経済発展が著しいインドシナ半島で 官民連携プロジェクトに参加

7号
2008年2月
SGホールディングス株式会社 〒601-8104 京都市南区上鳥羽角田町68番地 TEL.075-671-8600㈹ URL.http://www.sg-hldgs.co.jp
経済発展が著しいインドシナ半島で
官民連携プロジェクトに参加
佐川グローバルロジスティクス㈱
現するものと期待されています。
(SGL)は、2007年10月から12月に
SGLでは、1997年にベトナム
かけて、経済産業省と国土交通省主導
に現地法人を設立した時からハノ
によるメコン地域での陸上輸送実用
イ∼ホーチミン間の陸上輸送を手が
取得して、タイ車両のベトナム国ラ
化プロジェクト「メコン地域陸路実用
けてきたノウハウと実績をもとに
オバオ国境までの乗り入れを行い、
化実証走行試験」に参加し、各種調査
「東西経済回廊」を活用した陸上輸送
実施しました。これによりハノイ、
を実施しました。今回は同プロジェク
の検討を進めており、今回の実用化
ホーチミンそれぞれの貨物を中間地
トを通じてS G ホールディングスグル
実証走行試験にも参加しました。
点で集約・仕分けし、輸送効率化を図
ープの国際事業の展望を紹介します。
■実証走行試験の内容
ることが可能となります。
実証走行試験は、2007年10月から
*************
第二メコン国際橋を走るSGLのトラック
今後は実証走行試験での調査結果
12月にかけて計3回行いました。各
と混載輸送ブレイクの実績をもとに、
ベトナムでは近年、ベトナム政府の
種装置を積載し、道路環境が貨物に
早期に「東西経済回廊」を活用した
企業誘致政策や中国での人件費高騰
与える影響を確認するとともに、ラ
陸上輸送の商品化を実現するととも
を背景に、経済発展が著しいホーチミ
オスのサワナキェットでの混載輸送
に、
「中国(華南)∼ベトナム(ハノイ)
」
ンをはじめ、首都のハノイなどでも工
ブレイク(混載貨物の積み替え)を実施。
「タイ(バンコク)∼カンボジア∼ベト
場を新設・移転する日系企業が増えて
ベトナム側でも、国内では初めての
ナム(ホーチミン)
」の陸上輸送も視
います。そして、その多くは産業集積
許可となるラオバオ国境での混載輸
野に入れ、インドシナ半島全体での陸
が進むタイから部品を調達し、ベトナ
送ブレイクおよび混載積込の許可を
上輸送網の構築を検討していきます。
■プロジェクトに参加した背景
(次ページに続く)
ム国内で製品を組み立てるな
ど、モノの流れは「現地∼日本」
インドシナ経済圏における展開
中国
のみならず、
「現地∼現地」へ
と多様化しています。
これまでタイ∼ベトナム間
の輸送は、メコン川で分断され
ていたため陸上輸送ができず、
ました。しかし、日本の政府開
バンコク
ラオバオ
ドンハ
★
フエ
ムクダハン
デンサワン
カンボジア
佐川急便タイ・コンテナ
ディストリビューション・
サービス㈱
ホーチミン
佐川急便ベトナム㈱
・ホーチミン
・ハノイ
・ダナン
佐川急便マレーシア㈱
らラオスを経由してベトナム
を結ぶ「東西経済回廊」や、
「第
ことから、今後、陸上輸送が実
サワナキェット
第二メコン国際橋
発援助(ODA)により、タイか
二メコン国際橋」が整備された
ハノイ
ラオス
タイ
日数を要する海上輸送か、価格
の高い航空輸送に限られてい
ベトナム
メコン川
佐川急便シンガポール㈱
は今回の走行試験のルート
バンコク⇔ハノイ 約1,600㎞
バンコク⇔ホーチミン 約2,200㎞
写真上:タイとラオスの国境越え
写真下:貨物を積み替える様子(タイ/ムクダハン)
February, 2008 No.7
アジアで拡大するロジスティクス事業
国際事業を“点”から“線”
“面”へ進化させ
荷主企業様のニーズに応えていく
SGホールディングスグループは中
を優先課題として取り組んでいます。
期経営計画「First Stage Plan」で、
そうした中で、今回のメコン地域
ロジスティクス事業(物流加工、航空貨
での陸上輸送実用化プロジェクトは、
物、国際事業)をデリバリー事業(各種
「タイ∼ラオス∼ベトナム」という
輸送事業)に続く、第二の柱に成長さ
“線”に加え、インドシナ半島を“面”
せることを目標に掲げています。
国際事業では、2006年にマレーシ
アに現地法人を設立し、ASEAN地
域での拠点配備が完了したことから、
今回のプロジェクトで幹事を務めた
株式会社 三菱総合研究所
竹末直樹様のお話
として展開することを視野に入れて
おり、まさに当社グループの国際事業
戦略の象徴的な案件と言えます。
当社グループは、今後も荷主企業
今後は「点」
(現地法人内、日本⇔現
様のニーズ、そして市場動向を的確
地法人)での展開から、「線」(現地
に捉えて対応を図るとともに、アジ
法人間の連携)、そして「面」(物流
ア地域の活性化に向けて国際事業を
網による展開)へと発展させること
展開していきます。
「東西経済回廊」の開通により、
タイとベトナム間の陸路輸送が可能
となり、インドシナ半島における物
流のスピード化、効率化に大きく貢
献するものと期待されています。
今回の実証走行試験には、輸送企
業、荷主企業、ベンダーなど多くの
日系企業に参加していただきました
が、特に佐川グローバルロジスティ
クスさんにご協力をいただいた混載
輸送は、実証走行試験の目玉プロジ
ェクトの一つとなっています。
確実な運転で「事故ゼロ」の実現を目指す
佐川急便㈱ 東京店 営業課 佐川急便㈱ 八戸店 安全推進課
2007年10月に開催された「第39回
山 x奈 津 美
関 川 洋 光
た。現在、偶然にも以前の勤務
全国トラックドライバー・コンテスト」 地だった銀座エリアを担当して
(主催:
(社)全日本トラック協会)で、佐
います。
川急便㈱から11名の選手が入賞を果た
関川 私も前の職場へ集配に来
しました。そこで今回は、女性部門で
ていたセールスドライバーの仕
優勝した山x奈津美(東京店)と、11ト
事ぶりを見て、
「あんな風に生
ン部門で優勝した関川洋光(八戸店)に
き生きと仕事をしたい」と思っ
「安全運転」について話を聞きました。
たのがきっかけです。
―― セールスドライバーになったきっ
――普段の業務で心がけている
かけを教えてください。
ことは?
山x
関川洋光
山 x 奈津美
1992年入社。セールスドライ
バーを14年勤め、現在は安全
推進課で後進の指導にあたっ
ている。
2 0 0 6 年入社。今大会には、
2 0 0 6 年大会の女性部門で優
勝した先輩からもらった C D
を聴きながら本番に臨んだ。
高校卒業後、警備会社に就職し、 山x 実は入社するまで、ほとんど運転
そのような思いをする人がいなくなる
東京・銀座にあるビルの警備をしていま
をしたことがありませんでした。入社
ように、
「事故ゼロ」を目指して日々の
した。そこで見かけたセールスドライ
後の各種研修を通じて独り立ちするこ
業務に取り組んでいます。
バーの仕事ぶりに惹かれ、入社しまし
とができましたが、慢心は禁物です。 ――今後の抱負を聞かせてください。
ですから「格好良い運転」ではなく、 関川 私は現在、八戸店の安全推進課
全国トラックドライバー・コンテストは、交通事故の
防止と環境負荷の低減を目指して、プロトラックド
ライバーの法令遵守と運転・整備点検技術の向上を図
ることを目的に毎年実施されている。今年は各地区
予選を突破した171人が参加した。
SGホールディングスグループ ニュースレター
「確実な運転」を心がけ、常に緊張感を
で、安全運転の指導・教育を行っていま
持って運転しています。私たちセール
す。今後もドライバーコンテストでの
スドライバーはプロのドライバーとし
経験を生かし、
「事故ゼロ」の実現を目
て、自分が事故を起こさないことはも
指していきます。
ちろん、周囲にも事故を起こさせない
山x
運転を心がけています。
職場環境づくりに取り組んでおり、私
関川 我々はトラックを使用して事業
の所属する東京店でも10名以上の女性
を営んでいます。そのトラックで事故
ドライバーがいます。今後さらに女性
が起きれば当事者はもちろん、その親
が活躍できるように、微力ながら先駆者
佐川急便では女性が活躍できる
族・知人までもが悲しい思いをします。 として盛り上げていきたいと思います。
佐川急便が地域興し活動「がばい佐賀」に参加し
佐賀県名産品の全国発送を一括受託
ー」を2007年10月に開設するなど、
九州地方における輸送の効率化とお
客様の利便性向上を図っています。
佐川急便㈱はこのほど、佐賀県の
もので、現在までに10社が賛同。
「が
この結果、消費期限が12時間と非常
地域興し活動「がばい佐賀プロジェ
ばい佐賀」ブランドで各種のタイア
に短い佐賀の名産品「本家ときわ家
クト」に参加し、佐賀県名産品の全国
ップ商品を製造販売しています。
白玉饅頭」も、首都圏市場への発送
が可能となり、現在、実現に向けて
発送を一括受託しました。がばい佐賀
佐川急便では、グループの貨物航
プロジェクトは、佐賀県出身でラジオ
空会社ギャラクシーエアラインズ㈱が
のパーソナリティーや歌手活動を行
2006年10月に運航を開始した「羽田
うタレントのヒーマン氏が、佐賀県
∼新北九州」便を活用するとともに、
商品の全国発送を通じて、全国に佐
の魅力を全国に発信したいという思
九州発着貨物の集約・仕分けを行う大
賀県の魅力を伝え、地域興しの一助
いで、県下企業に呼びかけて始まった
型物流施設「佐川急便 北九州センタ
を担っていきたいと考えています。
検討・調整を進めています。
佐川急便では、
「がばい佐賀」関連
◆佐川急便北九州センター
福岡県
佐賀県
◆がばい佐賀プロジェクト
現在、佐賀県下の10社が「がばい佐賀」ブランドで
各種タイアップ商品を製造販売しています。
(通信販
売も可能、※一部商品は除く)
【主な商品】
●がばい佐賀まるぼうろ
●がばい佐賀の米
●がばい佐賀の地鶏
●がばい佐賀の白玉饅頭
●がばい佐賀のラーメン
●がばい佐賀のお茶
●がばい佐賀のせんべい
●がばい佐賀ストラップ
●がばい佐賀の蒲鉾
コラ
ム
◆ギャラクシーエアラインズ
九州地方での通信販売関連
深夜・早朝の時間帯に運航
や企業間貨物などの貨物増加
することにより、従来の航空
に対応するため、新北九州空
便と比べて遅くまで集荷受付
港の近隣に2007年10月に開
ができ、生鮮品や通信販売関
設。九州発着の貨物の集約・仕
連商品など、スピードが求め
分けを行う中継機能に加え、
られる貨物の大都市圏への翌
商品の入荷から在庫管理、検
日配達が可能になりました。
品・梱包・出荷まで、一連の工
2007年10月に初便就航から
程を1か所で行う物流加工機
1周年を迎え、順調に取扱量
能を併せ持ちます。また、ギ
ャラクシーエアラインズの航
を増やしています。
【運航路線】
空輸送などグループの総合力
羽田⇔新北九州、羽田⇔那覇
を活用し、トータルソリュー
羽田⇔新千歳
ションの提供を実現します。
新千歳⇔関西国際
「がばい佐賀」公式サイト
http://www.gabaisaga.com
※「がばい」とは、佐賀弁で
「すごい」
「非常に」の意味
「日本の台所」を物流で支える 築地4丁目サービスセンター
「日本の台所」として知られる築地市場
た乾物などを中心に、その日の朝に競り
(東京・中央区)
。その築地場外市場に地
落とされた新鮮な食材をその日のうちに
域特性に合わせたサービスを展開するた
発送します。また、買った物をその場で
め、車両を使わず台車で集配を行うサー
発送できるという利点から、買い物に訪
ビスセンター「築地4丁目サービスセン
れた一般のお客様にもご利用いただいて
ター」を出店しています。
います。下町情緒あふれる築地市場の仲
当サービスセンターでは、市場に合わ
買さんともすっかり顔なじみになり、日
せて朝6時からオープン。マグロ・イカ
本の台所を縞シャツのセールスドライバ
といった生鮮食品や、昆布や鰹節といっ
ーが、今日もサポートしています。
February, 2008 No.7
引越事業 (佐川引越センター)
ワンストップサービスで法人向けを強化
個人向けにも各種新サービスを提供
佐川引越センター㈱は、365日24
新しいビルやオフィスへの移
時間の営業体制で引越輸送サービス
転、ビルの新築や改装など、お
や、全国発着の貸切輸送車両の手配
などを行っています。現在、支店や営
客様によって目的が違います。また、 ◆佐川引越センター株式会社の概要
最近のオフィス移転は、物を運ぶだけ 所在地:東京都江東区新木場2-14-11
業所は大都市圏を中心に22拠点、協
ではなく、インターネット回線の工事
力会社は約2,100社あり、全国規模で
や、電話・電気の手続き、什器の購入
ネットワークを張り巡らせています。
など、さまざまな需要があります。弊
2006年度の営業実績は、個人引越
社では、それらをすべて請け負う“ワ
が2万3,700件、法人引越が1万840件
ンストップサービス”を展開し、引越
で、部門売上高は38億9,881万円を計
に伴うさまざまな問題にソリューシ
上。今期も10月末時点で前期比113%
ョンを提供していきたいと考えてい
と順調に推移しています。
ます」
(輸送事業部・齋藤清司課長)
資本金:3,000万円
設 立:1988年10月
年 商:453億円(平成18年度実績)
社員数:247名
全国協力会社数:約2,100社
事 業:引越輸送事業、各種貸切輸送事業
美術品輸送事業ほか
<引越事業の主な実績>
・日本興亜損害保険(関東地方全域、中期合併移
転幹事会社)
・横浜クイーンズスクエア移転搬入統括業務
および搬出入管理業務
・アマゾンジャパン 市川DC 物流センター
移転業務
・大阪証券取引所移転業務
・赤坂迎賓館改修工事に伴う調度品移転業務
・大阪中ノ島センタービル移転業務
・名古屋駅前 ルーセントタワー移転搬入管理 など
佐川引越センターでは、都心部の
一方、個人向けでは、家具類の耐
再開発によりオフィス移転が活性化
震対策、災害時に持ち出す救急用品
しつつあることから、法人顧客に対
の真空パックサービス、盗聴・盗難調
する営業を強化する「FromB戦略」
査などの防犯対策、ブランド品の買
を推進しており、今後の方向性とし
い取りなどのサービスを展開し、顧
て、環境保護、コンプライアンス、
客の多様なニーズに応えています。
機密保持をキーワードにした商品企
また、従来は宅配便ネットワークだ
画を検討しています。
けでは難しかった大型家具・家電の
で実現。2007年6月に佐川急便㈱と
設置輸送を、引越事業で培ったノウ
共同で、大型家具や家電を輸送して
ハウとネットワークを活用すること
指定場所に設置し、不要資材の引き
「一口にオフィス移転と言っても、レ
イアウトの変更やフロアの移動から、
取りまで行う「大型家具・家電設置輸
◆オフィス移転完了までのプロセス
佐川引越
センター
荷主企業様
②
移転推進
本部設置
組織作りは大がか
りなオフィス移転
をスムーズに完了
させるために欠か
せない
①
打
ち
合
わ
せ
・
お
見
積
も
り
︵
下
見
︶
搬移
出転
入す
のる
諸什
条器
件備
、品
道な
路ど
状の
況物
な量
どチ
をェ
確ッ
認ク
③
④
計
画
・
立
案
社
内
説
明
会
︵
移
転
説
明
会
︶
検下
討見
しに
、基
作づ
業き
計移
画転
とス
おケ
見ジ
積ュ
書ー
をル
提な
出ど
を
本年もSGホールディングスグループを
編
集
後
記
配梱
布包
・資
事材
前の
梱手
包配
ダンボールや
テープ・ラベ
ルなどの資材
を配布
依頼がある場
合は梱包作業
移
転
作
業
⑤ 事前準備
に移
つ転
い作
て業
説の
明進
め
方
送」サービスを開 始 し ま し た 。 す
移転先のレイアウト図
の作成、移転物品・廃
棄物品の仕分け・確
認、担当部署の役割分
担、関係省庁への届出
手続き、荷造りなど
養
生
作
業
、
搬
出
、
輸
送
、
搬
入
、
ア
フ
タ
ー
フ
ォ
ロ
ー
でに大手家具量販店から受託するな
ど、好調に推移しています。
「弊社は引越事業に本格参入して以
来、自社拠点の配備と提携協力会社
の拡充を図りながら、専用ネットワ
ークの構築を推進してきました。今
後はさらにネットワークの拡充を進
めるとともに、各種付加価値サービ
スを充実させるなど、ハードおよび
ソフトの両面から引越事業の拡大を
図っていきます」
(齋藤課長)
ることはまったく異なり、机上の空論の空
トにかける熱い想いに触れることができま
しさを改めて痛感した次第です。
した。本号で紹介しました「東西経済回廊
さて、ニュースレター「SG-NEWS」の
「グローバル」と「地域密着」
。ビジネスの
プロジェクト」や「がばい佐賀プロジェク
第7号を制作するにあたり、ベトナムと佐
世界で昨今叫ばれているキーワードを実感
ト」につきましては、これからも随時動向
賀に実際に赴きました。
「情報」として見
するとともに、現地で主体的に取り組む関
を発信していきますので、ご期待ください。
聞きすることと、実際に「体験」して感じ
係者たちと接することにより、プロジェク
(広報担当)
よろしくお願いいたします。
ご感想をぜひお寄せください。 Mail [email protected]
SGホールディングスグループ ニュースレター
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