【池田泉州キャピタルセミナー】 医療分野における産業推進について ~創薬、再生医療、医療機器~ 平成25年4月25日 経済産業省 製造産業局 生物化学産業課 下田裕和 1.再生医療 2.バイオ医薬品 3.医療機器 1 再生医療の実用化推進 2 1.再生医療への期待 ○ 再生医療は、手術・投薬など従来の手法では治療困難とされる疾患の根本治療に路を開くもの。 ○ 将来的には、慢性疾患や高齢化に伴う疾患等の治癒により、拡大の一途をたどる社会保障費の抑制にも貢献する可能性。 幹細胞は、各組織に応じた細胞に分化可能 組織に応じた細胞に分化 幹細胞 肝臓 膵臓 ・・・ 骨格筋 心筋 血液 ・・・ 神経 皮膚 ・・・ 将来、研究が進むにつれ、再生医療により多様な治療が可能に <脊髄損傷治療の例> 骨髄損傷による障害等は、現在 治療不可能 幹細胞で損傷した中枢神 経を再生 身体機能の回復 ① 他に治療法のない疾患の治療が可能になり、 患者の生活の質が向上 ② 家族など介護する側の負担・費用軽減に寄与 ☆ 糖尿病や腎臓疾患などのように膨大な数の患者が存在し、かつ、生涯に亘って治 療が必要となっている状況を改善することができれば、社会的メリットは極めて大。 幹細胞の種類 3 2.再生医療製品の国内外における実用化の動向 ○ 我が国の再生医療は、iPS細胞等の研究レベルでは世界のトップレベルにあるものの、再生医療製品の 実用化件数が欧米や韓国と比べ著しく少ない。 ○ 将来治療対象となる患者数が多いと見込まれる神経や心臓疾患等についての再生医療製品の開発に おいても大きく後れをとっている。 【各国における再生医療製品の上市製品数及び治験中の製品数(2012年12月時点)】 欧州(20品目) 治験中(42品目) 韓国(14品目)治験中(31品目) Bioseed-S(自家培養表皮細胞) Chondrotransplant(自家培養軟骨) Cellactive(自家培養軟骨) ChondroCelect(自家培養軟骨) Hyalograft (自家培養軟骨) 等 Holoderm(自家培養表皮) Articell(自家培養軟骨) Ossron(自家骨) 等 日本(2品目) 治験中(4品目※) 将来的な治験候補となる臨床研究は、65件 JACE(自家培養表皮)、JACC(自家培養軟骨) ※日本における治験中4品目の内訳 ・自家骨格筋筋芽細胞シート テルモ 心不全 ・他家間葉系幹細胞 日本ケミカルリサーチ GVHD予防 ・自家培養軟骨 先端医療振興財団 軟骨欠損 ・自家培養表皮 ジャパンティッシュエンジニアリング 表皮水疱症 再生医療製品の各国の開発状況(2012年12月時点) 米国(9品目)治験中(88品目) Epicel(自家培養皮膚) Dermagraft(同種培養真皮) OrCel(同種人工皮膚) Carticel(自家培養軟骨) 等 出展:(株)シード・プランニングによる調査 その他(6品目) 治験中 (23品目) Chondrotransplant(自家培養軟骨) CARTOGEN(自家培養軟骨) 等 再生医療製品の上市状況、開発動向の集計の考え方 ①本集計は、上市/治験の実施国でカウント。 ②上市製品とは、各国/地域の薬事承認を通過し製造販売承認を得た、細胞加工を伴う医薬品・医療機器を 示す。細胞加工を伴わない同種/異種移植片や、細胞バンク(臍帯血・造血幹細胞等)は含まない。また、以 下については上市製品としてカウントする。 ・米国におけるHumanitarian Device Exemption (HDE) programによる承認製品。 ・欧州における、中央審査方式以前に各国にて承認された製品。 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 【適応される疾患例】 神経:パーキンソン病 心臓:虚血性心疾患、心不全 血管:慢性閉塞性動脈硬化症 膵臓:I型糖尿病 等 実用化 治験中 実用化 治験中 実用化 治験中 実用化 治験中 実用化 治験中 米国 軟骨・皮膚・骨 欧州 日本 血管・心臓・神経・膵臓・眼 韓国 その他 がん免疫 その他 4 3.再生医療の課題 (法制度のミスマッチ) ○ 再生医療は、優れて個々の患者の性質・病状に依存してその効果が発揮されるもの。 (現在実施されている再生医療は、患者自身の細胞を用いている。) ○ しかしながら、現状では不特定多数の患者への投与を前提とする現行薬事法が厳格に適用されており、我が国にお ける再生医療実用化が進まない原因になっている。 薬事法の厳格な適用による問題点 <薬事法による要請事項> <憂慮すべき事例> 入手困難な データの要求 ○ 有効性を統計的に確認するため薬と同レベルの 比較試験 が要求される。 過剰な安全・ 衛生水準の要求 ○ 細胞の培養に当たり、半導体製造装置に匹 敵するクリーンルームの整備を求められる一 方、同一施設で複数患者の細胞培養は禁 止。 → 高額な製造設備の整備が求められた上 で、一人分の培養しか認められないため、治 療コストが極めて高額になる。 技術進歩への 対応が困難 ○ 培養設備の配置や操作手順など、作業工程 全般に亘って詳細に手続きが固定されるた め、最新の機器を導入することが困難。 → 機能の向上した機器を導入するにも改めて 膨大な時間とコストを要する審査が必要となる ため、最新の器機の導入が進まない。 → 重症心不全のような重篤患者を多数確保 し、治療を施した場合と施さない場合の比較 データを要求され、倫理的に問題。 5 4.再生医療の実用化に向けた各国の取り組み ○ 米欧韓ではファストトラック制度や条件付き承認制度など、先端医療医薬品として位置づけた上での審査の迅速化 等、再生医療の実用化を促進する取り組みが行われている。 再生医療製品に関する日本と海外の制度比較 国 再生医療製品の規制区分 再生医療製品に対する優先審査(ファストトラック)/条件付き承認制度 等 米国 生物製剤又は医療機器 ○ 再生医療製品を含む生物製剤に関して、生命への危険度が高い疾患の治療薬等に対する優先審査(ファス トトラック)制度を適用。 欧州 (EU) (先端医療医薬品として規制) 韓国 日本 医薬品 医薬品 (生物学的製剤等として規制) ○ 先端医療医薬品について、EU各国の審査を経ずに、初めから欧州医薬品審査庁(EMA)で中央審査を行い、 迅速にEU内に流通させる中央審査制度を導入。 ○ 生物学的製剤等に関する迅速審査制度。 ○ 再生医療製品を対象とした市販後臨床試験実施条件付き品目許可制度。 医薬品又は医療機器 な し 治験申請から治験終了、製造販売承認に要した期間の日韓比較 フォローアップ 日本 治験申請* 培養表皮 (JTEC) 2000.12 培養表皮 (Tego Science) 2004.10 2007.10 (製造販売承認後 臨床試験を実施) 承認まで 約7年 *治験前の確認申請 治験申請 韓国 製造販売承認 治験終了 2001.3 製造販売承認* (条件付き承認) (販売) 2002.12 治験終了 2007.12 承認まで 1年9ヶ月 * 市販後臨床試験実施条件付き品目許可 参考:倉田健児、Youn-Hee CHOI,再生医療の普及のあり方 -日韓間の規制枠組みの比較を通して- ,(独)経済産業研究所,2010 6 5. 再生医療の実用化・産業化に関する研究会 ○ 我が国が強みを有する再生医療の実用化及び産業化を促進するとともに、これを支える各種関連技術分 野の充実を図るための制度及び支援の在り方について検討を行うため、経済産業省において「再生医療の 実用化・産業化に関する研究会」を設置。第1回研究会を平成24年7月13日に開催し、再生医療を巡る現 状確認及び問題点を抽出。平成25年2月22日に最終取りまとめ。 再生医療の実用化・産業化に関する研究会 委員名簿 ●主な論点 ・ 再生医療の特徴(低分子薬との違い) ・ 求められる安全性の要件 ・ 現行制度上の問題点 ・ 海外における再生医療の法的取り扱い ・ 再生医療の実用化促進に向けた制度の あり方 ●スケジュール 平成24年 7月13日 9月21日 11月 5日 平成25年 2月22日 ◎ 岡野 光夫 梅澤 明弘 小澤 洋介 木村 佳司 澤 芳樹 昌子久仁子 高戸 毅 高橋 政代 戸田 雄三 早川 堯夫 矢崎雄一郎 東京女子医科大学教授 独立行政法人国立成育医療研究センター再生医療センター長 ㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング 代表取締役社長 ㈱メディネット代表取締役社長 大阪大学大学院教授 テルモ㈱ 取締役上席執行役員 東京大学医学部口腔外科学講座教授 独立行政法人理化学研究所網膜再生医療研究チームリーダー 富士フイルム㈱取締役常務執行役員 近畿大学薬学総合研究所長 テラ㈱代表取締役社長 (五十音順 敬称略)(◎は座長) 第1回研究会 第2回研究会(再生医療に係る制度に関する論点整理) 第3回研究会(再生医療に係る制度に関する論点整理)(中間とりまとめ) 第4回研究会(最終取りまとめ) 7 6.再生医療の位置づけ (既存の治療行為・制度との相関性) 個別性 汎用性 分離抽出 単純移植 加工 分離抽出 培養 培養 安全性等考慮 すべき事項 免疫適合性問題なし? 造腫瘍性問題なし? 加工 低分子化合物 単純移植 他人の組織・細胞 バイオ医薬品 利用する素材の性格 自己の組織・細胞 免疫適合性問題あり 造腫瘍性問題あり 免疫原性問題なし? 造腫瘍性問題なし? 造腫瘍性問題あり (目的物や不純物に由来する)免疫原性問題あり 再生医療 投 薬 血 細胞 ES,iPS 幹細胞 輸 骨髄移植 細胞 iPS 臓器移植 自己由来 免疫細胞療法 美容外科 自己幹細胞 (脂肪幹細胞等、軟骨細胞、 間葉系幹細胞、線維芽細胞、等) 再建治療 治療形態 8 7.再生医療の実用化促進のために必要な対応 細胞の培養・加工の「委託」を可能にする法的整備 【新法の創設による対応】 医師法・医療法 薬事法 外部委託 培養・加工 培養施設・ 設備 培養施設・ 設備 移植 培養・加工 培養・加工 培養施設・ 設備 患者 ① 採取/購入 試験・検査 試験・検査 運搬 試験・検査 「 早期承認制度」 の導入 【 薬事法の改正による対応】 組織・細胞 の採取 運搬 細胞 運搬 再生医療製品 再生医療の特性を踏まえた安全性等の基準の整備 【新法・改正薬事法の省令による対応】 9 8.再生医療の実用化・産業化に向けた規制改革の方向性 医師法・医療法(医師の治療行為) 薬事法(再生医療製品として提供) ・臨床研究や自由診療として実施される再生医療(例:ガン免疫療法、美容整形) 医療機関A ・既存の治療法が無いor既存の治療法より高い効果が実証されたものが対象 → 保険収載のメリットがある 長期の審査・承認手続き 医療機関B 自家 細胞 現在、他家細胞を用いた再生医療は 技術的な課題等により行われていない。 自家 細胞 他家細胞 新法による対応 医療機関 製造販売業者 自家細胞 早期承認制度 医療機関 医療機関B 自家 細胞 自家細胞 迅速な審査 医療機関B 医療機関 自家 細胞 製造販売業者 自家細胞 特に治療効果の高い 再生医療については、 蓄積されたデータ等を 薬事法の審査に活用 他家細胞 将来的な姿 他家細胞 薬事法改正 による対応 少数の患者による有 効性の確認で市販を 可能とする早期承認 制度の実現 細胞加工機関 自家 細胞 審査期間の大幅な短縮 製造販売業者 医療機関から外部 機関へ培養加工 の委託の実現 医療機関A ・ 不特定多数の 患者への投与を 前提とする現行 薬事法を厳格に 適用 他家細胞 当面の方向性 医療機関A 細胞加工機関 (外部委託) ・ 細胞加工の医療 機関外への委託 は不可 ・ 医療機関ごとに 細胞加工施設を設 置し医師自らが培 養する必要があ り、極めて非効率 PMDA / 厚労省 他家細胞 現 状 製造販売業者 自家 細胞 承認済再生医療製品(2品目のみ) ・重度熱傷用培養皮膚 (商品名:JACE) ・重度軟骨欠損用培養軟骨 (商品名:JACC) 10 9.再生医療の制度的展開 (実現すべき規制改革と政策テーマ) 候補案件 治 験 ○ 研究活動の効率化を実現するた めの培養等の委託の実現。 ○ 早期承認制度の実現。 ○ 再生医療の特性を踏まえた安全 性等に係る審査基準の整備。 ○ 再生医療の特性を踏まえた安全 性等に係る審査基準の整備。 ※ 新法の整備 政策テーマ 医療サービス 高度な治療行為として の再生医療を合理的な コストで提供 細胞培養等に係る 受託事業の確立 規制改革テーマ 臨床研究 ※ 薬事法の改正 再生医療製品 良質な再生医療製品 を迅速に供給 再生医療を支える周辺産業の充実・発展 11 10.再生医療関連法案の検討状況(各法案の関係) 医師法・医療法 対象分野 自由診療 美容外科 薬事法 臨床研究 免疫細胞療法 治験 治療行為としての再生医療 再生医療製品 「再生医療推進法」 <議員立法> 現在検討中の法案 ・ ・ ・ ・ 各主体の責務 安全性等の基準の整備 細胞培養等の円滑かつ効率的な実施(外部委託の実現) 早期承認の実現 等 ※ 平成25年通常国会提出に向けて再準備。 「新法」による対応 「薬事法改正」 <厚労省医政局> <厚労省医薬食品局> ・ リスクに応じた安全担保の仕組み(承認、届出制の導入) ・ 細胞培養の外部委託の実現 等 ※ 「再生医療の安全性確保と推進に関する専門委員会」で検討中。 「新法」で対応し、通常国会への提出を目指す。 ・ 再生医療製品を定義 ・ 早期承認制度の実現 ・ 市販後の安全対策 等 ※ 通常国会への提出予定。 12 11.関連産業とバリューチェーンのイメージ 再生医療は、様々な関連産業が支えており、我が国が強みと するものづくり技術を活かすことが期待される。 消耗品類 (細胞培養のための試薬等) 採 再生医療 自家移植 取 他家移植 ①培地 (細胞の培養環境) 再生医療製品・サービス における先進企業 ②試薬等 (足場材料、細胞増殖因子等) 搬 送 ③培養容器 テルモ、セルシード ジャパン・ティッシュ・ エンジニアリング (細胞培養時に用いる容器) (心筋細胞シート) (角膜、表皮、軟骨) サポーティング・ インダストリー 輸送サービス 心筋細胞シート 日本網膜研究所 培養表皮 ①設計、施工 送 ○培養した細胞・ 組織の輸送 遺伝子導入 細胞加工施設(セルプロセッシングセンタ-) (無菌性を担保した専用設備) 搬 (iPS細胞由来 網膜細胞シート) 細胞評価機器 (調製・加工した細胞の品質検査) メディネット、テラ (がん免疫) 組織形成 網膜細胞シート ②保守、メンテナンス 培 (細胞表面情報等を分析) ②画像解析装置 養 医薬品評価システム・装置 (医薬候補の安全性評価) ①フローサイトメーター (画像解析による品質評価) 細胞培養機器 (細胞の調製、加工に利用) ①インキュベータ iPS細胞 心筋細胞 心筋細胞を配置した 医薬品評価システム (医薬品を心筋細胞に作用させ、反応を測定) 創薬応用 (細胞培養時の温度保持) ②自動培養装置 (細胞を自動培養) 出典:BioJapan2011 FIRM資料一部変更 13 12.国内外の再生医療の将来市場規模予測 ○ 再生医療の市場規模は、2050年には国内市場2.5兆円、世界市場38兆円となり、今後我が国にとって 非常に大きな経済効果が期待される。 再生医療の将来市場規模予測(国内) 再生医療の将来市場規模予測(世界) 2012年 2020年 2030年 2050年 2012年 2020年 2030年 2050年 90億円 950億円 1.0兆円 2.5兆円 1000億円 1.0兆円 12兆円 38兆円 (億円) 25,000 2050年 2.5兆円 その他 (毛髪再生等) (兆円) 40 2050年 38兆円 がん免疫 20,000 30 血液 15,000 2030年 1.0兆円 その他 (新興国等) 膵臓(糖尿病等) 20 肝臓 10,000 5,000 腎臓 2020年 950億円 日本 血管 歯槽骨 神経 2020年 1.0兆円 10 欧州 心臓 眼 0 2012年 2030年 12兆円 2020年 2030年 2040年 軟骨 皮膚 2050年 <国内市場規模の算出方法> 「再生医療の市場規模」=「患者数※1」×「患者1人当たりにかかる費用※2」 ※1「患者数」=「国内の潜在患者数」×「再生医療の適用率」 ※2「患者1人当たりにかかる費用」 =「再生医療製品・加工品の単価」+「再生医療に係る医療費(手技料等)」 米国 0 2012 年 2020 年 2030 年 2040 年 2050 年 <世界市場規模の算出方法> 「各国の市場規模」=「現在の当該国の再生医療市場※1」×「再生医療の普及度※2」 ※1「患者数」×「患者1人当たりにかかる費用」(国内市場の算出と同様) ※2 人口、所得(物価)、開発品目・既存市場、研究開発予算等から推定 14 13.国内外の再生医療の周辺産業の将来市場規模予測 ○ 再生医療に関連する装置類や消耗品類、サービス類等の周辺産業の将来市場規模は、2050年には、 国内市場1.3兆円、世界市場15兆円となり、今後の成長が期待される。 再生医療周辺産業の将来市場規模予測(国内) 2012年 170億円 2020年 950億円 15000 2030年 5500億円 2050年 1.3兆円 サービス 14 消耗品類 12 2020年 1.1兆円 2030年 5.2兆円 2050年 15兆円 その他 (新興国等) 10 日本 ) ) 2030年 5.2兆円 兆 8 円 欧州 6 5000 2020年 950億円 2012年 170億円 0 2020年 1.1兆円 4 2 米国 2012年 2400億円 0 2012年 <周辺産業市場規模の算出方法> ・「市場規模」=「装置類の市場規模」 + 「消耗品類の市場規模」+「サービスの市場規模」 2050年 15兆円 ( ( 装置類 2030年 5500億円 億 円 2012年 2400億円 16 2050年 1.3兆円 10000 再生医療周辺産業の将来市場規模予測(世界) 2020年 2030年 2040年 2050年 15 14.再生医療の製造・加工に係るコストと削減効果 ○ 再生医療に係る事業を継続的に実施するためには、製品・加工品の安全性等を確保しつつ、細胞加工工程 のコスト削減が必要。 ○ 特に、安全性等の要求事項に係る要件が合理的な範囲で設定されることで、コスト削減、ひいては患者負 担の削減に向けた具体的な取り組みが可能に。 再生医療の製造販売承認 (薬事法) ○ 治験関係費用 (1,230百万円/7年間 → 約6割削減の可能性 → 538百万円/2年間) ○ 再生医療製品の製造販売費用 → 約2割削減の可能性 (年間症例数 500例の場合: (年間症例数 1,000例の場合: 1製品当たり 360万円 → 290万円) 1製品当たり 230万円 → 180万円) (出所)経済産業省による試算 ○ 治験の短縮化、早期承認制度の実現、一部変更承認手続きの負担軽減と製造工程の柔軟 な変更・効率化、市販後調査の負担軽減等が費用に大きく影響。 再生医療の細胞加工機関 (新法) ○ 1品あたり加工費用 150万円~200万円 (年間500症例の場合) (協力)FIRST岡野(光)PJ ○ 自動培養装置等の活用により、受託数が増え安定的な事業が実施されれば、細胞加工品 が更に合理的な価格で提供できる可能性が拡大。 16 15.再生医療の関連事業者 培養事業 FIRM 会員 企業 ・ ジャパン・ティッシュエンジニアリング (自家軟骨・表皮細胞) ・テラ (がん免疫細胞) ・メディネット (がん免疫細胞) ・ロンザジャパン (非臨床用細胞培養受託) ・セルシード (自家角膜上皮) ・テルモ (自家骨格筋芽細胞を用い た心筋シート) (平成25年2月現在) 培地、試薬 <培地> ・タカラバイオ <試薬等> ・住友ベークライト (神経細胞培養液) ・オリンパス (bFGF, BMP(細胞増殖因子)) ・ニッピ (コラーゲン、低エンドトキシン ゼラチン) ・和光純薬工業 (サイトカイン(細胞増殖因 子)) <培地> ・リプロセル(培地) ・DSファーマ(細胞株、培地) ・味の素(培地) その 他 企業 ・セルバンク (自家繊維芽細胞) <試薬等> ・関東化学 (ヒドリゲル(細胞足場)) <培養容器等(シャーレ、フラスコ等)> ・旭硝子(IWAKI) 培養装置、検査機器 <細胞自動培養装置> ・川崎重工業 (細胞自動ロボットシステム) ・セルシード (細胞シートの自動培養装置) ・メディネット (がん免疫療法用の自動培養装置) ・旭化成 (がん免疫療法用の自動培養装置) ・日立製作所 (細胞シートの自動培養装置) ・丸菱バイオエンジ(自動培養装置) <インキュベータ(細胞培養時の温度保持)> ・パナソニックヘルスケア (CO2インキュベータ、超低温フリーザ) <細胞自動培養装置> ・カネカ(閉鎖型自動培養装置) ・ツーセル (間葉系幹細胞の自動培養装置) ・澁谷工業など (細胞シートの自動培養装置) ・ニプロ (iPS細胞用の自動培養装置) ・パーパス(加圧循環培養装置) その他 <製薬・創薬> ・武田薬品、アステラス、大 塚製薬、協和発酵キリン、 日本製薬など <CPC、インフラ> ・日立プラントテクノロジー、 川崎重工業など <保険> ・東京海上日動火災保険、 三井住友海上火災保険 <医療材料> ・富士フィルム、大日本印刷、 旭化成、ニッピなど <液体窒素凍結保存容器> ・大陽日酸 <遺伝子発現解析> ・DNAチップ研究所 <細胞画像解析装置> ・ニコン(細胞自動観察装置) <フローサイトメータ(細胞評価機器)> ・ソニー、古河電工、オンチップ・バイオテク ノロジーズなど 17 16.再生医療に係る制度の見直しと実用化促進事業の実施 ○ 世界に遅れを取りつつある再生医療の実用化を促進するため、我が国の規制・制度のミスマッチの解消と同時 に、財政面における実用化支援を行う。 ○我が国の再生医療製品のシーズを製品化させるべ く、規制当局の円滑な審査環境及びそれに対応した 開発環境を整備する。 →具体的には、個々の再生医療製品に特有となる安 全性、有効性に関する試験項目を明確にし、必要な 評価手法を開発することによって後続の再生医療製 品の実用化基盤を整備。 関係省庁が連携し、再生医療に係る規制・ 制度の検討、財政 支援を行うことにより、 効果的に再生医療の実用化を推進 再生医療の実用化支援 周辺産業の育成支援 ○再生医療分野、創薬分野の両面で活用が期待される自動 培養装置の実用化を加速し、我が国で開発された装置 等を利用した研究開発を推進。 →具体的には、現在再生医療や創薬候補のスクリーニング を行っている大学や研究機関において、開発中の自動培 養装置を実際に利用・評価を行うことにより、大学や研究 機関のニーズに合致した装置の開発を加速する。 18 17.再生医療分野に係る各省連携 文科省、厚労省、経産省の連携体制による再生医療の実現化ハイウェイ構想等 ○ 再生医療の迅速な実現に向けて、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省が連携して、基礎から臨床段階まで切れ目なく 一貫した支援を行うとともに、再生医療関連産業のための基盤整備を行う。 RM 再生医療の実現化 ハイウェイ ◆基礎研究から臨床研究への迅速かつシームレスな移行を可能とする仕組みの構築 ◆文科省、厚労省が協働して評価を実施し、結果が芳しくないものは非臨床研究段階から支援を打ち切り ◆PMDAの薬事戦略相談の積極的な活用 新規産業 再生医療の 実現の高速化 の創出 ・再生医療のいち早い実現を目指して強力に 研究を推進 ⇒「再生医療の実現化ハイウェイ」 【重点課題】 ⇒「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」 疾患・組織別実用化研究拠点 関係省庁が有機的に連携し、 再生医療の実現に向けた取組 を一体的に推進 厚生労働省 厚生労働省 文部科学省 ◆課題の採択は、 文科省、厚労省が 協働して実施・ 基礎研究 非臨床試験 ・再生医療の臨床研究の効率的な実施 ・再生医療の臨床研究の効率的な実施 のための基盤整備 のための基盤整備 ・造腫瘍性等に対する安全性確保 ・造腫瘍性等に対する安全性確保 ・臨床研究に対する研究費支援 ・臨床研究に対する研究費支援 ・実用化促進に向けた評価法開発支援や ・開発評価するためのガイドライン整備 市販後フォローアップの仕組み構築 ・市販後の患者登録システム構築 ・再生医療製品の特性を踏まえた規制構築 ・再生医療製品の特性を踏まえた規制構築 臨床研究 治験 文部科学省 ・安全なiPS細胞の提供 ・幹細胞操作技術の開発・共有 ・基礎研究の推進 ⇒「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」 iPS細胞研究中核拠点 ⇒理研「発生・再生科学総合研究事業」 三省協働で推進 ◆病態解明や毒性評 価等、創薬の基盤技 術開発・事業化 経済産業省 <再生医療の実現化を支える産業基盤を構築> ・幹細胞の培養、品質評価、凍結保存まで連続的に行う装置の開発 ・培養、品質評価技術に関する国際標準化の推進 ・再生医療製品の評価手法の確立支援 iPS細胞 創薬貢献への道筋 文部科学省 再生医療の 実現化 疾患特異的iPS・ヒトiPS細胞を用いた研究 厚生労働省 ・iPS細胞等を用いた創薬等研究の支援 ⇒「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」 (厚生労働省「厚生労働科学研究費補助金 (難治性疾患克服研究事業)」と共同実施) 等 ⇒疾患特異的iPS細胞の収集・保存・提供(理研) 創薬への活用 新規産業の創出 経済産業省 <幹細胞による創薬支援の実現化を支える産業基盤を構築> ・創薬プロセスにおける安全性評価に活用可能な創薬スクリーニングシステムの開発 19 バイオ医薬品の実用化推進 20 1.医療分野における現状と今後の方向性 ○ 医薬品の分野では、世界的に低分子化合物からバイオ医薬へ大きくシフトしつつある。 ○ iPS細胞等の幹細胞を用いた「再生医療」により、医療の概念が大きく変わる可能性も期待される。 病 気 治療方法と特徴 ・がん ・心筋症 ・肝硬変 等 ・標的が定まっているため副作用が 少ないが、製造工程が特殊なため 費用が高い。 ・ドナーが僅少。 ・免疫抑制剤の継続 的な服用が必要。 再生医療 例:ハーセプチン(抗体・乳癌) 医療機器 ・脊髄損傷 ・パーキンソン病 等 ・低分子化合物の探索はピークを越え、 新たな発見は困難に。 ・既存薬の特許期間が相次いで終了。 例:アスピリン(消炎鎮痛剤) 臓器移植 難病 バイオ医薬品 重篤疾患 医薬品 ・生活習慣病 ・インフルエンザ ・アレルギー 等 化学薬品 通常疾患 ・ターゲットが特定できないため 副作用が大きい。 今後の方向性 ・ 人の細胞を使って失 われた組織・臓器な どを再生。 ・ これまで長期療養が 必要とされた疾患に も完治の可能性。 例:人工関節 治療方法なし 例:心筋細胞シート (株式会社セルシード) 21 2.医薬品市場の現状 ○ 医薬品産業は、本来日本が強みを持つべき分野であるが、現状は大幅な輸入超過 (約2.2兆円)。 ○ 国民の半数が「がん」になる時代であるにもかかわらず、国内で「がん」の新薬が殆ど生まれず、国内がん治療薬市場は、 2000年を境に輸入品が急速に増加している。 【日本の医薬品の輸出入高の推移】 【がん治療薬の国内売上高(国産/輸入品)】 (億円) (億円) 5,000 1,270 1,252 1,326 1,440 1,626 1,628 1,445 1,384 0 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 ‐5,000 輸出金額 12,979 14,191 15,648 17,084 ‐10,000 輸入金額 18,594 21,265 23,166 11,709 ‐15,000 25,313 輸入超過額 12,940 14,322 15,644 ‐20,000 16,968 国産 19,637 21,721 ‐25,000 23,929 ‐30,000 (年) 出典)厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報 出典)厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報 22 3.バイオ医薬品(第2世代)の輸入拡大 ・がん治療薬として近年普及している第2世代バイオ医薬品(赤字)は、上位をすべて海外に抑えられている状況。 ・この状況は10年前に我が国が第2世代バイオ医薬品開発に投資しなかった結果。 次世代医薬品では巻き返しが必要。 世界の医薬品売上上位20位 No 青色 は第1世代バイオ医薬品、黄色 は第2世代バイオ医薬品(抗体) 2000年実績 2005年実績 2010年実績 1 ロゼック/オメプラール(抗潰瘍剤) リピトール(高脂血症) リピトール(高脂血症) 2 ゾコール(リポバス)(高脂血症) プラビックス(抗血小板薬) プラビックス(抗血小板薬) 3 リピトール(高脂血症) エポジェン/エスポー/プロクリット(腎性貧血) レミケード(リウマチ他) 4 ノルバスク(降圧剤) ノルバスク(降圧剤) アドエア/セレタイド(抗喘息薬) 5 メバロチン/プラバコール(高脂血症) アドエア/セレタイド(抗喘息薬) リツキサン(非ホジキンリンパ腫) 6 クラリチン(抗アレルギー剤) ネキシウム(抗潰瘍剤) エンブレル(リウマチ他) 7 タケプロン(抗潰瘍剤) タケプロン(抗潰瘍剤) ディオバン/ニシス(降圧剤) 8 プロクリット(エスポー)(腎性貧血治療剤) ゾコール(リポバス) アバスチン(転移性結腸がん) 9 セレブレックス(抗炎症剤) ジプレキサ(統合失調症薬) クレストール(高脂血症) 10 プロザック(抗うつ剤) リツキサン(非ホジキンリンパ腫) ヒュムラ(リウマチ他) 11 セロクサット/パキシル(抗うつ剤) ディオバン/ニシス(降圧剤) ハーセプチン(乳がん) 12 ジプレキサ(精神分裂症薬) リスパダール(統合失調症薬) セロクエル(統合失調症) 13 バイオックス(抗炎症剤) パントゾール/プロトニックス(抗潰瘍剤/PPI) シングレア/キプレス(抗喘息薬) 14 ゾロフト(抗うつ剤) エンブレル(リウマチ/乾癬) ジプレキサ(統合失調症薬) 15 グルコファージ(メルビン) (糖尿病薬) レミケード(リウマチ/クローン病他) ネキシウム(抗潰瘍剤) 16 エポジェン(エスポー) (腎性貧血治療剤) メバロチン/プラバコール(高脂血症/スタチン) アクトス(2型糖尿病) 17 プレマリン(ホルモン補充療法薬) エフェクソール/XR(抗うつ剤/SNRI) ランタス(糖尿病) 18 オーグメンチン(抗生物質) フォサマック(骨粗鬆症薬) エポジェン/エスポー/プロクリット(腎性貧血) 19 ガスター/ペプシッド(抗潰瘍剤) アラネスプ(腎性貧血) エビリファイ(統合失調症) 20 バソテック(レニベース) (降圧剤) ゾロフト/ジェイゾロフト(抗うつ剤/SSRI) グリベック(抗がん剤) 出典:大型医薬品世界売上ランキング(2000年、2005年、2010年) ユートブレーン社 23 4.創薬事業の課題 (企業のビジネスモデル) ○ 我が国の製薬メーカーは、バイオ医薬品開発に要する膨大なコスト負担への対応に苦慮。国内開発を中心とし た従来のビジネスモデルが行き詰まりつつある。 ○ ベンチャー企業においても、バイオベンチャーブームが一段落しつつある中、改めて出口戦略を念頭に置いた ビジネスモデルの構築が必要。 大手製薬メーカーの課題 創薬系バイオベンチャー企業の課題 ○ バイオ医薬品については、従来の低分子化合物医薬 品とは製造工程が異なるため、大規模な設備投資ととも に、人材の育成・確保が必要となるため、本分野への投 資には慎重なスタンス。 ○ 大学等での研究が基本となるため、有効性のデータが 強調される一方で、安全性に関する調査・研究が不十分。 ○ この結果、海外ベンチャー企業の買収を通じた創薬 シーズの確保と、海外の医薬品受託製造企業への委託 生産といったビジネスモデルが主流となり、国内におけ る創薬基盤が脆弱化する懸念が生じつつある。 (参考) バイオベンチャーの課題については、圧倒的に「資金」不足と 規制に伴う「ドラッグラグ」との声が大きいが、バイオベンチャー の黎明期における10年間の「失敗」の原因は、必ずしも資金や 規制といった外的要因によるものばかりではない。 ○ 創薬としての出口戦略を念頭に置いた研究開発及びビジ ネスモデルの検討が必要。 平成22年度産学連携人材育成事業から(要約) 【バイオベンチャーの設立企業数と廃業数】 設立企業数 解散・清算企業数 89 89 92 94 100 80 67 59 62 60 40 25 24 27 20 0 0 0 0 52 33 0 0 0 2 4 6 16 16 10 15 14 15 10 6 8 注)廃業とは通常の解散・清算企業のほか、吸収合併統合等に伴う解散等を含む 出典) (財)バイオインダストリー協会 2011年バイオベンチャー統計調査報告書 24 個別化医療に向けた次世代医薬品創出基盤技術開発 平成25年度予算案 37.0億円(新規) 事業イメージ 事業の内容 個別化医療に向けた次世代医薬品創出基盤の構築 事業の概要・目的 ○世界的に成長著しいバイオ医薬品分野は、我が国では海外 生産を中心とした輸入超過産業となっています。我が国は、 患者の利益に適う最先端医薬品の創出が期待される世界最 大の天然化合物ライブラリや、高度な製造技術を有していま すが、制度、技術の両面で対応が遅れているため、海外に 比べて新薬開発に多大なコスト、時間を要しています。健康 寿命世界一に向けた我が国での次世代医薬品創出のため には、個別化医療に対応した制度整備とともに、本事業に よって、ボトルネックとなっている技術的課題を解決します。 ○具体的には、次世代医薬品創出のため、産学官が一体と なり、以下の研究開発を実施します。 ①IT創薬技術(天然化合物の安定産生技術開発、ライブ ラリーの拡充、疾患原因タンパク質の分析、IT技術を活 用したスクリーニング) ②次世代抗体医薬等の安定生産技術(高度な製造設備によ り最先端医薬品創出を実現) 天然化合物 次世代抗体医薬 個別化医療に対応した 最先端医薬品の創出 核酸医薬 病気のメカニズム の解明 文科省 病気のターゲットに 作用する、分子 新薬候補の 最適化、工業化 治験 (人での試験) 前臨床試験 の探索 厚労省 個別化医療の実現化を支える創薬基盤を構築 制度の改善(薬 事審査の合理 化等) 探索プロセスの 合理化・確度の向上 複雑な医薬品の生産 最適が技術の向上 IT創薬技術 薬事規制に適合した次世代抗 体医薬等の製造技術 ・天然化合物を大量かつ安定的 に取得可能に。 ・疾患原因タンパク質を分析し、 シーズをスクリーニング 次世代抗体医薬 核酸医薬 高度な製造設備により最先端医 薬品を創出可能に ボトル ネック ボトル ネック 新薬創出の期待が高い天然化 合物(中分子化合物)は構造が 複雑なため、新薬候補の発見 に多大なコストが必要。また、 天然化合物を安定的に取得す る技術も必要。 我が国は優れた製造技術を有し ているが、新設備導入時の薬事 審査に多大なコスト、時間が必 要。 条件(対象者、対象行為、補助率等) 国 委託 補助(2/3又は1/2) 民間団体等 ◆制度、技術の面側面での課題解決により、従来の医薬品に代わる最先 端医薬品の創出を推進するとともに、医薬品開発・製薬コストの低減、ひ いては医療費の低減を図る。 (参考1)各世代のバイオ医薬品における製造技術の比較 バイオ医薬品発現 バイオ医薬品調製 品質評価 培養設備 精製担体(樹脂) タンパク質を解析する技術 培養槽(小型) →増殖が早く、生産能の高い微 生物が最適 →化学的な結合力により吸着する 素材。タンパク質医薬品以外の異 物を排除可能。 →タンパク質医薬品を構成する アミノ酸の構造を解析 →~500Lレベル。プロペラによる 攪拌。 大腸菌 タンパク質 医薬品 培養槽(小型) 精製担体(樹脂) 精製担体(タンパク質) 糖鎖を解析する技術 培養槽(大型) →抗体には糖鎖が必要なため、 微生物では作れない →抗体の糖鎖を認識し、吸着する 素材。抗体以外の異物を排除可 能。 →抗体に付加される糖鎖の構 造および不均一性を解析 →~2000Lレベル。プロペラによ る攪拌。 第二世代 動物細胞 148232 1600 or 動物細胞 抗体 この部分 を認識 精製担体 (タンパク質) Intensity, cps 148070 148392 800 148555 第三世代 →より複雑な抗体等を安定的に 生産するため、高度な遺伝子組 み換え技術が必要 新規精製担体 →次世代バイオ医薬品の構造を認 識し、吸着する素材 培養槽(大型) 147924 0 1.470e5 生産能が向上した新規動物 細胞 Intensity, cps 第一世代 大腸菌 1.480e5 Mass, Da 1.490e5 付加した化合物を解析す る技術 →第三世代の抗体に付加され た化合物の構造および不均 一性を解析 水流を活用した培養槽 →デリケートな生産物のダメージ を減少 新規動物細胞 構造を 認識 新規精製担体 ○ × 水流発生 26 医療機器の実用化推進 27 医療機器の分類 ○ 医療機器は、大きく分けて、①治療機器、②診断機器、③その他が存在。約30万種が存在。 ② 診断機器 ① 治療機器 カテーテル ③ その他 歯科材料 PET、PET-CTシステム 人工関節 歯科用ユニット 心臓ペースメーカ 内視鏡(ビデオスコープ) 家庭用 マッサージ器 注射器 人工心肺システム (ローラーポンプ、人工肺) MRI 超音波診断装置 コンタクトレンズ X線撮影フィルム、 体温計、 血圧計、 心電計 等 手術用手袋 28 日本の医療機器市場の動向 ○ 我が国の医療機器市場規模は、平成12年以降平成15年度までほぼ横這いで推移していたが、平成16年以降増加し、 2兆円超の市場規模で推移。平成23年は約2.4兆円となり過去最大の市場規模となった。 ○ 我が国の医療費は、平成22年度は37.4兆円で、医療機器市場はその6%強となっている。 億円 我が国の医療機器の市場規模と対前年伸び率の推移 25,000 15.0% 20,000 10.0% 15,000 5.0% 10,000 0.0% 5,000 -5.0% 0 H9年 H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 国内市場[億円] 19,373 20,286 19,573 19,443 19,558 19,666 19,622 20,596 21,105 22,587 21,314 22,239 21,760 23,154 23,860 4.7% -3.5% -0.7% 0.6% 0.6% -0.2% 5.0% 2.5% 7.0% -5.6% 4.3% -2.2% 6.4% 3.0% 対前年伸び率 3.8% 出典:厚生労働省 薬事工業生産動態統計 -10.0% 29 医療機器の市場構造 ○ 医療機器市場(約2.4兆円)のうち、金額ベースでは治療機器(カテーテル、ペースメーカー等)が53%、診断機器(内視 鏡、CT、MRI等)が26%を占める。一般的に治療機器の成長率が高く、市場規模も大きい。 国内医療機器市場規模:2兆3,860億円/平均成長率:1.8% 診断系医療機器 市場規模 :6,124億円(26%) 平均成長率:0.7% [億円] その他 市場規模 :5,173億円(22%) 平均成長率:1.5% 治療系医療機器 市場規模 :12,563億円(53%) 平均成長率:3.3% 7000 8.3 6000 5802 6.0 4.0 3.9 4.3 3.6 2.7 4000 2373‐0.3 2411 2.2 557 2095 1385 (32.7%) 150 衛生材料及び 衛生用品 注:国内市場規模=国内生産額+輸入額-輸出額 (21.1%) (25.1%) 歯科用機器 (76.5%) 家庭用医療機器 (71.9%) 歯科材料 眼科用品及び 関連製品 (64.9%) ‐4.0 1110 433 鋼製器具 (40.5%) 治療用又は 手術用機器 (59.1%) 処置用機器 (32.6%) 生体機能補助・ 代行機器 (6.8%) 2.0 ‐2.0 ‐2.2 403 318 施設用機器 (23.6%) (16.1%) 466 ‐6.1 画像診断用X線 関連装置及び用具 医用検体検査機器 (38.5%) 生体現象計測・ 監視システム 画像診断システム H23時点の 輸入品シェア 2.0 0.0 ‐1.0 1107 1000 4.0 2.8 0.7 2000 0 8.0 5250 5000 3000 [%] 10.0 市場規模 平均成長率[H14‐H23] ‐6.0 ‐8.0 (67.5%) 「平成23年薬事工業生産動態統計年報」をもとに作成 30 医療機器の競争力マップ(2004‐2008) ※数字は単位億円の市場規模、( )内は前期比 強 1.0 臨床化学 検査機器 312(0.91) 0.8 国際競争力指数 0.6 0.0 0.0 -0.4 -0.8 875(2.29) 医用 内視鏡 血液検 査機器 188(0.53) 家庭用 マッサージ ・治療浴用 機器及び装置 採血・輸血用、輸液用器具及 血液体外 び医薬品注入器 循環機器 954(1.24) 1,206(0.92) 0.2 -0.6 弱 医用X線 CT装置 619(1.36) 0.4 -0.2 488(1.01) 超音波画像 診断装置 551(0.65) X線撮影用品 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 137(0.43) 磁気共鳴 591(1.51) 腹膜潅流用 画像診断装置 結さつ(紮)・縫合 455(1.17) 機器及び 298(1.08) 用器械器具 関連器具 外科・整形外科 304(1.42) 用手術材料 手術用電気機器 生体物理 及び関連装置 コンタクト 現象検査用機器 レンズ 311(1.40) 1,350(1.41) チューブ及び 1,946(1.04) カテーテル 生体内 移植器具 2,697(1.32) -1.0 低 502(1.24) 注射器具 及び穿刺器具 0.6 0.7 547(1.01) 視力補正用 眼鏡レンズ 0.8 476(0.93) 232(1.05) 診療施設用 機械装置 0.9 1.0 診断用 X線装置 517(0.82) 260(1.21) 補聴器 理学療法用 器械器具 244(0.75) 生体機能 制御装置 510(1.17) 国内企業シェア 家庭用電気 ・光線治療器 170(0.74) 歯科用 金属 518(0.92) 高 出典:日本の医療機器市場の長期動向,医療機器産業研究所リサーチペーパーNo.2(2010)より、経済産業省作成 国際競争力指数=(輸出金額ー輸入金額)/(輸出金額+輸入金額) 31 世界の医療機器市場の動向 ○ 医療機器産業の世界市場規模は3,078億ドル(2012年)。 ○ 2012年の世界市場における各国のシェアは、米国が39%、欧州が28%、日本が10%。 ○ 医療機器の世界市場は更なる拡大が見込まれている。2017年は4,344億ドル。 約8%の成長率。 (億ドル) 医療機器世界市場の将来予測 5000 4,344 4500 602 4000 3500 その他 3,078 705 アジア (日本を除く) 3000 352 310 日本 2500 330 1149 欧州 2000 1500 1000 500 1,949 315 186 122 206 877 561 874 米国 1204 1578 0 2007 2012 2017 (資料)Espicom “Worldwide Medical Market Forecasts to 2017” 32 世界的成長下にある医療機器産業は、我が国では輸入超過で推移 ○ 我が国の医療機器市場は、貿易収支全体でみると輸入超過で推移。 ※日本の医療機器市場規模は、約2.4兆円(2011年) ○特に、人工呼吸器、人工血管、人工関節などの主要な治療機器は、輸入に大きく依存(輸入比率は80 ~100%)。 ○日本の優れたものづくり力が活かしきれていない。 <国内医療機器市場の貿易収支の推移> 輸出額(億円) 輸入額(億円) 赤字額(億円) 12,000 10,584億円 10,000 8,000 6,000 5,775億円 4,809億円 4,000 2,000 0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 出典:厚生労働省 薬事工業生産動態統計 33 海外医療機器メーカーの状況 ○ 世界の医療機器市場においては、欧米企業が圧倒的なシェアを占めている。 ○ 治療系機器では米国企業が、診断系機器では欧州企業が市場の上位を占めている。 ○ 国内企業では、オリンパス(16位)、テルモ(21位)となる。 (億ドル) 主な治療機器メーカーの医療部門での売上(2008年) 世界の医療機器市場における企業別シェア (2008年) 0 50 100 150 200 250 Fresenius(独) 主な診断機器メーカーの医療部門での売上(2008年) 6.3% 0 20 40 60 80 100 120 140 160 (億ドル) 180 200 Johnson & Johnson JJ(米) 10.3% Fresenius GE(米) 7.7% Medtronic Boston Scientific その他44.2% Siemens(独) 7.3% Covidien テルモ Medtronic(米) 6.0% Stryker(米) 3.0% Philips(蘭) 5.0% Boston Scientific(米) Smith & Covidien(米) 3.6% Nephew(英) 3.5% 3.1% (資料)"Medical Devise Companies Performance Table 2010“をもとに作成 GE Siemens Philips 東芝メディカル ※東芝メディカルは2006年 オリンパス 34 医療機器産業の振興に向けた課題 ○ 医療機器産業の競争力強化に向けた支援と環境整備 ~ 特に、企業の新規参入と医工連携の環境整備 ○医療機器開発・製品化を円滑にするための規制・制度面からの環 境整備 ○日本の医療サービスと機器・システムが一体となった海外展開の 推進(市場拡大) 35 課題解決型医療機器等開発事業 平成25年度予算案 30.5億円(昨年度25.0億円) 事業イメージ 事業の内容 事業の概要・目的 ○我が国の医療機器産業は、輸入超過で推移しており、日本が誇る中小企 業の「ものづくり技術」が活かしきれていない状況です。この主要因として は、①現在の薬事法では必ずしも医療機器の特性を踏まえた規制体系に なっていないため、開発途中に時間を要することが多い、②参入リスクが 高い (例:生命や健康に直接関わる分野であるため、製造物責任が重い と思われている等) 、③医療現場が有する課題・ニーズがものづくり現場に 行き届いていない、といった点が挙げられます。 ○このため、本事業では、厚労省及び文科省と連携し、 ①医療現場からのニーズが高く、課題解決に資する研究課題を選定し、 ②優れたものづくり技術(切削、精密加工、コーティング等)を有する中小企業 等と、それらの課題を有する医療機関や研究機関等とが連携した「医工連 携」による医療機器の開発・改良、について ③国内外の臨床評価、実用化までの一貫した取組、を行います。 【医療現場のニーズ・課題例】 ・身体的負担を最小限にする低侵襲機器 ・操作が簡便、小型のオンサイト型機器 ・日本人の体格や生活様式にあった インプラント 等 【解決の鍵となるものづくり技術例】 ・切削、精密加工技術 ・高精度金型技術 ・精密プレス加工技術 ・コーティング技術 等 連携 文部科学省 厚生労働省 学会・ 医療機関等 医療現場にお ける医療機器 に対する開発・ 改良ニーズの 提供 医療現場におけるニーズ・ 課題の洗い出し 選定(事業性の判断) 医療機器の開発・改良 臨床評価、治験 経済産業省 産業界・ 中小企業等 医療現場の実 ニーズに応え ることで、医療 機器の製品化 に係るリスクを 低減 早期の事業化及び国際展開 ○また、厚労省と連携し、本事業の開発成果の薬事承認を支援します。 ○これにより、中小企業のものづくり技術を活かした医療機器の実用化を加 速することにより、我が国における医療の質の向上と、ものづくり産業の新 たな事業分野の開拓を実現します。 国 委託 ○医療機器の特性を踏まえた薬事法の改正 ○医療機器の開発・審査の円滑化に資する開発ガイドライン及び評価 指標の策定 ○PL保険の活用によるPLリスク分散 ○開発成果の薬事承認支援 民間事業者等 等 リスク判定 条件(対象者、対象行為、補助率等) 事業環境整備に向けた取組 36 全国各地で医療機器への新規参入が加速 ○成長下にある医療機器分野では、全国各地で中小企業による新規参入が盛んに進展。 ○平成22年度補正事業では、全国各地での説明会に総勢1000人が参加し、303件の提案があり、このうち 36件を採択。23年度事業は181件の提案のうち12件を採択。24年度事業は146件の提案のうち28件を 採択。 ○治療、診断、検査、リハビリ分野、在宅医療、歯科分野等において、様々な医療現場における課題と、それを 解決するためのものづくり技術が存在。 中小企業のものづくり力を活かした医療機器の例 安全性の高い 人工呼吸器 内視鏡下手術用 の微細鉗子 ○(株)メトラン(埼玉県、資本金 9千万円、従業員数34名) ○ナカシマメディカル(株)(岡山県、資本 金5千万円、従業員数153名) ・高頻度振動(HFO)技術と、CO2濃度 センサ技術を活用し、 ・新生児にも適用可能な、安全性の 高い人工呼吸器を開発。 ・タンカー等のプロペラ製造技術(CAD、 鋳造、曲面加工、高精度の研磨)を 人工関節に応用し、 ・日本人の体格、生活様式にあった、 摩耗しにくい耐久性のある人工関節を開発。 テーラーメイド型 人工関節 ○ (株)スズキプレシオン(栃木県、 資本金3千万円、従業員数65名) ○ (株)パイオラックスメディカルデバイス(神奈川 県、資本金3億円、従業員数151名) ・半導体製造装置や自動車などの超微 細・精密部品の製造技術(切削加工技 術)を活かして、 ・患者の身体的負担を最小限にする単孔 式内視鏡下手術(一つの穴から行う手 術)に用いる微細鉗子(かんし)を開発。 ・自動車部品用のばね・スプリングの製造技術 (形状記憶合金などの弾性材料の精密加工・ 制御技術)を活かして、 ・個人の血管形状に適合しやすい、先端形状を 記憶できるカテーテルを開発。 ・また、生体模倣人工材料をコーティングし、長期間 留置を可能とする。 37 先端形状を記憶 できるカテーテル 医療機器開発のためのコンソーシアム構成のイメージ 医療機関 •ニーズの提供 •臨床エビデンスの構築 •開発機器の導入・普及 医薬品医療機器総合機構 (PMDA)、 米国食品医薬品局(FDA)、 第三者認証機関等 申請 認証 大学・研究所 製造販売(製販) 企業 •基盤研究 •技術シーズの提供 •有効性、安定性等の検証 •材料評価 •製品化・事業化 •知財のとりまとめ •薬事・市場化を見据えた他 機関への助言 医工連携支援機関 ・独自の支援 ・事業管理機関として自らもコン ソーシアムに参加し、全体をコー ディネートする場合も ものづくり 中小企業 •試作品の開発・作成 •技術・技能の提供 •部品の供給 •生産プロセスの確立 承認 販売 卸企業、代理店 顧客(国内、海 外) 38 課題解決型事業の経験から見た医工連携を通じた医療機器開発の成功のポイント • 臨床現場の「課題」と「解決法」が適切に設定されていること – – – • 製造・販売を担う企業のイニシアティブが発揮されていること – – – • 薬事も事業化も企業の責任で行われる 大学は見識・中立性・指導力で圧倒的だが、企業イニシアティブ重視が肝要 事例:製造販売企業が自社経営計画に事業を位置付けて牽引 /等 薬事戦略(特にクラス分類)が適切に設定されていること – – • 課 題 → 限られた医師グループでなく広範な医師のニーズであること 解決法 → 開発機器の機能・構造・費用がニーズに即していること 事例:医師が体制に入り、かつ、学会等で「課題」と「解決策」を洗練/等 「クラス分類」は薬事対応の手続に影響するので特に重要 事例:コンサルティングで、クラスⅢ相当(承認、要治験)→クラスⅠ(届出) /等 開発内容が既存品の改良等であること(中小企業) – – 医療機器産業に第一歩を刻み、産業を知り、体力をつける(身の丈の歩み) 事例:自社製品の改良を行った2件は、事業期間内に事業化到達(22年度補正) 39 医療機器の特性を踏まえた規制のあり方の検討 (「医療イノベーション5か年戦略」より) (抄)(文字色、太字、下線は追加) Ⅲ-1-5 審査の迅速化・質の向上・安全対策の強化 ○ 革新的医薬品、医療機器の実用化を加速するため、PMDAにおける審査員・安全対策要員の増員や質の向上を図る。 ○ 革新的医薬品、医療機器の安全性と有効性の確立に資する革新的医薬品・医療機器の安全性と有効性の評価法の 確立に資する研究(レギュラトリーサイエンス研究)を推進し、実用化のための課題を見極められる人材を育成し、実 用化の道筋を明確にする。 ○ 医療機器の審査の迅速化・合理化を図るため、医療機器の特性を踏まえた制度改正・体制整備・運用改善について 検討し、実行に移す取り組みを推進する。 (略) 4.医療機器の特性を踏まえた規制のあり方の検討 (1)医療機器の審査の迅速化・合理化を図るため、医療機器事業者団体等関係者の意見も十分に聴取しつつ、薬事法 について、以下のとおり、医療機器の特性を踏まえた制度改正を行う。(平成24年度から検討を開始し、次期通常 国会までに法案提出を目指し、すみやかに実施する。:厚生労働省) ① 医療機器に対して迅速かつ適切な承認・認証を行うために、薬事法の医療機器の関係条項を医薬品とは別に新たに 設けるとともに、医療機器の「章」を新たに追加する。これに併せて、法律の名称についても変更を検討する。 ② 医療機器の製造業の許可制度の見直しを行うとともに、高度管理医療機器の約8割が後発医療機器であるなどの医 療機器を取り巻く現状を十分踏まえ、医薬品とは異なる医療機器のみを対象に、登録認証機関を活用した承認・認 証制度を新たに設ける。 ③ 医療機器の分野にも情報化が進行してきている現状や国際的な規制の整合性を踏まえ、単体ソフトウェアやコンビネ ーション製品の取扱いについて、新たに薬事法上の取扱いを明らかにする。 ④ 薬事法のQMS調査の国際的な整合を図るため、特にリスクの高い医療機器を除いて、例えば製品群ごとにするなど 調査対象をまとめることができるようにする。 40 医療機器・サービス国際化推進事業 平成25年度予算案 10.1億円(昨年度10.0億円) 事業の内容 事業イメージ 事業の概要・目的 ○我が国医療の国際化は、医療機関が医療技術の進歩に 必要な資本や技術の蓄積に貢献するだけでなく、医療 機器等の国際競争力強化にも繋がるものであり、我が 国のヘルスケア産業の活性化に資するものです。 ○このため、わが国が高い技術を有する医療サービス・機 器・システムが一体となった海外展開を推進するとともに、医 療国際化の基盤である外国人患者の受入環境整備等を行 います。 ○具体的には、以下に取り組みます。 ①医療機器メーカーと医療機関との連携による海外展 開に向けた実証・事業可能性調査 ②医療国際化を目指す医療機関や機器メーカー、医療 コーディネート事業者等による、医療サービスの国 際化に関する自立的な事業の形成サポートを目的と した基盤の組成推進 ③医療国際化に際して国・地域横断的に課題となる項 目の調査 等 現地医療機関 日系医療拠点 日系医療拠点 現地医療機関 現地医療機関 日系医療拠点 現地医療現場のニーズを収集 医師免許や薬事承認制度等、 現地の医療関連制度の調査 現地医療関係者や政府関係者 とのネットワーク構築 等 ○医工連携によ る、新興国向け医 療機器の開発 インバウンド体制 確立に向けた支援 機能 海外からの医療情 報の円滑な取得に向 けた調査 我が国医療の「ブラ ンド化」戦略の実施 等 条件(対象者、対象行為、補助率等) 委託 国 民間事業者等 アウトバウンド・インバウンドの取り組みが車の両輪となって 医療の国際化を推進 41 日本の医療機器とサービスが一体となった海外展開調査事業の実施地域(平成24年度) 公募により新たに採択された案件:18件 継続案件:5件 ロシア 事業主体:北斗病院 事業内容:画像診断センター設立 事業主体:住友重機械工業 事業内容:PETセンター需要調査 中国 トルコ 事業主体:アイテック 事業内容:病院PPP整備運営事業調査 イラク 事業主体:アイテック 事業内容:日イラク医療協力センター設立 サウジアラビア 事業主体:大阪大学付属病院 事業内容:先進循環器医療の普及・推進 事業主体:アイテック 事業内容:救急医療システム構築 事業主体:三菱重工 事業内容:放射線医療センター構築 事業主体:国際医療福祉大学 事業内容:遠隔病理・画像診断サービス提供 事業主体:相澤病院 事業内容:リハビリ研修センター設立 事業主体:MIU麻田総合病院 事業内容:高度検診サービス提供 事業主体:ジーシー 事業内容:歯科技工サービス提供 事業主体:MEJ 事業内容:糖尿病・内視鏡治療サービス提供 事業主体:公益財団法人 がん研究会 事業内容:病理診断サービス提供 事業主体:とくしま産業振興機構 事業内容:生活習慣病健診サービス提供 事業主体:東芝メディカルシステムズ 事業内容:日中医療研修センター設立 ミャンマー 事業主体:メディヴァ 事業内容:乳がん診療サービス提供 タイ 事業主体:医療法人仁友会 事業内容:透析治療サービス提供 ブラジル 事業主体:テルモ 事業内容:血液業務実態調査 インドネシア カンボジア 事業主体:北原脳神経外科病院 事業内容:高度医療サービス提供 事業主体:東京医科大学・日本光電 事業内容:心臓健診システム提供 事業主体:医療法人偕行会 事業内容:糖尿病治療サービス提供 事業主体:システム科学コンサルタンツ 事業内容:地域医療サービス整備 事業主体:神戸国際医療交流財団 事業内容:消化器病診断治療センター設立 42 まとめ ○ 再生医療、医薬品、医療機器の将来性 ○ 規制改革の動向が鍵 ○ 中小・ベンチャー企業+チャンス+実行力 43 ご静聴ありがとうございました 44
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