平成26年度 事業計画書

平成 26 年度
事業計画書
平成 26 年 4 月 1 日から
平成 27 年 3 月 31 日まで
公益社団法人 国際人材革新機構
目次
(平成 26 年度事業計画書)
はじめに
I.
開発途上国の人材育成事業
1 開発途上国からの外国人技能実習生受け入れ
II. 企業の経営支援及び海外進出支援
1 経営支援及び海外進出支援
III. 社会における雇用創出支援事業
1 外国人人材の就労支援
2 海外留学・海外ボランティア支援
IV. 管理部門
1 会員
2 助成制度の活用
3 管理体制
はじめに
(環境認識)
政府による大型補正予算案や日本銀行のインフレ目標(2.0%)など、デフレ脱却と景気
回復に向けた経済政策、復興需要の継続や補正予算にともなう公共投資の効果によって、
期待感が先行する状況ではあるが緩やかな回復が見込まれている。また、2020 年の東京五
輪開催に向けた投資も日本経済の回復を後押しすると予測されている。また、東京五輪の
開催は、国民の目を今以上に世界に向けることとなり、国際的な産業競争力の向上や国と
国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材の育成が
急務となっている。
一方、日本の労働人口は年々減り続けており、2050 年には現在の 6,600 万人から 4,200
万人に減少すると予測されており、現在の 3 分の 2 なる。労働人口の減少は労働力不足と
なり、日本の経済にとってもマイナスとなるであろう。このような経済環境の変化が起こ
るとともに、グローバル化により、外国人を受け入れる企業、海外の市場を狙い海外への
進出を考えている中小企業が増えてきている。今までほとんどを国内市場向けにサービス
を行ってきたIT企業等では、日本国内での技術者の不足により、外国人技術者の雇用を
積極的に行い始めている。緩やかではあるが景気回復の見込みがこのような状況を更に後
押しすると思われる。
このような環境にあって、当該法人は「開発途上国の人材育成事業」「企業の経営支援及
び海外進出支援事業」「社会における雇用創出支援事業」を柱に掲げ、平成23年11月に
設立し、平成24年10月に内閣府により公益法人として認定された。公益認定に時間を
要したため、当機構の3事業の1つである「開発途上国の人材育成事業」における外国人
技能実習生の受け入れを平成24年度後半から計画していたが、平成25年4月度からの
外国人技能実習生の受け入れを予定している。「企業の経営支援及び海外進出支援事業」に
おいては、平成25年度に契約した1社に対して、その企業の経営改善・成長のために支
援する。「社会における雇用創出支援事業」においては、平成24年度にフィリピンの小学
校への大学生のボランティア留学を実施した。平成25年度に大学とタイアップが決定し、
平成26年8月に大学の授業の一環として実施する。さらに、この実績をもとに、様々な
大学へのアプローチを実施する。
また、平成26年度の新たな試みとして、助成制度を活用した国際社会への貢献ならび
に企業の発展に取り組む。
平成26年度もすべての事業に関して、セミナーへの登壇や非営利型法人に関するイベ
ントへの積極的な関与を通して幅広く世間一般に告知し、事業の基礎作りを図り、もって
広く公益に寄与することを目的とする。
(基本方針)
以上の状況を踏まえ、本年度は次の4点を軸に事業計画を策定した。
(1) 外国人技能実習生の受け入れを本格的に開始する。また、柔軟かつ迅速な対応が行え
るようにその基盤作りを実施する。
(2) 中小企業を主な顧客として、経営支援や海外進出のための支援を実施する。平成 24 年
度に契約した企業、並びに実施したセミナーに参加いただいた企業を中心に支援を実
施する。
(3) 外国人技術者の就労支援、日本人の海外留学・ボランティア支援を通して、企業のグ
ローバル化に寄与する。
(4) 寄付文化の醸成に向けての広報活動と執行体制の整備を実施する。
(5) 助成制度を積極的に活用し、国際社会への貢献ならびに企業の発展に寄与する。
事業ごとの主な点を掲げると、次の通りである。
1 開発途上国の人材育成事業
①
外国人技能実習生の受け入れ体制を確立する。
②
受け入れ事業を迅速に軌道に載せる。
③
受け入れ事業を実施しながら、基盤整備を実施する。
2 企業の経営支援及び海外進出支援事業
①
平成24年度に契約した企業を中心に海外進出のための支援を実施する。
②
セミナーでの実績を広報しながら、新たな顧客を発掘する。
3 社会における雇用創出支援事業
①
外国人技術者の日本国内への無料職業紹介、また日本で円滑に就労を行えるよう
講習等で技術者並びに受け入れ企業を支援する。
②
学生を始めとする日本人の海外留学・海外ボランティア活動への参加を促進し、
語学等の能力開発や海外ボランティア活動での経験を積むことでグローバル競争
力を有する人材育成を行う。
I. 開発途上国の人材育成事業
1 開発途上国からの外国人技能実習生受け入れ
(1) 趣旨
開発途上国の人材育成事業(以下「本事業」という。)は、国際労働機関(IL
O)の提唱するディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)実現の
ため、日本における外国人技能実習生としての開発途上国の労働者に対し、日本
において民間企業等の協力を得て技能実習を実施し、職業能力を高めることによ
って、帰国後、自国の職場における、ディーセント・ワークの確立への環境を醸
成すること、併せて日本の企業等が本事業に参加することにより、日本国内での
ディーセント・ワーク活動の周知・充実を図ろうとするものであり、広く公益に
資するものである。
ディーセント・ワークとは、人々が働きながら生活している間に抱く願望、
①
働く機会があり、持続可能な生計に足る収入が得られること
②
労働三権などの働く上での権利が確保され、職場で発言が行いやすく、
それが認められること
③
家庭生活と職業生活が両立でき、安全な職場環境や雇用保険、医療・年
金制度などのセーフティーネットが確保され、自己の鍛錬もできること
④
公正な扱い、男女平等な扱いを受けること
といった願望が集大成されたものである。
(2) 対象
① 外国人技能実習生を対象とする。
② 開発途上国の工業化ならびに経済自立に必要な技能を移転するために、その育
成が必要な者であって、日本での修得技能と帰国後の能力発揮により、自身の職
業生活の向上や産業・企業の発展に貢献でき、母国において、修得した能力やノ
ウハウにより、品質管理、労働慣行、コスト意識等、事業活動の改善や生産向上
に貢献できる者とする。
③ 外国人技能実習生を受け入れる本邦の企業等はディーセント・ワーク活動を理
解し、支援する企業とする。
(3) 実施方法
実施主体は、関係団体等の協力を得て、本事業を実施するものとする。
①
実施主体
本機構が技能実習生を受け入れ、協力企業等(技能実習実施機関)で
技能実習を実施する。
② 受け入れ人員
技能実習生の受け入れ人員は、入国管理法上の範囲内において決定す
るものとする。
②
内容
講習による知識の習得活動(集合講習)、協力企業等との雇用契約に基
づいて実施する技能等の習得活動(技能実習)を行うものとする。
③ 協力企業等
本事業の協力企業等は本事業の趣旨に賛同して本機構の会員となる企
業又は団体であって、職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を実施
し、若しくは、これと同等以上の職業訓練を実施しうるものとする。
④ 事業の実施等
1.
本事業は、本機構が受け入れ団体となって実施するものとする。
2.
集合講習については、本機構が関係機関と協議の上、適正と認めた
施設において実施するものとする。
3.
技能実習については、本機構が協力企業等において技能実習が適正
に実施されているか確認し指示するものとする。
4.
本機構は、毎年度「DW国際技能実習コース実施要領」を策定し、
これに基づき業務を実施するものとする。
5.
本機構は、帰国した技能実習修了生に対する技能実習効果の調査及
び巡回指導を実施するものとする。
(4) 経費
①
本事業に要する経費は、技能実習事業費、技能実習指導費等として、協
力企業等が本事業に対する協力費として納入する負担金によるものとす
る。
②
本事業の実施に必要な経費の負担区分、その他必要な事項は、別途定め
ることにする。
(5) 平成26年度計画
①
受入企業:継続4社、新規9社。受入れ外国人技能実習生:継続11名、
新規72名を予定している。
②
人的強化など基盤整備を実施しながら、事業を軌道に乗せる。
II. 企業の経営支援及び海外進出支援事業
1 経営支援及び海外進出支援
(1) 趣旨
企業の経営支援及び海外進出支援事業(以下「本事業」という。)は、企業支援
のインフラとして、経営者・企業の抱える様々な課題、また企業の海外への進出
に対して本機構職員、所属専門家等が有機的に連携し、経営全般の課題解決及び
企業の海外活動が円滑に進められるように支援を行う。それらにより日本国内企
業の活性化を促し、もって、日本の経済活動を促進することで広く公益的に寄与
することを目的とする。
(2) 対象
日本国内における中小企業を主な対象とする。海外の進出の対象国に関しては、
開発途上国を中心とし、現地市場開拓ができうる経済成長がある国であって、そ
の時点で持っている企業の資源、ノウハウを十分に活用できる国を対象とする。
(3) 実施方法
実施主体は、関係団体等の協力を得て、本事業を実施するものとする。
①
実施主体
本機構及び本機構に所属する専門家とする。
②
実施予定企業数
経営支援企業、海外進出支援企業を合わせて2社とする。
③
内容
企業の経営全般に関する支援、企業の海外進出活動に関する支援(法
務、税務、労務・人材育成等)を行うものとする。
④
協力企業等
日本国内及び海外の NGO・NPO 団体、政府関係機関、関係企業・団
体等とする。
⑤
事業の実施等
1.
企業の経営支援については、企業の経営全般に関する相談、企業の
活動状態の調査・分析、課題提案、課題解決手段の提示、課題解決
後のフォロー等を行う。
2.
企業の海外進出支援については海外進出に関する相談、現地市場の
調査・分析、現地視察の企画・運営、出張サポート、現地拠点の設
立の仲介、現地人材募集から採用・育成のサポート等を行う。
(4) 経費
①
本事業に要する経費は、経営相談、経営診断、経営指導、経営顧問、経
営事務支援を実施費として、企業等が本事業に対して納入する負担金に
よるものとする。
②
本事業の実施に必要な経費の負担区分、その他必要な事項は、別途定め
ることとする。
(5) 平成26年度計画
①
平成25年度に契約した1社の経営支援の継続と新規1社を予定してい
る。
②
その2社の顧客満足を獲得するとともに、新たな顧客を発掘する。
③
フィリピン、サウジアラビアなど企業の依頼による現地視察を実施する。
また、視察が可能な国を開拓する。
④
海外情勢・海外進出に関するセミナー等を企業向けに開催する。
Ⅲ.社会における雇用創出支援事業
1 外国人人材の就労支援
(1) 趣旨
外国人人材の就労支援は、グローバル化が進行する中で、日本の経済活力と潜
在成長力を高めるために必要とされる多彩な価値観、経験、ノウハウ、技術を持
った外国人人材を民間企業等が継続的に採用・活用できるようにすることを目的
とする。外国人人材が日本で円滑に就労できるよう動機付けと教育等の支援を行
う。併せて日本の企業等が本事業に参加することにより外国人人材の受け入れを
継続的に行えるよう支援し広く公益に寄与する。
(2) 対象
日本において民間企業等で必要とされる技術要件を満たす技術・技能を有する
者もしくは習得が可能な者であって、自身の職業生活の向上や産業・企業の発展
に貢献できる者を対象とする。
民間企業等での職種においては、研究者やエンジニア等の専門職、海外進出を
担当する営業職、法務・会計等の専門職、経営に関わる役員や管理職を担うべき
者等を対象とする。
在留資格においては、
「研究(企業内の研究者)」、
「技術(機械工学等の技術者、
システムエンジニア等のエンジニア)」、「人文知識・国際業務(企画、営業、経理
などの事務職、企業内通訳、デザイナー等)」、
「特定活動(外交官等の家事使用人,
アマチュアスポーツ選手及びその家族,インターンシップ,特定研究活動,特定
情報処理活動,大学卒業後の留学生の就職活動等)」等の者を対象とする。
一方、外国人人材を受け入れ、本事業を理解し支援する本邦の民間企業等を対
象とする。
(3) 実施方法
実施主体は、関係団体等の協力を得て、本事業を実施するものとする。
①
実施主体
本機構とする。
②
就労予定者数
未定。
③
内容
採用のための会社説明会、就職セミナーやジョブフェアの開催、イン
ターネットのホームページや就職情報サイト等を通じて外国人人材を募
集・選考し無料職業紹介を行う。加えて円滑に就労ができるための講習
を行う。就労後は本邦での就労に慣れない外国人労働者の為にフォロ
ー・アップを行う。
④
協力企業等
本事業の協力企業等は本事業の主旨に賛同し本機構の会員となる企業
又は団体である。
⑤
事業の実施等
1.
本事業は、本機構が無料職業紹介によって実施するものとする。
2.
講習については、本機構が関係機関と協議の上、適正と認めた施設
において実施するものとする。
(4) 経費
①
本事業に要する経費は、フォロー・アップ実施費等として、協力企業等
が本事業に対する協力費として納入する負担金によるものとする。
②
本事業の実施に必要な経費の負担区分、その他必要な事項は、別途定め
ることとする。
(5) 平成26年度計画
①
外国人技術者の受け入れ企業の発掘を中心に実施する。
2 海外留学・海外ボランティア支援
(1) 趣旨
日本人の海外留学・海外ボランティア支援は、日本人の海外留学、海外ボラン
テイア活動や海外インターンシップを通じた語学の習得、異国文化・生活習慣の
認識・理解、グローバル感覚の醸成等を支援し、国際的競争力を有する人材を育
成し広く公益に寄与する。
(2) 対象
海外留学・ボランティア活動において必要とされる語学力、グローバル感覚の
認識・理解、異国文化・生活の体験をすることが可能な学生及び社会人を主な対
象とする。
(3) 実施方法
実施主体は、関係団体等の協力を得て、本事業を実施するものとする。
①
実施主体
本機構とする。
②
海外留学・海外ボランティア活動予定者数
日本人の留学・ボランティア活動者24名とする。
③
内容
海外留学や海外ボランティア活動に関する説明会、セミナーの開催、
インターネットのホームページや情報サイト等を通じて海外留学・海外
ボランティア活動の希望者を募集する。個別に能力や要望について確
認・相談した後に海外教育機関や民間企業等とのマッチングをしたうえ
で海外留学・海外ボランテイア支援を行う。
④
協力企業等
本事業の協力企業等は本事業の主旨に賛同する教育機関や民間企業等
である。
⑤
事業の実施等
1.
本事業は、本機構が募集、選考、受け入れ機関への紹介、フォロー・
アップ等を実施するものとする。
2.
海外留学・海外ボランティア活動については、本機構が応募者及び
現地の教育機関や民間企業等と協議の上、適正と認めた施設におい
て実施するものとする。
(4) 経費
①
本事業に要する経費は、現地受け入れにかかる費用及びフォロー・アッ
プ実施費等として、留学者及びボランティア活動者あるいは社員を送り
出す民間企業等が本事業に対する協力費として納入する負担金によるも
のとする。
②
本事業の実施に必要な経費の負担区分、その他必要な事項は、別途定め
ることとする。
(5) 平成26年度計画
①
大学とのタイアップによるボランティア留学:8名を予定している。時
期は8月に行う予定である。
②
タイアップできる大学を発掘する。
III.管理部門
1 会員
平成26年度は、会員獲得の方策として、セミナーへの登壇や非営利型法人に関するイ
ベントへの積極的な関与を通して、本機構の事業趣旨に賛同いただく企業並びに個人への
広報活動を中心に実施する。会員を獲得することにより、事業基盤の安定を図っていく。
2 助成制度の活用
平成26年度は、事業基盤の安定化の施策として、助成制度の活用を試みる。助成制度
の活用を通して、国際社会への貢献並びに企業の発展に寄与する。
3 管理体制
平成26年度は、定款に沿った業務遂行により内部充実を図ることを目標とし、執行体
制の強化、内部規定の整備等に努めていく。事業の進展により、新たな人員の必要が生じ
た際は、迅速に増員の検討を図り、柔軟に対応する。