こちら - PC Watch

秘伝のチューニングテクを
一挙公開
性能を伸ばす設定/もっとパーツを冷やすには?/PCを静かにしたい
パーツの寿命を延ばす/VR環境構築術
久々のPC自作も初心者もしっかりサポート PC自作再入門
“使える”
パーツ構成例多数収録
CPU
マザーボード
メモリ
ビデオカード
SSD
HDD
PCケース
電源
CPUクーラー
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様を
ツの仕
代 パー データベース
世
旧
新
力
きる強
一覧で
、
、GPU 、
覧
プセット
一
ッ
様
チ
、
CPU フェースの仕
インター用語解説など
に!
さら
ース
PCケ
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CPU
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め
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激 ックを
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作
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解説
入門
手順
定
立て
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FI/B
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、
GPU 、
セット、様一覧
、チップ スの仕
CPU ーフェー 説など
インタ 用語解
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PCはチューニング
技だ!!
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購入
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別編
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パーツの基礎から
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DOS/V POWER REPORT特別編集
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p.8
第1部 PCパーツトレンド
CPU完全ガイド
買いの最新SSD総チェック
最新HDD購入案内
p.125
自作やるならやっぱりATXケースでしょ!
p.133
新顔ATX電源大品評会
p.169
Radeon RX 480&GeForce GTX 1060登場!! p.180
本当に使える水冷クーラーはこれだ!
p.186
1万円台で買えるお手頃NASキット
p.190
p.9
p.73
第2部 最新自作テクニック
自作PCチューニング技術大全100
p.195
チョイ古自作PC再生計画 p.245
Windows 10時代のRAMディスク活用術 p.304
新世代VRが自宅にやってきた!!
p.308
DOS/V POWER REPORT
公式Twitter&Facebook稼働中
フォロー、いいね!で自作関連情報が配信されます!
Twitter:@DOSVPOWERREPORT
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PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
1
第3部 PC自作入門
もう一度、PCをイチから作る。
p.313
25年目のPC自作スタンダード
p.379
完全保存版UEFI大事典
p.427
Windows 10最新事情
p.448
二〇一七
PC自作・チューンナップ
虎の巻
DOS/V POWER REPORT特別編集
「パーツ保証制度」活用のススメ
p.452
第4部 PCパーツ&
周辺機器カタログ
アンダー 1万円で探すお買い得電源
p.456
ケースファンオールスターズ
p.460
PC体験を一変させる大型液晶ディスプレイ
p.464
内蔵拡張カードコレクション
p.468
一つは持ちたい大信USB 3.1/3.0メモリ
p.472
採れたてUSB 3.1デバイス 24
p.476
キーボード選び放題
p.480
鉄板ゲーミングデバイス 26
p.484
今すぐ欲しい環境改善グッズ
p.488
第5部 PC自作資料集
CPUスペック表 マザーボードスペック表
p.494
ビデオカードスペック表
p.496
CPUコードネーム解説
p.500
チップセットスペック表
p.502
GPUスペック表 インターフェース一覧
p.510
フォームファクター一覧
p.511
Windows 10キーボードショートカット表 p.512
Windows 10機能一覧 p.514
PC自作用語解説
p.515
全国PCショップリスト
p.492
p.506
p.523
●本書は DOS/V POWER REPORT 2015年12月号 〜 2016年11月号の記事を再編集したものです
●掲載製品はすでに販売終了したものも含まれています
●注記がない限り、製品の価格は2016年10月初旬のものです
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
3
CPU×90! メモリ×50!!
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Intelのラインナップ更新が完了!
この夏、最新CPUで
PC自作を
オススメする理由
「Broadwell-E」ことウルトラハイエン
ドの新世代モデルが登場し、Intelのラ
インナップ更新が1段落。しばらく大物
の登場はなさそうで、自作PCの構成を
じっくり考えるにはよいタイミングになっ
てきた。
TEXT:鈴木雅暢
ラインナップ更新が1段落
自作には絶好のタイミングか
数カ月は為替の影響などもあり、CPUを含
本特集では、CPUを基礎から解説するとと
めたPCパーツの価格がかなり買いやすくな
もに、それと深く関連するマザーボード、メ
開発コードネーム「Skylake」こと第6世
ってきている。PC自作の構成をじっくりと
モリの最新の事情もまとめた。自作PCのパ
代Coreプロセッサの登場から1年が経とうと
考えるにはよいタイミングと言えるだろう。
ーツ選び、構成案の参考になれば幸いだ。
Skylake
Broadwell-E
している。当初は2モデルのみの先行販売だ
ったが、徐々にラインナップを拡大し、今で
はハイエンド、ミドルレンジはもちろん、ロ
ーエンドのPentium、Celeronまで、すべて
新世代へと置き換わっている。また、2016
年5月にはウルトラハイエンドのLGA2011-v
3プラットフォームにも、開発コードネーム
「Broadwell-E」の新世代モデルが登場し、ラ
インナップ更新が1段落した。
Intelのロードマップからすれば、デスクト
ップ向けのCPUはこの先しばらく現行のラ
インナップで落ち着きそうだ。さらに、ここ
フル
現在のCPU市場の主役。ハイエ ラインナップ
ンドのCore i7、ミドルレンジの
勢揃い!
Core i5、Core i3、そしてロー
エンドのPentium、
Celeronまで、
同世代への移行が完了している
ウルトラハイエンドの新世代モ
デル。開発コードネームからも
分かるようにマイクロアーキテ
クチャはSkylakeの1世代前で
あるが、最大10コアのメニイコ
アが魅力
2016年
5月に登場!
歴代メインストリーム CPU の仕様
プロセス
最上位モデル
ルール
コア/
定格クロック
スレッド数 (TB 時最大)
登場年 開発コードネーム
ソケット
2011年 Sandy Bridge
LGA1155
32nm
Core i7-2700K
4/8
3.5GHz(3.9GHz) DDR3-1333×2ch 近代 Intel CPU の基盤となる方向性を確立。拡張命令 AVX をサポート
2012年 Ivy Bridge
LGA1155
22nm
Core i7-3770K
4/8
3.5GHz(3.9GHz) DDR3-1600×2ch 22nm プロセスルール導入でとくに高負荷時の電力効率がアップした
2013年 Haswell
LGA1150
22nm
Core i7-4770K
4/8
3.5GHz(3.9GHz) DDR3-1600×2ch
マイクロアーキテクチャ変更でアイドル時の電力効率がアップ。拡張命令
AVX2をサポート
LGA1150
22nm
Core i7-4790K
4/8
4GHz(4.4GHz)
DDR3-1600×2ch
Haswell のマイナーチェンジ版。アンロックモデルは Devil's Canyon という別
名がある
2015年 Broadwell
LGA1150
14nm
Core i7-5775C
4/8
3.3GHz(3.7GHz) DDR3-1600×2ch
14nm プロセスルールを初採用。CPU コアと GPU コアの連係強化。GPU 強化の
特殊モデルとして登場
2015年 Skylake
LGA1151
14nm
Core i7-6700K
4/8
4GHz(4.2GHz)
マイクロアーキテクチャ変更でコアあたり/クロックあたりの性能向上、電
力効率アップ。ソケットが LGA1151となり、システムバス帯域も倍増した
2014年
Haswell Refresh
(Devil's Canyon)
対応メモリ
DDR4-2133×2ch
概要
歴代ウルトラハイエンド CPU の仕様
登場年 開発コードネーム
2012年 Sandy Bridge-E
2013年 Ivy Bridge-E
ソケット
LGA2011
LGA2011
プロセス
最上位モデル
ルール
概要
32nm
Core i7-3960X
Extreme Edition
6/12
3.3GHz(3.9GHz) DDR3-1600×4ch Sandy Bridge をベースに最大6コアに拡張。ソケット仕様に LGA2011を採用
22nm
Core i7-4960X
Extreme Edition
6/12
3.6GHz(4GHz)
DDR3-1866×4ch Ivy Bridge ベースとなり、22nm プロセスルールを導入し、電力効率がアップ
8/16
3GHz(3.5GHz)
DDR4-2133×4ch
電力効率がさらに向上。ソケットが LGA2011-v3に。最大コアが8コア(16
スレッド)
に。対応メモリが DDR4に
10/20
3GHz(4GHz)
DDR4-2400×4ch
プロセスルールが14nm になり、電力効率アップ。最大コアが10コア(20ス
レッド)
に。DDR4-2400をサポート
2014年 Haswell-E
LGA2011-v3
22nm
Core i7-5960X
Extreme Edition
2016年 Broadwell-E
LGA2011-v3
14nm
Core i7-6950X
Extreme Edition
10
コア/
クロック(最大) 対応メモリ
スレッド数
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
すべて見せます!
今時のCPUを
理解するための
基礎知識
CPU 完全ガイド
スペックの読み方編
ここではCPUのスペック表に記載される
能の目安となるのが、コアとスレッド、およ
要素について解説しよう。スペックの意味が
びクロックだ。また、コアあたりの性能、ク
分かれば、CPUの性格、特徴を把握しやす
ロックあたりの性能や電力効率は、マイクロ
くなり、自分が作ろうと考えているPCにと
アーキテクチャに左右される。1世代だと実
って最適なCPUも、より具体的にイメージ
感しにくい場合もあるが、2世代違うとかな
できるだろう。CPUのスペックの中でも性
り大きい。当然、新しいほうが有利である。
コア/スレッド/クロック
性能を
大きく左右
CPU内部における命令処理のハードウェ
ア的な仕組のこと。プログラムの取り込み
から解釈、実行、出力までの一連の流れの
中で、トランジスタや電力をどう配分する
かといった内部設計のこと。運送業でたと
えれば、集荷→仕分け→配送といった流れ
の中で、コスト効率などを考えながら拠点
をどこにいくつ配置し、人員やトラックを
どう配分するかといったことに相当する。
プロセスルール
タイトル入るタイトル入るタイトル
コア
コア、スレッド、クロックの関係は右の図のようなイメー
マイクロアーキテクチャ
=運ぶ人の数
半導体の製造技術の世代。
「~ nm」で示さ
れる数字が小さいほうが新しい。1世代新
しくなるとCPU一つに使えるトランジス
タ数は約2倍になり、コアを増やして性能
を向上させたり、コア内部の回路を増やし
てコアあたりの性能を向上させたりするこ
とができる。
スレッド
=荷物の数
ジだ。作業員の人数が多いとその分多くの荷物を同時に運
ぶことができるように、C P U のコアが多いと並行して命
令(スレッド)を処理できる。また、通常、1コアは1ス
TDP
レッドずつ実行するが、Hyper-Threading(HT)対応
CPU では、1コアあたり2スレッドを実行できる。これは
一人で二つの荷物を持つことに近い。そして、クロックは、
作業員の歩く速さに相当する。
クロック
タイトル入るタイトル入るタイトル
荷物がない人は
休み
説
全な範囲」でクロックを引き上げ、高速に処理する機能。
対応 C P U のスペックには、定格のほかに T u r b o B o o s t
の最大クロックも記載される。T u r b o B o o s t の条件は、
電力、電流、温度のほかに、アクティブコア(同時に動作
しているコア)数によっても決まり、通常はアクティブコ
解
Turbo Boost は、CPU の状態や処理の内容に応じて「安
語
Turbo Boost
一時的に
高速化
用
=運ぶ人の歩く早さ
荷物がある人が
少ないと
速く歩く
アが少ないほど高いクロックで動作する。
Thermal Design Powerの略。日本語で
は「熱設計電力」
。放熱のしやすさを数値
で示したもので、数字が低いほど放熱がし
やすいことを示し、小型PCや静音PCに
向く。ただ、同世代であれば基本的にTD
Pと性能はトレードオフの関係にあり、低
TDPモデルは性能も相応に低い。また、T
DPは大雑把な範囲を示すものでもあり、
たとえば同じ「TDP 65W」であっても、
実質64Wの場合もあれば実質30W程度の
場合もある。
拡張命令
基本の命令セットである「I A32(x86)
」
および「x64」を拡張する命令セット。M
MX、SSE、AVX、AVX2、AES-NIなど
がある。主にマルチメディア系処理でよく
使われる演算を高速化するために導入され
ており、その効果は非常に大きい。効果を
得るには、CPUとソフトウェアの両方が
対応していることが必要で、有効な場面は
ある程度限定される。
キャッシュ
4コアアクティブ時
1コアアクティブ時
キャッシュはデータを一時的にためておく
メモリ領域のこと。メインメモリへのアク
セス速度とCPU内部の演算器の速さの違
いを埋めるために設けられている。CPU
に近いほうから順に、1次、2次、3次とい
うふうに段階的に実装される。CPUに近
いキャッシュはマイクロアーキテクチャの
一部でもあり、
Intelの現行CPUで単に「キ
ャッシュ」という場合は3次キャッシュを
指す。
PCI Express
タスクマネージャーの「パフォーマンス」を開きながらアプリを実行してみるとTurbo Boostの実際の動
作状況が分かる。左画面の4コアアクティブ時のクロックは3.64GHz。1コアアクティブ時(右画面)は、
スペック上の最大である4GHzに近い3.95GHzで動作していることが分かる
CPUと周辺機器、チップセットと周辺機
器などを接続するバス規格。上りと下りの
信号1セットで「レーン」と数え、接続す
るレーンの数によって帯域を増減できる。
1レーンあたりの帯域(片道)は、2.0で
500MB/s、3.0で約1GB/s。最近では、C
PUとチップセットそれぞれにコントロー
ラが内蔵されている。
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
11
CPU×90! メモリ×50!! CPUクーラー×100!!! マザー×200!!!! 関連パーツもフルコンプでお届け
今時のCPUを
理解するための
基礎知識
製品ラインナップ編
ここでは実際の製品ラインナップを見る際
に押さえておきたいポイントをまとめた。基
本的なことだが、ブランド体系はしっかりと
把握しておきたい。
右の表のように、IntelのCPUは、ブラン
ドごとの位置付けがはっきりしている。当然
Intelの主要ブランドの特徴を整理
コア/スレッド
数に注目
ハイエンドの Core i7、ミドルレンジの Core i5、C
たブランド体系はここ数年、世代が変わっても継続さ
ore i3、ローエンドの Pentium と Celeron を主力
れている。分かりやすい一方で、同じブランドの新旧
の L G A115x 系プラットフォームで展開し、ウルト
世代が混在して販売されていることもあるのでその点
ラハイエンドとして L G A2011系の C o r e i7を加え
には注意が必要だ。
上位ブランドのほうが高性能ということにな
現行の主なデスクトップ向け CPU のブランド
るが、ブランドの差別化は、基本的にコア数
ブランド
Core i7(LGA2011-v3)
および同時処理スレッド数によって行なわれ
ていることに注目したい。
こうしたコア/同時処理スレッド数は、ア
位置付け
ウルトラハイエンド
Core i7(LGA1151)
Core i5(LGA1151)
ハイエンド
ミドルレンジ
Core i3(LGA1151)
Pentium(LGA1151)
ミドルレンジ
ローエンド
Celeron(LGA1151)
ローエンド
コア/スレッド数
6~10/12~20
実売価格
4万5,000円~18万円
4/8
4/4
3万3,000円~3万7,000円
2万1,000円~3万1,000円
2/4
2/2
1万3,000円~1万9,000円
6,500円~1万1,000円
2/2
4,500円~5,500円
プリケーション自体がマルチスレッド(複数
のスレッドを並列に実行すること)に最適化
されている場合に大きく効いてくる。つまり
ブランドの差、価格差は、マルチスレッド性
能の差によって付けられているいうことだ。
マルチスレッドに最適化しやすいクリエイ
ティブ、マルチメディアなどの処理では性能
差がてきめんに反映されるため、対価に見合
プロセッサー・ナンバー
末尾で
特徴が 分かる
I n t e l の C P U は、プロセッサー・ナンバーの末尾の
化を図ることが可能で、自作ユーザーにとっては魅力
アルファベットで特徴が分かる。主力である L G A
が大きい。また、末尾「T」の省電力モデルはバルク
115x 系の最上位は各世代ともアンロック仕様の「K」
版での流通が多いが、攻めた小型静音 PC を作りたい
モデルだ。単純な OC 以外にも Turbo Boost の最適
ユーザーなどに根強く支持されている。
プロセッサー・ナンバー末尾の意味
う。一方、OSの日常操作、Webブラウズ、
末尾
ビジネスアプリケーションなどでは差が付き
X
〇
その時点でのラインナップの最上位である Extreme Edition モデルに付加されている。K よりもさらに上
の究極性能モデルだ
にくい傾向があり、こうした処理が中心であ
K
〇
アンロック仕様の高性能モデル。対応チップセットと組み合わせることで倍率やベースクロックを変更
しての OC ができる
れば高価なCPUを購入してもその真価は実
C
〇
今のところ、内蔵 GPU 強化型の第5世代 Core プロセッサのみに付けられている。
「Content Creation」の意
味があると言う
感しにくい。具体的なテスト結果も後ほど
P
−
内蔵 GPU を簡略化したモデル。内蔵 GPU 性能が低い分、CPU クロックに対して割安にされており、外部
ビデオカードを使う前提ならばお買い得だ
S
−
第4世代以前に存在した TDP 65W クラスの凖省電力モデル。最新の Skylake 世代では通常モデルの TDP が
65W となったため存在しない
T
−
TDP を抑えた省電力モデル。主に AIO(オールインワン=画面一体型 PC)向けを想定。TDP は35W クラス、
過去には45W のモデルも存在した
(p.16 ~)掲載しているので、それらも参考
にしつつ判断してもらいたい。
CPUソケットを整理
アンロック 意味
互換性に注意
CPU ソケットの仕様は規格として決まっており、CP
着 で き な い。 現 行 の S k y l a k e 世 代 の C P U は、
LGA2011-v3
U とマザーボード両方が同じソケット仕様に対応して
2015年半ばまで主力だった L G A1150とは互換性
いる必要がある。サイズが同じでも、基板の切り欠き
がない L G A1151を採用する。新規に導入するなら
の位置などがそれぞれ異なり、規格違いの CPU は装
LGA1151対応マザーボードも購入する必要がある。
大型でソケットカバー
はレバー 2本で固定す
る。C P Uク ー ラ ー の
固定方法はネジ式
主なソケット仕様
LGA2011-v3
ウルトラハイエンドブランドが採用するソケット仕様。LGA1151/LGA1150に比べて大型でピン数も多い
LGA1151
現行の Intel の主力 CPU が採用しているソケット仕様。LGA は Land Grid Array の略で、ピンはマザーボード側
にある
LGA1150
Intel が前世代まで採用していたソケット仕様。サイズは LGA1151と同じで形も似ているが、互換性はない
12
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
LGA1151
L G A1150とよく似て
いるが互換性はない。
ただしC P Uクーラー
のピンを挿す穴の位置
は同じだ
すべて見せます!
今時のCPUを
理解するための
基礎知識
CPU 完全ガイド
内蔵GPU編
IntelではSandy Bridge世代から、CPUと
同じダイ(半導体チップ)にGPUコアを統
合するようになったが、それ以来、内蔵GP
Uの性能は目覚ましいペースで進化し、CPU
全体に占めるGPUコアの比重も増えてきて
い る。 現 行 のS k y l a k e世 代 で は、H .264や
内蔵 G P U の性能は世代を経るごと
に向上しており、3D 描画性能も侮
れない。下には3DMark ー Sky D
iver のスコアを掲載したが、Cor e
i7-6700K の ス コ ア は、 数 千 円 で
H.265のハードウェアエンコード/デコード
買えるエントリークラスのビデオカ
機能や、4Kクラスの解像度での出力にも対
ー ド を し の ぐ 性 能 が あ る。A10-
応する。
ゲームもできる
内蔵GPUはどの程度使える?
7890K はさらにその45%も上を
行っており、さすがの実力を見せて
内蔵GPUと言えば、AMDも見逃せない。
AMDのCPUは、マイクロアーキテクチャ、
プロセスルールともIntelに比べて進化が遅れ
いる。W e b ブラウザベースのゲー
ムははもちろん、比較的描画負荷の
低いゲームタイトルならば普通に遊
べる水準だ。
ており、CPU市場での存在感は薄い。それ
でも、GPUの大手メーカーだけに内蔵GPU
A10-7890K
AMD Aシリーズの最上位モデル。GPUのSP数は512基で、CPU
ダイ全体の半分以上の面積をGPUが占めている
主要モデルの GPU 仕様
の性能に関してはIntelをリードしている。
製品名
Intel Core i7-6700K(4C8T、4GHz/4.2GHz)
もっとも、いくら進化したといってもミド
Intel Core i5-6600K(4C4T、3.5GHz/3.9GHz) HD Graphics 530
Intel Core i3-6100(2C4T、3.7GHz)
HD Graphics 530
ルレンジ以上のビデオカードとは性能、機能
とも大きな差があるのも事実。別途ビデオカ
ードを利用するならば、内蔵GPUは軽視し
内蔵 GPU
HD Graphics 530
AMD A10-7890K(4C4T、4.1GHz/4.3GHz)
Radeon R7
■Sky Diver
てもよい。たとえば、ウルトラハイエンドの
LGA2011-v3ではあえてGPUコアを内蔵して
Intel Core i5-6600K(4C4T、3.5GHz/3.9GHz)
いない。
Intel Core i3-6100(2C4T、3.7GHz)
1.15GHz
1.05GHz
866MHz
3DMark v2.0.2530
Intel Core i7-6700K(4C8T、4GHz/4.2GHz)
最大クロック
1.15GHz
単位:Score
4,591
4,484
3,770
AMD A10-7890K(4C4T、4.1GHz/4.3GHz)
Fast→
動画エンコード/
デコード支援機能
6,644
0
1,000
2,000
視 聴も変換も
快適
G P U の機能としては、動画関連機能も見逃せない。
動画の再生(デコード)や圧縮(エンコード)のため
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
AMD の A10-7890K は Core i7-6700K の1.5倍近
いスコアをマーク
マルチディスプレイを標準でサポート
マザーボード
にも注目
に必要な機能を専用の回路として搭載することで、動
画の再生/変換処理にかかる CPU の負担を減らすこ
I n t e l、A M D の内蔵 G P U とも、最大3系統の同時ディスプ
とができる。専用回路なので高速で効率がよく、電力
レイ出力に対応しており、マザーボードに端子があれば、標
面でもメリットがある。
準でマルチディスプレイ環境ができる。外部ビデオカードと
CPU 内蔵の動画関連機能の例
Intel Quick
Sync Video
(QSV)
動画変換などを高速に行なうハード
ウェアエンコーダ機能。Skylake では
H.264/AVC、VP8などに加えて、H.265/H
EVC にも対応した
AMD Fluid
Motiron
Video
24p コンテンツの再生時に、前後フレ
ームの情報から中間のフレームをリア
ルタイムで作成し、補完する機能。動
きが格段になめらかになる
合わせてのマルチディスプレイももちろん可能だ。ただ、HD
M I は1.4a までのサポートのため、4K クラスの解像度での
60Hz 表示は DisplayPort(1.2)利用時のみに限られる。
AMD CPU 向けのマザーボードでは、DisplayPort を持つ
製品自体が少ない点も注意したい。
【検証環境】マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)、ASUSTeK A88X-GAMER(AMD A88X)、メモリ:センチュリーマイクロ CK8GX4D4U2133(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×4)、Kingston KHX21C11T3FK8/64X(PC3-17000 DDR3 SDRAM 8GB×8 ※2枚のみ使用)、SS
D:Samsung SSD 850 EVO MZ-75E250B/IT(Serial ATA 3.0、TLC、250GB)、OS:Windows 10 Pro 64bit 版
マザーボードによる独自対応も
ディスプレイ出力仕様はマザーボードの仕様
にも左右される。独自にチップを追加するこ
とで、内蔵GPUでHDMI 2.0での4K/60Hz
表示を可能にしたモデルもある
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
13
CPU×90! メモリ×50!! CPUクーラー×100!!! マザー×200!!!! 関連パーツもフルコンプでお届け
冷却事情編
今時のCPUを
理解するための
基礎知識
現 在 のC P Uの 冷 却 事 情 を ま と め て み よ
う。CPUの放熱のしやすさという点では、
近年はほとんど変わっていない。むしろ世代
が更新されるたびに電力効率は改善されてい
るので放熱はしやすくなっており、普通に使
う分にはシビアに発熱に気を使う必要はなく
低下傾向にあるCPUの消費電力
冷却のしやすさは T D P が
目安になる。最近の傾向と
して OC 対応モデルは余裕
を持って T D P が高めに設
定されているため、大幅に
なっている。
下がったという印象はない
もっとも、その電力効率の改善によってP
ものの、全体としては低下
C構成の壁がなくなり、小さなケースに高性
能なCPUやビデオカードを搭載するなど構
成の自由度が向上しているため、TDPやエ
アフローに気を使う場面がないわけではな
通常モデルは
65W
していると言える。右の消
費電力の実測結果も電力効
率を裏付けるものだ。T D
P が示すとおり、放熱もし
やすくなっていると言える
だろう。
新旧 CPU の TDP
現行世代(第5/6世代)
TDP
旧世代(第2世代)
TDP
Core i7-6950X Extreme Edition
Core i7-6700K
140W
91W
Core i7-3960X Extreme Edition
Core i7-2600K
130W
95W
Core i7-6700
65W
Core i7-2600
95W
Core i5-6600K
91W
Core i5-2400
95W
Core i3-6100
51W
Core i3-2100
65W
システム全体の消費電力
■アイドル時 ■CINEBENCH R15実行時
Core i7-6950X Extreme Edition
ーの選択肢も増えている。
Core i7-6700K(外部GPU)
えており、簡易水冷クーラーが導入しやすく
なっているのも最近の傾向だ。単純な冷却能
力と言うよりも、静音性との高度な両立やデ
ザイン面からの需要もある。
CPUクーラーの高さは
「16cm」が目安
干渉に注意
91.6
19.1
82.9
18.0
Core i3-6100
高負荷時の実測電力は、5年
前のミドルレンジ以下で、同
格モデル(i7-2600)
からは30
W 以上も低い。電力効率が大
きく向上していることがうか
がえる
111.1
18.0
Core i5-6600K
ラジエータの搭載を意識したPCケースが増
139.5
18.0
Core i7-6700
また、フォームファクターを問わず、大型
178.6
34.6
Core i7-6700K
い。小型ケース向けの背の低いCPUクーラ
単位:W
51.0
54.5
37.0
Core i7-2600
123.7
37.2
Core i5-2400
0
←Better
20
CPUクーラーの多様化も進んでいる
40
93.3
60
80
100 120 140 160 180 200
自由度アップ
小型のケースに入る L o w P r o f i l e タイプのトップフ
た製品や、大型ラジエータの搭載を想定した冷却拡張
サイドフロー型クーラーは大口径のファンを搭載しや
ロー型や干渉しにくいコンパクトなサイドフロー型な
性の高い製品が増えている PC ケースのトレンドを反
すいメリットがあるが、PC ケースのサイドカバーと
ど、P C のスタイルに合わせた選択肢が増えてきた。
映し、簡易水冷型クーラーのバリエーションも増えて
干渉しやすい。サイドフロー型の中でも中間的な大き
また、クリアパネルで中身を見せることを強く意識し
いる。
さの「虎徹」の高さは16cm ある。PC ケースのスペ
ックに搭載可能クーラーの高さが記載されていること
空冷
があるが、測定箇所の違いなども考慮し、多少余裕を
見ておいたほうが無難だ。
水冷
トップフロー型
サイドフロー型
簡易水冷型
純正クーラーと同様のスタイル。
VRMなどマザーボード上の部品
に直接エアフローを当てやすい。
一方、ファンの搭載しやすさで
はサイドフローに見劣りする
文字どおり横方向に吹き付ける
スタイル。ケースファンのエア
フローと同調させやすい上、搭
載ファンの口径、ファンの数の
自由度が高く、冷却と静音性を
両立しやすい
ラジエータをCPUソケットか
ら離して設置できるため、サイ
ズなどの自由度が高く、冷却能
力を高めやすい。ただし、大型
ラジエータはケース内に搭載ス
ペースを確保する必要がある
サイズ
虎徹
高い冷却性能、静
音性を両立し、さ
らに手頃な価格を
実現してロングセ
ラーとなった大定
番クーラー
14
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
【検証環境】マザーボード:ASUSTeK X99-A Ⅱ(Intel X99)、ASUSTeK Z170-PRO(Intel Z170)、ASUSTeK MAXIMUS Ⅳ GENE-Z(Intel Z
68)、メモリ:センチュリーマイクロ CK8GX4-D4U2400(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×4)、Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC417000 DDR4 SDRAM 4GB ×4 ※2枚のみ使用)、Corsair Vengeance LP CML16GX3M4X1600C8(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×4 ※PC310600として2枚のみ使用)、ビデオカード:ASUSTeK STRIX-GT970-DC2OC-4GD5(NVIDIA GeForce GTX 970)、SSD:Micron Crucial m4
CT128M4SSD2(Serial ATA 3.0、MLC、128GB)、電源:Sea Sonic Xseries XP2S SS-660XP2S(660W、80PLUS Platinum)、OS:Windows
10 Pro 64bit 版、アイドル時:OS 起動10分後の値、電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO
SSD
総チェック
超高速・大容量・低価格
重要キーワードと製品を一気読み
の
い
買
最新
超高速・大容量・低価格 重要キーワードと製品を一気読み
今さら聞けない? SSDの基礎知識/トレンド②
性能・価格を左右する
コントローラとメモリ
SSDの性能や価格を決定付ける
コントローラやメモリ。現在はど
のようなトレンドにあり、今後ど
んな進化を遂げていくのだろう
か。
TEXT:北川達也
SSDの価格を決定付けるポイントには
しかし最近の新製品では、Serial ATA
少。MLC NANDは、最上位のNVMe S
右下のようなものがあるが、なかでも、
SSDの多くがTLC NANDを採用する傾
SDでの採用が中心という状況だ。
コ ン ト ロ ー ラ やN A N Dメ モ リ の 種 類
向にあり、MLC NAND採用モデルは減
は、大きく差が付くところだ。たとえ
ば、ハイエンド製品では、処理性能が高
く、新しいプロトコルであるNVMeをサ
SSDに価格差が生まれるポイント
メモリ種別
ポートするようなフラグシップのコント
NAND メモリには、一つのセルで2bit を記録できる MLC チップと3bit を記録で
きる TLC チップがある。MLC は書き込み可能回数が多いが高価、TLC は bit 単価
が安い。また、積層化によりさらなる大容量化が可能な3D NAND(MLC および
TLC)が登場。
SSD の処理性能や対応プロトコル・NAND メモリなどを左右する。高速・多機能
なフラグシップモデル向けと、そこから機能を削減した廉価版など、性能、価格
がそれぞれ異なる。
ローラが採用され、エントリークラスの
コントローラ
SSDでは、機能が省かれた安価なコント
ローラが採用される。
SSD で書き換えられる最大容量を示すスペック値。数値が大きいほどより多くの
TBW(Total Bytes Written)データを書き込める、すなわち耐久性が高いことを示す。高耐久なほど安心だが、
価格も上がる。Tera Bytes Written とも。
昨年までは、ハイエンド製品はM L
バッファメモリ
SSD はバッファ用メモリを搭載した製品が多い。SSD の基板上のバッファメモリ
は省かれていても、コントローラチップに含まれていることもある。
保証期間
保証期間が長いということは、故障の少ない製品であることを意味する。選別基
準が厳しく設定されていたり、高価なパーツを利用していたりすることが多い。
C、エントリー製品はTLCと、NANDメ
モリを使い分けるメーカーが多かった。
高速化・多機能化が進むコントローラ
コントローラは、SSDのおおよその性能
SSDの基本構造
や最大容量などを決定付ける重要な部品だ。
SSDにおいて必須な
のは、コントローラ
とNANDメモリ。バ
ッファメモリは必須
ではなく、コストダ
ウンのため省略され
ることもある
CPUなどと同様、最新世代のコントローラ
ほど製造プロセスが微細化され、最新のNA
NDメモリにも対応する。また、サポートす
るプロトコルに違いがあり、Serial ATA用と
バッファメモリ
NAND メモリ
NVMe用、両対応といった製品が存在してい
る。
NVMe用コントローラは、Serial ATA用に
比べ約6倍も高速にデータの処理を行なう必
コントローラ
要があるため、消費電力が高く、発熱の大き
さが懸念材料だ。とくに基板面積の小さい
M.2でこの問題が顕著で、ノートPCなどで
は、最大速度を半分に落とすことで対応して
いる場合すらある。時間が経過することで、
NVMe SSDはコントローラの発熱に注意!
転送速度が断続的に低下
強制冷却で速度回復
➡
この問題も解決に向かうと思われるが、現状
では、長時間連続アクセスを行なうとサーマ
ルスロットリングによって速度が低下する場
合がある。
80
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
今回のベンチマークテスト中、
M.2 NVMe SSDにTxBENCHで長時間連続アクセスを行なっていたところ、
サーマルスロットリングによる速度低下が発生した(左)
。テスト中のSSDにファンで直接風を当てて強
制的に冷却したところ、転送速度は回復した(右)
。実際の環境でも、M.2 NVMe SSDではエアフローに
注意するなど運用面でのカバーが必要だ
最新SSD総チェック
買いの
2016年版 主要SSDコントローラ一覧
データセンター向け
高性能モデル
ハイエンドクラス
SSD用の定番製品
Intel
Marvell
処理能力の高い
オリジナルモデル
OCZ Storage Solutions
Indilinx
Barefoot3 M00
採用例急増中の
ヒットモデル
PHISON
CH29AE41AB0
88SS1074
PS3110-S10
IntelのSSDでは、データセ
ンター向けに開発したコント
ロ ー ラ をS S D 730やS S D
750などのコンシューマ向
け製品の一部でも採用してい
る。自社のNANDメモリに最
適化されており、データセン
ター向けという信頼性の高さ
が特徴のコントローラだ。
28n mプ ロ セ ス で 製 造 さ れ
た、Serial ATA向けの最新
モデル。4チャンネル接続、
3D NANDに対応する。Mic
ronやSanDisk、Lite-Onな
どのハイエンドクラスSSD
での採用例が多い。同社から
はNVMe用コントローラも登
場している。
ARMコアを採用して設計さ
れたOCZオリジナルのコン
トローラ。Serial ATAのイ
ンターフェース制御とNAND
メモリの制御に別々のCPU
コアを割り当てるデュアルコ
ア構成で性能を高めた高性能
モデルだ。
TLC NANDを採用したSSD
が普及したことで、採用例が
急増中のコントローラ。8チ
ャンネル接続に対応した高性
能モデルに位置付けられた製
品だ。また、近い型番の「PS
3111- S11」 は、2チ ャ ン
ネル&DRAMレス設計で利
用する廉価モデル。
トリプルコアの
採用が特徴
エントリークラスの
スタンダード
エンタープライズ
向けでも採用
そのほかの
コントローラ
現在流通しているSSDが採
用するコントローラとして
は、ほかにもJMicronのJM
670HやS e a g a t e( 旧L S I
SandForce)のSF2281、
SK Hynix(旧Link_A_Med
ia Devices)のLM87800
などがある。JM670Hは、
比較的安価なことからエント
Samsung
S4LN058A01
-8030
ARM Cortex-R4ベースの
CPUコアを三つ搭載するト
リプルコアのコントローラ。
インターフェース制御に1コ
ア、NANDメモリの制御に2
コ ア を 利 用。 同 社 か ら は、
500MHz駆動でNVMeに対
応 す る 上 位 モ デ ル「U B X」
も登場している。
Silicon Motion
東芝
SM2258
TC358790XBG
低価格なエントリークラスモ
デルを中心に大ヒットしたコ
ントローラ。安価なわりに高
性能なのが特徴だ。同社は古
くから4チャンネルのコント
ローラのみをリリースし続け
ており、本製品は15 ~ 16
nmのプレーナNANDおよび
3D NANDのみをサポート。
東芝製のコントローラだが、
設計はMarvellが担当。同社
の比較的安価なSSDにも搭
載されているが、エンタープ
ライズ向けのSSDの一部で
も採用されているなど、信頼
性も高い製品だ。
リークラス製品の一部が採
用。S F2281は、 デ ー タ 圧
縮技術を採用している点が特
徴。最新のコントローラと比
較すると、性能面は若干見劣
りする部分もあるが、登場か
ら5年が経過しても現役だ。
LM87800は、主にSK Hyn
ixのコンシューマ向けSSDで
採用されている。発売は4年
近く前だが、もとがハイエン
ド向けの設計なので現在でも
見劣りしない性能。
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
81
超高速・大容量・低価格 重要キーワードと製品を一気読み
Windows 10時代の
SSD設定&メンテナンス
Windows 10時代になっても、SSDの設定やメンテナンスの基本的
な部分はWindows 8.1時代と大きくは変わらないが、
NVMe SSDへの対応など、新しい要素もいくつか現われている。
TEXT:滝 伸次
Windows 10では基本的に設定は必要ナシ!
Windows 8.1では、SSD への対応が進み、
システムドライブに一般的な Serial ATA 接続
の S S D を使用する場合、O S が自動的に最適
化を行なうので基本的にユーザーが設定を行な
う必要はなかったが、それは Windows 10で
も同様だ。細かい設定なしに最大限の性能を発
揮させることができる。S S D の速度を維持す
るために利用される Trim によるメンテナンス
機能も同様で、決められたスケジュール(初期
設定では毎週)で自動実行される。
Trimによるメンテナンスは
自動で行なわれる
【Windows 10/8.1/8とWindows 7のSSDまわりの違い】
Windows 10/8.1/8
Windows 7
システムドライブをSSDと認識すると、OSが自動的に設
定を最適化
Trimに対応(定期実行機能あり)
SSDの寿命を延ばし、性能を引き出すためには以下の設
定を手動で行なうことが望ましい
・デフラグのスケジュールを無効化する
・スーパーフェッチとプリフェッチを無効化する
Trimに対応(定期実行機能なし)
Windows 7以降では、ごみ箱内のファイルを削除
したタイミングなどでTrimコマンドが発行される
が、同時にほかの処理命令が連続して行なわれた
りすると、Trim命令に対するSSDの内部処理が
後回しになったりキャンセルされたりすることが
ある。Windows 8以降ではこうした事態のフォロ
ー策として、ドライブの最適化(Trimによるメン
テナンス)が自動で定期的に行なわれるように設
定されている。Windows 10では、ドライブの最
適化はデフォルトでは「毎週」自動実行されるよ
うに設定されているが、
「毎日」
、
「毎月」に変更す
ることもできる
NVMe SSDへのOSインストール時に
ドライバは必要なし
SSDのフォーマットは
クイックフォーマットで!
PCI ExpressカードやM.2形状のNVMe SSDへWindows 10をイン
ストールする場合も、Serial ATAドライブへWindows 10をインストー
ルする場合同様にドライバを別途用意する必要はない。ただし、マザーボ
SSDでクイックフォーマットを行なうと、Trimによりパーティション
の全領域が削除可能な場所として通知される。一方、通常のフォーマット
はパーティションの全領域に対して「0」データを書き込むのでSSDの寿
ードがこれらのドライブからのOS起動をサポートしている必要がある。
命がクイックフォーマット時よりも縮まる。特別な理由がない限り、
SSDのフォーマットは、クイックフォーマットを選択しよう。
84
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
通常の手順でNVMe SSD
にインストール可能
フォーマットオプション
に注意
別途ドライバを用意しなく
てもWindows 10のインス
トール場所としてN V M e
SSDが表示される
SSDをフォーマットする際
は、フォーマットオプショ
ンでクイックフォーマット
を選択する
【検証環境】CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)、マザーボード:ASUSTeK Z170 WS(Intel Z170)、メモリ:Micron Crucial CT4K4G4DFS
8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4 ※2枚のみ使用)、グラフィックス機能:Intel Core i7-6700K 内蔵(Intel HD Graphics 530)、SSD:
Micron Crucial MX200 CT250MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、250GB)、HDD:Western Digital WD Red WD20EFRX(Serial ATA 3.0、
5,400rpm、2TB)、OS:Windows 10 Pro 64bit 版
買いの
最新SSD総チェック
データの保存場所をHDDに設定してSSDの劣化を防ぐ
SSDの書き換えによる劣化を
防ぎたい場合や容量不足を回避し
ユーザーフォルダをHDDに移動させる
たい場合は、別途HDDを用意し
①ストレージ設定を起動する
て、データはすべてHDDに保存
するようにするとよい。通常はシ
「スタートメニュー」→「設定」→「システム」→「スト
レージ」とたどりストレージ設定を起動する
ステムドライブ(SSD)に作成
される「ドキュメント」、「ピクチ
ャ」
、
「ビデオ」などのユーザーフ
ォルダは、Windows 10では以
下の手順で簡単にHDDに移動さ
せることができる。
なお、ここではWindows 10
バージョン1607を利用してい
る。
③HDDにユーザーフォルダが作成される
ドキュメントなどの保存先をHDDに変更すると、
HDDにユーザー名(ここではdosv)の付いたフ
ォルダが作成される
アプリのインストールフォルダも HDD
に移動できるが、起動時間やレスポンス
を考えると SSD のままにしておいたほう
がよい
②保存場所の変更
ここを HDD に
変更する
シンボリックリンクを
活用する
「新しいドキュメントの
保存先」
、
「新しい音楽
の保存先」
、
「新しい写
真とビデオの保存先」
、
「新しい映画とテレビ番
組の保存先」
をHDD
(こ
こではDドライブ)に
変更する
④ユーザーフォルダ下にデータフォルダが
HDDに作成されたユーザーフォルダ下に②で保存
先を変更したデータフォルダが作成されており、
以降、データはここに保存されるようになる
ChromeのキャッシュフォルダをHDDに移動させる
データがもとの場所にあるように動作させるこ
とができる「シンボリックリンク」機能を活用
すれば、アプリのインストール先は S S D のま
ま、キャッシュフォルダやデータフォルダなど
を H D D に移動させることが可能。たとえば、
C h r o m e のキャッシュフォルダは右の手順で
移動できる。
①Chromeのキャッシュフォルダを HDDにコピーする
②コマンドプロンプトで
シンボリックリンクを作成する
C:¥Users¥ユーザー名¥AppData¥Local¥Google¥C
hrome¥User Data¥Defaultにある「Cache」フォ
ルダをHDD
(ここではDドライブのルートフォルダ)
にコピーする。トラブル時にもとに戻せるように元
データはリネームして残しておく
管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、
「mklink
/d "C:Users¥ユーザー名(ここではdosv)¥AppD
ata¥Local¥Google¥Chrome¥User Data¥Defau
lt¥Cache" "D:¥Cache"」とコマンドを入力してシ
ンボリックリンクを作成する
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
85
超高速・大容量・低価格 重要キーワードと製品を一気読み
TEXT:北川達也
主要23製品を一斉ベンチマーク
性能はNVMe SSDが圧倒的
Serial ATA SSDの主力はほぼ同等
のベンチマークにGB単価を加え、四つの指
オーバーのシーケンシャルリードを記録し、
標から主要23製品を評価してゆく。
ライト速度も2製品が1,000MB/sオーバーを
ここでは、最大性能を計測するCrystalDis
まずは、ドライブの最大速度についてだ
記録。なかでもSamsungのSSD 950 PRO
kMark、体感性能を計測するPCMark 8、Tx
が、NVMe SSDが圧倒的な性能を見せ付け
M.2が唯一、ライト速度で1,500MB/s超えと
BENCHを利用した速度劣化テストの3種類
ている。NVMe SSDは、すべて2,000MB/s
トップを獲得した。また、NVMe SSDは、
CrystalDiskMark 5.1.2(1GiB、5回)
■Sequential Read(Q32T1)■Sequential Write(Q32T1)■Random Read 4KiB(Q1T1)■Random Write 4KiB(Q1T1)
ADATA Premier SP550 ASP550SS3-480GM-C
(Serial ATA 3.0、TLC、480GB)
556.3
450.9
Apacer AS330 PANTHER SSD AP480GAS330
(Serial ATA 3.0、TLC、480GB)
563.1
513.8
単位:MB/s
32.6
CFD 販売 S6TNHG6Z CSSD-S6T512NHG6Z
(Serial ATA 3.0、MLC、512GB)
551.6
484.4
CFD 販売 S6TNMG1Q CSSD-S6T960NMG1Q
(Serial ATA 3.0、TLC、960GB)
563.5
522.7
34.5
562.1
471.3
34.5
554.1
529.8
33.0
Kingston SSDNow UV400 SUV400S37/480G
(Serial ATA 3.0、TLC、480GB)
554.1
493.4
35.8
Lite-On Plextor M7V PX-512M7VC
(Serial ATA 3.0、TLC、512GB)
560.2
517.4
Intel SSD 540s SSDSC2KW240H6X1
(Serial ATA 3.0、TLC、240GB)
Kingston HyperX Savage SSD SHSS37A/480G
(Serial ATA 3.0、MLC、480GB)
122.7
117.9
121.5
127.7
124.8
40.6
558.3
461.6
Micron Crucial MX300 CT750MX300SSD1
(Serial ATA 3.0、3D TLC、750GB)
533.8
494.2
30.8
Netac N560S NT-N560SS3A480MTD3TG
(Serial ATA 3.0、TLC、480GB)
554.6
490.1
31.2
544.2
506.4
32.6
Patriot Memory Spark PSK256GS25SSDR
(Serial ATA 3.0、TLC、256GB)
123.2
24.4
Micron Crucial BX200 CT480BX200SSD1
(Serial ATA 3.0、TLC、480GB)
OCZ Vector 180 SATA 3 2.5" SSD VTR180-25SAT3960G(Serial ATA 3.0、MLC、960GB)
127.8
36.9
128.6
136.1
131.7
147.1
560.9
456.8
39.6
Samsung SSD 750 EVO MZ-750500B/IT
(Serial ATA 3.0、TLC、500GB)
550.9
526.2
40.4
Samsung SSD 850 PRO MZ-7KE512B/IT
(Serial ATA 3.0、3D MLC、512GB)
561.7
524.1
40.8
SanDisk SSD PLUS SDSSDA-480G-J26C
(Serial ATA 3.0、TLC、480GB)
548.9
429.0
SanDisk Ultra Ⅱ SSD SDSSDHII-480G-J26C
(Serial ATA 3.0、TLC、480GB)
557.7
529.8
Silicon Power Slim S55 SP240GBSS3S55S25
(Serial ATA 3.0、TLC、240GB)
560.3
442.6
Transcend SSD370 TS512GSSD370S
(Serial ATA 3.0、MLC、512GB)
555.3
459.8
448.4
518.6
Intel SSD 750 SSDPEDMW400G4X1
(PCI Express 3.0 x4、MLC、400GB)
ZOTAC SONIX PCIE 480GB SSD ZTSSD-PG3-480G-GE
(PCI Express 3.0 x4、MLC、480GB)
Fast →
110
0
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
1,000
33.2
2,500
126.4
230.4
76.0
47.9
2,593
2,000
102.3
58.4
2,380
1,500
73.0
43.4
2,598
1,437
500
138.2
29.5
リード/ライト速度
は2番手の成績。新顔
ながら性能は高い
997.2
エントリーモデルな
がらランダムリード
/ライトとも優秀
145.5
112.3
33.1
NVMe SSD の中では3番手
の 性 能 だ が、Serial ATA
SSD よりは圧倒的に高速だ
1,527
100.1
24.5
リード/ライト速度
とも今回トップの速
度を記録
Samsung SSD 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/IT
[M.2(PCI Express 3.0 x4)、3D MLC、512GB]
SanDisk X400 SSD M.2 SD8SN8U-256G
[M.2(Serial ATA 3.0)、TLC、256GB]
94.7
36.8
319.9
40.2
3,000
0
50
204.0
100
150
200
250
300
350
【p.110 ∼ 112の検証環境】CPU:Intel Core i5-6600K(3.5GHz)、マザーボード:MSI Z170A GAMING M5(Intel Z170)、メモリ:Micron
Crucial Ballistix Sport BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)、システム SSD:CFD 販売 S6TNHG6Q CSSD-S6T256NHG6
Q(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)、電源:玄人志向 KRPW-P630W/85+(630W、80PLUS Bronze)、OS:Windows 10 Enterprise 64bit 版
ATXケース
自作やるなら
やっぱり
でしょ!
『高性能』と『自由度』
に
反応するあなたには、
今も昔もコレ
理由
『高性能』と『自由度』に反応するあなたには、今も昔もコレ
自作PCユーザーに
わ
ATX
け
ケースが選ばれる
ATXケースには「可能性」が詰まっている。
大型の空冷CPUクーラーや水冷ラジエータ、ビデオカードなどで
最強のPCを自作したいなら、やはりATXケースがオススメだ。
TEXT:竹内亮介
PC自作の可能性を広げるATXケース
その意味では、さまざまなパーツに対応
最近では、PCパーツの多機能化が進
のか? サウンドカードで音響面を強化
作PCの本流をになう存在と言える。
み、
「拡張」の必要性が低下している。
したり、RAIDでストレージの速度や信
しかも、ATXケースは内部が広いた
そのため、Mini-ITXでも結構実用的な
頼性を追求したりといった、チャレンジ
め、各パーツの深刻な干渉はまず発生し
自作ができる。しかし、ちょっと待って
をしたくなることはないのか?
ない。ケーブル配線や組み込み、メンテ
ほしい。それが、自作PCの「正解」と
思うに、自由にパーツを組み合わせ、
ナンスを簡単に行なえる。自作PCの世
言えるのだろうか。
あらゆる「可能性」を追求できることこ
界への入り口としても、ATXケースは
ビデオカードは1枚だけで満足できる
そが、自作PCの醍醐味であるはずだ。
優れているのだ。
1
できる懐の深いATXケースこそが、自
組み込むマザーボードを選ばない!
ATX ケースで使えるマザーボードの
種類は多い。こうしたマザーボード
主要メーカーのSkylake/Haswell-E対応マザーボードの製品数
(2016年1月1日現在)
の選択肢の多さは、明らかなメリッ
トだ。それに新しい P C のテクノロ
ジは、ATX マザーボードに優先して
搭載される。つまり、自作の最新ト
レ ン ド を 追 い 続 け る に も、 や は り
ATX ケースが向いている。
ExtendedATX
ATX
microATX
Mini-ITX
ASRock
4枚
26枚
16枚
7枚
ASUSTeK Computer
3枚
17枚
10枚
2枚
GIGA-BYTE TECHNOLOGY
11枚
32枚
32枚
5枚
Micro-Star International
4枚
18枚
8枚
1枚
合計
22枚
93枚
66枚
15枚
最強 結論 自作で
134
選べるマザーは
Mini-ITX の
6倍以上!
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
高速
多機能
大容量
ATX マザーボードは依然として
自作 PC マーケットでは主流であ
り、製品数も多い
を目指すなら ATXケースでしょ!
自作やるならやっぱり
2
人気の大型パーツに余裕で対応!
冷却性能を追求するなら、やはり大
そうした大型パーツを使うのにも、
た、ミドルレンジ以上の GPU を搭載
ATXケースでは
本誌レコメンド製品の
ほぼすべてを使える
する高性能ビデオカードは、カード
ジャンル
やはり ATX ケースが向いている。ま
サイズが大きめだ。小型フォームフ
ァクターの P C ケースでは、物理的
に組み込めないことがある。ゲーム
PC を作りたいなら、やはり素直に A
TX ケースを選ぶべきだ。
大型簡易水冷
Mini-ITXケース
ディラック
Qbee 03
パワレポ
レコメンド 製品
CPU
ゴールド
Intel Core i7-6700K
○
○
シルバー
Intel Core i5-6600K
○
○
ゴールド
サイズ 虎徹
○
○
CRYORIG R1 UNIVERSAL
○
○
Corsair Components H110i GTX
○
×
○
(4スロットが主流)
○
(2スロットが主流)
CPUクーラー シルバー
-
メモリ
ビデオカード
SSD
HDD
高性能
ビデオカード
ATXケース
Cooler Master Technology
MsterCase 5
型の C P U クーラーを利用したいが、
3
ほとんどの
高性能パーツが
使える!
電源
ゴールド
Micron Technology Crucial Ballistix Sport
ゴールド
Micro-Star International GTX 980Ti GAMING 6G
○
×
シルバー
ASUSTeK Computer STRIX-GTX960-DC20C-2GD5
○
×
シルバー
ZOTAC International GeForce GTX 980 Ti AMP!
Extreme
○
×
ゴールド
Samsung Electronics SSD 950 PRO M.2
○
○
シルバー
Intel SSD 750
○
○
シルバー
Samsung Electronics SSD 850 EVO
○
○
ゴールド
Western Digital WD Red
○
○
シルバー
Seagate Technology Archive HDD v2
○
○
ゴールド
Sea Sonic Electronics Xseries SS-660XP2S
○
○
シルバー
サイズ 超力短セミプラグイン SPCT-550SP
○
○
Mini-ITX で使えるものの、スロ
ットが一つしかないため、ビデ
オカードとは同時利用できない
試したいことが
1台の PC で
すべてできる!
多様な機能を1台で実現!
ATX マザーボードは、拡張スロット
SLI 構成のビデオカード
RAID 構成のディスクアレイ
大型冷却パーツ
が多い。その分だけ「可能性」が広
がる。たとえば複数のビデオカード
を組み合わせてゲーム P C としての
適性を飛躍的に向上させたり、RAID
カードでストレージの容量や信頼性
を強化したりといったことを自由に
行なえる。またこうしたパーツを複
数組み込んで、自分なりの「最強自
作 PC」を作ることも容易だ。
1
台
で
ATX
やっぱりケースは
O
K
でしょ!
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
135
もう一手間、一工夫で
アナタのPCがグッと使いやすく快適に!!
自作PC
チューニング
技術大全
100
もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!!
最近のCPUはさまざまな機能が搭載さ
れており、UEFIセットアップなどの設定
によって性能や電力効率をさらに引き出
す余地が残されている。ここではCPU
のチューニングテクニックとともに、CP
Uの性能に大きく影響するCPUクーラ
ーの使いこなし技を紹介しよう。
CPU編
チューンナップして性能を引き出そう
TEXT:鈴木雅暢
難易度
1
基本
UEFIセットアップでNon-K OC
本来、オーバークロック(OC)ができ
るIntel CPUは型番末尾に「K」か「X」が
付いたモデルに限られるが、Z170チップ
セット搭載マザーボードの中には、制限付
きながら「Kなし」のCPUをOCする「Non
-K OC」機能に対応した製品が存在する。
この制限というのは、Turbo BoostやEIS
T、Cステートといった省電力関連機能が
すべて無効化される上、内蔵GPUも事実上
使えなくなるためビデオカードが必須とな
ることだ。ここではこの「Non-K OC」機
能をASRockの「SKY OC」機能を例に紹
介しよう。SKY OC機能搭載のマザーボー
ドでは、起動ロゴ表示中に「X」キーを押
すとSKY OCモードとなり、UEFIセット
アップでベースクロック変更によるNon-K
OCが可能になる。今回はCore i3-6100
で 試 し た と こ ろ、 電 圧 調 整 な し で4.44
GHzで動作。性能も順当に向上した。
ASRock以外では、ASUSTeK、GIGABYTE、MSIも、公式には対応を表明して
いないものの、同様の機能が使えるUEFIを
自社以外のサイトで配布している。しか
し、残念なことに、これは一時的な動きで
あるようで、SKY OC機能をアナウンスし
たASRockもWebサイトからSKY OCのP
Rページを取り下げているほか、一部モデ
ルの最新UEFIからは、SKY OC機能が除
去されてしまっている。試してみたい方は
早いうちに動いたほうがよいだろう。
起動ロゴ表示中に「X」キーを押すとSKY
OCモードとなり、UEFIセットアップで
Non-K OCができる。倍率の変更はできな
いが、ベースクロックを上げることでOC
できる
実売価格:22,000円前後
Core i3-6100の定格仕様は、ベースク
ロック100MHz×37倍の3.7GHz動作。
今回の検証では電圧操作なしでベース
クロック120MHzの4.44GHzで動作
した
単位:Score
Core i3-6100:定格
(3.7GHz)
4,531
Core i3-6100:OC
(4.44GHz)
196
システム全体の消費電力
■アイドル時 ■高負荷時
4,000
単位:W
28.8
総合スコアは
11.3%アップ
103.9
37.6
5,044
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
ASRock
Fatal1ty Z170
Gaming-ITX/ac
■ Home Accelerated
2,000
ベースクロックを変更すると、メモリクロ
ックも連動して変わるため、メモリ設定も
変える必要がある。DDR4-2133のメモリ
を使っているなら、2133以下になるよう
設定すればよい
テストに使用したマザーボード
i3-6100が4.44GHzで動作
PCMark 8 v2.6.517
0
★★★
KなしCPUをOCする
6,000
0
省電力機能が効
かないためアイ
ドル時も上昇
127.6
50
100
150
【検証環境】CPU:Intel Core i3-6100(3.7GHz)、マザーボード:ASRock Fatal1ty Z170 Gaming-ITX/ac(Intel Z170)、メモリ:CFD 販売 C
FD-Panram W4U2133PS-8G(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×2)、SSD:Samsung 840 PRO MZ-7PD256B/IT(Serial ATA 3.0、MLC、256
GB)、ビデオカード:ASUSTeK GTX750TI-PH-2GD5(NVIDIA GeForce GTX 750 TI)、電源ユニット:Sea Sonic Xseries XP2 SS-660XP ATX
Power Supply(660W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 10 Pro 64bit 版、アイドル時:PCMark 8- Home 終了5分後の値、高負荷時:PC
Mark 8- Home 実行時の最大値、電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO
100
自作PC チューニング技術大全
難易度
2
Turbo Boostの倍率変更に対応したKモ
デルCPUはいろいろなチューニングが可能
だ。Turbo Boost対応CPUは、アクティ
ブなコア数ごとに上限クロックが決まって
いるが、モデルごとにその仕様はさまざま
だ。省電力モデルなどは、1〜2コアアク
ティブ時の上限を高くする一方、3〜4コ
アがアクティブなときの上限が低い。
これを応用し、KモデルCPUで1〜2コ
アアクティブ時のみOCをするように設定
すれば、ピークの電力は定格時とほぼ変わ
らずに性能の向上を図ることができる。こ
こではCore i7-6700Kを使い、1〜2コア
アクティブ時に4.5GHzで動作するよう指
定した。結果はご覧のとおり。ASUSTe
KやASRockなどの製品には2〜4コアアク
ティブ時であっても1コアアクティブ時の
上限値までターボする設定になっているも
のがあるが、それよりも総合的な性能は上
で、消費電力も小さくできている。
CPUの動作設定(ASRock Fatal1ty Z170 Gaming-ITX/ac)
MultiCore Enhancement
CPU Ratio
デフォルト
定格
OC 設定
Enabled
Disabled
Disabled
Auto
Per Core
Per Core
1-Core Ratio Limit
(表示なし)
42
45
2-Core Ratio Limit
(表示なし)
40
45
3-Core Ratio Limit
(表示なし)
40
40
4-Core Ratio Limit
(表示なし)
40
40
CINEBENCH R15
■ CPU ■ CPU(シングルコア)
単位:cb
Core i7-6700K:定格
(100MHz ×42/40/40/40
885
181
Core i7-6700K:
マザーボードデフォルト設定
(100MHz ×42/42/42/42)
921
183
Core i7-6700K:OC
(100MHz ×45/45/40/40)
Fast →
シングルコア
性能は定格比
6.6%アップ
885
193
0
300
600
900
1,200
PCMark 8 v2.6.517
■ Home Accelerated
単位:Score
Core i7-6700K:定格
(100MHz ×42/40/40/40)
4,662
Core i7-6700K:
マザーボードデフォルト設定
(100MHz ×42/42/42/42)
4,695
Core i7-6700K:OC
(100MHz ×45/45/40/40)
4,752
Fast →
0
1,500
3,000
■アイドル時 ■高負荷時
Core i7-6700K:定格
(100MHz ×42/40/40/40)
28.9
Core i7-6700K:
マザーボードデフォルト設定
(100MHz ×42/42/42/42)
29.5
Core i7-6700K:OC
(100MHz ×45/45/40/40)
28.9
0
総合的な性能
もアップ
4,500
システム全体の消費電力
← Better
★★★
Turbo Boostでピーク電力を抑えつつKモデルを高速化
6,000
単位:W
116.1
122.3
最大消費電力
は定格とあま
り差がない
118.5
50
100
150
200
難易度
★★★
Cステート設定でアイドル時をもっと省電力に
Haswell以降のCPUでは、Cステートの
3
基本
設定で省電力化を図ることができる。Cス
テートは、利用されていない回路を休ませ
るためアイドル状態を段階的に分けたもの
で、数字が大きいほど多くの回路を休ませ
てムダな電力を省ける。Cステートの設定
が自動設定になっているとC6以降のステ
ートが有効にならないことが多いので、こ
こを手動で設定することでアイドル時の電
力を減らすことが可能だ。
システム全体の消費電力
Cステートをすべて有効に
Cステートの効
果でより省電
力になった
■アイドル時
単位:W
Core i7-6700K(内蔵 GPU)
:マザーボードデフォルト設定
18.3
Core i7-6700K(内蔵 GPU):C ステート手動設定
17.0
Core i7-6700K +ビデオカード:マザーボードデフォルト設定
30.0
Core i7-6700K +ビデオカード:C ステート手動設定
← Better
28.8
0
10
20
30
40
UEFIのデフォルトではセーフティな設定
になっている。AutoではなくEnabledや
一番深い(数字が大きい)ステートを指
定する
UEFI 設定(ASRock Fatal1ty Z170 Gaming-ITX/ac)
デフォルト
省電力設定
CPU C States Support
Enabled
Enabled
Enhanced Halt State
Auto
Enabled
CPU C3 State Support
Auto
Enabled
CPU C6 State Support
Auto
Enabled
CPU C7 State Support
Auto
Enabled
Disabled
Enabled
Package C State Support
【検証環境】CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)、アイドル時:CINEBENCH 終了5分後の値、高負荷時:CINEBENCH R15(CPU)実行中の最大値、そのほかは p.196と同じ
【p.196 〜 201問い合わせ先】ASRock: 03-3768-1321(マスタードシード)/ http://www.asrock.com/、Enermax Technology: 03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.enermaxjapan.com/、
GELID Solutions: [email protected](サイズ)/ http://www.gelidsolutions.com/、thermal grizzly:03-3488-1526(親和産業)/ http://www.thermal-grizzly.com/、アイネックス: 042-467-7676 / http:/w
ww.ainex.jp/、Thermalright: 03-5298-3880(ディラック)/ http://www.thermalright.com/、サイズ: [email protected] / http://www.scythe.co.jp/、Advanced Micro Devices: 0066-33-81265(日本 AM
D)/ http://www.amd.co.jp/、CyberLink:Web サイトのフォームから/ http://jp.cyberlink.com/
もう一手間、一工夫でアナタのPCがグッと使いやすく快適に!!
難易度
温度を監視し、一定の基準範囲内でTurbo
動作する。逆に言えば、いずれかの状態が
一定の基準値(リミット)を超えるとTurb
o状態は継続しない。この電力や電流の基
準は通常CPUのTDPによって決まってい
各種電力制限値の設定はUEFI
セットアップで行なうことがで
きる
るが、OCをする際は(冷却やCPUの耐性
が十分であっても)これが原因でOCが成
リミッター解除設定例(ASUSTeK Z170-PRO)
することがある。OCの際はUEFIセットア
ップで基準値を上限まで引き上げておくの
がセオリーだ。製品によっては最初から基
準が緩い、OC設定と連動して自動で緩く
されることもあるが、手動で設定しておく
のが確実だろう。また、Turbo Boost関連
以外の機能にもこうした電力/電流リミッ
ター的項目があり、こちらもOC向けとさ
れる設定が存在する。ここではASUSTe
KのZ170- P R Oの 設 定 例 を 掲 載 し て お
く。この例はあくまでもOCポテンシャル
を上げるための設定なので、OCの目的(常
用するなど)や冷却状態によっては必ずし
も最適とは限らない点に注意してほしい。
デフォルト
OC 向け設定例
CPU SVIO Support
Auto
Disabled
CPU Core/Cache Current Limit Max.
Auto
255.5
4095
[Ai Tweaker]
[Ai Tweaker]-[Internal CPU Power Management]
Turbo Mode Parameters
Long Duration Package Power Limit
Auto
Package Power Time Window
Auto
127
Short Duration Package Power Limit
Auto
4095
CPU Load-line Calibration
Auto
Level 7
CPU Current Capability
Auto
140%
CPU VRM Switching frequency
Auto
Manual
[Ai Tweaker]-[DIGI+VRM]
Fixed CPU VRM Switching Frequency
CPU Power Duty Control
CPU Power Phase Control
LLCで省電力OCする
LLC(Load Line Calibration)は、高
負荷時にVRMから供給される電圧が降下
しないよう調整する機能だ。製品によって
レベルがいくつかあり、段階的に設定でき
る。高負荷時の電圧降下を防ぐことは、高
負荷時のみ電圧を上昇させることと実質的
に同じ効果があり、OC状態での高負荷時
の安定性の向上にも寄与する。また、低負
荷時の電圧には影響が少ないために、OC
状態でのアイドル時の電力を削減すること
もできる。
実際にLLC設定による違いを示したのが
右下のグラフだ。自動設定(Level 5)で
は高負荷時の安定性が悪かったが、Level
4以下では安定した。しかし、高負荷時の
消費電力はかなり大きくなるので注意して
使いたい。
ちなみに、Haswell世代以降から電圧調
整の方法として、OC状態時のみ電圧を上
昇させる「Adaptive Mode」設定機能を
持つ製品があるが、Skylakeではうまく機
能しない例が多い(FIVR廃止の影響と思わ
れる)ので注意したい。
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
(表示なし)
500
T.Probe
Extreme
Auto
Extreme
設定には注意が必要
ASRock Z170 Fatal1ty Gaming-ITX/ac
ではLevel 1がもっとも電圧降下が少ない
(供給電力が大きい)が、メーカーによって
逆の場合もあるので製品ごとに確認したい
システム全体の消費電力
Core i7-6700K:OC(4.6GHz)
:
N/A
CPU LCC Auto
29.6
Core i7-6700K:OC(4.6GHz)
:
CPU LCC Level 4
29.6
Core i7-6700K:OC(4.6GHz)
:
CPU LCC Level 3
29.6
Core i7-6700K:OC(4.6GHz)
:
CPU LCC Level 2
29.7
0
UEFIセットアップでLLCのレベルを変更
すると、高負荷時の電圧降下幅を減らすこ
とができる
エラー発生のた
め計測不能
■アイドル時 ■高負荷時
← Better
198
★★★
UEFIセットアップで設定
功しなかったり、性能が向上しなかったり
5
難易度
4
IntelのTurbo Boostは、電力、電流、
★★★
電源リミッターを解除する
124.7
単位:W
アイドル時は変
わらないが高負
荷時の影響は大
きい
137.5
154.2
50
100
150
200
【4の検証環境】p.197と同じ、【5の検証環境】アイドル時:CINEBENCH 終了5分後の値、高負荷時:CINEBENCH R15(CPU)実行中の最大値、そ
のほかは p.196と同じ、【6の検証環境】CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)、マザーボード:ASUSTeK Z170-PRO(Intel Z170)、メモリ:
CFD 販売 CFD-Panram W4U2133PS-8G(PC4-17000 DDR4 SDRAM 8GB×2)、SSD:Samsung 840 PRO MZ-7PD256B/IT(Serial ATA 3.0、
MLC、256GB)、ビデオカード:ASUSTeK STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5(NVIDIA GeForce GTX 970)、電源ユニット:Corsair CX600M
(600
W、80PLUS Bronze)、CPU クーラー:Enermax ELC-LMR240-BS、OS:Windows 10 Pro 64bit 版、室温:17℃、暗騒音:30dB 以下、アイド
ル時:
PC自作・チューンナップ
虎の巻
二〇一七
312
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
もう一度 、
PCを
イチから
作る。
10年前、5年前とは
もはや別物!
成熟したと言われて久しいPC自作は決し
て歩みを止めてはいない。性能や機能、使い
く自作の世界から離れていると、何から手を
付けてよいかとまどうことも多いだろう。
能は当然進化。10年前と比べてC
PUの性能は数倍になっているが、
ストレージの進化はさらに目覚ま
しく、最新のPCI Express接続の
2
自由度
まれている。それだけに、5年、10年など長
1
性能
勝手は常に進化を続け、新しいトレンドも生
PCパーツの基本中の基本である性
NVMe対応SSDになると、10年
前のHDDからはおおげさではなく
100倍単位で高速化している。
本特集の目的はまさにその解決である。し
ばらく離れていたユーザーも想定しつつ、過
Mini-ITXながら高い拡張性を持つ
ケースのほか、ショートサイズやL
o w P r o f i l eの 高 性 能 パ ー ツ が 登
場。サイズに関する制限が大幅に
緩和された。さらに、カバーや内
部ベイをカスタマイズできるPCケ
ースは多く、構成の自由度は飛躍
的に高まっている。
去との対比という視点を加えて、各パーツの
最新事情、最新パーツを整理した。自作のブ
ランクが長いということは、その間の進化を
一気に体感することができるということでも
ある。現代の事情を一通り理解した上で自作
ができれば、それによって感じられる驚きや
満足感は、段階的に触れてきたユーザーには
得られない、大きなものとなるだろう。本特
集がその理解の助けになれば幸いである。
再
SSD
Intel SSD 750
PCケース
Fractal Design
Define R5
PCI Express 3.0 x4接続でNVMe対
応のSSD。性能はシーケンシャルリ
ード最大2,500MB/s、4KBランダム
リード最大46万IOPSなど圧倒的
カバーやドライブベイが柔軟に着脱
でき、冷却拡張性や静音性も優秀な
人気ケース
数 年 ぶ り の 進 化 入門は初め
自作の歴史を彩る
パーツたち
2006年~ 2007年
2010年
HGST
Deskstar
7K1000シリーズ
Intel
Core 2 Duo
シリーズ
314
2008年~ 2009年
Intel
X25-Mシリーズ
サイズ
ANDY
SAMURAI
MASTER
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
Intel Core i7 初代
(Bloomfield)
Micron Technology
Crucial RealSSD
C300シリーズ
り放熱が容易になり、冷却技術や
ファン制御技術の進化も著しく、
はある程度妥協しなければならな
いという時代ではなくなっている。
高負荷時のみファンを回転させる凖
ファンレス仕様のクーラーを搭載し
たビデオカード
のトレンド。イメージの統一や発
光ギミックの導入など演出面の進
化も著しい。そうしたテーマや演
出を活かすようマシンを構成して
みるのもおもしろいだろう。
マザーボード
Micro-Star International
B150A GAMING PRO
「MYSTIC LIGHT」と呼ばれる8カ
ラー 7パターンの発光ギミックが楽
しめるゲーミングマザー
5
はもとより、カラーバリエーショ
ンや換装パーツが用意される製品
も増え、システム全体でコーディ
ネイトを楽しめる。あわせて、「中
身を美しく見せる」ことを強く意
識 し たP Cケ ー ス も 多 く な っ て い
る。
CPUクーラー
CYRORIG
R1 UNIVERSAL
強力な冷却能力と静音性をあわせ持
つCPUクーラー。別売カバーで色を
変えるカスタマイズを楽しめる
を 一 気 に 楽 し め !
てのおもしろさ
TEXT:鈴木雅暢
2011年
2012年
2013年~ 2014年
2015年
Intel Core i7
(Sandy Bridge)
Fractal Design
Define R4
Advanced
Micro
Devices
A10-5800K
Intel
Core i7
(Haswell)
進化は続く!
Microsoft
Windows 10
Pro
2016年
Intel Core i7(Skylake)
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
315
10
5
もう一度、PCをイチから作る。
ビデオカード
Micro-Star International
GTX 980Ti GAMING 6G
4
最近のパーツはデザイン性の向上
年前、 年前とはもはや別物!
が上がった。高性能だから静音性
定のテーマを定め、機能や使い勝
手を最適化した特化型製品も近年
デザイン性
PCパーツの静音性は格段にレベル
ゲームや長期耐久性、OCなど、特
特化型製品
静音性
3
CPUやGPUの電力効率の向上によ
1
CPU
再入門
CPUの役割は大きく変化
PCの性能を左右する
自作のキーパーツ
TEXT:鈴木雅暢
順調な進化で機能統合を進め
クロックあたりの性能も向上
を交互に繰り返しながら進化している。
世代進化し、大きなマイクロアーキテク
2011年のSandy Bridgeが近年の大きな
チャの改良も2回行なわれている。コア
PCの頭脳にあたるCPUは、PCの性能
転換点。Intelの主力CPUとして初めてG
/スレッド数は変わらず、クロックもさ
を大きく左右するパーツだ。マイクロア
PUコアのほか、メモリやPCI Express
ほど伸びていないが、電力効率は向上。
ーキテクチャ(命令処理の仕組)とプロ
のコントローラを内蔵した。そこから現
コアあたり/クロックあたりの性能を向
セスルール(半導体の製造技術)の改良
行のSkylakeまでにプロセスルールは2
上させてきている。
最新パーツは旧パーツとココが違う!
2006
年
10年前
5年前
2011年
2016年
現在
Intel
Intel
Intel
電力効率重視に方針転換
した歴史的存在
近代 Intel CPU の基礎を
築いた傑作
倍率変更 OC にも対応し
た現行の主力モデル
AMD
AMD
AMD
初の8コア(浮動小数点
演算は4コア)
CPU と GPU を高度に融
合した APU 最速モデル
Core 2 Duo
E6700
Core
i7-6700K
Core
i7-2600K
Athlon 64
X2 5000+
FX-8150
Pentium 4を圧倒も Cor
e 2 Duo 登場後は苦戦
A10-7890K
2006年から2011年までの間にCPUコア数
だからだ。プロセスルールが1世代進化する
アの強化に力を入れている。またAMDは、
を2倍に、さらにGPUコア、メモリ/ PCI E
と、一つのCPUに使う半導体を約2倍に増や
Intelに後れを取っているが、全体の約半分の
xpressコントローラといった機能統合を実現
すことができ、コアや機能を追加できる。そ
半導体をGPUコアに使うGPU重視の設計な
できたのは、CPUの高密度化が順調に進ん
の後はコア一つあたりの性能向上やGPUコ
どにより、GPU性能は高い。
メーカー
リリース年
製品名
ソケット
アーキテクチャ
(プロセスルール)
コア/スレッド
動作周波数
2006年
Core 2 Duo E6700
LGA775
Intel
2011年
Core i7-2600K
LGA1155
2015年
Core i7-6700K
LGA1151
2006年
Athlon 64 X2 5000+
Socket AM2
AMD
2011年
FX-8150
Socket AM3+
2016年
A10-7890K
Socket FM2+
Conroe(65nm)
Sandy Bridge(32nm)
Skylake(14nm)
Brisbane(65nm)
Bulldozer(32nm)
Godavari(28nm)
2コア
4コア/ 8スレッド
3.4GHz
(TB時最大3.8GHz)
2.0/16レーン
内蔵(DDR3)
HD Graphics 3000
(1,350MHz)
95W
4コア/ 8スレッド
4GHz
(TB時最大4.2GHz)
3.0/16レーン
内蔵(DDR3L/DDR4)
HD Graphics 530
(1,150MHz)
91W
2コア
なし
内蔵(DDR2)
8コア
3.6GHz
(TC時最大4.2GHz)
なし
内蔵(DDR3)
なし
なし
65W
120W
4コア
4.1GHz
(TC時最大4.3GHz)
3.0/16レーン
内蔵(DDR3)
Radeon R7
(866MHz)
95W
2.66GHz
PCI Expressコントローラ
メモリコントローラ
なし
なし
内蔵グラフィックス
なし
TDP
65W
当時はチップセットに内蔵。主力 CPU が内蔵するように
なったのは Sandy Bridge 世代から
2.6GHz
数値上は5年前とあまり変わらないが、電力効率を優先
し、クロックあたり/コアあたりの性能が高まった
AMD は早くから GPU 重視の設計を採用。CPU コア数は
減ったが、内蔵 GPU 性能では Intel を上回る
【検証環境】マザーボード:ASUSTeK X99-A(Intel X99)、ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)、ASUSTeK MAXIMUS IV GENE-Z
(Intel Z77)、MSI P45 Neo2-FR
(Intel P45)、メモリ:Micron Crucial CT4K4G4DFS8213
(PC417000 DDR4 SDRAM 4GB ×4※2枚のみ使用)、CFD 販売 CFD Panram PUD43000C154G4NNJW(PC4-24000 DDR4 SDRAM 4GB×4※PC4-17000で使用)、CFD 販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR
3 SDRAM 4GB ×2)、Patriot Memory PDC24G8500ELKR2(PC2-8500 DDR2 SDRAM 2GB×2)、SSD:Samsung 840 PRO MZ-7PD256B/IT(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)、Intel Solid-State Drive 510 SSDSC2MH
120A2K5(Serial ATA 3.0、MLC、120GB)、ビデオカード:ASUSTeK GTX750TI-PH-2GD5(NVIDIA GeForce GTX 750Ti、Intel Core i7-5820K 環境)、NVIDIA GeForce 8800 GT リファレンスカード(Intel Core 2 D
uo E6850環境)、OS:Windows 10 Pro 64bit 版
価格≒性能は大きく変わらず
発売年 メーカー
2014年
2015年
Intel
2011年
2007年
製品名
動作周波数
コア/スレッド
Core i7-5820K
3.3GHz(TB時最大3.6GHz)
6/12
Core i7-6700K
4GHz(TB時最大4.2GHz)
4/8
Core i5-6600K
3.5GHz(TB時最大3.9GHz)
4/4
Core i3-6100
3.7GHz
2/4
Core i7-2600K
3.4GHz(TB時最大3.8GHz)
4/8
Core 2 Duo E6850
3GHz
2/2
基本の動作周波数は4GHz だが、Turbo Boost に対応し
ており、1コアのみに負荷がかかっている場合、最大4.2
GHz まで周波数を上げる
同じスコアで、5年間の進化をスレッド数の
差で埋めた格好だ。Core 2 Duo E6850の値
はさすがに古さを感じる結果。
PCMark 8は、GPU性能も含めたシステム
Core i7-5820K
(3.3GHz)
Fast →
E6850はビデオカードを利用しているため、
あくまで参考値として見てほしい。
2014年
Intel
Core i5-4460
2014年
Intel
Pentium G3258
2013年
Intel
Core i7-4770K
2012年
Intel
Pentium G870
2012年
Intel
Core i7-3770K
2011年
Intel
Core i7-2600K
2011年
Intel
Core i5-2500K
2011年
AMD
A8-3850
2009年
Intel
Core i7-860
※発売時
Core i7と Core i5はともにコアは四つ内蔵するが、Core
i7は1コアあたり2スレッドを実行できる HT に対応
PCMark 8 v2.4.304
単位:cb
5
使い回し
◎
○
◎
○
○
×
△
△
△
△
×
単位:Score
■ Home Accelerated
シングルコアはCor
e i7-2600K と 大
差ない
1,017
4,262
884
3,757
400
HD 530 搭載モデ
ルは、モデルごとの
性能の差が少ない
最適化されたソフト
で使えば、パフォー
マンスは圧倒的
3,479
3,481
5 年前のフラグシッ
プ は、も は や Core
i3にもおよばない
616
134
128
78
0
200
2,931
2,402
400
600
800
1,000
1,200
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
動作周波数とターボ機能
コア数とスレッド数
動作周波数は、CPU内部の回路が動作するス
ピードのことで数値が高いほうが高速。近年
のCPUは、高負荷時のみ一部のコア(または
全部のコア)の周波数を一時的に安全な範囲
内で引き上げるターボ機能(Turbo Boost、
Turbo CORE)を導入している。ターボ機能
に対応したCPUは標準のクロックと最大クロ
ックが併記される。
CPUは、命令を処理する「コア」が複数あ
ると、複数のスレッド(命令の実行単位)を
同時に処理できるので、コア数が多いほど高
速。同時処理スレッドだけを増やした場合も
コアを増やすほどではないが似た効果があ
る。多コア/多スレッドを活かすためにはソ
フトの対応も必要であり、ソフトによって効
果の度合いは大きく異なる。
あなたのCPUはまだ使える? Core i7-4790K
Sandy Bridge
Conroe
157 Core 2 Duo
E6850(3GHz)
内蔵GPUのないCore i7-5820KやCore 2 Duo
Intel
Graphics HD 3000
なし
606
Core i7-2600K
(3.4GHz)
ず、5年間の進化が強く感じられる。なお、
2014年
DDR3、2チャンネル
-
167
Core i3-6100
(3.7GHz)
か、Core i7-2600Kは現行のCore i3におよば
モデル
LGA1155
LGA775
181
Core i5-6600K
(3.5GHz)
の差が大きくない。また、GPU性能の影響
Core i7-5775C
138
Core i7-6700K
(4GHz)
負荷が多いせいか、現行モデルはグレード間
Intel
Skylake
■ CPU ■ CPU(シングルコア)
の総合的な性能の目安になるが、比較的軽い
メーカー
Graphics HD 530
実売価格
44,000円前後
36,000円前後
26,000円前後
13,000円前後
29,000円前後※
38,000円前後※
◎使い回さなきゃ損
△予算があれば買い換え
○まだまだ現役
×優先的に買い換え
鈴木雅暢の見解
内蔵GPU強化の個性派。実質的な後継製品がないという側面もある
次世代では高負荷時の電力効率や放熱の容易さなど、地味な部分では進化するも、まだまだ性能は高い
ミドルレンジ(とくにビデオカード搭載環境)ならハイエンドよりも現役感は上
OC前提なら現行世代は魅力が薄い。内蔵GPU重視なら検討の余地もある
チップセット含め、最新世代のプラットフォーム全体の進化に魅力を感じるかがカギ
この世代のローエンドはもう厳しい。内蔵GPUの進化が顕著で上積みが大きい
この世代からなら性能、省電力性ともかなりの向上が実感できるだろう
そろそろ乗り換えたいが、OC&ビデオカード環境前提ならまだやれないこともない
段階的に更新するならビデオカードやストレージの優先度が上か
選択肢がAMD限定なのかどうかによる。AMD限定ならまだ粘る手も
この世代以前からならすべての用途で文句なく幸せになれるだろう
【問い合わせ先】Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
PC自作・チューンナップ虎の巻 2017
317
もう一度、PCをイチから作る。
だ。Core i7-2600KがCore i5-6600Kとほぼ
2015年
DDR3L/DDR4、2チャ
ンネル
CINEBENCH R15
の純粋な性能を見るのに適している。
「CPU」
6コア12スレッドのCore i7-5820Kが圧倒的
アーキテクチャ
Haswell-E
新旧の主なCPUのパフォーマンス
トで確認してみよう。CINEBENCHはCPU
はマルチスレッド性能の目安となるもので、
内蔵GPU
なし
LGA1151
LGA1151にはない6コアモデルで12スレッドの同時実行
が可能。その分動作周波数は低め
新旧CPUの性能を定番ベンチマークテス
発売年
ソケット
対応メモリ
LGA2011-v3 DDR4、4チャンネル
年前、 年前とはもはや別物!
10
新旧の主なCPUのスペック