国際的な動向を踏まえた 日本の食品産業への期待

国際的な動向を踏まえた
日本の食品産業への期待
平成28年9⽉21⽇
農林水産省 食料産業局 企画課 企画官
/栄養改善国際展開タスクフォース事務局長
大屋 洋子
はじめに 〜国際的な栄養不良問題への取組
⾷料産業局
G7新潟農業大臣会合(平成28年4月24日)
● 宣言文書(抜粋)
栄養不⾜は、依然として⼤きな課題であり、継続的な取組、特に栄養不⾜を解消する取組
は重要となっている。⾷育は、⽣活の質を悪化させ保健分野での公的⽀出の増加を必要とする
肥満や⽣活習慣病を含む健康問題に取り組む上で重要な役割を担う。我々は、農業者、⾷品
産業を含む全ての関連するステークホルダーとの協⼒の下で、栄養改善や⾷品安全の教育を
含む⾷育に関する施策を発展させる。
G7伊勢志摩サミット成果文書(2016年5月27日)
● 首脳宣言(抜粋)
「2030 年までに開発途上国における5億⼈を飢餓及び栄養不良から救い出すという我々の⽬的の
達成に向け、関連するパートナー及びステークホルダーと連携し,具体的⾏動に共同で携わる。」
● 関連文書/食料安全保障と栄養に関するG7行動ビジョン(抜粋)
栄養に関する⾰新的資⾦調達を奨励するため、マルチ・ステークホルダー・イニシアティブを⽀援し、
また、パートナー国政府の優先課題にG7の投資を合致させ、特に栄養スケールアップ(SUN)
ドナー・ネットワークとの協働によってドナー強調を強化する。
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栄養改善事業の政策上の位置づけ
⾷料産業局
「経済財政運営と改革の基本方針2016」(平成28年6月2日閣議決定)
2章 5 . (1)① 外交 「持続可能な開発⽬標(SDGs)の実施に積極的に取り組む。」
「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」(平成27年9月国連総会採択)(抄)
持続可能な開発⽬標
⽬標1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
⽬標2.飢餓を終わらせ、⾷料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
 「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」の設置 (平成28年5月20日閣議決定)
「健康・医療戦略」(平成26年7月22日閣議決定)(抄)
2.(2)3)エ 顧みられない熱帯病(NTD)や栄養不良等に関する官⺠連携による⽀援等
「⽇本の優れた栄養強化⾷品などの研究開発⼒をいかし、新興国・途上国を含む各国の栄養改善のため、
官⺠連携を通じた包括的(インクルーシブ)ビジネスを含む事業の国際展開を進める」
「開発協力大綱」(旧「政府開発援助(ODA)大綱」)(平成27年2月閣議決定)(抄)
Ⅱ(1)ア 「質の⾼い成⻑」とそれを通じた貧困撲滅
「(前略)⼈間開発,社会開発の重要性に⼗分に留意し,保健医療, 安全な⽔・衛⽣,⾷料・栄養(中略)
⼈間中⼼の開発を推進するために必要な⽀援を⾏う。」
Ⅱ(1)ウ 地球規模課題への取組を通じた持続可能で強靱な国際社会の構築
「(前略)この観点から,(中略)⾷料安全保障及び栄養(中略)に取り組む。」
「食料・農業・農村基本計画」(平成27年3月閣議決定)(抄)
第3(5)②ウ 国際協⼒の新展開
「飢餓・貧困対策や、気候変動、越境性感染症等の地球規模課題に対応するため、途上国に対して農業⽣産や
⾷品安全等に関する技術協⼒及び資⾦協⼒、⾷料援助等を実施する。
また、アフリカを始めとする世界の栄養改善に向けて、官⺠が⼀体となって具体的な⽅策を検討し、実施する。」
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栄養改善事業推進プラットフォーム(NJPPP)の⽴ち上げと連携
⾷料産業局
⾷料産業局
健康・医療戦略推進本部/健康・医療戦略推進会議/医療国際展開タスクフォース
官⺠連携での栄養改善事業推進の枠組「Nutrition Japan」
栄養改善の
国際展開推進作業部会
(関係府省)
内閣官房
外務省
⽂部科学省
厚⽣労働省
農林⽔産省
経済産業省 他
政府レベルでの取組
推進体制の充実・改善
栄養改善事業推進プラットフォーム
活動⽀援・
運営委員
会参加
⺠間企業
NGO
活動報告・
政府への要
望と提案
共同歩調
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コンサルタント
学術研究団体
学識経験者
政府関係機関
運営委員会 共同議⻑:JICA・⾷品産業センター
情報発信(セミナー等)、相談対応
具体的プロジェクトの形成・推進
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国際連合⾷糧農業機関(FAO)との連携
⾷料産業局
(⼤⾂官房国際部海外投資・協⼒グループ、⾷料産業局⾷品製造課)(新規)28年度予算額 50,977千円
【事業概要・目的】
アフリカ・アジアにおいて、⽇本の⾷品事業者等の協⼒を得て、現地の⾷品事業者等に対する
栄養改善に関する啓発を⾏う講義・セミナーを開催することにより、栄養不⾜⼈⼝の削減に貢献。
事業内容
背景
 約8億⼈の⼈々が慢性的な低
栄養状態。最低エネルギー必要
量を満たすだけの⼗分な⾷料を
確保することができていない。
 20億⼈がビタミンとミネラルの⽋
乏状態。
健康・医療戦略
(平成26年7⽉22⽇閣議決定)
(抄)
(前略)⽇本の 優れた栄養強化
⾷品などの研究開発⼒をいかし、新
興国・途上国を含む各国 の栄養改
善のため、官⺠連携を通じた包括
的(インクルーシブ)ビジネス を含
む 事業の国際展開を進める
アフリカ・アジアにおける
「栄養改善とフードバリューチェーン」
講座・セミナーの開催
 栄養を専⾨としていない⼤学⽣及び
⾷品事業者を対象に実施。
期待する成果
 現地の学⽣、⾷品事業者の栄養
改善の推進により、アフリカ・アジアに
おける栄養不⾜⼈⼝の削減に貢献
 アフリカ・アジアの国々での栄養に
 アフリカ・アジアの実施国の実態に
合った“⽣きたカリキュラム”にするための
分析・ワークショップを開催。栄養改善等
の取組が進んでいる⽇本の⾷品事業者
等も参加(講師としても招聘)。
関する意識の向上を図り、もって、我
 講義・セミナーで活⽤した教材を
Eラーニングでも活⽤できるようにし普及
の栄養不良対策に資する我が国のイ
が国⾷品事業者が現地で栄養改善
の取組を⾏う環境整備を推進。
 ⽇本の成⻑戦略だけでなく、世界
ニシアチブとして世界に発信。
(後略)
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MAFF・FAO栄養改善シンポジウムを開催
⾷料産業局
和食、地中海食から学ぶ健全な食生活とフードシステムの実現
今年度から国際連合⾷料農業機関(FAO)栄養・フードシステム部との初の連
携により栄養改善プロジェクトが開始されるのを記念して、シンポジウムを平成28
年6⽉16⽇にFAO本部(ローマ)にて開催。
FAOコスタス経済社会開発局⻑、
農⽔省丸⼭⾷料産業局審議官より挨拶。
⾷品産業センター
村上理事⻑
京料理「たか⽊」の
⾼⽊料理⻑
定員144名の会場は満席で⽴ち⾒が出るほどに。
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JA全中
⽐嘉専務
会場⼊⼝の取組紹介ポスターに
⾒⼊る参加者
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第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)サイドイベントとしてシンポジウムを開催⾷ 料 産 業 局
日本とアフリカの食文化に学ぶ栄養改善シンポジウム
第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)のサイドイベントとして、栄養改善に関する
シンポジウムを、8⽉26⽇にケニア国⽴博物館にて開催。
【ファシリテーター】
Dr. Patrick Maundu
⾷品産業センター
村上理事⻑
味の素
取出恭彦⽒
キッコーマン⾷品
前⽥知宏⽒
会場には140名が
参加。
企業協賛ブースや
カフェコーナーも⼤盛況
フロアに展⽰した取組紹
介パネルに⾒⼊る参加者
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⼤好評だった⽇本企業提供の
栄養⾷品・菓⼦
第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)ジャパンフェアへの出展
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⾷料産業局
「Nutrition Japan Public Private platform」ブース出展
第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)会場内で実施されたジャパンフェアにブー
ス出展し、栄養改善事業推進プラットフォームの紹介をはじめ、各企業の取組パ
ネルや商品を展⽰。
会場となったKICC
ジャパンフェア⼊り⼝
農⽔省ブース
Vbっっz
展⽰商品やパネルには
常に問い合わせをする来場者が。
ケニア農村団体の⼥性からポン菓⼦
を試⾷する安倍総理⼤⾂
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⽇本企業から
の提供商品
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農⽔省ブース詳細 〜展⽰パネル(全体イメージ)
MAFF 農林⽔産省
⾷料産業局
FAO
MOFA/JICA
MOFA/JICA
FAO
Bioversity
サカタのタネ
⽇清⾷品
不⼆製油
キッコーマン
味の素
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「栄養改善事業推進プラットフォーム」を通した⾷品企業への期待
官
栄養改善の視点から
途上国への
支援を果たし、
国際社会に対する
イニシアティブを持つ。
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⾷料産業局
民
海外に向けた
CSVを実現するとともに、
将来的に
海外市場における
新しい価値と
需要を創造する。
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ご清聴有難うございました。
農林水産省 食料産業局 企画課 企画官
/栄養改善国際展開タスクフォース事務局長
大屋 洋子