Ⅶ.その他の食品 1.

Ⅶ.その他の食品
1.冷凍食品
(1)無加熱摂取冷凍食品
(2)加熱後摂取冷凍食品
① 凍結直前加熱済
② 凍結直前未加熱
(3)生食用冷凍鮮魚介類
2.調味料
(1)ウースターソースおよび果実ソース
(2)トマトケチャップ
(3)マヨネーズ類
(4)みそ
(5)醤油
(6)砂糖類
3.油脂(乳製品を除く)
(1)食用油脂
(2)マーガリン
(3)ショートニングおよび精製ラード
4.菓子類
5.びん・缶詰および容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルトパウチ食品)
(1)びん・缶詰食品
(2)容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルトパウチ食品)
6.弁当・そうざい類
7.健康食品
(1)クロレラ
(2)プロポリス
(3)ビタミン C 含有食品
8.漬物
Ⅶ.その他の食品
1.冷凍食品
(1)無加熱摂取冷凍食品
○食品の成分規格
細菌数(生菌数)
大腸菌群
○規格基準以外の項目
器具・容器包装試験
(2)加熱後摂取冷凍食品
① 凍結直前加熱済
○食品の成分規格
細菌数(生菌数)
大腸菌群
○規格基準以外の項目
サルモネラ
黄色ブドウ球菌
器具・容器包装試験
② 凍結直前未加熱
○食品の成分規格
細菌数(生菌数)
E.coli
○規格基準以外の項目
サルモネラ
黄色ブドウ球菌
揮発性塩基窒素
安息香酸(保存料)
亜硝酸塩
器具・容器包装試験
(3)生食用冷凍鮮魚介類
○食品の成分規格
細菌数(生菌数)
大腸菌群
腸炎ビブリオ最確数
2.調味料
(1)ウースターソースおよび果実ソース
○規格基準以外の項目
官能検査
真菌検査
可溶性固形分
酸度
塩濃度
粘度
パラオキシ安息香酸イソプロピル(保存料)
ソルビン酸(保存料)
タール色素(着色料)
サッカリンナトリウム(合成甘味料)
繊維素グリコール酸ナトリウム(糊料)
異物検査
器具・容器包装試験
(2)トマトケチャップ
○規格基準以外の項目
官能検査
可溶性固形分
糖度(直接還元糖)
酸度
塩濃度
リコピンの定量
モールド・カウント
ソルビン酸(保存料)
ソルビン酸カリウム(保存料)
タール色素(着色料)
繊維素グリコール酸ナトリウム(糊料)
(3)マヨネーズ類
○食品添加物の使用基準
コンドロイチン硫酸ナトリウム(保水乳化安定剤)
○規格基準以外の項目
細菌数
大腸菌群
水分
粗脂肪
過酸化物価
ソルビン酸(保存料)
(4)みそ
○食品添加物の使用基準
ソルビン酸(保存料)
サッカリンナトリウム(甘味料)
グリチルリチン酸二ナトリウム(甘味料)
○規格基準以外の項目
カビ・酵母
水分
たんぱく質
食塩
水素イオン濃度
滴定酸度
亜硫酸ナトリウム(漂白料)
カドミウム
鉛(有害金属)
亜鉛(有害金属)
銅(有害金属)
マンガン(有害金属)
ニッケル(有害金属)
鉄(有害金属)
水銀(有害金属)
スズ(有害金属)
アンチモン(有害金属)
クロム(有害金属)
セレン(有害金属)
バリウム(有害金属)
ビスマス(有害金属)
ヒ素(有害金属)
異物検査
(5)醤油
○食品添加物の使用基準
パラオキシ安息香酸エステル(保存料)
サッカリンナトリウム(合成甘味料)
グリチルリチン酸二ナトリウム(合成甘味料)
○規格基準以外の項目
カビ・酵母
総窒素
揮発性塩基窒素
食塩
カドミウム(有害金属)
鉛(有害金属)
亜鉛(有害金属)
銅(有害金属)
マンガン(有害金属)
ニッケル(有害金属)
鉄(有害金属)
水銀(有害金属)
スズ(有害金属)
アンチモン(有害金属)
クロム(有害金属)
セレン(有害金属)
バリウム(有害金属)
ビスマス(有害金属)
ヒ素(有害金属)
安息香酸(保存料)
サッカリン(合成甘味料)
タール色素(着色料)
レビュリン酸
器具・容器包装試験
(6)砂糖類
○規格基準以外の項目
耐熱性菌数(胞子数)
真菌数(カビ、酵母)
水分
灰分
糖度
直接還元糖
ショ糖
色価
キャンデーテスト
亜硫酸(ビートグラニュー糖)
旋光度(デンプン糖)
デキストリン分(デンプン糖)
DE(dextrose
equivalent)
(デンプン糖)
着色度ならびに濁度(デンプン糖)
みかけのショ糖(蜂蜜)
滴定酸度(蜂蜜)
5‑オキシメチルフルフラール(蜂蜜)
ジアスターゼ活性値(蜂蜜)
3.油脂(乳製品を除く)
(1)食用油脂
○食品添加物の使用基準
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
(酸化防止剤)
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
(酸化防止剤)
グアヤク脂(酸化防止剤)
ノルジヒドログアヤレチック酸(酸化防止剤)
没食子酸プロピル(酸化防止剤)
クエン酸イソプロピル(酸化防止剤)
アセトン(分別溶剤)
ヘキサン(抽出剤)
○規格基準以外の項目
一般状態および官能検査
水分
曇り点
冷却試験
比重
屈折率
粘度
酸価
ケン化価
ヨウ素価
過酸化物価
カルボニル価
脂肪酸組成
不ケン化物
銅(有害金属)
鉄(有害金属)
鉛(有害金属)
ヒ素(有害金属)
カドミウム(有害金属)
器具・容器包装試験
(2)マーガリン
○食品添加物の使用基準
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
(酸化防止剤)
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
(酸化防止剤)
グアヤク脂(酸化防止剤)
ノルジヒドログアヤレチック酸(酸化防止剤)
没食子酸プロピル(酸化防止剤)
クエン酸イソプロピル(酸化防止剤)
アセトン(分別溶剤)
ヘキサン(抽出剤)
デヒドロ酢酸ナトリウム(保存料)
安息香酸(保存料)
ソルビン酸(保存料)
○規格基準以外の項目
一般状態および官能検査
一般生菌数
大腸菌群
真菌数(カビおよび酵母)
水分
油分
融点
酸価
過酸化物価
カルボニル価
ビタミン A
デヒドロ酢酸(保存料)
β−カロチン(着色料)
アナトー(着色料)
器具・容器包装試験
(3)ショートニングおよび精製ラード
○食品添加物の使用基準
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
(酸化防止剤)
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
(酸化防止剤)
グアヤク脂(酸化防止剤)
ノルジヒドログアヤレチック酸(酸化防止剤)
没食子酸プロピル(酸化防止剤)
クエン酸イソプロピル(酸化防止剤)
アセトン(分別溶剤)
ヘキサン(抽出剤)
○規格基準以外の項目
水分
酸価
ガス量
精製ラードのボーマー数
4.菓子類
○食品添加物の使用基準
ソルビン酸(保存料)
ソルビン酸カリウム(保存料)
プロピオン酸(保存料)
プロピオン酸カルシウム(保存料)
プロピオン酸ナトリウム(保存料)
亜硫酸ナトリウム(漂白料)
次亜硫酸ナトリウム(漂白料)
ピロ亜硫酸ナトリウム(漂白料)
ピロ亜硫酸カリウム(漂白料)
銅クロロフィル(着色料)
銅クロロフィリンナトリウム(着色料)
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(酸化防止剤)
サッカリン(合成甘味料)
サイクラミン酸ナトリウム(合成甘味料)
アセスルファムカリウム(合成甘味料)
スクラロース(甘味料)
臭素酸カリウム(小麦粉改良剤)
流動パラフィン(離型剤)
L‑シスチン塩酸塩(品質改良剤)
ステアリル乳酸カルシウム(品質改良剤)
タルク(製造用剤)
○規格基準以外の項目
外観検査(色沢・形状・におい・味・カビ)
異物
一般生菌数
大腸菌群
サルモネラ
黄色ブドウ球菌
セレウス菌
真菌数(酵母およびカビ数)
水素イオン濃度
酸度
酸価(洋生菓子の衛生規範)
過酸化物価(洋生菓子の衛生規範)
水分
粗タンパク
粗脂肪
直接還元糖
全糖
ショ糖
粗繊維
灰分
糖類および有機酸類の分別検査
安息香酸ナトリウム(保存料)菓子の製造に用いる果実ペースト
二酸化イオウ(漂白料)
タール色素(着色料)
指定外添加物(キノリンイエロー)
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)(酸化防止剤)
没食子酸プロピル(PG)
(酸化防止剤)
ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)
(酸化防止剤)
プロトカテキュ酸エチル(EPC)(酸化防止剤)
没食子酸イソアミル(IAG)
(酸化防止剤)
トコフェロール(Toc)
(酸化防止剤)
ズルチン(合成甘味料)
繊維素グリコール酸ナトリウム(糊料)
ビタミン A(強化剤)
カロチン(強化剤)
ビタミン B1(強化剤)
ビタミン B2(強化剤)
アスコルビン酸(強化剤)
カルシウム(強化剤)
酸性白土(製造用剤)
白陶土(製造用剤)
ベントナイト(製造用剤)
砂(製造用剤)
ケイソウ土(製造用剤)
D‑マンニトール(粘着防止剤)
カドミウム(有害金属)
鉛(有害金属)
亜鉛(有害金属)
銅(有害金属)
マンガン(有害金属)
ニッケル(有害金属)
鉄(有害金属)
水銀(有害金属)
スズ(有害金属)
アンチモン(有害金属)
クロム(有害金属)
セレン(有害金属)
バリウム(有害金属)
ビスマス(有害金属)
ヒ素(有害金属)
マイコトキシン
シアン化合物(青酸配糖体)生あんの成分規格
酸敗油脂
PCB
乳脂肪中の異種脂肪の検出
ココアバターおよびチョコレート中の異種脂肪の検出
ハチ蜜中の人工転化糖の検出
異物検査
器具・容器包装試験
5.びん・缶詰および容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルトパウチ食品)
(1)びん・缶詰食品
○規格基準以外の項目
恒温試験
総窒素
揮発性塩基窒素
水素イオン濃度
滴定酸度
インドール
スズ
ヒ素(有害金属)
アンチモン(有害金属)
鉛(有害金属)
鉛(有害金属)
亜鉛(有害金属)
異物検査
アフラトキシン
黄色ブドウ球菌
セレウス菌
クロストリジウム菌
殺菌剤
洗浄剤
添加物
抗菌性物質
抗生物質
農薬の成分である物質
内寄生虫剤の成分である物質
ホルモン剤の成分である物質
ヒスタミン
下痢性・麻痺性の貝毒
重金属及びその化合物
(2)容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルトパウチ食品)
○食品の成分規格
恒温試験
細菌試験(容器包装詰加圧加熱殺菌食品中で発育しうる微生物:陰性)
○規格基準以外の項目
異物検査
アフラトキシン
黄色ブドウ球菌
セレウス菌
クロストリジウム菌
殺菌剤
洗浄剤
添加物
抗菌性物質
抗生物質
農薬の成分である物質
内寄生虫剤の成分である物質
ホルモン剤の成分である物質
ヒスタミン
下痢性・麻痺性の貝毒
重金属及びその化合物
6.弁当・そうざい類
○食品添加物の使用基準
ソルビン酸(保存料)
ソルビン酸カリウム(保存料)
亜硫酸ナトリウム(漂白料)
次亜硫酸ナトリウム(漂白料)
二酸化イオウ(漂白料)
ピロ亜硫酸(漂白料)
サッカリン(合成甘味料)
サイクラミン酸ナトリウム(合成甘味料)
○規格基準以外の項目
生菌数(弁当及びそうざいの衛生規範)
大腸菌群
大腸菌(弁当及びそうざいの衛生規範)
黄色ブドウ球菌(弁当及びそうざいの衛生規範)
セレウス菌
サルモネラ
腸炎ビブリオ
カビ・酵母
タール色素(着色料)
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)(酸化防止剤)
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(酸化防止剤)
没食子酸プロピル(PG)
(酸化防止剤)
ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)
(酸化防止剤)
プロトカテキュ酸エチル(EPC)(酸化防止剤)
没食子酸イソアミル(IAG)
(酸化防止剤)
トコフェロール(Toc)
(酸化防止剤)
カドミウム(有害金属)
鉛(有害金属)
亜鉛(有害金属)
銅(有害金属)
マンガン(有害金属)
ニッケル(有害金属)
鉄(有害金属)
水銀(有害金属)
スズ(有害金属)
アンチモン(有害金属)
クロム(有害金属)
セレン(有害金属)
バリウム(有害金属)
ビスマス(有害金属)
ヒ素(有害金属)
BHC(残留農薬)
DDT(残留農薬)
パラチオン(残留農薬)
ディルドリン(残留農薬)
エンドリン(残留農薬)
EPN(残留農薬)
マラチオン(残留農薬)
ダイアジノン(残留農薬)
カルバリル(残留農薬)
熱量(栄養表示基準)
たんぱく質(栄養表示基準)
脂質(栄養表示基準)
炭水化物(糖質)(栄養表示基準)
ナトリウム(栄養表示基準)
7.健康食品
(1)クロレラ
○規格基準以外の項目
外観・性状
規格成分含有量
たんぱく質
葉緑素
クロロフィルb
ビタミン B2
鉄
フェオホルバイド
ヒ素
Pb(重金属)
一般生菌数
大腸菌群
水分
崩壊性
(2)プロポリス
○規格基準以外の項目
外観・性状
プロポリスまたはプロポリス含有量
総フラボノイド量(ケルセチン相当量)
フラボノイドの確認
p−クマル酸あるいは桂皮酸の確認
ゼラチン等の被包材比率
紫外部吸収
エタノール含有量
Pb(重金属)
ヒ素
PCB
エンドリン及びディルドリン(アルドリンを含む)(残留農薬)
テトラサイクリン(抗生物質)
ジエチレングリコール
一般生菌数
大腸菌群
合成樹脂容器の溶出試験
(3)ビタミン C 含有食品
○規格基準以外の項目
外観・性状
ビタミン C(L−アスコルビン酸)の含有量は、表示以上であること。
ヒ素
Pb(重金属)
一般生菌数
大腸菌群
8.漬物
○食品添加物の使用基準
ソルビン酸(保存料)
サッカリンナトリウム(甘味料)
アセスルファムカリウム(甘味料)
○規格基準以外の項目
カビ(漬物の衛生規範)
酵母(漬物の衛生規範)
産膜酵母(漬物の衛生規範)
異物(漬物の衛生規範)
大腸菌(漬物の衛生規範)
腸炎ビブリオ(漬物の衛生規範)
サルモネラ
黄色ブドウ球菌
ボツリヌス菌
エロモナス・プレジオモナス
セレウス菌
ウェルシュ菌
エルシニア・エンテロコリチカ
カンピロバクター
NAG ビブリオ
ビブリオ・フルビアリス
赤痢菌
合成着色料(漬物の衛生規範)
【注 釈】
冷凍食品
「冷凍食品とは、製造し、または加工した食品(食肉製品および鯨肉製品、魚肉ねり
製品ならびにゆでだこを除く)および切身またはむき身にした鮮魚介類(生かきを除く)
を凍結させたものであって、容器包装に入れられたものに限る」と食品衛生法で定義さ
れている。
無加熱摂取冷凍食品
無加熱摂取冷凍食品とは、冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたも
のであって、飲食に供する際に加熱を要しないとされているものをいう。加糖した果
実・プリンなどがある。
加熱後摂取冷凍食品
加熱後摂取冷凍食品とは、冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたも
のであって無加熱摂取冷凍食品以外のものをいう。凍結直前加熱された食品は、ハンバ
ーグ・凍結前加熱されたシューマイ・ねり製品・卵製品・めん類・ソース・米飯・パイ
などがある。凍結直前未加熱の食品は、えびフライ・コロッケなどのパン粉つけ食品・
生ハンバーグ・ブランチングした野菜などがある。
生食用冷凍鮮魚介類
冷凍食品のうち、切身又はむき身にした鮮魚介類で、生食用のものを凍結させたもの
をいう。
ウースターソースおよび果実ソース
ウースターソースは野菜の煮出し汁または搾汁に糖類・食酢・食塩・香辛料・カラメ
ルなどを加えて調製した液体調味料をいう。果実ソースとは果実・野菜のパルプおよび
煮出し汁または搾汁に糖類・食酢・食塩・香辛料・カラメルなどを加えて調製した粘稠
な調味料をいう(果実・野菜を製品の仕上りに対し、生産換算 30%以上使用したものに
限る)。また、果実ソースは、粘度によって中濃ソースと濃厚ソースに分けて呼ばれる
場合もある。
トマトケチャップ
トマトをベースとした調味料で、ほかにトマトペースト・トマトピューレー・トマト
ソース・チリソースなどがある。
トマトケチャップとは完熟したトマト(赤色のものに限る)を破砕裏ごしして濃縮し、
食塩、食酢、糖類、にんにく、たまねぎ、香辛料などを加えた調味料であって、可溶性
固形分が 25%以上のものをいう。
マヨネーズ類
JAS によればマヨネーズ類は、マヨネーズ、サラダドレッシング、およびフレンチド
レッシングの三種に分けられている。そのうちのマヨネーズは JAS によれば食用植物油、
食酢、卵黄または卵黄および卵白、調味料、香辛料などを混合して水中油滴型に乳化し
た粘稠な半固体状のものと定義されている。サラダドレッシングは同じく JAS によれば
食用植物油、食酢、卵黄または卵黄および卵白、デンプン糊、調味料、香辛料、乳化剤、
粘稠剤などを混合して水中油滴型に乳化した粘稠な半固体状のものと定義されている。
フレンチドレッシングは、食用植物油、食酢、調味料、香辛料、乳化剤、粘稠剤などを
混合した、やや粘稠な乳化液状のものまたは分離液状のものをいうと定義されている.
多くの加工食品が最終の製造工程で加熱をうけている例の多いのに比較すると、マヨネ
ーズ類は加熱をうけず一種の「なま物」であると考えられる。しかし、その成分中に含
まれる食酢および油により製品中に存在する微生物による衛生上の問題は、特殊な場合
のカビなどを除いては皆無といってよい。しかし、成分中に含まれる油の酸化などの化
学的変化による衛生上の問題はおこりえる可能性を持っている。
みそ
みそは普通大豆、米麦および食塩を主原料とし麹菌、酵母、乳酸菌などの微生物の作
用により熟成したもので、食塩含量は 5.7%〜14%と品種によって異なるが、大部分のみ
そは 12〜13%のもので、貯蔵性が高く、病原性菌の生育はみられない。ただし、発酵品
を生みその状態で食用に供することがあるので、異物の混入については食品衛生上特に
留意する必要がある。
醤油
醤油は脱脂大豆(もしくは丸大豆)、小麦および食塩を主原料として醸造した液体調
味料であり、食塩濃度は約 18%(w/v)
、pH4.6 という条件下で 80℃に火入れされるた
めに、そこに生存しうる微生物は耐塩、耐酸性を有するものに限られる。平板培養する
と主として Bacillus が検出されることがあるが、これらは耐熱性胞子として生残して
いるもので、醤油中で増殖することはない。したがって、醤油では、一般の食品で問題
になる食中毒菌の検査や生菌数測定などはほとんど意味がない。醤油について食品衛生
の立場から行う検査項目は、主としてアミン類や食品添加物および有害性金属などであ
る。
砂糖類
砂糖は甘味料として直接消費されるとともに、種々のすぐれた加工特性をもっている
ので、食品素材として重要なものである。砂糖は甘蔗または甜菜を原料として製造され
るが、通常、製造中に随伴する微量の不純物(非糖分)を含んでいる。車糖(上白・中
白・三温)と双目糖(上双・中双・グラニュー糖)に大別される。
砂糖は世界的商品であって、分析法も国際砂糖統一分析委員会(ICUMUSA)によって
検討され、国際的な公定法があって、改訂も随時行われている。
北海道で産出するビート糖はいわゆる耕地白糖であるが、製造工程中に亜硫酸ガスを
用いるので、亜硫酸を測定項目中に含める必要がある。
デンプン糖はその名の示すように、デンプンを加水分解してつくられるもので、加水
分解の程度によって結晶ブドウ糖、精製ブドウ糖、水アメ、粉アメなど多種類のものが
ある。甘味料として用いられる以外に、糖化度の低いものは、物性面での利用価値が高
い。
蜂蜜は古来天然の手を加える必要のない甘味料として珍重され、最近は自然食ブームも
加わって、
消費量が急増している。
消費形態は直接消費のテーブルハネーが 90%以上で、
なるべく手を加えない、偽和物のないものが望まれる。
食用油脂
食用油脂は一般の食用に供する油脂類で、サフラワー油、大豆油、ヒマワリ油、トウ
モロコシ油、綿実油、ゴマ油、ナタネ油、コメ油、カポック油、落花生油、オリーブ油、
パーム油、パーム核油、ヤシ油などの精製油あるいはサラダ油およびこれらの調合油で
ある。食用油脂類の性状は原料の種類によって異なり、また、同じ原料でもその精製の
程度、経歴などによってその性状が変化する。
マーガリン
マーガリンは JAS によれば「食用油脂に水等を加えて乳化した後、急冷練り合わせを
し、または急冷練り合わせをしないでつくられた可そ性のもの、または流動性のものを
いう」と定義されている。強化マーガリン、A 級および B 級マーガリンに区分される。
ショートニングおよび精製ラード
ショートニングは JAS によれば、
「精製した動植物油、硬化油またはこれらの混合物
を急冷練り合わせをしてつくられた固状のものおよび急冷練り合わせをしないでつく
られた固状または流動状のものであって、可そ性、乳化性等の加工性を有する」ものを
いう。
精製ラードは純製ラードと調整ラードに大別され、JAS では、「純製ラードとは、精
製(脱酸、脱色、脱臭等をいう。以下同じ)をした豚脂を急冷し、練り合わせてつくら
れた固形脂または精製をした豚脂からつくられた固形脂をいい、調製ラードとは精製を
した豚脂を主原料とし、これに精製をした他の油脂を一部配合した後、急冷し、練り合
わせてつくられた固形脂または精製脂をした豚脂を主原料とし、これに精製をした他の
油脂を一部配合した固形脂をいう」と定義されている。
菓子類
食品衛生法における菓子製造業の範囲は広い。ここでは、和洋生菓子、和洋半生菓子
および一部の菓子パンを含める。
びん・缶詰食品
食品をびん、缶の容器に入れ密封し、その食品が通常の流通条件(非冷蔵)下に放置
されたとき、食品中で発育しうるあらゆる微生物を加熱殺菌により除去し、長期間の保
存に耐えられるようにした食品をいう。
容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルトパウチ食品)
容器包装詰加圧加熱殺菌食品とは、食品(清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品および魚
肉ねり製品を除く。)を気密性のある容器包装に入れ、密封した後、加圧加熱殺菌した
ものをいう。レトルトパウチ食品(プラスチックフィルム若しくは金属はく又はこれら
を多層に合わせたものを袋状その他の形状に成形した容器で気密性および遮光性を有
するものに、調製した食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧加熱殺菌したものをいう。
)
がある。
弁当・そうざい類
弁当とは主食と副食がセットになったもの、そうざい類とはそのまま食べる副食物で
ある。また、主食をベースにしたおにぎりや寿司などもこの品群に入れられている。
クロレラ
クロレラとは、緑藻綱 クロロコックム目 オオシスティス科 クロレラ属の藻類であ
って、通常は 2〜10 ミクロン(μm)の円形又は楕円形の単細胞で緑色ないし淡緑色を
呈するものをいう。クロレラを使用したには、クロレラ食品、クロレラ加工食品、クロ
レラ加工複合食品などの健康食品がある。
プロポリス
「プロポリス」とはミツバチ(Apismellifera)の巣房を構成する素材の一つとして、
ミツバチにより花粉および植物の分泌物(樹液等)と、自らの分泌物(ミツロウ等)を
練り合わせて作られたもので、フラボノイドを高濃度に含み樹脂、ミツロウ、芳香油、
有機酸類等からなる淡褐色から黒褐色の樹脂状物質をいう。プロポリスを使用した食品
には、プロポリスエキス、プロポリス加工食品、プロポリス含有食品、プロポリスエキ
ス加工食品、プロポリスエキス含有食品などの健康食品がある。
ビタミン C 含有食品
ビタミン C 含有食品とは、ビタミン C を当該食品1g 中に 20mg 以上 500mg 以下を含
む食品をいう。
漬物
通常、副食物として、そのまま摂食される既製食品であって、野菜、果実、きのこ海
藻等(以下「野菜等」という。
)を主原料として、塩、しょう油、みそ、かす(酒かす、
みりんかす)
、こうじ、酢、ぬか(米ぬか、ふすま等)
、からし、もろみ、その他の材料
に漬け込んだものをいう。これらは、漬け込み後熟成させ、塩、アルコール、酸等によ
り保存性をもたせたもの(但し、熟成後調味のための加熱工程のあるものを除く。)と
一夜漬(浅漬けともいう。
)のように保存性に乏しいものに分類される。