研究へのご協力願い - 新潟大学医学部医学科

手術治療時の生体試料の包括的採取と保存
へのご協力のお願い
各種の疾患に対する治療成績は向上してきており、近年外科手術もその一端を担っております。
しかしながら疾患によっては依然として解明すべき問題は多く残されており、有効な治療法や予防
法の開発のためにも手術治療を受ける患者さんから採取された生体試料を適切に保存・分析するこ
とは必要不可欠であると考えます。
私どもの研究室では、以上の理由から、手術治療前後において患者さんから採取された血液や組
織を様々な角度から研究することによってその疾患の原因、進展様式、更には治療効果をもたらす
機序の解明を目指した研究を行っております。試料は、外来受診時、もしくは入院時に行う検査や
治療によって得られる検体(血液、体液、切除標本、生検試料)です。血液検体は遠心分離により血
清に、組織検体はブロック切片として、いずれも凍結して保存し今後の研究に使用させていただき
ます。患者様本人への危険性は全くございませんのでご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。
これらの検体の採取、保存はあくまでも基礎的な研究が目的です。その結果は直ちにご協力いた
だきました患者さんの治療法や予防法として利用できるものではありません。また、個々人に結果
をお知らせできるものではありません。
患者さんのプライバシーにつきましては、試料には一連番号を付けさせていただき、個人名のわ
からない形で分析させていただきます。検体の保存に関する同意については、いつでも破棄するこ
とができます。その場合、協力できなくなった旨をお伝えいただければ、試料は破棄させていただ
き分析には使用いたしません。また、その様な意思表示をすることで、患者さんの治療には何ら不
利益をもたらすことはありません。この検査に対するご協力は、あくまでも患者さんの自由意志に
よるものである点をご理解下さい。
研究に用いました試料は、分析が終了した後、滅菌処理をして廃棄される予定です。また、患者
さんの協力によって得られた研究の成果は、提供者本人やその家族などが特定されないよう配慮し
て、学会発表や学術雑誌等で公表される場合があります。その他に、研究の成果として特許権等の
知的財産権が生じる可能性がありますが、その権利またはそれに基づく経済的利益は、国、研究機
関、及び研究遂行者に帰属し、試料提供者には属しません。
以上、ご説明申し上げました内容につきまして、ご理解いただきご賛同いただけますときは別紙
の同意書にご署名、ご捺印をお願いいたします。種々の事情でご本人がご署名いただけない場合は
代理人の方のご署名に代えさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
新潟大学大学院医歯学総合研究科
消化器・一般外科学分野
若井 俊文
同
新潟大学医歯学総合病院長
意
書
殿
この度,「手術治療時の生体試料の包括的採取と保存」に参加するにあたり,説明書
に記載されている項目等について担当医師より詳細な説明を受け,了承しましたので,
その実施に同意します。
平成
年
月
日
患者氏名
印
家族氏名(続柄)
印
上記患者に対する研究については,私が説明し,患者本人が同意したことを確認し
ます。
平成
年
医師氏名
月
日
印
同意撤回書
研究責任者:
若
井
私は、研究課題名:
俊
文
殿
「手術治療時の生体試料の包括的採取と保存」
において研究協力するこ
とに同意し、同意書を提出いたしましたが、その同意を撤回いたしたく、ここに同意撤回書を提
出いたします。
同意撤回内容(該当する項目に○をお付け下さい)
1.(
)
提供試料を保存することへの同意を撤回いたします。
2.(
)
保存した提供試料を解析し研究に用いることへの同意を撤回いたします。
3.(
)
その他(
平成
年
)
月
日
提供者氏名:
代諾者氏名:
(提供者との関係:
連絡先:住所
〒
TEL
(
-
)-
上記提供者より、同意撤回書を私が受理いたしました。
平成
年
月
日
所
属:
受理者:
-
)
手術治療時の生体試料の包括的採取と保存
研究計画書
新潟大学大学院医歯学総合研究科
消化器・一般外科学分野
小林 隆、永橋昌幸、若井俊文
1. 研究の背景及び目的
各種の悪性疾患に対する治療成績は向上してきており、近年外科手術もその一端を担
っていると言える。しかしながら疾患によっては依然として解明すべき問題は多く残され
ており、手術治療を受ける患者から採取された生体試料(血液、体液、切除検体、生検試
料)を適切に保存し癌関連活性物質を解析することは急務である。本研究課題では、癌関
連活性物質である癌関連蛋白質、脂質メディエーターを網羅的に解析し、
(1)治療標的となり得る癌関連生理活性物質の同定
(2)癌と間質との相互作用の解明
(3)同定された癌関連生理活性物質と治療成績の比較検討
を目的とすることで、悪性疾患の原因、進展様式、治療効果をもたらす機序を解明し、画
期的な新規治療法の開発を目指す。
2. 対象者
本研究の対象者には、新潟大学医歯学総合病院で平成 26 年 6 月 1 日より平成 29 年 5
月 31 日までを目処に同意を得た、消化器悪性腫瘍(食道、胃、大腸、肝胆膵)
、乳腺・内
分泌悪性腫瘍および、間葉系悪性腫瘍の手術治療患者を予定している。
3. 試料の採取及び保存
研究に用いる試料は、手術前後、手術中に採取された生体試料(血液、体液、切除検
体、生検試料)である。各々の検体に適した処理を施したのち、本学消化器・一般外科に
て適切な方法で保存する。
4. 試料の匿名化
匿名化については、連結可能匿名化により行う。
5. 方法
承諾を得た患者から、手術の前後および術中に生体試料(血液、体液、切除検体、生
検試料)を採取する。試料の採取方法については、各々に最適な方法を選択し行う。
試料採取は病院内で医師の管理下のもとで行う。体調の変化や不調が認められた対象
者からの採取は中止し、必要な医療措置を施す。
6. 本研究により期待される知見
本研究によって、採取保存された検体を適切に解析することにより
(1)治療標的となり得る癌関連生理活性物質の同定することができる。
(2)癌と間質との相互作用の解明し、疾患の病理学的特徴を理解することができる。
(3)同定された癌関連生理活性物質と治療成績の比較検討し新規治療法開発に活かすこ
とができる。
7. 試料の保存及び廃棄の方法
血液、体液などの液体試料は遠心分離等の処理を施した後、-80℃で冷凍保存される。
切除された検体や生検試料などの組織検体は必要に応じて、-80℃の冷凍保存、ホルマリ
ン固定、RNA later 等によって処理した後保存される。研究終了後の検体に関しては原則
的に廃棄する。しかし、研究成果を十分評価した上で更なる検討が必要な場合、改めて
倫理審査を受けた上で匿名化した試料を活用できるものとする。
8. 倫理及びプライバシーの保護
本研究の対象者は、研究の趣旨に賛同し、対象として参加することに対して自由意
志に基づき同意・承諾した者だけが対象者となる。対象者には、書面によるインフォー
ムド・コンセントを得ることとする。
また、本研究では、試料にはすべて予め調査番号を付け、研究終了まで調査番号を
もとに検討を行うため、試料と個人情報の連結は不可能である。このことによって個人
の情報が外部に漏れる危険性を減じる。また、研究で入手した個人に係わる全ての情報
は、研究組織の研究者のみがアクセスできるものとし、個人情報(氏名、性、年齢等)
と測定データは分割して保存する。また、得られた全ての情報は研究目的以外には使用
せず、研究結果はすべて個人が特定できないようにして公表する。さらに、試料は研究
終了まで保存し、終了後は廃棄する。上記個人情報の管理は本学医療情報部との連携に
おいて行う。
9. 結果の公表
結果の公表は、学術雑誌、学術集会で発表する。