「雑草からの紙作り」手順 パルプ作製まで 粗パルプ完成

「雑草からの紙作り」手順 パルプ作製まで
1.材料準備(植物採集)
エノクログサ100g+水酸化ナトリウム5g+石けん5g
・適当な大きさに切って切る.
(木やかたい草の場合は皮をむいて使う)
→パルプ20g
ハガキ5枚
パルプ15g
ミキサーを使用すると効率的
材料中の水溶性の成分を除去・アルカリ処理を容易に
水の量は材料が完全に浸かる程度
2.前処理
(1)準備した材料を容器に入れて水だけで
20~30分煮沸する.
(2)冷ましてから水を捨て,布袋やネット
等に入れ,よくもみ洗いする.
水酸化ナトリウム
を使ったときの
1/10程度のアルカリ強度
3b.叩き潰す
材料を細かく刻んで水に
つけておき,取り出して
布袋や洗濯ネット等に入
れて,木槌で根気よく叩
き潰す.~ミキサーを
使用すると効率的.
3a.アルカリ処理
3c.灰を利用する
枯れ葉.落ち葉・稲藁等,
植物なら何でも可.これら
を燃やして灰をとる.灰に
見かけの容量の5~10倍の
水を加え1週間程度おき,
濾紙等で濾過する.
→灰汁(あく: lye)
アルカリ水溶液 → 水1㍑に,水酸化ナトリウム(or炭酸ナトリウム)
50gを溶かしたもの.
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家庭では・・・
重ソウ(ふくらし粉=炭酸水素ナトリウム)を鉄製のフライパンで
10分程度加熱する.(中火)→ 炭酸ナトリウムができる.
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水1㍑に,粉石けん50gを溶かし,アルカリ水溶液に混ぜるとさらに
効果的.(なくてもよい)
アルカリ水溶液を準備
材料をアルカリ水溶液に
入れ,よくかき混ぜなが
ら加熱する.
1~5時間
時間の判断は,試料を少量取りだし
水洗いし,指先でもんでみたとき,
全体的に柔らかくなっていて,
繊維質のものだけが残るようならOK!
材料が繊維質になったら
加熱を止め,冷ます.
アルカリ水溶液の
pH測定
試験紙を使う(市販されている)
pHが7に近ければよいのだが,
9~10程度であれば特に問題なし.
pH値が10超
pH値がOK
布袋かネットで漉し,
残った繊維を水中で
よくもみ洗いする.
再利用する.
次回のアルカリ処理に使用
酸で中和する.
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家庭では・・・
酢(す)を使う
繊維を取り出し,
脱水・乾燥する.
粗パルプ完成
使用する植物によって
パルプの色が異なる.
必要に応じて行う.
4.漂白処理
漂白の準備
過酸化水素水を使う
市販の漂白剤を使う
漂白液・・・
過酸化水素水(5%),アルカリを
それぞれパルプの重さの1~5%程度
加える.
アルカリは・・・
水酸化ナトリウム または
炭酸ナトリウム
アルカリを加えることで,過酸化
水素が強い漂白を発揮する.
漂白剤・・・
酸化系(酸素系)のものを使う.
コスト的には不利だが,公害の
心配がなく,取り扱いも安全
5%程度の過酸化水素が含まれて
いるものを使うとよい.
過炭酸ソーダを含んだものでもOK
粗パルプと漂白液の
全体量は,容器の1/4
~1/5以下にする.
漂白中,吹き出すお
それがある.
容器に漂白液と粗パルプ
を入れ,加熱する.
粗パルプを漂白液につけ,
一晩おいておく.
漂白反応はある温度になると
急激に起こる.
細かい泡が吹き上がるので,
溢れないようにかきまぜながら
注意深く加熱する.
一晩おいたら,数時間以上
水洗いする.
酸素系の漂白剤は,水中で加熱することで
大きな漂白効果を発揮する.
泡が発生しなくなったら,漂白剤自身は
すでに分解されている.
→ 処理上の問題はなくなる.
カニ泡が発生しなくなっ
たら,液を冷ます.
目の細かいネットか金網
で漉し,パルプをよく水
洗いする.
パルプを乾燥させる
漂白液は加熱して
処理する.
パルプ完成
5.手漉きによる紙作り
実際の紙作り方法は,キット
によって多少異なりますので
ここでは省略します.
準備・・・
<ハガキ5枚作る場合>
パルプ15g
デンプン糊(小さじ1)
水500ml
ミキサーにかける
YIES山梨県環境科学研究所
水をさらに
500~600ml
加えて,
紙漉準備完了
教育スタッフ 梶原 萱沼 白須
[email protected]