英国の欧州連合(EU)離脱問題について

英国の欧州連合(EU)
離脱問題について
平成28年6月25日
自由民主党 政務調査会
EU残留か離脱かを問う英国の国民投票で、離脱支持が51.9%に
及び、英国の離脱方針が決定しました。キャメロン首相が辞任を表
明し、英国経済の混乱、世界経済への影響が懸念されています。
先進7か国財務大臣・中央銀行総裁は、緊急電話会議を開き、「
市場の動向と金融の安定を緊密に協議し、適切に協力する」との共
同声明を採択しました。
これを受け、財務大臣・日本銀行総裁は共同談話において、「為
替市場をこれまで以上に注視し、必要に応じて対応を行う」とし、
また、外貨流動性の不足といったリスクが想定されることについて
は、「主要国の中央銀行が結んでいる通貨スワップ網も整備されて
おり、日本銀行としてはこうした枠組みを活用し、必要に応じて対
応を行う」と発表。政府・日銀は、世界経済の成長と為替市場を含
む金融市場の安定に万全を期すため、他のG7諸国とも連携しつつ
、適切に対応していくことを強調しました。
わが党としては、即日、稲田政調会長を本部長とする『英国の欧
州連合離脱に関する緊急特別本部』を設置し、今後、政府と緊密に
連携していくことを確認しました。
このような時こそ、安定政権が必要です。先のG7サミットで想
定したリスクが現実のものとならないよう、世界経済安定のために
、わが党は万全を期していく決意です。
平成28年6月24日
財務大臣・日本銀行総裁共同談話
英国において、6月23日(木)に国民投票が行われ、EU離脱
に賛成する票が反対する票を上回る結果となった。
この結果が、世界経済や金融・為替市場に与えるリスクについて
懸念しており、引き続き注視していく。
為替市場を含む金融市場の安定性は極めて重要である。為替レー
トの過度な変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪
影響を与え得るものであり、望ましいものではない。財務省として
は、為替市場の動向をこれまで以上に注視し、必要に応じて対応を
行う。こうした対応は、G7、G20の合意内容に沿うものである。
また、外貨流動性の不足といったリスクも想定される。これにつ
いては、主要国の中央銀行が結んでいる通貨スワップ網も整備され
ており、日本銀行としては、こうした枠組みを活用し、必要に応じ
て対応を行う。
政府・日銀は、世界経済の成長と、為替市場を含む金融市場の安
定に万全を期すため、他のG7諸国とも連携しつつ、対応していく。
英国のEU離脱問題に関する関係閣僚会議 総理挨拶(2016/6/24)
○ 英国にて示された国民投票により、英国のEU離脱という意志が示されました。伊勢志摩サミットにおいても、英国の離
脱は 世界経済の成長に対するリスクの一つであるという認識を各国首脳と共有したところであります。この投票結果が、
世界経済や金融・為替市場に与えるリスクについて懸念しており、金融市場の安定化に万全を期す必要があります。
○ 加えて、英国で事業活動を行う日本企業への影響を始め実体経済への影響もあり、これにもしっかり対応していく必要
があります。必要なことは、国際協調です。先般の伊勢志摩サミットでは、こうしたリスクに対して、『新たな危機に陥ること
を回避するため』、『適時に全ての政策対応を行う』ことを、既にG7首脳間で合意しています。我が国としては、G7議長
国として、この合意した方向に沿って、世界経済の成長と、為替市場を含む金融市場の安定に万全を期してまいります。
○ このため、麻生大臣には、日本銀行とも協力しつつ、他のG7諸国と緊密に協議し、経済・金融面で必要な対応をとっ
ていただきたい。石原大臣には、関係閣僚と協力しつつ、内外のマクロ経済動向の分析・把握に努め、経済運営に遺漏
のないようにしっかりと取り組んでいただきたい。国内中小企業等を含め実体経済の影響分析と対応については、経済
産業大臣にしっかりと対応していただきたいと思います。また、英国やEUとの国際関係については、外務大臣において
万全を期してもらいたいと思います。
G7財務大臣・中央銀行総裁の声明(2016 年 6 月 24 日)
我々G7 財務大臣・中央銀行総裁は、本日英国国民によって示された EU を離脱
するとの意思を尊重する。我々は、英国の EU 残留・離脱を問う国民投票の結
果を受けた市場動向を注視している。
我々は、英国の経済と金融セクターが強靭であるとの我々の評価を確認し、ま
た英国当局が国民投票結果の影響に対処する万全の態勢にあると確信してい
る。
我々は、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対
して悪影響を与え得ることを再認識する。
G7 の中央銀行は、市場に十分な流動性があることを担保し、市場の動きを支
えるための措置をとった。我々はこの目的のため確立された流動性供給のため
の手段を用いる用意がある。
我々は、引き続き市場の動向と金融の安定を緊密に協議し、適切に協力する。
我々は、引き続き一致して、英国を含む G7 としての連帯を維持する。
【アタッシェ情報】英国の EU 残留・離脱を問う国民投票の結果について
2016 年 6 月 24 日
在英大財務班
6 月 23 日、英国の EU 残留・離脱を問う国民投票が実施されたところ、その開
票結果及びそれを受けた反応について概要以下のとおり:
1.開票結果
〔日
時〕2016 年 6 月 23 日(木)午前 7 時~午後 10 時
〔有 権 者〕18 歳以上の英国在住の英国人、アイルランド人、英連邦市民等
(登録有権者数:46,500,001 人)
〔投 票 率〕72.2%
〔結
果〕有効投票総数 33,577,342 票のうち、離脱が 17,410,742 票(51.9%)、
残留が 16,141,241 票となり、英国は EU を離脱すると投票した。
(参考)地域毎の投票分布(選管・BBC ホームページより作成)
離
イングランド
脱
残
留
15,188,406(53.4%) 13,266,996(46.6%)
投票率
73.0%
北アイルランド
349,442(44.2%)
440,437(55.8%)
62.9%
スコットランド
1,018,322(38.0%)
1,661,191(62.0%)
67.2%
854,572(52.5%)
772,347(47.5%)
71.7%
17,410,742(51.9%) 16,141,241(48.1%)
72.2%
ウェールズ
英国全体
(注)黄色は残留派が多数を占める地域、青色は離脱派が多数を占める地域
1
〔ポイント〕
●
離脱派が,126万票余の差をつけて勝利。
●
残留派は,スコットランド・北アイルランド・ロンドンにおいて,勝利し
たものの,いずれの地域においても,投票率が,全国平均を下回り,得票数
を伸ばせなかった。
●
離脱派は,イングランド(ロンドンを除く8地域)・ウェールズにおいて,
勝利したが,有権者数が最多のイングランドにおいて,192万票余の差を
つけたことが,大きな要因。
●
投票率は,72.2%であり,1997年以降に行われた5回の総選挙・
2011年の国民投票の中では最高値。
2.開票結果を受けた反応
(1)デヴィッド・キャメロン首相の緊急記者会見概要(午前 8:18~8:25)
EU 国民投票における敗北(離脱派勝利)を踏まえ、辞任を表明。取り急ぎの会
見概要以下のとおり。
・英国人の決断はなされた。人々の投票に感謝する。離脱派の熱意を持ったキ
ャンペーンに祝意を表する。
・表明された人々の意思は、果たされなければならない。今回の投票結果に疑
いはない。
・今回の国民投票は、世界が注目している。市場、投資家に対し、英国経済は、
根本的に強いと言いたい。
・英国に居住するEU圏出身者の人々に、ただちに影響はないことを約束する。
・今後、EUとの交渉は、国を挙げて行われる必要がある。
・英国の首相を6年やってきたことを誇りに思う。我々は、70年来初の連立
政権として経済を活性化し、財政を立て直してきた。人々の声を聞く、スコ
ットランド独立住民投票も行った。
・EU国民投票に関しては、残留に向けてキャンペーンに直接、熱意をもって
当たってきた。悔いはない。
・その上で、英国人は明確な決断をした。英国は、新たなリーダーシップを求
めている。
・今後、私は、数ヶ月は首相として勤めるが、10月の保守党大会までに新た
なリーダーを選出する必要があると考える。
・いずれにせよ、政治の安定性が重要である。
・EUとの交渉は、新首相の下で始めるべき。
・来週欧州理事会に出向き、英国と私の決断を説明する。
・今後の英国のために、私を含め、敗北した側もしっかりと協力しなければな
2
らない。
・決断はされた。EU 離脱に向けて、最高の道を選ばなければならない。
・私は、この国を愛している。
(2)マーク・カーニーイングランド銀行総裁ステートメントの概要(要約)
・市場経済のボラティリティが予測される。中銀は、国民投票を巡り、直近の
金融安定に対する国内のリスクが最も深刻であると判断してきた。このリス
クを防ぐため、英中銀は集中的な緊急事態対応を講じる。まずは、我々の金
融システムの中核が十分な資本を備え、流動的で強固であることを確保する。
スターリング・ポンド及び外貨での英中銀の流動性ファシリティによってこ
の強靱性は担保される。
・過去7年間で、英中銀は英国の金融システムを強靱なものとしてきた。英国
の最大手の銀行は、今や金融危機時の10倍の自己資本を求められており、
また、英中銀は、現在直面しているより厳しいシナリオの下でストレステス
トを行ってきた。その結果として、英国の銀行は 1,300 億ポンド以上の自己
資本を積み上げ、6,000 億ポンド以上の高品質流動性資産を有している。こ
の相当な自己資本と流動性は、銀行に対して、英国のビジネスや家計に貸し
出しを続ける柔軟性を与えている。更に、バックストップとして、英中銀は、
2,500 億ポンド以上の追加的至近を供給する用意がある。
・英中銀は、引き続き国内及び国際社会の関係機関と相談・協力し、英国の金
融システムがいかなる圧力をも吸収し、実経済を支えられるよう確保する。
・英中銀ができる一番の貢献は、財政金融面の安定性を維持する責任を厳格に
追求し続けることである。今後、我々の責任を果たすために必要なあらゆる
追加措置を執ることをいとわない。
(原文)http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/news/2016/056.aspx
(以
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上)