爆弾をアクセサリーやカトラリーに再利用! ラオスのSaoban社

爆弾をアクセサリーやカトラリーに再利用!
ラオスのSaoban社
日本アセアンセンターメコン4カ国展に出展!
ラオス・Saoban 社員のアイデア
ベトナム戦争時代、多数の爆弾がラオスの国土に
投下された、という事実を知っていますか?
「特にラオスでは、大勢の犠牲者が出ました。この事
実を、もっと知ってもらい、戦争のない平和な社会をつ
くりたい。」 と訴えるのはSaoban Village
Hanicraft(サオバン・ビレッジ・ハンディクラフト)社の職員、
Mr. Bandith Ladpakdyさん。(写真下)
Bandith さんは、 ラオス国内にある非営利団体で、
参加型開発訓練センター、 Participatory
Development Training Center(PADETC)* という
組織にも属しています。PADETCを通して生産された商
品の小売を引き受けています。
ラオスには、ベトナム戦争当時、南ベトナム
で戦う解放戦線ベトコンへ北ベトナムから物
資補給路としてホーチミンルートがありまし
た。ベトナム国境沿いのラオス山間部がそ
のルートになっていたため、そこを狙ってア
メリカ軍は、激しい空爆を行いました。また、
ラオス愛国戦線(パテト・ラオ)の本拠地が、
ベトナム国境近くの山間部にあり、これもア
メリカ軍の爆撃の標的となったようです。さ
らに、北ベトナムへの空爆からタイにある空
軍基地への帰りに、機体を軽くするためにも、
ラオス上空で爆弾を投下したとも言われて
います。投下された爆弾は約8割は爆発し、
残り約2割は爆発せず、地中に不発弾とし
て埋まりました。
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地中に埋まった不発弾で今でも犠牲者をだしており、数万ヘクタールの広大な土地の
不発弾等を完全に除去するまで、百年はかかると言われています。PADETCが推進する農
地整備もこの作業を終えずしてはじまりません。
Bandith さんは、ある日、「この残骸を再利用できたら------ 」という思いつき、アクセサ
リーやカトラリーに再生させてみることにしたのです。こうして、軽く手触りがソフトなアルミ
ニウム素材によるイヤリング、ペンダントトップ、バングル、スプーンそして箸が出来上が
りました。
爆弾の残骸から再利用させた、ペンダントトップとバングル(向かって左)とスプーンと箸(右)。
PADETCとはどんな組織?
PADETCは、1980年から国際NGOのスタッフによってサポートされ運営しています。先
の戦争余波により、荒れた国土の有効利用と農民の生活向上を目指し、ラオス教育省私
学教育課に所属する先生を中心に、生徒達や農民を動員し「稲作統合農場システム
(RIFS)」プロジェクトがスタートしました。設立当時のスタッフはわずか5名。草の根運動で
したが、その運動は、ラオス全土に広がっていきました。
15年余り続けてきたころ、功績が認められ、1996年にラオス政府がPADETCを正式に
Non Profit Organizationとして承認しました。 以来、ラオス国籍のスタッフは50人に増え、
各プロジェクトをサポートするボランティアの若者は2000人以上にもなりました。
ラオス全土の農村の生活向上と、農作業の技術支援、若者を対象とした職業訓練等
をめざして展開したPADETCは、やがて、生産者から消費者に直接商品を供給する「フェア
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トレード」にも取り組むようになりました。この市場参入が、生産者に意欲と向上心をもたらす結
果となり、経済効果が期待できるようになりました。
また、PADETCは、農産物だけでなく地方の零細生産者が提供する手工芸品・民芸特産品等
もサポートをするようになりました。こうした商品を首都ビエンチャンで直売するショップがいくつ
かあります。 Bandith Ladpakdyさんが属するSaoban Village Handicraft社(写真右)もこうした
ショップのひとつです。 コットン、シルク製品、竹製品を販売しています。 Bandith氏はSaoban
社のスタッフであると同時に、PADETCのコンタクトマネージャーも兼務しています。農産物を中
心に販売サポートしているショップにはFarmer Shopがあります。
フェアトレードの取り組み
今回のメコン4カ国展に出展した企業のひと
つXao Ban Handicraft社のオーナーは、PADETC
設立当当時からその趣旨に賛同し、地方生産
者の指導にあたってきました。同社もビエンチャ
ン市内で竹細工の小売をサポートしています。
ラオス国内の地方におけるリーダーシップ
としての功績が認められ、PADETCの創設者で
あるセンター長のSombath Somphone氏は、
アジアのノーベル賞にあたる
「マグサイサイ賞」を2005年に
受賞いたしました。
PADETCのこれまでの
あゆみを出版。ホールで
閲覧可能です。
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アセアンホールにて展示中
今回紹介した爆弾の残骸から再利用したアクセサリーとカトラリーは、 Bandith の、「ぜひ、
日本の皆さまに、このストーリーとPADETCについて伝えてほしい。」という希望で、現在アセア
ンホールに展示されています。
今後、それぞれの商品に “No More Wars” 、
“ transition from war to peace”などの言葉を
刻んで、小売販売していきたいそうです。
ぜひ、一度、見にいらっしゃいませんか?
Ø日本アセアンセンター・アセアンホール
港区新橋6-17-19 新御成門ビル1階
お問合せ
Tel:03-5402-8004 Fax:03-5402-8005
メール:[email protected]/
Øメコン4カ国展の出展者リストは下記サイトにアクセスして下さい。
http://edit.asean.or.jp/ja/trade/department/event/2012/clmv2012/CLMV
ØPADETCの資料は下記へご請求ください。
HP: www.padetc.org
e-mail:[email protected]
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