「伸び行くアセアンを体感! 経済発展目覚ましいベトナムを訪問」 九州・ベトナム経済交流ミッション 2016 と き 2 月 21(日)~26 日(金) ところ ベトナム・ホーチミン、ハノイ 1.はじめに (団 長)九州経済連合会・麻生会長 九州経済国際化推進機構(以下「機構」)は、2 月 21 日(日)~26 日(金)にかけて、ベトナムのホーチミン とハノイへ経済ミッション団を派遣した。これが 5 回目 となる今回のミッションでは、九州企業のニーズが高い 「進出日系企業との座談会」や九州産食品および加工品 の輸出を実現するための「九州の食品商談会」をプログ (顧 問)九州経済産業局・岸本局長 (副団長)九州ベトナム友好協会・矢頭会長 (㈱やずや 代表取締役会長) 北九州ベトナム協会・山田会長 (TOTO㈱ 取締役専務執行役員) (団 員)5 地方自治体、3 団体、九州企業 20 社 ラムに取り入れるなど、より「実績・成果」を意識した 内容となった。 ベトナムと機構との関係は、2007 年まで遡る。2009 年には、機構とベトナム計画投資省(MPI)とで経済交流 に関する覚書(MOU)を締結し、相互による経済交流を継 続してきた。その良好な関係をさらに強固にすることも 今回の目的の一つである。 【九州・ベトナム経済交流ミッション 2016 行程表 】 結団式 ①イオンモール・タンフーセラドン店視察 ②ベトナム市場・投資環境勉強会(JETRO ホーチミン) ③ホーチミン地下鉄 1 号線建設工事視察(㈱清水建設) ④ビーパンテクノパーク(工業団地)視察 ⑤【表敬訪問】 在日本国総領事館表敬訪問 ⑦ESUHAI(現地人材育成機関)視察 ⑧ベトナム味の素・ロンタン工場視察 ⑨専門家・日系進出企業との座談会 ⑩ニャッタン橋視察(㈱IHI) ⑪九州・ベトナム経済交流座談会 ⑫九州・ベトナム経済交流事例報告会 ⑬【表敬訪問】 在ベトナム日本国大使館表敬訪問 【 〃 】 ベトナム計画投資省表敬訪問 【 〃 】 ベトナム国家主席表敬訪問 ⑭九州・ベトナム経済交流レセプション ⑮タカギベトナム工場視察 解団式 【1 日目】 2 月 21 日(日) 26 日(金) 帰国 ンタン」がオープン予定(ベトナム 4 店舗目)。 21 日(日) 2 社との個別商談(日系飲食店など) 22 日(月) ⑥九州の食品商談会 in ベトナム ⇒ ロッテレジェンドホテルサイゴン 23 日(火) 8 社との個別商談(卸売会社・日系飲食店など) 21 日(日) ホ ー チ ミ ン 22 日(月) 23 日(火) 視 察 班 表 敬 班 ハ ノ イ 24 日(水) 25 日(木) 福 岡 ① イオンモール・タンフーセラドン店視察 2014 年 1 月、ベトナム初のイオンとしてオープン。ホー チミン市の中心部から西へ 9km のタンフー区に位置し、 人口約 150 万人が居住する人口密集エリアである。地上 4 階建て(地下 1 階)、商業施設面積約 50,000 ㎡、バイ ク 4,000 台、車 500 台の駐輪・駐車場を有する地域最大 規模の商業施設で、総合スーパー「イオン・タンフーセ ラドン」と約 120 の専門店で構成されている。2016 年に は、ホーチミンエリア 3 号店となる「イオンモール・ビ 【2 日目】 2 月 22 日(月) 商 談 会 班 ホ ー チ ミ ン ② JETROホーチミンによるベトナム市場・投資環境勉強会 JETROホーチミン事務所において、ベトナム市場や 経済に関する勉強会を実施した。ベトナムの 1 人あたり 2.開催実績 GDPは約 2,000 ドル。都市部であるホーチミンとハノ 日 イは、それぞれ約 5,000 ドルと約 4,000 ドルである。ま 程:2 月 21 日(日)~26 日(金) (4 泊 6 日) 訪問地:ホーチミン、ハノイ 参加者:45 名 た、都市部ではモータリゼーションが急速に進展しつつ ある。ベトナムの魅力について尋ねたところ、「低廉な 名)、技能実習生コース 1,200 名、技術者コース 60 名の 人件費」と「政治の安定」とのことであった。 学生が在籍。卒業生は 3,000 名。 ③ ホーチミン地下鉄 1 号線建設工事視察 ⑧ ベトナム味の素社ロンタン工場視察 清水建設㈱と前田建設工業㈱とのJV(共同企業体)が ベトナム味の素社は、1991 年に設立され、1992 年より「味 受注した、ベトナム初の地下鉄工事の建設現場を視察。 の素」の生産を開始。2000 年にはベトナム向け風味調味 工事は、ホーチミン地下鉄 1 号線CP1B工区(オペラハ 料「Aji-ngon」(日本の「ほんだし」に相当)、 ウス駅およびバソン駅を含む延長 1.74km)を施工する。 2005 年からはマヨネーズ類を発売するなど多角化を推 また、オペラハウス駅とバソン駅の駅舎の建設も担当す 進している。従業員数約 1,700 名。ロンタン工場の新設 る。受注金額は約 232 億円で契約工期は 54 カ月。日本の により「Aji-ngon」の生産能力を大幅に向上さ ODA(円借款)案件である。 せ、海外食品事業を更に強化している。 ⑨ 専門家及び日系進出企業との座談会 事前アンケートで特にニーズが高かった、現地専門家や ④ 工場団地視察(VIE-PAN TECHNO PARK) 日系進出企業との座談会を開催。 「食品・サービス」 、 「輸 ホーチミン市内最大の工業団地のヒェップフォック工業 出入・貿易」、「物流・倉庫」、「人材育成・紹介」、「ホテ 団地内にある日系企業専用の工業団地を視察。ホーチミ ル・観光」の 5 分野に分け、専門家や進出日系企業との ン中心部から 15km に位置し、サイゴン・プレミア・コン 意見交換を実施した。 テナ港(SPCT港)まで 1km、タンソンニャット国際 【4 日目】 2 月 24 日(水) 空港まで 21km の距離にある。マネジメント機能(人事・ ⑩ ニャッタン橋(日越友好橋)視察 会計・物流等)の代行サービスも提供している。 日本のODA(円借款)案件として、㈱IHIインフラ ⑤ 在ホーチミン日本国総領事館表敬訪問 システムと三井住友建設㈱とのJVによって施工され、 ベトナムの近況、今後の両国の交流等について意見交換 2014 年 12 月に完成。ハノイ市中心を流れる紅河に架か を実施。 り、主橋(斜張橋)と取付橋からなる延長 3,080m を誇 ⑥ 九州の食品商談会 in ベトナム る橋梁。本橋を象徴する斜張橋の 5 基の主塔は、ベトナ 会 ムで初めてとなる鋼管矢板基礎を有し、複雑な断面変化 場:ロッテレジェンドホテルサイゴン 参加者:九州側 8 社、ベトナム側 44 社(約 80 名) と軸芯の傾斜が特徴的で、高さ約 110m を誇り上部工を 九州産の食品・食品加工における食品商談会を開催。約 支えている。これまでは、ノイバイ国際空港からハノイ 160 件(1 社あたり約 20 件)の商談が行われ、数社につ 市内の移動に約1時間を要していたが、この橋の完成に いては、契約に向けた交渉が現在も継続中である。 より約 30 分に短縮され、慢性的な渋滞の解消・緩和に寄 【3 日目】 2 月 23 日(火) 与している。 ⑦ 現地人材育成機関視察(ESUHAI) ベトナム人のレ・ロン・ソン氏が 2006 年に設立した人材 育成機関で、「ベトナム人材教育・研修」、「ベトナム 人技能実習生派遣」、「ベトナム人高度技術者紹介」等 を行っている。従業員数は 150 名(日本人スタッフ 16 ⑪ 九州・ベトナム経済交流座談会 3.帰国後アンケートの結果(抜粋) 「ベトナムでのビジネス・生活・文化等について」をテ 帰国後、ミッション参加者を対象としたアンケートを実 ーマに、ベトナム日本商工会の各部会長・副会長及び進 施した。(アンケート対象企業:28 社 回答:24 社) 出日系企業との座談会を開催した。 ⑫ 九州・ベトナム経済交流事例報告会 Q 今回のミッションに対する総合的な満足度 ベトナムにおける農業・環境分野における 4 件の事例報 告会を開催した。 回答なし 5 [九州農林水産業の成長産業化に向けた取組について] とても満足 九州経済産業局農林水産業成長産業化支援室:川原室長 12 [ベトナム農業の担い手の動向と佐賀大学のアンザン省における農業支援プロジェクト] 満足 11 佐賀大学農学部:辻准教授 [K-RIP のベトナム環境プロジェクトの形成について] K-RIP:嶋田統括マネージャー [“くりんかロード”のご紹介~クリンカアッシュを活用し環境未来都市創りを!~ ] ㈱環境緑化保全コンサルタント:楳木常務取締役 ⑬ 表敬訪問 ・在ベトナム日本国大使(柳臨時代理大使) ・グエン・バン・トルン計画投資副大臣 ・チュオン・タン・サン国家主席 ⑭ 九州・ベトナム経済交流レセプション (コメント) ・実地見聞・ヒアリングや座談会を通して、経済・流通・労働・人材教育な どビジネスの観点から 期待以上にベトナムの現状を知ることができた。 ・現地の方々に加えて今回の参加者との情報交換や懇親を深めるお時 間をいただき、新たなビジネスを展開する意味で良い機会となった。 Q 特に印象に残ったもしくは参考になったプログラム 「ジェトロによるベトナム市場・投資環境勉強会」が 最多(13 社が回答)であった。 ・ベトナム側政府関係者や日系進出企業など 78 名が 参加し、経済交流レセプションを開催。 [ベトナム側政府関係出席者] ・外国投資庁ドゥ・ニャット・ホアン長官 ・外務省グエン・フォン・ホン副局長 ・農業農村開発省グエン・アン・ミン副局長 ・天然資源環境省グエン・スァン・バオ・タム副局長等 9名 【5 日目】 2 月 25 日(木) ⑮ タカギベトナム視察 タカギグループ(本社:北九州)初の海外生産拠点とし て、ハノイ郊外タンロンⅡ工業団地に 2008 年 11 月に設 立。2009 年 12 月より操業開始。敷地面積は、約 2 万 4,000 平方メートル、延べ床面積 3,000 平方メートルで、プラ スチック部品の成形、散水用品の組立、金型部品の加工 Q ベトナムとのビジネスを行う上での課題 「現地人材の育成や技術力の向上」、「現地ベストパー トナーとのマッチング機会」、「海外情報の収集」など が挙げられた。 Q 機構が実施する国際経済交流事業への期待するもの 「海外ミッション団派遣(12 社)」、「ビジネス商談会 開催(10 社)」などが挙げられた。 等のほか、セントラル浄水システムの開発・実証を行っ 帰国後アンケート結果をもとに、機構事業の更なる充実化 ている。 を図ります。 4.今後の対応 アジアの中でもベトナムと九州との経済交流は非常に活 発で、本ミッションのフォローも含め一層ベトナムとの 経済交流を図り、伸び行くアセアンの活力を取り込むた めの事業を積極的に展開していく。 【国際部 [※一部の内容については、前月 4 月号掲載] 菊池】
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