各種スポーツ団体の競技場人工芝で採用されている衝撃吸収性試験

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確かな技術・信頼の
衝撃吸収性試験のご案内
★はじめに★
カケンでは、遊具設置面の衝撃吸収材や、人工芝・ゴムチップ弾性舗装材などのスポー
ツ表層面に対する衝撃吸収性試験を実施しています。
公園などの遊具は、コンクリートやアスファルトなどの硬い設置面を避け、必要に応
じて衝撃吸収材を使用するなど、落下衝撃の緩和の配慮が必要です。また、ラグビー、
サッカーなどの人工芝ピッチでは、プレー中の選手の転倒への配慮が必要です。安全・
安心の観点から、衝撃緩和・衝撃吸収性能は、近年ますます需要が高まっています。
衝撃吸収性を評価する代表的な試験方法として、EN 1177、EN 14808、AAA method
があります。これらの試験方法は、各種スポーツ団体で採用されています。
試験方法
EN 1177
採用している主な団体 (*1)
IRB( 国際ラグビー評議会 )
EN 14808
FIH( 国際ホッケー連盟 )、
IAAF( 国際陸上競技連盟
FIBA( 国際バスケットボール連盟 )
JFA( 日本サッカー協会 )、
JRFU( 日本ラグビーフットボール協会 )
JHA( 日本ホッケー協会 )
AAA method
FIFA( 国際サッカー連盟 )、IRB
(*1)2012 年 9 月現在の情報。カケンは、FIH、JFA、JRFU、JHA の競技場人工芝の指定検査機関です。
★< EN 1177 遊び場の表層面の衝撃吸収性-危険落下高さの測定>
EN 1177 は、HIC(*2) 値の測定によって、表層面の危険落下高さ ( 限界安全高さ ) を
求める試験です。統計上の有効なデータ分析に基づいて、「HIC=1000」は脳障害をも
たらさないであろう上限値とされています。
直径 160mm、質量 4.6kg の半球状ヘッドモデルを任意の高さから落下させ、時
間/加速度の軌跡から公式によって HIC 値を計算します。落下高さを上げながら、
HIC=1000 を超える高さまで試験を実施し、HIC=1000 に相当する危険落下高さ(メー
トル)を求めます。
IRB のラグビー競技場人工芝性能基準では、新設ピッチでの最初の 1 年間の危険落
下高さは 1.3m 以上、それ以降は 1.0m 以上とされています。
(*2)HIC とは、Head Injury Criterion の略で、以下の公式に従って計算された、落下を原因と
する頭部障害基準のことをいいます。
一般財団法人 カケンテストセンター
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HIC は、遊具設置面や、人工芝ピッチなどでの、落下・転倒時の頭部障害の可能性を予測するための指標となります。
国土交通省の「都市公園における遊具の安全確保に関する指針(改訂版)」では、遊具設置面の衝撃吸収性能の参
考値の一つとして、HIC 値を計測することが望ましいとされています。
★< EN 14808 スポーツ表層面の衝撃吸収性>
EN 14808 は、通称 Berlin 法とも呼ばれ、表層面上に落下する物体
の衝撃を低減する能力を測定します。
表層面に置いたバネ上に、質量 20kg の錘を 55mm の高さから落下
させ、表層面にかかる最大の力を記録します。この力に対して、コン
クリート面で同様に測定した最大の力との減少の割合から、衝撃吸収
性(パーセント)を求めます。
各種スポーツ団体では、各競技で使用する表層面の特性に応じて、
以下のような基準値を設けています。
FIH:40-65% IAAF:35-50% JFA:50%以上 JRFU:50%以上 JHA:40-65%
FIBA:min.50% (Level 1, permanent wooden flooring)、min.40% (Level 1, mobile wooden flooring)
25-40% (Level 2 and 3, permanent synthetic flooring)
★< AAA method スポーツ表層面の衝撃吸収性>
AAA method は、EN 14808 の進化型の試験方法です。EN 14808
の試験機は、通称 Artificial Athlete と呼ばれていることから、この進
化型の試験機は Advanced Artificial Athlete の頭文字をとって、AAA
(Triple A)と呼ばれています。FIFA や IRB は、以前は EN 14808 を
採用していましたが、FIFA は 2012 年 1 月から、IRB は 2011 年 3 月
から AAA method を採用しました。現在 EN 14808 を採用している各
団体も、AAA method へと順次試験方法を変更していく可能性があり
ます。
この試験機では、バネが取り付けられている質量 20kg の錘を、
55mm の高さから落下させ、落下の瞬間から表層面に衝撃を与えるまでの加速度を記録します。この力の減少の割
合と、基準の力(理論上のコンクリート面にかかる力)から、衝撃吸収性(パーセント)を求めます。
各種スポーツ団体の基準値は以下の通りです。
FIFA:60-70% (2 スター )、55-70% (1 スター )(*3) IRB:55-70%
(*3)FIFA は人工芝ピッチの 2 つのカテゴリー ( 格付け ) があり、2 スターはプロ向け、1 スターは一般向けのカテゴリーです。
カケンでは、衝撃吸収性以外にも垂直変位、表面摩擦、回転抵抗、ボールに対する性能試験などを実施しています。
詳細は試験室までお問合せください。
お問い合わせ先:
大阪事業所 資材テストラボ
TEL:06-6441-0315
FAX:06-6441-2420