固めの形講習会資料 (講道館鏡開式にて) これさえあれば、あなたも全国レベル かな ?! 1 はじめに 多くの先生方のご指導のお陰で、平成20・21年全日本柔道形競技大会に出場をさせていた だくことができました。そして練習をする中で多くのことを学ぶ機会や貴重な経験を与えていた だき本当に感謝しております。ありがとうございました。 今回の講習会は、お礼も込めまして、少しでも全国大会までの練習過程で、気づいた点、大切 にした点、イメージした点、そしてたくさんの先生方からアドバイスをいただきましたポイントを、 伝えさせていただき、今後の指導の参考になればと思っています。内容については、我々の思って いることをありのままに、そしてシンプルさを目指して記載させていただきました。まだまだ未熟 でありますので、勘違いしている点も有るかもしれません。気がつかれた点などありましたらご指 導していただけるとありがたいです。 今後、柔道の形に対する大切さが、より一層叫ばれています。ある県では、中学校大会で、形の 大会も行っていることも耳にします。今後、嘉納治五郎先生が創設した講道館柔道が目指すもの は、競技の向上だけではなく正しい技の習得つまり形の質の向上や普及であると思います。 常に柔道界の一歩リードを心がける西三河柔道協会としては、形の普及、発展について検討し ていく必要があると思います。先生方からアドバイスをいただきながらよりよい方向を考えていき たいと思います。 2 心がけていること (1) リズム・・・膝行の際に、「すーすーすーぅ」のリズム (2) メリハリ・・初動作で「力強く」を意識。「参った」の合図 早め、強め。 (3) 演武・・・・「大きく見せる。」位取りで右足の角度を少し広め (4) 流れ・・「参った」のタイミングが、抑え込み→絞め技→関節技に成るにつれて、早くな る。 ※ ガチッと極めている様で少し逃げる箇所をつくる。 3 ポイント (1) 礼法、服装 場外の礼 ※123のタイミング。 正面の礼・座礼 ※1234のタイミング。 自然本体に出るとき 腰からでるイメージ。 少し伸び上がるイメージ。 位取り・・・右足は90度より少し大きめに曲げる。(一呼吸をおいて次の動作へ) 左足を軸に右足をスライドするイメージ。 右手は、膝頭。左手は、自然に体側。視線は、前。遠く(できれば遠くの山)を見る イメージ。 移動時は4歩を目安に一歩を大きく。自然に向きを変える。 受け※中心に襟が来るように寝る。天井で位置を覚える。両手を畳に付けない。 (2) 抑え込み Ⅰ袈裟固め 一番初めの形なので、インパクトを大切に。 取 両膝は、90度。右手は、内中袖から手を出す。 ①(肘取り)右手でふせぐ。下向きひざまげ。 ②(膝入れ)袈裟でもどる ③(鉄砲)下向き大 右手でふせぐ。 受 肘関節→膝を入れる→左に大きく返す 初動作(エビ)をしっかり・右手を肘に当てる 。 Ⅱ肩固め 取 左手はやはず。右膝を脇。左足まっすぐ。右手は滑り込むイメージ。 両手で合掌、頭は、受けの首の横。 ①(肘入れ)曲げて座る(両膝を受けに向かって正座するイメージ) ②(膝入れ)袈裟 ③(回転)基の形、下向き 受 肘を突っ張る→膝を入れる→左後方に回転 真後じゃなく左後方(左肩の方向)へ回転 Ⅲ上四方固め 取 にじり寄り、右膝倒す。肩から両手の平を畳に滑り込むイメージ。べた足。 ①(左回転)左足横②(右回転)右足斜めに出して受けを返らせない。 ③(両肩上下、オーバーアクション。)引きつけるとともに、両足を広げる。 初めの固め上四方に戻る。※べたあしで終わる。 受 頸を抱えて返す→腹ばいになる→後方回転 後方回転の前に取と離れる(逆エビ) Ⅳ横四方固め 取 右手で相手の腕を押さえ、左で帯を持ち、すぐに右手を股→5指で帯をしっかり 持ち、肘が受けの中心に来るイメージ。両膝が受けの体側に付ける。 左手は、横襟。顔は、受けの顔を向く。折りたたむイメージ ①(手刀で押す、左膝まげ)右足を下げて、頭を中に入れ後ろけさ。 ②(右膝入れる)けさ固め ③(鉄砲)下を向き大の字。でこで、止めるイメージ。 受 三角→膝を入れる→左に大きく返す 抑込む時に背中を丸くする Ⅴ崩れ上四方固め 取 ※一度近間から一歩前に近づき斜めに行く。 右手4でつかみ、左手1で支える。※同時ではない。 左手は、肩から滑る、べた足 ①(左手か肘を入れる。)後袈裟 ②(膝入れ)四つんばい。 ③(鉄砲)下向き大、でこで畳を押すイメージ。 受 右手を抜く→左膝を入れる→左に大きく返す 膝を入れるときに取りを頭上に押し上げる (3) 絞め技 Ⅰ片十字絞め 右手のスムーズな滑らし方。上体をできるだけ受けに密着させるイメージ。 取 両足を相手を挟んでいる。戻して(逆十字絞めより受の上を挟む) 受 両腕を押し腰を上げる Ⅱ裸絞め 取 一歩下がって、同時に。下に引くイメージ。※右足を下がる時に少し内側に。 受 両手で取の右手を引き下げる Ⅲ送り襟絞め 取 一歩下がって、相手を右に絞める。(15度ひねるイメージ)胸をはる。 受 両手で取の右手を引き下げる。 Ⅳ片羽絞め 取 受けの左手を伸ばすイメージ。(30度ひねるイメージ) 受 左手首を握り引き下げる Ⅴ逆十字絞め 取 (受の胸(国際ではわき)を抑えるイメージ)片十字絞めより取りの両膝の位置をす こし胸下あたりのイメージ。 受 右手は押し下げ左手は押し上げる (4) 関節技 Ⅰ腕がらみ 取 受けの左手首を外旋。※手首をもつ、できるだけ柔道衣をもたない。 受 左肩と腰を上げる Ⅱ腕ひしぎ十字固め 取 相手のわきに右足密着。※両膝をしめる。 受 腰を上げ体を左に捻る Ⅲ腕ひしぎ腕固め 取 膝たち、船底形、右膝当てる。※首ではさみ、右手横から、左手下から、 ※最後は少し背筋を伸ばすイメージ。 受 左腕を引きつける Ⅳ腕ひしぎ膝固め 取 巴投げのイメージ。右足で腰をあて、左膝で受けの右肘を当てる2段モーション 受 右腕を突っ込む。左手で前受け身を取る。 ※2回目両膝つぶれて「参った」 Ⅴ足がらみ 取 くずして巴投げ。 受 巴投をしっかりと防ぐ(胸を張る) ※両者ともに全体的に背筋はるイメージ。 4 さいごに いずれにしましても、二人があうんの呼吸で実技できるには、かなりの練習量が必要と 思いま す。よく冗談で「お互い奥さんと一緒にいる時間より長い時間練習してるね」と言う ぐらい夜遅く までやりました。いかに練習時間の確保が大切だと思いました。 そしてより質を高める為には、先生方に定期的に見ていただき、アドバイスをいただくこ とが、 上達への最短距離と思います。困ったら、教本で確かめる。先生に聞く。お互いに気 になったこと をその場で、確認し合うなど。確認の仕方は、鏡を見ての練習。ビデオを使っ ての反復練習。理 合を知るには、実際に受けが返す練習など取り入れるとより効果的と思 います。以上二人で思い つくままに、書かせていただきました。1週間に1度でよいから形 に取り組める姿勢ができると嘉 納先生もきっと喜んでいただけると思います。 感謝 特に次の先生方には、多忙にもかかわらず、熱心にご指導いただきました。心より感謝の 気ちでいっぱいです。ありがとうございました。 ○今野先生 を始めとする西三河柔道協会の先生方 ○愛知県柔道連盟の竹内 先生 ○講道館の先生方。主に佐藤先生、小志田 先生、向井先生、村田先生、山本先生 ○快く練習に行かせてくれた両家の家族 【松川博茂】六段 西三河柔道協会 【杉山康弘】五段 西三河柔道協会
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