を発注したのちに A60 の販売が好調であることから発注量を
月間 200-300 万個に増やした経緯があることから、百万単位で発注していることが予想
されている。聯発科技が昨年モトローラに供給した 2G 携帯電話チップは年間 1000 万個
に上ることから、WCDMA スマートフォンチップでも同水準の数量が期待できると見られ
ている。
また、聯発科技が中国華為からもチップを受注できれば、既に聯想、中興(ZTE)、Oppo、
金立(Gionee)からチップを受注し供給を開始していることから、2012 年下半期には中
国の 5 大携帯電話メーカーである華為、中興、酷派、TCL、聯想全てが聯発科技の WCDMA
スマートフォン用チップを採用することになる。同 5 大携帯電話メーカーの中国国内ス
マートフォン出荷量シェアは 60%を超えている。
【有機 EL】友達、有機 EL 事業再開 来年からスマホ用有機 EL 量産開始
DIGITIMES 14-10-2011
大型液晶パネル世界第 3 位の友達光電(AUO)は、有機 EL パネルのサンプルをスマート
フォンのブランドメーカー及び ODM メーカーに送付し、認証を取得できれば、来年から
量産を開始することを明らかにした。
友達光電は 2001 年に三星電子向けで有機 EL パネルの開発に着手、2002 年には技術的に
有機 EL パネルを生産する能力を持っていたが、当時は有機 EL の応用領域が小型パネル
に限定されていたため、有機 EL 事業から一時撤退、その後、技術進歩に伴って有機 EL
パネルの中大型化が可能になってきたことから、有機 EL パネル事業を再開することを決
めた模様。
ただし、友達光電が有機 EL パネル事業を再開する上で、今後幾つか越えなければならな
い壁があるという。パテントで圧倒的優位性にある三星電子が圧倒的世界シェアを有し
ていること、台湾域内に有機 EL の部品・原材料のサプライチェーンが発達していないこ
と、既に相当数の中国内地メーカーが既に有機 EL 事業に参入し先行していることなどで
ある。
このうち、中国内地メーカーの有機 EL 事業については、大型液晶パネルメーカーである
京東方(BOE)が中国政府の後押しを受けて既に 4.5 世代及び 5.5 世代ラインで有機 EL
パネルの生産を開始しているほか、中国の大手テレビメーカーである長虹(Changhong)
傘下の四川虹視(Sichuan CC0 Display Technology)が 4.5 世代ラインで、中国清華大
24
2011 年 10 月号
学傘下の維信諾(Visionox)は 2.5 世代及び 4.5 世代ラインで、中国最大の中小型液晶
パネルメーカーである天馬微電子(Tianma)傘下の厦門天馬(Xiamen Tianma)は 5.5
世代ライン、中国最大のガラス基板メーカーである彩虹(Irico)は 2 つの 4.5 世代ライ
ンで有機 EL パネルの生産を開始している。
【PCB】景旺電子、15 億元を投じ江西省吉水県に PCB 新工場を建設
PCB 信息網 2011-10-14
液晶パネル用フレキ基板及びハイエンドリジッド・フレキ基板
を生産する景旺電子(深圳)有限公司は、生産能力拡張のため、
江西省吉水県に新工場を建設することを明らかにした。
総投資額は 15 億元。年産能力は 150 万平方メートル、稼働後の年間生産高は 10-15 億元
を見込んでいる。景旺電子:www.kinwong.com/
【PCB】南亜、インテル CPU 基板受注減で 4Q 売上高 3Q 比 10%減予想
2011-10-14 鉅亨網
クレディリヨネ証券の最新レポートによると、プリント基板大手の南亜電路板(Nan Ya)
の今年 7-9 月の売上高は予想通りの 4-6 月比 15%増となり、CPU 基板の歩留まりが安定し
てきたこともあって粗利率が改善してきたものの、10-12 月については、インテル CPU
基板を巡る日系メーカーとの競争が激しくなることが予想され、7-9 月比 5-10%減となる
との見通し。
【半導体】台湾当局シンクタンク、今年の世界半導体市場成長 4.2%確保
2011-10-14 国際電子商情
台湾当局系シンクタンクである資策会産業情報研究所(MIC)は、日本の 311 大震災の影響、
欧米ソブリン危機に伴って需要期効果が薄れていることなどから、今年の世界の半導体
市場の成長が大幅に減速しており、マクロ経済要因に伴う減速傾向は来年上半期まで続
くとの見方を示す一方で、スマートフォン及びタブレット PC の成長により、今年の世界
の半導体市場は 4.2%の成長は確保、来年の成長率も 4.1%に達するとの見方も示した。
また、台湾の半導体産業全般については、台湾ドル高が響いて今年の生産額は前年比
6.2%減の 1.52 兆 NTD にとどまるとしている。
そのうち、設計産業については、台湾企業がスマートフォン・タブレット PC 用 IC 新製
品の開発力が相対的に脆弱であることから、スマートフォン・タブレット PC 市場の急成
長の恩恵を必ずしも十分に受けていないとして、今年の IC 設計産業の生産額は 4106 億
NTD、前年比 7.4%減になると予測している。
ファウンドリ産業については、日本の震災、ソブリン危機の影響は受けたものの、ユー
ザーのビルドアップ比率の上昇により、今年の生産額は前年並みもしくは小幅成長し、
5439 億 NTD に達するとしている。
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2011 年 10 月号
メモリ産業については DRAM 価格の下落による損失の拡大、減産や業態転換等が影響して
生産額が大幅に減少、実装検査産業については前年比 4.6%増の 3679 億 NTD の生産額を
予想しているという。
来年の見通しについては、資策会 MIC は、台湾の半導体産業は、メモリ産業を除いて、
プラス成長が期待できるが、欧米のソブリン危機の先行きが依然不透明であることから、
全体としては 2.7%の成長、生産額は 1.56 兆 NTD と予想している。
【PCB】年商 100 億 NTD 以上台湾上場 PCB メーカーの売上高推移
台湾 TPCA
【CCL】広東生益、三菱ガス化学と OEM 生産含む提携で正式契約調印
広東生益 2011-10-14
中国内地最大の銅箔張り積層板(CCL)メーカーである広東生益(Shengyi)は 9 日、三
菱ガス化学と OEM 生産等で提携することで正式に契約を調印したことを明らかにした。
【銅箔】金居、銅箔月産量を 30-40%削減 受注は 5 月から大幅減少
DIGITIMES 14-10-2011
台湾の電子基板用銅箔メーカーは、受注がここ数ヶ月低水準で推移していることから、
生産量をリーマンショック後に匹敵する 30-40%ほど縮小していることが明らかになっ
てきた。
台湾の大手電子基板用銅箔メーカーである金居国際(Co-Tech)董事長の Chen Chung
Hsiung 氏は、受注が今年 5 月から大幅に減少したため、同月から銅箔の月産量を 30%カ
ット、1100 トンにしていることを明らかにした。同社の今年 5 月の銅箔出荷量は 1000
26
2011 年 10 月号
トンにとどまり、前月までの 1200-1400 トン水準から大幅に減少したという。これに対
し、同社が現在保有する月産能力は 1500-1600 トン。
金居(Co-Tech)は 2008 年のリーマンショック時に受注が 50%以上落ち込んだことから
大幅な生産削減を行っているが、今回の生産削減はリーマンショック時ほど削減幅は大
きくないものの、回復に要する時間はリーマンショックよりも長くなるとの見方を示し
ている。
787 号 10 月 19 日
【携帯電話】展訊通信、今年は世界 5 大携帯電話チップメーカーにランクイン
2011 年 10 月 17 日半導体制造
中国地場の大手携帯電話チップメーカーである展訊通信(Spreadtrum)営業副総裁であ
る康一氏は、2011 展訊 TD ユーザー大会及び携帯電話産業経営者フォーラムの席上、40
ナノ製造技術 SC8800G シリーズチップの出荷量が 1000 万個を超えたことを明らかにする
とともに、40 ナノ製造技術の導入により、展訊通信の市場シェアは大幅に上昇しており、
TD-SCDMA 市場の急成長と GSM 市場の安定成長により、展訊通信は今年通年で世界 5 大携
帯電話チップメーカーにランクされる見通しを明らかにした。
iSuppli 中国研究部長の王陽氏は、展訊通信は TD 端末市場で 55%のシェアを有するとと
もに、GSM 市場でも出荷量が 1 億枚を突破している、台湾の聯発科技(Mediatek)に次
ぐ携帯電話チップメーカーに急成長している、2008 年には 8%だった展訊通信の GSM 市場
シェアは今年 27%に達していると指摘している。
【タブレット】友達、近くアップル iPad mini の 7.85 インチ液晶パネル受注
2011-10-18 台湾経済日報
アップルがアマゾンの Kindle Fire への対抗機種として 7.85 インチの iPad mini を開発
していることが明らかになり、その 7.85 インチ液晶パネルを大型液晶パネル世界第 3
位の友達光電(AUO)が受注する見込みで、既にサンプルをアップルに送付し認証取得手
続きに入ったことが明らかになった。また、同業世界第 2 位の LG Display も同液晶パネ
ルを受注する見込みであるほか、タッチパネルについては、アップル最大のタッチパネ
ルサプライヤである宸鴻(TPK)、タッチパネル用 IC 基板は IC 搭載基板大手の景碩
(Kinsus)が受注していることが明らかになった。
友達光電が台湾メーカーでは唯一アップルの主力サプライヤである LG Display と並んで
iPad mini の液晶パネルを受注できるところまで漕ぎ付けた最大の要因は、自社開発し
た ASVS 技術により歩留まりを大幅に改善したことで、台湾第 2 の大型液晶パネルメーカ
ーである奇美電子(Chimei Innolux)は受注に向けて積極攻勢をかけ続けているものの、
歩留まりの改善が進まず、依然受注に目処が立っていないという。大型液晶パネル最大
手の三星電子は、スマートフォン及びタブレット PC でアップルから特許権侵害で提訴さ
れていることが響いて受注は困難と見られている。
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2011 年 10 月号
アップルが iPad mini を投入することを決めた最大の要因は、アマゾンの Kindle Fire
が 200 米ドルという超低価格戦略でシェアを拡大しようとしていることへの対抗である
ことはいうまでもないが、それ以上に iPad mini を新興市場を攻める上での戦略的製品
と位置付けている点が注目される。特に中国内地では消費者はアップル製品に対して強
い購入意欲を持っているにも拘らず、高い関税がネックとなって普及が依然進んでいな
いのが実情で、アップルはこの壁を打破するための戦略として低価格の iPad mini を中
国内地市場に投入したい考えだという。
なお、iPad mini のタッチパネル IC はブロードコム(Broadcom)製品を採用、同 IC 基
板はブロードコムを主力ユーザーとする景碩(Kinsus)が供給することが決まっている。
また、アップル製品の RF モジュールの 8 割以上を供給している Skyworks が iPhone 4S、
iPad mini の RF モジュールを受注していることから、同モジュールの 8 割以上を OEM 生
産している景碩の今年 10-12 月の売上高は大幅増となる見通し。
【スマホ】アップル iPhone 4S、販売開始 3 日で販売台数が 400 万台超
2011-10-18 鉅亨網
アップルは 17 日、iPhone 4S の 10 月 14 日から 3 日間の販売台数が 400 万台を超えたこ
とを明らかにした。また、5 日間で 2500 万人を超えるユーザーが最新のモバイルオペレ
ーションシステム iOS 5 をダウンロードしたこと、iCloud クラウドコンピューティング
サービスを利用しているユーザーが 2000 万人を超えていることも明らかにした。
iPhone 4S は現在、米国、豪州、カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国で販売されて
いるが、10 月 28 日から販売地域は 22 ヶ国、2011 年年末までに 70 カ国以上に拡大され
るとしている。
アップルは 10 月 18 日に今年 7-9 月の業績を発表する予定であるが、バロンズ・ドット・
コム Piper Jaffray アナリストの Gene Munster 氏は、アップルの今年 7-9 月の iPhone
販売台数は 2200 万台、iPad の販売台数は 1000 万台に達すると予想するとともに、同期
のパソコン販売台数も 450 万台に達すると予測している。
【スマホ】今年のスマホ世界出荷量、4.52 億台予想 Android シェア 46%に
2011-10-18 台湾資策会産業情報研究所
台湾当局のシンクタンク、資策会産業情報研究所(MIC)は、2011 年の世界のスマートフ
ォン出荷量は 4.52 億台、2012 年は 6.14 億台、2016 年には 14 億台、2011-2016 年の年
平均成長率は 25.8%に達するとの見通しを明らかにした。
また、2011 年のスマートフォン出荷量全体に占める Android スマートフォンのシェアは
46%に達し、今後も 50%前後のシェアを維持すると予想。一方、iOS のシェアは 2012 年に
は 19%に低下、WindowsPhone のシェアは 2012 年には 13%に上昇すると予想している。
また、現在 14%である携帯電話市場全体に占めるスマートフォン浸透率は、小売販売価
格が 300 米ドル以下の機種が太宗を占める 2016 年には 40%の大台を超えるとしている。
ブランド別シェアについては、2012 年にはノキア、RIM のシェアがそれぞれ 15.6%、8.6%
28
2011 年 10 月号
に低下、一方、アップル、宏達(HTC)のシェアは 18.7%、10.9%を維持するとしている。
また、三星、中興(ZTE)、華為(Huawei)の同年シェアは、新興市場での販売拡大に伴って
それぞれ 21.7%、3.3%、3.3%に上昇するとしている。
【スマホ】和碩、1500 万台の iPhone4S 受注 4Q 出荷量 200 万台超
2011 年 10 月 17 日華夏経緯網
EMS 大手の和碩(Pegatron)が、既にアップルから 1500 万台の iPhone 4S を受注してい
ることが明らかになった。先の CDMA 版 iPhone に比べ受注量が大幅アップしていること
から、10-12 月は業績の大幅伸長が期待されている。
米国で iPhone 4S を予約注文した消費者は、既にアップルから EMS 最大手の鴻海
(Foxconn)の深圳工場から近く出荷する通知を受け取っているが、これについて、アッ
プルは、恩恵は鴻海にとどまらず、和碩も大きな恩恵を受けている、和碩の今年 10-12
月の iPhone 4S 出荷量は 200-250 万台、同期の iPhone 出荷量全体の 1 割を占める見通し
となっている。
業界筋は、鴻海が iPhone 4S の主要 ODM パートナーであることには変わりがないが、和
碩は非主流の CDMA 版 iPhone の ODM 獲得を契機に、主流版 iPhone の ODM でも受注量を増
やしており、鴻海を脅かす存在になっていると指摘する。また、和碩が iPhone 4S の ODM
を獲得したことは、アップルが今後和碩への発注量を段階的に増やすためのトライアル
とも受け取られており、このトライアルで合格すれば、iPad 3、iPhone 5 の受注も視野
に入ってくると予想している。
和碩は iPad 3、iPhone 5 だけでなく、ノートパソコン大手ブランドが注力している
Ultrabook の受注競争でも優位に戦うため、金属筐体の生産拡張を積極的に進めており、
来年には金属筐体の生産能力が 2 倍に拡張される計画。こうした積極投資が奏効して、
既に Ultrabook では華碩(ASUS)、聯想(Lenovo)等から受注を獲得、同社の内部関係者
は来年後半まで高い稼働率が維持されることを明らかにしている。和碩董事長の童子賢
氏は先日、和碩が華碩からの分離に伴う低空飛行からようやく脱して、来年からは安定
巡航飛行に入るとの見方を示しており、市場も和碩が今年 7-9 月には黒字転換を達成す
るとの予想を示している。
和碩の今年 9 月の連結売上高が 537.76 億 NTD で前月比 15.2%増、ここ数年で過去最高
の月間売上高を記録、同時に 7-9 月の連結売上高も 1521 億 NTD で 4-6 月比 48%増とな
っている。まだ正式発表がない 7-9 月最終損益についても黒字に転換している可能性が
高いと見られている。和碩は今年 8 月以降、パソコン、携帯電話を含む全ての事業で受
注・出荷が非常に好調であることから、今年 10-12 月の業績は見通しを大幅に上回る見
通しを明らかにしている。
【スマホ】iPhone 4S 分解調査、複数の中核部品で新型モジュールを採用
DIGITIMES 17-10-2011
市場調査機関 IHS の製品アナリストは、アップルの iPhone 4S の分解調査を通じて、銅
29
2011 年 10 月号
製品で使用されている部品が iPhone 4 とほぼ同じことが多くの報道で伝えられているが、
iPhone 4S は iPhone 4 にはない新型アプリケーションサービスパッケージ(apps)プロ
セッサ、最先端カメラモジュール、新型携帯電話無線チップを採用しているところに特
長があると指摘する。
iPhone 4S が新たに採用している新型 apps プロセッサは、iPad 2 に採用されたものと同
じ 4GB メモリのデュアルコア A5 apps プロセッサで、HSPA/CDMA iPhone 4 で採用された
シングルコア A4 apps プロセッサに比べると大幅なグレードアップとなっているという。
また、4GB メモリで他社の 8GB メモリ機種に匹敵するパフォーマンスを実現するところ
にアップルの iOS オペレーションシステムの強さがあり、メモリコストを抑えることに
も貢献しており、他社の追随を許さないコストパフォーマンスを達成しているという。
また、iPhone 4S は、スマートフォンとしては初めて 5 つのレンズを統合したカメラモ
ジュールを搭載しているという。さらに、オートフォーカス部品も iPhone 4 の 500 万画
素から 800 万画素にグレードアップしている。
音響面でも、iPhone 4S は、iPhone 4 の 2 機種で採用された HSPA/CDMA RF チップの異な
る機能を 1 つのデバイス内に統合し、グローバルワイヤレスネットワークへのアクセス
を可能としており、マルチモードのワールドフォンを実現することにも成功していると
いう。これまで 1 つのデバイス内にマルチモード対応の RF チップを統合することは難し
いとされていたが、iPhone 4S がその実現に成功することで、AT&T と Verizon のワイヤ
レスネットワーク両方で同じ iPhone 4S を使うことが可能になったという。これは、従
来まで AT&T と Verizon のワイヤレスネットワークで異なる機種の iPhone を持つことが
必要だったことに比べ、利便性が大幅に改善されたといえる。
また、ワイヤレス通信技術のアップグレードには、クアルコムの新型ベースバンドプロ
セッサである MDM6610 の採用も含まれる。MDM6610 採用により、これまで必要だったワ
イヤレスレシーバ RTR8605 との統合も不要になったという。
このほか、iPhone 4S は、Avago、Skyworks、TriQuint が製造する異なる 3 種類のパワー
アンプモジュールを搭載している点も、Avago もしくは Skyworks/TriQuint のみを搭載
する iPhone 4 に越えているという。
【筐体】可成、汚染苦情で蘇州工場が操業停止 MacBook 出荷に影響
DIGITIMES 18-10-2011
ノート PC 用金属筐体大手の可成科技(Catcher Technology)の中国蘇州工場が、現地市
民の環境汚染苦情を受けて現地政府命令で操業停止になったことが明らかになった。
可成科技はアップルの MacBook のほか、複数ブランドメーカーの Ultrabook の金属筐体
を供給していることから、これら製品の出荷に影響が出ることがほぼ確実な情勢となっ
ている。また、可成科技の生産能力の 80%近くがアップルの MacBook 向けで稼働してい
ることから、今回の蘇州工場の操業停止はアップルの MacBook の出荷には特に大きな影
響を与えると見られている。また、蘇州工場の操業停止は可成科技の今年 10 月の売上高
を 20%近く押し下げることが予想されている。
30
2011 年 10 月号
【PCB】嘉聯益、フジクラのタイ工場操業停止に伴って代行生産を開始
DIGITIMES 18-10-2011
フレキシブルプリント配線基板(FCB)大手の嘉聯益(Career Technology)は、パート
ナー企業である日本のフジクラのタイ工場が 50 年に 1 度といわれる記録的大雨の被害で
操業停止に追い込まれていることから、台湾域内及び中国昆山の工場がフジクラのタイ
工場で受注したフレキ基板を代行生産することを明らかにした。
また、主力ユーザーであるタッチパネル大手の勝華(Wintek)からアマゾンのタブレッ
ト PC 用フレキシブル基板の受注に成功したことも明らかにした。同製品は中国昆山工場
で生産する計画で、来年 2 月から出荷するという。アップル iPad 3 の量産が年末から始
まることから、アップル向け出荷量も 11 月もしくは 12 月以降に増加してくる見通しだ
という。スマートフォンが 1 台当たり 5 枚のフレキシブル基板を要しないのに対し、タ
ブレット PC は 1 台当たりにスマートフォン比 2 倍近くの 8-10 枚のフレキシブル基板を
必要とすることから、今後も大きな需要の伸びが期待できるという。
こうした増収要因から嘉聯益の今年通年の連結売上高は前年比 17-18%増の 120 億 NTD に
達する見通しだという。
788 号 10 月 21 日
【タブレット】富士康、第 2 世代 Kindle Fire アッセンブリ受注 来年上期出荷
2011-10-20 電子時報
EMS 最大手の鴻海富士康(Foxconn)が、低価格戦略で予約販売を伸ばしているアマゾン
のタブレット PC、Kindle Fire の第 2 世代製品のアッセンブリを受注、来年上半期に出
荷を開始することが明らかになった。
富士康は、アップルの iPad シリーズ、ソニーのタブレット型パソコン S シリーズのアッ
センブリも受注しており、世界のタブレット型パソコンの 8 割を生産するタブレット PC
専門メーカーとなっている。第 1 世代 Kindle Fire は、ノートパソコン ODM 最大手の広
達(Quanta)が単独受注していたが、第 2 世代 Kindle Fire では富士康が単独受注した
模様。富士康は iPad 2 及び iPhone4S の出荷量が急増していることから、今年 10-12 月
の売上高が 7-9 月比 15-20%増となる見通し。
【タブレット】タブレット PC の 3Q 世界出荷量、2Q 比 28%増に大幅減速
2011 年 10 月 19 日新浪科技
台湾の市場調査機関 Digitimes Research シニアアナリスト James Wong 氏は、世界経済
の減速を受けて、今年 7-9 月の世界のタブレット PC 出荷量は 1870 万台で 4-6 月比 27.5%
増に減速、4-6 月の同増加率 60.9%を大幅に下回ったことが明らかになった。
そのうち、アップル iPad の出荷量は 1300 万台で 4-6 月比で 36.8%にとどまった。需要
の減退を受けて、アップルは当初、今年年末までに投入する計画だった iPad 3 の投入を
31
2011 年 10 月号
来年 1-3 月に延期している。iPad 以外のブランドのタブレット PC の今年 7-9 月の販売
量は 4-6 月比でわずか 10.1%の増加にとどまった。
タブレット PC 販売量の減速により、一部のタブレット PC メーカーは事業再構築を余儀
なくされており、その影響はタブレット PC 用部品・素材を供給するメーカーのシェア順
位にも大きな影響を与え始めている。プロセッサ領域では、Nvidia がシェア 2 位に躍進
した一方、テキサスインスツルメンツ(TI)はシェア 4 位に後退、ODM 領域では、英業
達(Inventec)がシェア 2 位に上昇したのに対し、広達(Quanta)はシェア 5 位に後退し
た。
【タブレット】ソニー、タブレット S シリーズを台湾に投入 鴻海が ODM 受注
2011 年 10 月 19 日 台湾工商時報
日本のソニーは、既に日本で販売を開始し好調な販売実績を上げているタブレット型パ
ソコン S シリーズを投入する計画で、同製品を EMS 最大手の鴻海(Foxconn)に ODM 発注
することが明らかになった。台湾ソニーコンシューマ・エレクトロニクス製品営業本部
総経理の松嶋忠信氏は、S シリーズは今年 9 月 17 日に日本で販売を開始したが、Android
タブレット PC ではシェア首位を獲得している、台湾でも Android タブレット市場でシェ
ア首位を目指すことを明らかにした。
ソニータブレット PC の最大の特色は、テレビ、音響などのデジタル家電にタブレット
PC 内の写真、映画、音楽を転送し鑑賞することができることだが、テレビ、DVD プレー
ヤ、お掃除ロボット、エアコン等の統合リモコンとしても使えることも大きなメリット
となっている。また、S シリーズタブレット PC は、PlayStation 端末としても利用可能
であることも消費者を引き付ける要因となっている。
【タッチパネル】莱宝、静電容量式好調 今年上期売上高前年比 33%増
2011-10-19 全景網
中国地場最大の静電容量式タッチパネルメーカーである莱宝高科技(Laibao)は、静電
容量式タッチパネル事業の出荷好調が続いていることから、今年上半期の売上高が前年
同期比 33%増の 6.32 億元、営業利益が同 54%増の 3.05 億元、純利益が同 70.6%増の 2.66
億元だったことを明らかにした。
【電子ペーパー】E Ink、9 月売上高が前月比 44%増、前年比 143%増
DIGITIMES 19-10-2011
電子書籍リーダー用電子ペーパー最大手の E Ink Holdings は、今年 9 月の売上高が 38
億 NTD(1 億 2606 万米ドル)で、前月比 44%増、前年同月比 143%増となったことを明らか
にした。今年 7-9 月の四半期連結売上高も 109.3 億 NTD、1-9 月累計の連結売上高は 279.4
億 NTD に達した。
世界経済が減速する中で E Ink が電子ペーパーの出荷を伸ばすことが出来ているのは、
32
2011 年 10 月号
Amazon のほか、Barnes and Noble、カナダの Kobo、日本の Sony が相次いで電子書籍リ
ーダー新機種を市場に投入しているため。市場調査機関 Harris Interactive によると、
米国の成人の 15%以上が既に電子書籍リーダーを保有しているが、今後半年以内に購入
を予定している比率も 15%余りに達しており、来年後半には米国成人の 3 人に 1 人が電
子書籍リーダーを持っている可能性もあるとしている。
E Ink 董事長の Scott Liu 氏は、今年年初から大手電子書籍リーダーブランドメーカー
の低価格軽量タイプの製品投入ラッシュが続いている、電子書籍リーダーは今年の最も
よく売れたホリデーギフトに選ばれるだろうとコメントしている。
E Ink は、電子ペーパー製品に加えて、子会社 Hydis が開発した FFS 広視野角液晶パネ
ル事業も好調で、アマゾンが新たに投入した低価格タブレット PC、Kindle Fire の広視
野角液晶パネルを供給している。E Ink は、タブレット PC と電子書籍リーダーの市場に
ついて、タブレット PC がマルチメディア双方向端末、電子書籍リーダーが長時間バッテ
リを必要としない紙に近い端末と棲み分けが進んでいると分析している。
【携帯電話】華宝、ノキア向け好調 4Q 携帯電話出荷量 120-180 万台
2011-10-19 自由時報
携帯電話 OEM 大手の華宝(Compal Communications)は、今年 10-12 月の携帯電話出荷量
が 120-180 万台、来年 1-3 月の同出荷量はさらに増えて 200-250 万台に達する見通しを
示しているものの、一部市場関係者からは、携帯電話の新機種生産には一定の学習時間
を要する、華宝の現有能力から見て華宝の出荷量が来年 1-3 月に 200-250 万台に達する
可能性は低いと指摘する。
ノキアの新機種は今年 10 月 26 日にロンドンで発表する予定であるが、華宝はノキアの
マイクロソフト WP7 携帯電話の主力パートナーであることから、ノキアの新機種投入ラ
ッシュの恩恵を受けて今年 10-12 月の売上高が 7-9 月比大幅増となる見通し。華宝はノ
キアが来年 3-4 の新機種を投入する計画であることを明らかにしている。
ノキア向けは華宝の今年の売上高の 50%を占めるが、来年は同比率が 75%に上昇すると見
られている。ノキア向け出荷が順調に進めば、7 四半期連続で続いている赤字を脱却、
来年は黒字転換も視野に入ってくると見られている。
【偏光板】モニタ用偏光板市場、数量は前年比 6%増、金額は同 5%減
2011-10-19 中電網
ディスプレイ市場調査機関 Displaybank は、今年通年の大型液晶モニタ用偏光板市場規
模は 3.2 億平方メートルで前年比 6%増となるものの、生産額ベースでは 77 億米ドル、
前年比 5%減のマイナス成長になるとの最新の予想を明らかにした。
Displaybank が発表した偏光板市場及び産業動向分析によると、今年 4-6 月の大型液晶
モニタ用偏光板市場は約 20 億米ドルで 1-3 月比 7%増、前年同期比 5%減となっている。
また、欧米の液晶テレビの需要低迷により、今年はテレビ用偏光板価格が昨年同期比数%
下落すると見ている。
33
2011 年 10 月号
Displaybank の統計によると、液晶モニタ用偏光板市場でシェア首位は LG 化学でシェア
は既に 46%に達している。ノートパソコン用偏光板市場は、住友化学と日東電工が計 70%
以上のシェアを有し、テレビ用偏光板市場は、日東電工が 32.3%で首位、住友化学が 25.4%
で 2 位、LG 化学が 24.5%で 3 位となっている。
このうち、日東電工については、テレビ用偏光板市場で高いシェアを有しているが、出
荷価格の下落と円高により売上高は低迷しているとしている。ただ、タブレット PC、ス
マートフォン用偏光板の売上高が ITO 薄フィルム市場の拡大に伴って増加している。ま
た、住友化学も、円高と偏光板価格の下落により、今年 4-6 月の売上高が減少している。
一方、LG 化学は広視野角偏光板を主力とする生産ラインの稼働率が上昇したこと、3D
テレビ用高付加価値薄フィルム製品の販売が伸びたことから、4-6 月の売上高は堅調に
推移している。
【太陽電池】緑能科技、武漢に 6.5 億元投じ薄膜太陽電池工場建設
長江日報 2011-10-18
台湾の大手太陽電池メーカー、緑能科技(Green Energy)は、武漢市の東湖ハイテク区
に 6.5 億元を投じて薄膜太陽電池生産ラインを建設することで同区と正式に契約を調印
した。
【太陽電池】日立化成、20 億円投じ江蘇省南通に導電フィルム工場建設
2011-10-20 索比太陽能
世界最大の導電フィルムメーカーである日立化成は、中国内地が 2012 年には太陽電池パ
ネル世界生産シェアが 8 割に達することから、太陽電池用導電フィルム需要が急増する
として、江蘇省南通市に 20 億円を投じて太陽電池用導電フィルム新工場を建設、2013
年 4 月から量産を開始することを明らかにした。また、同工場内に液晶パネルの中核材
料である異方導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)生産ラインも設置する
ことを明らかにした。一部の ACF 異方導電フィルム生産ラインは日本から移転する計画。
日立化成は世界最大の ACF 異方導電フィルムメーカーで、そのシェアは約 6 割に達して
いる。
日立化成の現在の導電フィルム生産拠点は日本の茨城県結城市のみで、その太陽電池導
電フィルム年産能力は 40-50 万平方メートル、ACF 異方導電フィルム年産能力は約 100
万平方メートルだが、新たに中国南通市に建設される新工場の生産能力は、太陽電池導
電フィルム年産能力 200 万平方メートルで現在比 4-5 倍になる。
【バッテリ】銀星能源、珠海鋰源と共同で銀川にリチウム電池工場を建設
搜狐 2011-10-17
中国寧夏自治区の新エネルギー企業、銀星能源股份有限公司は、中国珠海市のリチウム
イオン電池メーカーである鋰源新能源科技有限公司と正式に契約を締結、寧夏自治区銀
34
2011 年 10 月号
川経済技術開発区に共同で 3200 万元を投じて同地区初の年産能力 2500 万アンペアアワ
ーの大容量リチウムイオン電池生産ラインを建設することを明らかにした。
寧夏銀星能源は年産 1000 メガワット相当の風力回転機械の生産能力、年産 500 メガワッ
ト相当の太陽光発電及び風力発電設備の生産能力を持つ企業、珠海鋰源はリチウムイオ
ン電池領域で先進技術を有する企業であることから、両社の提携は大きなシナジーが期
待できるという。上記生産ラインが完成すれば、年間生産高は 2.5 億元に達する見込み。
【筐体】可成、蘇州工場操業停止でアップル MacBook 出荷量 80 万台減
2011-10-20 第五頻道
ノートパソコン用金属筐体大手の可成科技(Catcher)は、アップル MacBook の金属筐体
を生産する蘇州工場(現地法人名:可勝科技)が蘇州工場周辺住民からの異臭クレーム
で一部ラインが操業停止となったため、2 万人以上の従業員に影響が及ぶ可能性がある
とともに、操業停止が 11 月まで続けばアップル MacBook の出荷量は通常に比べ 80 万台
減少することを明らかにした。
可成科技はアップル社の MacBook と宏達国際電子(HTC)のスマートフォン向けにハイエ
ンド金属筐体を供給するメーカーで、今月末までに操業を再開できるとしながらも、仮
に今月末までに操業を再開できなければ、11 月以降の月間売上高は通常比 40%前後の減
少になるとしている。
専門家は、アップル製品が世界に向けて大量出荷される中、部品・原材料サプライヤの
中国内地工場も急速に生産拡張を進めており、アップル向けサプライヤは珠海デルタか
ら長江デルタ、さらに内陸の中西部にまで生産拠点を展開しており、その急激な拡張が
周辺環境に大きな負荷を与え始めていると指摘する。
CITI 証券は、今回操業停止となった生産ラインは、可成科技の蘇州工場の総生産能力の
40%に当たり、そのうちノート PC 用筐体の比率が高いことから、仮に操業停止が 11 月ま
で続くとすれば、アップルのノート PC の出荷量 80 万台に影響が出ると指摘する。
同証券によると、可成科技は現在、台湾域内及び中国内地に 5 つの工場を有し、そのう
ち 3 工場は中国内地の蘇州、1 工場は中国内地の宿遷、1 工場は台湾域内の台南に展開し
ている。中でも蘇州工場の生産能力は総生産能力の 60-70%を占め、世界最大級のノート
PC 用金属筐体工場となっている。
CITI 証券は、操業停止が 2-3 週間で終息すれば、可成科技の 10-12 月の売上高への影響
は 10%程度に収まるが、11 月まで再開の目処が立たない場合、アップル MacBook の今年
10-12 月の出荷量は 80 万台前後減少すると予測している。
789 号 10 月 24 日
【液晶パネル】天馬、スマートフォン市場に注力 4 インチ広視野角パネル発表
2011-10-21 電子元件技術網
中国地場最大の液晶パネルメーカーである天馬微電子(Tianma)営業副総経理の欧陽旭
35
2011 年 10 月号
氏は、10 月 13-16 日に香港コンベンションセンターで開催された 2011 年 Electronic Asia
で、親会社の中航国際が 70%の持分を取得した日本の NEC の中小型液晶パネル事業会社、
NEC 液晶テクノロジの技術及び生産ラインを通じて、2015 年には世界 3 大中小型液晶パ
ネルメーカー入りする長期目標を発表するとともに、自社開発したスマートフォン向け
4.3 インチ及び 4.5 インチの WVGA 広視野角液晶パネルを発表した。
天馬微電子は 1983 年設立、1995 年には深圳株式市場で上場、2006 年には上海に子会社
を設立し、4.5 世代液晶パネル生産ラインを建設、2009 年には上海広電 NEC の第 5 世代
液晶パネル生産ラインを取得し、今年は NEC 液晶テクノロジの 70%の持分を取得してい
る。
同社は、今年の携帯電話世界市場 15.8 億台のうち、スマートフォンが約 30%の 4.59 億
台を占めるまでに成長しているが、2015 年にはスマートフォン市場は現在比 3 倍近くの
12.37 億台に達するとの予測に基づき、中小型液晶パネルのカスタマイズサービス力及
び技術力を高め、中小型液晶パネル市場を深堀りしたいとしている。
今回発表した 4 インチの WVGA 広視野角パネルは、天馬が開発した SFT 技術に ASG 技術を
統合することで、より鮮明な広視野角を実現、アスペクト比は 900:1 に達し、NTSC も 70%
を超えている。同時に生産コストも低コストで抑えている。天馬はスマートフォン市場
の成長に伴って、スマートフォン用パネルのサイズは 3 インチから 4 インチにシフトし
ていくと予想、4 インチのシェアは今年 25%だが、2015 年には 60%に達するとしている。
【タブレット】2Q タブレット出荷量 1360 万台 ネットブック出荷量は 730 万台
2011 年 10 月 21 日精実新聞
IT 市場調査機関 ABI Research が 20 日発表した調査報告によると、アップル iPad 2 が
出荷量を順調に伸ばしていることから、今年 4-6 月のタブレット型パソコンの出荷量が
同期のネットブック(Netbook)出荷量を上回ったことが明らかになった。ABI は、タブレ
ット PC の出荷量は今後も増加し続け、2011 年通年の出荷量は 6 千万台、ネットブック
の出荷量 3200 万台の 2 倍近くに達すると予想している。
ABI 統計によると、今年 4-6 月のネットブック出荷量は 1-3 月の 840 万台から 730 万台
に減少、一方、タブレット PC 出荷量は 1-3 月の 640 万台から 1360 万台(うち 68%は
iPad/iPad2)に 2 倍に増えている。
ABI アナリストの Jeff Orr 氏は、タブレット PC の平均価格は約 600 米ドルでネットブ
ックの 2 倍であることから、タブレット PC 市場の成長は価格主導ではなく、最大のアピ
ールポイントは操作が簡単であること、幼児から高齢者まで簡単にインターネットにア
クセスし検索や学習をすることができる端末であることとしている。
大手市場調査機関 Gartner アナリストの Mikako Kitagawa 氏は、タブレット PC、スマー
トフォンは米国の電子小売業の主役になっている、今年の年末商戦はこの 2 つの商品を
軸に展開されるとする一方、ノートパソコンは主役の座を奪われ、販売は低調な状況が
続いていると指摘する。
36
2011 年 10 月号
【ネットブック】インテル Atom 売上高、ネットブック市場縮小で前年比 30%減
2011-10-21 新浪科技
インテルの今年 7-9 月の Atom プロセッサ及びチップセットの売上高が、ネットブック市
場低迷の影響を受けて、前年同期比 32%減の 2.69 億米ドルにとどまったことが明らか
になった。なお、今年 7-9 月の全事業の売上高は 142 億米ドルで、4-6 月比 9%増、前年
同期比长 28%増、純利益は 4-6 月比 17%増、前年同期比 17%増の 34.7 億米ドルだった。
インテルはこれまで Atom N シリーズプロセッサを通じて、ネットブック CPU 市場の 95%
のシェアを獲得してきたが、タブレット PC 市場の急成長によりネットブックの需要が縮
小しており、一部のノートパソコンメーカーは CPU の調達先を低価格の AMD に代えて製
品価格を 400 米ドル前後に維持し販売を促進する動きが広がっているという。
業界関係者は、ネットブックは市場から決して消えることはない、逆に新興市場で市場
を確立できるとしているものの、ネットブックの平均価格が現在の 300 米ドルから
200-250 米ドルに下落するダメージは大きい、2012 年下半期にはネットブック出荷量は
ノートパソコン出荷量全体に占める比率がピーク時の 20%から 5%以下に低下すると見ら
れている。
ネットブック市場の縮小を受けて、インテルは当初今年 9 月に予定していた Cedar
Trail-M フレームの Atom N2800、N2600、D2700 及び D2500 プロセッサの投入を採用メー
カー不在のため今も決定できない状態にあるという。
【太陽電池】来年の太陽電池製造設備導入、半減する可能性もあると
2011-10-21 阿里巴巴資訊
大手太陽光発電研究機関 Solarbuzz が発表した最新のクォータリーレポートによると、
今年 131 億米ドルに達する見通しの世界の太陽電池製造設備導入は、来年は半分近く、
前年比 45%減となる見通しで、現在太陽電池製造設備を製造しているメーカーは製品ラ
インの見直しを迫られることが必至の情勢となっている。
Solarbuzz シニアアナリスト Finlay Colville 氏は、今年の太陽電池製造設備導入が急
増した最大の要因は、中堅の太陽電池セルメーカーが市場でのシェアを一気に拡大した
い目的で不確かな見通しのまま設備導入を急いだためで、今後半数以上の設備が過剰設
備になる可能性がある、また過剰投資の反動が出る今年は大きな落ち込みは必至と指摘
している。
【LED】水晶光電、年産 600 万枚の LED 用サファイア基板の量産開始
2011-10-21 Chine-LED
中国国有の大手光学レンズ用フィルタメーカーである水晶光電(Crystal Optech)は、
今年 7-9 月の売上高が 1.28 億元で前年同期比 39%増、純利益は 3636 万元で同 41.7%増と
なり、予想通りの業績を達成したことを明らかにした。今年 1-9 月の累計売上高は 3.19
億元で同 38.1%増、営業利益は 1.14 億元で同 46.3%増だった。
37
2011 年 10 月号
また、水晶光電は光学冷加工技術での優位性を生かすため、3.25 億元を投じて年産 360
万枚の LED 用サファイア基板、年産 240 万枚の LED 用図形化サファイア基板の生産ライ
ンを建設しており、既に試験生産を終え、近く量産を開始する予定。
【筐体】可成、300 万米ドル投じ蘇州工場設備を改造 来月に生産再開
DIGITIMES 21-10-2011
ノートパソコン用金属筐体大手の可成科技(Catcher)は、有害ガス発生で現地政府から
生産停止命令を受けている中国蘇州工場について、200-300 万米ドルを投じて生産設備
及び生産工程の改造を行い、今年 11 月中に生産を再開する計画を明らかにした。
ユーザーが、高い技術力を理由に発注先を他社に代えることを望んでいないことから、
可成は蘇州工場の改造を急ぐと同時に、中国内地でのリスクも軽減するための措置とし
て、台湾域内での投資を拡大、その一環として先般稼働した台南技術園区の工場を大幅
に拡張する計画を明らかにした。
【PCB】シュバイツァ、南通市に 2.5 億米ドル投じ太陽電池生産基地建設
2011 年 10 月 21 日新華網
欧州の 3 大プリント配線基板(PCB)メーカーの一角、ドイツのシュバイツァ・エレクト
ロニック(Schweitzer Electronic)は 20 日、中国江蘇省南通市の経済技術開発区に 2.45
億米ドルを投じて太陽電池セル及びモジュール生産基地及び R&D センターを建設するこ
とで、同区管理委員会と正式に契約を調印したことを明らかにした。
全ての事業完成後の年産能力は太陽電池セル 800 メガワット、モジュール 480 メガワッ
トに達する計画で、建設は 4 期に分けて行われる。第 1 期の投資額は 9980 万米ドル、登
録資本は 5000 万米ドル、年産能力はセル 100 メガワット、モジュール 100 メガワット、
2012 年 10 月稼働予定。
【PCB】名幸電子、環境アセスメント手続不備で武漢第 2 工場操業停止
2011 年 10 月 21 日精実新聞
日本のプリント配線基板(PCB)大手の名幸電子(Meiko Electronics)は 20 日、中国武漢市
の子会社、名幸電子(武漢)有限公司の第 2 工場が武漢市政府による環境アセスメント
(Environmental Impact Assessment)実施のため、10 月 18 日から操業停止になってい
ることを明らかにした。
名幸電子は、武漢第 2 工場はスマートフォン用 PCB の専門工場で今年 8 月に量産を開始
したばかりだが、武漢市政府から設立時の環境アセスメント手続きに不備があったとの
指摘を受けて操業が停止していること、既に武漢市当局の指導で改善策を取っており、
改善が承認されれば、生産を再開できるとしている。
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2011 年 10 月号
【PCB】台湾系中国内地 PCB 工場、環境汚染による操業停止はないと
2011-10-22 台湾経済日報
アップルの中国内地のサプライチェーンが環境汚染で操業停止になるケースが相次いで
いることに言及して、プリント配線基板大手の華通(Compeq)、金像(Gold Circuit)、
欣興(Unimicron)、健鼎(Tripod)、南亜(Nan Ya)は 19 日、いずれも環境汚染による
操業停止の状況は発生していないことを表明するとともに、中国内地での生産拡張を計
画通り進めていることを明らかにした。
金像電子は、江蘇省常熟市にある工場が何れも定期の環境影響評価で合格点を獲得して
おり、生産は通常通り行われている、現在ビルドアップ基板の生産能力を拡張中として
いる。南亜も、江蘇省昆山工場がこれまで一貫して現地政府の定期の環境影響評価に協
力し合格証を獲得している、今年 3 月にはビルドアップ基板を生産する第 3 工場の建設
を開始したとしている。健鼎も、江蘇省無錫工場の生産は平常通り行われており、先般
100%の持分を取得した浙江省嘉興市の PCB メーカー、匯宝電子を通じて、月産能力を 50
万平方フィート拡張したほか、無錫工場のビルドアップ基板生産能力も拡張しているこ
とを明らかにしている。欣興も、中国内地の全工場が正常に稼働しており、昆山の子会
社、鼎鑫、欣興同泰の生産能力を拡張中で、特にフレキシブル基板を生産する欣興同泰
には 7700 万米ドルの増資を行う計画であることを明らかにしている。また、既に進出し
ている深圳、蘇州、昆山、常熟、嘉興のほか、内陸部の重慶市、江蘇省の南通市に新た
に工場を建設することで現地政府と契約を調印していることを明らかにしている。華通
も、生産活動は正常であるほか、重慶市に進出することを決めている。
【PCB】台湾フレキ基板メーカー、堅調な需要を背景に生産拡張を加速
2011 年 10 月 21 日 巨亨網
携帯電話用フレキシブル基板大手の毅嘉科技(Ichia)は、蘇州工場第 3 期の建設を開始、
年産能力を 3 年以内に現在の 1600 万枚に比べ 2.5 倍に拡張するほか、原材料となる FCCL
(フレキシブル銅箔張り積層板)メーカーである亜洲電材に生産拡張を要請しているこ
とを明らかにした。
亜洲電材も、市場の見通しは明るいとして、毅嘉の要請を受け入れ生産能力を拡張する
計画で、中国昆山工場敷地内に新生産ラインを建設、世界シェアを現在の世界 4 位から
3 位に引き上げたいとしている。
また、毅嘉科技は、フレキシブル基板事業の拡張が完了すれば、売上高全体に占めるフ
レキシブル基板事業の売上高の比重は現在の 60%から 70%以上になるとしている。その一
環で、蘇州工場のキーパッド生産ラインの一部を広東省中山工場に移転する計画で、蘇
州第 1 工場を全てフレキシブル基板の生産に当てることを決めている。
【CCL】聯茂、台湾ドル高でも今年 3Q 純利益 2Q 比 15%増を達成
DIGITIMES 21-10-2011
39
2011 年 10 月号
銅箔張り積層板(CCL)大手の聯茂(ITEQ)は、需要の伸び悩みと台湾ドル高という逆風
下でも、今年 9 月の連結売上高が 17.11 億 NTD で前月比 6.58%減、前年同月比 4.07%増、
今年 7-9 月の連結売上高は 52.47 億 NTD で 4-6 月比 4.16%増、同期純利益は 3.45 億 NTD
で 4-6 月比 15%増となったことを明らかにした。なお、今年 1-9 月の連結売上高は 153.76
億 NTD で前年同期比 1.99%増、同期稅前利益は 12.14 億 NTD で昨年同期比 22.92%減だっ
た。
また、先般発生した火災事故を機に、台湾域内の工場の月産能力を従来の 40 万平方フィ
ートから 30 万平方フィートに削減し、代わりに中国東莞及び無錫の工場の月産能力を拡
張し、台湾及び中国内地の合計月産能力 300 万平方フィートは現状を維持することも明
らかにした。聯茂は現在、建滔(Kingboard)、南亜(Nan Ya)、パナソニック・エレクト
リック、広東生益(Shengyi)とともに世界の 5 大 CCL メーカーの一角を占めている。
790 号 10 月 26 日
【液晶パネル】韓国メーカー、中国での設備新設から国内からシフトに変更
2011-10-24 聯合理財網
世界経済減速の影響を受けて、大型液晶パネルの生産能力が過剰となる中、価格の下落
が止まらない状況が続いている。こうした中、世界の 2 大パネルメーカー、三星電子、
LG Display は、当初の中国内地で計画している高世代液晶パネル生産ライン建設計画を、
新設から韓国国内に保有している第 8 世代液晶パネル設備の中国内地への移転にするこ
とを検討していることが明らかになった。
中国現地での工場建設は様々な選択肢が交錯する中、一向に進んでおらず、三星電子は
蘇州での高世代液晶パネル工場建設を着工式典だけを象徴的に行っただけにとどめてい
るほか、LG Display は着工式典そのものを延期し続けており、具体的な日程も固まって
いないとしている。
中国内地は、世界最大のテレビ消費国であり、消費者に近いところでつくることは輸入
関税を回避する上でも大きな意味があり、韓国の液晶パネルメーカーにとっては中国内
地市場への進出は不可欠と考えている。ただ、世界経済に再び後退懸念が強まる中、設
備投資抑制とコストダウンという課題が突き付けられており、コストダウンに寄与する
第 8 世代液晶パネル生産ラインの中国内地への移転は非常に有力な選択肢として浮上し
てきた。
【タッチパネル】タッチパネル市場規模、前年比 2 倍の 134 億米ドルに達する
2011 年 10 月 20 日 網易
モバイルタッチ製品の発展により、その主要部品であるタッチパネルも著しい発展を遂
げており、殆どの液晶パネルメーカーがタッチパネル事業に参入する状況となっている。
Display Search の統計によると、2010 年の世界のタッチパネル市場規模は 59.3 億米ド
ルで、前年比 152%の成長となる見通しであるほか、最新のタッチパネル市場分析レポー
40
2011 年 10 月号
トによると、2011 年の世界のタッチパネル市場規模は前年比約 2 倍の 134 億米ドルに達
し、2017 年には 2011 年の 2 倍近くの 239 億米ドルに達するとの予測も出されている。
また、タッチパネルの今年の生産高も、携帯電話、ポータブルゲーム機、タブレット PC
での応用拡大に伴って 105 億米ドルに達する見通しで、正に爆発的成長の中にあるとい
える。
スマートフォン、タブレット PC、ゲーム機等の製品がタッチパネル産業の発展を促した
立役者ではあるが、格段に進歩したタッチパネルは新たな操作や新たな応用領域を生み
出す作用もしており、これまでの思考方式さえも変える力を持っているとも言われてい
る。
タッチパネルの原理は、手で触ればセンサが働き、アナログ信号がコントローラを通じ
てデジタル信号に転換、さらにシステム内のタッチドライバプログラムが各モジュール
への指令を統合し、最後にビデオカードがパネル信号を出して次にタッチする位置を指
し示すというもので、手で触るというアナログ動作によりコンピュータを簡単に操るこ
とができるというところに、キーボードにはない人間的側面があるともいわれる。ユー
ザーのフィードバック調査からも、消費者がタッチ操作に親近感を覚えている結果が出
ており、タッチパネル搭載製品の普及率は上昇し続けている。
中国国内市場のスマートフォン普及率は、2010 年の 12.0%から 2011 年 7-9 には 19.5%に
上昇しているが、2011 年 10-12 月には 24.0%に達すると見られている。2011 年の携帯電
話用タッチパネルの世界出荷量は 8 億 6800 万枚で前年比 68%増、タブレット PC 用タッ
チパネルの世界出荷量は 2010 年は約 2600 万枚だったが、2011 年は 7200 万枚を超え、
2012 年は 1 億枚を超えると予測されている。マイクロソフト Kinect、任天堂 Nintendo 3D
等のゲーム機では既にタッチパネルが採用されているが、今後はオールインワン PC、ノ
ート PC でもタッチパネルが採用されることから、タッチパネルの需要は今後も増え続け
ることが確実視されている。
【スマホ】iPhone 等のスマホ普及、日本の電子部品メーカーの収益の柱に
2011-10-24 阿里巴巴
アップルが過去 1 年間で約 7000 万台の iPhone 4 を販売したが、市場調査機関 IHS iSuppli
の分解調査によると 16GB の iPhone 4 1 台当たりのコストは約 187 米ドルであることか
ら、単純計算すると、約 7000 万台の iPhone4 の出荷により関連部品メーカーは約 130
億米ドルの売上高を獲得したことになる。
ただ、アップルは部品サプライヤに対しては非常に厳しい要求と審査をしてくることで
有名で、関連メーカーは突出した核心技術を持っているか、圧倒的な生産能力を持って
いなければ、アップルからサプライヤの認証を獲得することは非常に困難となっている。
関連メーカーのシニアマネジメントは、アップルは日本のブランドメーカーのように値
下げ要求をしてくることは少ないが、納入量及び納入期限については日本のブランドメ
ーカー以上に厳しい、アップルからサプライヤの認証を獲得するには納入量、納入期限
に対応することができる大規模投資を覚悟する必要があると話す。
日本の電子部品メーカー、第一精工(Dai-ichi Seiko)は、100 億円を投じて iPhone、iPad
41
2011 年 10 月号
の基板と液晶パネルをつなぐ微細コネクタの供給能力を 2 倍に拡張しており、今年 1 月
から日本の松江市にある新工場を稼働させている。
また、0.4 ミリ×0.2 ミリ以下の積層セラミックキャパシタ(MLCC)は、基板実装が難し
いことから敬遠されてきたが、アップルが iPhone 4 に採用することを決めたことから、
三星などの大手ブランドメーカーも追随し需要が一気に拡大、MLCC 世界シェアが 35%に
達する村田製作所(Murata)が大きな恩恵を受けている。アップル向けは村田製作所の売
上高全体の約 15%を占めるという。
また、TDK は 2008 年にドイツの EPCOS を買収することで SAW フィルタの世界シェアを 30%
まで伸ばし、同シェア 40%の村田製作所に次ぐ地位を確立、アップルからの受注拡大に
成功しているという。
【携帯電話】中国内地のスマートフォン市場、低価格品普及で世界最大に
2011-10-24 PCB 網城
低価格 3G スマートフォンが高機能の高価格スマートフォン市場を侵食する傾向が強ま
っている。特に中国内地の大都市では低価格 3G スマートフォンが急速に普及しており、
携帯電話の買い替えニーズを持つユーザーの 8 割近くがスマートフォンを選択している
ことが明らかになった。中国内地のスマートフォン市場は、米国を抜いて世界最大のス
マートフォン市場になる可能性も出てきた。
ただ、今のところ、低価格 3G スマートフォン市場を支配しているのは海外の大手ブラン
ドメーカーで、中国地場メーカー、White-box メーカーは参入が難しい状況が続いてい
る。海外ブランドメーカーは、高い収益率を確保するため、製品価格を地場メーカー製
品価格に比べ 500 元近く高めに設定している。販売価格が 1000-2500 元の製品が、高機
能携帯電話と低価格スマートフォンのぶつかり合う主戦場となっている。
【LED】勤上光電、上場で 4.6 億元調達 LED 屋外内照明事業に投資
2011-10-24 南方網
中国地場の大手 LED 街灯メーカー、広東省東莞市の勤上光電(Kingsun LED)は、深圳株
式市場で上場し、4 事業に要する 4.63 億元を市場から直接調達することを明らかにした。
勤上光電の 2008 年、2009 年、2010 年の売上高はそれぞれ 4.57 億元、4.24 億元、5.52
億元、今年上半期の売上高も 3.19 億元を達成、2009 年がリーマンショックの影響で前
年を下回った特殊要因を除けば、売上高を順調に伸ばしている。
上場を通じて調達する 4.63 億元を投じる 4 事業については、LED 屋外照明事業に 2.03
億元、LED 室内照明事業に 1.41 億元、LED 照明開発設計センター建設に 7660 万元、オペ
レーションセンター建設に 4233 万元を投じる計画だという。
【LED】清華同方、LED 事業拡張でバックライト用 LED 半数を自社生産
42
2011 年 10 月号
2011-10-24 国際電子商情
台湾の IT 市場調査機関 DIGITIMES Research は、中国地場の大手 IT 機器メーカーである
清華同方(Tsinghua Tongfang)は、2004 年から LED 事業に参入、2008 年にはシンガポ
ールの Tinggi 社を買収する形で LED チップ後工程技術を獲得、北京に LED チップの自社
生産ラインを建設、2009 年から LED バックライトモジュールの生産を開始、LED 照明事
業部の売上高は 2008 年の 1.5 億元(約 2000 万米ドル)から 2009 年の 6.6 億元に拡大して
いる。
2010 年には北京に 6 台の MOCVD 設備を導入、LED チップの生産も開始、さらに江蘇省南
通市に 30 億元を投じて LED 産業基地を建設することを決めており、今年年末までに 48
台の MOCVD 設備を設置する計画。南通市の LED 産業基地に投じる 30 億元のうち、20 億
元はバックライト実装等の LED チップ後工程に投じるとしている。
清華同方は、こうした LED チップの自社生産を拡大することで、来年は液晶テレビ用 LED
バックライトのうち、50%以上を自社生産する計画。
【LED】台湾 LED メーカー、年末商戦効果で 10 月は業績上向く見通し
2011 年 10 月 19 日 OFweek 半導体照明網
LED 市場調査機関大手の LEDinside は、今年 9 月の台湾上場 LED 関連メーカーの売上高
が総額 79.7 億 NTD で前月比 6.6%減、前年同月比で 17%減となり、販売不振が目立った
ものの、年末商戦を前にして三星、LG 等の大手ブランドメーカーが液晶テレビの新機種
を多数投入することから 10 月の業績は回復する可能性があるとの見方を示した。
また、中国内地政府が今年 10-12 月に地場 LED メーカーに対して補助金制度を再開し、
LED 電灯の出荷を後押しすることも関連する台湾 LED メーカーの今年 10 月の業績を押し
上げると見られている。中でも、中国地場の大手 IT 企業グループである普天集団と提携
する新世紀(Genesis)が株価を大幅に上げている。また、東貝(Unity Opto)、華興
(Ledtech)、隆達(Lextar)、晶元(Epistar)、宏斉(Harvatek)、佰鴻(Bright LED)
といった関連メーカーも同様に業績の回復が見込まれるとして株価を上げている。
一方、日本市場に進出することで業績を堅調に伸ばしている企業もある。液晶パネル大
手の友達光電(AUO)傘下の隆達電子は、日本の大手ブランドメーカー向けに LED 照明を
供給、9 月の売上高は 8.2 億 NTD で 8 月比 7.3%増、7-9 月の売上高は 22.2 億 NTD で 4-6
月比 6.6%増で過去最高を記録した。
【太陽電池】中電投、内蒙古に 62 億元投じ多結晶シリコン生産基地
2011-10-24 Solarbe 太陽能網
中国の大手電力企業である中国電力投資集団(中電投)は、中国内蒙古自治区シリコン
ゴル盟西烏旗地区の白音華鉱山に 62.2 億元を投じて太陽電池用多結晶シリコン生産基
地を建設することを明らかにした。年産能力は 1.2 万トンの多結晶シリコン原料、1600
メガワットの多結晶シリコンウエハとしている。2014 年稼働予定。
43
2011 年 10 月号
【太陽電池】台積電、今年年末までに CIGS 薄膜太陽電池の量産開始
2011-10-25 Solarbe 太陽能網
半導体ファウンドリ最大手の台積電(TSMC)は、子会社である太陽電池メーカー、台積
電太陽能(台積電 Solar)が台湾中部科学工業園区に建設している CIGS 薄膜太陽電池工
場第 1 期の設備据付作業が完了、今年年末までに量産を開始、来年 1-3 月に出荷を開始
することを明らかにした。
太陽電池市場が踊り場にある中でも、台積電は薄膜太陽電池事業を計画通り推し進める
計画で、来年中に年産能力は 300 メガワットに拡張、2015 年までに 1000 メガワットに
拡張する計画。
台積電は昨年 6 月、薄膜太陽電池モジュールメーカーである米 Stion との提携を発表、
Stion ブランドの CIGS 太陽電池の製造販売を行うため、昨年 9 月から中部科学工業園区
に薄膜太陽電池工場 S-Fab 第 1 期の建設を開始した。また、今年の株主総会で正式に 100%
子会社として独立させることも決めている。S-Fab 第 1 期の総投資額は 2.58 億米ドル、
今年上期に工場建屋は完成、今年 7-9 月に設備の搬入据付を完了、年末までに試運転を
済ませ量産を開始するとしている。
【PCB】台郡、今年 3Q 純利益 2Q 比 54%増 四半期としては過去最高
DIGITIMES 24-10-2011
フレキシブル基板(FPCB)メーカーの台郡(FLEXium)は、今年 7-9 月の純利益が 4-6 月比
54%増、前年同期比 90.5%増の 3.62 億 NTD(1195 万米ドル)に達し、四半期としては過去
最高益となったことを明らかにした。また、今年 1-9 月の純利益は 7.79 億 NTD、粗利益
率は 21.6%に達した。
【半導体】パナソニック、国内生産縮小しチップの外注拡大 台積電に恩恵
2011 年 10 月 25 日 台湾経済日報
日本のパナソニックが、来年 3 月末までに日本国内の魚津工場を含む 5 つの工場での半
導体生産を縮小し、ODM パートナーである台積電(TSMC)への発注量を従来の総生産量
の 1 割から 3-4 割に大幅に拡大することが明らかになった。
富士通も来年からスーパーコンピュータ関連半導体チップを台積電に外注すること、東
芝及びエルピーダもパートナーである台湾の力成科技(Powertech)への実装検査数量を
拡大すること、エルピーダは台湾の瑞晶電子(Rexchip)への発注量を拡大することを明
らかにしている。このように日本の IDM メーカーの外注が拡大しているとはいえ、その
比率は依然 5%以下の水準にあり、欧州 IDM メーカーの同比率 15-20%に比べると低水準で、
今後徐々に上昇してくる可能性がある。その恩恵は、台積電、聯電(UMC)、日月光(ASE)、
硅品(SPIL)等が受けることになると見られている。
また、パナソニックは 2012 年にアジアに同社初となる太陽電池工場を建設し日本国内工
場の生産を移転することも明らかにしている。
44
2011 年 10 月号
791 号 10 月 28 日
【電子書籍】勝華/介面/華映、Kindle Fire 効果で今後の業績に期待
2011-10-26 聨合新聞網
アマゾン(Amazon)のタブレット PC Kindle Fire が記録的な予約販売を達成する中、11
月 15 日の製品販売開始を前に、アマゾンが関連サプライヤに対して関連部品の緊急追加
発注をしていることから、Kindle Fire 用タッチモジュール及び液晶パネルを受注して
いる LG Display、華映(CPT)、勝華(Wintek)、介面(J Touch)4 社全てが追加発注の
恩恵を受けている。
そのうち、Kindle Fire 用液晶パネルのスペックは LG Display の IPS 広視野角パネルを
主としているが、全体の 3-4 割は華映(CPT)が E-Ink から受託生産している FFS 広視野
角パネルが占めている。タッチパネルについては、勝華がタッチセンサを含むタッチモ
ジュール、介面がタッチパネル、華映がタッチセンサの埋め込みを受注しているが、勝
華、介面、華映は今年 9 月から既に Kindle Fire 用タッチモジュール、タッチパネルの
出荷を開始していることから、介面は今年 9 月の売上高が単月過去最高の 7.4 億 NTD を
記録、華映は 9 月の中小型液晶パネルの出荷量が単月としては過去最高の 5158 万枚にに
達している。
【電子書籍】今年の電子書籍リーダー世界出荷、2200 万台にとどまる
半導体制造 2011-10-26
DIGITIMES Research アナリストの汪貫中氏は、今年 10-12 月の電子書籍リーダー出荷量
は相対的に高水準が期待できるものの、今年通年の電子書籍リーダー出荷量は 2200 万台
前後にとどまるとの見方を明らかにした。
アマゾンの電子書籍リーダーKindle の新機種が今年 7-9 月に投入されなかったことも影
響して、今年 7-9 月の世界の電子書籍リーダー出荷量は 490 万台、4-6 月比 15.3%増、1-3
月比横ばいにとどまった。10-12 月については、アマゾンが低価格の Kindle 新機種を投
入することから、出荷量は 7-9 月比 40%増の 815 万台に達すると予測している。
【EMS】鴻海、アップル効果で 3Q/4Q 純利益・粗利率ともに伸長予想
DIGITIMES 25-10-2011
EMS 最大手の鴻海(Foxconn)は、アップルの今年 7-9 月の売上高及び純利益が当初予想
を下回ったことから、アップルを最大のユーザーとする鴻海の 7-9 月の業績にも影響す
ると見られていたが、予想に反して 7-9 月の粗利率及び純利益が 4-6 月を上回る見通し
を明らかにした。
鴻海の業績がアップルの業績の影響を受けなかったことについて、スマートフォン市場
に詳しいアナリストは、アップルの 7-9 月の業績が低調だったのは、消費者が iPhone 4S
45
2011 年 10 月号
の販売開始まで iPhone の購入を遅らせたためで、アップルの 10-12 月と 7-9 月の業績を
押し均せば、アップルの業績が変わらず堅調に伸びていることが分かるだろうと指摘し
ている。また、7-9 月の iPad シリーズの出荷量が 4-6 月比 60%近く増加していることも
鴻海の業績を押し上げたと分析している。10-12 月についても、アップル製品の販売が
伸びていることから、純利益、粗利率ともに 7-9 月を上回る見通し。
【液晶パネル】LGD、広州での 8.5G 工場建設を含む全ての投資を再検討
2011-10-25 中華液晶網
世界第 2 位の大型液晶パネルメーカーである LG Display は 20 日、液晶パネル価格の下
落が止まらず 4 四半期連続で赤字が続いていることから、中国広州市での 8.5 世代液晶
パネル生産ライン建設も含む投資計画全てについて再検討にかけることを明らかにした。
LG Display 財務部長の鄭湖泳氏は、今年 7-9 月の業績説明会の中で、4 四半期連続で赤
字経営が続いていることから、新規投資に対する管理を厳格に行う必要が出てきた、来
年上半期以降、液晶パネル事業に対する新たな投資は行わないことを決めたことを明ら
かにした。同氏は中国内地の液晶パネル生産ライン建設計画についても厳格管理の対象
となっているとして、中国広州の液晶パネル生産ライン建設計画が相当長期間にわたっ
て凍結される可能性を指摘している。市場調査機関 DisplaySearch の調査によると、今
年 7-9 月の大型液晶パネルの世界出荷量シェアは、LG Display が 28.6%で首位、三星電
子が 24.3%で 2 位となっている。
昨年下半期から始まった今回の液晶パネルの価格下落は既に 1 年以上も続いており、主
力製品である 40-42 インチ液晶パネル価格は昨年 1 月には 340 米ドルだったが、今年 10
月には 208 米ドルまで下落、下落幅は 39%、採算割れの状態にある。液晶パネルメーカ
ーは、製品を売れば売るほど赤字が膨らむという状況にある。
LG Display の今年 7-9 月の営業損失は 4921 億ウォンに達しているとともに、市場が今
後もしばらくは確実な回復が見込めないことから、LG Display は投資計画の全面見直し
を決定した模様。
三星電子も液晶パネル事業の経営陣を交代させる人事を行うなど、業績の悪化を食い止
める措置を取っているが、今年 5 月に着工した中国蘇州市の液晶パネル生産ラインにつ
いては凍結は考えておらず、韓国国内の生産ラインの移転も含めて、2013 年には量産を
開始する計画であることを明らかにしている。
【液晶モニタ】台湾メーカーの液晶モニタ出荷量、3 四半期連続で減少続く
精実新聞 2011 年 10 月 21 日
台湾の IT 市場調査機関 DIGITIMES Research の最新調査によると、2011 年 7-9 月の台湾
メーカーの液晶モニタ出荷量は 2938 万台、4-6 月比 0.9%減となり、3 四半期連続で減少
したことが明らかになった。台湾メーカーの液晶モニタ世界出荷量シェアも 68.8%に低
下し、70%水準を割り込んだ。
メーカー別出荷量については、シェア 1 位の冠捷(TPV)が 4-6 月比 3.4%増、シェア 2
46
2011 年 10 月号
位の奇美電子(Chimei Innolux)は液晶モニタ ODM 事業を縮小したことから 4-6 月比大
幅減となった。
DIGITIMES Research アナリストの黄銘章氏は、液晶モニタ市場が成熟するに伴って、一
部の大手メーカーにシェアが集中する寡占化が進んでいる、冠捷は自社ブランド事業を
拡張したこともあって液晶モニタ世界生産シェアは 35.4%まで上昇していると指摘して
いる。
【ノート PC】英業達、今年 3Q 粗利率が過去 7 四半期最低水準に低下
DIGITIMES 26-10-2011
ノートパソコン ODM 世界第 4 位の英業達(Inventec)は、今年 7-9 月の決算報告で、同
期の粗利率が 3.81%まで低下、過去 7 四半期で最低水準となったことを明らかにした。
同期のノートパソコン出荷量は 430-440 万台、1-9 月累計のノートパソコン出荷量は
1230-1240 万台だった。10-12 月の出荷量については、7-9 月比横ばいもしくは微増、通
年出荷量は当初目標 2000 万台に比べ 300 万台減の 1700 万台前後になる見通しを明らか
にした。
来年のノートパソコン出荷量については、主力ユーザーであるヒューレットパッカード
(HP)及び東芝から今年並みの受注が期待できることから、今年並みの出荷量が期待で
きるとしている。一方、来年のサーバの出荷量については、クラウドコンピューティン
グ需要の拡大から大幅な増加が期待できるとしている。
【携帯電話】仁宝通訊、今年 1-9 月赤字額が 5 億 NTD 近くに拡大
DIGITIMES 25-10-2011
携帯電話 ODM 大手の仁宝通訊(Compal Communications)は、今年 7-9 月の携帯電話出荷
量が 47 万台、1-9 月の同出荷量が 210 万台、1-9 月の売上高は前年同期比 28.1%減の 73.5
億 NTD にとどまったこと、7-9 月が 1 億 9900 万 NTD(660 万米ドル)の赤字、1-9 月の赤字
額が 4 億 7500 万 NTD に達したことを明らかにした。
【ドライブ】光宝 IT、ODD/ゲーム事業好調で 3Q 売上高が過去最高を更新
DIGITIMES 25-10-2011
光学ドライブ(ODD)大手の光宝 IT(Lite-On IT)は、今年 7-9 月の連結売上高が 176.5
億 NTD(5 億 8502 万米ドル)、4-6 月比 11.9%増、前年同期比 22.5%増となり、四半期とし
ては過去最高となったこと、純利益も 10 億 NTD に達したことを明らかにした。
7-9 月の売上高が過去最高に達したことについて、ODD ドライブ及びゲームコンソールの
需要の伸びによるもの、特に薄型軽量 ODD 機種の出荷が伸びたためという。粗利率につ
いても、1.1 ポイント上昇の 18.4%に達した。
今年 1-9 月累計の連結売上高は 474 億 NTD に達したことから、通年の連結売上高は昨年
の 587 億 NTD を上回り、600 億 NTD に達する可能性もあると見られている。10-12 月につ
47
2011 年 10 月号
いては、7-9 月比 10%減となるものの、昨年同期を下回ることはないとしている。また、
光宝 IT の売上高の 8 割は ODD 事業が占めているだが、今後はフラッシュメモリを使う
SSD ドライブ、車載 ODD ドライブの需要の伸びが期待できるとしている。
【太陽電池】尚徳の破産憶測、中国の太陽電池産業全体が資金逼迫
2011 年 10 月 26 日 南方都市報
太陽電池用多結晶シリコンウエハ大手の江西賽維 LDK が国慶節前後に破産保護を申請す
るとの観測に続いて、世界最大の太陽電池モジュールメーカーである無錫尚徳電力
(Suntech)が破産保護を申請するとの憶測が出ている。両社とも事実無根として憶測を
否定しているが、相次ぐ中国内地の大手太陽電池関連メーカーの破産憶測は、欧米の財
政危機とそれに伴う欧米のソーラー産業の資金繰り悪化が中国内地の太陽電池産業にも
深刻な影響を及ぼしていることをうかがわせるものとなっている。
今年年初から太陽電池モジュール価格は 40%以上下落、大手メーカーの資金繰りが急速
に悪化しており、中小メーカーにおいては殆どの企業が赤字、一部企業では資金がショ
ートし操業停止に陥っているという。
尚徳電力広報の張建敏氏は、破産憶測に言及して、尚徳の経営状況は良好であることを
表明、尚徳に多結晶シリコンウエハを供給している保利協鑫(GCL Poly)も尚徳電力か
らの毎月の支払いはこれまで通り履行されていることを明らかにしている。ただ、尚徳
電力董事長の施正栄氏が破産憶測に対するコメントを拒み続けていることから、市場は
疑念が完全に払拭されたとはいえないとしている。
尚徳電力は今年に入ってから、複数名の経営幹部の辞任、今年 7 月の多結晶シリコン大
手の米 MEMC との提携解消に伴う違約金 2.12 億米ドルの発生、今回の破産憶測と悪い材
料が続いており、株価はリーマンショック前の 90 米ドルから 2 米ドルまで急降下、企業
価値を示す時価総額もピーク時の 170 億米ドルから 3.75 億米ドルに激減している。尚徳
電力の状況は、中国内地の太陽電池産業が置かれている状況を映し出す鏡であり、2006
年以降に起きた太陽電池ブームの反動ともいえる。
無錫尚徳、英利緑色能源(Yingli)、江西賽維 LDK、天合光能(Trina)といった中国内
地の大手太陽電池メーカー4 社の太陽電池モジュール年産能力は 9 ギガワットに上り、
中国国家発展改革委員会エネルギー研究所副所長の李俊峰氏は、中国国内の太陽電池モ
ジュールメーカーの年産能力は今年年末には総計 30 ギガワットに達する見込み、今年通
年の世界の太陽光発電システム設置量 20 ギガワット前後を 10 ギガワットも上回る、設
備過剰が深刻であることは火を見るよりも明らかと警告している。
統計によると、世界の太陽電池モジュール在庫量は 10 ギガワット前後に達しており、業
界全体が足並みを揃えて減産を行わなければ、来年年末には太陽電池モジュールの在庫
量は 22 ギガワットに膨れ上がると見られている。英利緑色能源広報部の王志新氏は、太
陽電池モジュール価格の暴落、在庫の大幅増により、規模が小さい中小のメーカーはそ
の多くが破産に追い込まれると指摘する。
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2011 年 10 月号
【太陽電池】尚徳、短期借入金返済困難 リスケが必要な局面にあるか
2011 年 10 月 26 日財経網
世界最大の太陽電池モジュールメーカーである尚徳電力(Suntech)は、たとえ破産保護
を申請する事態には至っていなくとも、その財務内容から資金繰りが極めて深刻な状態
にあることが業界内では周知の事実であることが明らかになってきた。
尚徳電力が発表した 2011 年 4-6 月の業績によると、同期の営業損失は 1.703 億米ドルに
達したが、尚徳電力は MEMC との長期契約を解消したために生じた違約金 2.119 億米ドル
の計上が響いたためで、その要因がなければ、営業利益は 0.416 億米ドル、営業利益率
は 5%だったことを強調している。また、今年 4-6 月の太陽電池出荷量が前年同期比 48%
増、1-3 月比 2%増だったことも強調している。
しかし、尚徳電力の今年 4-6 月の売上高が 8.307 億米ドルで、今年 1-3 月の 8.77 億米ド
ル、2010 年同期の 6.251 億米ドルと比べても、出荷量が 2010 年同期比 2 倍近くに増加
したにもかかわらず、売上高がそれに見合った伸びを示しておらず、太陽電池モジュー
ルの出荷価格の大幅な下落が資金繰りにも大きな影響を与えている。
また、尚徳電力は MEMC との長期契約解消の影響を控除すれば、営業利益は黒字を確保し
ていると強調している点も、巨額負債から生じる金利負担などから最終損益は赤字であ
ると指摘されている。尚徳電力の財務諸表によると、2011 年 6 月 30 日時点の短期借入
金は 16.66 億米ドルであるのに対し、現金資産は 6.48 億米ドルしかなく、4-6 月の営業
活動からの現金純収入が 190 万米ドル、1-3 月の現金純支出が 1.402 億米ドルであるこ
とから、尚徳電力が短期借入金の返済が困難になっており、リスケが必要になっている
ことが指摘されている。また、尚徳電力が銀行から巨額の融資を受けていることから、
今年 4-6 月に銀行に対して行った利払いは 3250 万米ドルに達している。
792 号 10 月 31 日
【EMS】和碩、3Q 四半期初の黒字達成 ただ上期の赤字相殺できず
DIGITIMES 28-10-2011
ノートパソコン ODM 大手の和碩(Pegatron)は、7-9 月の連結売上高が 1829.27 億 NTD
で、4-6 月比 40.7%増、税後利益が 3.66 億 NTD となり、四半期業績としては初めて黒字
転換を達成したことを明らかにした。ただ、今年 1-9 月については、上期の赤字を相殺
するには至らず、8 億 6400 万 NTD(2980 万米ドル)の純損失を計上したことを明らかにし
た。
7-9 月の売上高の事業別構成を見ると、ノート PC、タブレット PC、デスクトップ PC、マ
ザーボードを含む IT 製品事業が全体の 6 割を占め、携帯電話事業が同 2 割、ゲーム機等
のコンシューマ・エレクトロニクス事業が同 2 割だった。
今年 10-12 月の見通しについては、ノート PC、ネットブック PC、タブレット PC の出荷
量は 7-9 月比 10-15%減、マザーボード及びデスクトップ PC の同期出荷量は 7-9 月比
15-20%減になると予測している。一方、来年のノート PC 出荷量については、日系ユーザ
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2011 年 10 月号
ーの新規獲得により、今年の 1450-1550 万台に比べ約 30%増になるとの見通しを出して
いる。
収益率の改善策としては、人件費及び原材料価格の上昇を製品価格に転嫁する努力のほ
か、人件費が相対的に低い中国内陸部の重慶市に生産をシフト、生産ラインの自動化率
を上げるなどにより対応していることを強調した。
【パソコン】HP、事業戦略の全面見直しを完了 PC 事業の継続を決定
2011-10-28 聨合新聞網
パソコンブランド最大手のヒューレットパッカード(HP)は、PC 事業分離案を含む事業
戦略の全面見直しを完了し、最大の懸案となっていた PC 事業については継続を決定した
ことを明らかにした。
HP 総裁兼 CEO の Meg Whitman 女史は、PC 事業分離が HP の戦略、財務、運営にどのよう
な影響を与えるかについて客観的評価を行った結果、PC 事業を HP フレーム内に残すこ
とは、HP のユーザー、パートナー、株主、社員にとって正しい選択であるとの結論に至
ったことを明らかにした。
具体的には、PC 事業がサプライチェーン、IT、資材調達等を通じて直接的、間接的に HP
に利益をもたらしてくれること、PC 事業が HP のソリューション事業及び全体のブラン
ド価値創出に大きく寄与していること、PC 事業の分離独立に要するコストは分離独立に
よりもたらされるリターンをはるかに上回ることを指摘している。HP の昨年の PC 事業
売上高は 407 億米ドル、ここ数年世界最大の PC ブランドメーカーの地位を維持している。
【タッチパネル】宸鴻、3Q 売上高 2Q 比 23%増 税後利益は前年比 3 倍
2011-10-28 聨合報
アップル製品の静電容量式タッチパネル主力メーカーである宸鴻(TPK Holdings)総経
理の孫大明氏は 27 日、今年 7-9 月の売上高が 400.45 億 NTD で 4-6 月比 23%増、前年同
期比 133%増、税後利益が 36.26 億 NTD で 4-6 月比 2%増、昨年同期比 221%増となったこ
とを明らかにした。また、今年 1-9 月の累計売上高は 979 億 NTD に達し、10 月上旬には
年初からの累計売上高が 1000 億 NTD を突破する見通しを示した。現在世界で毎秒 5 台の
ペースで宸鴻製タッチパネルを搭載した携帯電話が販売されており、今のところ脅威と
なるライバル企業がないことを強調した。
今年 10-12 月の見通しについては、ユーロ債危機が実体経済を直撃していることから、
7-9 月比横ばいもしくは 5%以内の伸びにとどまるとの見方を示した。
液晶パネルメーカーが組み込み式タッチパネルの開発に力を入れており、今後はタッチ
機能を直接液晶パネルの製造工程に組み込むことが可能になり、タッチ用ガラスが不要
となることが予想され、タッチパネルがこれまで以上に軽量かつ薄型となると見られて
いること、アップルも次世代製品に組み込み式タッチパネル技術を採用する計画で宸鴻
が得意とする貼付け式タッチパネルの需要が大幅減少するとの見方については、現有の
液晶パネルメーカーの技術でタッチセンサを液晶パネルに組み込むと、タッチセンサと
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2011 年 10 月号
液晶パネルの動作が互いにノイズとなって正しく作動しなくなるため、その問題を解決
しようとすると結局はコストが割高になってしまい、競争力は低下するとの見方を示し
た。また、将来を見据えてタッチセンサを保護ガラス上に埋め込むタッチオン・レンズ
技術を既に開発済みで、来年 7 月から量産が可能になることを明らかにした。タッチオ
ン・レンズ技術については、大手液晶パネルメーカーの組み込み式タッチパネル技術に
比べ低価格で競争力があることを強調している。
今後の景気見通しについて、孫大明氏は、ユーザーと密接かつ良好な関係を構築するこ
とに集中する、春が来るのを待つ待ちの姿勢よりも、自ら春の環境を創り出し、ユーザ
ーを引き付け育てたいとの考えを示した。
【タブレット】英業達、タブレット事業縮小で 10 月 27 日付け 432 人を解雇
DIGITIMES 28-10-2011
ノートパソコン ODM 大手の英業達(Inventec)がタブレット PC の予期せぬ受注消失によ
り 10 月 27 日付けで従業員 432 人を解雇したことが明らかになった。
英業達は、ヒューレットパッカード(HP)が webOS タブレット PC 事業から撤退したため、
同製品の ODM 生産を停止する状況に追い込まれ、10 月初めに大幅な人員削減を実施する
との観測が出ていた。これについて、英業達スポークスマンの Alexander Hsu 氏は、タ
ブレット PC 関連事業部の縮小を明らかにしていたが、具体的な解雇人数については言及
を避けていた。
同業最大手の広達(Quanta)も、スマートフォン大手のカナダ RIM 社のタブレット PC、
PlayBook の販売不振から受注が大幅減となっていることから、今年 9 月に約 1 千人の従
業員の解雇とそれに伴う経済補償金の支払いを発表している。
【携帯電話】華冠、ソニーのソニーエリクソン完全買収はプラス要因との見方
DIGITIMES 28-10-2011
携帯電話 ODM 大手でソニーエリクソン最大の ODM パートナーである華冠通訊(Arima
Communications)は、ソニーのソニーエリクソン完全買収に伴う影響は小さいとの見方
を明らかにした。
また、ソニーエリクソンの次期 CEO に就任予定の Yoshihisa Ishida 氏が、ソニーの外注
拡大戦略を強く推進している人物で、ソニーエリクソンが自社保有する北京工場を閉鎖
し自社生産比率を引き下げることが伝えられていることも華冠及び EMS 最大手の富士康
(Foxconn)には恩恵になるとしている。華冠は現在、ソニーエリクソンと低価格スマー
トフォン ODM について協議中であることが伝えられている。
【PCB】欣興、3Q 売上高が 2Q 比 13%増 ビルドアップが 3 割占める
DIGITIMES 28-10-2011
プリント配線基板(PCB)大手の欣興(Unimicron)は、フレキシブル基板及びビルドア
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2011 年 10 月号
ップ基板の出荷増により、今年 7-9 月の連結売上高が 4-6 月比 13%増の 180 億 NTD(5 億
9870 万米ドル)、純利益は同 10%増の 15.5 億 NTD と堅調を維持したことを明らかにした。
1-9 月の累計売上高は 492.9 億 NTD、純利益は 41.5 億 NTD、粗利率は前年同期比 3 ポイ
ント低下の 16.3%だった。なお、7-9 月の売上高のうち 30%はビルドアップ基板、7%はフ
レキシブル基板が占めた。
【PCB】世界の主要フレキシブル基板メーカー 2010 年売上高ランキング
2011-10-27 PCB 信息網
地区
売上高(百万米ドル)
メクトロン
日本
2220
M-FLEX
米国
878
フジクラ
日本
799
住友電工
日本
661
日東電工
日本
573
鴻勝科技(Foxconn)
台湾
388
INTERFLEX
韓国
356
ソニーケミカル
日本
334
嘉聯益(Career)
台湾
314
SI FLEX
韓国
301
住友ベークライト
日本
228
景旺(Kinwong)
香港
152
毅嘉(Ichia)
台湾
146
台郡(FLEXium)
台湾
141
FLEXCOM
韓国
131
シンガポール
137
PARLEX
香港
108
BHFLEX
韓国
100
DEADUCK GDS
韓国
68
NEWFLEX
韓国
59
元盛(Topsun)
中国
37
奈電軟性(Netron)
中国
32
安捷利(AKM)
香港
27
MFS
元盛電子(本社:珠海):www.fpc.com.cn/
奈電軟性科技(本社:珠海):www.netronfpc.com/cn/
安捷利:www.akmcompany.com/
【電源】台達電子、今年 1-9 月純利益が前年比 30%以上の減少に
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2011 年 10 月号
DIGITIMES 28-10-2011
AC アダプタ最大手の台達電子(Delta Electronics)は、今年 7-9 月の連結売上高が 446
億 NTD、税後利益が 28.5 億 NTD で 4-6 月比 11%増、今年 1-9 月の純利益が 85.3 億 NTD(2
億 9400 万米ドル)で前年同期比 31%減となったことを明らかにした。10-12 月の売上高に
ついては、7-9 月比 10%以内の減少、今年通年の売上高は 1700-1800 億 NTD を見込んでい
るという。
1-9 月の連結売上高の内訳は、主力のパワーサプライが 62.4%、太陽光及び風力発電等の
新エネルギーが 21.4%、ディスプレイ、LED ライト、電子ペーパー、クラウドコンピュー
ティング等のスマートグリーンライフが 15.6%を占めた。
【生産移転】長江デルタで改革後初の空洞化 雇用減・操業停止相次ぐ
2011-10-29 経済参考報
中国の長江デルタの一部製造業で人員削減、操業停止が続く状況が見られ、一部の企業
では事業の先行きに展望を見出せず、設備又は工場を売却する状況も出てきた。江蘇省
無錫市発展改革委員会関係者によると、今年 1-8 月に無錫市で登録を抹消した企業は
1953 社に上り、そのうち製造業が 440 社、中小企業の登録抹消が目立つという。また、
無錫市で同期に新規登録された国内資本企業は 1 万 2 千社余りのうち、約 3 割は投資性
企業が占めることから、大量の資金が製造業から流出し、投資・金融業に流れているこ
とがうかがえるという。
上海市でも同様の現象が見られ、繊維・アパレル産業に従事する人口はピーク時の 55
万人から 2 万人まで減少、今年 4 月以降の自信指数も 2008 年のリーマンショック時より
も低くなっているという。
中国の消費市場に変調が見られる。中国の 2 大家電量販チェーン、蘇寧電器、国美電器
の今年 1-9 月の販売実績も前年同期比 10%以上の減少となっており、両社ともここ 10 年
来で消費が最も冷え込んでいると指摘している。シャープ商貿(中国)有限公司も、中国
国内販売で不振が続いているため、上海のエアコン工場がここ数ヶ月操業を停止してい
ることを明らかにしている。
中国華南の珠江デルタでも同様の現象が起きている。北京大学国家発展研究院が中国国
内最大の電子商ポータルサイト運営の阿里巴巴(Alibaba)と共同で珠江デルタ 6 つの都
市の企業 95 社、11 の卸売市場、15 の銀行を実地調査するとともに、インターネットを
通じて珠江デルタの 2889 社の中小企業に対してアンケート調査を行ったところ、原材料
コストの上昇で利益が平均で前年比 30-40%減となっており、多くの企業がこれ以上人件
費が上昇すれば経営が困難になると答えたという。
上海復旦大学企業研究所所長の張暉明氏は、長江デルタ地区の経済は全体としては良好
であるが、一部の中小企業で資金繰りが悪化している、政府もこの状況を把握しており、
既に金融面で支援する対策を取っているが、一部産業については金融支援しても一時し
のぎに過ぎず抜本的な構造転換が必要になっているとも指摘している。中央財経大学金
融学院教授の郭田勇氏は、市場から資金を直接調達することが難しい中小企業に対して
は集中的、専門的に融資する中小企業専門銀行の設立が必要な時期に来ていると指摘す
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2011 年 10 月号
る。
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