銅ビジネスについて - JXホールディングス

銅ビジネスについて
■ 採鉱から銅製錬までのプロセス
採鉱された銅鉱石を種類(硫化銅鉱、酸化銅鉱)によって、異なる方法で処理します。
乾式法(硫化銅鉱)
銅鉱山
硫化鉱
採鉱
Cu2S、CuFeS2
Cu:1.0% 前後
銅製錬所
破砕
銅精鉱
溶錬(自溶炉 65%)
磨鉱
Cu :30 %
S :30 %
Fe :30 %
精銅(転炉 99.0%)
選鉱
銅地金
電解
精製(精製炉 99.3%)
( 電気銅)
Cu:99.99%
スクラップ類
湿式法(SX・EW* 法)
(酸化銅鉱)
* Solvent Extraction-Electrowinning
銅鉱山
酸化鉱
採鉱
CuO,Cu2O
破砕
リーチング
溶媒抽出
(硫酸による浸出)
(銅イオンの抽出)
銅地金
( 電気銅)
電解
Cu:99.99%
■ 銅製錬の収支構造
製錬会社が鉱山会社に支払う銅精鉱価格は、LME 銅地金価格から製錬マージン(TC/RC)を差し引いた金額となり
ます。長期契約の TC/RC は通常年 1 回の交渉によって決定されます。また、製錬会社の銅地金販売価格は、LME 価格
に販売プレミアム(輸入経費、品質などを考慮して決定)を付加した金額となります。
TC/RC の推移
製錬会社の収入
LME
銅地金価格
銅精鉱
購入価格
銅地金
販売価格
販売プレミアム
(ドル建)
TC /RC
(ドル建)
(TC/RC)
100/10
製錬会社
収入
90/9
80/8
*
70/7
60/6
50/5
40/4
銅精鉱代
(ドル建)
鉱山会社
収入
30/3
20/2
10/1
TC:銅精鉱(乾鉱量)1トン当たり$
RC:銅精鉱中の含有銅量 1 ポンド当たり¢
0
(暦年)
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
* 2010 年末は、契約相手、契約期間などにより製錬マージンに複数の合意が形成された
22
JXホールディングス株式会社
■ 電材加工における主な製品と用途
銅を加工して作られる電材加工製品は、スマートフォンやタブレット端末、パソコンなど最先端の電子機器に欠かせな
い製品です。技術革新や新興国の経済発展に伴い、世界的に需要は伸びています。JXグループは、半導体やフラット
パネルディスプレイなどに使われる「薄膜形成材料」
(スパッタリングターゲット)や、フレキシブル基板用の圧延銅箔、
主にコネクター材として使用される「精密圧延品」などの世界トップベンダーとして、長年培ってきた加工技術をベース
に、革新的な技術開発に取り組んでいます。
スマートフォンにおける電材加工製品の使用例
オートフォーカス
カメラモジュール
マイクロ SIM /
SD カードコネクター
フレキシブルプリント基板
Li イオンバッテリー
バッテリー端子
イヤフォンジャック
グランドコンタクト
基板対基板コネクター
JXグループの電材加工製品
主な電材加工製品
圧延銅箔
ターゲット材
一次用途
パソコン
(No. 1)
フレキシブル
回路基板
○
◎
◎
◎
○
◎
◎
○
◎
◎
○
◎
○
○
○
◎
○
○
○
○
◎
○
70%
半導体用
ターゲット
60%
CPU、メモリー
(No. 1)
チップなど
液晶用(ITO)
ターゲット
(No. 1)
磁性材
ターゲット
(No. 1)
りん青銅
精密圧延品
最終用途
携帯電話・
スマート
フォン
JXグループの
世界シェア
(2012 年現在)
コルソン合金
(C7025)
チタン銅
インジウムリン化合物半導体
30%
50%
20%
(No. 1)
45%
(No. 1)
70%
(No. 1)
50%
(No. 1)
透明導電膜
ハードディスク
など
コネクター、
電子部品用
ばね
リードフレーム、
コネクター
高級コネクター
など
デジタル
家電・AV
光通信デバイス、
超高速 IC
○
通信
インフラ
自動車
○
○
◎
○
○
IT 関連
JXホールディングス株式会社
23
銅ビジネスについて
■ 環境リサイクルについて
世界的な資源獲得競争の激化や環境負荷低減の観点から、金属資源リサイクルの重要性はますます高まっています。
しかし近年、電子部品加工事業者の海外シフトや省金属化を背景に、国内リサイクル原料発生量が減少傾向にあり
ます。そのため、海外からの集荷強化や、産業廃棄物の無害化処理を含めた事業の差異化が急務となっています。
環境リサイクルフロー
排出者
集荷
リサイクル原料
金属含有量の低下
集荷競争の激化
産業廃棄物
集荷
受入
前処理
分析
金属回収
受入
無害化処理
金属地金
スラグ
主なリサイクル原料
電子部品屑
(コネクター)
CHECK
電子部品屑
(半導体パッケージ)
打ち抜き屑
(金メッキ伸銅品)
廃携帯電話
廃プリント基板
廃棄物の無害化処理
電気絶縁性に優れ、主にトランスやコンデンサの絶縁油に使われた PCB(ポリ塩化ビフェニル)ですが、有害性があ
ることから、現在は新たな製造および輸入が禁止されています。PCB を直接含む絶縁油などだけでなく、この油が
使われた筐体まで無害化処理できるのは、当社グループを含め、全国で 7 カ所しかなく、廃棄物量に対して処理が
追いついていない状況です。JXグループはこうした無害化処理事業の拡大を図り、差異化を推進していきます。
低濃度 PCB 廃棄物 完全無害化処理フロー
低濃度 PCB を含む廃棄物
(絶縁油など)
バグフィルタ
ロータリーキルン式焼却炉
電気集塵機
無害化
された気体
固定床炉
二次焼却炉 急冷塔
低濃度 PCB を含む廃棄物
(トランスなどの筐体)
24
JXホールディングス株式会社
筐体は解体後、製錬所等で
銅・鉄・アルミなどにリサイクル
洗浄塔
煙突