エルゴノミクスの原理が生み出す快適性 エルゴノミクスの原理が守られれば、快適性は自然に得られることができます。ロジクール のキーボードには、以下のような様々なエルゴノミクス特性が採用されています。 • 波(Wave)形キーフレーム • 一定のカーブ(ハの字型) • ゼロ・ディグリー・ティルト • 両手ナビゲーション • 薄型 • • • • • • 用語の定義 エルゴノミクスとは、人間とその環境(人間が使うツールを含む)との間 の相互作用に関する研究です。 快適性は、設計のプロセスにおいて極めて重要な要素です。快適性を大切 にする企業は、人の体のユニークな形に自然にフィットする製品を設計 し、生産します。 使いやすさとは、その製品を使用することにより、有効性、効率性、満足 度などの具体的な目標をどれだけ達成できるかということです。 エルゴノミクスは、科学です。 使いやすさとは、研究対象であると同時に成果でもあります。 快適性とは、目指すべき成果です。 画期的なコンフォート ウェーブ デザイン 波形キーフレーム 指の長さはそれぞれ異なります。例えば、人差し指 は小指よりも長いのが一般的です。このような手の 形の根本的な原理に対応するため、ロジクールのコ ンフォート ウェーブ デザイン独自の滑らかな波形 形状は、様々な長さの指を優しくサポートする特長 を備えています。 この波形形状は、従来の平らなキーフレームのレイアウト(各列のキーの高さが同じ)と違 って、一つ一つのキーを、綿密に調整された独自の高さに設定しているため、最大限の快適 性を保証できます。キーフレームの左(Esc、Tab、Caps Lock、Shift、Ctrl)、右 (Backspace、Enter、Shift、Ctrl)、および中央(5、6、7、t、y、u、g、h、j、v、b、 n)の部分は、周囲のキーよりも数ミリ(最大 4mm)高く設定されているため、指を優し く包み込む、起伏のある波形形状になっています。 図 1:波形キーフレーム。注:キーの高さは異なりますが、キーストロークは同じです。 特定のキーに向けて指を伸ばさなくてもよくなるため――例えば、コンフォート ウェーブ デザインでは、通常小指で押すキーは、中指で押すキーよりも高い位置に設定されています ――、平らなキーボードと比べると、どのキーを押す場合でも、指先にかかる圧力(指の静 的荷重)が少なくて済みます。 キーボードの精確な形状――起伏のある波形形状――と、キーの最高位置と最低位置の間の 最適な高さの差を決定するために、ロジクールは、徹底的な調査を行い、膨大な数の試作品 を作りました。(詳しくは「The Making of the Wave Keyboard」(ウェーブ キーボー ドの製作過程)をご覧ください。) 一定のカーブ ウェーブ キーボードには一定のカ ーブがあり、キー列が滑らかな曲線 を描いています。これによって、不 快感を生む一因となる手首の尺屈 (手首の外側へのねじれ)の問題を 直接解決します。真っすぐなレイア ウトのキーボードでは、タイプする 際に両手を互いに若干離して不自然 な位置に置かなければなりません。 しかし、ウェーブ キーボードでは、 図 2:レイアウトはカーブしていますがキーのサイズは同じなの 一定の U 形のカーブ(最大角度は で、信頼性が高い快適なタイピングが楽しめます。 5°)による微妙な曲線が、自然な 安定した位置で両手を支えます。そ の結果、キーボードを左右 2 つの部分に分けなくても高度な快適性が得られるので、タイ ピングを勉強し直す必要がありません。 同じサイズのキー ロジクールのこれらのキーボードには一定のカーブがありますが、各キー間の距離はすべて 同じで、すべての英数キーの幅も同じ(あるキーの中心から隣のキーの中心までの距離は業 界標準の 19.05mm)です。これは、快適性を売りにしている他のキーボードと異なりま す。競合他社製のキーボードでは、中央の下の 2 列にあるキー(b、n、g、h)の幅が、隣 のキーの幅よりもかなり広い場合があります。ロジクールが行ったフォーカスグループ調査 によると、このようなキー配列は混乱を招くため、こうしたキーボードを使いたいと思う人 は少ないことが分かりました。ロジクールの新しいウェーブ デザインのキー配列はなじみ 深いものですので、広く皆様にお勧めいたします。 快適なパームレスト ほとんどの人は、タイピングの合間に、机の上やキーボードのパームレストの上に無意識に 手を載せます。ロジクールのコンフォート ウェーブ デザインと一体化しているパッド付き のパームレストは、スタイリッ シュな外観に加えて、サポート と高度な快適性を提供します。 このパームレストは、さらなる 利便性と省スペース化を実現す るだけでなく、中央部の凸状構 造により、手と前腕の間の関節 伸展と前腕の内転を最小限にと どめ、タイピングの合間に手を 置くことができるので便利です。 図 3:クッション付きの滑らかなパームレストが両手を快適に支え ます。 Caps Lock および Num Lock キーのくぼみ タイピング中に偶然 Caps Lock キーを押してしまった経験は、誰にでもあるでしょう。こ れは煩わしいだけでなく、貴重な時間が無駄になります。この問題を緩和するために、ロジ クールは、コンフォート ウェーブ デザインで、キーの手前端部に特別なくぼみを施して、 キーが偶然押されにくくなるようにしました。Num Lock キーでも同様の工夫がなされて います。 図 4:くぼみ付きの Caps Lock および Num Lock キー 大きなスペースバーとバックスペースキー スペースバーは最も頻繁に使われるキーですので、ロジクールのウェーブ キーボードのス ペースバーは、従来のものよりも 2 倍以上の大きさになっています。バックスペースキー も 2mm 大きくなえっているため、他の英数キーから近くなりました。 キーボードの快適機能に関するイノベーションの長い実績 ゼロ・ディグリー・ティルト 2001 年に導入されたロジクールのゼロ・ディグリー・ティルトは、タイピン中の手首を ニュートラルな位置に保つことで、快適性を向上させます。 過去 10 年間の多くの研究により、平らなキーボードの方が快適であることが分かってきま した。その主な理由は、シンプルな形状にあります。従来のキーボードでは、奥側のキー列 の方が手前側のキー列よりも高く設定されていたため、タイプする際には手や指を上に向け なければなりませんでした。ゼロ・ディグリー・ティルト(傾きが 0°)のキーボードは、 このような関節伸展を大幅に緩和するので、手と前腕の不快感や筋骨格系障害のリスクを低 減できます。 キーボードの高さは低め エルゴノミクスの観点からすれば、キーボードの高さも重要な要素の一つです。高さが低け れば、上肢への負担を大幅に和らげることができます。ロジクールは、この分野で絶え間な いイノベーションを続けてきました。 傾き 「B」(シフ トキー)列と 「E」(数字 キー)列の間 の角度 高さ テーブルから F および J キ ー(「C」 列)の上端ま での距離 平均的・ 標準的な キーボー ド 0° ロジクール diNovo™ Media Desktop® Laser 0° 0° 18.6 mm 12.6 mm 35 mm ロジクール Cordless Desktop® S 510 0° ロジクール Cordless Desktop® MX™ 3000 Laser 0° 28.8 mm 22.5 mm ロジクール Cordless Desktop Wave™ 両手ナビゲーション ロジクールの diNovo Edge キーボードなどで採用されてい る両手ナビゲーション機能により、仕事やメディア関連のタ スクをこれまで以上に素早く、簡単かつ精確に、さらに楽し く行えるようになりました。片手だけが疲れるようなことは ありません。両手ナビゲーションは、スクロールホイール、 Page Up および Page Down ボタン、画像ズーム、開いて いるウィンドウを切り替えるコントロールボタンなどのキー ボードツールを使って行います。キーボードツールは左手で 操作し、これまでマウスで制御していたタスクを実行できま す。右手はマウスを動かします。両手の役割分担が明確なの で、快適な操作が楽しめます。 ロジクール diNovo Edge キーボ ード 洗練されたタイピング感 タイピング感は、快適性について考える際に不可欠な要素です。キーの表面に指先がどのよ うにフィットするか、さらにキーを押した時の音の大きさなど、様々な要因が組み合わさっ ています。 最適なキーストローク キーストロークの長さによる問題は、特にノートパソコンの場合に顕著です。ノートパソコ ンは、なるべく薄くする必要があるため、ノートパソコンのキーは、デスクトップパソコン のキーほど高くありません。ノートパソコンによるタイピングが不便に感じられる大きな原 因の一つとして、ノートパソコンのキーストロークが、デスクトップパソコンの標準である 3.6mm~4mm よりも短いことが挙げられます。また、逆にキーストロークが長いフルサ イズのキーボードでは、指がキーボードに沈み込むかのように感じられます。 ロジクールの Cordless Desktop Wave を設計したエンジニアたちは、例えばウェーブ形 状、一定のカーブ、キー表面の傾斜などのために、キーストロークの長さを調整する必要が あるかどうかを調べました。さらに、各キーの高さがそれぞれ異なるため、キーごとにキー ストロークの長さを検討しました。ロジクールは、実際にキーボードの立体的な試作品を使 って、すべてのキーでキーストロークを 3.6mm で統一すれば、最大限の快適性が得られる ことを突き止めました。この調査結果は、既存の基準とぴったり一致しています。 押下力を低減 前述の通り、高さが低くなれば、エルゴノミクス上のメリットは得られますが、キーストロ ークの長さも変わってきます。ロジクールのすべてのキーボードは、その高さや形状にかか わらず、なるべく最適な力/変位曲線と合致するように設計されています。 ロジクールの Cordless Desktop Wave は、設計をさらに進化させて、指先とキーがギリ ギリで触れない位置で保てるようにしました。過去の調査によれば、指先とキーの間の距離 が大きくなると、キーを操作する力を増やす必要はないのにもかかわらず、通常よりも最大 で 2.5 倍の力が使われることが分かっています。キーと指先が近ければ、キーストローク の長さと押下力が低減され、身体への負担が軽くなり、タイピングの精度が向上します。 さらに直感的な 5 パック ロジクールは、Insert キーを含む従来の 6 パックの代わりに、さらにスマ ートで直感的な 5 パックを採用しています。Home および End キーは水 平に、Page Up および Page Down キーは垂直に、それぞれ論理的な並 び方で配列されています。残りの Delete キーは従来の 2 倍のサイズにな っているため、タイピングの精度を向上し、時間を節約することができま す。6 番目のキー、つまり Insert キーは、これまでよりも適切な、ファン クションキーの列に移りました。これにより、偶然間違ったキーを押して しまう可能性が下げられます。 マウスの位置を変更 過去の研究によれば、マウス の位置がタイピングエリアに 近くなると、快適性が向上す ることが分かっています。ロ ジクールの新デザインは 5 パ ック設計を採用しているため、 キー1 個分の幅だけマウスを キーボードに近づけて操作す ることができます。また、例 えば Logitech® diNovo™ 図 5:Logitech diNovo Media Desktop Laser キーボード(日本未発売) Media Desktop™ Laser キ ーボード(日本未発売)は、 キーボード本体からテンキー部分を分離することで、このコンセプトをさらに一歩進めてい ます。これによってマウスとキーボードの間の距離が一層縮まるため、腕の変位を和らげる ことができます。 改良された「A」列 コンフォート ウェーブ デザインの A 列のキー構成はほとんどのキーボードと同じですが、 左の Ctrl キーが大きめで、重複する右のスタートキーが取り除かれています。Ctrl、スター ト、Alt、スペースバー、アプリケーションキーが、これまで以上に見つけやすく、使いや すくなっています。ショートカットキーを使う人の数は増えているので、大きめの Ctrl キ ーは役に立つでしょう。 Fn キーの位置を変更 ロジクールの新しいキーボードの多く(Wave キーボード、Alto ノートパソコンスタンド、 diNovo Edge を含む)では、Fn キーがスペースバーの右側に配置されています。Fn キー をこの位置に移したのは、このキーを頻繁に使用するノートパソコンユーザーが増えている ためです。 真の快適性を提供 エルゴノミクスの最高の原理に基づいて設計された製品を使うことには大きなメリットがあ ります。すなわち、長期間使用すればするほど、快適性の低い製品を使った場合と比べて身 体にかかる負担を減らすことができるのです。 さらに詳しく ロジクールの新しいキーボードプラットフォームは、今日のパソコンユーザーに最適な、独 自性と快適性を備えたエクスペリエンスを創造します。以下の URL より、快適性とパソコ ンの周辺機器に関する詳細な説明をご覧いただけます。 http://www.logicool.co.jp/comfort 参考文献 Cook, C.J., and K. Kothiyal. “Influence of mouse position on muscular activity in the neck, shoulder, and arm in computer users.” Applied Ergonomics 29 (1998): 439-443. “Ergonomic Efficiency Testing Two-Handed vs. One-Handed CAD Working Styles,” Ergonomic Technologies Corporation. 2003 Hagberg M, et al. “Self-reported reduced productivity due to musculoskeletal symptoms: associations with workplace and individual factors among whitecollar computer users.” Journal of Occupational Rehabilitation 12 (2002): 151-162. Karlqvist, L. K., et al. “Computer mouse position as a determinant of posture, muscular load and perceived exertion.” Scandinavia Journal of Work Environ Health 24 (1998): 62-73. Marcus, M., et al. “A prospective study of computer users: II. Postural risk factors for musculoskeletal symptoms and disorders.” American Journal of Ind Med 41 (2002): 236- 249 Office Ergonomics Research Committee, http://www.oerc.org/. Rempel, D., et al. “The effect of six keyboard designs on wrist and forearm postures,” Applied Ergonomics 38 (2007): 293 ・ 298. Salvendy, G., ed. Handbook of Human Factors and Ergonomics, 3rd. ed. New Jersey: Wiley, 2006. 本書に含まれている情報はすべて「現状のまま」提供されており、いかなる保証も行われま せん。どのようなキーボードを使用しても、ユーザーの手、手首、腕、首、肩や腰などに深 刻な障害を及ぼす可能性は否定できないと考えている専門家もいます。以下の URL にある 当社の Comfort Guidelines(快適性ガイドライン)には、コンピュータのワークスペース のセッティングに関するエルゴノミクス上の重要な情報が記載されています。 http://www.logicool.co.jp/comfort
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