1.平成 27年度事業報告および計算書類報告の件

<報告事項>
1.平成 27年度事業報告および計算書類報告の件
Ⅰ
事業概要の報告
平成 27 年におけるわが国経済は、政府の経済政策、金融政策により円安・株高
が維持されたこと等を背景に企業収益や雇用環境に改善が見られるなど、景気は、
緩やかながらも回復基調で推移しました。
このような経済状況のもと、当協会では、依然として加入登録者の減少と資産運
用環境の厳しさが続く中での事業運営となりましたが、4月から法人名称を一般社
団法人ヤクルト同仁協会に変更し、あらためてヤクルトグループ従事者の福利厚生
に寄与する事業法人としての位置づけを明確にするとともに、各制度の円滑な運営
と財政収支の安定化を目指し取り組んでまいりました。
これら事業活動の結果、当、平成 27 年度の経常増減額は、運用収益が大きく減
少した一方で、離職金共済給付金等の経常費用も減少したため、前年度に引き続き
増益となり、前年度3年ぶりにプラスに転じた当期末正味財産は、プラスを維持す
るものとなりました。
1.登録者の状況
(1)社員数(事業所数)
総社員数は、前年度末(平成 26 年 12 月末、以下同じ)より 2 社減少(2 社退
会)の 132 社となっています。
(2)離職金共済事業
第 1 種離職金共済は、平成 27 年 1 月から 12 月の間において新規登録者数が
7,418 名であったのに対し、登録解除者数が 8,790 名であったため、年度末登録者
数は、前年度末より 1,372 名減少の 49,849 名(前年度末比 2.7%減)となりまし
た。また、増口の年度末登録口数は、前年度末より 126 口増加して 16,608 口(前
年度末比 0.8%増)となっています。
第 2 種離職金共済は、同じく新規登録者数が 2,308 名であったのに対し、登録
解除者数が 2,808 名であったため、年度末登録者数は、前年度末より 500 名減少
の 19,932 名(前年度末比 2.4%減)となりました。なお、第 1 種離職金共済に登
録している YL・YB の内、第 2 種離職金共済の登録者数は 16,127 名で、その割
合は 44.1%です。
(3)業務従事者災害補償制度(保険対応分)
保険商品の利用による当『業務従事者災害補償制度』において、業務疾病見舞金
(旧業務疾病共済)の年度末登録者数は、前年度末より 1,372 名減少の 49,849 名
(前年度末比 2.7%減)となりました。
同じく特別傷害見舞金(旧傷害共済)の年度末登録数は、前年度末より 735 名
減少の 17,873 名(前年度末比 3.9%減)、口数では前年度末より 728 口減少の
19,351 口(前年度末比 3.6%減)となりました。なお、第 1 種離職金共済に登録
している YL・YB の内、特別傷害見舞金の登録者数は 16,815 名で、その割合は
46.0%です。
同じく私傷病見舞金(旧私傷病共済)の年度末登録者数は、前年度末より 1,757
名減少の 25,625 名(前年度末比 6.4%減)となりました。なお、第 1 種離職金共
済に登録している YL・YB の内、私傷病見舞金の登録者数は 25,179 名で、その割
合は 68.9%です。
2.給付等の状況
(1)離職金共済事業
第 1 種離職金共済は、平成 27 年 1 月から 12 月の間において給付件数 4,934
件、給付額 714,229 千円で、その 1 件当りの平均金額は 145 千円(前年同期間
平均金額 137 千円)となりました。
第 2 種離職金共済は、同じく給付件数 2,225 件、給付額 529,089 千円で、その
1 件当りの平均金額は 238 千円(前年同期間平均金額
242 千円)となりまし
た。なお、第 1 種、第 2 種を合わせた離職者一人当たりの給付額の平均金額は
174 千円となっております。
(2)業務従事者災害補償制度(保険支払分)
当制度において保険会社から支払われた業務疾病見舞金は、平成 27 年 1 月か
ら 12 月の間において支払件数 790 件、支払額 38,637 千円となり、1 件当りの平
均金額は 49 千円(前年同期間平均金額 40 千円)となっております。
特別傷害見舞金は、同じく支払件数 364 件、支払額 10,433 千円となり、1 件当
りの平均金額は 29 千円(前年同期間平均金額 27 千円)となっております。
私傷病見舞金は、同じく支払件数 1,129 件、支払額 29,744 千円となり、1 件当
りの平均金額は 26 千円(前年同期間平均金額 28 千円)となっております。
(3)その他
共済事業以外の支出としては、平成 25 年 3 月で廃止した旧傷病共済事業の継続
給付分が、件数で 8 件、給付額で 2,267 千円発生しており、管理費支出として処
理をしています。また、受益資格者の東京出張等の宿泊設備として設けておりま
す東京ビュックの平成 27 年 1 月から 12 月の間の利用者は、1,056 名です。
3.資産等および資産運用の状況
(1)資産等の状況
資産の部は、保有する運用資産のうち投資信託の評価損の計上等により、合計
で前年度末より 32,847 千円減少の 15,404,107 千円となりました。
負債の部は、離職金共済責任準備金の再計算において 70,904 千円の戻入が発生
したこと等により、前年度末より 70,982 千円減少の 15,317,173 千円となりまし
た。
この結果、正味財産期末残高は、前年度末より 38,135 千円増加の 86,935 千円
となりました。
(2)資産運用の状況
資産運用においては、当年度に償還された債券の再投資を行い、償還収入
3,536,404 千円のほぼ全額となる 3,502,769 千円を公共債等の購入にあてました。
この結果、既存保有債券を含めた運用収益は、290,172 千円で、その運用利回りは
1.91%となりました。なお、保有する投資信託の基準価額の下落による評価損お
よび外貨建債券の為替評価を考慮した評価損益調整後の運用収益は、251,229 千
円、運用利回りは 1.66%となりました。
4.対処すべき課題
今後のわが国経済の見通しは、政府の諸政策により、デフレ脱却と経済成長が期
待されていますが、原油安や中国の景気減速をはじめとする不安定な世界経済の影
響が懸念されるなど、不透明な状況も合わせ持っています。また、国内債券市場は
依然、超低金利の状況が続いています。
この超低金利の影響により資産運用収益は、減少傾向が続いていますが、平成 27
年度の運用実績および平成 28 年度に償還を迎える保有債券の再投資の結果により、
今後の運用収益の減少幅に一応の目安がつくことから、財政収支の見通しを改めて
検証し、離職金共済事業の制度内容の見直し等、対応策の立案と経費の節減に最優
先で取り組むことが、まず一つの重要な課題であると考えています。
また、そのためにも財政収支を中心とした当協会の現況について理解をいただく
こと、さらに、こうした状況の中での各制度の有効的で公平な活用を図るための提
案や制度改定を検討するため、会員の皆様と随時情報交換をし、共有化することが
もう一つの課題であると考えております。
これら、対処すべき課題は、平成 28 年度については、別途策定しました事業計
画案において、具体的施策の実施に向けた準備を進めてまいります。